JP2011110656A - 研磨用組成物および研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質なウエハを効率的に研磨できる研磨用組成物(研磨スラリー)を提供する。
【解決手段】本発明の研磨用組成物は、ダイヤモンドからなる主粒子と、サイアロン粒子かなる副粒子とからなる砥粒を、分散液に混合分散させた研磨スラリーからなることを特徴とする。ダイヤモンド粒子とサイアロン粒子とからなる砥粒を含む研磨スラリーを用いることにより、高価なダイヤモンド粒子の使用量を抑制しつつ、非常に優れた研磨レートで、硬質な被研磨材をも研磨することが可能となった。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬質な被研磨材をも効率的に研磨できる研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法に関する。
これまで電子デバイス基材にはシリコン(Si)単結晶が用いられることが多かったが、最近では各種の特性に優れた炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの単結晶が用いられつつある。
もっとも、SiCやGaNなどの単結晶基板は、非常に硬質で難加工材料である。このため、これらの基板を高精度を維持しつつ効率よく研磨することは容易ではなく、その研磨性を向上させるための研究がなされている。例えば下記の特許文献などで、超硬質な基板を効率的に研磨する方法が提案されている。
特開2007−311586号公報 特開2008−68390号公報
もっとも、上記の特許文献に開示された内容は、いずれも炭化ケイ素(SiC)などの硬質な単結晶板の仕上げ研磨方法に関するものであって、研磨液(研磨スラリー)中の化学成分または化学的特性など、化学研磨に特徴を有するものである。
本発明は、このような従来技術とは異なり、硬質な被研磨材に対しても、少なくとも機械的な研磨を効率的に行うことができる研磨用組成物およびその研磨用組成物を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、硬質な被研磨材の研磨に多用されるダイヤモンド粒子に窒素(N)を含む金属化合物粒子を加えて研磨することにより、高価なダイヤモンド粒子の使用量を抑制しつつも、従来よりも遙かに高い研磨性が得られることを新たに見出した。本発明者は、この成果を発展させることにより以降に述べる本発明を完成するに至った。
《研磨用組成物》
(1)本発明の研磨用組成物は、砥粒と該砥粒を分散させる分散液とからなり、被研磨材の研磨に用いられる研磨用組成物であって、前記砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子と、Nを含む金属化合物かなる副粒子と、を含むことを特徴とする。
(2)本発明の研磨用組成物を構成する砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子(以下適宜「ダイヤモンド粒子」という。)のみならず、Nを含む金属化合物からなる副粒子(以下適宜「化合物粒子」という。)とからなる。この砥粒を分散液に分散させた研磨スラリー(または懸濁液、研磨液)を用いて被研磨材を研磨すると、非常に硬い難加工材からなる被研磨材であっても、効率的な研磨が可能となる。特に、従来のように、砥粒をダイヤモンド粒子のみとした研磨用組成物や、そのダイヤモンド粒子に他の酸化物粒子を加えた混合粒子を砥粒とした研磨用組成物を用いた場合に比べて、本発明の研磨用組成物を用いると、ダイヤモンド粒子の使用量を抑制しつつ、格段に高い研磨性(研磨レート)が得られることがわかった。
(3)もっとも、本発明の研磨用組成物により、優れた研磨性が得られる理由は必ずしも定かではない。現状では次のように考えられる。
すなわち、Nを含む金属化合物はからなる副粒子は、単に高強度、高剛性であるのみならず、研磨粒子として最適な粒径に調整するためにボールミル等を用いて粉砕して製造されるため鋭利な粒形をしているものが多い。
このため、研磨に用いられる研磨パッド中に内包された副粒子は、研磨パッド中で転動が抑制され、研磨パッド中に滞留し易くなる。そうすると、そのような副粒子によって囲繞されたダイヤモンド粒子(主粒子)も、その副粒子によって研磨パッド中の転動が阻害され、結局、従来よりも長く研磨パッド中に滞留するようになる。
このようなメカニズムにより、研磨作業中の研磨パッドに内包されるダイヤモンド粒子の密度が高まり、研磨性が向上すると考えられる。従って、本発明の研磨用組成物を用いれば、研磨作業の大幅な効率化が図れ、また、従前と同等以上の研磨性を達成しつつ、高価なダイヤモンド粒子の使用量を抑制することができ、研磨作業の低コスト化が図られる。
(4)ところで、本発明に係る副粒子は、上述したような作用効果を発揮するものであれば、その組成や構造が特に限定されるものではない。もっとも、このような副粒子が、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)およびNからなる金属化合物の一種であるサイアロンから構成されるサイアロン粒子であると好適である。
サイアロン粒子は、セラミックス粒子の中でも非常に硬質、高強度または高剛性であって、本発明に係る砥粒に適している。このようなサイアロン粒子は、当然にダイヤモンド粒子には及ばないまでも、ダイヤモンド粒子に近接する優れた特性をもち、ダイヤモンド粒子と協調しまたは相乗することによって、上述したような優れた研磨性を発現すると考えられる。
しかも、このようなサイアロン粒子の共存により、従来と同等以上の研磨性を確保しつつも、高価なダイヤモンド粒子の使用量の大幅な低減が可能となる。勿論、サイアロン粒子は、ダイヤモンド粒子よりも格段に廉価であり、入手も用意である。こうして本発明の研磨用組成物によれば、著しい研磨性の向上と大幅な低コスト化との両立を容易に図ることが可能である。
(5)さらに、副粒子を構成するサイアロン粒子がSiAlONで表される無機金属化合物からなる場合、ダイヤモンドからなる主粒子と副粒子との間の比重が近接する(具体的には、サイアロン:3.2/ダイヤモンド:3.6)。このため、研磨作業時に各粒子に作用する遠心力なども近接したものとなり、研磨パッド中で共存する両粒子の分布も均一化され易い。従って、主粒子と副粒子とがほぼ均一的に研磨パッド中に内包、滞留され易くなり、前述したような主粒子と副粒子との協調による研磨性の向上が安定的に発揮されるようになったと考えられる。
《研磨方法》
本発明は、上述したような研磨用組成物に限らず、それを用いた研磨方法としても把握される。すなわち本発明は、砥粒を分散液中に分散させた研磨スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給工程と、この研磨スラリーの供給された研磨パッドと被研磨材との摺動により該被研磨材を研磨する研磨工程と、を備える研磨方法であって、この研磨スラリーが上述した本発明の研磨用組成物からなることを特徴とする研磨方法としても把握される。
《その他》
(1)本明細書でいう「研磨性」は、例えば研磨レートで評価できる。研磨レートは、単位時間あたりの研磨量で表される。研磨量は質量変化であってもよいし、断面が一定の被研磨材なら研磨面の寸法変化であってもよい。例えば、SiC単結晶板を一次研磨(荒研磨)する場合であれば、研磨レートが11μm/hr以上(hr:時間)、12μm/hr以上、14μm/hr以上であると好ましい。
(2)本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。また、本明細書に記載した種々の下限値または上限値は、任意に組合わされて「a〜b」のような範囲を構成し得る。さらに、本明細書に記載した範囲内に含まれる任意の数値を、数値範囲を設定するための上限値または下限値とすることができる。
本発明の研磨方法を実施可能な研磨装置の一例を示す概略図である。
K 研磨装置
P 研磨パッド
W ウエハ(被研磨材)
10 定盤
20 ヘッド
30 コンディショナー
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明の研磨用組成物のみならず、それを用いた研磨方法にも適宜適用される。上述した本発明の構成に、以降に示す構成中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加することができる。なお、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《砥粒》
本発明の研磨用組成物に係る砥粒は、主粒子と副粒子とから主になる。
(1)主粒子
本発明に係る主粒子は、被研磨材の研磨を主に担う粒子であって、副粒子よりも被研磨材の研磨性が高い粒子である。本発明に係る主粒子は、主にダイヤモンド粒子からなるが、ダイヤモンド粒子のみである必要はなく、被研磨材の研磨に有効な他の硬質粒子(副粒子以外)を含有していてもよい。
主粒子の粒径や配合量は特に限定されず、被研磨材の種類や特性、要求される研磨性などに応じて適宜選択され得る。本発明の研磨用組成物の場合、副粒子を含有することにより、主粒子の含有量を減少させても、十分な研磨性が確保され得る。そこで主粒子は、研磨用組成物全体を100質量%(以下単に「%」という。)としたときに、0.1〜20%、0.5〜10%さらには0.8〜5%であると、研磨性と経済性を両立できて好適である。主粒子が過少では効率的な研磨が困難となり、過多では研磨用組成物が高価となる。
また主粒子の平均粒径(D)は0.5〜10μm、1〜5μmさらには2〜4μm程度であると、研磨性の向上を図れて好ましい。この平均粒径が過小では研磨効率が低下し、過大では均一な研磨が困難となり大きなスクラッチを生じ得る。なお、本明細書でいう平均粒径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて分散媒中に粒子を分散させてフローセル測定することにより自動測定される粒度分布の、積算値50%の粒径(メジアン径)より特定される。
(2)副粒子
本発明に係る副粒子は、主粒子による研磨を補助する粒子である。勿論、副粒子は、それ自体が被研磨材の研磨を担う粒子であってもよいが、主粒子よりも被研磨材の研磨性が低い粒子である。本発明に係る副粒子は、主にNを含む金属化合物からなる粒子であるが、この副粒子もNを含む金属化合物からなる粒子のみによって構成される必要なく、被研磨材の研磨に有効な他の硬質粒子(主粒子以外)を含有していてもよい。また、この金属化合物の組成も問わないが、例えば、このような金属化合物として、窒化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウムなどがある。そして前述したように、副粒子がサイアロン粒子からなると特に好適である。
副粒子の粒径や配合量は特に限定されず、被研磨材の種類や特性、要求される研磨性などに応じて適宜選択され得る。本発明に係る副粒子は、少なくとも主粒子による被研磨材の研磨を補助し、さらには主粒子と協調して研磨性を高める範囲で、研磨用組成物中に含有されていれば足る。そこで副粒子は、研磨用組成物全体を100質量%としたときに、0.5〜30%、1〜20%さらには5〜15%であると好適である。主粒子が過少でも過多でも研磨効率が低下し得る。なお、副粒子は主粒子に比較して安価であるため、副粒子の含有量が増加しても大幅なコスト高とはならない。
副粒子の平均粒径(d)は、0.01〜3μm、0.05〜2μmさらには0.1〜1μm程度であると、研磨性の向上を図れて好ましい。この平均粒径が過小では効率的な研磨が困難となり、過大では均一な研磨が困難となったりスクラッチが大きくなって好ましくない。
(3)本発明に係る砥粒は、このような主粒子と副粒子とから主に構成されるが、両粒子を混合した砥粒全体として観ると、主粒子(M)に対する副粒子(m)の質量比(m/M)は1〜99、1〜90さらには1〜18であると好適である。この質量比が過小では不経済であり、過大では研磨性の向上が望めない。さらに、研磨用組成物全体を100%としたときに、主粒子と副粒子との合計からなる砥粒濃度は1〜20%さらには5〜15%であると好適である。この砥粒濃度が過小では研磨性の向上を望めず、過大では不経済である。
また主粒子に対する副粒子の平均粒径比(d/D)は、0.05〜0.5さらには0.1〜0.3であると好ましい。平均粒径比が過大になると(1に近づくと)、主粒子と副粒子との粒径差が縮まり、副粒子と被研磨材との接触関係が主粒子と被研磨材との接触関係に近づく。このため、主粒子による研磨性が副粒子によって相対的に阻害され、主粒子と副粒子との協調または相乗に依る研磨性の向上があまり望めなくなる。平均粒径比が過小になると、相対的に主粒子の粒径が大きくなる結果、被研磨材の研磨面に大きなスクラッチが形成されたり、副粒子が主粒子を研磨パッド内に留める作用が弱くなり、良好な研磨を効率的に行うことが困難となる。
《分散液》
分散液は上記の砥粒を均一に分散させ、これにより懸濁液である研磨スラリーが得られる。この分散液の種類やpHなどは問わないが、一次研磨(荒研磨)などであれば、水を用いることができる。もっとも、研磨する被研磨材の汚染などを抑止するために、不純なイオンなどを除去しイオン交換水などを用いると好ましい。さらに本発明に係る分散液は、被研磨材や研磨段階に応じて、酸性物質、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、糖類などから選択された少なくとも1種の添加剤を適量含有した混合液でもよい。
《研磨方法》
本発明の研磨方法は、主にスラリー供給工程と研磨工程とからなる。
(1)スラリー供給工程
スラリー供給工程は、上述した研磨用組成物(研磨スラリー)を研磨パッド上に供給する工程である。この工程は、研磨スラリーを研磨パッド上に滴下する工程でも、研磨スラリーを研磨パッド上に噴霧する工程でも、研磨パッドを研磨スラリー中に浸漬する工程でもよい。
(2)研磨工程
研磨工程は、研磨スラリーが供給されて砥粒を内包した研磨パッド上で、被研磨材を摺動させつつ研磨面を形成する工程である。被研磨材を研磨パッド上へ押圧する圧力、研磨パッドと被研磨材との相対速度(相対回転数)などは、被研磨材の種類、研磨スラリーの構成、研磨面に要求される精度、タスクタイムなどにより適宜調整される。
(3)研磨装置
このような本発明の研磨方法は、例えば、図1に概要を示すような研磨装置Kにより行うことができる。
この研磨装置Kは、円盤状の定盤10と、この定盤10の上方に設けられ、保持材を介して被研磨材である円板状のウエハWを保持するヘッド20と、定盤10上に着脱自在に固定された研磨パッドPの表面を目立てする可動円板状のコンディショナー30と、研磨スラリー(または研磨液)Lを供給する滴下ノズル40とから主に構成される。
ここで定盤10およびヘッド20は、それぞれモータ駆動されて、垂直な軸心まわりに回転し得る。これらの回転方向は変更可能であるが、例えば、図1に矢印方向で示した方向へ回転する。またコンディショナー30は、ロッド31の先端に枢支されており、自転しつつ研磨パッドP上を往復動し得る。
この研磨装置Kを稼働させると、滴下された研磨スラリーLを含浸した研磨パッドPが定盤10と共に回転する。この回転する研磨パッドP上を、ヘッド20により押圧されたウエハWが自転しつつ摺動する。こうして、ウエハWの研磨面が、研磨パッドPに内包された砥粒によって徐々に研磨される。なお、コンディショナー30が研磨パッドP上を往復動することにより研磨パッドPの表面状態が常時整えられ、ウエハWの研磨面のプラナリティ、均一性、スクラッチフリーなどの研磨品質の安定化が図られる。
《被研磨材》
被研磨材の種類や形状は特に問わない。例えば、被研磨材が電子デバイス材料(ウエハ)である場合、被研磨材はシリコン単結晶でも良いし、より硬質な炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの単結晶でもよい。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
《研磨スラリーの調製》
(1)砥粒
砥粒として、ダイヤモンド粒子(主粒子)と、SiAlONで表される無機金属化合物であるサイアロン粒子(副粒子)と、SiOで表される無機酸化物であるシリカ粒子を用意した。いずれの粒子も市販されているものであり、各粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子:3.5μm(トーメイダイヤ(株))、サイアロン粒子:0.5μm(ケーワイシー(株))、シリカ粒子:0.5μmであった。
(2)混合・分散
これら各粒子を表1に示すように種々配合した砥粒をイオン交換水(分散液)中に混合・分散させ、研磨スラリーを得た。この混合・分散はホモミキサー、及び超音波を用いて行った。
《研磨レートの測定》
上記の各種研磨スラリーを用いて、炭化ケイ素(SiC)の単結晶板からなるウエハ(直径2インチ、6H型ウエハ)の一次研磨(荒研磨)を行った。具体的には、片面研磨装置(株式会社エム・エー・ティ社製、BC−15)を用いて、上記の各種研磨スラリーを50cc/minの割合で、人絹繊維からなる研磨パッド(日本エンギス製、410)上に滴下させ(スラリー供給工程)、この研磨パッド上で、ウエハを押圧しつつ摺動させた(研磨工程)。このとき、研磨スラリーを内包した研磨パッドと被研磨材であるウエハとの間の面圧は約41kPa(6psi)、研磨パッドの回転数は60回/分(r.p.m.)とした。この研磨を10分間行った。
それぞれの場合における研磨前後のウエハの質量変化を測定し、その質量変化をウエハ(断面積一定)の厚みの減少量に換算して、研磨レート(μm/hr)を求めた。この結果を表1に併せて示した。
《研磨性の評価》
(1)先ず、表1に示した試料No.C1と試料No.C3とを比較すると明らかなように、主粒子であるダイヤモンド粒子の含有割合(または質量%)が増加することにより、研磨レートが向上することがわかる。しかし、高価なダイヤモンド粒子を10倍に増加させても、研磨レートは約1.5倍程度の増加に留まっている。
また、試料No.C1と試料No.C2とを比較すると明らかなように、主粒子であるダイヤモンド粒子に副粒子であるシリカ粒子を混在させることにより、ダイヤモンド粒子の配合を少なくしつつ、研磨レートを向上させることができた。もっとも、この場合の研磨レートの増加は高々1.18倍程度であり、研磨性の向上幅は非常に小さく、ダイヤモンド粒子を増加させた場合に及ばない。
さらに試料No.C4から明らかなように、研磨スラリー中の砥粒がそのシリカ粒子よりも硬質なサイアロン粒子のみからなる場合(つまり主粒子であるダイヤモンド粒子を含まない場合)、研磨レートが非常に低くなった。この場合の研磨レートは、含有割合が1/10のダイヤモンド粒子のみからなる試料No.C1にも及ばなかった。このことから、ダイヤモンド粒子からなる主粒子が硬質なウエハの研磨を主に担い、研磨性の向上に不可欠であることがわかった。
(2)このような研磨傾向に対して、砥粒がダイヤモンド粒子とサイアロン粒子とからなる試料No.1の場合、高価なダイヤモンド粒子の含有割合が試料No.C1と同じ少量であるにも拘らず、比較的安価なサイアロン粒子が研磨スラリー中に存在することによって、研磨レートが格段に向上した。具体的には、試料No.1の研磨レートは、ダイヤモンド粒子の含有割合が同じである試料No.C1の研磨レートの約2倍にもなった。しかも、この試料No.1の研磨レートは、ダイヤモンド粒子の含有割合が10倍である試料No.C3の研磨レートよりも遙かに大きいものであった。
以上から、ダイヤモンド粒子(主粒子)とサイアロン粒子(副粒子)とを組合わせた砥粒から構成される研磨スラリーを用いることによって、非常に硬質なSiCウエハであっても、従前よりも格段に効率的にしかも低コストで研磨できることが明らかとなった。
ちなみに、このような優れた特性を発現する試料No.1の研磨スラリーは、主粒子であるダイヤモンド粒子に対する副粒子であるサイアロン粒子の質量比が9であり、研磨スラリー全体に対する砥粒濃度(主粒子濃度+副粒子濃度)は10質量%であった。また、その主粒子であるダイヤモンド粒子の平均粒径(D)は3.5μmで、副粒子であるサイアロン粒子の平均粒径(d)は0.5μmであり、それらの平均粒径比(d/D)は約0.14であった。従って、この試料No.1の研磨スラリーは、いずれも本発明の研磨用組成物の範囲内にある。
Figure 2011110656

Claims (10)

  1. 砥粒と該砥粒を分散させる分散液とからなり、被研磨材の研磨に用いられる研磨用組成物であって、
    前記砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子と、窒素(N)を含む金属化合物かなる副粒子と、
    を含むことを特徴とする研磨用組成物。
  2. 前記副粒子は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)からなるサイアロン粒子である請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記主粒子(M)に対する前記副粒子(m)の質量比(m/M)は1〜99である請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 全体を100質量%(以下単に「%」という。)としたときに、前記主粒子と前記副粒子との合計からなる砥粒濃度は1〜20%である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨用組成物。
  5. 前記主粒子の平均粒径(D)は0.5〜10μmであり、前記副粒子の平均粒径(d)は0.01〜3μmである請求項1〜4のいずれかに記載の研磨用組成物。
  6. 前記主粒子に対する前記副粒子の平均粒径比(d/D)は、0.05〜0.5である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨用組成物。
  7. 前記サイアロン粒子は、SiAlONで表される無機金属化合物からなる請求項2または6に記載の研磨用組成物。
  8. 前記分散液は、水または水と添加剤との混合液からなる請求項1または7に記載の研磨用組成物。
  9. 前記被研磨材は、炭化ケイ素(SiC)または窒化ガリウム(GaN)の単結晶からなる請求項1または8に記載の研磨用組成物。
  10. 砥粒を分散液中に分散させた研磨スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給工程と、
    該研磨スラリーの供給された研磨パッドと被研磨材との摺動により該被研磨材を研磨する研磨工程と、
    を備える研磨方法であって、
    前記研磨スラリーは、請求項1〜9のいずれかに記載の研磨用組成物からなることを特徴とする研磨方法。
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