JPH11188610A - 高硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法 - Google Patents

高硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法

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JPH11188610A
JPH11188610A JP35652597A JP35652597A JPH11188610A JP H11188610 A JPH11188610 A JP H11188610A JP 35652597 A JP35652597 A JP 35652597A JP 35652597 A JP35652597 A JP 35652597A JP H11188610 A JPH11188610 A JP H11188610A
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polishing
weight
polished
polishing liquid
solid material
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JP35652597A
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Tsutomu Yamamoto
力 山本
Masanobu Yoshida
将展 吉田
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TERU KAGAKU KOGYO KK
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TERU KAGAKU KOGYO KK
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高硬度無機質固体材料表面に極めて精度の高い
鏡面を短い作業時間で形成する。 【解決手段】高硬度無機質固体材料の表面を研磨剤及び
浸蝕剤を含む研磨液aを用いて粗研磨した後、研磨剤と
滑剤と潤滑調整剤とを水または油脂剤に分散、混合して
なる研磨液bを用いて仕上研磨する。浸蝕剤としては、
研磨速度に合わせて被研磨面を適度に浸蝕する薬剤、例
えば硫酸、弗酸、硝酸、燐酸や水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウムを選択して使用する。滑剤
としては、雲母、グラファイト、タルク、六方晶系窒化
硼素および弗素樹脂の中のいずれか1種または2種以上
の微粉が好ましく用いられる。炭化けい素表面の鏡面仕
上に好適であり、今後の精密工業分野の学術、産業技術
の発展に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化けい素、セラ
ミックスなどの高硬度無機質固体材料表面に極めて精度
の高い鏡面を形成するための粗研磨及び仕上研磨方法に
関する。さらに詳しくは、鏡面として使用する炭化珪
素、セラミックスなどの高硬度無機質固体材料表面を能
率的に研磨して、高精度の鏡面を短時間で形成する研磨
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の技術進歩により、電子工学をはじ
め、機械工学、光学などの技術、学術分野では、極めて
精度の高い、具体的には表面粗さ(Ra)がナノメータ
ないしはオングストロームオーダーの平滑面をもった部
材を必要とする機会が増えてきた。これらの部材には、
同時に耐熱性、耐傷性、耐磨耗性、寸法安定性などを求
められることが多いので、部材を高硬度無機質固体材料
で構成し、表面を必要に応じて研磨剤を用いたラッピン
グ、ポリシングやバフなどの研磨加工により鏡面に仕上
げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】SiCやセラミックス
などの高硬度無機質固体材料は、材質自体が非常に硬い
研磨が困難な材料であって、従来からダイヤモンド微粒
子等を用いた湿式研磨が行われているが、加工に長時間
を要し、能率の非常に悪い作業であった。
【0004】研磨に長時間を要するだけではない。例え
ばラッピングでは、定盤に柔らかい材質であるピッチ、
鉛、錫、半田合金等を用い、被研磨面と定盤との間にダ
イヤモンド微粒子を分散した研磨液を注入しながら研磨
する。研磨開始直後は、定盤の精度が高く保たれ、被研
磨素材表面と定盤面とは密着して研磨されているが、被
研磨面が硬く定盤面が柔らかいので研磨の進行とともに
定盤面が次第に変形をはじめる。定盤が変形すると被研
磨面が密着しなくなって研磨が不均一になり、そのまゝ
研磨を続けても精度の高い研磨面に加工できないので、
一旦研磨を中止し、定盤を取り外して表面を再修正(再
生と言う)しなければならない。このようにして定盤を
再生してラッピング機に取り付け、研磨を再開する作業
を何回となく繰り返し、目的の鏡面に加工している。そ
のために時間をかけて研磨したわりには研磨量が少な
く、加工能率が悪いという問題があった。
【0005】加えて、時間当りの研磨量を多くするに
は、粒子径の大きい研磨剤を用いればよいが、粒子径が
大きいと被研磨面に粒子による擦過傷が発生し、しかも
粒子径が大きいほど深く大きな擦過傷になるので、最初
は粒子径の大きな研磨剤を用いて大きな凹凸を早く研
磨、除去し、ついで次第に使用する研磨剤の粒径を小さ
くしながら研磨を進め、研磨剤により生じた擦過傷など
を研磨し消し去る必要がある。これらの作業のために高
精度の鏡面に仕上げるのには長い加工時間を要し加工能
率を低いものにしていた。しかも、材質が極めて硬いた
めに長時間研磨してもオングストロームの平面にするの
は実質的に不可能に近いものであった。
【0006】本発明は、前記の問題を解決し、高硬度無
機質固体材料の鏡面加工の能率と精度とを向上する手段
を研究した結果、完成されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、高硬度無機質固体材料の表面を研磨剤
及び浸蝕剤を含む研磨液aを用いて粗研磨した後、研磨
剤と滑剤と潤滑調整剤とを水または油脂剤に分散、混合
してなる研磨液bを用いて仕上研磨することを特徴とす
る高硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法を提供する。研
磨液aの研磨剤の含有量は0.1ないし10重量%、浸
蝕剤の含有量は1ないし40重量%であって、研磨液b
の研磨剤の含有量は0.1ないし10重量%、滑剤の含
有量は0.1ないし10重量%が好ましい。前記の鏡面
研磨方法は、炭化けい素の表面を鏡面仕上げするのに好
適である。炭化けい素の場合、ダイヤモンド微粒子また
は立方晶系窒化硼素微粒子を0.1ないし10重量%と
浸蝕剤を1ないし40重量%を含む研磨液aを用いて粗
研磨した後、ダイヤモンド微粒子または立方晶系窒化硼
素微粒子を0.1ないし10重量%、滑剤を0.1ない
し10重量%及び潤滑調整剤を水または油脂剤に分散、
混合してなる研磨液bを用いて仕上研磨することが望ま
しい。前記の高硬度無機質固体材料の鏡面研磨におい
て、滑剤としては、雲母、グラファイト、タルク、六方
晶系窒化硼素および弗素樹脂の中のいずれか1種または
2種以上の微粉が好ましく用いられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を実施の形態例をあげなが
ら具体的に説明する。本発明の高硬度無機質固体材料の
鏡面研磨方法は、基本的に研磨液aを用いて研磨する粗
研磨工程Aと研磨液bを用いて研磨する仕上研磨工程B
との2工程をそれぞれの工程に適した2種類の研磨液a
およびbを使用して実施する研磨方法である。
【0009】まず、粗研磨工程Aについて説明する。粗
研磨工程Aにおいては、研磨剤及び浸蝕剤に、通常は潤
滑調整剤を加え、水または油脂剤に分散、混合して調整
した研磨液aを使用する。研磨剤としては、被研磨材料
の硬度や研磨量、研磨精度等により適当な研磨剤を選択
使用することができるが、一般的には、ダイヤモンド、
エメリー、スピネル、アルミナ、酸化鉄、酸化クロム、
コランダム、ザクロ石、立方晶系窒化硼素、炭化珪素、
ジルコニアなどの高硬度無機物中から1種または2種以
上の混合物を選んで使用する。浸蝕剤中での化学的安定
性の点からはダイヤモンド微粒子がとくに好ましい。浸
蝕剤としては、研磨速度に合わせて被研磨面を適度に浸
蝕する薬剤、すなわち硫酸、弗酸、硝酸、燐酸や水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの中
から適当な薬剤を選択して使用する。酸では燐酸を多く
用いることができる。潤滑調整剤としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、ポリエチレングリコールやグリセリンなどの多価
アルコール類;ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ
エチルアミノエタノール等のアミン類から1種または2
種以上の混合物を選んで使用する。なかでもエチレング
リコールは安定して使用することができるので好まし
い。
【0010】定盤としては、鉛、錫、砲金、半田合金、
ピッチ等を使用するとよい。浸蝕剤の腐食性が大きい場
合には鉛や砲金の定盤の使用が望ましい。
【0011】粗研磨工程Aでは、高硬度無機質固体材料
の表面を、研磨液a中の浸蝕剤の作用により化学的に溶
解・浸触しつつ、同時に研磨剤により物理的に研磨し、
その相乗効果によって短時間に研磨を進めるものであ
る。即ち、従来の研磨剤の研磨作用は単に物理的研磨作
用に依存するのみであって、軟質固体材料を研磨する際
には余り問題にならないが、高硬度無機質固体材料の非
常に硬い表面においては、物理的に研磨される量がごく
僅かづつにとどまり、研磨に長時間を要する。本発明の
研磨方法では、高硬度無機質固体材料表面の結晶粒間か
ら浸蝕剤が浸透し、もしくは浸蝕剤が結晶の格子欠陥部
を攻撃して組織を破壊する一方で、研磨剤が弱体化した
結晶組織を磨滅させ、研磨が進行するものと考えられ
る。そして、研磨に要する時間が従来に較べて大幅に短
縮されるのである。
【0012】研磨液aの各成分の比率は、添加する物
質、被研磨材料、研磨条件により大きく変わるものであ
るが、一般的には研磨剤が0.1ないし10重量%、潤
滑調整剤が3ないし40重量%、浸蝕剤は1ないし40
重量%が好ましい。とくに好ましいのは、研磨剤が0.
5ないし2重量%、潤滑調整剤が15ないし25重量
%、浸蝕剤が3ないし20重量%の範囲である。研磨剤
が0.1重量%以下では研磨液の研磨機能が低下して効
率的でなくなり、10重量%を超えると研磨剤が部分的
に何層にも重なりあって、いわゆる平面が出にくくなる
傾向がある。潤滑調整剤は3重量%以下では潤滑保持時
間が短くなり、絶えず研磨液を定盤上に注入する必要に
迫られる。浸蝕剤が0.1重量%よりも低いと浸蝕剤と
しての作用が見られなくなり、40重量%よりも高い濃
度では浸蝕が深くなり過ぎて平面が得られない。中で
も、浸蝕剤の好ましい添加量は浸蝕剤の種類と被研磨材
料により大きく変動する。
【0013】研磨剤aを用いて研磨すると従来法で発生
する深い擦過傷は見られない。この原因として、浸蝕剤
によって溶出されたSiCやセラミックスなどの高硬度
無機質固体材料がゲル状を呈し、このゲル状物の一部が
研磨された表面を保護する作用を奏するものと考えられ
る。ゲル状物は浸蝕剤に硫酸や燐酸を用いた酸性研磨液
aで研磨した場合に見られ、粘稠で研磨作業により丸め
られるらしく、顕微鏡(ノマルスキー型)で観察する
と、被研磨面に水洗してもとれない魚卵状付着物として
見出される。この付着物は、被研磨面および定盤を中和
し、中性または弱アルカリ性の研磨液を用いて短時間研
磨すれば剥離し平滑な表面にすることができる。浸蝕剤
に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いたアルカ
リ性研磨液aで研磨した場合には魚卵状物体は見られな
い。
【0014】表面の研磨量は、従来の研磨方法では研磨
剤粒子の大きさと研磨時間とで調節していたが、本発明
の研磨方法では使用する浸蝕剤の種類および/または濃
度により、適宜調整することができる。
【0015】次に、仕上研磨工程Bにおいては、研磨
剤、滑剤および潤滑調整剤を水または油脂剤に分散、混
合して調整した研磨液bを使用する。研磨液bに使用す
る研磨剤および潤滑調整剤は、研磨液aに使用したのと
同じ種類の研磨剤および潤滑調整剤の中から、しかし一
般的に研磨剤は研磨液aにおけるよりも粒度の小さいも
のを選択して使用する。A、B両工程で異なる研磨剤あ
るいは潤滑調整剤を使用してもよい。
【0016】滑剤としては、雲母、グラファイト、タル
ク、鱗片状の六方晶系窒化硼素、または弗素樹脂などの
1種または2種以上の混合物の微粉があげられる。これ
らの中ではグラファイトが使いやすい。滑剤の粒度は研
磨剤の粒度が小さいほど小さいものが好ましく、通常3
00メッシュより粒径の小さいもの、好ましくは500
ないし1000メッシュ程度である。しかし、滑剤は鱗
片状のものが多く、厚さが厚くとも研磨中に薄くなり、
最終的に単分子層にまでなるので、平面形状が若干大き
くても使用目的を達成することができる。
【0017】本発明者は、前記の滑剤を研磨液bに添加
すれば、被研磨面の研磨剤による擦過傷が防止されると
いう作用を見出した。さらに、定盤に傷が付いたり、定
盤面が変形するのを防ぎ、高精度研磨に効果的作用のあ
ることも見出した。例えば、従来は、数平均粒径(以
下、平均粒径は数平均である)が1μmのダイヤモンド
微粒子を研磨剤に使用する研磨液と錫定盤とを用い、S
iC板を研磨すれば20分間、平均粒径が0.5μmの
ダイヤモンド微粒子を研磨剤に使用すれば15分間、平
均粒径が0.25μm以下では10分間の研磨が限度で
あって、それ以上の時間、研磨を続けると定盤に波打ち
や変形が発生し、研磨面に擦過傷が発生していた。しか
し、滑剤を添加し同様の条件でSiC板を研磨したとこ
ろ、平均粒径が0.25μmのダイヤモンド微粒子を研
磨剤として用い、120分間、研磨後において、定盤に
波打ちや変形は見られず、研磨面に擦過傷が発生してい
なかったのである。
【0018】滑剤の添加にこの様な作用があるのは、何
等かの原因で定盤面に微小な波面が形成されると、Si
Cやセラミックス等の硬い被研磨面が柔らかい定盤面上
を擦りながら移動する際に、硬い被研磨面の端面エッヂ
が定盤面を削り、削られた定盤の微片に研磨剤が付着
し、定盤と被研磨面との間に噛み込まれて定盤面と被研
磨面との滑りを妨害し、被研磨面が傷つくものと考えら
れる。
【0019】従って従来の研磨液を用いると、定盤の再
生をその都度、何回も行いながら研磨するので実質研磨
時間以外の作業時間を要し、しかも定盤面が安定しない
ので研磨精度が出なかったのである。定盤を再生して
も、しばらくの間は安定して研磨することができるが、
すぐに定盤面が変形したり、荒れたりするので、又、再
生するという作業の繰返しになり、能率的な研磨加工が
できず、高精度の鏡面に加工し難いのである。
【0020】ところで、滑剤が添加されている研磨液で
は、例えば鱗片状の滑剤が定盤面と被研磨材の端面の間
にバリヤーとして介在し、かつ、定盤面と被研磨材とを
滑りやすくしているので、端面エッヂが定盤を削り採る
ようなことが少なくなり、長時間の研磨においても定盤
面が大きな変形に至ることはなく、研磨面が傷つけられ
ないものと考えられる。
【0021】研磨液の各成分の比率は、研磨剤が0.1
ないし10重量%、潤滑調整剤が3ないし40重量%、
滑剤が0.1ないし10重量%用いるのが好ましい。と
くに好ましいのは、研磨剤が0.5ないし2重量%、潤
滑調整剤が15ないし25重量%、滑剤が0.3ないし
2重量%の範囲である。研磨剤が0.1重量%以下では
研磨液の研磨機能が低下して効率的でなくなり、10重
量%を超えると研磨剤が部分的に何層にも重なりあっ
て、いわゆる平面を出しにくくなる傾向がある。潤滑調
整剤は3重量%以下では潤滑保持時間が短くなり、絶え
ず研磨液を定盤上に注入する必要に迫られる。滑剤が
0.1重量%以下になると滑剤を添加する効果を殆ど期
待できなくなり、10重量%を超えれば研磨効率が低下
する傾向が見えるようになる。
【0022】また、従来の研磨液におけるの同様に、仕
上研磨で用いるシリカゾルやアルミナゾル、ジルコニヤ
ゾルを少量、本発明の研磨剤に加えて用いても差し支え
ない。そのほかに界面活性剤、沈降防止剤、増粘剤を加
えることもある。増粘剤を加えることにより、スラリー
状の研磨液をペースト状にして研磨に用いることも可能
である。
【0023】
【実施例】被研磨素材と定盤とが相対的に、同一平面内
で回転とXY軸方向とを同時に移動しながら研磨加工を
行うラッピング機を用いて本発明を実施し、その効果を
確認したので、以下に例をあげて具体的に説明する。重
量%は研磨液中の含有比率を示す。
【0024】実施例1 表面をCVDにより調整した80×80mmのSiC板
を、まず従来の平均粒径が1μmダイヤモンドスラリー
研磨液を用いて予備研磨した。次に、別途、平均粒径が
0.5μmのダイヤモンド微粒子1重量%、燐酸20重
量%およびプロピレングリコール18重量%を水に分
散、混合して調合した粗研磨工程Aの研磨液aと砲金定
盤とを用い、予備研磨したSiC板を60分間、研磨し
た。定盤および研磨面を中和、水洗した後、平均粒径
0.2μのダイヤモンド微粒子を1重量%、グラファイ
ト微粉を1重量%およびエチレングリコールを20重量
%、水に分散、混合して調合した仕上研磨工程Bの研磨
液bと砲金定盤とを用い60分間で研磨し、さらに定盤
を錫定盤に代えて120分間、中間で定盤を再生するこ
となく、仕上研磨して表面を鏡面に仕上げた。
【0025】仕上げた鏡面を顕微鏡で観察したが研磨傷
は観察されず、位相測定レーザー干渉計(Zygo干渉
計:キャノン(株)製)で測定した表面粗さRaは0.
42nmであった。
【0026】実施例2 実施例1と同様にして表面を予備研磨したSiC板を用
意した。平均粒径が0.5μmのダイヤモンド微粒子を
1重量%、水酸化カリウムを5重量%およびジエチルア
ミノエタノールを20重量%を水に分散、混合して調合
した粗研磨工程Aの研磨液aと砲金定盤とで、前記のS
iC板を60分間、研磨した。研磨面を水洗した後、平
均粒径0.2μのダイヤモンド微粒子を1重量%、六方
晶系窒化硼素微粉を1.2重量%およびシリカゾル1重
量%及びエチレングリコール25重量%を水に分散、混
合して調合した仕上研磨工程Bの研磨液bと錫定盤とを
用い120分間、中間で定盤を再生することなく、仕上
研磨して表面を鏡面に仕上げた。
【0027】仕上げた鏡面を顕微鏡で観察したが研磨傷
は観察されず、位相測定レーザー干渉計(Zygo干渉
計:キャノン(株)製)で測定した表面粗さRaは0.
45nmであった。
【0028】実施例3 100×100mmアルミナセラミックス板の粗平面板
を用意した。平均粒径0.5μmのダイヤモンド0.6
重量%、硫酸10重量%、弗酸1重量%およびグリセリ
ン18重量%を水に分散、混合して調合した粗研磨工程
Aの研磨液aと砲金定盤とで、前記のアルミナセラミッ
クス板を60分間、研磨した。被研磨面を中和、水洗し
た後、平均粒径0.1μmの炭化珪素粒子1.5重量
%、雲母微粉(マイカ#8000:脇田工業(株)製)
1重量%およびプロピレングリコール25重量%を水に
分散、混合して調合した仕上研磨工程Bの研磨液bと鉛
定盤とを用い100分間、中間で定盤を再生することな
く、仕上研磨して表面を鏡面に仕上げた。仕上げた鏡面
を顕微鏡で観察したが研磨傷は観察されず、表面粗さ形
状測定器(サーフコム:東京精密(株)製)で測定した
表面粗さRaは0.75nmであった。
【0029】比較例 実施例1で用意したのと同じ予備研磨したSiC板を、
従来の研磨方法を用いて鏡面研磨した。まず、平均粒径
0.5μmのダイヤモンド微粒子を1重量%及びエチレ
ングリコールを20重量%、水に分散、混合して調整し
た従来の研磨液と錫定盤とを用いて研磨した。研磨開始
後、約15分経過した時点で定盤の再生が必要になり、
使用中の定盤を取り外し、鋳物の定盤上でアルミナスラ
リーからなる研磨液を用いて約5分間研磨して再生し
た。この研磨と再生とを3回繰り返した。次に、平均粒
径0.2μmのダイヤモンド微粒子を1重量%及びエチ
レングリコールを20重量%、水に分散、混合して調整
した研磨液と錫定盤とを用いて研磨した。研磨開始後、
約10分経過した時点で定盤の再生が必要になり、前記
と同様に約5分間かけて再生し、研磨と定盤の再生とを
繰り返しながら、約100分間、仕上研磨して表面を鏡
面に仕上げた。
【0030】仕上げた鏡面を顕微鏡で観察したが多数の
研磨傷が観察され、位相測定レーザー干渉計(Zygo
干渉計:キャノン(株)製)で測定した表面粗さRaは
1.73nmであった。
【0031】
【発明の効果】本発明は、SiCやセラミックスなどの
高硬度無機質固体材料の表面を、粗研磨の段階で研磨剤
と浸蝕剤とを併用し、研磨表面に深い擦過傷を付けるこ
となく、単位時間当りの研磨量を増大して研磨時間を数
分の一から十数分の一に短縮する効果を奏する。さら
に、仕上工程では、研磨液に滑剤を添加することによっ
て、定盤の再生に要する時間を大幅に短縮して研磨時間
を短縮し、生産能率を向上できるのみならず、定盤が安
定し研磨傷が減少して平面粗さ(Ra)を向上すること
ができる。すなわち、通常の研磨方法では容易に到達し
得ない数オングストロームの面あらさの鏡面を短時間で
形成することができる。本発明は、炭化けい素表面の鏡
面仕上にとくに好適である。電子工業分野をはじめ、光
通信、光加工、光医療、高出力レザーや高エネルギー放
射光等の技術、学術分野で精密加工に利用することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高硬度無機質固体材料の表面を研磨剤及び
    浸蝕剤を含む研磨液aを用いて粗研磨した後、研磨剤と
    滑剤と潤滑調整剤とを水または油脂剤に分散、混合して
    なる研磨液bを用いて仕上研磨することを特徴とする高
    硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法。
  2. 【請求項2】研磨液aの研磨剤の含有量が0.1ないし
    10重量%、浸蝕剤の含有量が1ないし40重量%であ
    って、研磨液bの研磨剤の含有量が0.1ないし10重
    量%、滑剤の含有量が0.1ないし10重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高硬度無機質固体材料の
    鏡面研磨方法。
  3. 【請求項3】炭化けい素の表面を、ダイヤモンド微粒子
    または立方晶系窒化硼素微粒子を0.1ないし10重量
    %と浸蝕剤を1ないし40重量%を含む研磨液aを用い
    て粗研磨した後、ダイヤモンド微粒子を0.1ないし1
    0重量%、滑剤を0.1ないし10重量%及び潤滑調整
    剤を水または油脂剤に分散、混合してなる研磨液bを用
    いて仕上研磨することを特徴とする高硬度無機質固体材
    料の鏡面研磨方法。
  4. 【請求項4】滑剤として、雲母、グラファイト、タル
    ク、六方晶系窒化硼素および弗素樹脂の中のいずれか1
    種または2種以上の微粉を使用することを特徴とする請
    求項1、2または3記載の高硬度無機質固体材料の鏡面
    研磨方法。
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