JP2011108981A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトルを提供すること。
【解決手段】リアクトル1は、多角形環状の閉磁路を形成してなるコア3とコア3に巻回してなるコイル2とを有する。コア3は、辺部コア31と角部コア32とにより構成されている。辺部コア31は、磁路に直交する2つの辺と磁路に平行な2つの辺とからなる長方形状を呈している。角部コア32は、磁路に直交する辺と磁路に平行な辺とその両辺が成す直角に相対する斜辺とからなる直角三角形状を呈する2つの三角コア411、412を互いの斜辺を共有するように合わせたコアブロック41からなる。三角コア411、412は、磁路に直交する辺と斜辺とが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2(μ1≠μ2)とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置等に用いられるリアクトルに関する。
例えば、自動車等に搭載される電力変換装置に用いられるリアクトルは、低損失かつ小型・大電力容量であることが要求される。一般に、リアクトルは、磁性体からなる環状のコア(磁心)にコイルを巻回して構成されており、閉磁路を形成することによってコアから漏れる磁束を低減し、低損失を実現している。
しかしながら、コアを単一の材料により構成して閉磁路を形成したリアクトルでは、コアの内周側を通る磁束線の経路が外周側を通る磁束線の経路よりも短くなり、内周側の磁気抵抗が外周側よりも小さくなる。そのため、内周側の磁束密度が外周側よりも高くなり、磁束密度の不均一が生じる。
また、この磁束密度の不均一は、周回する磁路の曲率半径が小さいほど大きくなることが知られている。したがって、角部を有するような多角形環状の閉磁路を形成するコアにおいては、特にこの問題が顕著に表れる。
例えば、図15に示すごとく、四角形環状の閉磁路を形成するコア93では、特に角部の内周側(図中の領域P)において磁束線Mが集中し、磁束密度が高くなって飽和しやすくなるため、直流重畳特性が悪化してしまう。
そこで、このような問題に対し、従来、図16に示すごとく、角部に内周側ほどギャップ幅が大きくなるスリット状のギャップ99を設けたリアクトル用磁心(コア)93が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このリアクトル用磁心は、内周側と外周側との磁気抵抗の差を小さくすることにより、内周側の磁束線の集中を緩和し、直流重畳特性を改善することができるというものである。
特開平8−115825号公報
しかしながら、上述した従来のリアクトル用磁心には、以下のような問題がある。
すなわち、図17に示すごとく、従来のリアクトル用磁心93では、スリット状のギャップ99の両端近傍、すなわちコア93の角部におけるギャップ99の内側(角部の内周部(領域P))及び外側(角部の外周部(領域L))において磁気抵抗が局所的に均一にならず、この箇所で磁束密度の不均一を生じる。ここで、磁束線Mは、磁束密度の不均一によって褶曲する性質を有する。そのため、磁束線Mがギャップ99を迂回するように形成される。これにより、ギャップ99の内側(領域P)において、やはり磁束線Mが集中し、直流重畳特性が悪化してしまう。また、ギャップ99の内側(領域P)及び外側(領域L)において、磁束線Mが磁路から外れることによる漏れ磁束が増大し、損失の増大を招いてしまう。
このように、従来のリアクトル用磁心では、磁束の集中という問題点を磁気抵抗の観点から解消しようとしたが、依然として局所的な磁束密度の不均一が生じており、上記の問題を解消することができなかった。
したがって、磁気抵抗を均一にするだけでなく、局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるコア(磁心)及びそれを用いたリアクトルが望まれていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトルを提供しようとするものである。
本発明は、多角形環状の閉磁路を形成してなるコアと該コアに巻回してなるコイルとを有するリアクトルにおいて、
上記コアは、上記閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する3つ以上の辺部コアと、辺部と辺部との間を連結する角部を構成する3つ以上の角部コアとにより構成されており、
上記辺部コアは、磁路に直交する2つの辺と磁路に平行な2つの辺とからなる正方形状又は長方形状を呈しており、
上記角部コアは、磁路に直交する辺と磁路に平行な辺とその両辺が成す直角に相対する斜辺とからなる直角三角形状を呈する2つの三角コアを互いの斜辺を共有するように合わせてなるコアブロックを1又は複数有しており、
該コアブロックにおける上記2つの三角コアは、互いに異なる透磁率を有しており、
該2つの三角コアのそれぞれについて、磁路に直交する辺と斜辺とが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2(式(1))の関係を満たすことを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
本発明のリアクトルは、上述したような構成を有することにより、上記コイルへの通電により発生する磁束線を上記コアの内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができると共に、上記コアを構成する各コア(辺部コア、角部コア)の内部において磁束密度を偏りなく均一にすることができる。
以下、この理由を次に示す例を用いて説明する。
例えば、図3に示すごとく、多角形環状の閉磁路を形成してなるコア3において、辺部コア31における第1辺部コア311と第2辺部コア312との間に角部コア32が存在し、この角部コア32が2つの三角コア411、412よりなるコアブロック41によって構成されているとする。
一般的に、互いに透磁率の異なる材料同士の境界面において、磁束線がその境界面に対して斜め方向(垂直方向とは異なる方向)に入射すると、その磁束線が屈折することが知られている。
そのため、同図に示すごとく、第1辺部コア311において磁路に平行な方向に形成された磁束線Mがその第1辺部コア311から角部コア32に向かって入射した場合、磁束線Mは、第1辺部コア311と三角コア411との境界面(311a、411a)に対して垂直方向に入射することになるため、屈折しない。
次いで、同図に示すごとく、磁束線Mが三角コア411から三角コア412に向かって入射した場合、磁束線Mは、互いに透磁率が異なる材料同士の境界面である三角コア411と三角コア412との境界面(411c、412c)に対して斜め方向に、具体的には入射角θAにて入射することになるため、屈折する。
このとき、屈折角をθBとすると、マックスウェル方程式に基づいて導かれる磁束線の屈折の原理から、tanθA/tanθB=μ1/μ2の式が成り立つ。
そして、三角コア411における磁路に直交する辺411aと斜辺411cとが成す角度θ1とθAとは等しく、また三角コア412における磁路に直交する辺412aと斜辺412cとが成す角度θ2とθBとは等しい。
よって、上記のtanθA/tanθB=μ1/μ2の式の角度θAをθ1に、角度θBをθ2に置き換えることにより、上記式(1)が得られる。
ここで、上記式(1)が成り立つ場合には、同図に示すごとく、上記境界面(411c、412c)において屈折した後の磁束線Mは、三角コア412と第2辺部コア312との境界面(412a、312a)に対して垂直方向に入射することになる。そのため、磁束線Mは、その境界面(412a、312a)で屈折せず、第2辺部コア312において磁路に平行な方向に形成される。
このように、上述した磁束線Mの屈折がコア3のすべての角部において繰り返されることにより、磁束線Mが磁路に対して平行な方向に形成される。そして、コア3全周にわたって磁束線Mが磁路に平行に保たれるため、コア3の角部において磁束線Mが内周側へ集中することを防ぐことができる。つまり、コア3の辺部において外周側を通る磁束線Mは、角部においても外周側を通るようになる。
また、同図に示すごとく、コア3の内周面301とある磁束線Mとの間の距離をh、第1辺部コア311における磁束線Mに直交する方向の幅をW1、第2辺部コア312における磁束線Mに直交する方向の幅をW2、第1辺部コア311における微小断面S1の面積をΔS1、磁束線Mに沿って上記微小断面S1を第2辺部コア312に投影して得る第2辺部コア312における微小断面S2の面積をΔS2で表すとする。
ここで、微小断面S1、S2の面積ΔS1、ΔS2の比は、磁束線Mに沿って互いに投影される関係にあるため、幅W1、W2の比と等しい。したがって、W1/W2=ΔS1/ΔS2の関係が成り立つ。
このような場合、磁束線Mが角部コア32(三角コア411及び三角コア412)を通過する際に受ける磁気抵抗R3は、磁束線Mが角部コア32の最も内周側の経路(三角コア411の辺411bを通る経路)を通る場合の磁気抵抗R1と、磁束線Mが角部コア32の最も外周側の経路(三角コア411の辺411bを通る経路)を通る場合の磁気抵抗R2とを用いて、次の式で表される。
3=(h/W1)・R1+(1−h/W1)・R2 (h/W1:0〜1)・・・式(2)
ここで、磁気抵抗R1、R2は、次の式で表される。
1=W1・tanθ1/(ΔS1・μ1) ・・・式(3)
2=W2・tanθ2/(ΔS2・μ2) ・・・式(4)
上述のごとく、tanθ1/tanθ2=μ1/μ2(式(1))、W1/W2=ΔS1/ΔS2が成り立つことから、式(3)と式(4)との関係は、R1=R2となる。
さらに、このR1=R2の関係を上記式(2)に代入することにより、R3=R1=R2であることが導き出される。すなわち、磁束線Mが角部コア32(三角コア411及び三角コア412)を通過する際に受ける磁気抵抗R3は、距離hに依存せず、内周側及び外周側にかかわらずどの経路で通過する場合でも同じ値となる。
また、同図に示すごとく、磁束線Mが辺部コア31(第1辺部コア311、第2辺部コア312)を通過する際にそれぞれ受ける磁気抵抗も、辺部コア31(第1辺部コア311、第2辺部コア312)が正方形状又は長方形状を呈していることから、距離hに依存せず、内周側及び外周側にかかわらずどの経路で通過する場合でも同じ値となる。
よって、コア3を構成する各辺部コア31及び各角部コア32のそれぞれにおいて、磁束線Mが通過する際に受ける磁気抵抗は、距離hに依存せず、均一である。これにより、コア3を構成する各辺部コア31及び各角部コア32の内部のそれぞれにおいて、磁束密度が偏りなく均一になる。
このように、本発明のリアクトルは、上述したような構成を有することにより、磁束線を上記コアの内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができることから、磁束線が上記コアからはみ出ることによって生じる漏れ磁束を低減することができる。
また、上記コアを構成する各コア(辺部コア、角部コア)の内部において磁束密度を偏りなく均一にすることができることから、局所的な磁束密度の不均一によって生じる直流重畳特性の悪化を抑制することができる。
よって、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトルを提供することができる。
実施例1における、閉磁路に直交する方向から見たリアクトルの平面図。 実施例1における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例1における、角部コア周辺の磁束線の流れを示す説明図。 実施例2における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例3における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例3における、角部コア周辺の磁束線の流れを示す説明図。 実施例4における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例5における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例5における、角部コア周辺の磁束線の流れを示す説明図。 実施例6における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例7における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例8における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例9における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 実施例10における、閉磁路に直交する方向から見たコアの断面図。 従来における、磁束線の流れを示したコアの断面図。 従来における、角部にギャップを設けたコアの断面図。 従来における、コアの角部周辺の磁束線の流れを示す説明図。
本発明において、上記コアブロックにおける上記2つの三角コアのそれぞれについて、磁路に直交する辺と斜辺とが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2の関係を満たす。
ここで、「実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2の関係を満たす」とは、厳密にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2が成立する場合のみならず、上述した本発明の効果を得ることができる許容範囲を含んでいることを意味している。例えば、製造において上記の各コアをつなぎ合わせる際に生じた隙間や傾斜等に起因する誤差を含んでいる。
また、上記の許容範囲としては、例えば、「μ1/μ2」の値の10%前後の誤差範囲、すなわちtanθ1/tanθ2=0.9μ1/μ2〜1.1μ1/μ2であれば、磁束密度の不均一を10%前後の誤差範囲にすることができ、上述した本発明の効果を十分に得ることができる。
以下、その理由について説明する。
磁束密度の不均一を10%前後の誤差範囲にするためには、上記磁気抵抗R3の上記距離hに対するばらつきを10%以内に抑える必要がある。上記式(2)に示すように、上記磁気抵抗R3は、上記の磁気抵抗Rと磁気抵抗Rとの内分で表されるため、上記磁気抵抗R3の上記距離hに対するばらつきを10%以内に抑えるということは、次の式(5)が成り立てばよい。
0.9≦R/R≦1.1 ・・・式(5)
ここで、「μ1/μ2」の値の誤差をαとすると、誤差を含んだ場合の上記式(1)は、次の式(6)で表される。
tanθ1/tanθ2=(1+α)μ1/μ2 ・・・式(6)
次いで、上記の式(3)、式(4)、式(6)及びW1/W2=ΔS1/ΔS2の関係を上記式(5)に代入することにより、αの関係式として次の式(7)が得られる。
0.9≦1+α≦1.1 ・・・式(7)
よって、上記式(7)より、「μ1/μ2」の値の誤差「α」が10%以内(±0.1)となる。
以上により、「μ1/μ2」の値の10%前後の誤差範囲、すなわちtanθ1/tanθ2=0.9μ1/μ2〜1.1μ1/μ2であれば、磁束密度の不均一を10%前後の誤差範囲にすることができ、上述した本発明の効果を十分に得ることができる。
また、上記コアを構成する材料としては、磁性体としてすでに公知の様々な材料を用いることができる。
また、上記コイルは、上記コアによって形成される磁路を中心軸とする周方向に(磁路に略直交する方向に)巻回されていることが好ましい。これは、上記コアによって形成される磁路に対して平行な方向に磁束線を形成することができるからである。
また、上記コアにおける上記角部コアは、上記コアブロックを1又は複数有している。すなわち、上記角部コアは、1つの上記コアブロックにより構成してもよいし、複数の上記コアブロックを組み合わせて構成してもよい。また、その組み合わせ方も、上記角部コアの形状に合わせて様々に変更することができる。
また、上記コアは、上記閉磁路に直交する方向の高さが一定であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記コアを構成する各コア(辺部コア、角部コア)の内部において磁束密度をより均一にすることができる。また、漏れ磁束の低減という本発明の効果をより一層発揮することができる。
また、上記コアは、上記辺部コアにおいて、上記閉磁路に直交する方向の幅が一定であることが好ましい。
この場合にも、上記コアを構成する各コア(辺部コア、角部コア)の内部において磁束密度をより均一にすることができる。また、漏れ磁束の低減という本発明の効果をより一層発揮することができる。
また、上記コアブロックにおける上記2つの三角コアのうち、上記辺部コアに隣接する三角コアは、その隣接する上記辺部コアと同じ材料よりなる構成とすることができる(請求項3)。すなわち、両者の間では磁束線を屈折させる必要がないため、両者を構成する材料について透磁率に関する条件はない。そのため、両者を同じ材料で構成することができる。
この場合には、上記コアを構成する上で必要な材料の数や部材の数を少なくすることが可能となり、製造が容易となる(後述する実施例2、4、5等参照)。
また、上記角部コアは、上記コアブロックを複数有しており、該複数のコアブロックにおける上記三角コアのうち、磁路に直交する辺を共有して隣接する三角コア同士は、同じ材料よりなる構成とすることができる(請求項4)。すなわち、両者の間では磁束線を屈折させる必要がないため、両者を構成する材料について透磁率に関する条件はない。そのため、両者を同じ材料で構成することができる。
この場合にも、上記コアを構成する上で必要な材料の数や部材の数を少なくすることが可能となり、製造が容易になる(後述する実施例3〜5等参照)。
また、上記コアには、磁路方向に所定の幅を有するギャップが1又は複数箇所設けられていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記ギャップの幅やその数を調整することにより、磁束密度の調整を行うことが可能となる。そのため、上記コアを構成する材料の選定における自由度を高めることができる。また、磁束密度の調整により、小型かつエネルギー容量が大きなリアクトルを設計することが可能となる(後述する実施例6参照)。
また、上記コアには、磁路方向に所定の幅を有する永久磁石が1又は複数設けられていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記リアクトルの通電により発生する磁束とは反対方向に磁気バイアスをかけることができる。そのため、上記コアにおける磁気飽和を抑制することができ、該コアにおける損失を低減することができる(後述する実施例7参照)。
また、本発明では、上述したように、上記コアの角部において漏れ磁束を低減し、磁気飽和を抑制することができる。したがって、本発明のリアクトルは、従来に比べて大きな磁束密度を発生させても損失が小さく、ギャップ又は永久磁石の幅を小さく設定することができるようになるため、ギャップ又は永久磁石における漏れ磁束を低減することができる。これにより、ギャップ又は永久磁石を設けたことによる上記の効果をより有効に発揮することができる。
また、上記のギャップ又は永久磁石は、上記コアにおいて上記コイルを巻回しない部分に設けることが好ましい。例えば、上記コイルを上記コアの上記辺部コアに巻回し、ギャップ又は永久磁石を上記コアの上記角部コアに設ける構成とすることが好ましい。
この場合には、ギャップ又は永久磁石が上記コイルを巻回しない部分にあるため、ギャップ又は永久磁石において漏れ磁束が上記コイルに渦電流を誘導することによって生じる渦電流損失を低減することができる(後述する実施例8、9参照)。
また、上記リアクトルは、複数の上記コアを連結させて構成された連結リアクトルであり、該連結リアクトルは、隣接する上記コアにおいて、上記辺部コア同士を連結してなる連結部を有しており、該連結部にのみ上記コイルを巻回してなる構成とすることができる(請求項7)。
この場合には、上記連結部にのみ上記コイルを巻回することにより、その他の部分に上記コイルを巻回する必要がなくなるため、上記コアに巻回する上記コイルによって体格が増大するという問題を防ぐことができる(後述する実施例10参照)。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるリアクトルについて、図を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1〜図3に示すごとく、多角形環状の閉磁路を形成してなるコア3とコア3に巻回してなるコイル2とを有する。
コア3は、閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する6つの辺部コア31と、辺部と辺部との間を連結する角部を構成する6つの角部コア32とにより構成されている。
また、辺部コア31は、磁路に直交する2つの辺(311a、312a)と磁路に平行な2つの辺(311b、312b)とからなる長方形状を呈している。
角部コア32は、磁路に直交する辺411a、412aと磁路に平行な辺411b、412bとその両辺が成す直角に相対する斜辺411c、412cとからなる直角三角形状を呈する2つの三角コア411、412を互いの斜辺411c、412cを共有するように合わせてなるコアブロック41を1つ有している。
そして、コアブロック41における2つの三角コア411、412は、互いに異なる透磁率を有している。また、2つの三角コア411、412のそれぞれについて、磁路に直交する辺411a、412aと斜辺411c、412cとが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2(式(1))の関係を満たす。
なお、図1〜図3は、すべて閉磁路に直交する方向から見た平面図あるいは断面図である。後述する図4〜図14も同様である。
以下、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、リアクトル1は、外周及び内周共に六角形である環状の閉磁路を形成してなるコア3を有している。
コア3は、閉磁路に直交する方向の高さが一定となっており、閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する6つの辺部コア31と角部を構成する6つの角部コア32とにより構成されている。
図1、図2に示すごとく、辺部コア31は、形状の異なる第1辺部コア311と第2辺部コア312との2種類により構成されている。本例では、6つの辺部コア31は、長さが長くて幅の広い3つの第1辺部コア311と長さが短くて幅の狭い3つの第2辺部コア312とにより構成されており、第1辺部コア311及び第2辺部コア312は、交互に配置されている。
第1辺部コア311及び第2辺部コア312は、閉磁路に平行な断面において、それぞれ磁路に直交する2つの辺311a、312a(図3)と磁路に平行な2つの辺311b、312b(図3)とからなる長方形状を呈している。
また、第1辺部コア311には、その第1辺部コア311によって形成された磁路を中心軸として周方向に(磁路に略直交する方向に)コイル2が巻回されている。
また、第1辺部コア311は、比透磁率=2400のフェライトを用いて均質に構成されている。また、第2辺部コア312は、比透磁率=60の磁性粉末混合樹脂を用いて均質に構成されている。この磁性粉末混合樹脂は、鉄粉等の磁性粉末をエポキシ等の樹脂に混合したものである。なお、各第1辺部コア311及び各第2辺部コア312は、それぞれ別々の材料で構成することもできる。
図1、図2に示すごとく、コア3における角部コア32は、1つのコアブロック41により構成されている。
図3に示すごとく、コアブロック41は、閉磁路に平行な断面において、磁路に直交する辺411a、412aと磁路に平行な辺411b、412bとその両辺が成す直角に相対する斜辺411c、412cとからなる直角三角形状を呈する2つの三角コア411、412により構成されている。2つの三角コア411、412は、互いの斜辺411c、412cを共有するように配置されている。
また、図3に示すごとく、コアブロック41における2つの三角コア411、412のそれぞれについて、磁路に直交する辺411a、412aと斜辺411c、412cとが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2(式(1))の関係を満たしている。また、三角コア411、412は、互いに異なる透磁率(μ1<μ2)を有する材料により構成されている。
本例では、三角コア411、412は、それぞれ比透磁率μ1=10の磁性粉末混合樹脂、比透磁率μ2=100の磁性粉末混合樹脂を用いて均質に構成されている。
ここで、「実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2の関係を満たす」とは、厳密にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2が成立する場合のみならず、後述する本例の効果を得ることができる許容範囲を含んでいることを意味している。例えば、製造において上記の各コアをつなぎ合わせる際に生じた隙間や傾斜等に起因する誤差を含んでいる。
また、その許容範囲としては、例えば、「μ1/μ2」の値の10%前後の誤差範囲、すなわちtanθ1/tanθ2=0.9μ1/μ2〜1.1μ1/μ2であれば、上述したように、磁束密度の不均一を10%前後の誤差範囲にすることができ、後述する本例の効果を十分に得ることができる。
そして、同図に示すごとく、コアブロック41は、三角コア411の辺411aと第1辺部コア311の辺311aとを共有するように配置されていると共に、三角コア412の辺412aと第2辺部コア312の辺312aとを共有するように配置されている。このようにして、コアブロック41は、角部コア32を構成している。
次に、本例のリアクトル1における作用効果について、図を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、上述したような構成とすることにより、コイル2への通電により発生する磁束線Mをコア3の内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができると共に、コア3を構成する各コア(辺部コア31、角部コア32)の内部において偏りなく均一にすることができる。
以下、この理由を説明する。
一般的に、互いの透磁率の異なる材料同士の境界面において、磁束線がその境界面に対して斜め方向(垂直な方向とは異なる方向)に入射すると、その磁束線が屈折することが知られている。
そのため、図3に示すごとく、第1辺部コア311において磁路に平行な方向に形成された磁束線Mが第1辺部コア311から角部コア32に向かって入射した場合、磁束線Mは、第1辺部コア311と三角コア411との境界面(311a、411a)に対して垂直方向に入射することになるため、屈折しない。
次いで、同図に示すごとく、磁束線Mが三角コア411から三角コア412に向かって入射した場合、磁束線Mは、互いに透磁率が異なる材料同士の境界面である三角コア411と三角コア412との境界面(411c、412c)に対して斜め方向に、具体的には入射角θAにて入射することになるため、屈折する。
このとき、屈折角をθBとすると、マックスウェル方程式に基づいて導かれる磁束線の屈折の原理から、tanθA/tanθB=μ1/μ2の式が成り立つ。
そして、三角コア411における磁路に直交する辺411aと斜辺411cとが成す角度θ1とθAとは等しく、また三角コア412における磁路に直交する辺412aと斜辺412cとが成す角度θ2とθBとは等しい。
よって、上記のtanθA/tanθB=μ1/μ2の式の角度θAをθ1に、角度θBをθ2に置き換えることにより、上記式(1)が得られる。
ここで、上記式(1)が成り立つ場合には、同図に示すごとく、上記境界面(411c、412c)において屈折した後の磁束線Mは、三角コア412と第2辺部コア312との境界面(412a、312a)に対して垂直方向に入射することになる。そのため、磁束線Mは、その境界面(412a、312a)で屈折せず、第2辺部コア312において磁路に平行な方向に形成される。
このように、上述した磁束線Mの屈折がコア3のすべての角部において繰り返されることにより、磁束線Mが磁路に対して平行な方向に形成される。そして、コア3全周にわたって磁束線Mが磁路に平行に保たれるため、コア3の角部において磁束線Mが内周側へ集中することを防ぐことができる。つまり、コア3の辺部において外周側を通る磁束線Mは、角部においても外周側を通るようになる。
また、同図に示すごとく、コア3の内周面301とある磁束線Mとの間の距離をh、第1辺部コア311における磁束線Mに直交する方向の幅をW1、第2辺部コア312における磁束線Mに直交する方向の幅をW2、第1辺部コア311における微小断面S1の面積をΔS1、磁束線Mに沿って上記微小断面S1を第2辺部コア312に投影して得る第2辺部コア312における微小断面S2の面積をΔS2で表すとする。
ここで、微小断面S1、S2の面積ΔS1、ΔS2の比は、磁束線Mに沿って互いに投影される関係にあるため、幅W1、W2の比と等しい。したがって、W1/W2=ΔS1/ΔS2の関係が成り立つ。
このような場合、磁束線Mが角部コア32(三角コア411及び三角コア412)を通過する際に受ける磁気抵抗R3は、磁束線Mが角部コア32の最も内周側の経路(三角コア411の辺411bを通る経路)を通る場合の磁気抵抗R1と、磁束線Mが角部コア32の最も外周側の経路(三角コア411の辺411bを通る経路)を通る場合の磁気抵抗R2とを用いて、次の式で表される。
3=(h/W1)・R1+(1−h/W1)・R2 (h/W1:0〜1)・・・式(2)
ここで、磁気抵抗R1、R2は、次の式で表される。
1=W1・tanθ1/(ΔS1・μ1) ・・・式(3)
2=W2・tanθ2/(ΔS2・μ2) ・・・式(4)
上述のごとく、tanθ1/tanθ2=μ1/μ2(式(1))、W1/W2=ΔS1/ΔS2が成り立つことから、式(3)と式(4)との関係は、R1=R2となる。
さらに、このR1=R2の関係を上記式(2)に代入することにより、R3=R1=R2であることが導き出される。すなわち、磁束線Mが角部コア32(三角コア411及び三角コア412)を通過する際に受ける磁気抵抗R3は、距離hに依存せず、内周側及び外周側にかかわらずどの経路で通過する場合でも同じ値となる。
また、同図に示すごとく、磁束線Mが辺部コア31(第1辺部コア311、第2辺部コア312)を通過する際にそれぞれ受ける磁気抵抗も、辺部コア31(第1辺部コア311、第2辺部コア312)が上述した長方形状を呈していることから、距離hに依存せず、内周側及び外周側にかかわらずどの経路で通過する場合でも同じ値となる。
よって、コア3を構成する各辺部コア31及び各角部コア32のそれぞれにおいて、磁束線Mが通過する際に受ける磁気抵抗は、距離hに依存せず、均一である。これにより、コア3を構成する各辺部コア31及び各角部コア32の内部のそれぞれにおいて、磁束密度が偏りなく均一になる。
このように、本例のリアクトル1は、上述したような構成を有することにより、磁束線Mをコアの内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができることから、磁束線Mがコア3からはみ出ることによって生じる漏れ磁束を低減することができる。
また、コア3を構成する各コア(辺部コア31、角部コア32)の内部において磁束密度を偏りなく均一にすることができることから、局所的な磁束密度の不均一によって生じる直流重畳特性の悪化を抑制することができる。
よって、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができる。
また、本例では、コア3は、閉磁路に直交する方向の高さが一定である。そのため、コア3全周にわたって磁束密度をより均一にすることができる。また、漏れ磁束の低減という本発明の効果をより一層発揮することができる。
以上のごとく、本例によれば、磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトル1を提供することができる。
なお、本例において、6つの辺部コア31は、磁束線Mの屈折には関係ないため、その透磁率を任意に設定することができる。したがって、コイル2を巻回しない3つの第2辺部コア312の材料として透磁率の低い材料を選定すれば、より大きなエネルギー容量を持つ磁束密度が均一のリアクトル1を得ることができる。また、コイル2を巻回する3つの第1辺部コア311を漏れ磁束の少ない高透磁率の材料とすれば、漏れ磁束がコイル2に渦電流を誘導することによって生じる渦電流損失を低減することができ、損失を小さくしたリアクトル1を得ることができる。
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、実施例1のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3において、角部コア32のコアブロック41における2つの三角コア411、412のうち、辺部コア31に隣接する三角コア411、412は、その隣接する辺部コア31と同じ材料よりなる。
すなわち、同図に示すごとく、辺部コア31とその両側に隣接する三角コア411とは、同じ材料により一体的に構成されている。また、辺部コア31とその両側に隣接する三角コア412とは、同じ材料により一体的に構成されている。よって、コア3は、全体として2種類の材料により構成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、磁束線Mの屈折に関係がなく、構成する材料について透磁率に関する条件のない部材同士を同じ材料で構成している。そのため、コア3を構成する上で必要な材料の数や部材の数を少なくすることができ、製造が容易となる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図5、図6に示すごとく、コア3の形状及び角部コア32の構成を変更した例である。
本例では、図5に示すごとく、コア3は、外周が四角形、内周が八角形である環状の閉磁路を形成してなる。また、コア3は、閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する4つの辺部コア31と角部を構成する4つの角部コア32とにより構成されている。
同図に示すごとく、4つの辺部コア31は、長さの長い2つの第1辺部コア311と長さの短い2つの第2辺部コア312とにより構成されており、その2種類の第1辺部コア311及び第2辺部コア312は、幅が同じであり、交互に配置されている。また、第1辺部コア311には、その第1辺部コア311によって形成された磁路を中心軸として周方向に(磁路に略直交する方向に)コイル2が巻回されている(図示略)。また、角部コア32は、2つのコアブロック41、42により構成されている。
図6に示すごとく、コアブロック41は、閉磁路に平行な断面において、磁路に直交する辺411a、412aと磁路に平行な辺411b、412bとその両辺が成す直角に相対する斜辺411c、412cとからなる直角三角形状を呈する2つの三角コア411、412により構成されている。2つの三角コア411、412は、互いの斜辺411c、412cを共有するように配置されている。
また、コアブロック41における2つの三角コア411、412のそれぞれについて、磁路に直交する辺411a、412aと斜辺411c、412cとが成す角度をθ11、θ12、透磁率をμ11、μ12とした場合に、tanθ11/tanθ12=μ11/μ12の関係(上記式(1)と同様の関係)を満たしている。また、三角コア411、412は、互いに異なる透磁率(μ11<μ12)を有する材料により構成されている。
同図に示すごとく、コアブロック42は、閉磁路に平行な断面において、磁路に直交する辺421a、422aと磁路に平行な辺421b、422bとその両辺が成す直角に相対する斜辺421c、422cとからなる直角三角形状を呈する2つの三角コア421、422により構成されている。2つの三角コア421、422は、互いの斜辺421c、422cを共有するように配置されている。
また、コアブロック42における2つの三角コア421、422のそれぞれについて、磁路に直交する辺421a、422aと斜辺421c、422cとが成す角度をθ21、θ22、透磁率をμ21、μ22とした場合に、tanθ21/tanθ22=μ21/μ22の関係(上記式(1)と同様の関係)を満たしている。また、三角コア421、422は、互いに異なる透磁率(μ21<μ22)を有する材料により構成されている。
そして、同図に示すごとく、コアブロック41、42は、互いの三角コア411、421の辺411a、421aを共有するように配置されている。また、コアブロック41は、三角コア412の辺412aと第1辺部コア311の辺311aとを共有するように配置されている。また、コアブロック42は、三角コア422の辺422aと第2辺部コア312の辺312aとを共有するように配置されている。このようにして、コアブロック41、42は、角部コア32を構成している。
また、本例では、コアブロック41、42は、互いの三角コア411、421の辺411a、421aを対称軸とする線対称の形状・構成を有している。
また、コアブロック41の三角コア411とコアブロック42の三角コア421とは、同じ材料により構成されている。また、両者は、互いに隣接して配置されているため、一体的に構成されている。また、コアブロック41の三角コア412とコアブロック42の三角コア422とは、同じ材料により構成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、実施例1と同様の作用効果を有する。
すなわち、リアクトル1は、上述したような構成を有することにより、図6に示すごとく、コイル2への通電により発生する磁束線Mをコア3の内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができると共に、コア3を構成する各コア(辺部コア31、角部コア32)の内部において磁束密度を偏りなく均一にすることができる。
これにより、磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトル1を得ることができる。
また、角部コア32を上述したような構成とすることにより、磁束線Mを角部コア32において2段階で屈折させることになるため、コアブロック41における三角コア411、412及びコアブロック42における三角コア421、422は、透磁率の比(μ11/μ12、μ21/μ22)が小さい材料の組み合わせとすることができる。そのため、透磁率が異なる同系統の材料(例えば、透磁率が異なるフェライト同士の組み合わせ、磁性粉末混合樹脂同士の組み合わせ等)で構成することができる。
なお、本例において、4つの辺部コア31は、磁束線Mの屈折には関係ないため、その透磁率を任意に設定することができる。したがって、4つの辺部コア31をすべて同じ透磁率の材料により構成し、その材料として透磁率の低い材料を選定すれば、より大きなエネルギー容量を持つ磁束密度が均一のリアクトル1を得ることができる。
(実施例4)
本例は、図7に示すごとく、実施例3のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3において、角部コア32のコアブロック41における2つの三角コア411、412及びコアブロック42における2つの三角コア421、422のうち、辺部コア31に隣接する三角コア412、422は、その隣接する辺部コア31と同じ材料よりなる。
すなわち、同図に示すごとく、辺部コア31とその両側に隣接する三角コア412、422とは、同じ材料により一体的に構成されている。また、互いに隣接する三角コア411、421は、同じ材料により一体的に構成されている。よって、コア3は、全体として2種類の材料により構成されている。
その他は、実施例3と同様の構成である。
本例の場合には、磁束線Mの屈折に関係がなく、構成する材料について透磁率に関する条件のない部材同士を同じ材料で構成している。そのため、コア3を構成する上で必要な材料の数や部材の数を少なくすることができ、製造が容易となる。
その他は、実施例3と同様の作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、図8、図9に示すごとく、コア3の形状及び角部コア32の構成を変更した例である。
本例では、図8に示すごとく、コア3は、外周が八角形、内周が四角形である環状の閉磁路を形成してなる。また、コア3は、閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する4つの辺部コア31と角部を構成する4つの角部コア32とにより構成されている。
同図に示すごとく、4つの辺部コア31は、長さの長い2つの第1辺部コア311と長さの短い2つの第2辺部コア312とにより構成されており、その2種類の第1辺部コア311及び第2辺部コア312は、幅が同じであり、交互に配置されている。また、第1辺部コア311には、その第1辺部コア311によって形成された磁路を中心軸として周方向に(磁路に略直交する方向に)コイル2が巻回されている(図示略)。また、角部コア32は、2つのコアブロック41、42により構成されている。
また、図9に示すごとく、コアブロック41、42の基本的な構成は、実施例3、4と同様である。
また、図8、図9に示すごとく、コア3において、角部コア32のコアブロック41における2つの三角コア411、412及びコアブロック42における2つの三角コア421、422のうち、辺部コア31に隣接する三角コア412、422は、その隣接する辺部コア31と同じ材料よりなる。
すなわち、同図に示すごとく、辺部コア31とその両側に隣接する三角コア412、422とは、同じ材料により一体的に構成されている。また、互いに隣接する三角コア411、421は、同じ材料により一体的に構成されている。よって、コア3は、全体として2種類の材料により構成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、実施例1と同様の作用効果を有する。
すなわち、リアクトル1は、上述したような構成を有することにより、図9に示すごとく、コイル2への通電により発生する磁束線Mをコア3の内周側・外周側にかかわらず磁路に対して平行な方向に形成することができると共に、コア3を構成する各コア(辺部コア31、角部コア32)の内部において磁束密度を偏りなく均一にすることができる。
これにより、磁気抵抗を均一にすると共に局所的な磁束密度の不均一をなくし、漏れ磁束の低減と直流重畳特性の向上とを両立させることができるリアクトル1を得ることができる。
また、本例では、磁束線Mの屈折に関係がなく、構成する材料について透磁率に関する条件のない部材同士を同じ材料で構成している。そのため、コア3を構成する上で必要な材料の数や部材の数を少なくすることができ、製造が容易となる。
(実施例6)
本例は、図10に示すごとく、実施例1のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3における辺部コア31には、磁路方向に所定の幅を有するギャップ51が複数箇所設けられている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、ギャップ51の幅やその数を調整することにより、磁束密度の調整を行うことが可能となる。そのため、コア3を構成する材料の選定における自由度を高めることができる。また、磁束密度の調整により、小型かつエネルギー容量が大きなリアクトル1を設計することが可能となる。
また、上述したように、本発明のリアクトルは、コアの角部において漏れ磁束を低減し、磁気飽和を抑制することができる。したがって、本例のリアクトル1は、従来に比べて大きな磁束密度を発生させても損失が小さく、ギャップ51の幅を小さく設定することができるようになるため、ギャップ51における漏れ磁束を低減することができる。これにより、ギャップ51を設けたことによる上記の効果をより有効に発揮することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例7)
本例は、図11に示すごとく、実施例1のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3における辺部コア31には、磁路方向に所定の幅を有する永久磁石52が複数箇所設けられている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、リアクトル1の通電により発生する磁束とは反対方向に磁気バイアスをかけることができる。そのため、コア3における磁気飽和を抑制することができ、コア3における損失を低減することができる。
また、上述したように、本発明のリアクトルは、コアの角部において漏れ磁束を低減し、磁気飽和を抑制することができる。したがって、本例のリアクトル1は、従来に比べて大きな磁束密度を発生させても損失が小さく、永久磁石52の幅を小さく設定することができるようになるため、永久磁石52における漏れ磁束を低減することができる。これにより、永久磁石52を設けたことによる上記の効果をより有効に発揮することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例8)
本例は、図12に示すごとく、実施例5のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3における角部コア32は、2つのコアブロック41、42により構成されている。また、2つのコアブロック41、42の間には、磁路方向に所定の幅を有するギャップ51が設けられている。すなわち、ギャップ51をコア3においてコイル2を巻回しない部分に設けている。
その他は、実施例5と同様の構成である。
本例の場合には、ギャップ51をコア3においてコイル2を巻回しない部分に設ける構成とすることにより、ギャップ51において漏れ磁束がコイル2に渦電流を誘導することによって生じる渦電流損失を低減することができる。
その他は、実施例5と同様の作用効果を有する。
(実施例9)
本例は、図13に示すごとく、実施例4のリアクトル1について、コア3の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、コア3における角部コア32は、2つのコアブロック41、42により構成されている。また、2つのコアブロック41、42の間には、磁路方向に所定の幅を有する永久磁石52が設けられている。すなわち、永久磁石52をコア3においてコイル2を巻回しない部分に設けている。
その他は、実施例4と同様の構成である。
本例の場合には、永久磁石52をコア3においてコイル2を巻回しない部分に設ける構成とすることにより、永久磁石52において漏れ磁束がコイル2に渦電流を誘導することによって生じる渦電流損失を低減することができる。
また、これに加え、コイル2によって誘導されて永久磁石52にかかる逆方向の磁束密度は、辺部コア31に永久磁石を設ける場合に比べて小さいため、永久磁石52が減磁し難いという効果も得られる。
その他は、実施例4と同様の作用効果を有する。
(実施例10)
本例は、図14に示すごとく、コア3の形状及び構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、リアクトル1は、2つのコア3を連結させて構成された連結リアクトル11である。なお、コア3の構成は、実施例4と同様である。
連結リアクトル11は、隣接するコア3において、辺部コア31同士を連結してなる連結部111を有しており、連結部111にのみコイル(図示略)を巻回してなる。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合には、連結部111にのみコイルを巻回することにより、その他の部分にコイルを巻回する必要がなくなるため、コア3に巻回するコイルによって体格が増大するという問題を防ぐことができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 リアクトル
2 コイル
3 コア
31 辺部コア
32 角部コア
41 コアブロック
411、412 三角コア

Claims (7)

  1. 多角形環状の閉磁路を形成してなるコアと該コアに巻回してなるコイルとを有するリアクトルにおいて、
    上記コアは、上記閉磁路に平行な断面において、辺部を構成する3つ以上の辺部コアと、辺部と辺部との間を連結する角部を構成する3つ以上の角部コアとにより構成されており、
    上記辺部コアは、磁路に直交する2つの辺と磁路に平行な2つの辺とからなる正方形状又は長方形状を呈しており、
    上記角部コアは、磁路に直交する辺と磁路に平行な辺とその両辺が成す直角に相対する斜辺とからなる直角三角形状を呈する2つの三角コアを互いの斜辺を共有するように合わせてなるコアブロックを1又は複数有しており、
    該コアブロックにおける上記2つの三角コアは、互いに異なる透磁率を有しており、
    該2つの三角コアのそれぞれについて、磁路に直交する辺と斜辺とが成す角度をθ1、θ2、透磁率をμ1、μ2とした場合に、実質的にtanθ1/tanθ2=μ1/μ2の関係を満たすことを特徴とするリアクトル。
  2. 請求項1において、上記コアは、上記閉磁路に直交する方向の高さが一定であることを特徴とするリアクトル。
  3. 請求項1又は2において、上記コアブロックにおける上記2つの三角コアのうち、上記辺部コアに隣接する三角コアは、その隣接する上記辺部コアと同じ材料よりなることを特徴とするリアクトル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記角部コアは、上記コアブロックを複数有しており、該複数のコアブロックにおける上記三角コアのうち、磁路に直交する辺を共有して隣接する三角コア同士は、同じ材料よりなることを特徴とするリアクトル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記コアには、磁路方向に所定の幅を有するギャップが1又は複数箇所設けられていることを特徴とするリアクトル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記コアには、磁路方向に所定の幅を有する永久磁石が1又は複数設けられていることを特徴とするリアクトル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記リアクトルは、複数の上記コアを連結させて構成された連結リアクトルであり、該連結リアクトルは、隣接する上記コアにおいて、上記辺部コア同士を連結してなる連結部を有しており、該連結部にのみ上記コイルを巻回してなることを特徴とするリアクトル。
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