JP2011108405A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電停止後に進行する燃料電池の劣化を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】燃料電池は、セパレータ200と、発電プレート300と、締結部とを備え、発電プレート300には、MEA320、アノードガス拡散部310、ガスシール部360が形成され、ガスシール部360は、締結部による発電停止後に軽減された締結荷重Lfに応じて形状復帰することによって、アノードガス拡散部310を大気に連通させる空隙365を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、反応ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池に関する。
燃料電池の一形態として、反応ガスの電気化学反応を行う反応部が形成された複数の発電部材を備え、これら複数の発電部材の各々の間を複数のセパレータ(隔離部材)で隔離した燃料電池が知られている。燃料電池の反応部としては、炭素を含む材料で成形されたアノード電極およびカソード電極の間に、プロトン伝導体である電解質膜を接合した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下「MEA」と呼ぶ)が知られている。MEAとセパレータとの間には、MEAに反応ガスを拡散させるガス拡散部が形成され、ガス拡散部の外周には、MEAとセパレータとの間でガス拡散部を密閉状態にするシール部(ガス密閉部)が形成されている(特許文献1および特許文献2を参照)。
特開2007−214101号公報 特開2007−165132号公報
従来、燃料電池の発電停止後、カソード電極側のガス拡散部から空気を排出する排出口から空気が逆流し易い発電部材では、アノード電極側に残留する反応ガスの部分的な欠乏に伴うカソード電位の上昇により、カソード電極を構成する炭素の酸化によってカソード電極が劣化してしまう場合があるという問題があった。カソード電極の劣化は、結果的に、燃料電池の発電性能を低下させてしまう。
本発明は、上記した課題を踏まえ、発電停止後に進行する燃料電池の劣化を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 適用例1の燃料電池は、反応ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池であって、前記電気化学反応を行う反応部がそれぞれ形成された複数の発電部材と、前記複数の発電部材の各々の間に積層され、前記複数の発電部材の各々を隔離する複数の隔離部材と、前記複数の発電部材および前記複数の隔離部材を締結する締結部であって、前記複数の発電部材および前記複数の隔離部材が積層された積層方向に発生する締結荷重を発電停止後に軽減する締結部とを備え、前記発電部材は、前記反応部と前記隔離部材との間に形成され、前記反応部に前記反応ガスを拡散させるガス拡散部と、前記ガス拡散部を囲繞する形状に成形され、前記締結部による締結荷重に応じて弾性変形することによって前記反応部と前記隔離部材との間で前記ガス拡散部を密閉状態にするガス密閉部とを含み、前記ガス密閉部は、前記締結部による発電停止後に軽減された締結荷重に応じて形状復帰することによって、前記ガス拡散部を大気に連通させる空隙を形成することを特徴とする。適用例1の燃料電池によれば、発電停止後にガス密閉部によって形成される空隙を通じてガス拡散部を大気で換気することができる。これによって、反応部に残留する反応ガスにおける部分的な濃度差の発生を抑制することができる。その結果、発電停止後に進行する燃料電池の劣化を抑制することができる。
[適用例2] 適用例1の燃料電池であって、前記ガス密閉部は、前記ガス拡散部の外周に沿って連続して成形された第1層部と、前記第1層部に重ね合わせて前記ガス拡散部の外周に沿って不連続に成形された第2層部とを含むとしても良い。適用例2の燃料電池によれば、発電停止後に空隙を形成するガス密閉部を容易に成形することができる。
[適用例3] 適用例1または適用例2の燃料電池であって、前記締結部における前記積層方向の熱膨張率は、前記複数の膜電極接合体および前記複数の隔離部材を含む前記締結部によって締結される被締結体における前記積層方向の熱膨張率よりも小さいとしても良い。適用例3の燃料電池によれば、反応ガスの電気化学反応に伴う反応熱によって温度が上昇し発電停止後に低下する燃料電池において、締結部と被締結体との間の熱膨張率の差によって、発電停止後に締結荷重を容易に軽減することができる。
[適用例4] 適用例1ないし適用例3のいずれかの燃料電池であって、前記締結部は、前記積層方向に前記複数の膜電極接合体および前記複数の隔離部材を圧縮する圧縮荷重を発電中に発生させると共に、該圧縮荷重を発電停止後に軽減する荷重発生装置を含むとしても良い。適用例4の燃料電池によれば、荷重発生装置による圧縮荷重によって、締結荷重を容易に制御することができる。
本発明の形態は、燃料電池に限るものではなく、例えば、燃料電池の密閉構造、燃料電池の構成部材、燃料電池を備える車両、燃料電池を運転する燃料電池システム、燃料電池を運転する方法、燃料電池を運転するプログラムなどの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
燃料電池システムの構成を示す説明図である。 燃料電池における積層部の詳細構成を示す説明図である。 シール一体型MEAの詳細を示す説明図である。 シール一体型MEAの詳細を示す説明図である。 発電停止時におけるガスシール部の状態を示す説明図である。 定常発電時におけるガスシール部の状態を示す説明図である。 第2実施例における燃料電池システムの構成を示す説明図である。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した燃料電池システムについて説明する。
A.第1実施例:
図1は、燃料電池システム10の構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、反応ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池20を備え、燃料電池システム10の外部に電力を供給するために燃料電池20を運転する。本実施例では、燃料電池システム10は、燃料電池20で発電した電力を利用して走行する車両に搭載されるシステムであるが、他の実施形態として、住宅や施設の電源として設置されるシステムに適用しても良いし、電気で作動する電気機械機器に電源として搭載されるシステムに適用しても良い。
燃料電池システム10の燃料電池20は、反応ガスの供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。本実施例では、燃料電池20に供給される反応ガスは、水素を含有する燃料ガスと、酸素を含有する酸化ガスとを含む。燃料電池20に供給された燃料ガスは、酸素との電気化学反応の進行に伴って水素濃度が低下し、アノードオフガスとして燃料電池20から排出される。本実施例では、燃料電池20に用いられる燃料ガスは、水素タンクや水素吸蔵合金に貯蔵した水素ガスであるが、炭化水素系燃料を改質して得られる水素ガスであっても良い。本実施例では、燃料電池システム10は、燃料ガスを循環して再利用する循環方式のシステムであり、アノードオフガスは、燃料ガスとして再利用される。燃料電池20に供給された酸化ガスは、水素との電気化学反応の進行に伴って酸素濃度が低下し、カソードオフガスとして燃料電池20から排出される。本実施例では、燃料電池20に用いられる酸化ガスは、大気中から取り込んだ空気である。燃料電池20の詳細構成については後述する。
燃料電池システム10は、燃料電池20の他、燃料ガス給排部30と、冷却水給排部40と、酸化ガス給排部50と、運転制御部90とを備える。燃料電池システム10の燃料ガス給排部30は、運転制御部90からの制御信号に基づいて、燃料電池20に燃料ガスを供給すると共に、燃料電池20から排出されるアノードオフガスを処理する。燃料電池システム10の冷却水給排部40は、運転制御部90からの制御信号に基づいて、燃料電池20を冷却する冷却水を循環させる。燃料電池システム10の酸化ガス給排部50は、運転制御部90からの制御信号に基づいて、燃料電池20に酸化ガスを供給すると共に、燃料電池20から排出されるカソードオフガスを処理する。燃料電池システム10の運転制御部90は、燃料ガス給排部30、冷却水給排部40、酸化ガス給排部50に電気的に接続され、燃料電池20の運転を制御する。
図1に示すように、燃料電池システム10の燃料電池20は、積層部21と、締結部25とを備える。燃料電池20の積層部21は、反応ガスの電気化学反応によって発電するための複数の構成部材を積層して形成され、燃料電池20の締結部25は、積層部21の構成部材を積層した状態で積層部21を締結する。つまり、積層部21は、締結部25によって締結される被締結部である。
燃料電池20の締結部25は、積層部21の構成部材が積層された積層方向Dsに積層部21を圧縮する締結荷重Lfを発生させる。締結部25による締結荷重Lfは、燃料電池20の発電停止後に軽減される。本実施例では、締結部25における積層方向Dsの熱膨張率CEfは、積層部21における積層方向Dsの熱膨張率CEsよりも小さい。これによって、発電に伴う反応ガスの反応熱によって燃料電池20の温度が上昇すると、積層部21の熱膨張量が締結部25よりも大きいため、締結荷重Lfは増大する。その後、発電停止後に燃料電池20の温度が低下すると、締結荷重Lfは発電中よりも軽減される。
本実施例では、締結部25は、第1連結部材510と、第1エンドプレート520と、サイドメンバ560と、第2エンドプレート580と、第2連結部材590とを備える。締結部25の第1エンドプレート520および第2エンドプレート580は、積層部21における積層方向Dsの両端から積層部21を挟持する。締結部25のサイドメンバ560は、積層部21の積層方向Dsに沿って第1エンドプレート520と第2エンドプレート580との間に設けられている。サイドメンバ560の一端は、第1連結部材510によって第1エンドプレート520に連結され、サイドメンバ560の他端は、第2連結部材590によって第2エンドプレート580に連結されている。
燃料電池20の積層部21は、反応ガスの電気化学反応によって発電するための複数の構成部材として、第1インシュレータ110と、第1ターミナル120と、複数のセパレータ200と、複数の発電プレート300と、第2ターミナル480と、第2インシュレータ490とを備える。積層部21における複数のセパレータ200は、複数の発電プレート300の各々の間に積層され、これら複数の発電プレート300の各々を隔離する隔離部材である。積層部21における複数の発電プレート300は、反応ガスから直接的に電気を取り出す電気化学反応を行う反応部がそれぞれ形成された発電部材である。セパレータ200および発電プレート300の詳細構成については後述する。
積層部21の第1ターミナル120および第2ターミナル480は、交互に積層された複数のセパレータ200および複数の発電プレート300における積層方向Dsの両端にそれぞれ積層され、複数の発電プレート300の各々で発生する電気を集電する。積層部21の第1インシュレータ110および第2ターミナル480は、第1ターミナル120および第2ターミナル480の外側にそれぞれ積層され、第1ターミナル120および第2ターミナル480を締結部25から電気的に絶縁する。
図2は、燃料電池20における積層部21の詳細構成を示す説明図である。積層部21の各構成部材は、隣接する部材間で相互に連通する複数の貫通孔を有し、これらの貫通孔が連結することによって複数の流路が積層部21の内部に形成されている。本実施例では、燃料電池システム10は、積層部21の内部に形成された複数の流路を通じて、燃料ガスの供給(矢印H_IN)、アノードオフガスの排出(矢印H_OUT)、酸化ガスの供給(矢印A_IN)、カソードオフガスの排出(矢印A_OUT)、冷却水の供給(矢印W_IN)、冷却水の排出(矢印W_OUT)の各処理を行う。
燃料電池20のセパレータ200は、燃料ガスおよび酸化ガスを発電プレート300に導入する機能、アノードオフガスおよびカソードオフガスを発電プレート300から排出する機能、発電プレート300で発生する電気を集電する機能、冷却水によって発電プレート300を冷却する機能を備える。セパレータ200は、発電プレート300で発生する電気を集電するのに十分な導電性を有すると共に、反応ガスおよび冷却水を流す上で十分な耐久性、耐熱性、ガス不透過性を有する材料を用いて形成される。本実施例では、セパレータ200の材料は、ステンレスであるが、チタンやチタン合金などの金属の他、カーボン樹脂、導電性セラミックスであっても良い。本実施例では、セパレータ200は、カソードプレート210と、中間プレート220と、アノードプレート230とを備え、これら複数の板状部材を積層して形成される積層型のセパレータである。
燃料電池20の発電プレート300は、反応ガスから直接的に電気を取り出す電気化学反応を行う反応部として膜電極接合体(MEA)320を備え、発電プレート300は、MEA320の他、更に、アノードガス拡散部310と、カソードガス拡散部330と、シールガスケット340とを備える。発電プレート300のアノードガス拡散部310は、MEA320のアノード側とセパレータ200との間に形成され、MEA320のアノード側に燃料ガスを拡散させる。発電プレート300のカソードガス拡散部330は、MEA320のカソード側とセパレータ200との間に形成され、MEA320のカソード側に酸化ガスを拡散させる。本実施例では、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330は、反応ガスの透過に十分な連続した複数の気孔を形成する導電性の多孔体であり、本実施例では、発泡金属であるが、金属メッシュであっても良い。本実施例では、シールガスケット340は、MEA320に射出成形されており、MEA320およびシールガスケット340は、シール一体型膜電極接合体(以下、「シール一体型MEA」と呼ぶ)350を形成する。
図3および図4は、シール一体型MEA350の詳細を示す説明図である。図3には、積層方向Dsから見たシール一体型MEA350を図示し、図4には、図3に図示す切断面A−Aでシール一体型MEA350を切断した断面を図示した。
発電プレート300のMEA320は、図4に示すように、アノード電極層322とカソード電極層323との間に電解質膜321を挟持して接合したシート状の部材である。MEA320の電解質膜321は、プロトンを伝導するプロトン伝導体であり、本実施例では、アイオノマ樹脂製の電解質膜の一つであるパーフルオロスルホン酸イオン交換膜である。MEA320のアノード電極層322およびカソード電極層323は、ガス透過性、導電性、撥水性を有する部材であり、本実施例では、白金や白金合金を担持した炭素担体を含む材料で形成されている。前述したように、MEA320のアノード電極層322側には、セパレータ200との間にアノードガス拡散部310が形成され、MEA320のカソード電極層323側には、セパレータ200との間にカソードガス拡散部330が形成される。本実施例では、電解質膜321の両面には、アノード電極層322およびカソード電極層323をそれぞれ取り囲むように、電解質膜321を補強する補強フィルム329が接合されている。
発電プレート300のシールガスケット340は、弾性を有する絶縁性の樹脂材料で形成され、図3および図4に示すように、MEA320を中央部に取り囲む形状に成形されている。本実施例では、シールガスケット340の材料は、シリコンゴムであるが、ブチルゴムやフッ素ゴムであっても良い。シールガスケット340は、ガスシール部360と、流路シール部381,382,384,385,385,386と、流路貫通孔391,392,394,395,395,396とを備え、これらの部位は、シールガスケット340の両面にそれぞれ形成されている。
シールガスケット340の流路貫通孔391,392,394,395,395,396は、積層方向Dsに沿ってシールガスケット340を貫通する孔であり、積層部21の内部に形成される各種流路の一部をそれぞれ形成する。流路シール部381,382,384,385,385,386は、流路貫通孔391,392,394,395,395,396をそれぞれ囲繞する形状に成形され積層方向Dsに沿って(すなわち、セパレータ200に向けて)突出する凸部であり、流路貫通孔391,392,394,395,395,396を流れる流体をセパレータ200との間で密閉状態にする密閉部である。
シールガスケット340のガスシール部360は、MEA320のアノード電極層322側およびカソード電極層323側、すなわちアノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330をそれぞれ囲繞する形状に成形され積層方向Dsに沿って突出する凸部である。ガスシール部360は、締結部25による締結荷重Lfに応じて弾性変形することによって、アノード電極層322とセパレータ200との間でアノードガス拡散部310を、およびカソード電極層323とセパレータ200との間でカソードガス拡散部330をそれぞれ密閉状態にするガス密閉部として機能する。
本実施例では、ガスシール部360は、第1層部361と、第2層部362とを備え、図3および図4に示すように、ガスシール部360の第1層部361は、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周にそれぞれ沿って連続して成形され、ガスシール部360の第2層部362は、積層方向Dsから第1層部361に重ね合わせてアノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周にそれぞれ沿って不連続に成形されている。すなわち、第1層部361は、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周をそれぞれ途切れることなく囲繞するが、その第1層部361に重なる第2層部362は、間隔を空けてアノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周をそれぞれ囲繞する。締結部25による締結荷重Lfに応じて弾性変形した第1層部361が第2層部362の隙間に入り込むことによってガスシール部360をガス密閉部として機能させるために、第1層部361の積層方向Dsの高さ(肉厚)は、第2層部362の積層方向Dsの高さ(肉厚)よりも大きいことが好ましい。本実施例では、第1層部361および第2層部362は同じ材質であるが、他の実施形態において、弾性係数が異なる異種材質であっても良い。
図3および図4には、図の分かり易さを目的として、ガスシール部360の第2層部362には、断面であるか否かにかかわらず、ハッチングを施した。本実施例では、第2層部362の成形部(ハッチングを施した部位)と非成形部との割合は略同じであるが、他の実施形態において、成形部が非成形部より多くても良いし、少なくても良い。本実施例では、第2層部362における一つの成形部の大きさ(長さ)は、一つの非成形部の大きさ(長さ)と略同じであるが、他の実施形態において、成形部が非成形部よりも大きくても良いし、小さくても良い。ガスシール部360をガス密閉部として機能させる剛性を維持するため、第2層部362における成形部の数は、積層方向Dsから見た第2層部362の形状の各辺に少なくとも一つあることが好ましく、各辺に少なくとも二つ以上あることがより好ましい。本実施例では、第2層部362の成形部の数は合計10個であるが、他の実施形態において、10個以上であっても良いし、10個より少なくても良い。
図5は、発電停止時におけるガスシール部360の状態を示す説明図であり、図6は、定常発電時におけるガスシール部360の状態を示す説明図である。なお、図3および図4と同様に、図5および図6においても、ガスシール部360の第2層部362にはハッチングを施した。
図5には、燃料電池20における発電を停止した後、燃料電池20の温度が50℃よりも低下した場合におけるガスシール部360の状態を示し、この状態における締結部25の締結荷重Lfを、締結荷重Lf_offとして示す。図6には、燃料電池20における発電を開始した後、発電に伴う反応熱によって燃料電池20の温度が50℃以上になった場合におけるガスシール部360の状態を示し、この状態における締結部25の締結荷重Lfを、締結荷重Lf_onとして示す。前述したように、積層方向Dsの熱膨張率は締結部25よりも積層部21の方が大きいため、50℃以上の温度下における定常発電時の締結荷重Lf_onは、50℃よりも低下した温度下における発電停止時の締結荷重Lf_offよりも大きい。
図5に示すように、定常発電時の締結荷重Lf_onよりも軽減された締結荷重Lf_offの下では、第1層部361に第2層部362が埋没しない状態にガスシール部360が形状復帰して、第2層部362の非成形部に対応する位置に、ガスシール部360およびセパレータ200によって区画された空隙365が形成される。空隙365は、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330をそれぞれ大気に連通させるため、空隙365が形成された状態では、ガスシール部360は、ガス密閉部として機能しない。これによって、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330は空隙365を通じて大気に開放され、アノードガス拡散部310に残留する燃料ガスの消費が促進される。
図6に示すように、発電停止時の締結荷重Lf_offよりも大きな締結荷重Lf_onの下では、第1層部361に第2層部362が埋没した状態にガスシール部360が弾性変形して、締結荷重Lf_offの下で形成されていた空隙365は消滅する。これによって、ガスシール部360は、ガス密閉部として機能し、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330はセパレータ200との間に密閉される。
以上説明した第1実施例の燃料電池システム10によれば、発電停止後にガスシール部360によって形成される空隙365を通じてアノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330を大気で換気することができる。これによって、MEA320のアノード電極層322に残留する燃料ガスにおける部分的な濃度差の発生を抑制することができる。その結果、発電停止後に進行する燃料電池20の劣化を抑制することができる。
また、ガスシール部360は、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周に沿って連続して成形された第1層部361と、第1層部361に重ね合わせてアノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の外周に沿って不連続に成形された第2層部362とを備えることから、発電停止後に空隙365を形成するガスシール部360を容易に成形することができる。
また、締結部25における積層方向Dsの熱膨張率CEfは、積層部21における積層方向Dsの熱膨張率CEsよりも小さいことから、反応ガスの電気化学反応に伴う反応熱によって温度が上昇し発電停止後に低下する燃料電池20において、締結部25と積層部21との間の熱膨張率の差によって、発電停止後に締結荷重Lfを容易に軽減することができる。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例における燃料電池システム10の構成を示す説明図である。第2実施例における燃料電池システム10は、締結部25が油圧制御部571および油圧シリンダ472を備える点を除き、第1実施例と同様である。燃料電池システム10の油圧制御部571および油圧シリンダ472は、油圧に応じた荷重を発生させる荷重発生装置であり、油圧制御部571は、運転制御部90からの制御信号に基づいて、油圧シリンダ472に供給される油圧を制御し、油圧シリンダ472は、積層方向Dsに積層部21を圧縮する圧縮荷重を、油圧制御部571によって制御される油圧に応じて発生させる。
油圧制御部571は、運転制御部90からの信号に基づいて燃料電池20における発電が実行中であると判断すると、締結部25が積層部21を締結する荷重が締結荷重Lf_onとなるように、油圧シリンダ472による圧縮荷重を制御する。他方、油圧制御部571は、運転制御部90からの信号に基づいて燃料電池20における発電が停止中であると判断すると、締結部25が積層部21を締結する荷重が締結荷重Lf_onから締結荷重Lf_offに軽減されるように、油圧シリンダ472による圧縮荷重を制御する。
以上説明した第2実施例の燃料電池システム10によれば、第1実施例と同様に、発電停止後に進行する燃料電池20の劣化を抑制することができる。また、油圧制御部571および油圧シリンダ472による圧縮荷重によって締結荷重Lfを容易に制御することができる。
C.他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施例では、いわゆる循環方式の燃料電池について説明したが、他の実施形態において、燃料電池に一旦供給された燃料ガスを使い切るいわゆるデッドエンド方式の燃料電池に本発明を適用しても良い。
また、前述の実施例では、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の各々を密閉状態にするガスシール部360が発電停止後に空隙365を形成するものとしたが、他の実施形態において、アノードガス拡散部310およびカソードガス拡散部330の一方を密閉状態にするガスシール部が発電停止後に空隙365を形成し、他方のガス拡散部を密閉状態にするガスシール部は、発電停止後に空隙365を形成することなく密閉状態を維持しても良い。
また、前述の実施例では、ガスシール部360を第1層部361および第2層部362から成る2層構造で形成したが、他の実施形態において、第1層部361および第2層部362から成る形状を一層で形成しても良いし、三層以上で形成しても良い。また、前述の実施例では、ガスシール部360においてセパレータ200に接触する側(すなわち、第2層部362側)に空隙365を形成したが、他の実施形態において、例えば、第1層部361に重ねられた第2層部362の上に、更に、連続的に成形された第3の層を重ねることによって、ガスシール部360の中腹に空隙365を形成しても良い。
10…燃料電池システム
20…燃料電池
21…積層部
25…締結部
30…燃料ガス給排部
40…冷却水給排部
50…酸化ガス給排部
90…運転制御部
110…第1インシュレータ
120…第1ターミナル
200…セパレータ
210…カソードプレート
220…中間プレート
230…アノードプレート
300…発電プレート
310…アノードガス拡散部
320…MEA
321…電解質膜
322…アノード電極層
323…カソード電極層
329…補強フィルム
330…カソードガス拡散部
340…シールガスケット
350…シール一体型MEA
360…ガスシール部
361…第1層部
362…第2層部
365…空隙
381…流路シール部
391…流路貫通孔
472…油圧シリンダ
480…第2ターミナル
490…第2インシュレータ
510…第1連結部材
520…第1エンドプレート
560…サイドメンバ
571…油圧制御部
580…第2エンドプレート
590…第2連結部材
Lf_off…締結荷重
Lf_on…締結荷重
Lf…締結荷重
Ds…積層方向
CEf…熱膨張率
CEs…熱膨張率

Claims (4)

  1. 反応ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池であって、
    前記電気化学反応を行う反応部がそれぞれ形成された複数の発電部材と、
    前記複数の発電部材の各々の間に積層され、前記複数の発電部材の各々を隔離する複数の隔離部材と、
    前記複数の発電部材および前記複数の隔離部材を締結する締結部であって、前記複数の発電部材および前記複数の隔離部材が積層された積層方向に発生する締結荷重を発電停止後に軽減する締結部と
    を備え、
    前記発電部材は、
    前記反応部と前記隔離部材との間に形成され、前記反応部に前記反応ガスを拡散させるガス拡散部と、
    前記ガス拡散部を囲繞する形状に成形され、前記締結部による締結荷重に応じて弾性変形することによって前記反応部と前記隔離部材との間で前記ガス拡散部を密閉状態にするガス密閉部と
    を含み、
    前記ガス密閉部は、前記締結部による発電停止後に軽減された締結荷重に応じて形状復帰することによって、前記ガス拡散部を大気に連通させる空隙を形成する、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記ガス密閉部は、
    前記ガス拡散部の外周に沿って連続して成形された第1層部と、
    前記第1層部に重ね合わせて前記ガス拡散部の外周に沿って不連続に成形された第2層部と
    を含む、燃料電池。
  3. 前記締結部における前記積層方向の熱膨張率は、前記複数の膜電極接合体および前記複数の隔離部材を含む前記締結部によって締結される被締結体における前記積層方向の熱膨張率よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記締結部は、前記積層方向に前記複数の膜電極接合体および前記複数の隔離部材を圧縮する圧縮荷重を発電中に発生させると共に、該圧縮荷重を発電停止後に軽減する荷重発生装置を含む、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013004321A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Toyota Motor Corp 燃料電池スタック

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