JP2011107018A - 圧力センサー - Google Patents

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健太 佐藤
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Abstract

【課題】圧力センサーを提供する。
【解決手段】パッケージ12と、前記パッケージ12の一面に形成され圧力を受けて撓み変形するダイアフラム36と、前記ダイアフラム36に形成され、シングルビーム構造の感圧素子22の長手方向(X軸方向)の両端を支持する一対の支持部38と、を有する圧力センサー10であって、前記一対の支持部38は、それぞれ先端部40と末広がり部42を有するテーパー状に形成され、前記先端部40が互いに対向して配置されたものである。また前記感圧素子22は、前記長手方向に沿って延びた振動腕24と、前記振動腕24の両端に接続された基部26と、を有し、前記先端部40は、それぞれ前記振動腕24と前記基部26との境界26aを支持し、前記末広がり部42は、それぞれ前記基部26の前記長手方向の端部26bを支持するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、シングルビーム型の圧電振動子を感圧素子として用いた圧力センサーについて、特に圧電振動子からダイアフラムへの振動漏れを抑制した圧力センサーに関する。
従来から、水圧計、気圧計、差圧計などとして圧電振動子を感圧素子として使用した圧力センサーが知られている。前記圧電振動子は、例えば、板状の圧電基板上に電極パターンが形成されて固有の共振周波数で振動する振動部と、振動部の両端に設けられ、ダイアフラムに固定された一対の基部を有し、一対の基部を互いに結ぶ線の方向を力の検出軸とするものである。そして、前記検出軸の方向に直交する方向から被測定圧力がダイアフラムの受圧部で受圧すると前記受圧部が撓み、これにより前記圧電振動子に力が加わると、前記圧電振動子には検出軸の方向に引張り応力が生じるため共振周波数が変化し、前記共振周波数の変化から前記被測定圧力の圧力値を検出する。このような圧力センサーをより高精度にするための従来技術が開示されている。
図8に特許文献1に開示された第1の従来技術に係る圧力センサー素子を示す。図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のF−F線断面図である。図8に示すように圧力センサー素子101は、圧電基板の少なくとも一方の主面に凹部104、109を有する2つの圧電ダイアフラム103、108を前記凹部104、109同士が向き合うように積層して形成される内部空間中に圧電振動子102を配置した圧力センサー素子101において、前記圧電振動子102の両端を前記圧電ダイアフラム103の凹部104内底面に形成された載置部110、111に固定するとともに、前記2つの圧電ダイアフラム103、108の凹部104、109内底面同士を力伝達用柱105、106にて連結した構成が開示されている。これにより圧電ダイアフラム103、108の変形の方向によって圧電振動子102に加わるストレスが圧縮方向か、あるいは伸長方向かになるよう機能するので、相対圧を測定可能な圧力センサー素子101となっている。
また図9には、特許文献2に開示された第2の従来技術に係る圧力センサー素子を示す。図9に示すように圧力センサー素子220は、ダイアフラム212を有する圧力センサー210における前記ダイアフラム212に形成された対をなす支持部218に載置される圧力センサー素子220であって、前記圧力センサー素子220は前記支持部218に固定される2つの基部222と前記基部間に位置する振動部224とを有し、前記基部222の固定部から前記振動部224までの間に切欠き222a、222bを設けた構成が開示されている。これによりダイアフラム212による振動部224に対する曲げ変形、すなわち厚み方向の変位は前記切欠き222a、222bの形成箇所に集中するため、振動部224に対して作用する非線形的な力を抑制し、圧力センサー素子220の振動部224に対する悪影響を低減している。
これらの圧力センサーの構成要素は、ダイアフラムの変位量を双音叉素子等の感圧素子に伝える構造であることから、受圧する被測定圧力に対する変位量が大きいほうが、より高い感度を得ることができる。
ところで、近年、圧力センサーの小型化の要求が高まり、それに伴って、ダイアフラムに搭載される感圧素子の小型化が試みられている。
しかし、感圧素子を構成する双音叉振動子は、2本の柱状ビームが平行に配置され、2本の柱状ビーム間には間隙(スリット)が設けられているため、フォトリソグラフィー技法とエッチング技法を用いて、水晶等の圧電基板から双音叉振動子を形成するのにあたり、双音叉振動子のサイズが小さければ小さいほどスリットを鮮鋭度良く形成することは困難であり、エッチングアンダー、残渣などに起因した電極間のショートが発生する問題があった。
また更に、受圧した圧力によりダイアフラムが撓むと、支持部に搭載された双音叉振動子には引張力または圧縮力が加わり、双音叉振動子の内部に引張り応力または圧縮応力が生じることとなるが、このとき応力は前記2本の柱状ビームに分散されるため、応力の感度としては約1/2となってしまう問題がある。
そこで、双音叉振動子を1本の柱状ビームで構成することにより、双音叉振動子の内部に生じる引張り応力及び圧縮応力を1本ビームに集中させることによって感度を2本の柱状のビームの場合の感度の2倍とすることが試みられている。シングルビームを用いた両持ち支持型振動子を使用した圧力センサーは特許文献3乃至8に開示されている。
特開2004−132913号公報 特開2007−333452号公報 USP4321500 USP4406966 USP4455874 USP4372173 USP4382385 USP4651569
第3の従来技術に係る圧力センサー素子を図10に示す。図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のE−E線断面図、図10(c)は圧力センサー素子を構成する振動部の模式図である。圧力センサー素子300は、パッケージ302と、パッケージ302の一面に形成された±Z方向に変位するダイアフラム304と、パッケージ302内部に配置された感圧素子306と、を有し、感圧素子306は、長手方向の両端に形成された一対の基部308と、前記一対の基部308の間にシングルビームとして形成された振動部310と、を有し、前記一対の基部308が前記ダイアフラムに接続された構成である。そして、振動部310は一対の基部308を支点として±Y方向に所定の共振周波数で振動する。
しかしながら、ツインビームの振動が、一対の基部(支持部)を結ぶ線に対して2本のビームの振動が線対称となって、互いに振動を相殺するように振動するのに対して、シングルビームとして形成された振動部310の振動は、1本のビームが単独で振動しているため相殺することができず、振動が支持部312を介してダイアフラム304に漏洩し、漏洩した振動によりダイアフラム304自身が振動をするという問題があった。
すなわち、図10(c)に示すように、柱状ビーム型の振動部310は支持部312を回転軸とした回転方向の振動を起し、ダイアフラム304へ振動エネルギーが漏洩し、Q値が低下するとともに、CI(クリスタルインピーダンス)が上昇するので、シングルビーム構造の感圧素子は共振し難くなってしまうという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に着目し、感度を劣化させることなくダイアフラムの振動を抑止した圧力センサーを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]パッケージと、前記パッケージの一面に形成され圧力を受けて撓み変形するダイアフラムと、前記ダイアフラムに形成され、シングルビーム構造の感圧素子の長手方向の両端を支持する一対の支持部と、を有する圧力センサーであって、前記一対の支持部は、それぞれ先端部と末広がり部を有するテーパー状に形成され、前記先端部が互いに対向して配置されたことを特徴とする圧力センサー。
シングルビーム構造の振動腕は、上述のように振動腕の長手方向を回転軸とした回転振動を行う。このとき振動腕に接続した基部も回転振動を行なう。そのため感圧素子に接続した支持部も振動腕からの回転振動を受けて回転振動を行なうことになる。またダイアフラムは中心に行くほど圧力に対する変位が大きい、すなわち変形しやすく感圧素子からの振動も受けやすくなる特性を有している。
よって、上記構成により、振動腕からの回転振動を受けて支持部が回転振動を行なった場合、末広がり部はダイアフラムの圧力による変位の小さい位置、すなわち変形しにくい位置にあるため、末広がり部はダイアフラムから抗力を受け、そのため末広がり部に接続する基部全体の回転振動の振幅を抑制することができる。特に末広がり部の幅が大きいほど回転軸に対する抗力に起因したモーメントが大きくなるため回転振動の抑制の効果が大きくなる。一方、先端部は幅が小さいため、先端部の幅方向の端部のダイアフラムの法線方向の振幅は小さく、さらに末広がり部が支持部全体の回転振動の振幅を抑制するため先端部からの漏れ振動の振幅を大幅に抑えることができる。したがってダイアフラムへの回転振動の漏れを抑制してQ値の低下を抑制した圧力センサーを構築することができる。
[適用例2]前記感圧素子は、前記長手方向に沿って延びた振動腕と、前記振動腕の両端に接続された基部と、を有し、前記先端部は、それぞれ前記振動腕と前記基部との境界を支持し、前記末広がり部は、それぞれ前記基部の前記長手方向の端部を支持することを特徴とする適用例1に記載の圧力センサー。
シングルビーム構造の振動腕の基本振動は、振動腕の両端を支点としてダイアフラムの面に沿った方向に振動する。よって上記構成により、支持部の先端部は、それぞれ振動腕の振動の支点を支持するため、振動腕の支点のダイアフラムの面に沿った方向の変位を抑制し、これによるダイアフラムへの振動漏れを抑制することができる。
[適用例3]前記支持部において、前記先端部から前記末広がり部までの外形が内側に湾曲して形成されたことを特徴とする適用例1または2に記載の圧力センサー。
これにより、末広がり部の幅を変えることなく支持部の幅の平均値を小さくすることができるので、感圧素子の感度を劣化させることになる振動漏れをより効果的に抑制することができる。
[適用例4]前記末広がり部は、前記ダイアフラムの撓み変形における面内応力が集中する領域に形成されたことを特徴とする適用例1乃至3のいずれか1例に記載の圧力センサー。
これにより、末広がり部はダイアフラムから強い応力を受けることになるので、末広がり部に接続する基部及び振動腕は強い応力を受けることになり感圧素子の感度を向上させることができる。
[適用例5]前記パッケージは、ベース層、感圧素子層、ダイアフラム層の積層構造により形成され、前記感圧素子層は、前記感圧素子と、前記感圧素子を囲み前記ベース層に接合する支持枠と、前記振動腕の長手方向に交差する方向に延びて形成され前記感圧素子と前記支持枠とを連結する連結部と、を有し、前記ダイアフラム層は、前記支持枠に対応して形成され前記支持枠に接合する周縁部と、前記周縁部の内側に形成され前記ダイアフラム形成する凹部と、前記凹部に形成され前記支持部を形成する凸部と、を有することを特徴とする適用例1乃至4のいずれか1例に記載の圧力センサー。
これにより、圧力センサーを積層構造により形成できるので量産化が可能となりコストを抑制することができる。また連結部は振動腕の回転運動の方向に延びた成分を有することになる。したがって連結部は支持枠からの抗力を受けて振動腕の回転運動に伴う振動を受けて抑制し、支持部にその振動が及ぶことを抑制してダイアフラムへの漏れ振動を抑制することができる。
本実施形態に係る圧力センサーの模式図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’線断面図、図1(d)は図1(a)のC−C’線断面図である。 本実施形態に係る振動腕及び支持部の回転振動の様子を示す図である。 ダイアフラムに撓み変形を与えた場合の変位分布を示す図である。 ダイアフラムに撓み変形を与えた場合の面内の応力分布を示す図である。 圧力センサーの感度と振動漏れの支持部の形状を変えた場合の比較を示す図である。 支持部の変形例を示す模式図であり、図6(a)は第1の変形例、図6(b)は第2の変形例である。 本実施形態の変形例を示す模式図である。 第1の従来技術に係る圧力センサーの模式図であり、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のF−F線断面図である。 第2の従来技術に係る圧力センサーの模式図である。 第3の従来技術に係る圧力センサーの模式図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のE−E線断面図、図10(c)は圧力センサー素子を構成する振動部の模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。また以下の実施形態の説明及び図面においては直交座標(X軸、Y軸、Z軸)を用いる。
図1に本実施形態に係る圧力センサーを示す。図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’線断面図、図1(d)は図1(a)のC−C’線断面図である。本実施形態に係る圧力センサー10は、パッケージ12と、前記パッケージ12の一面に形成され圧力を受けて撓み変形するダイアフラム36と、前記ダイアフラム36に形成され、シングルビーム構造の感圧素子22の長手方向(X軸方向)の両端を支持する一対の支持部38と、を有する圧力センサー10であって、前記一対の支持部38は、それぞれ先端部40と末広がり部42を有するテーパー状に形成され、前記先端部40が互いに対向して配置されたものである。
また前記感圧素子22は、前記長手方向に沿って延びた振動腕24と、前記振動腕24の両端に接続された基部26と、を有し、前記先端部40は、それぞれ前記振動腕24と前記基部26との境界26aを支持し、前記末広がり部42は、それぞれ前記基部26の前記長手方向の端部26bを支持するものである。
パッケージ12と、前記パッケージ12の一面に形成され圧力を受けて撓み変形するダイアフラム36と、シングルビーム構造の振動腕24と、前記振動腕24の長手方向の両端に形成された一対の基部26と、を有する感圧素子22と、前記ダイアフラム36の中心を挟んで一対に形成され、前記一対の基部26をそれぞれ支持し、前記撓み変形により前記一対の基部26を互いに反対方向に変位させて前記振動腕24に応力を印加する一対の支持部38と、を有する圧力センサー10であって、前記一対の支持部38は、それぞれ先端部40と末広がり部42からなるテーパー状に形成されるとともに前記先端部40を互いに対向させて形成され、前記先端部40は、それぞれ前記振動腕24と前記基部26との境界26aを支持し、前記末広がり部42は、それぞれ前記基部26の前記長手方向の端部26bを支持するものである。
またパッケージ12は、ベース層14、感圧素子層20、ダイアフラム層32の積層構造により形成されている。圧力センサー10を積層構造により形成することにより量産化が可能となりコストを抑制することができる。
ベース層14、感圧素子層20、ダイアフラム層32は、それぞれ水晶等の圧電材料をエッチング工程またはサンブラスト工程により形成されたものであり、平面視して同一の外形(本実施形態では矩形)を有している。またベース層14と感圧素子層20とはC−C’線が境界であり、感圧素子層20とダイアフラム層32はA−A’線(B−B’線)が境界となっており、それぞれの境界で固相接合、低融点ガラスを接合剤として用いた接合等の接合方法により接合されている。
感圧素子層20は、感圧素子22と、感圧素子22を囲みベース層14及びダイアフラム層32に接続する支持枠30と、振動腕24の長手方向に交差する方向に延びて形成され感圧素子22の基部26と支持枠30とを連結する連結部28と、を有する。
感圧素子層20に形成された感圧素子22は、シングルビーム型の振動腕24と振動腕24の長手方向(X方向)の両端に接続された一対の基部26とを有する。また感圧素子22の基部26と支持枠30が、連結部28により連結されている。そして振動腕24には励振電極(不図示)が形成され、励振電極(不図示)に接続された引き出し電極(不図示)が基部26、連結部28、支持枠30に形成され、外部にある駆動回路(不図示)に電気的に接続している。これにより感圧素子22は図1(c)に示すように、振動腕24の両端にある境界26aを支点として矢印が示す方向に固有の共振周波数で振動する。なお、図1(c)における矢印が示す方向は振動腕24の長手方向(X方向)及びダイアフラム36の法線方向(Z方向)に垂直な方向(Y方向)である。
連結部28は、支持枠30の長辺30aから振動腕24の長手方向に交差する方向(本実施形態ではY方向)に延出し、基部26にY軸方向の辺に接続している。連結部28は細身に設計され、基部26の振動腕24の長手方向(X方向)の変位を阻害しないようになっている。
ダイアフラム層32は、感圧素子層20の支持枠30に対応して形成された周縁部34と、周縁部34の内側に形成された薄肉のダイアフラム36と、ダイアフラム36の前記基部26に対向する位置に形成された一対の支持部38と、を有する。そして周縁部34の下端と支持枠30の上端とが接合する。ダイアフラム層32は、凹部36aを凸部38aの高さまでエッチング等により掘り込む工程と、凸部38aを残して凹部36aの深さまで掘り込む工程により形成することができる。この凹部36aにより薄肉のダイアフラム36とダイアフラム36の周囲を囲む周縁部34が形成され、凸部38aがそのまま支持部38となる。
支持部38は、テーパー状に形成され、ダイアフラム36の中心を挟んでX軸方向から先端部40を対向させた態様でダイアフラム上に形成されている。よって先端部40は、ダイアフラム36の中心に近いところに形成され、末広がり部42はダイアフラム層32の周縁部34の短辺34aに近いところに形成される。ここで感圧素子22において、振動腕24と振動腕24の基部26との境界26aが平面視して先端部40に重なる位置に接合され、基部26のX軸方向の端部26bは平面視して末広がり部42に重なる位置に接合される。
ベース層14は、感圧素子層20の支持枠30の形状に対応して形成された周縁部16と、周縁部16の内側に形成された凹部18とを有し、周縁部16の上端は支持枠30の下端と接合する。
このベース層14、感圧素子層20、ダイアフラム層32を真空チャンバー(不図示)等において積層することによりパッケージ12が形成される。よってダイアフラム36はパッケージ12外部が真空のときは撓み変形することはないが、パッケージ12外部が一定の気圧を有する場合には、ダイアフラム12はその気圧に応じた変位でパッケージ12内部側(Z方向)に撓み変形する。このとき支持部38は互いに離れる方向(X方向)に変位するため、支持部38に支持された基部26も互いに離れる方向に変位する。よって振動腕24には引張り応力が印加されるので振動腕24の共振周波数は高くなる。この共振周波数はダイアフラム36の変位、すなわち、外部の圧力の大きさに対応して変化する。よって真空を基準とし、絶対圧を測定可能な圧力センサー10となる。
図2に本実施形態に係る振動腕及び支持部の回転振動の様子を示す。図2において、実線の回転方向と実線の抗力N1、N2が対応し、破線の回転方向と破線の抗力N1、N2が対応する。
上述のように、シングルビーム構造の振動腕24の基本振動は、振動腕の両端を支点としてダイアフラムの面に沿った方向(Y方向)に振動する(図1(c)参照)。このとき、支持部38の先端部40は、振動腕24の振動の支点(境界26a)を支持するため、振動腕24の支点のダイアフラム36の面に沿った方向(XY方向)の変位を抑制し、これによるダイアフラム36への振動漏れを抑制している。ここで図2の斜線部分は支持部38のダイアフラム36と接続する部分である。
また振動腕24は上述の基本振動以外にも、振動腕24の長手方向(X軸方向)を回転軸とした回転振動を行う。このとき振動腕24に接続した基部26も回転振動を行なう。そのため感圧素子22に接続した支持部38も振動腕24からの回転振動を受けてX軸方向を回転軸とした回転振動を行なうことになる。またダイアフラム36は、中心に行くほど圧力に対する変位が大きい、すなわち変形しやすく感圧素子22からの振動も受けやすくなる特性を有している。一方、本実施形態において、支持部38はテーパー状に形成され、ダイアフラム36の中心に近い方を長手方向に垂直な方向(Y軸方向)の幅の小さい先端部40とし、逆に遠い方をY軸方向の幅の大きい末広がり部42としている。
よって、振動腕24からの回転振動を受けて支持部38が回転振動を行なった場合、末広がり部42はダイアフラム36の圧力による変位の小さい位置、すなわち変形しにくい位置にあるため、末広がり部42はダイアフラム36から抗力N1を受け、そのため末広がり部42に接続する基部26全体の回転振動の振幅を抑制することができる。特に末広がり部42のY軸方向の幅が大きいほど回転軸に対する抗力Nに起因したモーメントが大きくなるため回転振動の抑制の効果が大きくなる。一方、先端部40は幅が小さいため、先端部40の幅方向(Y軸方向)の端部40aのダイアフラム36の法線方向(Z軸方向)の振幅は小さく、さらに末広がり部42が支持部38全体の回転振動の振幅を抑制するため先端部40からの漏れ振動の振幅を大幅に抑えることができる。したがってダイアフラム36への回転振動の漏れを抑制してQ値の低下を抑制した圧力センサー10を構築することができる。
さらに本実施形態においては、同様に回転振動を行なう基部26がパッケージ12に接続された連結部28に接続され、連結部28は基部26の幅方向(Y軸方向)から延びて基部26に接続している。このため基部26は連結部28からの抗力N2を受けて回転振動の振幅が抑制され、これにより基部26に接続された支持部38の回転振動の振幅も抑制され、Q値の低下をより効果的に抑制することができる。
図3にダイアフラムに撓み変形を与えた場合の変位分布、図4にダイアフラムに撓み変形を与えた場合の面内の応力分布を示す。
本願発明者は、ダイアフラムに撓み変形を与えた場合のダイアフラムの変位分布と面内の応力分布についてシミュレーションを行った。図3に示すように、ダイアフラムに撓み変形を与えた場合、中心付近で最も大きく変位し、周縁に行くに従って小さくなることが分かった。また変位の大きいところほど外部から受ける振動の振幅が大きくなるところでもある。これによりX軸方向を回転軸とした回転振動を行なう感圧素子22に接続する支持部38の形状はダイアフラム36の中心に近いほどY軸方向の幅を小さくすればよいことがわかる。
またダイアフラムに撓み変形を与えるとダイアフラムの表面積が増えることになるので、ダイアフラムのいずれかの領域で引張応力を受けて面積が大きくなることになる。そこで図4に示すように撓み変形による応力分布を求めると、パッケージの内側方向(Z軸方向)に撓み変形を与えた場合には、ダイアフラムの長手方向(X軸方向)の端部のY軸方向に広がった領域44において応力が集中していることが分かった。この領域44に支持部38(末広がり部42)を形成し、ダイアフラム36に撓み変形を与えることにより支持部38がダイアフラムから応力を受ける。これにより支持部38に接続された基部26も応力を受けることになり、基部26に接続された振動腕24に応力を与えることができる。この一対の支持部38に与えられる応力の方向は互いに遠ざかる方向となるので、結果的に振動腕24には引張り応力が与えられることになる。支持部38を構成する末広がり部42とダイアフラム36の応力の集中する領域44との平面視して重なる領域が小さい場合は、支持部38はダイアフラム36から受ける応力が小さくなるので、振動腕24に与える引張り応力が小さくなり圧力センサー10の感度が低下する。よって支持部38(末広がり部42)は、このダイアフラム36の撓み変形における応力が集中する領域44を覆うように形成することにより圧力センサー10の感度を高めることができる。
なお、この領域44に支持部38を形成しない場合は、感圧素子22はダイアフラム36の変位に伴ってダイアフラム36の法線方向(Z軸方向)に変位することになるが、支持部38は引っ張り応力を受けることはないので振動腕24に引張り応力を与えることはできず、圧力センサー10として機能しないことになる。
図5に圧力センサーの感度と振動漏れの支持部の形状を変えた場合の比較を示す。
本願発明者は、感圧素子22が上述のような回転振動を行なった場合のダイアフラム36への振動漏れと感圧素子22の感度の支持部の形状による影響について調査した。感圧素子として本実施形態に係る感圧素子22を共通に用い、ダイアフラム36に形成され感圧素子22を支持する支持部(図5の実線部分)の形状として、A(正方形)、B(逆三角形)、C(菱形)、D(円形)、E(三角形、本実施形態の支持部38)とした場合の比較を行なった。図5においてダイアフラム36を省略しているが、図1の配置と同様である。なお、いずれの支持部の形態も500μm角に納まる寸法に設計している。また感圧素子22の全体の寸法は全長4.2mm、幅2.4mm、高さ0.7mmとしている。
図5に示すようにB、C、Dにおいて感度がA及びEに比べて低いのは、それぞれ支持部のX軸方向の端部46(本実施形態における末広がり部42)におけるY軸方向の幅が狭く、また図4に示す応力が集中する領域44と平面視して重なる面積が小さいため、ダイアフラム36から受けるトータルの応力が小さくなったためと考えられる。
またB、C、Dは、A及びEに比べて振動漏れが大きくなっている。前述の端部46に接続するダイアフラム36の領域はダイアフラム36の圧力に対する変位量が小さく、そのため支持部がダイアフラム36から抗力を受けやすい領域である。しかし前述の端部46のY軸方向の幅が狭いため回転振動に対する抗力に起因したモーメントが小さくなるため、支持部全体の回転振動を抑制する効果が小さくなっているものと考えられる。特にBにおいて最も振動漏れが大きいのは、B、C、Dの最も大きな幅を持つ領域のうち、Bの最も大きな幅を持つ領域がダイアフラム36の中心に最も近い位置となっており、C、Dに比べてダイアフラム36が振動を受けやすいことが考えられる。
一方、Eは端部46(末広がり部42)のY軸方向の幅がAと同様に広いため、ダイアフラム36の応力を充分に受けることができ、Aと遜色のない感度を得ることができると考えられる。またEはダイアフラム36の中心に近いところ(先端部40)は最もY軸方向の幅が狭いため、振動腕24のX軸方向を回転軸とした回転振動において、先端部40のY軸方向の端部40aのダイアフラム36の法線方向(Z軸方向)の振幅がAの場合より小さくなるので、Aよりも振動漏れを抑制することができると考えられる。
図6に支持部の変形例を示す。図6(a)は第1の変形例、図6(b)は第2の変形例である。図6(a)に示すように支持部48において、先端部50から末広がり部52までの外形を内側に湾曲して形成することもできる。これにより、末広がり部52(42)の幅を変えることなく支持部48(38)の幅の平均値を小さくすることができるので、感圧素子22の感度を劣化させることとなる振動漏れをより効果的に抑制することができる。また支持部48は図4に示す領域44を覆うように形成すると感圧素子22の感度が向上することが考えられる。そこで図6(b)に示すように、末広がり部52aを周縁部34の短辺34aに干渉しない位置まで延ばす構成としてもよい。ここでダイアフラム36の変位時の支持部48(38)のX軸方向の変位は極わずかであるので、末広がり部52aは短辺34aに近接して形成することができる。
図7に本実施形態の変形例を示す。
本実施形態においては、圧力センサー10をベース層14、感圧素子層20、ダイアフラム層32の3層構造を前提にして述べてきたが、図7に示すように、ベース層54と、ダイアフラム層56の2層構造にし、ダイアフラム層56の支持部38に感圧素子22を接続した状態で、ベース層54とダイアフラム層56とを接続する構成としてもよい。この場合、連結部28を不要とするので感圧素子22の基部26のX軸方向の変位を阻害するものがなくなり、その分感圧素子22の感度を高めることができる。この場合、電気的な接続は支持部38に基部26に形成された引き出し電極(不図示)と、パッケージ12外部にあり外部の駆動回路(不図示)に接続可能な外部電極58とを接続する貫通電極60を支持部38に形成すればよい。
10………圧力センサー、12………パッケージ、14………ベース層、16………周縁部、18………凹部、20………感圧素子層、22………感圧素子、24………振動腕、26………基部、26a………境界、26b………端部、28………連結部、30………支持枠、30a………長辺、32………ダイアフラム層、34………周縁部、34a………短辺、36………ダイアフラム、36a………凹部、38………支持部、38a………凸部、40………先端部、40a………端部、42………末広がり部、44………領域、46………端部、48………支持部、50………先端部、52………末広がり部、54………ベース層、56………ダイアフラム層、58………外部電極、60………貫通電極、101………圧力センサー素子、102………圧電振動子、103………圧電ダイアフラム、104………凹部、105………力伝達用柱、106………力伝達用柱、108………圧電ダイアフラム、109………凹部、110………載置部、111………載置部、210………圧力センサー、212………ダイアフラム、218………支持部、220………圧力センサー素子、222………基部、224………振動部、300………圧力センサー素子、302………パッケージ、304………ダイアフラム、306………感圧素子、308………基部、310………振動部、312………支持部

Claims (5)

  1. パッケージと、
    前記パッケージの一面に形成され圧力を受けて撓み変形するダイアフラムと、
    前記ダイアフラムに形成され、シングルビーム構造の感圧素子の長手方向の両端を支持する一対の支持部と、を有する圧力センサーであって、
    前記一対の支持部は、それぞれ先端部と末広がり部を有するテーパー状に形成され、前記先端部が互いに対向して配置されたことを特徴とする圧力センサー。
  2. 前記感圧素子は、前記長手方向に沿って延びた振動腕と、前記振動腕の両端に接続された基部と、を有し、
    前記先端部は、それぞれ前記振動腕と前記基部との境界を支持し、
    前記末広がり部は、それぞれ前記基部の前記長手方向の端部を支持することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサー。
  3. 前記支持部において、前記先端部から前記末広がり部までの外形が内側に湾曲して形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサー。
  4. 前記末広がり部は、前記ダイアフラムの撓み変形における面内応力が集中する領域に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  5. 前記パッケージは、ベース層、感圧素子層、ダイアフラム層の積層構造により形成され、
    前記感圧素子層は、
    前記感圧素子と、前記感圧素子を囲み前記ベース層に接合する支持枠と、前記振動腕の長手方向に交差する方向に延びて形成され前記感圧素子と前記支持枠とを連結する連結部と、を有し、
    前記ダイアフラム層は、
    前記支持枠に対応して形成され前記支持枠に接合する周縁部と、前記周縁部の内側に形成され前記ダイアフラム形成する凹部と、前記凹部に形成され前記支持部を形成する凸部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧力センサー。
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