JP2011106841A - センサーユニットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で信頼性の高いセンサーユニットと、このようなセンサーユニットを簡便に製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】センサーユニット1は、ピエゾ抵抗素子を用いたセンサー2と、このセンサーに接合した能動素子モジュール5とを備え、センサー2は、ピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Zに電気的に接続し可動機能領域2Aの外側に位置する端子31を有するセンサー本体3と、センサー本体3の枠部23に接合された保護用蓋部材4と、を有し、能動素子モジュール5は、複数の貫通電極53と、センサー2の可動機能領域2Aを囲むように配設された絶縁性樹脂部材54と、所望の貫通電極53に接続し、かつ、絶縁性樹脂部材54上まで達しているコンタクト電極55とを有し、コンタクト電極55がセンサー本体3の端子31と接触した状態で、絶縁性樹脂部材54がセンサー2と能動素子モジュール5とを接合している。
【選択図】 図1
Description
また、センサー内蔵モジュールと能動素子内蔵モジュールとを重ね合わせて接合したセンサーユニットが開発されている(特許文献2)。
一方、物体に作用する圧力、あるいは加速度を検出するセンサーとして種々のセンサーが開発されている(特許文献3、4)。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、小型で信頼性の高いセンサーユニットと、このようなセンサーユニットを簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記絶縁性樹脂部材は、ポリイミド樹脂であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記センサーは、シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOI基板からなるセンサー本体であって、枠部と、該枠部から内側方向に突出する複数の梁部と、該梁部により支持される錘部と、前記梁部に位置するピエゾ抵抗素子と、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続し前記枠部に位置する複数の前記端子と、を有するセンサー本体と、前記錘部との間に所定の間隙を形成するように前記センサー本体の枠部の前記端子が位置する面と反対側の面に接合している保護用蓋部材と、を有し、前記梁部と前記錘部が前記可動機能領域にあるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記絶縁性樹脂部材としてポリイミド樹脂を使用し、前記センサー本体と前記能動素子モジュールとの接合時の加熱温度を250〜350℃の範囲内とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記センサー本体を前記SOIウエハの各面付けに作製する工程では、枠部と、該枠部から内側方向に突出する複数の梁部と、該梁部により支持される錘部と、前記梁部に配設されたピエゾ抵抗素子と、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続され前記枠部に位置する前記端子と、を有するセンサー本体を作製するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記能動素子の作製は、別途作製した能動素子を前記能動素子モジュール用ウエハに埋設するような構成とした。
[センサーユニット]
図1は、本発明のセンサーユニットの一実施形態を示す概略断面図である。図1において、本発明のセンサーユニット1は、センサー2と能動素子モジュール5とが絶縁性樹脂部材54を介して接合されたものである。
センサーユニット1を構成するセンサー2は、ピエゾ抵抗素子を用いたセンサーであり、例えば、MEMS(Micro Electromechanical System)型の圧力センサー、加速度センサー等の従来公知のセンサーであってよく、特に制限はない。図示例では、センサー2は、センサー本体3と、これに接合された保護用蓋部材4を備えており、センサー本体3は酸化シリコン層13をシリコン層12(活性層シリコン)とシリコン層14(基板シリコン)で挟持した3層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)基板11からなる。
図1〜図3に示されるように、センサー本体3を構成するシリコン層12(活性層シリコン)は、錘部21を構成する錘接合部24と、この錘接合部24を支持するための4本の梁部22と、枠部23と、各梁部22と枠部23で囲まれた4箇所の窓部25とを備えている。そして、錘部21と4本の梁部22は可動機能領域2A内にあり、4本の梁部22には、X軸方向の外力を検出する4個のピエゾ抵抗素子29X、Y軸方向の外力を検出する4個のピエゾ抵抗素子29Yと、Z軸方向の外力を検出する4個のピエゾ抵抗素子29Zが配設されている。また、各ピエゾ抵抗素子は、配線32を介して対応する端子31に電気的に接続されている。上記の可動機能領域2Aは、センサー2の機能を発現するうえで可動を確保する必要がある領域であり、図1、図3に矢印で範囲を示し、図2では鎖線で囲んで範囲を示している。尚、図1では配線32は図示していない。
センサー2を構成する保護用蓋部材4は、例えば、ガラス、シリコン、SUS板、インバー(Fe−36%Ni合金)等の金属板、絶縁性樹脂板等を用いることができ、厚みは50〜1000μm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、本発明においてセンサー2は、センサー本体3からなり、保護用蓋部材4を備えていないものであってもよい。
ピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Zは、例えば、梁部22(シリコン層12(活性層シリコン))に、ボロン、リン等の不純物をイオン注入あるいは熱拡散して形成したP型拡散層あるいはN型拡散層であり、長さ、幅は適宜設定することができる。また、ピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Zの形状は、図示のようなストライプ形状に限定されるものではなく、例えば、折り返し部を有するような形状であってもよい。
図4は、ピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Zと端子31とが配線32で電気的に接続されている一例を示すセンサーの平面図であり、センサー本体3を構成するシリコン層12(活性層シリコン)のみを示している。図4では、右側の枠部23に11個の端子31が設けられ、これらの端子31とピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Zとがブリッジ回路を構成するように配線32で電気的に接続されている。端子31、配線32は、例えば、アルミニウム、アルミニウムを主とした合金、銅、チタン、窒化チタン、および、これらの積層膜等の金属材料を用いて形成することができる。
尚、絶縁性樹脂部材54が形成されている面と反対側の能動素子51の面には、能動素子51の端子や貫通電極53にバンプが形成されていてもよい。
尚、図6では、コンタクト電極55の一方の端部55aが所望の貫通電極53に接続され、他方の端部55bが絶縁性樹脂部材54上に位置するように配設されているが、これに限定されるものではない。例えば、コンタクト電極の一方の端部55aが貫通電極53よりも能動素子モジュール5の内側方向へ延設されていてもよく、また、他方の端部55bが絶縁性樹脂部材54を乗り越えるように延設されていてもよい。
次に、本発明のセンサーユニットの製造方法について、上述の図1に示すセンサーユニット1を例として説明する。
図8および図9は、本発明のセンサーユニットの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。本発明では、まず、多面付けでセンサー2を作製する。すなわち、シリコン層12(活性層シリコン)、酸化シリコン層13、シリコン層14(基板シリコン)の3層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)ウエハ11′と、1枚のガラスウエハ4′とを多面付け(各面付け部を1Aで示す)に区画する(図8(A))。
上記の微細貫通孔52の形成は、例えば、マスクパターンを介してICP−RIE法により行うことができる。また、サンドブラスト法、ウエットエッチング法、フェムト秒レーザ法により微細貫通孔52を形成することもできる。さらに、能動素子モジュール用ウエハ5′に、上述のいずれかの方法により、一方の面から所定の深さで微細孔を形成し、その後、能動素子モジュール用ウエハ5′の反対面を研磨して微細孔を露出させることにより、微細貫通孔52を形成してもよい。この微細貫通孔52の開口径は、1〜100μm、好ましくは5〜60μmの範囲で設定することができる。
また、コンタクト電極55の形成は、例えば、マスクパターンを介して真空成膜法により、Cu/Cr、Cu/Ti等の積層配線を形成することにより行うことができる。
尚、上述の図7で説明したように、基板50に能動素子51を内蔵する能動素子モジュールを作製する場合には、面付け1A毎に、能動素子51を埋設するための凹部を形成し、この凹部内に能動素子51を埋設する。上記の凹部は、例えば、能動素子モジュール用ウエハ5′上にマスクパターンを形成し、露出している能動素子モジュール用ウエハ5′に対して、ICP−RIE法により形成することができる。また、サンドブラスト法、ウエットエッチング法等によっても形成することができる。凹部の形状、寸法は、埋設する能動素子の形状、寸法に応じて適宜設定することができる。また、能動素子51の埋設は、例えば、接着剤を用いて固着する方法、凹部に能動素子を嵌合する方法等、特に制限はない。
次いで、多面付けのセンサーユニット1をダイシングすることにより、図1に示されるようなセンサーユニット1が得られる。
図10において、シリコン層12(活性層シリコン)、酸化シリコン層13、シリコン層14(基板シリコン)の3層構造を有するSOIウエハ11′に多面付けで加工が行われる。まず、各面付け1Aに、梁部22、枠部23、錘接合部24を形成する部位を設定し、梁部22となるシリコン層12(活性層シリコン)の所定箇所に熱拡散法あるいはイオン注入法を用いてピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Z(図示せず)を形成する。そして、ピエゾ抵抗素子を被覆するように絶縁層28を形成し、この絶縁層28上に配線32(図示せず)でピエゾ抵抗素子29X,29Y,29Z(図示せず)に電気的に接続された端子31を形成する(図10(A))。
次に、面付け1A毎に、SOIウエハ11′のシリコン層14(基板シリコン)側(凹部17側)からマスクパターン19を介して酸化シリコン層13が露出するまで開口部18を穿設して錘26(基部26A、突出部26B)と枠部27を形成する(図10(C))。その後、開口部18と溝部16とに露出する酸化シリコン層13を除去する(図10(D))。これによりセンサー本体3が得られる。開口部18の形成は、マスクパターン19を介してDRIE法により行うことができる。また、酸化シリコン層13の除去は、例えば、反応性ガスによるドライエッチングにより行うことができる。マスクパターン19の形成方法には特に制限はなく、例えば、感光性レジストを用いてフォトリソグラフィーにより形成する方法、樹脂層や金属層を配設し、これにレーザ描画により直接パターニングする方法等を用いることができる。
そして、ピエゾ抵抗素子が形成されたセンサー本体3に保護用蓋部材4を接合することにより上述のセンサー2が得られる。センサー本体3と保護用蓋部材4との接合は、例えば、陽極接合、直接接合、共晶接合、接着剤を用いた接合等により行うことができる。
上述のような本発明のセンサーユニットの製造方法は、能動素子モジュール5の絶縁性樹脂部材54上に位置するコンタクト電極55の端部55bをセンサー本体3の端子31と接触させた状態で、加熱圧着を施して絶縁性樹脂部材54によりセンサー2と能動素子モジュール5とを接合するので、センサー本体3側に凸形状となっているコンタクト電極55がセンサー本体3の端子31と確実に接続される。また、絶縁性樹脂部材54が、接触状態のコンタクト電極55と端子31との段差を吸収して、これらを包み込むので、ウエハレベルでのコンタクト電極55を介したセンサー本体3の端子31と能動素子モジュール5の貫通電極53との接続を確実に行うことができる。これにより、ウエハレベルでセンサーと能動素子モジュールとの接合を行う一括アッセンブリーが可能であり、工程管理が容易で製造コストの低減が可能である。また、接合が、絶縁性樹脂部材を用いたものであり、加熱圧着の温度が低く、ピエゾ抵抗素子への熱の影響を阻止することができ、信頼性の高いセンサーユニットの製造が可能となる。
尚、上述のセンサーユニットの製造方法は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
2…センサー
2A…可動機能領域
3…センサー本体
4…保護用蓋部材
5…能動素子モジュール
11…SOI基板
21…錘部
22…梁部
23…枠部
24…錘接合部
26…錘
27…枠部
29X,29Y,29Z…ピエゾ抵抗素子
31…端子
53…貫通電極
54…絶縁性樹脂部材
55…コンタクト電極
4′…ガラスウエハ
5′…能動素子モジュール用ウエハ
11′…SOIウエハ
Claims (10)
- ピエゾ抵抗素子を用いたセンサーと、該センサーに接合した能動素子モジュールとを備えたセンサーユニットにおいて、
前記センサーは、可動機能領域内に位置するピエゾ抵抗素子と、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続し前記可動機能領域の外側に位置する複数の端子を有し、
前記能動素子モジュールは、複数の貫通電極と、前記センサーとの対向面に前記可動機能領域を囲むように位置する絶縁性樹脂部材と、所望の前記貫通電極に接続し、かつ、前記絶縁性樹脂部材上まで達しているコンタクト電極とを有し、
前記絶縁性樹脂部材上に位置する所定の前記コンタクト電極が前記センサーの所定の端子と接触した状態で、前記絶縁性樹脂部材が前記センサーと前記能動素子モジュールとを接合していることを特徴とするセンサーユニット。 - 前記絶縁性樹脂部材は、融点が200〜350℃以下の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のセンサーユニット。
- 前記絶縁性樹脂部材は、ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサーユニット。
- 前記センサーは、シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOI基板からなるセンサー本体であって、枠部と、該枠部から内側方向に突出する複数の梁部と、該梁部により支持される錘部と、前記梁部に位置するピエゾ抵抗素子と、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続し前記枠部に位置する複数の前記端子と、を有するセンサー本体と、前記錘部との間に所定の間隙を形成するように前記センサー本体の枠部の前記端子が位置する面と反対側の面に接合している保護用蓋部材と、を有し、前記梁部と前記錘部が前記可動機能領域にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセンサーユニット。
- シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOIウエハを多面付けに区画し、面付け毎に所望の加工を施して、可動機能領域内にピエゾ抵抗素子を備え、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続された複数の端子を前記可動機能領域の外側に有するセンサー本体を、前記SOIウエハの各面付けに作製する工程と、
能動素子モジュール用ウエハを多面付けに区画し、各面付け毎に、能動素子を作製し、複数の微細貫通孔を形成して該微細貫通孔に導電材料を配設して貫通電極とし、前記センサー本体の前記可動機能領域を囲めるように一方の面に絶縁性樹脂部材を配設し、前記貫通電極に接続され、かつ、前記絶縁性樹脂部材上に達するようにコンタクト電極を形成して、能動素子モジュールを多面付けで作製する工程と、
前記能動素子モジュールの絶縁性樹脂部材上に位置する所定のコンタクト電極と前記センサー本体の所定の端子とを接触させた状態で、加熱圧着を施して前記絶縁性樹脂部材により前記センサー本体と前記能動素子モジュールとを接合して、多面付けのセンサーユニットとする工程と、
多面付けのセンサーユニットをダイシングする工程と、を有することを特徴とするセンサーユニットの製造方法。 - 前記絶縁性樹脂部材として、融点が200〜350℃以下の樹脂を使用することを特徴とする請求項5に記載のセンサーユニットの製造方法。
- 前記絶縁性樹脂部材としてポリイミド樹脂を使用し、前記センサー本体と前記能動素子モジュールとの接合時の加熱温度を250〜350℃の範囲内とすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のセンサーユニットの製造方法。
- 前記センサー本体を前記SOIウエハの各面付けに作製する工程では、枠部と、該枠部から内側方向に突出する複数の梁部と、該梁部により支持される錘部と、前記梁部に配設されたピエゾ抵抗素子と、該ピエゾ抵抗素子に電気的に接続され前記枠部に位置する前記端子と、を有するセンサー本体を作製することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のセンサーユニットの製造方法。
- 前記センサー本体と前記能動素子モジュールとを接合する工程の前に、ガラスウエハを多面付けに区画し、面付け毎に所望の加工を施して、保護用蓋部材を、前記ガラスウエハの各面付けに作製する工程と、前記SOIウエハに作製された前記センサー本体の枠部に、前記ガラスウエハに作製された保護用蓋部材を接合してセンサーを多面付けで作製する工程と、を有することを特徴とする請求項8に記載のセンサーユニットの製造方法。
- 前記能動素子の作製は、別途作製した能動素子を前記能動素子モジュール用ウエハに埋設することを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のセンサーユニットの製造方法。
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