JP2011106727A - 床暖房パネルユニットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場での施工性あるいは作業性を向上させた床暖房パネルユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】長手方向に延びる突条を備えたキャビティを有する金型に、金属薄膜12と熱可塑性樹脂層14とを接着した伝熱シート20を、予め突条に略沿う形状に変形させたうえで、キャビティ内に配置後、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21を熱可塑性樹脂層14の側に隣接するように金型に配置し、キャビティと溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21とにより形成される密閉空間内を吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21を熱可塑性樹脂層14を介して伝熱シート20に溶着するとともに、金属薄膜12を突条に押し付けて、熱媒流通用放熱配管16を収容するための長溝を形成し、その後、発泡樹脂製基体22を溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21に対して押し付けて、熱可塑性樹脂製シート21に溶着固定するようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、床暖房パネルユニットの製造方法に関し、より詳細には、前もってユニットとして完成可能であり、現場での施工性あるいは作業性を向上させた床暖房パネルユニットの製造方法に関する。
従来から、建造物の床には、温水等の熱媒を流通させる放熱管を設けた床暖房パネルユニットが採用されている。
特許文献1は、このような床暖房パネルユニットの一例を開示する。
この床暖房パネルユニットは、一方の板面に配管収容用の溝が設けられた板状の発泡樹脂製基体と、溝内に配設された熱媒流通用の配管と、基体の一方の板面上に積層された金属製放熱薄板と、溝内において配管の外面に接する略U字形断面形状のU字部と、U字部から張り出し、放熱薄板に接する張り出し部とを備えた金属製薄膜の伝熱材とから概略構成されている。
このような床暖房パネルユニットによれば、複数の床暖房パネルユニットを床全面に敷き詰めて熱媒流通用の配管を床全体に張り巡らすことにより、発泡樹脂製基体による優れた断熱性により床下方への放熱を抑制しつつ、床上方への伝熱は熱伝導性に優れた金属製伝熱材および金属製放熱薄板を通じて行われることから、良好な放熱性により床面全体を均一に暖めることが可能である。
しかしながら、このような従来の床暖房パネルユニットには、以下のような技術的問題点が存する。
すなわち、樹脂製の基体と金属製薄膜の伝熱材という異質の材料からなる部材同士を固着することに起因して、床暖房パネルユニットの現場での製造を余儀なくされ、現場での床暖房パネルユニットの製造工数が多いことで、現場での施工性あるいは作業性が悪い点である。
より詳細には、熱媒流通用の配管は、床全面にループ形態で張り巡らせる必要があるところ、それに対応して、床暖房パネルユニットは、パネルの長手方向の長さを床の幅に合わせたうえで、配管収容の溝として、パネルの長手方向全体に延びる複数の直線部を設けるとともに、複数の直線部の対向する端部同士を連絡するU字形湾曲部を設け、床の長手方向にも配管を展開する必要から、それぞれ溝の直線部が床の幅方向に向く形態で、床の長手方向に床暖房パネルユニットを複数敷き詰めることにより、全体として蛇行形状に配管を張り巡らせていた。
このことに起因して、このような溝の直線部、U字形湾曲部ごとに金属製薄膜の伝熱材を個別に準備して、接着剤等により金属製伝熱材を樹脂製基体の一方の板面に固着する必要があった。特に、U字形湾曲部においては、その曲率半径が小さい場合、あるいはその曲率半径が一定でない場合には、U字形湾曲部全体を単一の伝熱材でカバーするのが困難で、複数の伝熱材に分割して、固着する必要があり、余計に現場での施工性あるいは作業性を悪化させていた。
特開2008−14579
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、前もってユニットとして完成可能であり、現場での施工性あるいは作業性を向上させた床暖房パネルユニットの製造方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明の床暖房パネルユニットの製造方法は、
表面に長手方向に延びる突条を備えたキャビティを有する金型に対して、金属薄膜と熱可塑性樹脂層とを接着した伝熱シートを、該突条に略沿う形状に予め変形させたうえで、金属薄膜がキャビティ側となるようにキャビティ内に配置する段階と、
溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを伝熱シートの熱可塑性樹脂層の側に隣接するように金型に配置する段階と、
金型のキャビティと溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成する段階と、
金型の側から密閉空間内を吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを熱可塑性樹脂層を介して伝熱シートに溶着するとともに、金属薄膜を前記突条に押し付けて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形して、金属薄膜のキャビティに対向する面に熱媒流通用放熱管を収容するための長溝を形成する段階と、
溶融状態の熱可塑性樹脂製シートが冷えて固まる前に、伝熱シートが溶着されている側と反対側から発泡樹脂製基体を溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに対して押し付けることにより、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階と、
を有する構成としている。
以上の構成を有する床暖房パネルユニットの製造方法によれば、床の下方への放熱を抑制する発泡樹脂製基体と、床の上方への放熱を伝導形態で促進する伝熱シートとを一体成形することにより、従来のように、現場において熱媒流通用の放熱配管を収容するための複数の凹部ごとに、金属製伝熱薄膜を個別に準備して、金属製伝熱薄膜を発泡樹脂製基体の上面および凹部の表面に密着するように、たとえば接着剤により固着する必要性なしに、前もってユニットとして完成可能であり、現場での施工性あるいは作業性を向上させることが可能である。
上記課題を達成するために、本発明の床暖房パネルユニットの製造方法は、
分割形式の一対の金型のうち、表面に長手方向に延びる突条を備えたキャビティを有する一方の金型に対して、金属薄膜と熱可塑性樹脂層とを接着した伝熱シートを、該突条に略沿う形状に予め変形させたうえで、金属薄膜がキャビティ側となるようにキャビティ内に配置する段階と、
溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを伝熱シートの熱可塑性樹脂層の側に隣接するように一対の金型の間に配置する段階と、
溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを熱可塑性樹脂層を介して伝熱シートに溶着するとともに、金属薄膜を前記突条に押し付けて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形して、金属薄膜のキャビティに対向する面に熱媒流通用放熱管を収容するための長溝を形成する段階と、
伝熱シートが溶着されている側と反対側から他方の金型のキャビティ内に配置した発泡樹脂製基体を溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに対して押し付けて、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階と、
を有する構成としている。

さらに、前記長溝の形成段階は、一方の金型のキャビティと溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成し、一方の金型の側から密閉空間内の空気を吸引する段階を有し、 前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、分割形式の一対の金型を型締することにより、他方の金型のキャビティ内に配置された発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有するのがよい。

さらに、前記長溝の形成段階は、一方の金型と溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成し、一方の金型の側から密閉空間内の空気を吸引することにより溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を一次賦形する段階と、分割形式の一対の金型を型締めし、他方の金型と熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型の側から加圧することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を二次賦形する段階とを有し、
前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、一対の金型を型開き後、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有するのでもよい。
以上の構成を有する床暖房パネルユニットの製造方法によれば、たとえば長溝の形状が単なる直線状ではなく、曲線状である場合、あるいは直線状であっても、溝断面形状が長手方向に変化する場合等において、伝熱シートの一方の金型に対向する面に長溝を形成する際、一次賦形および二次賦形を行い、特に二次賦形において、(真空)吸引する場合に比べて伝熱シートの一方の金型のキャビティに対する押圧力を確保可能であることから、このような複雑な長溝を精度よく成形することが可能である。

さらに、前記長溝の形成段階は、分割形式の一対の金型を型締めし、他方の金型と熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型の側から加圧するとともに、一方の金型と溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を一方の金型の側から吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形する段階とを有し、
前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、一対の金型を型開き後、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有するのでもよい。

以上の構成を有する床暖房パネルユニットの製造方法によれば、たとえば長溝の形状が単なる直線状ではなく、曲線状である場合、あるいは直線状であっても、溝断面形状が長手方向に変化する場合等において、伝熱シートの一方の金型に対向する面に長溝を形成する際、一対の金型を型締めすることにより吸引と同時に加圧を併行して行い、特に加圧において、(真空)吸引する場合に比べて伝熱シートの一方の金型のキャビティに対する押圧力を確保可能であることから、このような複雑な長溝を精度よく成形することが可能である。

さらに、前記長手方向に延びる突条は、上下方向に方向付けられ、
前記溶融状態の熱可塑性樹脂製シートの配置段階は、熱可塑性樹脂製のシート状パリソンを前記長手方向に延びる突条に沿うように下方に押し出し、金型に配置する段階を有するのがよい。
また、前記密閉空間の形成段階は、金型の周縁部に対して溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに向かって移動自在に外嵌する外枠部材を熱可塑性樹脂製シートに当接させて、金型のキャビティと、外枠部材の内周面と、金属薄膜のキャビティに対向する面とにより密閉空間を構成するのがよい。
さらにまた、前記伝熱シートには、キャビティに対向する面に複数の貫通穴が設けられ、
前記密閉空間の形成段階において、該複数の貫通穴を通じて、前記溶融状態の熱可塑性樹脂製シートが直接吸引されるのがよい。
加えて、前記長手方向に延びる突条は、キャビティの幅方向に互いに間隔を隔てた複数の直線部と、隣接する直線部の対向する端部同士を接続するU字状湾曲部とを有するのがよい。
さらに、前記長手方向に延びる突条の複数の直線部はそれぞれ、上下方向に延び、
前記直線部の上下方向の長さは、床暖房パネルユニットが設置される矩形床面の短い方の一辺に合わせて定められるのがよい。
本発明に係る床暖房パネルユニットの実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、以下の参照する図において、明瞭性の観点から、床暖房パネルユニットの長さおよび幅に対して、各層の厚みを誇張して図示している。
図1および図2に示すように、床暖房パネルユニット10は、金属薄膜12と熱可塑性樹脂層14とを接着し、金属薄膜12側に放熱配管16を収容する長溝18を形成した伝熱シート20と、熱可塑性樹脂製シート21と、発泡樹脂製基体22との矩形平板状の3層の積層構造から概略構成される。
床暖房パネルユニット10は、伝熱シート20を上側、発泡樹脂製基体22を下側にして床面Fに配置され、より具体的には、たとえば床合板の上に敷設され、床暖房パネルユニット10の上には、床仕上げ材が設けられ、床暖房パネルユニット10は、発泡樹脂製基体22の断熱性により放熱配管16の熱媒からの下方の床合板への放熱を抑制しつつ、伝熱シート20の熱伝導性により上方の床仕上げ材への熱伝導を促進するように構成されている。なお、床合板および床仕上げ材は、たとえば木製が採用され、主に放熱あるいは熱伝導の観点からその厚みが適宜定められる。
図1に示すように、放熱配管16は、床全面にループ形態で蛇行状に張り巡らされ、それに対応して、床暖房パネルユニット10は、パネルの長手方向の長さを床の幅方向に向けたうえで、放熱配管16を収容するための長溝18として、パネルの長手方向全体に延びる複数の直線部24と、複数の直線部24の対向する端部26同士を連絡するU字形湾曲部28とが設けられ、床の長手方向(図1の左右方向)にも配管を展開する必要から、それぞれ長溝18の直線部24が床の幅方向(図1の上下方向)に向く形態で、床の長手方向に床暖房パネルユニット10を複数(この場合、10A,10B,10C,10D、10E,10F,10Gの7基)敷き詰めることにより、全体として蛇行形状に放熱配管16を張り巡らしている。
放熱配管16は、可撓性のチューブが採用され、樹脂製管あるいは金属製管が好ましい。放熱配管16の断面形状、外径および肉厚は、放熱効率の観点から適宜に定めればよいが、特に放熱効率の向上のためには、金属薄膜12との接触面積を増大するために、円形よりは楕円形状にするのがよい。隣り合う放熱配管16の中心間距離も同様に、放熱効率の観点から適宜に定めればよい。放熱配管16の途中には、ヘッダー(図示せず)が設けられ、このヘッダーに給湯管と出湯管(いずれも図示せず)が接続され、放熱配管16内に熱媒として温水が循環通水されるようしている。放熱配管16内を流通する熱媒としては、温水、加熱オイル、水蒸気、あるいは不凍液でよいが、特に温水が好ましい。
各床暖房パネルユニット10の構造は同様であるので、その1つ(10A)について、以下に説明する。
図2および図3に示すように、床暖房パネルユニット10Aの伝熱シート20の金属薄膜12の上面には、放熱配管16を収容するための直線状の長溝18が形成される。長溝18の断面形状は、放熱配管16から床面Fへの伝熱性が確保される限り任意であるが、伝熱性あるいは施工性の観点から、断面U字形が好ましい。図3に示すように、放熱配管16を長溝18に収容した後、金属薄膜12と同様に金属箔から形成される帯状シート30で長溝18を覆うようにしている。この場合、伝熱性確保の観点から、帯状シート30の下面は、放熱配管16の上部に接し、放熱配管16からの放熱が帯状シート30にも伝わるようにするのがよい。このように帯状シート30で長溝18を覆った後に、前述のように、床仕上げ材が設けられる。
金属薄膜12は、金属箔の種類として、アルミニウム箔、錫箔、銅箔等でよいが、特にコスト、製造の困難性の観点から、アルミニウム箔が好ましく、伝導率確保の観点から、薄膜の厚みは、数十μmないし数百μmが好ましい。
熱可塑性樹脂層14は、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物が用いられる。特に溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21と密着させることで溶着固定させる観点から融点の比較的低いポリプロピレン樹脂が好ましく、層の厚みは、熱可塑性樹脂層14自体が、後に説明する熱可塑性樹脂製シート21との溶着が可能である限り、なるべく薄いのが好ましく、特に金属薄膜12より薄いのがよい。
なお、伝熱シート20には、金属薄膜12と熱可塑性樹脂層14とを貫通する複数の貫通穴(図示せず)が設けられ、後に説明する、熱可塑性樹脂層14側に設けられる熱可塑性樹脂製シート21が金属薄膜12の側から複数の貫通穴を介して直接吸引することが可能にしている。
熱可塑性樹脂製シート21は、熱可塑性樹脂層14と同様に、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物が用いられる。特に熱可塑性樹脂製シート21は、伝熱シート20の熱可塑性樹脂層14と発泡樹脂製基体22と同時に溶着する観点からポリプロピレン樹脂とポリスチレンとの混合物であることが好ましく、このシートは、伝熱シート20と後に説明する発泡樹脂製基体22との間に介在することにより、伝熱シート20と発泡樹脂製基体22との溶着を可能にする機能を奏する。シートの厚みは、このような機能を達成できる限り、薄いのが好ましく、たとえば0.8mmである。
発泡樹脂製基体22は、熱可塑性樹脂製シート21と同様に、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物、さらにフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。特に断熱性の観点からポリスチレンが好ましく、下方への放熱を抑制可能な断熱性能が要求される。発泡樹脂製基体22の発泡倍率あるいはその厚みは、このような観点から定められ、たとえば発泡倍率は、15倍前後で、厚み5mmである。
発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤およびその混合物のいずれを用いてもよい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、およびブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、さらにはそれらの超臨界流体を用いることができる。
伝熱シート20の熱可塑性樹脂層14、熱可塑性樹脂製シート21および発泡樹脂製基体22は、後に説明する一体成形方法により互いに溶着可能なように、同じ種類の樹脂製であるのが好ましい。
以上の構成を有する床暖房パネルユニット10について、図面を参照しながら、その製造装置について以下に詳細に説明する。
床暖房パネルユニット10の製造装置は、押出装置120と、一対の金型320と、金型320の型締装置140とから概略構成される。
押出装置120は、従来既知のタイプであり、その詳しい説明は省略するが、ホッパー160が付設されたシリンダー180と、シリンダー180内に設けられたスクリュー(図示せず)と、スクリューに連結された油圧モーター200と、シリンダー180と内部が連通したアキュムレータ240と、アキュムレータ240内に設けられたプランジャー260とを有し、ホッパー160から投入された、熱可塑性樹脂製シート21の材料である樹脂ペレットが、シリンダー180内で油圧モーター200によるスクリューの回転により溶融、混練され、溶融状態の樹脂がアキュムレータ240に移送されて一定量貯留され、プランジャー260の駆動によりTダイ280に向けて溶融樹脂を送り、押出スリット340を通じて連続的なシート状のシート状パリソンPが押し出され、間隔を隔てて配置された一対のローラー300によって挟圧されながら下方へ向かって送り出されて分割金型320の間に垂下される。これにより、後に詳細に説明するように、シート状のシート状パリソンPが上下方向(押出方向)に一様な厚みを有する状態で、分割金型320の間に配置される。
尚、Tダイ280より溶融樹脂を押し出して金型に配置する代わりに、予め成形され所定の大きさに裁断された樹脂製シートを再加熱することにより溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21として伝熱シート20の熱可塑性樹脂層14の側に隣接するように金型320に配置してもよい。
図4に示すように、Tダイ280に設けられる押出スリット340は、鉛直下向きに配置され、押出スリット340から押し出された連続シート状のシート状パリソンPは、そのまま押出スリット340から垂下する形態で、鉛直下向きに送られるようにしている。押出スリット340は、その間隔を可変とすることにより、連続シート状のシート状パリソンPの厚みを変更することが可能である。
一方、型締装置140も、押出装置120と同様に、従来既知のタイプであり、その詳しい説明は省略するが、2つの分割形式の金型320A,Bと、金型320A,Bを溶融状態のシート状パリソンPの供給方向に対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させる金型駆動装置とを有する。
図4に示すように、2つの分割形式の金型320A,Bは、キャビティ116を対向させた状態で配置され、それぞれキャビティ116が略鉛直方向を向くように配置される。それぞれのキャビティ116の表面には、溶融状態のシート状パリソンPに基づいて成形される成形品の外形、および表面形状に応じて凹凸部が設けられる。より詳細には、図5に示すように、一方の金型320Bのキャビティ116に設けられる突条40は、4条設けられ、互いに平行にキャビティ116の長手方向(上下方向)に直線状に延びる。直線部24の上下方向の長さZは、床暖房パネルユニット10が設置される矩形床面Fの短い方の一辺に合わせて定められるのがよい。これにより、後に説明するように、金属薄膜12のキャビティ116に対向する面をキャビティ116に押し付けることにより、金属薄膜12に突条40と相補形状の長溝18が賦形されるようにしている。
2つの分割形式の金型320A,Bそれぞれにおいて、キャビティ116のまわりには、ピンチオフ部118が形成され、このピンチオフ部118は、キャビティ116のまわりに環状に形成され、対向する金型320A,Bに向かって突出する。これにより、2つの分割形式の金型320A,Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部118の先端部が当接し、溶融状態のシート状パリソンPの周縁にパーティングラインPLが形成されるようにしている。
2つの分割形式の金型320A,Bそれぞれの外周部には、外枠部材330A,Bが密封状態で摺動可能に外嵌し、図示しない外枠部材移動装置により、外枠部材330A,Bそれぞれが、金型320A,Bに対して相対的に移動可能としている。より詳細には、外枠部材330Aは、金型320Aに対して金型320Bに向かって突出することにより、金型320A,B間に配置されたシート状パリソンPの一方の側面に当接可能であり、外枠部材330Bは、金型320Bに対して金型320Aに向かって突出することにより、金型320A,B間に配置されたシート状パリソンPの他方の側面に当接可能である。
金型駆動装置については、従来と同様のものであり、その説明は省略するが、2つの分割形式の金型320A,Bはそれぞれ、金型駆動装置により駆動され、開位置において、2つの分割金型320A,Bの間に、溶融状態の連続シート状パリソンPが配置可能なようにされ、一方閉位置において、2つの分割金型320A,Bのピンチオフ部118が当接し、環状のピンチオフ部118が互いに当接することにより、2つの分割金型320A,B内に密閉空間が形成されるようにしている。なお、開位置から閉位置への各金型320A,Bの移動について、閉位置は、溶融状態の連続シート状パリソンPの中心線の位置とし、各金型320A,Bが金型駆動装置により駆動されてその位置に向かって移動するようにしている。
図9に示すように、一方の分割金型320の内部には、真空吸引室220が設けられ、真空吸引室220は吸引穴222を介してキャビティ116に連通し、真空吸引室220から吸引穴222を介してシート状パリソンPとキャビティ116間の空気を吸引することにより、キャビティ116に向かってシート状パリソンPを吸着させて、キャビティ116の外表面に沿った形状に賦形するようにしている。
以上の構成を有する製造装置による床暖房パネルユニット10の製造方法について、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、発泡製基体22の製造について説明すれば、たとえばポリオレフィン系樹脂を押出機(図示せず)に供給し、加熱溶融しつつ混練してから所定量の発泡剤を添加し、押出機内で更に混練して発泡製溶融樹脂とし、発泡製溶融樹脂を発泡に適した樹脂温度および発泡製溶融樹脂が発泡を開始しない圧力下に維持しながらアキュームレータ(図示せず)に充填する。次いで、押出ヘッドのダイ先端のゲートを開いた状態で、アキュームレータのラム(図示せず)を押すことにより、発泡製溶融樹脂が低圧域に開放されて、発泡製の筒状パリソンPが形成される。この筒状パリソンPをたとえば、一対の金型の間に配置し、一対の金型を型締して、内部から加圧することにより、発泡製基体22を成形することができる。尚、発泡製基体22はポリスチレン製発泡ビーズを用いた既知の製法により成形されたものを用いてもよい。
一方で、金属薄膜12と熱可塑性樹脂層14とを接着することにより、伝熱シート20を準備しておく。
以上のように、床暖房パネルユニット10の大きさに合わせて、伝熱シート20(図6の長さL)および発泡製基体22を予め準備しておき、以下に示す方法により、床暖房パネルユニット10を製造する。
まず、図4に示すように、伝熱シート20を金型320に配置する。より詳細には、伝熱シート20を予めたとえばプレス加工あるいは手で、図6に示すように、一方の金型320Bのキャビティ116の突条40に沿う凹凸形状に変形させ、次いで吸盤付きのマニピュレータ(図示せず)を用いて、変形させた伝熱シート20の表面を吸盤により吸着保持した状態で、伝熱シート20を一方の金型320Bのキャビティ116の突条40に沿って位置決めするとともに、一方の金型320Bから吸引し、伝熱シート20をキャビティ116に吸着する一方、マニピュレータ側の真空吸引を切ることによりマニピュレータから脱着させて、キャビティ116へ伝熱シート20を受け渡し、マニピュレータを金型320の間から引っ込める。
伝熱シート20の金属薄膜12は、金属製であり樹脂とは異なり、伸張性に乏しいことから、金属薄膜12をキャビティ116に押し付けることにより賦形するのは困難であることから、金属薄膜12を予め変形させておく必要があるところ、伝熱シート20のキャビティ116へのセット時に伝熱シート20を凹凸変形させる具体的な方法としては、第1に、マニピュレータの吸盤の先端を軟質平板(たとえばゴム製)のものとしておいてキャビティ116に押圧させることにより、軟質平板が凹凸に沿うことを通じて伝熱シート20を変形する方法、第2に、マニピュレータに伝熱シート20をセットするときに予め凹凸に沿わせておき、そのまま金型320の突条40に沿わせてセットする方法等がある。
次いで、図7に示すように、溶融状態のシート状パリソンPを押し出して、伝熱シート20に隣接して金型320に配置する。より詳細には、押し出しスリット34より下方に押し出された溶融状態のシート状パリソンPを一対のローラー300により下方に案内し、一対の金型320の間に配置する。
次いで、図8に示すように、一対の金型320内に密閉空間370を形成する。より詳細には、一方の金型320Bの外枠部材330を溶融状態シート状パリソンPに向かって移動させて、溶融状態シート状パリソンPの表面に当てる。これにより、外枠部材330の内周面331、溶融状態のシート状パリソンPの表面およびキャビティ116により、密閉空間370が形成され、この密閉空間370内に伝熱シート20が熱可塑性樹脂層14を溶融状態のシート状パリソンPの表面に向けた状態でキャビティ116に保持された状態となる。この場合、伝熱シート20には、キャビティ116に対向する面に複数の貫通穴(図示せず)が設けられているから、キャビティ116の吸引穴は伝熱シート20に覆われているにも拘わらず、伝熱シート20の複数の貫通穴を通じて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21が直接吸引されるようにしている。
次いで、図9に示すように、伝熱シート20と溶融状態のシート状パリソンPを溶着するとともに、伝熱シート20のキャビティ116に対向する面を賦形する。より詳細には、一方の金型320Bの側から密閉空間内の空気を吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21を熱可塑性樹脂層14を介して伝熱シート20に溶着するとともに、金属薄膜12を突条40に押し付けて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21および熱可塑性樹脂層14を賦形して、金属薄膜12のキャビティ116に対応する面に熱媒流通用放熱配管16を収容するための長溝18を形成する。この場合、伝熱シート20の金属薄膜12と溶融状態のシート状パリソンPとは、一方が金属で、他方が樹脂と異なる材質であることから両者を直接溶着させるのは困難であるところ、金属薄膜12とシート状パリソンPとの間にシート状パリソンPと同材質の熱可塑性樹脂層14を介在させることにより、伝熱シート20とシート状パリソンPとの溶着を容易に行うことが可能となる。この観点からは、熱可塑性樹脂層14は、シート状パリソンPと同種の樹脂であることが好ましい。
次いで、図10に示すように、発泡樹脂製基体22を金型320に配置して、溶融状態シート状パリソンPに溶着固定する。より詳細には、一対の金型320を型開きした後、伝熱シート20と同様に、吸盤付マニュプレータを用いて吸着保持された発泡製基体22を一対の金型320の間に配置し、金属薄膜12側がキャビティ116により保持された、互いに溶着された伝熱シート20とシート状パリソンPのシート状パリソンPの表面に向かって発泡製基体22を押し付け、発泡製基体22をシート状パリソンPに溶着させる。これで、伝熱シート20、シート状パリソンPおよび発泡製基体22の3層構造が形成される。
シート状パリソンPのバリ部を適宜切断することにより、床暖房パネルユニット10が完成する。
尚、発泡製基体22をシート状パリソンPに溶着させる方法としては、型締め前に一対の金型320のうち、伝熱シート20を配置する一方の金型320Bに対向する他方の金型320Aに対して発泡樹脂製基体22をキャビティ116内に配置しておき、型締めすることにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21が冷えて固まる前に、伝熱シート20が溶着されている側と反対側から他方の金型210Aのキャビティ116内に配置した発泡樹脂製基体22を溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21に対して押し付けて、発泡樹脂製基体22を熱可塑性樹脂製シート21に溶着固定することができる。
また、変形例として、長溝18の形成段階として、一方の金型320Bと溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21とにより密閉空間を形成し、一方の金型320Bの側から密閉空間内の空気を吸引することにより溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21および熱可塑性樹脂層14を一次賦形する段階と、分割形式の一対の金型320を型締めし、他方の金型320Aと熱可塑性樹脂製シート21とにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型320Aの側から加圧することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21および熱可塑性樹脂層14を二次賦形する段階とを有してもよいし、あるいは分割形式の一対の金型320を型締めし、他方の金型320Aと熱可塑性樹脂製シート21とにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型320Aの側から加圧するとともに、一方の金型320Bと溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21とにより形成された密閉空間内の空気を一方の金型320Bの側から吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シート21および熱可塑性樹脂層14を賦形する段階とを有してもよく、このような長溝の形成段階後に、発泡樹脂製基体22の溶着固定段階として、一対の金型320を型開き後、発泡樹脂製基体22を熱可塑性樹脂製シート21に溶着固定する段階を有するようにしてもよい。
このような変形例の床暖房パネルユニットの製造方法によれば、たとえば長溝18の形状が単なる直線状ではなく、曲線状である場合、あるいは直線状であっても、溝断面形状が長手方向に変化する場合等において、伝熱シート20の一方の金型320Bに対向する面に長溝18を形成する際、一次賦形および二次賦形を行い、特に二次賦形において、(真空)吸引する場合に比べて伝熱シート20の一方の金型320Bのキャビティ116に対する押圧力を確保可能であることから、このような複雑な長溝18を精度よく成形することが可能である。
このように完成した床暖房パネルユニット10を床面Fに敷き詰める場合、床暖房パネルユニット10の長手方向を床の幅方向に配向したうえで、それぞれ長溝18の直線部24が床の幅方向に向く形態で、床の長手方向に床暖房パネルユニット10を複数(図1では、7基)敷き詰める。この場合、放熱配管16のU字湾曲部28に対応する床暖房パネルユニット10については、別途、上述と同様な製造方法により完成し、床面Fに敷き詰めればよい。
なお、完成した床暖房パネルユニット10を設置する床面Fの長さに対応させるために、床暖房パネルユニット10の長手方向の長さを縮めるのであれば、パネルユニットの中央部分を切断除去して残った二部分を接合して使用すればよく、一方広げるのであれば直線部24で切断して、その間に所定の長さの直線部24を挿入して使用すればよい。特に、パネルユニットを縮める場合には、接合部分は一か所となり、接合部が少ない分熱伝導性が良好となる。
床暖房パネルユニット10は、パネルの長手方向の長さを床の幅に合わせたうえで、配管収容の溝として、パネルの長手方向全体に延びる複数の直線部24を設けるとともに、複数の直線部24の対向する端部26同士を連絡するU字形湾曲部28を設け、床の長手方向にも配管を展開する必要から、それぞれ溝の直線部24が床の幅方向に向く形態で、床の長手方向に床暖房パネルユニット10を複数敷き詰めることにより、全体として蛇行形状に配管を張り巡らせる。それにより、複数の床暖房パネルユニット10を床全面に敷き詰めて熱媒流通用の配管を床全体に張り巡らすことにより、発泡樹脂製基体22による優れた断熱性により床下方への放熱を抑制しつつ、床上方への伝熱は熱伝導性に優れた伝熱シート20を通じて行われることから、良好な放熱性により床面F全体を均一に暖めることが可能である。
その場合、以上の構成を有する床暖房パネルユニット10の製造方法によれば、床の下方への放熱を抑制する発泡樹脂製基体22と、床の上方への放熱を伝導形態で促進する伝熱シート20とを一体成形することにより、従来のように、現場において熱媒流通用の放熱配管16を収容するための複数の凹部ごとに、金属製伝熱薄膜を個別に準備して、金属製伝熱薄膜を発泡樹脂製基体22の上面および凹部の表面に密着するように、たとえば接着剤により固着する必要性なしに、前もってユニットとして完成可能であり、現場での施工性あるいは作業性を向上させることが可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態においては、床暖房パネルユニット10の製造方法として、分割形式の一対の金型320を準備して、一対の金型320の間に、伝熱シート20、溶融状態のシート状パリソンPおよび発泡樹脂製基体22を配置し、一対の金型320を型締めして吸引することにより、伝熱シート20、溶融状態のシート状パリソンPおよび発泡樹脂製基体22を互いに溶着しながら床暖房パネルユニット10を成形したが、それに限定されることなく、金型320を1基のみ準備して型締めをすることなく、本実施形態と同様に、伝熱シート20、溶融状態のシート状パリソンPおよび発泡樹脂製基体22をキャビティ116に対向するように配置し、本実施形態と同様に、金型320の外縁に設けられる外枠部材330を利用して、密閉空間を形成し、金型320側から密閉空間内を吸引のみすることにより伝熱シート20、溶融状態のシート状パリソンPおよび発泡樹脂製基体22を互いに溶着しながら床暖房パネルユニット10を成形してもよい。
また、本実施形態においては、床暖房パネルユニット10の製造方法として、長溝18が直線部24のみ有する場合を説明したが、それに限定されることなく、U字状湾曲部28まで含め、一体成形してもよい。その場合には、金型320のキャビティ116に設ける長手方向に延びる突条40は、キャビティ116の幅方向に互いに間隔を隔てた複数の直線部24と、隣接する直線部24の対向する端部26同士を接続するU字状湾曲部28とを有するようにすればよく、このようなキャビティ116に対して伝熱シート12を押し付けることにより、直線部24およびU字状湾曲部28を有する長溝18を一度に成形することが可能である。
さらに、本実施形態においては、床暖房パネルユニット10の製造方法として、溶融状態とした熱可塑性樹脂シートと接着させるために、伝熱シート20の熱可塑性樹脂層14と熱可塑性樹脂シートとを同じ種類の樹脂として溶着させる場合を説明したが、それに限定されることなく、たとえば伝熱シート20の熱可塑性樹脂層14を熱可塑性樹脂からなる不織布にしておくことにより、溶融状態の熱可塑性樹脂シートの樹脂が不織布に入り込み(染み込み)固化することでアンカー効果によって一体に固着してもよく、あるいは発泡樹脂製基体22の表面を連続気泡にしておくことで、気泡内に樹脂が入り込みことにより、同様に固着してもよい。
加えて、本実施形態においては、床暖房パネルユニット10として、4本の長溝を形成する場合を説明したが、それに限定されることなく、4本より少ない数の長溝を形成したり、4本より多い数の長溝を形成してもよいが、この場合、伝熱シート12の形状はそれに応じて、帯状としたりあるいは文字通りシート状の広がりを有する形態としたり、適宜に形状を定めればよい。
本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10が床面Fに敷き詰められた状態を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の断面図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の長溝18まわりの部分詳細図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、一方の金型320Bのキャビティ116に設けられた突状を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、予め凹凸に変形させた伝熱シート20を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、溶融状態のシート状パリソンPを一対の金型320の間に配置した状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、金型320の外枠部材330を熱可塑性樹脂製シート21に当接させた状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、金型320の型締状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る床暖房パネルユニット10の製造工程において、金型320の型開き状態を示す図である。
P シート状パリソン
10 床暖房パネルユニット
12 金属薄膜
14 熱可塑性樹脂層
16 放熱配管
18 長溝
20 伝熱シート
21 熱可塑性樹脂製シート
24 直線部
28 U字状湾曲部
28 Tダイ
40 突条
116 キャビティ
160 ホッパー
180 シリンダー
200 油圧モーター
240 アキュムレータ
260 プランジャー
300 一対のローラー
320 金型
330 外枠部材
331 内周面

Claims (10)

  1. 表面に長手方向に延びる突条を備えたキャビティを有する金型に対して、金属薄膜と熱可塑性樹脂層とを接着した伝熱シートを、該突条に略沿う形状に予め変形させたうえで、金属薄膜がキャビティ側となるようにキャビティ内に配置する段階と、
    溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを伝熱シートの熱可塑性樹脂層の側に隣接するように金型に配置する段階と、
    金型のキャビティと溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成する段階と、
    金型の側から密閉空間内を吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを熱可塑性樹脂層を介して伝熱シートに溶着するとともに、金属薄膜を前記突条に押し付けて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形して、金属薄膜のキャビティに対向する面に熱媒流通用放熱管を収容するための長溝を形成する段階と、
    溶融状態の熱可塑性樹脂製シートが冷えて固まる前に、伝熱シートが溶着されている側と反対側から発泡樹脂製基体を溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに対して押し付けることにより、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階と、
    を有することを特徴とする床暖房パネルユニットの製造方法。
  2. 分割形式の一対の金型のうち、表面に長手方向に延びる突条を備えたキャビティを有する一方の金型に対して、金属薄膜と熱可塑性樹脂層とを接着した伝熱シートを、該突条に略沿う形状に予め変形させたうえで、金属薄膜がキャビティ側となるようにキャビティ内に配置する段階と、
    溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを伝熱シートの熱可塑性樹脂層の側に隣接するように一対の金型の間に配置する段階と、
    溶融状態の熱可塑性樹脂製シートを熱可塑性樹脂層を介して伝熱シートに溶着するとともに、金属薄膜を前記突条に押し付けて、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形して、金属薄膜のキャビティに対向する面に熱媒流通用放熱管を収容するための長溝を形成する段階と、
    伝熱シートが溶着されている側と反対側から発泡樹脂製基体を溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに対して押し付けて、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階と、
    を有することを特徴とする床暖房パネルユニットの製造方法。
  3. 前記長溝の形成段階は、一方の金型のキャビティと溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成し、一方の金型の側から密閉空間内の空気を吸引する段階を有し、 前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、分割形式の一対の金型を型締することにより、他方の金型のキャビティ内に配置された発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有する、請求項2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  4. 前記長溝の形成段階は、一方の金型と溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより密閉空間を形成し、一方の金型の側から密閉空間内の空気を吸引することにより溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を一次賦形する段階と、分割形式の一対の金型を型締めし、他方の金型と熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型の側から加圧することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を二次賦形する段階とを有し、
    前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、一対の金型を型開き後、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有する、請求項2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  5. 前記長溝の形成段階は、分割形式の一対の金型を型締めし、他方の金型と熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を他方の金型の側から加圧するとともに、一方の金型と溶融状態の熱可塑性樹脂製シートとにより形成された密閉空間内の空気を一方の金型の側から吸引することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂製シートおよび熱可塑性樹脂層を賦形する段階とを有し、
    前記発泡樹脂製基体の溶着固定段階は、一対の金型を型開き後、発泡樹脂製基体を熱可塑性樹脂製シートに溶着固定する段階を有する、請求項2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  6. 前記長手方向に延びる突条は、上下方向に方向付けられ、
    前記溶融状態の熱可塑性樹脂製シートの配置段階は、熱可塑性樹脂製のシート状パリソンを前記長手方向に延びる突条に沿うように下方に押し出し、金型に配置する段階を有する、請求項1または2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  7. 前記密閉空間の形成段階は、金型の周縁部に対して溶融状態の熱可塑性樹脂製シートに向かって移動自在に外嵌する外枠部材を熱可塑性樹脂製シートに当接させて、金型のキャビティと、外枠部材の内周面と、金属薄膜のキャビティに対向する面とにより密閉空間を構成する、請求項1または2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  8. 前記伝熱シートには、キャビティに対向する面に複数の貫通穴が設けられ、
    前記密閉空間の形成段階において、該複数の貫通穴を通じて、前記溶融状態の熱可塑性樹脂製シートが直接吸引される、請求項1または2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  9. 前記長手方向に延びる突条は、キャビティの幅方向に互いに間隔を隔てた複数の直線部と、隣接する直線部の対向する端部同士を接続するU字状湾曲部とを有する、請求項1または2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
  10. 前記長手方向に延びる突条の複数の直線部はそれぞれ、上下方向に延び、
    前記直線部の上下方向の長さは、床暖房パネルユニットが設置される矩形床面の短い方の一辺に合わせて定められる、請求項1または2に記載の床暖房パネルユニットの製造方法。
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