JP2011106510A - 等速自在継手 - Google Patents

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愛子 石川
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Abstract

【課題】 ブーツバンドの締め付け時にブーツバンドの歪みや凹溝からのずれを未然に防止し、円周方向に均一で安定した締め付け力を容易に確保する。
【解決手段】 一端に開口部を有する外側継手部材と、外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、外側継手部材の開口部を閉塞する筒状のブーツ70の端部72,74を外側継手部材の開口部と軸部材とにそれぞれ装着し、ブーツ70の端部外周の凹溝71,73に帯板状のブーツバンド56,58を嵌合させてブーツバンド56,58によりブーツ70を外側継手部材および軸部材に締め付け固定した等速自在継手であって、ブーツバンド56,58による締め付け前のブーツ70の凹溝71,73の幅寸法N1をブーツバンド56,58の幅寸法N2よりも小さくし、ブーツバンド56,58による締め付けで凹溝71,73をその幅方向に展延させることによりブーツバンド56,58を凹溝71,73に嵌合させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれ、継手外部からの異物侵入や継手内部からの潤滑剤漏洩を防止するブーツを備えた等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手には、固定式等速自在継手と摺動式等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要があるため、一般的にエンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手を中間シャフトで連結した構造を具備する。
例えば、このドライブシャフトに組み込まれる摺動式等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手は、図7および図8に示すように軸線に平行な複数の直線状トラック溝112が円筒状内周面114に円周方向等間隔で形成された円筒形状の外側継手部材110と、その外側継手部材110のトラック溝112と対応させて軸線に平行な複数の直線状トラック溝122が球面状外周面124に形成された内側継手部材120と、外側継手部材110のトラック溝112と内側継手部材120のトラック溝122との間に介在してトルクを伝達する複数のボール130と、外側継手部材110の内周面114と内側継手部材120の外周面124との間に配され、円周方向等間隔に形成されたポケット142に収容したボール130を保持するケージ140とを主要な構成要素としている(例えば、特許文献1の図9参照)。
この等速自在継手は、内側継手部材120、ボール130およびケージ140からなる内部部品が外側継手部材110に軸方向摺動自在に収容された構造を具備する。また、内側継手部材120の軸孔126には中間シャフト160の一端がスプライン嵌合により連結されている。なお、この中間シャフト160の他端には、固定式等速自在継手(図示せず)の内側継手部材がスプライン嵌合により連結されている。
この種の等速自在継手では、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材110と中間シャフト160との間に筒状のブーツ170を装着した構造が一般的である。
ブーツ170は、外側継手部材110の開口部116の外周面にブーツバンド156により締め付け固定された大径端部172と、内側継手部材120から延びる中間シャフト160の外周面にブーツバンド158により締め付け固定された小径端部174と、大径端部172と小径端部174とを繋ぎ、その大径端部172から小径端部174へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部176とで構成されている。
特開2008−2625号公報(図9) 実開昭60−21034号公報(第2図)
ところで、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を確実に防ぐと共に継手外部からの異物侵入を確実に防止するためには、ブーツバンド156,158による適正な締め付け力でもってブーツ170の大径端部172および小径端部174を外側継手部材110の開口部116の外周面および中間シャフト160の外周面の所定の位置に固定する必要がある。そのため、ブーツ170の大径端部172および小径端部174の外周には、図9(a)(b)に示すように、ブーツバンド156,158を適正な位置に配置させるための凹溝171,173が環状に形成されている(例えば、特許文献2の第2図参照)。
しかしながら、図9(a)(b)に示すように、ブーツ170の凹溝171,173の幅寸法M1(継手軸方向寸法)は、通常、ブーツバンド156,158の幅寸法M2に対して大きく設定されている(M1>M2)。このようにブーツ170の凹溝171,173の幅寸法M1がブーツバンド156,158の幅寸法M2よりも大きいと、ブーツバンド156,158の締め付け時にそのブーツバンド156,158が締め付け方向に対して斜めになったり、ブーツ170の凹溝171,173からずれたりすることがある。
このようなブーツバンド156,158の歪みや凹溝171,173からのずれは、円周方向での均一な締め付け力を確保することが困難となり、ブーツ170によるシール性が低下すると共に、ブーツ170とブーツバンド156,158との接触部分に過度の摩擦や応力が発生することでブーツ170の強度を低下させる原因となる。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、ブーツバンドの締め付け時にブーツバンドの歪みや凹溝からのずれを未然に防止し、円周方向で安定した均一な締め付け力を容易に確保し得る等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部を閉塞する筒状のブーツの端部を前記外側継手部材の開口部と前記内側継手部材から延びる軸部材とにそれぞれ装着し、前記ブーツ端部外周の凹溝に帯板状のブーツバンドを嵌合させて前記ブーツバンドによりブーツを外側継手部材および軸部材に締め付け固定した等速自在継手であって、前記ブーツバンドによる締め付け前のブーツ端部の凹溝の幅寸法を前記ブーツバンドの幅寸法よりも小さくし、ブーツバンドによる締め付けで凹溝をその幅方向に展延させることにより前記ブーツバンドを凹溝に嵌合させたことを特徴とする。なお、ブーツ端部の凹溝の幅寸法およびブーツバンドの幅寸法とは継手軸方向寸法を意味する。
本発明では、ブーツバンドによる締め付け前のブーツ端部の凹溝の幅寸法をブーツバンドの幅寸法よりも小さく設定することにより、ブーツバンドで締め付ける過程でその締め付け力に応じて凹溝がその幅方向に展延してその溝幅が拡大するように変形する。このブーツバンドの締め付け過程でブーツバンドの両端面が凹溝の側面に常に接触するため、ブーツバンドの歪みや凹溝からのずれが生じることなく、ブーツバンドが凹溝内で確実に嵌合して適正な位置に配置され、円周方向で安定した均一な締め付け力が確保される。
これにより、ブーツバンドによる締め付け後のブーツ端部の凹溝の幅寸法はブーツバンドの幅寸法と同等かあるいは若干大きくなる。そこで、ブーツバンドによる締め付け前における凹溝の幅寸法は、ブーツバンドによる締め付け後の凹溝の幅寸法がブーツバンドの幅寸法と同等かあるいは若干大きくなるように、ブーツバンドの幅寸法よりも小さく設定しておく。
本発明において、前記ブーツ端部の凹溝の開口端幅寸法を、前記ブーツバンドの幅寸法よりも小さい溝底幅寸法よりも大きくし、かつ、前記ブーツバンドの幅寸法よりも大きくすることが望ましい。これは、前記凹溝の側面を溝底から開口端へ向けて拡開するテーパ状としたり、また、前記凹溝の開口端に面取りを形成したり、さらに、前記凹溝の側面に段差を設けたりすることで実現可能となる。このようにすれば、締め付け前のブーツバンドを安定して支持することができ、そのブーツバンドの締め付けをスムーズに行うことができる点で有効である。
本発明において、前記ブーツバンドの少なくとも内周側角部に面取りを形成することが望ましい。このようにすれば、締め付け前のブーツバンドを安定して支持することができ、そのブーツバンドの締め付けをスムーズに行うことができる点で有効である。なお、この場合、ブーツバンドの少なくとも内周側角部に面取りを形成することが望ましいのであって、ブーツバンドの外周側角部に面取りを形成するようにしてもよい。
本発明において、前記ブーツ端部の凹溝の幅方向両側に、外方へ向けて突出する凸部を設けることが望ましい。この凸部は、凹溝の円周方向で部分的に形成されている場合、あるいは、凹溝の円周方向全域に亘って形成されている場合のいずれであってもよい。このようにすれば、締め付け前のブーツバンドを安定して支持することができ、そのブーツバンドの締め付けをスムーズに行うことができる点で有効である。
本発明において、前記ブーツ端部の凹溝の溝底で幅方向両側に、内方へ向けて凹んだ盗み部を設けることが望ましい。このようにすれば、ブーツバンドの締め付け時にそのブーツバンドとブーツとの間に発生する応力集中を緩和することができ、ブーツの損傷や摩耗を未然に防止してブーツの強度を向上させることが容易となる。
本発明において、ブーツバンドの内周側角部および外周側角部をR状とすることが望ましい。このようにすれば、ブーツバンドの締め付け時にそのブーツバンドとブーツとの間に発生する応力集中を緩和することができ、ブーツの損傷や摩耗を未然に防止してブーツの強度を向上させることが容易となる。
本発明によれば、ブーツバンドによる締め付け前のブーツ端部の凹溝の幅寸法をブーツバンドの幅寸法よりも小さく設定することにより、ブーツバンドで締め付ける過程でその締め付け力に応じて凹溝がその幅方向に展延してその溝幅が拡大するように変形する。このブーツバンドの締め付け過程でブーツバンドの両端面が凹溝の側面に常に接触するため、ブーツバンドの歪みや凹溝からのずれが生じることなく、ブーツバンドが凹溝内で確実に嵌合して適正な位置に配置される。
その結果、ブーツバンドの締め付け時にブーツバンドの歪みや凹溝からのずれを未然に防止し、円周方向で安定した均一な締め付け力を容易に確保し、ブーツのシール性および強度を向上させることができ、信頼性の高い長寿命の等速自在継手を提供することができる。
本発明の実施形態で、(a)はブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定する前の状態を示す部分拡大断面図、(b)はブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定した後の状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の他の実施形態において、ブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定する前の状態で、(a)はブーツの凹溝の側面を溝底から開口端へ向けて拡開するテーパ状とした実施形態を示す部分拡大断面図、(b)はブーツの凹溝の開口端に面取りを形成した実施形態を示す部分拡大断面図、(c)はブーツの凹溝の側面に段差を設けた実施形態を示す部分拡大断面図である。 本発明の他の実施形態において、ブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定する前の状態で、ブーツの凹溝の幅方向両側に、外方へ向けて突出する凸部を設けた実施形態を示す部分拡大断面図である。 本発明の他の実施形態において、ブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定する前の状態で、(a)はブーツの凹溝の溝底で幅方向両側に凹状の盗み部を設けた実施形態を示す部分拡大断面図、(b)はブーツの凹溝の溝底で幅方向両側にテーパ状の盗み部を設けた実施形態を示す部分拡大断面図、(c)はブーツの凹溝の溝底で幅方向両側にR状の盗み部を設けた実施形態を示す部分拡大断面図である。 本発明の各実施形態におけるダブルオフセット型等速自在継手の全体構成を示し、図6のB−O−B線に沿う縦断面図である。 図5のA−A線に沿う横断面図である。 従来のダブルオフセット型等速自在継手の全体構成を示し、図8のD−O−D線に沿う縦断面図である。 図7のC−C線に沿う横断面図である。 従来の等速自在継手において、(a)はブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定する前の状態を示す部分拡大断面図、(b)はブーツの凹溝にブーツバンドを締め付け固定した後の状態を示す部分拡大断面図である。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、自動車のエンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手を中間シャフトで連結した構造を具備するドライブシャフトに組み込まれ、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位をも許容することができる構造を備えた摺動式等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手を例示する。なお、本発明は、このダブルオフセット型等速自在継手以外に、トリポード型等速自在継手などの他の摺動式等速自在継手や、ツェッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型等速自在継手などの固定式等速自在継手にも適用可能である。
図5および図6に示す実施形態のダブルオフセット型等速自在継手は、軸線に平行な複数の直線状トラック溝12が円筒状内周面14に円周方向等間隔で形成された円筒形状の外側継手部材10と、その外側継手部材10のトラック溝12と対応させて軸線に平行な複数の直線状トラック溝22が球面状外周面24に形成された内側継手部材20と、外側継手部材10のトラック溝12と内側継手部材20のトラック溝22との間に介在してトルクを伝達する複数のトルク伝達部材であるボール30と、外側継手部材10の内周面14と内側継手部材20の外周面24との間に配され、円周方向等間隔に形成されたポケット42に収容したボール30を保持するケージ40とを主要な構成要素としている。
この等速自在継手は、内側継手部材20、ボール30およびケージ40からなる内部部品が外側継手部材10に軸方向摺動自在に収容された構造を具備する。また、内側継手部材20の軸孔26には軸部材である中間シャフト60の一端がスプライン嵌合により連結されている。なお、この中間シャフト60の他端には、固定式等速自在継手(図示せず)の内側継手部材がスプライン嵌合により連結されている。
この種の等速自在継手は、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材10と中間シャフト60との間に筒状のブーツ70を装着した構造を具備する。このように、外側継手部材10およびブーツ70の内部空間に潤滑剤を封入することにより、外側継手部材10に対して中間シャフト60が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材10、内側継手部材20、ボール30およびケージ40で構成される摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。
ブーツ70は、外側継手部材10の開口部16の外周面にブーツバンド56により締め付け固定された大径端部72と、内側継手部材20から延びる中間シャフト60の外周面にブーツバンド58により締め付け固定された小径端部74と、大径端部72と小径端部74とを繋ぎ、その大径端部72から小径端部74へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部76とで構成されている。
このブーツ70としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンアクリルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムクロロスルフォンゴム等の各種ゴムからなるゴム製、あるいはエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー等の公知の各種エラストマーからなる樹脂製、あるいはビニルメチルシリコーン等からなるシリコーン製のものが好適である。上記のゴムあるいはエラストマーをそれぞれ二種以上ブレンドしたものも採用でき、また、ゴムとエラストマーをブレンドしたものも採用できる。また、ブーツバンド56,58としては、帯板状部材を環状に成形したワンタッチバンドやオメガバンドが適用可能である。
ここで、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を確実に防ぐと共に継手外部からの異物侵入を確実に防止するためには、ブーツバンド56,58による適正な締め付け力でもってブーツ70の大径端部72および小径端部74を外側継手部材10の開口部16の外周面および中間シャフト60の外周面の所定の位置に固定する必要がある。そのため、ブーツ70の大径端部72および小径端部74の外周には、図1(a)(b)に示すように、ブーツバンド56,58を適正な位置に配置させるための凹溝71,73が環状に形成されている。図1(a)(b)は図5のX部分およびY部分の拡大図である。
この実施形態における等速自在継手では、図1(a)に示すように、ブーツバンド56,58による締め付け前のブーツ70の凹溝71,73の溝底幅寸法N1(継手軸方向寸法)をブーツバンド56,58の幅寸法N2(継手軸方向寸法)よりも小さくし、図1(b)に示すように、ブーツバンド56,58による締め付けでブーツ70の凹溝71,73をその幅方向に展延させることによりブーツバンド56,58をブーツ70の凹溝71,73に嵌合させる。ブーツ70の凹溝71,73は、ブーツバンド56,58による締め付けでその幅方向に展延して溝底幅寸法N1’となる(N1<N1’)。
このように、ブーツバンド56,58による締め付け前のブーツ70の凹溝71,73の溝底幅寸法N1をブーツバンド56,58の幅寸法N2よりも小さく設定することにより、ブーツバンド56,58で締め付ける過程でその締め付け力に応じてブーツ70の凹溝71,73がその幅方向に展延してその溝幅が拡大するように変形する。このブーツバンド56,58の締め付け過程でブーツバンド56,58の両端面がブーツ70の凹溝71,73の側面71a,73aに常に接触するため、ブーツバンド56,58の歪みや凹溝71,73からのずれが生じることなく、ブーツバンド56,58がブーツ70の凹溝71,73内で確実に嵌合して適正な位置に配置され、円周方向で安定した均一な締め付け力が確保される。
前述したブーツバンド56,58による締め付け後のブーツ70の凹溝71,73の溝底幅寸法N1’はブーツバンド56,58の幅寸法N2と同等かあるいは若干大きくなる(N1’≧N2)。そこで、ブーツバンド56,58による締め付け前における凹溝71,73の溝底幅寸法N1は、ブーツバンド56,58による締め付け後における凹溝71,73の溝底幅寸法N1’がブーツバンド56,58の幅寸法N2と同等かあるいは若干大きくなるように、ブーツバンド56,58の幅寸法N2よりも小さく設定しておく。
この等速自在継手において、図2(a)〜(c)に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の開口端幅寸法N3を、ブーツバンド56,58の幅寸法N2よりも小さい溝底幅寸法N1よりも大きくし、かつ、ブーツバンド56,58の幅寸法N2よりも大きくすることが好適である(N3>N2>N1)。具体的には、図1(a)および図2(a)に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の側面71a,73aを溝底から開口端へ向けて拡開するテーパ状としたり、また、図2(b)に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の開口端に面取り71b,73bを形成したり、さらに、図2(c)に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の側面に段差71c,73cを設けたりすることで実現される。
このような構造を採用することにより、テーパ状の側面71a,73a、面取り71b,73bあるいは段差71c,73cで締め付け前のブーツバンド56,58をブーツ70の凹溝71,73に安定して支持することができ、そのブーツバンド56,58の締め付けをスムーズに行うことができる。
この等速自在継手において、図2(a)〜(c)に示すように、ブーツバンド56,58の内周側角部に面取り56a,58aを形成するようにしてもよい。このように面取り56a,58aを形成することにより、その面取り56a,58aで締め付け前のブーツバンド56,58をブーツ70の凹溝71,73に安定して支持することができ、そのブーツバンド56,58の締め付けをスムーズに行うことができる。なお、ブーツバンド56,58の内周側角部に面取り56a,58aを形成すると共に、ブーツバンド56,58の外周側角部にも面取りを形成するようにしてもよい。ブーツバンド56,58の外周側角部に面取りを形成すれば、その外周側角部もブーツ70の凹溝71,73の側面に接触することから、ブーツバンド56,58による締め付け時にブーツバンド56,58とブーツ70間での応力を緩和することができる。
この等速自在継手において、図3に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の幅方向両側に、外方へ向けて突出する凸部71d,73dを設けるようにしてもよい。この凸部71d,73dは、ブーツ70の凹溝71,73の円周方向で部分的に形成されている場合、あるいは、ブーツ70の凹溝71,73の円周方向全域に亘って形成されている場合のいずれであってもよい。
このように凸部71d,73dを設けることにより、この凸部71d,73dで締め付け前のブーツバンド56,58をブーツ70の凹溝71,73に安定して支持することができ、そのブーツバンド56,58の締め付けをスムーズに行うことができる。
なお、図3では、ブーツ70の凹溝71,73の側面71a,73aをテーパ状にした場合〔図2(a)参照〕を例示したが、ブーツ70の凹溝71,73の開口端に面取り71b,73bを形成する場合〔図2(b)参照〕や、ブーツ70の凹溝71,73の側面に段差71c,73cを設ける場合〔図2(c)参照〕にも凸部71d,73dを形成することが可能である。
この等速自在継手において、図4(a)〜(c)に示すように、ブーツ70の凹溝71,73の溝底で幅方向両側に、内方へ向けて凹んだ盗み部71e,73e,71f,73f,71g,73gを設けるようにしてもよい。具体的には、図4(a)に示すような凹状の盗み部71e,73e、図4(b)に示すようなテーパ状の盗み部71f,73f、あるいは、図4(c)に示すようなR状の盗み部71g,73gが可能である。
このように盗み部71e,73e,71f,73f,71g,73gを設けることにより、ブーツバンド56,58の締め付け時にそのブーツバンド56,58とブーツ70との間に発生する応力集中を緩和することができ、ブーツ70の損傷や摩耗を未然に防止してブーツ70の強度を向上させることが容易となる。
なお、図4(a)〜(c)では、ブーツ70の凹溝71,73の開口端に面取り71b,73bを形成した場合〔図2(b)参照〕を例示したが、ブーツ70の凹溝71,73の側面71a,73aをテーパ状にする場合〔図2(a)参照〕や、ブーツ70の凹溝71,73の側面に段差71c,73cを設ける場合〔図2(c)参照〕にも盗み部71e,73e,71f,73f,71g,73gを形成することが可能である。
この等速自在継手において、図4(a)〜(c)に示すように、ブーツバンド56,58の内周側角部56b,58bおよび外周側角部56c,58cをR状としてもよい。このようにブーツ70の凹溝71,73の側面と接触する角部56b,58b,56c,58cをR状とすることにより、ブーツバンド56,58の締め付け時にそのブーツバンド56,58とブーツ70との間に発生する応力集中を緩和することができ、ブーツ70の損傷や摩耗を未然に防止してブーツ70の強度を向上させることが容易となる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 外側継手部材
16 開口部
20 内側継手部材
30 トルク伝達部材(ボール)
56,58 ブーツバンド
56a,58a 面取り
56b,58b R状内周側角部
56c,58c R状外周側角部
60 軸部材(中間シャフト)
70 ブーツ
71,73 凹溝
71a,73a テーパ状側面
71b,73b 面取り
71c,73c 段差
71d,73d 凸部
71e,73e,71f,73f,71g,73g 盗み部
72,74 ブーツ端部
1 ブーツ端部の凹溝の幅寸法
2 ブーツバンドの幅寸法
3 ブーツ端部の凹溝の開口端幅寸法

Claims (11)

  1. 一端に開口部を有する外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部を閉塞する筒状のブーツの端部を前記外側継手部材の開口部と前記内側継手部材から延びる軸部材とにそれぞれ装着し、前記ブーツ端部外周の凹溝に帯板状のブーツバンドを嵌合させて前記ブーツバンドによりブーツ端部を外側継手部材および軸部材に締め付け固定した等速自在継手であって、
    前記ブーツバンドによる締め付け前のブーツ端部の凹溝の幅寸法を前記ブーツバンドの幅寸法よりも小さくし、ブーツバンドによる締め付けで前記凹溝をその幅方向に展延させることにより前記ブーツバンドを凹溝に嵌合させたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記ブーツ端部の凹溝の開口端幅寸法を、前記ブーツバンドの幅寸法よりも小さい溝底幅寸法よりも大きくし、かつ、前記ブーツバンドの幅寸法よりも大きくした請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記ブーツ端部の凹溝の側面を溝底から開口端へ向けて拡開するテーパ状とした請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 前記ブーツ端部の凹溝の開口端に面取りを形成した請求項2に記載の等速自在継手。
  5. 前記ブーツ端部の凹溝の側面に段差を設けた請求項2に記載の等速自在継手。
  6. 前記ブーツバンドの少なくとも内周側角部に面取りを形成した請求項1〜5のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  7. 前記ブーツ端部の凹溝の幅方向両側に、外方へ向けて突出する凸部を設けた請求項1〜6のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  8. 前記凸部は、ブーツ端部の凹溝の円周方向で部分的に形成されている請求項7に記載の等速自在継手。
  9. 前記凸部は、ブーツ端部の凹溝の円周方向全域に亘って形成されている請求項7に記載の等速自在継手。
  10. 前記ブーツ端部の凹溝の溝底で幅方向両側に、内方へ向けて凹んだ盗み部を設けた請求項1〜9のいずれか一項に記載の等速自在継手。
  11. 前記ブーツバンドの内周側角部および外周側角部をR状とした請求項1〜10のいずれか一項に記載の等速自在継手。
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