JP2011106339A - 内燃機関の制御システム - Google Patents

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Kazuyasu Iwata
一康 岩田
Tomoyoshi Ogo
知由 小郷
Katsuhiro Ito
勝広 伊藤
Takashi Ogawa
孝 小川
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Abstract

【課題】内燃機関の燃費をより向上させることを目的とする。
【解決手段】過給機と、吸気弁のバルブタイミングを制御する可変動弁機構とを備えた内燃機関の制御システムにおいて、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを補正した場合の過給効率を予測する。そして、予測された過給効率がより高くなる補正方向に吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを制御する可変動弁機構と過給機とを備えた内燃機関の制御システムに関する。
特許文献1には、主として吸気弁の作動角を変化させる作動角変更機構と、主として上記作動角の中心角を変化させる中心角変更機構と、過給機とを備えた内燃機関において、過給圧の上昇に応じて吸気弁の作動角を拡大させつつ中心角を遅角させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、内燃機関の機関負荷に応じて、吸気弁の閉弁時期、機械圧縮比及び過給圧を制御する技術が開示されている。
特開2001−329871号公報 特開2004−218522号公報 特開2006−161609号公報 特開平10−037772号公報
本発明は、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを制御する可変動弁機構と過給機とを備えた内燃機関の制御システムにおいて、内燃機関の燃費をより向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを補正した場合の過給効率を予測し、予測された過給効率がより高くなる補正方向に吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを制御するものである。
より詳しくは、本発明に係る内燃機関の制御システムは、
過給機と、
吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を制御する可変動弁機構と、
該可変動弁機構によって吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を変更したときの過給効率を過給圧に基づいて予測する過給効率予測手段と、を備え、
前記過給効率予測手段によって、吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を進角させたときの過給効率と、吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を遅角させたときの過給効率と、を予測し、予測された過給効率がより高い方の補正方向を選択して吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を制御することを特徴とする。
本発明によれば、過給効率が高められるため、内燃機関の燃費を向上させることが出来る。
尚、「吸気弁および/または排気弁」との記載は、「吸気弁または排気弁の少なくとも
一方」との意味を表す。また、「開弁時期および/または閉弁時期」との記載は、「開弁時期または閉弁時期の少なくとも一方」との意味を表す。
本発明によれば、内燃機関の燃費をより向上させることが出来る。
実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。 実施例に係る吸気弁及び排気弁の開弁時期及び閉弁時期の一例を示す図である。 実施例に係る筒内ガス量と過給効率との関係を示すグラフである。 実施例に係る吸気弁のバルブタイミングの制御フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
(内燃機関およびその吸排気系の概略構成)
図1は、本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は、4つの気筒2を有する車両駆動用のディーゼルエンジンである。
気筒2内にはピストン3が摺動自在に設けられている。気筒2内上部の燃焼室には吸気ポート4と排気ポート5とが接続されている。吸気ポート4および排気ポート5の燃焼室への開口部は、それぞれ吸気弁6および排気弁7によって開閉される。また、内燃機関1には、気筒2内の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁11が設けられている。
本実施例においては、吸気弁6のバルブタイミングを制御する可変動弁機構(以下、吸気VVTと称する)15が設けられている。該吸気VVT15は、吸気弁6のリフト量を変更することでその作用角を変更することが可能であり且つ吸気弁6の位相も同時に変更することが可能な機構である。
吸気ポート4は吸気通路8に接続されている。排気ポート5は排気通路9に接続されている。吸気通路8には、ターボチャージャ10のコンプレッサ10aが設けられている。排気通路9には、ターボチャージャ10のタービン10bが設けられている。
吸気通路8におけるコンプレッサ10aより下流側にはスロットル弁12が設けられている。また、吸気通路8におけるスロットル弁12より下流側には吸気圧力、即ち過給圧を検出する圧力センサ16が設けられている。
本実施例に係る内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20には、圧力センサ16、クランクポジションセンサ21及びアクセル開度センサ22が電気的に接続されている。そして、これらの出力信号がECU20に入力される。
ECU20は、クランクポジションセンサ21の検出値に基づいて内燃機関1の機関回転数を算出する。また、ECU20は、アクセル開度センサ22の検出値に基づいて内燃機関1の機関負荷を算出する。
また、ECU20には、燃料噴射弁11、スロットル弁12及び吸気VVT15が電気的に接続されている。そして、これらがECU20によって制御される。
(バルブタイミング制御)
本実施例においては、吸気VVT15によって吸気弁6の開弁時期及び閉弁時期のそれぞれを所望の時期に変更することができる。図2は、本実施例における吸気弁6及び排気弁7の開弁時期及び閉弁時期の一例を示す図である。例えば、吸気弁6の作用角を増大させつつ位相を遅角することにより、図2における(a)から(b)への変化のように、開弁時期を固定した状態で閉弁時期のみを遅角させることが出来る。また、同様に吸気弁6のリフト量を大きくすることでその作用角を増大させつつ位相を進角することにより閉弁時期を固定した状態で開弁時期のみを進角させることが出来る。さらに、吸気弁6の開弁時期及び閉弁時期のうち一方を進角させつつ他方を遅角させることも可能である。
また、本実施例においては、図2に示すように、吸気弁6の開弁時期および/または閉弁時期を変更することで、吸気弁6及び排気弁7の両方が開弁状態となる期間であるバルブオーバーラップ期間の長さを変更することが可能である。
ここで、気筒2内のガス量(以下、筒内ガス量と称する)とターボチャージャ10の過給効率との関係について図3に示すグラフに基づいて説明する。図3において、横軸は筒内ガス量を表しており、縦軸は過給効率を表している。
内燃機関1の機関負荷及び機関回転数が上昇すると気筒2内に流入するガス量が増加するため筒内ガス量は増加する。筒内ガス量が増加すると、ある程度まではその増加に伴って過給効率が上昇する。しかしながら、筒内ガス量が所定ガス量(図3におけるQgth)を超えると、過給効率が急激に低下する。尚、過給圧に応じて筒内ガス量と過給効率との関係が変化するため、このような所定ガス量Qgthの値も過給圧に応じて変化する。
そこで、本実施例においては、過給効率がより高くなるように吸気弁6のバルブタイミングを制御する。例えば、上記のように筒内ガス量が過剰に増加し過給効率が低下する場合は、吸気弁6の開弁時期を固定した状態でその閉弁時期を遅角させる。吸気弁6の閉弁時期を遅角させると、ピストン3の上昇に起因して気筒2内から吸気ポート4に流出するガスの量が増加するため、筒内ガス量が減少する。そのため、吸気弁6の開弁時期を固定した状態でその閉弁時期を遅角補正して筒内ガス量を所定ガス量Qgth以下に抑制することで、過給効率を高くすることが出来る。一方、筒内ガス量が所定ガス量Qgth以下の範囲であれば、吸気弁6の閉弁時期を進角補正して筒内ガス量の減少を抑制することで、過給効率を高くすることが出来る。
(制御フロー)
以下、本実施例に係る吸気弁のバルブタイミングの制御フローについて図4に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、ここでは、吸気弁6の閉弁時期を制御することで過給効率を高める場合を例に挙げて説明する。本フローは、ECU20に予め記憶されており、ECU20によって所定の間隔で繰り返し実行される。
本フローでは、先ずステップS101において、圧力センサ16によって検出される過給圧Pinが読み込まれる。
次に、ステップS102において、吸気弁6の閉弁時期IVCが進角補正されたときの筒内ガス量Qga及び吸気弁6の閉弁時期IVCが遅角補正されたときの筒内ガス量Qglがそれぞれ推定される。吸気弁6の閉弁時期IVCと筒内ガス量との関係は実験等によ
って求めることができ、これらの関係がマップとしてECU20に予め記憶されている。ステップS102においては、該マップから上記筒内ガス量Qga、Qglが推定される。
次に、ステップS103において、ステップS101で読み込まれた過給圧Pin及びステップS102で推定された筒内ガス量Qga、Qglに基づいて、
吸気弁6の閉弁時期IVCが進角補正されたときの過給効率ηa及び吸気弁6の閉弁時期IVCが遅角補正されたときの過給効率ηlが算出される。過給圧及び筒内ガス量と過給効率との関係は予めマップとしてECU20に記憶されており、ステップS103においては、該マップから上記過給効率ηa、ηlがそれぞれ算出される。尚、本実施例においては、ステップS103を実行するECU20が本発明に係る過給効率予測手段に相当する。
次に、ステップS104において、吸気弁6の閉弁時期IVCが進角補正されたときの過給効率ηaが吸気弁6の閉弁時期IVCが遅角補正されたときの過給効率ηl以上であるか否かが判別される。
ステップS104において肯定判定された場合、次にステップS105において、吸気弁6の閉弁時期IVCが進角補正される。一方、ステップS104において否定判定された場合、次にステップS106において、吸気弁6の閉弁時期IVCが遅角補正される。
本実施例によれば、過給効率がより高くなるように吸気弁6の閉弁時期が制御される。その結果、内燃機関1の燃費をより向上させることが出来る。
尚、本実施例においては、吸気弁6の閉弁時期を進角補正又は遅角補正するときの補正量を、過給効率の目標値(例えば、筒内ガスが所定ガス量Qgthのときの過給効率)に基づいて設定してもよい。また、吸気弁6の閉弁時期を進角補正又は遅角補正するときの単位補正量を予め定めておき、上記フローを実行することで吸気弁6の閉弁時期を進角補正又は遅角補正した後、上記フローの実行を繰り返すことで、所謂フィードバック制御を行なってもよい。
尚、本実施例においては、吸気弁6の閉弁時期の補正に代えて、又は、吸気弁6の閉弁時期の補正に加えて、吸気弁6の開弁時期を補正することによっても過給効率を高めることができる。この場合も、上記と同様、吸気弁6の開弁時期を進角補正したとき及び遅角補正したときの過給効率をそれぞれ算出し、過給効率がより高くなる補正方向を選択して吸気弁6の開弁時期を制御する。
また、本実施例に係る吸気VVTに代えて、又は、吸気VVTに加えて、排気弁のバルブタイミングを制御する可変動弁機構(以下、排気VVTと称する)を備えた構成に本発明を適用してもよい。つまり、このような構成においては、排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を進角補正したとき及び遅角補正したときの過給効率を算出し、過給効率がより高くなる補正方向を選択して排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を制御してもよい。
1・・・内燃機関
2・・・気筒
6・・・吸気弁
7・・・排気弁
10・・ターボチャージャ
10a・・コンプレッサ
10b・・タービン
15・・可変動弁機構(吸気VVT)
16・・圧力センサ
20・・ECU

Claims (1)

  1. 過給機と、
    吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を制御する可変動弁機構と、
    該可変動弁機構によって吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を変更したときの過給効率を過給圧に基づいて予測する過給効率予測手段と、を備え、
    前記過給効率予測手段によって、吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を進角させたときの過給効率と、吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を遅角させたときの過給効率と、を予測し、予測された過給効率がより高い方の補正方向を選択して吸気弁および/または排気弁の開弁時期および/または閉弁時期を制御することを特徴とする内燃機関の制御システム。
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