JP2011103952A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】歯肉溝へのブリッスルの挿入性及び歯肉溝の清掃性に優れており、また、歯間部の清掃性にも優れており、更に歯肉へのブリッスルの当たりも柔らかい歯ブラシを提供すること。
【解決手段】複数本のブリッスルを束ねた毛束が植毛台に形成された複数の植毛穴に植設されている歯ブラシであって、前記植毛台21は、横断面積が1.0〜1.65mm2の中央植毛穴24が複数形成された中央領域23と、横断面積が0.4〜1.0mm2の外周植毛穴27が多数形成された外周領域26とを有しており、中央植毛穴24の横断面積の総和(S1)に対する外周植毛穴の横断面積の総和(S2)の比(S2/S1)が2〜10である歯ブラシ。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯ブラシに関する。
歯ブラシは、複数本のブリッスルを束ねた毛束が、植毛台に形成された複数の植毛穴に植設された構成を有している。
歯ブラシの植毛穴の大きさに関し、特許文献1には、歯ぐきへの当たり心地等を考慮し、歯ブラシの植毛穴面積(植毛穴の横断面積)を0.635〜1.131mm2と小さくすることが記載されている。
また、特許文献2,3には、植毛台の中央部に内径が大きい植毛穴を形成し、その両側や周囲に内径が小さい植毛穴を形成した歯ブラシが開示されている。
特開2006−181174号公報 特開2008−154808号公報 特開2001−353025号公報
特許文献1のように、植毛穴の横断面積を小さくして毛束を細くすれば、毛束やブリッスルの歯肉溝(歯周ポケット)への挿入性が向上し、また、歯肉に対する当たりも柔らかくなる。しかし、毛束が細く歯に対する刷掃圧が低くなるため、清掃感や清掃性が低下する。
反対に、植毛穴の横断面積を大きくした場合には、毛束が太くなることにより、歯の平滑面に対する刷掃圧が高くなり、清掃性は向上するが、歯肉に対する当たりも強くなり、歯肉溝への挿入性も低下する。
これに対して、特許文献2,3のように、中央の植毛穴の横断面積を大きくすれば、中央領域の毛束による歯の平滑面への清掃性は良好になるが、特許文献2では、中央の植毛穴の内径が2.0〜2.8mm、特許文献3でも、中央部分に配する毛束の束径が1.8〜2.8mmと太いため、何れも中央領域の毛束が撓みにくく強くつっぱるため、その外側に植毛された小径の毛束が歯間に挿入されにくくなり、歯間の清掃性も低下する。
従って、本発明は、歯肉溝へのブリッスルの挿入性が良好で歯肉溝の清掃性と歯間部を含む歯面の清掃性、清掃感に優れており、しかも歯肉へのブリッスルの当たりも柔らかい歯ブラシを提供することに関する。
本発明は、複数本のブリッスルを束ねた毛束が植毛台に形成された複数の植毛穴に植設されている歯ブラシであって、前記植毛台は、横断面積が1.0〜1.6mm2の中央植毛穴が複数形成された中央領域と、横断面積が0.4〜1.0mm2の外周植毛穴が多数形成された外周領域とを有しており、中央植毛穴の横断面積の総和に対する外周植毛穴の横断面積の総和の比が2〜10である歯ブラシを提供するものである。
本発明の歯ブラシは、歯肉溝へのブリッスルの挿入性が良好で歯肉溝の清掃性と歯間部を含む歯面の清掃性、清掃感に優れており、しかも歯肉へのブリッスルの当たりも柔らかい。
本発明の歯ブラシの一実施形態を示す側面図である。 図1に示す歯ブラシの植毛台近傍を示す正面図である。 歯肉溝近傍を示す模式断面図である。 「歯肉溝へのブリッスルの挿入性」の評価に用いた、実施例1及び比較例5の歯ブラシの植毛穴を示す図である。 「歯肉溝へのブリッスルの挿入性」の評価に用いた歯肉溝モデルを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 「歯肉溝へのブリッスルの挿入性」の評価結果を示すグラフである。 「歯間部の清掃性」及び「歯肉へのブリッスルの当たりの強さ」の評価方法を説明するための説明図である。 実施例の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すグラフである。 比較例の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態である歯ブラシ1は、図1に示すように、植毛台21に、複数本のブリッスルを束ねた毛束22が複数の植設されてなるブラシ部2、使用時に使用者が持つ部分である柄部3、及びブラシ部2と柄部3とを連結する首部4を有している。
本実施形態における植毛台21は、図2に示すように、横断面積が1.0〜1.6mm2の中央植毛穴24が複数形成された中央領域23と、横断面積が0.4〜1.0mm2の外周植毛穴27が多数形成された外周領域26とを有している。
中央領域23は、その周囲を外周領域26に囲まれており、植毛台21の長手方向(歯ブラシ1の長手方向に対応する方向,図2中X方向)における中央領域23の前後及び左右に外周領域26が存在している。本発明における植毛穴24(27)の横断面積は、植毛台の表面21aにおける植毛穴24(27)の面積である。なお、平線により植毛されている場合に、植毛穴の開口部における平線で削られた面積は、植毛穴の横断面積に含まないものとする。
本実施形態における中央領域23は、図2に示すように、植毛台21の長手方向(X方向)及び幅方向(Y方向)それぞれの略中央部に形成されており、また、複数個の中央植毛穴24がX方向に直列してなる植毛穴列を有している。外周領域26は、外周植毛穴27が環状に並んだ環状植毛穴群を有しており、その環状植毛穴群が中央領域23を囲んでいる。外周領域26の外周植毛穴27は、中央領域23を一重又は2重以上に囲んでいることが好ましい。中央領域23は、外周植毛穴27に囲まれた状態で、植毛台21の長手方向(X方向)の中央部より前方や後方に偏倚して形成されていても良い。
中央領域23に存する中央植毛穴24の横断面積は1.0〜1.6mm2である。
中央領域23の植毛穴の横断面積が1.0mm2以上とすることにより、歯面及び歯間に対して充分な刷掃圧を確保することができ、しっかり磨けている感覚(清掃感)を感じ易くなる。また、歯垢や歯に付着した汚れ等の除去性能も優れたものとなる。
他方、中央領域23の植毛穴の横断面積が1.6mm2以下とすることにより、中央領域23の毛束による歯間部の清掃性や外周領域26の毛束による歯肉溝の清掃性が向上する。即ち、中央領域23の毛束が、歯面に当たってつっぱり、該毛束が歯間部に入りにくくなったり、外周領域26の毛束やブリッスルが歯肉溝に深く入りにくくなったりすることが防止され、歯間部や歯肉溝へのブリッスルの挿入性に優れる。
中央領域23に存する中央植毛穴24の横断面積は、歯面及び歯間の全体に対して一定の清掃圧を確保し、歯間及び歯肉溝への挿入性が良好でありながら歯肉への清掃圧を抑え、歯肉へのソフトな感触と清掃性の両立を図る点から、中央植毛穴24の横断面積は、好ましくは1.1〜1.5mm2であり、より好ましくは1.2〜1.4mm2である。
中央領域23に存する中央植毛穴24の個数(図2に示す例では5個)は、特に制限されるものではないが、例えば2〜10個とすることができ、好ましくは3〜7個、より好ましくは4〜6個である。
歯ブラシによるブラッシングでは、外周領域26に存する外周植毛穴27に植毛された毛束が歯肉溝に挿入されやすい。外周領域26に存する外周植毛穴27の横断面積は、外周植毛穴27に植毛された毛束を歯肉溝に挿入容易とし、かつ歯肉への当たりをソフトにするとともに、歯間部と歯面の清掃性を良好とする点から、0.4〜1.0mm2であり、より好ましくは0.5〜0.9mm2であり、更に好ましくは0.6〜0.8mm2である。
外周領域26に存する外周植毛穴27の個数(図2に示す例では43個)は、特に制限されるものではないが、例えば32〜50個とすることができ、好ましくは38〜48個、より好ましくは40〜46個である。
本実施形態における中央及び外周植毛穴24,27は、何れも植毛台の表面21aに一端が開口する筒状に形成されている。植毛穴の横断面積は、植毛台の表面21aにおける植毛穴24,27の面積であり、植毛穴24、27の筒状の部分の横断面積と同一となっている。本実施形態においては、中央植毛穴24の横断面形状は長円形であり、外周植毛穴27の横断面形状は円形である。
中央植毛穴24の個々の横断面積(a)の平均に対する外周植毛穴27の個々の横断面積(b)の平均の比(b/a)は、0.4〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.5〜0.7である。
また、中央植毛穴24の横断面積の総和(S1)に対する外周植毛穴27の横断面積の総和(S2)の比(S2/S1)は、中央植毛穴24と外周植毛穴27に植毛された毛束の全体について一定の清掃圧を得る点から、2〜10であり、好ましくは3.5〜9であり、より好ましくは3.7〜7であり、特に好ましくは4〜6である。
中央植毛穴24の横断面積の総和(S1)は、2〜16mm2が好ましく、3.3〜10.5mm2がより好ましく、4.8〜8.4mm2が更に好ましい。
外周植毛穴27の横断面積の総和(S2)は、12.8〜50mm2が好ましく、19〜43.2mm2がより好ましく、24〜36.8mm2が更に好ましい。
歯ブラシ1における植毛穴24,27には、植毛穴の横断面積に応じた本数のブリッスルからなる毛束22が挿入固定されている。
毛束を構成するブリッスルは、合成樹脂からなる。ブリッスルの合成樹脂としては従来ブリッスルに用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン等が挙げられる。
ブリッスルの直径は、例えば150〜250μmであり、好ましくは170〜220μm、より好ましくは180〜200μmである。中央植毛穴24と外周植毛穴27とで、ブリッスルの太さを異ならせても良いが、後述する実施例及び比較例においては、中央植毛穴24の毛束と外周植毛穴27の毛束とで、植毛穴の開口部における太さが同一で材質も同じブリッスルを用いている。
中央植毛穴24に植設された毛束22を構成するブリッスルは、好ましくは25〜45本、より好ましくは26〜40本、更に好ましくは28〜37本であり、該植毛孔24に、熱で融着させる公知の方法によって各々植設されている。
外周植毛穴27に植設された毛束22は、好ましくは13〜25本、更に好ましくは14〜21本のブリッスルで構成され、該植毛孔27に、熱で融着させる公知の方法によって各々植設されている。
毛束の植設方法としては、各種公知の方法を用いることができ、例えば、(1)毛束を平線で2つ折りにして打ち込む方法や、(2)毛束の片端部を加熱して溶融塊を形成した後、その溶融塊を配置した金型内に溶融樹脂を注入して植毛台を射出形成する方法、(3)植毛孔(貫通孔)を有する植毛基部の該植毛孔に毛束を挿入する挿入工程、該植毛孔から突出する毛束の片端部を加熱して溶融塊を形成する熱加工工程及び該溶融塊を被覆する被覆工程を経て、毛束が植設された状態の植毛台や歯ブラシを得る方法等を用いることができる。
毛束の植設方法は、小径の植毛穴ないし植毛孔に毛束を効率良く且つ充分な強さに固定可能で、外観に優れる等の観点から、毛束の片端部に溶融塊を形成する上記(2)、(3)の方法も含む融着植毛が好ましく、特に上記(3)の方法が好ましい。上記(3)の方法の具体例としては、特開平9−182632号公報や特開2003−310353号公報に記載の方法等が挙げられる。特開2003−310353号公報の記載の方法においては、毛束の片端部を、レーザービーム等の非接触熱源で加熱して、溶融塊を形成すると共にその溶融塊と植毛孔の開口周縁部とを融着させている。
毛束22を構成するブリッスルは、毛先に向かってその断面積や直径が減少するテーパーブリッスルであることが好ましい。外周植毛穴27の毛束がテーパーブリッスルから構成されていると、歯肉溝に対する挿入性を一層向上させることができるとともに歯肉へのソフトな感触も向上する。また、外周植毛穴27と中央植毛穴24の毛束をテーパーブリッスルから構成することによって、外周植毛穴27と中央植毛穴24の刷掃圧のバランスがさらに良好となり、歯間と歯面の全体への清掃性が良好となる。
毛束22を構成するブリッスルの植毛台の表面21aからの長さの平均は、例えば10〜15mmとすることができ、歯肉にソフトな感触を与える点、歯間等への挿入性から好ましくは12〜14mmである。また、ブリッスルにおけるテーパー部分の長さの平均は、6〜10mmとすることが好ましく、さらに好ましくは6〜8mmである。テーパーブリッスルの形成方法は、ブリッスルの先端を研削又は研磨する機械的な処理工程を含む方法のほか、ブリッスルを構成する樹脂を溶解することが可能な溶剤によりブリッスルの先端を処理する化学処理の工程を含む方法、ブリッスルの先端を研削又は研磨する機械的な処理工程の後に化学処理の工程を備える方法などが挙げられ、歯肉への感触をよりソフトにする点から、化学処理による工程を含むことが好ましい。
ブリッスルを構成する樹脂を溶解可能な溶剤としては、例えばブリッスルがポリエステルを含有する場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性水溶液、ブリッスルがポリアミドを含有する場合には、塩化カルシウムとメタノールの混合液、オレイルアルコール、エチレングリコールおよび塩化亜鉛水溶液等を挙げることができる。
また、毛束22の植毛穴への充填率(ブリッスルの横断面積の合計/植毛穴の横断面積)は、0.6〜0.85%が好ましく、さらに0.65〜0.85%が好ましい。
また、中央植毛穴24の毛束と外周植毛穴27の毛束とは植毛台表面21aからの高さが等しいことが好ましい。ここで、高さが等しいとは、高さが厳密に等しい場合の他、若干のずれを有する場合も含む。例えば、外周植毛穴の毛束の高さが、中央植毛穴の毛束の高さの92〜108%以内である場合は高さが等しい場合に含める。外周植毛穴の毛束の高さは、前記中央植毛穴の毛束の高さの95〜105%以内であることがより好ましい。さらに、ブリッスル及び毛束の植毛台表面21aからの高さは、清掃性と歯肉への感触の両立の点から略均一であることが好ましい。
本実施形態の歯ブラシ1によれば、植毛台21が、横断面積が1.0〜1.6mm2の中央植毛穴が複数形成された中央領域23と、横断面積が0.4〜1.0mm2の外周植毛穴27が多数形成された外周領域26とを有しており、外周領域26に植設された毛束28が細く、狭い歯肉溝5に挿入され易い上に、その挿入が、中央領域23に植設された毛束25のつっぱりにより妨げられることもないため、図3に示すように、外周領域26に植設された毛束28のブリッスルの歯肉溝5への挿入性に優れている。また、外周領域26に植設された毛束28のブリッスルは容易にしなるが、適度なコシもあるため、歯肉溝5の清掃性にも優れている。例えば、歯肉溝5に溜まった食べかす51や歯肉溝5付近の歯6に生じた歯垢61についての除去能力にも優れている。
また、横断面積が大きい中央領域23の中央植毛穴24においてもその断面積が1.6mm2未満であり、中央植毛穴24に植設された毛束25が、歯肉7に当たっても、その当たりがやさしいため、使用者は不快感等を感じることなく快適に歯磨きをすることができる。また、中央植毛穴24に植設された毛束25は、特許文献2や3において植毛台の中央に形成された毛束よりも細いため、歯間に深く挿入され易く、歯間の清掃性にも優れている。
また、中央領域23に植設された毛束のブリッスルが歯面に適度に当たるため、中央領域23と外周領域26に植設された毛束の両方による清掃性が良好なため、歯垢や歯に付着した汚れ等を除去性能も良好であり、充分な清掃感や清掃性が得られる。
以上、本発明の歯ブラシを、その好ましい実施形態について説明したが、本発明の歯ブラシは、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、下記のように適宜変更が可能である。例えば、ブリッスル先端の形状は、通常のラウンドカットや球状、先割れ状等とすることもできる。
前述した実施形態においては、外周植毛穴27は、横断面形状が円形であったが、円形断面のものに代えて、長円状、楕円状、五角形状等とすることもできる。また、中央植毛穴24も、長円状のものに代えて、真円形、楕円状、五角形状等とすることもできる。
また、毛束の植毛方法は、植毛孔に密着して植設できる方法であれば、種々の方法を採用することができる。ブリッスルは、モノフィラメント又はマルチフィラメントの何れでも良い。歯ブラシ本体(植毛台21、首部3及び柄部3)は、例えば、熱可塑性樹脂から形成することができる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、単独又は複数を適宜選択して用いることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例及び比較例の記載によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1の歯ブラシは、前述の図1及び図2に示す一実施形態と略同様の構成を有するもので、図2に示す配置で中央植毛穴24及び外周植毛穴27が形成されている。表1中の「植毛穴の形状及び個数」及び「配列図」の項に示す通り、中央植毛穴として、横断面形状が長円形の5個の植毛穴を有し、その長円形の短軸は0.5mm、長軸は1.6mmである。また、外周植毛穴として、横断面形状が円形の43個の植毛穴を有している。表1中の「R0.5−1.6×5」は、短軸0.5mm、長軸1.6mmの横断面長円又は楕円状の穴が5個存在することを示し、「φ1.0×43」は、直径1.0mmの横断面円形の穴が43個存在することを示す。
実施例1の歯ブラシにおける、中央植毛穴24の横断面積の総和(S1)、外周植毛穴27の横断面積の総和(S2)、それらの総和の比(S2/S1)、植毛台表面(植毛面)の形状、ブリッスルの毛丈(植毛台表面から高さ)を〔表1〕に示した。
各植毛穴には融着植毛で毛束を固定した。毛束を構成するブリッスルは、断面円形のナイロン製である。また、ブリッスルの直径及び各植毛穴に対するブリッスルの充填率を表1に示した。
〔実施例2〜4,比較例1〜5〕
植毛穴の形状や配列、寸法、ブリッスルの直径等を〔表1〕に示すように変更した以外は、実施例1と同様の構成を有する歯ブラシである。実施例2〜4、比較例1〜3はブリッスルの毛束を融着植毛により固定し、比較例4,5は、ブリッスルの毛束を、平線を用いて植毛穴に固定したものである。実施例、比較例のブリッスルは化学処理によるテーパーブリッスルであって、テーパーの長さは平均約8mmである。
〔試験例1〕
実施例1〜4及び比較例1〜4の歯ブラシについて、「歯間部の汚れ落ち感」、「歯と歯ぐきの間の汚れ落ち感」、「歯肉溝への挿入感」、「歯肉への当たり心地」及び「全体の刷掃感」を評価した。
5名に各歯ブラシを使用させ、上記の各項目を、以下の評価基準で評価させた。各歯ブラシについての評価は、5名のうち最も人数の多い評価を採用し、その結果を表2に示した。
〔評価基準〕
「歯間部の汚れ落ち感」、「歯と歯ぐきの間の汚れ落ち感」及び「全体の刷掃感」の評価基準
◎ : 非常によい
○ : 良い
× : 良くない
「歯肉溝への挿入感」の評価基準
◎ : 非常によく挿入する
○ : よく挿入する
× : 挿入した感じがない
「歯肉への当たり心地」の評価基準
◎ : ソフト
○ : ややソフト
× : 強い
〔試験例2〕
〔ブリッスルの歯肉溝への挿入性(入り易さ)〕
図4(a)にR1で示す、実施例1の1列の外周植毛穴と、図4(b)にR2で示す、比較例5の1列の外周植毛穴による、隙間への毛束の挿入性を評価した。隙間のモデルとしては、図5に示すように、透明なアクリル板からなり厚みが3.5mmの第1プレート81を歯のモデルとして用い、透明なアクリル製の厚さ2mmの第2プレート82を歯肉モデルとして用いた。第1プレート81と第2プレート82は、上端縁81a,82aの位置を5mmずらし且つ互いに平行となるように固定し、両プレート81,82間には、歯肉溝を想定した隙間83を形成した。隙間83は、健常者から歯周病者を想定し、スペーサー84で0.1mmと0.2mmに調整した。毛束がなるべく深く挿入する角度で実施例1、比較例5の外周植毛穴にのみ毛束を植毛した歯ブラシをあてた場合の、毛束のブリッスルの先端が到達した深さ(挿入した距離)を測定した。その結果を、図6に示した。
植毛穴の径が1.0mmの実施例1は、隙間の幅(隙間量)が小さくなるほど、植毛穴の径が1.5mmの比較例5との差が大きくなり、隙間が0.1mmの場合には、実施例1は2.2mmの深さ、比較例は0.9mmの深さの挿入が確認され、実施
例1は比較例5に比べて2倍以上深く隙間に挿入されることが認められる。
〔試験例3〕
「歯間部の清掃性」及び「歯肉へのブリッスルの当たりの強さ」
〔評価方法〕
歯間モデルを想定した刷掃面を使用し、該刷掃面を、歯ブラシで刷掃したときに該刷掃面に対して加わる摩擦力を、コンピューター上でシミュレートできるプログラムを用い、実施例及び比較例の各歯ブラシの性能を評価した。
上述のプログラムでは、水平方向をx軸、鉛直上向き方向をy軸と定義し、刷掃面は、図7(a)に示すモデルを設定した。具体的には、xy平面上でy軸を挟んで半径R(4mmに設定)の1/4の円弧を向かい合わせに配置し、それぞれの円弧の頂点から水平線がx軸の正、負方向に無限に延びている。この線分がxy両軸と直交するz軸方向に無限に延びているものを仮想の刷掃面とした。
歯ブラシは、植毛台表面を水平に保ち、毛先が下向きで、歯ブラシの長手方向をx軸に一致させた状態とする。刷掃方向はx軸方向(歯ブラシの長手方向)とし、毛束の変形はxy平面上のみで起こるとする。
歯ブラシの台座部分(植毛台部分)に鉛直方向下向きに一定の荷重を加えた状態で、歯ブラシを、x軸方向に移動させた。歯ブラシの台座部分に加わる荷重(150gfに設定)が、毛束に加わる荷重の合計量とした。また、歯ブラシの毛束は、歯ブラシの移動方向に応じて図7(b)及び(c)に示す方向に傾斜するものとした。
歯ブラシの植毛仕様やブラッシング条件を計算条件として入力し、前述の仮想の刷掃面上を歯ブラシで刷掃したときの毛束先端の摩擦力をシミュレートした。このシミュレーションでは、歯ブラシの植毛仕様として、毛束の長さ(植毛台からの長さ)、各毛束を構成するブリッスルの径、ブリッスルの本数、ブリッスルの形状(例えば、ブリッスルの先端がテーパー状、ラウンド状等の区別)、各毛束を構成する植毛穴の横断面の形状(例えば、円形、長円形等の区別)、植毛穴の横断面のサイズ(横断面が円形の場合は径、長円形の場合は長軸と短軸の長さ)、各々の形状の植毛穴のそれぞれの数、さらにブリッスルの材質としてはナイロンに統一し、ヤング率を2.0×10-9Paとし、ブラッシング条件として、刷掃面の摩擦係数を0.3とし計算した。また、このプログラムは梁のモデルを基本とし、図7に示すようにブリッスルの撓み形状を直線として近似して計算した。
このシミュレーションの結果、仮想の刷掃面上の各部分に対して、毛束が通過したときの摩擦力の歯ブラシの全毛束についての和を、刷掃面上にプロットしたものを、図8及び9に示した。図8及び9に示すグラフは、台座(植毛台)の長手方向中心線を挟む両側のうちの一方の側のみを示したものである。
図8(a)は、実施例1の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すものである。図8(b)は、実施例2の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すものである。図8(c)及び図8(d)は、実施例3,4の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すものである。
図8(a)〜図8(d)に示すグラフにおいては、グラフの左右方向中央部の歯間部に対応する部分に、特に外周植毛穴が当たる領域であるグラフ上部分にも適度摩擦力が加わっており、また、植毛台の長手方向中心線側に対応するグラフの下端から植毛台の幅方向外側に対応するグラフの上端に亘って比較的万遍なく適度な摩擦力が加わっている。
図9(a)〜(e)は、比較例1〜比較例5の歯ブラシについてのシミュレート結果を示すものである。
表3に、図8及び図9に示されたシミュレート結果について、摩擦圧の強度と面積比をかけた強度の積分値と、摩擦力が弱い0〜3gfの領域の面積比、摩擦力が最も高い領域(摩擦力18gf以上の領域)の面積比を示す。表3に示すように、実施例1〜4は、摩擦力の低い領域の面積比が少なく、しかも摩擦強度の積分値が、比較例1〜3と比べて高い結果が得られた。比較例4、5は、摩擦力の弱い領域も少ないが、摩擦力の強い領域が多く、試験例1の歯肉への当たり心地の結果と同様、摩擦力が強い結果となっている。他方、比較例2は、摩擦力の弱い領域の面積が大きい半面、図9(b)の摩擦力の分布が示すように摩擦力が強い領域が歯間部にまで及ぶため、試験例1において歯肉への当たり心地が強すぎるという評価結果となっている。
1 歯ブラシ
2 ブラシ部
21 植毛台
21a 植毛台表面
23 中央領域
24 中央植毛穴
25 中央植毛穴に植設された毛束のブリッスル
26 外周領域
27 外周植毛穴
28 外周植毛穴に植設された毛束のブリッスル
3 柄部
4 首部

Claims (5)

  1. 複数本のブリッスルを束ねた毛束が植毛台に形成された複数の植毛穴に植設されている歯ブラシであって、
    前記植毛台は、横断面積が1.0〜1.6mm2の中央植毛穴が複数形成された中央領域と、横断面積が0.4〜1.0mm2の外周植毛穴が多数形成された外周領域とを有しており、
    中央植毛穴の横断面積の総和に対する外周植毛穴の横断面積の総和の比が2〜10である歯ブラシ。
  2. 前記毛束が、平線を用いない方法で植毛穴に植設されている請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記中央植毛穴及び前記外周植毛穴に対するブリッスルの充填率が0.6〜0.85である請求項1又は2記載の歯ブラシ。
  4. 前記ブリッスルがテーパーブリッスルである請求項1〜3の何れか記載の歯ブラシ。
  5. 前記中央植毛穴の毛束と前記外周植毛穴の毛束とは前記植毛台の表面からの高さが等しい請求項1〜3の何れかに記載の歯ブラシ。
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