JP2011103420A - 圧電素子、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置 - Google Patents

圧電素子、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電体層であって、圧電特性が良好な組成を有する圧電体層を備えた圧電素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る圧電素子100は、第1電極20と、第2電極40と、第1電極20と第2電極40とに挟まれた圧電体層30と、を含み、圧電体層30は、(111)配向しており、圧電体層30は、ABOで表されるペロブスカイト型酸化物を含み、 Aサイトは、鉛を有し、Bサイトは、ジルコニウムおよびチタンを有し、ジルコニウムのチタンに対する比は、0.6より大きく、0.72より小さい。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電素子、圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関する。
圧電素子は、圧電アクチュエーター、圧力センサー、超音波デバイス、液体噴射ヘッド、インクジェットプリンター等様々な用途で用いられている。一般的に圧電素子は、圧電体からなる圧電体層を電極で挟んだ構造を有する。用いる圧電体としては、Pb(Zr,Ti)O(チタン酸ジルコン酸鉛:PZT)などが代表的である。
PZTは、チタン酸鉛:PbTiOと、ジルコン酸鉛:PbZrOと、の固溶体である。PZTは、PbZrOとPbTiOとの比率の違いにより異なる結晶系になり、PbTiOが多いときには正方晶に、PbZrOが多いときには菱面体晶になる。PbZrO/PbTiO(Bサイト組成)が52/48付近の組成は、菱面体晶と正方晶との相境界(Morphotoropic Phase Boundary)(MPB)と呼ばれる。PZTの場合、一般的には、MPB付近の組成において圧電定数や電気機械結合係数が最大になることが知られており、PZTを用いた圧電素子においてはこのMPB付近の組成のPZTが主に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このように、圧電材料を圧電素子として使用するためには、組成範囲を十分に制御して用いることが重要である。
このような圧電素子において、圧電体層の厚みを数μm以下に薄くした薄膜圧電素子が、高密度圧電素子等の用途のために開発されている。薄膜圧電素子は、例えば製造方法の違いなどから、通常の圧電素子(例えば、圧電体層の厚みが1μmより大きい圧電素子)と異なる特徴を有する場合がある。
特開2005−209722号公報
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電体層であって、圧電特性が良好な組成を有する圧電体層を備えた圧電素子を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記圧電素子を含む圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置を提供することにある。
本発明に係る圧電素子は、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極とに挟まれた圧電体層と、を含み、
前記圧電体層は、(111)配向しており、
前記圧電体層は、ABOで表されるペロブスカイト型酸化物を含み、
Aサイトは、鉛を有し、
Bサイトは、ジルコニウムおよびチタンを有し、
ジルコニウムのチタンに対する比は、0.6より大きく、0.72より小さい。
このような圧電素子によれば、高い歪率を得ることができ、良好な圧電特性を得ることができる。詳細は後述する。
本発明に係る圧電素子において、
前記圧電体層の厚みは、720nm以下であることができる。
このような圧電素子によれば、高い歪率を得ることができ、良好な圧電特性を得ることができる。詳細は後述する。
本発明に係る圧電素子において、
前記圧電体層は、下記組成式(1)
Pb(ZrTi1−x1−y ・・・・・・ (1)
(式(1)中、Mは、NbおよびTaの少なくとも一方であり、かつ、ZrおよびTiの少なくとも一方を置換している。式(1)中、xは、0.6<x<0.72の範囲であり、yは、0.05≦y<0.2の範囲である。)
で示されるペロブスカイト型酸化物を含むことができる。
このような圧電素子によれば、Bサイトに、NbおよびTaの少なくとも一方を導入することができる。これにより、高い信頼性を有することができる。
本発明に係る圧電素子において、
前記圧電体層は、添加物として、SiOおよびGeOの少なくとも一方を含有し、
前記添加物の添加量は、前記ペロブスカイト型酸化物に対して、0.5モル%以上5モル%以下であることができる。
このような圧電素子によれば、結晶化エネルギーを軽減させることができ、ペロブスカイト型酸化物の結晶化温度の低減を図ることができる。
本発明に係る圧電素子において、
前記第1電極は、PtおよびIrの少なくとも一方を含み、
前記第1電極は、(111)配向していることができる。
このような圧電素子によれば、PtおよびIrは(111)に配向しやすいため、前記第1電極上に形成された前記圧電体層を、(111)に配向させることができる。
本発明に係る圧電アクチュエーターは、
本発明に係る圧電素子を含む。
このような圧電アクチュエーターによれば、本発明に係る圧電素子を含んでいるので、良好な圧電特性を得ることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、
本発明に係る圧電アクチュエーターを含む。
このような液体噴射ヘッドによれば、本発明に係る圧電アクチュエーターを含んでいるので、良好な圧電特性を得ることができる。
本発明に係る液体噴射装置は、
本発明に係る液体噴射ヘッドを含む。
このような液体噴射装置によれば、本発明に係る液体噴射ヘッドを含んでいるので、良好な圧電特性を得ることができる。
本実施形態に係る圧電素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る圧電素子の製造方法を説明するためのフローチャート。 実施例のXRD測定の結果を示したグラフ。 実施例の各配向成分の割合を示したグラフ。 実施例の歪率測定の結果を示したグラフ。 比較例の歪率測定の結果を示したグラフ。 実施例および比較例の歪率測定の結果を示したグラフ。 実施例の格子定数を示したグラフ。 実施例のχスキャンで得られる結果を示したグラフ。 本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す分解斜視図。 本実施形態に係る液体噴射装置を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. 圧電素子
まず、本実施形態に係る圧電素子100について、図面を参照しながら説明する。図1は、圧電素子100を模式的に示す断面図である。
圧電素子100は、図1に示すように、第1電極20と、圧電体層30と、第2電極40と、を含む。さらに、圧電素子100は、基板10と、バッファー層15と、を含むことができる。
基板10としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、SrTiO、InSnO、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化シリコンなどの透明基板、ステンレス、チタンなど金属基板を用いることができる。基板10は、例えば、酸化ジルコニウム、酸化シリコン、および窒化シリコンの少なくとも1種を含む振動板を有していてもよい。基板10が振動板を有している場合は、圧電素子100は、圧電アクチュエーターとして機能することができる。
バッファー層15は、基板10上に形成されている。バッファー層15の材質は、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、シリコン、マグネシウム、およびセリウムの少なくとも1種を含む酸化物や窒化物である。バッファー層15は、基板10と第1電極20との密着性を向上させることができる。
第1電極20は、バッファー層15上に形成されている。第1電極20は、例えば、(111)配向している。第1電極20の厚みは、少なくとも基板10に圧電体層30の変形が伝達できる範囲であれば任意である。第1電極20の厚みは、例えば、20nm〜400nmとすることができる。第1電極20は、第2電極40と対になり、圧電体層30を挟み圧電素子100の一方の電極として機能することができる。第1電極20の材質は、この機能を満足する導電性を有する物質である限り、特に限定されない。第1電極20の材質は、例えば、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物などである。また、第1電極20は、前記例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
圧電体層30は、第1電極20上に形成されている。圧電体層30は、基板10の表面の法線方向に向かって、(111)配向している。圧電体層30は、ABOで表されるペロブスカイト型酸化物を含む。本実施形態のペロブスカイト型酸化物のAサイトは鉛(Pb)が占め、Bサイトはジルコニウム(Zr)およびチタン(Ti)が占めている。BサイトのZrおよびTiの少なくとも一方は、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)の少なくとも一方によって、置換されていてもよい。この置換割合は、組成式(1)における、yである。ZrおよびTiの比率は、それぞれ、組成式(1)における、xおよび(1−x)を用いて、Zr:Ti=x:(1−x)である。
ペロブスカイト型酸化物において、xは、0.6<x<0.72の範囲である。すなわち、ZrのTiに対する比は、0.6より大きく、0.72より小さい。詳細は後述するが、xがこの範囲から外れると、歪率の値が小さくなって圧電特性が低下してしまい、好ましくない。特に、圧電体層30の厚みが720nm以下であるときは、xは上記範囲であることが好ましい。なお、機械的な信頼を確保するため、圧電体層30の厚みは、300nm以上であることが好ましい。
ペロブスカイト型酸化物において、yは、例えば、0.05≦x<0.2の範囲をとることができる。yが0.05よりも小さくなると、Nb等の含有量が不足して、圧電素子の信頼性(長期性能など)が低下してしまうことがあり、好ましくない場合がある。yが0.2以上では、ペロブスカイト型酸化物が結晶化する際に、圧電性を呈さないパイロクロア構造が生じ、また、圧電素子として用いるときの結晶の配向性が悪くなることがあり、好ましくない場合がある(例えば、特開2009−221037号公報の段落0050〜0068参照)。
ペロブスカイト型酸化物は、焼結等の操作により、ペロブスカイト構造を有する結晶を生じることができる。このような、ペロブスカイト構造において、NbまたはTaは、ZrまたはTiと原子のサイズ(イオン半径が近く、原子半径は同一である。)が類似しており、格子振動による原子間の衝突によっても格子から原子が抜けにくい。また原子価は、+5価で安定であり、たとえPbが格子から脱落しても、Nb5+またはTa+によりPbが抜けた場合の価数を補うことができる。
また、NbまたはTaは、+4価の価数も存在するため、Zr4+またはTi4+の代わりとして、十分機能することが可能である。さらに、実際にはNbまたはTaは共有結合性が非常に強く、NbまたはTaによってZrまたはTiが置換された場合は、Pbも脱落し難くなっていると考えられる(たとえば、H.Miyazawa,E.Natori,S.Miyashita;Jpn.J.Appl.Phys.39(2000)5679参照)。
また、同様の考え方で、本実施形態のペロブスカイト型酸化物には、Pbの格子からの脱落を防止するために、+3価以上の元素でPbを置換することも考えられる。+3価以上の元素としては、上記したNbおよびTa以外の候補として、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuなどのランタノイド系の元素が挙げられる。同様の効果が得られる元素としては、さらに、W、V、Mo、Mnなどを挙げることができる。
これまでも、PZTへのNbのドーピングは、主にZrリッチの稜面体晶領域で行われてきたが、その量は、0.2モル%ないし0.025モル%(たとえば、J.Am.Ceram.Soc,84(2001)902;Phys.Rev.Let,83(1999)1347参照)程度と、極僅かなものである。このようにNbを多量にドーピングすることができなかった要因は、Nbを例えば10モル%添加すると、結晶化温度が800℃以上に上昇してしまうことによるものであったと考えられる。
このような理由から、本実施形態のペロブスカイト型酸化物は、さらに、添加物として
、酸化シリコン(SiO)および酸化ゲルマニウム(GeO)の少なくとも一方を含有してもよい。そして、SiOおよびGeOの少なくとも一方の添加量は、ペロブスカイト型酸化物に対して、例えば、0.5モル%以上5モル%以下であってもよい。これにより本実施形態のペロブスカイト型酸化物は、結晶化エネルギーを軽減させることができる。すなわち、本実施形態のペロブスカイト型酸化物の結晶化温度の低減を図ることができる。
なお、本実施形態のペロブスカイト型酸化物は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のBサイトにNbまたはTaの少なくとも一方がドーピングされたものである、という表現を用いることもできる。
本実施形態の圧電体層30は、上述のペロブスカイト型酸化物の他にさらに他の成分を含むことができる。圧電体層30に含まれることのできる物質としては、例えば、ペロブスカイト型の結晶構造を有するSrBiTa(SBT)、(Bi,La)Ti12(BLT)などの複合酸化物が挙げられる。このような他の成分を含むことにより、圧電体層30の圧電特性を変化させることができる。
第2電極40は、圧電体層30上に形成されている。第2電極40の厚みは、圧電素子100の動作に悪影響を与えない範囲であれば限定されない。第2電極の厚みは、例えば、10nm〜400nmとすることができる。第2電極40は、第1電極20と対になり、圧電体層30を挟み圧電素子100の他方の電極として機能することができる。第2電極40の材質は、この機能を満足する導電性を有する物質である限り、特に限定されない。第2電極40の材質は、例えば、第1電極20の材質と同様である。
本実施形態に係る圧電素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
圧電素子100によれば、圧電体層30は、(111)配向しており、ZrのTiに対する比(x)は、0.6より大きく、0.72より小さい。これにより、圧電素子100は、良好な圧電特性を得ることができる。特に、圧電体層30の厚みが720nm以下であるときは、xは上記範囲であることが好ましい。詳細は後述する。
圧電素子100によれば、圧電体層30は、組成式(1)で示されるペロブスカイト型酸化物を含むことができる。すなわち、Bサイトに、NbおよびTaの少なくとも一方を導入することができる。これにより、圧電素子100は、高い信頼性を有することができる。
圧電素子100によれば、圧電体層30は、添加物として、SiOおよびGeOの少なくとも一方を含有し、添加物の添加量は、ペロブスカイト型酸化物に対して、0.5モル%以上5モル%以下であることができる。これにより、結晶化エネルギーを軽減させることができ、ペロブスカイト型酸化物の結晶化温度の低減を図ることができる。
圧電素子100によれば、第1電極20は、PtおよびIrの少なくとも一方を含むことができる。PtおよびIrは(111)に配向しやすいため、第1電極20上に形成された圧電体層30を、(111)に配向させることができる。
2. 圧電素子の製造方法
次に、本実施形態に係る圧電素子100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、圧電素子100の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、バッファー層15が形成された基板10上に、第1電極20を形成する(ステップST10)。バッファー層15は、例えば、スパッタ法により形成される。第1電極20は、例えば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより導電層を形成し、該導電層をパターニングすることにより形成される。
次に、第1電極20上に圧電体層30を形成する。圧電体層30は、ゾル−ゲル法、MOD(Metal−Organic Decomposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などによって形成することができる。以下に、これらの製造方法のうち、一例として、ゾル−ゲル法によって圧電体層を製造する方法を記述する。また以下では、組成式(1)のMがNbである場合を例示する。また、添加物としては、SiOおよびGeOの少なくとも一方のうち、SiOを含有する例について記載する。
まず、Pb、Zr、Ti、およびNbの少なくとも1つを含有する、第1原料溶液、第2原料溶液、および第3原料溶液を準備する(後述する。)。さらに、添加物であるSiOを導入するための溶液を作成する。この溶液の分散性等を改良する場合は、さらに、n−ブタノール等の溶媒を、例えば、1モル%以上5モル%未満で上記混合溶液中にさらに添加することができる。SiOを導入するための溶液に含まれる化合物としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OCHCHCH、Si[OCH(CH、Si(OCHCHCHCH、Si[OCH(CH)CHCH、Si[OCH(CH、Si[OC(CH、Si(OCH(OC)、Si(OCH(OC、Si(OCH)(OC)(OC、Si(OCH)(OC)(OC)(OC(CH)HCH)、Si(OCH)(OC、などのテトラアルコキシシランが挙げられる。
第1原料溶液としては、ペロブスカイト型酸化物の構成金属元素のうち、PbおよびZrによるペロブスカイト結晶構造(PbZrO)を形成するための縮重合単量体をn−ブタノール等の溶媒に無水状態で溶解した溶液が例示できる。PbZrOを形成するための縮重合単量体としては、酢酸鉛、Zr(OCH、Zr(OC、Zr(OCHCHCH、Zr[OCH(CH、Zr(OCHCHCHCH、Zr[OCH(CH)CHCH、Zr[OCH(CH、Zr[OC(CH、Zr(OCH(OC)、Zr(OCH(OC、Zr(OCH)(OC)(OC、Zr(OCH)(OC)(OC)(OC(CH)HCH)、Zr(OCH)(OC、などのジルコニウムテトラアルコキシドが挙げられる。
第2原料溶液としては、ペロブスカイト型酸化物の構成金属元素のうち、PbおよびTiによるペロブスカイト結晶構造(PbTiO)を形成するための縮重合単量体をn−ブタノール等の溶媒に無水状態で溶解した溶液が例示できる。PbTiOを形成するための縮重合単量体としては、酢酸鉛、Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OCHCHCH、Ti[OCH(CH、Ti(OCHCHCHCH、Ti[OCH(CH)CHCH、Ti[OCH(CH、Ti[OC(CH、Ti(OCH(OC)、Ti(OCH(OC、Ti(OCH)(OC)(OC、Ti(OCH)(OC)(OCHCHCH)(OC(CH)HCH)、Ti(OCH)(OC、などのチタニウムテトラアルコキシドが挙げられる。
第3原料溶液としては、ペロブスカイト型酸化物の構成金属元素のうち、PbおよびNbによるペロブスカイト結晶構造(PbNbO)を形成するための縮重合単量体をn−ブタノール等の溶媒に無水状態で溶解した溶液が例示できる。PbNbOを形成するための縮重合単量体としては、酢酸鉛、Nb(OCH、Nb(OC、Nb(OCHCHCH、Nb[OCH(CH、Nb(OCHCHCHCH、Nb[OCH(CH)CHCH、Nb[OCH(CH、Nb[OC(CH、Nb(OCH(OC)、Nb(OCH(OC、Nb(OCH)(OC)(OC、Nb(OCH)(OC)(OCHCHCH)(OC(CH)HCH)、Nb(OCH)(OC、などのニオブテトラアルコキシドが挙げられる。
以上のような、第1ないし第3原料溶液および添加物の溶液の配合を、焼成によって揮発および散逸する成分を考慮して混合する。これに、さらに、例えば、テトラメトキシシラン溶液を混合して、ゾル−ゲル溶液を作成する。
次に、このゾル−ゲル溶液を結晶化させる。具体的には、図2に示したフローチャートに従い圧電体層を得る。図2に示すように、ゾル−ゲル溶液塗布工程(ステップST11)、アルコール除去工程〜乾燥熱処理工程〜脱脂熱処理工程(ステップST12,ステップST13)の一連の工程を所望の回数行い、その後に結晶化アニール(ステップST14)により焼成して圧電体層を得ることができる。
より具体的には、まず、第1電極20が形成された基板10(ウェハ)上に、ゾル−ゲル溶液の塗布をスピンコートなどの塗布法によって塗布する(ステップST11)。スピンコートは、ウェハ上にゾル−ゲル溶液を滴下して行う。滴下されたゾル−ゲル溶液をウェハ全面に行き渡らせる目的で500rpm程度でスピンを行った後、概ね1500rpm以上に回転数を上げて15秒ないし60秒ほど回転させて膜厚を均一化する。次に、不要な溶媒を除去し乾燥する、乾燥熱処理工程を行う。乾燥熱処理工程は、窒素ガスをフローして加熱して行う。乾燥熱処理工程(ステップST12〜ST13)は、溶液中の有機分を除去する、乾燥工程を、150℃ないし180℃で行い(ステップST13)、これに続いて脱脂工程を、大気雰囲気下でホットプレート等を用いて行う。さらに、脱脂工程は、300℃ないし350℃に保持されたホットプレート上で、たとえば3分、大気雰囲気下で行うことができる(ステップST13)。結晶化のための焼成は、酸素雰囲気中でサーマルラピッドアニール(RTA)等を用いて行う(ステップST14)。結晶化アニールの温度は、たとえば、750℃とすることができ、アニール時間は、たとえば、1分とすることができる。また、ここで例示したゾル−ゲル法による場合、焼結後の圧電体の膜厚は、10nmないし200nm程度とすることができ、原料溶液塗布、予備加熱の工程を複数回繰り返した後に、結晶化アニールを行うことで、膜厚の大きい圧電体を得ることができる。また、原料溶液塗布、予備加熱および結晶化アニールの一連の作業を数回繰り返すことによっても、膜厚の大きい圧電体を得ることができる。このような方法で得られる圧電体は、10nmないし720nm程度の膜厚を有することができる。
次に、圧電体層上に第2電極40となる導電層を形成する(ステップST15)。該導電層は、例えば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより形成される。次に、圧電体層および該導電層をパターニングすることにより、圧電体層30および第2電極40を形成することができる。
次に、必要に応じて、ポストアニールを行う(ステップST16)。ポストアニールの温度は、750℃とすることができ、時間は、10分とすることができる。
なお、SiOおよびGeOの添加物を含まないゾル−ゲル溶液を、そのまま結晶化させようとすると、高い結晶化温度を必要とする。すなわち、ペロブスカイト型酸化物において、Nbを混合すると、結晶化温度が急激に上昇してしまい、700℃以下の温度範囲では結晶化が不可能となる。そのため、従来は5モル%以上のNbは、Bサイトの置換元素としては用いられていない。このことは、参考文献J.Am.Ceram.Soc,84(20001)902やPhys.Rev.Let,83(1999)1347等より明らかである。本実施形態においては、あらかじめゾル−ゲル溶液にSiOの原料が含まれるため、結晶化温度を700℃以下の温度範囲で結晶化させることができる。
以上の工程により、圧電素子100を製造することができる。
3. 実験例
次に、本発明に係る圧電素子の実験例を記し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実験例に限定されるものではない。
[評価試料]
実験例に用いた試料は、次のように作成した。まず、Si基板の表面に熱酸化により膜厚400nmのSi酸化膜を形成した。次に、Si酸化膜上にDCスパッタ法により膜厚20nmのTi膜を形成し、650℃で30分間の熱処理により膜厚40nmのTi酸化膜を形成した。次に、Ti酸化膜上にDCスパッタ法により膜厚150nmのPt第1電極を形成した。
いずれの試料の圧電体層についても、あらかじめ焼成後に目標の組成となるように、原料溶液(シリコン原料をZr、Ti、およびNbの原料全体に対して1.8モル%含む。)を調整し、これを用いたスピンコート法によって形成した。その手順は以下の通りである。まず、含まれる酸化物の濃度として0.29(モル/L)に調整されたペロブスカイト型酸化物Pb(Zr,Ti,Nb)Oの原料溶液を第1電極等が形成されたウェハ上に滴下して、1500回転/分で基板を回転させて前駆体膜状に形成した。次に300℃で3分間乾燥、脱脂を行なった。以上の工程を3回繰り返した後ランプアニール炉を用いて750℃1分間仮焼成を行なった。この原料溶液滴下〜仮焼成の工程を4回繰り返し、ランプアニール炉を用いて750℃で10分間焼成を行なうことにより、膜厚720nmの圧電体の薄膜を形成した。この圧電体薄膜の上に、第2電極としてDCスパッタ法により膜厚100nmのPt層を形成した後ランプアニール炉を用いて750℃で10分間焼成を行なうことで薄膜圧電素子を形成した。
[配向性の評価]
配向性の評価は、XRD(X−ray Diffraction)測定により行った。XRD測定において、測定装置は、D8 DISCOVER(Bruker AXS社製)を用いた。測定条件は、ターゲット:Cu(波長=1.54Å)、管電圧:50kV、管電流:100mA、走査範囲:2θ 20°〜50°、とした。
組成式(1)において、y=0.1とした試料(実施例1の試料)を評価した。図3は、XRD測定の結果である。図4は、組成式(1)におけるxを変化させたときのXRD測定結果を基に、各配向成分の割合を示したグラフである。図4より、(111)配向成分は、90%以上であることがわかった。すなわち、実施例1の圧電体層は、高度に(111)配向していることがわかった。
[圧電特性の評価]
圧電特性の評価は、歪率を測定することにより行った。歪率測定において、測定装置は、Double Beam Laser Interferometer(Aixacct社製)を用いた。測定条件は、波形:三角波、周波数:1kHz、振幅:190kV/cmとした。
図5は、組成式(1)において、上述の実施例1の試料の歪率測定の結果を示したグラフである。図5より、x=0.67付近で歪率が最大となることがわかった。また、0.6<x<0.72の範囲で、歪率が最大値(x=0.67付近の歪率)の90%以上を確保することができ、良好な圧電特性を得ることができた。上述のように、チタン酸ジルコン酸鉛系では、MPB付近(x=0.52付近)で歪率が最大となることが知られているが、本実施例では、MPBから外れた上記範囲で大きな歪率を得ることができた。
図6は、比較例として、圧電体層が(100)配向した試料(比較例1の試料)の歪率測定の結果を示したグラフである。図6より、比較例1の試料では、(111)配向した実施例2の試料と異なり、MPB付近で歪率が最大となることがわかった。
図7は、y=0の場合における、圧電体層の膜厚720nmの試料(実施例2の試料)と、圧電体層の膜厚1100nmの試料(比較例2の試料)と、において、xを変化させたときの歪率測定の結果を示したグラフである。図7より、実施例2の試料ではMPBから外れた値において歪率が最大となり、比較例2の試料ではMPB付近で歪率が最大となることがわかった。圧電体層の膜厚が小さくなると、例えば、圧電体層に生じる内部応力、基板からの応力などにより、歪率の最大値がMPB付近から外れたものであると推測される。
以上のように、(111)配向した膜厚720nm以下の圧電体層では、0.6<x<0.72の範囲で、良好な圧電特性を得ることがわかった。
[格子定数の評価]
格子定数の評価は、XRD(X−ray Diffraction)測定により行った(測定条件等は上記参照)。図8は、上述の実施例1の試料において、xを変化させたときの格子定数を示したグラフである。格子定数は、擬立方晶と仮定したときの値である。図8より、0.6<x<0.72の範囲の格子定数は、4.045Å〜4.065Åであることがわかった。
[χスキャンによる評価]
上述の配向性の評価において、上述の実施例1の試料の圧電体層は、図3および図4に示すような(111)高配向となっていることが分かった。そこで2θが約39°の(111)面に対応する回折ピークに対してχスキャンを行ない、結晶性をさらに詳細に評価した。χスキャンでは、一般的に、得られた曲線の半値幅(FWHM)が小さいほど結晶性が高いことを示す。
図9は、x=0.67の試料のχスキャンで得られる結果の一部である。図9より、χスキャンによる半値幅は、0.88°であることがわかった。例えば第1電極として用いられる白金の半値幅は、2°程度であるので、実施例1の試料の圧電体層は、下地の第1電極より結晶性が高いことがわかった。また、歪率が最大になるxにおいては、結晶性が高いことがわかった。
4. 液体噴射ヘッド
次に、本発明に係る圧電素子が圧電アクチュエーターとして機能している液体噴射ヘッド200について、図面を参照しながら説明する。図10は、液体噴射ヘッド200の要部を模式的に示す断面図である。図11は、液体噴射ヘッド200の分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下を逆に示したものである。
液体噴射ヘッド200は、本発明に係る圧電素子を有することができる。以下の例では、本発明に係る圧電素子として圧電素子100を有する液体噴射ヘッド200について説明する。なお、上述のとおり、圧電素子100が圧電アクチュエーターとして機能する場合、基板10は、可撓性を有し、圧電体層30の動作によって変形する振動板となることができる。
液体噴射ヘッド200は、図10および図11に示すように、ノズル孔212を有するノズル板210と、流路222を形成するための流路基板220と、圧電素子100(圧電アクチュエーター100ともいえる)と、を含む。さらに、液体噴射ヘッド200は、図11に示すように、筐体230を有することができる。なお、図11では、圧電素子100の積層体110(第1電極20、圧電体層30および第2電極40からなる積層体)を簡略化して図示している。
ノズル板210は、図10および図11に示すように、ノズル孔212を有する。ノズル孔212からは、インクが吐出されることができる。ノズル板210には、例えば、多数のノズル孔212が一列に設けられている。ノズル板220の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)などを列挙することができる。
流路基板220は、ノズル板210上(図11の例では下)に設けられている。流路基板220の材質としては、例えば、シリコンなどを列挙することができる。流路基板220がノズル板210と基板10との間の空間を区画することにより、図11に示すように、マニホールド(例えば、液体貯留部ともいえる)224と、マニホールドと連通する流路222(例えば、圧力室ともいえる)と、が設けられている。すなわち、マニホールド224および流路222は、ノズル板210と流路基板220と基板10とによって区画されている。例えば、図11に示すように、マニホールド224と流路222とは、供給口226を介して、連通していてもよい。マニホールド224は、外部(例えばインクカートリッジ)から、基板10に設けられた貫通孔228を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。マニホールド224内のインクは、流路222に供給されることができる。流路222は、基板10の変形により容積が変化する。流路222はノズル孔212と連通しており、圧力室222の容積変化によって、ノズル孔212からインクが吐出される。流路222は、圧電素子100に対応して設けられていることができる。
圧電素子100(圧電アクチュエーター)は、流路基板220上(図11の例では下)に設けられている。第1電極20、圧電体層30および第2電極40を有する積層体110は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。基板10(振動板)は、積層体110(圧電体層30)の動作によって変形し、流路222の内部圧力を瞬間的に高めることができる。
筐体230は、図11に示すように、ノズル板210、流路基板220および圧電素子100を収納することができる。筐体230の材質としては、例えば、樹脂、金属などを列挙することができる。
液体噴射ヘッド200によれば、圧電素子100を有することができる。そのため、液体噴射ヘッド200は、良好な圧電特性を得ることができる。
なお、上述した例では、液体噴射ヘッド200がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
5. 液体噴射装置
次に、本実施形態に係る液体噴射装置300について、図面を参照しながら説明する。図12は、液体噴射装置300を模式的に示す斜視図である。液体噴射装置300は、本発明に係る液体噴射ヘッドを有する。以下では、液体噴射装置300がインクジェットプリンターである場合について説明する。
液体噴射装置300は、図12に示すように、ヘッドユニット330と、駆動部310と、制御部360と、を含む。さらに、液体噴射装置300は、装置本体320と、給紙部350と、記録用紙Pを設置するトレイ321と、記録用紙Pを排出する排出口322と、装置本体320の上面に配置された操作パネル370と、を含むことができる。
ヘッドユニット330は、例えば、上述した液体噴射ヘッド200から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット330は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ331と、ヘッドおよびインクカートリッジ331を搭載した運搬部(キャリッジ)332と、を備える。
駆動部310は、ヘッドユニット330を往復動させることができる。駆動部310は、ヘッドユニット330の駆動源となるキャリッジモーター341と、キャリッジモーター341の回転を受けて、ヘッドユニット330を往復動させる往復動機構342と、を有する。
往復動機構342は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸344と、キャリッジガイド軸344と平行に延在するタイミングベルト343と、を備える。キャリッジガイド軸344は、キャリッジ332が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ332を支持している。さらに、キャリッジ332は、タイミングベルト343の一部に固定されている。キャリッジモーター341の作動により、タイミングベルト343を走行させると、キャリッジガイド軸344に導かれて、ヘッドユニット330が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
なお、本実施形態では、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であってもよい。また、本実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
制御部360は、ヘッドユニット330、駆動部310および給紙部350を制御することができる。
給紙部350は、記録用紙Pをトレイ321からヘッドユニット330側へ送り込むことができる。給紙部350は、その駆動源となる給紙モーター351と、給紙モーター351の作動により回転する給紙ローラー352と、を備える。給紙ローラー352は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー352aおよび駆動ローラー352bを備える。駆動ローラー352bは、給紙モーター351に連結されている。制御部360によって供紙部350が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット330の下方を通過するように送られる。
ヘッドユニット330、駆動部310、制御部360および給紙部350は、装置本体320の内部に設けられている。
液体噴射装置300によれば、液体噴射ヘッド200を有することができる。そのため、液体噴射装置300は、良好な圧電特性を得ることができる。
なお、上記例示した液体噴射装置は、1つの液体噴射ヘッドを有し、この液体噴射ヘッドによって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液体噴射ヘッドを有してもよい。液体噴射装置が複数の液体噴射ヘッドを有する場合には、複数の液体噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液体噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
以上、本発明にかかる液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンターとしてのインクジェット記録装置を説明したが、本発明にかかる液体噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明の液体噴射装置は、例示したプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
10 基板、15 バッファー層、20 第1電極、30 圧電体層、40 第2電極、
100 圧電素子、110 積層体、200 液体噴射ヘッド、210 ノズル板、
212 ノズル孔、220 流路基板、222 流路、224 マニホールド、
226 供給口、228 貫通孔、230 筐体、300 液体噴射装置、
310 駆動部、320 装置本体、321 トレイ、322 排出口、
330 ヘッドユニット、331 インクカートリッジ、332 キャリッジ、
341 キャリッジモーター、342 往復動機構、343 タイミングベルト、
344 キャリッジガイド軸、350 給紙部、351 給紙モーター、
352 給紙ローラー、352a 従動ローラー、352b 駆動ローラー、
360 制御部、370 操作パネル

Claims (8)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極とに挟まれた圧電体層と、を含み、
    前記圧電体層は、(111)配向しており、
    前記圧電体層は、ABOで表されるペロブスカイト型酸化物を含み、
    Aサイトは、鉛を有し、
    Bサイトは、ジルコニウムおよびチタンを有し、
    ジルコニウムのチタンに対する比は、0.6より大きく、0.72より小さい、圧電素子。
  2. 請求項1において、
    前記圧電体層の厚みは、720nm以下である、圧電素子。
  3. 請求項1または2において、
    前記圧電体層は、下記組成式(1)
    Pb(ZrTi1−x1−y ・・・・・・ (1)
    (式(1)中、Mは、NbおよびTaの少なくとも一方であり、かつ、ZrおよびTiの少なくとも一方を置換している。式(1)中、xは、0.6<x<0.72の範囲であり、yは、0.05≦y<0.2の範囲である。)
    で示されるペロブスカイト型酸化物を含む、圧電素子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記圧電体層は、添加物として、SiOおよびGeOの少なくとも一方を含有し、
    前記添加物の添加量は、前記ペロブスカイト型酸化物に対して、0.5モル%以上5モル%以下である、圧電素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記第1電極は、PtおよびIrの少なくとも一方を含み、
    前記第1電極は、(111)配向している、圧電素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧電素子を含む、圧電アクチュエーター。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエーターを含む、液体噴射ヘッド。
  8. 請求項7に記載の液体噴射ヘッドを含む、液体噴射装置。
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