JP2011103322A - 誘導機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの引出し部周辺のスペースを有効活用することが可能な誘導機器の提供にある。
【解決手段】平板材がエッジワイズ状に角巻きされることにより角曲部と非角曲部とを有する角筒状に巻回されたコイル12を備えた誘導機器としてのリアクトル10であって、コイル12は、第1コイル要素部13と第2コイル要素部14とを備え、第2コイル要素部14に設けられた引出し部14aは、引出し部14aから2つ手前の角曲部26に繋がる非角曲部23における折り曲げ箇所Qで平板材をフラットワイズ方向に折り曲げ、平板材の平板面がコイル部14bの外周面に沿って水平となるように前方に引出して形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、リアクトルやトランスなど誘導機器に関連し、特にそのコイルの引出し部の形状に関する。
特許文献1の図1〜図5においては、磁性体のコアの周囲に平板材を巻回して形成されるコイルを備えたリアクトル部品と、リアクトル部品を収納する熱伝導ケースとを有するリアクトルが開示されている。コイルは断面長方形の平板材を用いており、断面長方形の平板材における長辺を含む面を平板面とし、短辺を含む面をエッジ面とすると、エッジ面側がコイルの軸方向となるように平板材が巻回されたエッジワイズ巻きで形成されている。リアクトル部品は2つのコイル要素が並列して配置され、一方の端部でコイル要素間は接続されており、他方の端部で外側に向けて折り曲げられた引出し部がそれぞれ形成されている。熱伝導ケースには引出し部を外側に案内するための切欠き部が2箇所に設けられ、切欠き部は引出し部と干渉しないように大きめに形成されている。なお、リアクトル部品は熱伝導ケースに収納した後、充填材を流し込み固定している。
W2006/016554号公報(第3〜4頁、図1〜図5)
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、コイルの引出し部は、コイルの平板面が縦向きとなるように折り曲げられているので、熱伝導ケースに形成される切欠き部は縦長で深さ距離を長く形成する必要がある。また、コイルの引出し部は、コイルの平板面が縦向きとなるように折り曲げられ、切欠き部を通って熱伝導ケース外に突出している。従って、熱伝導ケース外に設置された他の部品と干渉する恐れがあり、利用可能なスペースが狭くなる問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、コイルの引出し部周辺のスペースを有効活用することが可能な誘導機器の提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、平板材がエッジワイズ状に角巻きされることにより角曲部と非角曲部とを有する角筒状に巻回されたコイルを備えた誘導機器であって、前記コイルの両端部には、引出し部が形成され、該引出し部の少なくとも一方は、当該引出し部より少なくとも1つ以上手前の角曲部に繋がる非角曲部がフラットワイズ方向に曲げられることで、前記平板材の平板面が前記コイルの外周面と平行な面に沿うように引出されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、コイルの両端部に形成された引出し部の少なくとも一方は、当該引出し部より少なくとも1つ以上手前の角曲部に繋がる非角曲部がフラットワイズ方向に曲げられることで、平板材の平板面がコイルの外周面と平行な面に沿うように引出されているので、コイルの引出し部の高さ方向の必要スペースを平板材の厚さ程度に抑えることができる。また、コイルの外周面と平行な面に沿う非角曲部の長さを調整することによって、高さ方向の距離を平板材の厚さ程度に抑えつつ、引出し部の位置を自由に設定することができる。従って、コイルの引出し部周辺に利用可能なスペースが増加し、コイルの引出し部周辺のスペースを有効活用することが可能である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の誘導機器において、前記コイルは、角筒状に巻回され互いに並設配置された第1及び第2コイル要素部を有し、前記第1及び第2コイル要素部は、一方の端部で互いに連結され、他方の端部に前記引出し部がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、互いに並設配置された第1及び第2コイル要素部の各引出し部を、コイルの軸方向に対し同じ側にある端部から引出すことができる。従って、第1及び第2コイル要素部の各引出し部をコイルの軸方向に対し同じ側に集中して設けることができるので、各引出し部と他の電気部品との接続に要するスペースを小さくし、装置全体を小型化することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の誘導機器におけるコイルにおいて、互いに並設配置された前記第1及び第2コイル要素部の間に境界部を有し、前記各引出し部は、前記第1及び第2コイル要素部が並設されている方向に対して、前記境界部側からそれぞれ引出されることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、第1及び第2コイル要素部の各引出し部は、第1及び第2コイル要素部が並設されている方向に対して、境界部側からそれぞれ引出されているので、各引出し部を境界部に近接して配置することが可能である。従って、各引出し部への連結端子の接続作業を容易に行うことができると共に、各引出し部と他の電気部品との接続に要するスペースを小さくし、装置全体を小型化することが可能である。
本発明によれば、コイルの端部に形成される引出し部を、平板材の平板面がコイルの外周面と平行な面に沿うように引出すことにより、コイルの引出し部周辺のスペースを有効利用することが可能である。
第1の実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るリアクトルをケースに収納した状態を示す斜視図である。 図2のA方向部分拡大正面図である。 第1の実施形態に係るリアクトルにおけるコイルの斜視図である。 図4のコイルの正面図である。 図4のコイルの平面図である。 図4のコイルにおける引出し部の折り曲げ加工を説明するための模式図である。(a)折り曲げ加工前の状態を示す正面図である、(b)折り曲げ加工後の状態を示す平面図である。 第2の実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るリアクトルにおけるコイルの斜視図である。 その他の実施形態に係るリアクトルにおけるコイルの引出し部の折り曲げ加工を説明するための模式図である。(a)折り曲げ加工前の状態を示す正面図である、(b)折り曲げ加工後の状態を示す平面図である。 その他の実施形態に係るリアクトルにおけるコイルの引出し部の折り曲げ加工を説明するための模式図である。(a)折り曲げ加工前の状態を示す正面図である、(b)折り曲げ加工後の状態を示す平面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るリアクトルにおけるコイルを図1〜図7に基づいて説明する。
図1に示すように、誘導機器としてのリアクトル10は、トラック状のコア15に筒状のボビン11を介して平板材を巻回して形成されたコイル12から構成されている。
コイル12は、断面長方形の平板材がエッジワイズ状に角巻きされ角筒状に巻回された第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14を有しており、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14は、互いに並設配置されている。第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14は、一方の端部(図示しない後側の端部)で互いに連結されると共に、他方の端部(前側の端部)上方で前方に向けて突出するように形成された引出し部13a、14aをそれぞれ備えている。ところで、図1に示すように、コイル12の軸方向(巻心方向)を前後方向とし、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14が並設されている方向を左右方向とし、前後方向及び左右方向と直角な方向を上下方向とする。
ここで、断面長方形の平板材における長辺を含む面を平板面とし、断面長方形の平板材における短辺を含む面をエッジ面とする。
なお、エッジワイズ巻きとは、平板材のエッジ面側を折り曲げ、エッジ面側が軸方向となるように巻回したコイルのことを指す。また、角筒状に巻回するとは、平板材をエッジワイズ状に角巻きさせ、4箇所で90°に屈曲させて巻回することにより角筒状としたものである。第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14の外周面は、角筒状に巻回された平板材の外側のエッジ面によって形成された面を指している。コイル12は、エナメル処理された銅線を使用している。
コア15は、U字型のコア部とI字型のコア部とによりトラック状に構成され、このトラック状のコア15に第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14が巻装されている。なお、コア15は、フェライトなどの磁性体で形成されている。
図2に示すように、リアクトル10は金属製の熱伝導性ケース16に収納したのち、充填材17を流し込み固定している。熱伝導性ケース16には、引出し部13a、14aと熱伝導性ケース16とが干渉しないように切欠き部18が2箇所形成されている。
切欠き部18は図3に示すように、熱伝導性ケース16の上端部がコの字状に切欠かれて形成されている。切欠き部18の深さ距離dは、平板材の厚さ距離tよりやや長く形成されている。また、引出し部13a、14aを熱伝導性ケース16と絶縁させるため、切欠き部18には絶縁部材19が取り付けられている。引出し部13a、14aは、平板材の平板面が水平となるようにして、絶縁部材19を介して切欠き部18に挿通されている。そして、引出し部13a、14aの先端は被膜が剥離されて導体を剥き出しの状態にしており、この剥離された先端部に図示しない連結端子等を取り付け、他の電気部品と接続している。
また、熱伝導性ケース16には、熱伝導性ケース16を図示しない回路基板等に固定するために四隅に固定用孔20がそれぞれ形成されている。
図4〜図6に示すように、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14は左右方向に若干の隙間を介して並設配置されている。なお、この隙間が境界部21に相当する。
第1コイル要素部13に設けられた引出し部13aは、コイル12の巻き始め端部の引出し部に相当し、境界部21側に配置された第1コイル要素部13の端部22を途中で第1コイル要素部13のコイル部13bとは反対方向に平板材を折り曲げ、平板材の平板面が水平となるように前方に向けて引出して形成されている。図6に示すように、引出し部13aは平面視で前方(紙面下方)に真っ直ぐに延びている。
第2コイル要素部14に設けられた引出し部14aは、コイル12の巻き終わり端部の引出し部に相当し、引出し部14aから2つ手前の角曲部26に繋がる非角曲部23で平板材を折り曲げ、平板材の平板面が第2コイル要素部14の外周面と平行な面に沿うように引出されて形成されている。図6に示すように、引出し部14aは平面視で前方(紙面下方)に真っ直ぐに延びており、角曲部27、非角曲部24及び角曲部26の順に繋がっている。
図5に示すように、非角曲部24と第2コイル要素部14(コイル部14b)の外周面との間には若干の隙間が形成されている。第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14のコイル高さをhとしコイル幅をiとすれば、h≒iとなるように形成されている。すなわち、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14は、正面視で略正方形状となるように角筒状に形成されている。
ここで、図5及び図6に示すように、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14
が並設されている方向(左右方向)に対して、引出し部13a、14aは共に境界部21側から引出されている。
また、引出し部14aと引出し部13aとは、同一高さで平行となるように形成されている。
次に、引出し部13a、14aの折り曲げ加工方法について図7に基づき説明する。
引出し部13aについては、まず、図7(a)に示すように、長尺状の平板材をエッジワイズ状に角巻きすることにより角筒状の第1コイル要素部13(コイル部13b)を形成する。コイル12の巻き始め端部(第1コイル要素部13の端部22)は、境界部21側で、下方より上方に向けて配置する。そして、第1コイル要素部13の端部22を破線で示す折り曲げ箇所Pでコイル部13bとは反対方向に平板材を折り曲げる(フラットワイズ方向に曲げる)。なお、フラットワイズ方向に曲げるとは、平板材の平板面側を折り曲げることを指す。
その結果、図7(b)に示すように、第1コイル要素部13の端部22に引出し部13aが形成される。
引出し部14aについては、まず、図7(a)に示すように、長尺状の平板材をエッジワイズ状に角巻きすることにより角筒状の第2コイル要素部14(コイル部14b)を形成する。コイル12の巻き終わり端部(第2コイル要素部14の端部)は、非角曲部23から先端側に向けて、順に角曲部26、非角曲部24、角曲部27及び非角曲部25が連設されている。
なお、角曲部26は、引出し部14aから2つ手前の角曲部に相当し、角曲部27は、引出し部14aから1つ手前の角曲部に相当する。なお、角曲部26、27は、第2コイル要素部14の成型と同じエッジワイズ状の角巻きにより成型される。
そして、非角曲部23の長さk1は、角曲部26がコイル高さhよりはみ出して形成されることにより、コイル部14bの非角曲部28の長さk4より長く形成され、非角曲部24の長さk2は長さk4より短く形成されており、非角曲部25の長さk3は、長さk4及び長さk1より長く形成されている。
このように形成されたコイル12の巻き終わり端部(第2コイル要素部14の端部)を、破線で示す折り曲げ箇所Qで第2コイル要素部14のコイル部14bの外周面と重なるようにフラットワイズ方向に曲げる。すなわち、引出し部14aより2つ手前の角曲部26に繋がる非角曲部23における折り曲げ箇所Qで平板材をフラットワイズ方向に曲げ、平板材の平板面がコイル部14bの外周面と平行な面に沿って水平となるように形成される。
その結果、図7(b)に示すように、非角曲部25が引出し部14aとなり、第2コイル要素部14の端部に引出し部14aが形成される。なお、非角曲部24はコイル部14bの外周面に沿って水平方向に境界部21の近傍まで延びるように形成されており、引出し部14a(非角曲部25)は境界部21側に配置されている。また、非角曲部24の長さk2を調整することによって、引出し部14aの左右方向の位置を自由に設定することができる。
次に、上記構成を有するリアクトル10について作用説明を行う。
リアクトル10は、熱伝導性ケース16に収納されたのち、充填材17を流し込み固定されているが、図2及び図3に示すように、引出し部13a、14aと熱伝導性ケース16とが干渉しないように、熱伝導性ケース16の上端部には、深さ距離dの切欠き部18が形成されている。この深さ距離dは、引出し部13a、14aにおける平板材の厚さ距離tよりやや長く形成されている。すなわち、引出し部13a、14aは平板材の平板面が水平となるように形成されているために、切欠き部18の深さ距離dを平板材の厚さ距離tよりやや長く形成すればよい。従って、従来技術のように、切欠き部を縦長で深さ距離を長く形成する必要がない。
図4〜図6に示すように、引出し部13a、14aは第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14が並設されている方向(左右方向)に対して境界部21側よりそれぞれ引出されているので、引出し部13a、14aを境界部21に近接して配置することができる。従って、引出し部13a、14aへの連結端子の接続作業を行うときに、接続工具等の位置をほとんど移動することなく続けて作業を行うことができるので、作業効率の向上を図れる。
引出し部13a、14aは、熱伝導性ケース16より前方に突出して形成されているが、平板材の平板面が水平となるように形成されているために、上下方向の占有スペースが少なくて済み、コイル12の引出し部13a、14a周辺(上下方向)に利用可能なスペースが増加する。
また、引出し部13a、14aにおける高さ距離は、「コイル高さh+平板材の厚さ距離t」程度に抑えることが可能なので、リアクトル10の全体高さを低く抑え、小型化に寄与することができる。
そして、引出し部13a、14aがコイル12の軸方向に対し同じ側に集中して設けられ、且つ、境界部21側に集められているので、引出し部13a、14aとの接続に要するスペースを小さくし、装置全体を小型化することができる。
この第1の実施形態に係るリアクトル10によれば以下の効果を奏する。
(1)第1コイル要素部13に設けられた引出し部13aは、境界部21側に位置する第1コイル要素部13の端部における折り曲げ箇所Pでコイル部13bとは反対方向に平板材を折り曲げ、平板材の平板面が水平となるように前方に向けて引出して形成されている。一方、第2コイル要素部14に設けられた引出し部14aは、引出し部14aから2つ手前の角曲部26に繋がる非角曲部23における折り曲げ箇所Qで平板材をフラットワイズ方向に折り曲げ、その平板面が第2コイル要素部14(コイル部14b)の外周面に沿って水平となるように前方に引出して形成されている。この引出し部13a、14aとの干渉を防止するために熱伝導性ケース16には切欠き部18が設けられているが、切欠き部18の深さ距離dを引出し部13a、14a(平板材)の厚さ距離tよりやや長く形成すればよい。また、引出し部13a、14aにおける高さ距離を「コイル高さh+平板材の厚さ距離t」程度に抑えることが可能であり、リアクトル10の全体高さを低く抑え、小型化に寄与することができる。
(2)引出し部13a、14aは、熱伝導性ケース16より前方に突出して形成されているが、平板材の平板面が水平となるように形成されているために、上下方向の占有スペースが少なくて済み、コイル12の引出し部13a、14a周辺(上下方向)に利用可能なスペースが増加する。
(3)引出し部14aを引出し部13aと同様に引出した場合には、引出し部の左右方向の位置が固定されてしまい、引出し部14aと引出し部13aとが離れた位置になってしまうが、本実施形態では非角曲部24の長さk2を調整することによって、引出し部14aの左右方向の位置を自由に設定することができる。
(4)引出し部13a、14aは第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14が並設されている方向(左右方向)に対して境界部21側よりそれぞれ引出されているので、引出し部13a、14aを境界部21に近接して配置することができる。従って、引出し部13a、14aへの連結端子の接続作業を行うときに、接続工具等の位置をほとんど移動することなく続けて作業を行うことができるので、作業効率の向上を図れる。
(5)角曲部26、27は、第2コイル要素部14(コイル部14b)の成型と同じエッジワイズ状の角巻きにより成型されるので、コイル部14bと同様の工程を利用できる。また、曲げ方向もコイル部14b成型時の曲げ方向と同じであるため新たに型を用いることなく低コストで形成可能である。
(6)コイル12は、第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14を互いに並設配置し、一方の端部で第1コイル要素部13及び第2コイル要素部14を連結させ、他方の端部で第1コイル要素部13の引出し部13a及び第2コイル要素部14の引出し部14aをそれぞれ設けることで形成されている。従って、引出し部13a、14aがコイル12の軸方向に対し同じ側に集中して設けられ、且つ、境界部21側に集められていることにより、引出し部13a、14aと他の電気部品との接続に要するスペースを小さくし、装置全体を小型化することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るリアクトル30を図8及び図9に基づいて説明する。
図8に示すように、誘導機器としてのリアクトル30は、E字型をした2つのコア部材31、32を対向配置し、中心側の角柱部に平板材を巻回して形成されたコイル33から構成されている。
コア部材31、32は、コの字状に形成された周壁部31a、32aと、周壁部31a、32aの中心部にそれぞれ形成された角柱状の角柱部31b、32bから構成され、フェライトなどの磁性体で形成されている。ところで、図8に示すように、角柱部31b、32bの立設方向を前後方向とし、角柱部31b、32bの立設方向と直角な方向(紙面の左右方向)を左右方向とし、紙面の上下方向をリアクトル30の上下方向とする。
コイル33は、断面長方形の平板材がエッジワイズ状に角巻きされ角筒状に巻回して形成されたコイル部33aと、コイル部33aの両端部に形成され前方又は後方に突出するように形成された2つの引出し部33b、33cをそれぞれ備えている。
図9に示すように、引出し部33bは、第1の実施形態における引出し部14aと同一形状をしており、引出し部33bより2つ手前の角曲部に繋がる非角曲部における折り曲げ箇所Q1で平板材をフラットワイズ方向に曲げ、その平板面がコイル部33aの外周面と平行な面に沿って水平となるように引出して形成されている。
引出し部33cは、第1の実施形態における引出し部14aと同一形状をしており、引出し部33cより2つ手前の角曲部に繋がる非角曲部における折り曲げ箇所Q2で平板材をフラットワイズ方向に曲げ、その平板面がコイル部33aの外周面と平行な面に沿って水平となるように引出して形成されている。
引出し部33bと引出し部33cとはそれぞれ反対方向の前方及び後方に突出するように形成されている。
リアクトル30の組立ての手順については、先ず、コア部材31の角柱部31bにコイル部33aを挿通させる。次に、コア部材32をコア部材31と対向するように配置して、コイル部33aにコア部材32の角柱部32bを嵌め込みつつ、周壁部31aの端面と周壁部32aの端面とが当接するように配置し、図示しない固定手段で固定する。
上記構成を有するリアクトル30においては、引出し部33b、33cは、コア部材31、32よりそれぞれ前方又は後方に突出し水平となるように形成されているので、上下方向の占有スペースが少なくて済み、コイルの引出し部33b、33c周辺(上下方向)に利用可能なスペースが増加する。
また、引出し部33b、33cにおける高さ距離を「巻線部の高さ距離+平板材の厚さ距離」程度に抑えることが可能であり、リアクトル30の全体高さを低く抑え、小型化に寄与することができる。
さらに、引出し部33b、33cの形成は、エッジワイズ状の角巻きによってコイル部33aと同様の工程を利用できる。また、曲げ方向もコイル部33a成型時の曲げ方向と同じであるため新たに型を用いることなく低コストで形成可能である。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更しても良い。
○ 第1の実施形態では、引出し部13aと引出し部14aとを別形状として説明したが、引出し部14aの形状に合わせ左右同一としても良い。この場合には、引出し部の先端に接続される連結端子の形状を左右同一、若しくは類似にすることができるので、溶接などの作業を行い易い。また、コイルの成型時においても、同じ工程で作れるので設備の統一化を図れる。
○ 第2の実施形態では、引出し部33b、33cの引出し方向を前方又は後方にそれぞれ別方向に引出すとしたが、同一方向に引出しても良い。また、引出し部33b、33cの一方を第1の実施形態における引出し部13aと同一形状にしても良い。
○ 第2の実施形態では、E字型をした同一形状のコア部材31、32を用いるとして説明したが、一方をE字型のコア部材とし、他方をI字型の蓋部材とにより構成しても良い。
○ 図10(a)に示すように、非角曲部41を上方に少し延設させると共に、非角曲部41に連設して直角に非角曲部42を設け、非角曲部41と非角曲部42との間に角曲部43を形成する。そして、コイルの引出し部から1つ手前の角曲部43に繋がる非角曲部41の折り曲げ箇所Q3で平板材をフラットワイズ方向に曲げ、図10(b)に示すように、平板材の平板面がコイル40の外周面に沿って水平方向に引出すことにより引出し部44を形成しても良い。
○ 図11(a)、(b)に示すように、コイルの引出し部から3つ手前の角曲部51に繋がる非角曲部52の折り曲げ箇所Q4で平板材をフラットワイズ方向に曲げ、平板材の平板面がコイル50の外周面に沿って水平方向に引出すことにより引出し部53を形成しても良い。このようにコイルの巻き終わり端部の形状を色々と工夫することにより、任意の形状を有する引出し部を形成可能であり、設計の自由度を向上可能である。
○ 第1、第2の実施形態では、リアクトル10、30として説明したが、トランスに適用しても良い。
10 リアクトル
12 コイル
13 第1コイル要素部
13a 引出し部
13b コイル部
14 第2コイル要素部
14a 引出し部
14b コイル部
15 コア
16 熱伝導ケース
18 切欠き部
21 境界部
23、24、25 非角曲部
26、27 角曲部
Q、P 折り曲げ箇所

Claims (3)

  1. 平板材がエッジワイズ状に角巻きされることにより角曲部と非角曲部とを有する角筒状に巻回されたコイルを備えた誘導機器であって、
    前記コイルの両端部には、引出し部が形成され、該引出し部の少なくとも一方は、当該引出し部より少なくとも1つ以上手前の角曲部に繋がる非角曲部がフラットワイズ方向に曲げられることで、前記平板材の平板面が前記コイルの外周面と平行な面に沿うように引出されることを特徴とする誘導機器。
  2. 前記コイルは、角筒状に巻回され互いに並設配置された第1及び第2コイル要素部を有し、前記第1及び第2コイル要素部は、一方の端部で互いに連結され、他方の端部に前記引出し部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導機器。
  3. 互いに並設配置された前記第1及び第2コイル要素部の間に境界部を有し、前記各引出し部は、前記第1及び第2コイル要素部が並設されている方向に対して、前記境界部側からそれぞれ引出されることを特徴とする請求項2に記載の誘導機器。
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