JP2011103313A - 部品実装装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇降自在に支持された移動体14と、移動体を昇降させる第1の駆動源21と、先端部で部品を吸着する吸着ノズル12と、吸着ノズルを昇降させて、吸着ノズルで吸着した部品を実装対象物に加圧して実装する際の駆動源となる第2の駆動源31と、第2の駆動源の駆動を吸着ノズルに伝達する伝達機構39と、移動体に設けられ、吸着ノズルの下降の際に所定の高さで伝達機構が当接して吸着ノズルの下降を制止するストッパ43と、を備え、吸着した部品を実装する部品実装装置100において、第1の駆動源による移動体の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ第2の駆動源の出力を上昇させて、ストッパへの加圧力を増加させる制御手段110を備える。
【選択図】図2
Description
電子部品実装装置は、吸着ノズルを有し、X−Y平面を移動自在とされたヘッドを備えている。吸着ノズルがフィーダから吸着により電子部品を受け取り、基板の部品実装箇所までヘッドが移動し、吸着ノズルから電子部品を解放することで電子部品の搭載が行われる。
ヘッドには、当該ヘッドの移動時には吸着ノズルを上昇させ、電子部品の受け取り時及び搭載時には吸着ノズルを下降させる機構が設けられている。具体的には、ヘッドは、昇降可能に支持された可動ブラケットを上下動させる上下動モータと、可動ブラケットに対して回転可能且つ上下動可能に支持されると共に吸着ノズルを上下動可能に支持する回転ケースと、可動ブラケットに駆動軸が連結され、駆動軸の上下動により回転ケースを介して吸着ノズルを上下動させるボイスコイルモータと、回転ケースに設けられ、吸着ノズルの先端部に生じる荷重を検出するロードセルとを備えている。
しかし、上下動モータを駆動させると、モータ軸が下方向に移動中に加速もしくは上方向に移動中に減速した場合、回転ケースに上方向の慣性力が加わるので、ボイスコイルモータがそれを上回る力で回転ケースを下方に押さえ付けなければ、回転ケースがストッパから離れて上下のばたつきを抑えることができず、部品認識及び搭載時の精度に悪影響を与えてしまう。
この問題を解消するために、ボイスコイルモータによる回転ケースの押し付け力を大きくすることが考えられるが、出力を大きくすることによりボイスコイルモータが発熱し、周囲の部品に悪影響を与えてしまう。
ボイスコイルモータの発熱を防止するために、定格出力のより大きなボイスコイルモータを用いることも考えられるが、ボイスコイルモータのサイズが大きくなると共にその重量も増加してしまうため、軽量化を図ることができず、コストも高くなってしまう。
また、ボイスコイルモータの発熱を抑えるために、上下動モータの駆動中にボイスコイルモータの押し付け力を小さくする制御を行うと、基板の生産タクトが遅れてしまう。
また、基板の生産タクトを向上させるため、上下動モータの加減速度をより速めることが望まれているが、加減速度を速めることで、上記の問題はさらに顕著になり、さらに、ボイスコイルモータの出力不足を招いてしまう。
この問題を解消するために、定格出力のより大きなボイスコイルモータを用いることが必要となるが、ボイスコイルモータのサイズが大きくなると共にその重量も増加してしまうため、設置スペースの拡大、ボイスコイルモータを支持する筐体の剛性強化につながり、コストが高くなってしまう。
筐体に昇降自在に支持された移動体と、
前記移動体を昇降させる駆動を出力する第1の駆動源と、
前記移動体に対して昇降自在に設けられ、先端部で部品を吸着する吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを昇降させて、前記吸着ノズルで吸着した部品を実装対象物に加圧して実装する際の駆動源となる第2の駆動源と、
前記第2の駆動源と前記吸着ノズルを連結し、前記第2の駆動源の駆動を前記吸着ノズルに伝達する伝達機構と、
前記移動体に設けられ、前記吸着ノズルの下降の際に所定の高さで前記伝達機構が当接して前記吸着ノズルの下降を制止するストッパと、を備え、前記吸着ノズルにより吸着した部品を実装対象物に実装する部品実装装置において、
前記第1の駆動源による前記移動体の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ前記第2の駆動源の出力を上昇させて、前記伝達機構による前記ストッパへの加圧力を増加させる制御手段を備えることを特徴とする。
前記吸着ノズルの部品に対する荷重を検出する荷重検出手段と、
前記荷重検出手段により検出された荷重が所定の閾値を超えた場合に、前記第2の駆動源の出力を上昇させて、前記伝達機構による前記ストッパへの加圧力を増加させる第2の制御手段と、を備え、
前記第2の制御手段は、前記第1の駆動源による前記移動体の加減速が終わって一定速度での昇降になったときに、前記第2の駆動源の出力を前記移動体の加減速前の出力に戻すことを特徴とする。
筐体に昇降自在に支持された移動体と、
前記移動体を昇降させる駆動を出力する第1の駆動源と、
前記移動体に対して昇降自在に設けられ、先端部で部品を吸着する吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを昇降させて、前記吸着ノズルで吸着した部品を実装対象物に加圧して実装する際の駆動源となる第2の駆動源と、
前記第2の駆動源と前記吸着ノズルを連結し、前記第2の駆動源の駆動を前記吸着ノズルに伝達する伝達機構と、
前記移動体に設けられ、前記吸着ノズルの下降の際に所定の高さで前記伝達機構が当接して前記吸着ノズルの下降を制止するストッパと、を備え、前記吸着ノズルにより吸着した部品を実装対象物に実装する部品実装装置において、
前記第2の駆動源と異なる駆動源で、前記吸着ノズルの部品に対する加圧力を加える補助加圧装置と、
前記第1の駆動源による前記移動体の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ前記補助加圧装置を駆動させて、前記吸着ノズルの部品に対する加圧力を増加させる補助制御手段と、
を備えることを特徴とする。
これにより、第1の駆動源の加減速による慣性力により伝達機構が移動体から離れて上下にばたつくときだけ加圧力を増加させることができるので、ばたつきを抑えることができると共に、第2の駆動源の発熱を抑え、省エネルギー化を実現することができる。
これにより、荷重検出手段により検出したことをトリガーとして第2の駆動源の制御をすればよいので、事前に第2の駆動源の出力を上昇させるタイミングの計算処理等が不要となる。
また、第2の制御手段は、第1の駆動源による移動体の加減速が終わって一定速度での昇降になったときに、第2の駆動源の出力を移動体の加減速前の出力に戻すので、昇降速度が一定になったことをトリガーとして第2の駆動源の出力を元に戻すことができる。
これにより、第1の駆動源による移動体の下降の際の加速している間又は上昇の際の減速している間に伝達機構に慣性力が作用するので、補助制御手段による補助加圧装置の制御により伝達機構のばたつきを抑えることができると共に、第2の駆動源の発熱を抑え、省エネルギー化を実現することができる。
[第1の実施形態]
<部品実装装置の構成>
図1に示すように、部品実装装置100は、部品供給装置から供給される電子部品(部品)を基板(実装対象物)に実装する装置である。
図1は、電子部品実装装置100の斜視図である。以下、図示のように、水平面において互いに直交する二方向をそれぞれX軸方向(基板搬送方向)とY軸方向(基板搬送方向との直交方向)とし、これらに直交する鉛直方向をZ軸方向とする。
部品実装装置100は、基板に各種の電子部品の搭載を行うものであって、図1に示すように、搭載される電子部品を供給する複数の電子部品フィーダー101及び電子部品フィーダー101を複数並べて保持するフィーダーバンク102からなる二組の部品供給部と、X軸方向に基板を搬送する基板搬送手段103と、当該基板搬送手段103による基板搬送経路の途中に設けられた基板に対する電子部品搭載作業を行うための基板保持部104と、複数(この例では三基)の吸着ノズル12をそれぞれ昇降可能に保持する昇降装置10と、各昇降装置10が固定されて電子部品の保持を行うヘッド106と、ヘッド106を二組の部品供給部と基板保持部104とを含んだ作業エリア内の任意の位置に駆動搬送するヘッド移動機構としてのX−Yガントリ107と、ヘッド106に搭載され、吸着ノズル12に吸着された電子部品の撮像を行う複数(この例では三基)の撮像手段としてのCCDカメラ108と、吸着ノズル12に保持された電子部品の垂直下方からの画像をCCDカメラ108により撮像可能とする撮像ミラー120と、部品実装装置100の各部の動作制御を行う制御手段110とを備えている。
図2は、吸着ノズル12の昇降装置10の側断面図である。図2に示すように、吸着ノズル12の昇降装置10は、ヘッド106に固定支持された筐体としての本体フレーム11と、ノズルホルダ13に保持されて電子部品Cをその先端部で吸着保持する吸着ノズル12と、上下動可能に本体フレーム11に支持された移動体としての可動ブラケット14と、可動ブラケット14を上下方向に駆動する第1の上下動手段20と、可動ブラケット14に設けられると共に当該可動ブラケット14からノズルホルダ13を介して吸着ノズル12を上下方向に沿って駆動する第2の上下動手段30と、吸着ノズル12に負圧を供給する負圧供給手段40と、吸着ノズル12に付与される荷重を検出する荷重検出手段としてのロードセル15と、上下方向に沿った軸を中心に吸着ノズル12の回転角度調節を行う回転角度調節手段50とを備えている。以下に各部を詳説する。
ボールネジナット24は、可動ブラケット14に固定されており、上下動モータ21の回転駆動により回転角度量に応じて可動ブラケット14の上下方向の位置決めを行う。また、エンコーダ22は、その検出信号が制御手段110(図4参照)に出力され、制御手段110が検出信号に基づいて可動ブラケット14の現在位置を認識して上下動モータ21の動作制御を行うことを可能としている。
ノズルホルダ13は、後述するノズルシャフト41の下端部に設けられ、下端部に吸着ノズル12が着脱自在に取り付けられた筒状体である。
また、ノズルシャフト41の下部は、可動ブラケット14に設けられた空気軸受け43により鉛直上下方向の軸回りに回転及び上下動可能に支持されている。空気軸受け43は、ノズルシャフト41の下部の外径よりわずかに大きな内径のスリーブであって、ノズルシャフト41との隙間に空気を供給することでノズルシャフト41をその中心位置に保持することができる。かかる空気軸受け43は非接触でノズルシャフト41を支持するので摩擦の発生がなく、ノズルシャフト41を円滑に回転及び上下動させることが可能である。
上記角度調節モータ51とスプラインナット53とは、前述したノズルシャフト41と同心となる位置に配設されており、ノズルシャフト41の上部の外周面はスプラインナット53に嵌合するスプライン軸となっている。かかるスプライン軸とスプラインナット53とによりスプライン構造が構成されている。
これにより、ノズルシャフト41は、角度調節モータ51のトルクが付与されると共に、角度調節モータ51及びスプラインナット53に対して上下動を行うことが可能となっている。
一方、エンコーダ52は角度調節モータ51の出力軸の回転角度量を制御手段110に出力しており、これに基づいて制御手段110は角度調節モータ51に所定の角度量の回転を生じるように回転駆動制御を行うことを可能としている。その結果、角度調節モータ51の出力軸からスプラインナット52,ノズルシャフト41及びノズルホルダ13を介して吸着ノズル12の回転駆動が行われ、吸着ノズル12の先端部に吸着保持された電子部品Cの向きを調節することが可能である。
また、荷重アーム33は、空気軸受け43の上側に設けられており、可動ブラケット14に対して吸着ノズル12及びノズルシャフト41を下降させると、空気軸受け43の上端部に荷重アーム33が所定の高さで当接し、それより下方への下降動作を規制する構造となっている(図3参照)。即ち、空気軸受け43は、第2の上下動手段30による吸着ノズル12の下降動作を規制するストッパとしての機能も有している。
具体的には、CPU110bがROM110aに記憶されたプログラムを実行することで、制御手段110は、上下動モータ21による可動ブラケット14の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみボイスコイルモータ31の出力を上昇させて、伝達機構39(荷重アーム33とラジアル軸受け36)による空気軸受け43への加圧力を増加させる。
このとき、制御手段110は、上下動モータ21による可動ブラケット14の下降の際の加速度、上昇の際の減速度の大きさに比例させてボイスコイルモータ31の出力を制御する。即ち、可動ブラケット14の加減速度が大きくなるほど、伝達機構39に作用する慣性力も大きくなるので、ボイスコイルモータ31の出力を大きくして伝達機構39による空気軸受け43への押付力を大きくし、慣性力によるばたつきを抑える。
電子部品Cが基板に搭載される際にCPU110bが実行する吸着ノズル12の駆動制御方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。これは、CPU110bがROM110aに格納された所定のプログラムを実行することにより行われる処理である。
なお、ここでは、吸着ノズル12が電子部品Cの吸着を行い、角度調節モータ51により吸着ノズル12の先端部の電子部品Cの向きが既に調節されて、基板の搭載位置にヘッド106が搬送された状態にあることを前提とする。
CPU30bは、吸着ノズル12の先端部が高さZ2に到達していると判定した場合には(ステップS2;Yes)、CPU110bは、吸着ノズル12の先端部を高さZ2で停止させると共に、ボイスコイルモータ31の出力をV1まで上げて当該ボイスコイルモータ31に上昇駆動力を作用させる(ステップS3)。このときのボイスコイルモータ31の出力V1は、後述する駆動力確認工程によって予め設定されている出力値であり、より詳しくは、荷重アーム33が空気軸受け43の上面から丁度離間する出力値である。なお、吸着ノズル12の先端部を高さZ2で停止させたときに吸着ノズル12に対して下方への慣性力が作用するが、荷重アーム33が空気軸受け43の上面に当接させた状態にあるので吸着ノズル12がこの慣性力によって下方へ移動することはなく、吸着ノズル12と電子部品Cとが接触する事態は生じない。ここの加圧力制御については、後述する。
一方、ロードセル15からの出力の変化がL0からL1まで変化していた場合には、CPU110bは、吸着ノズル12が基板に接触していると判定し(ステップS5:Yes)、そのときのZ軸高さをZ0としてRAM110cに記憶させると共に、電子部品Cが所定の荷重で基板に当接するようにボイスコイルモータ31に出力V2の下降駆動力を作用させる(ステップS6)。
CPU110bは、吸着ノズル12の先端部が高さZ1に到達していると判定した場合には(ステップS7:Yes)、CPU110bは、上下動モータ21を停止させて当該高さZ1を保持すると共に、ロードセル15の出力がL2に保たれるようにボイスコイルモータ31の出力をV2に保持する(ステップS8)。なお、吸着ノズル12の先端部が高さZ1に到達していなくとも、ステップS6からボイスコイルモータ31の出力をV2に保持しておいてもよい。
以上により、電子部品Cが基板に搭載される際の吸着ノズル12の駆動制御が終了する。
(吸着ノズルの高速下降時)
図7のタイミングチャートに示すように、CPU110bによる駆動制御の下、ボイスコイルモータ31は、可動ブラケット14の高速下降の際の加速している間に出力を上昇させて、荷重アーム33による空気軸受け43への加圧力を増加させる。
図8のフローチャートに示すように、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させる開始タイミングになったか否かを判断する(ステップS21)。
CPU110bは、開始タイミングになったと判断した場合(ステップS21:Yes)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の押付開始指令から可動ブラケット14が加速を開始するまでの時間と可動ブラケット14の加速時間と余裕を考慮したマージン時間との合計時間t1を算出する(ステップS22)。
CPU110bは、合計時間t1の算出後、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加させる(ステップS23)。ここで、電流の増加量は、可動ブラケット14の加速度の大きさ、すなわち、上下動モータ21によるボールネジシャフト23の回転加速度に応じて決定される。具体的には、CPU110bは、可動ブラケット14の加速度の大きさに比例するように、ボイスコイルモータ31に流す電流量を増加させる。
次いで、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させる開始タイミングから合計時間t1経過したか否かを判断する(ステップS24)。
CPU110bは、開始タイミングから合計時間t1経過したと判断した場合(ステップS24:Yes)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加する前の電流値に戻す(ステップS25)。
図7のタイミングチャートに示すように、CPU110bによる駆動制御の下、ボイスコイルモータ31は、可動ブラケット14の高速上昇の際の減速している間に出力を上昇させて、荷重アーム33による空気軸受け43への加圧力を増加させる。
図9のフローチャートに示すように、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させる開始タイミングになったか否かを判断する(ステップS31)。
CPU110bは、開始タイミングになったと判断した場合(ステップS31:Yes)、CPU110bは、可動ブラケット14の減速時間と余裕を考慮したマージン時間との合計時間t2と、ボイスコイルモータ31の押付開始指令から可動ブラケット14が減速を開始するまでの時間t3とを算出する(ステップS32)。
次いで、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させる開始タイミングから時間t3経過したか否かを判断する(ステップS33)。
CPU110bは、開始タイミングから時間t3経過したと判断した場合(ステップS33:Yes)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加させる(ステップS34)。ここで、電流の増加量は、可動ブラケット14の減速度の大きさ、すなわち、上下動モータ21によるボールネジシャフト23の回転加速度に応じて決定される。具体的には、CPU110bは、可動ブラケット14の加速度の大きさに比例するように、ボイスコイルモータ31に流す電流量を増加させる。
次いで、CPU110bは、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させる開始タイミングから時間(t2+t3)経過したか、すなわち、時間t3の経過後、さらに時間t2経過したか否かを判断する(ステップS35)。
CPU110bは、開始タイミングから時間(t2+t3)経過したと判断した場合(ステップS35:Yes)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加する前の電流値に戻す(ステップS36)。
上記の部品実装装置100によれば、制御手段110は、上下動モータ21による可動ブラケット14の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみボイスコイルモータ31の出力を上昇させて、伝達機構39による空気軸受け34への加圧力を増加させる。
これにより、上下動モータ21の加減速による慣性力により伝達機構39が可動ブラケット14から離れて上下にばたつくときだけ加圧力を増加させることができるので、ばたつきを抑えることができると共に、ボイスコイルモータ31の発熱を抑え、省エネルギー化を実現することができる。
よって、部品搭載時の精度に悪影響を与えることがなく、発熱の影響により周囲の部品に影響を与えることもない。
また、発熱を抑えることができるので、定格出力の大きなボイスコイルモータにする必要もなく、装置の重量化、コストの高騰を抑えることができる。
また、ばたつきを抑えることにより、上下動モータ21による可動ブラケット14の昇降時の加減速度を大きくすることもできるようになる。
次に、部品実装装置の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させるタイミングをボイスコイルモータ31の押付開始指令に代えて、ロードセル15の検出値にしたものである。これは、通常、荷重アーム33を空気軸受け43に押し付けている場合、ロードセル15は一定の荷重値を検出しているが、可動ブラケット14を高速で下降させるために加速した場合、高速で上昇させるために減速した場合には、荷重アーム33に上方向の慣性力が作用するため、ロードセル15により検出される荷重値が増加する。この検出荷重の変化を設定した閾値と比較して閾値を超えた場合をトリガとしてボイスコイルモータ31の出力を上昇させる。なお、第1の実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、押付時間管理部68には、押付開始タイミングを検出するための押付開始タイミング検出部69が接続されている。従って、制御手段110、押付時間管理部68、押付開始タイミング検出部69を備えることにより、第2の制御手段が構成される。
押付開始タイミング検出部69においては、ロードセル15により検出された荷重が予め設定された閾値を超えているか否かを判断し、検出された荷重が閾値を超えたと判断した場合に、押付時間管理部68にその旨の信号が送信される。押付時間管理部68は、押付開始タイミング検出部69から信号を受信した時点からボイスコイルモータ31の出力を上昇させるよう制御手段110に信号を送信する。
第2の実施形態においても、ボイスコイルモータ31は、吸着ノズルの高速下降時、及び吸着ノズルによる電子部品吸着後の高速上昇時に出力を上昇する。なお、いずれもロードセル15による荷重の検出値が閾値を超えたか否かを判断する点で共通しているため、フローチャートは同じであることから、吸着ノズルの高速下降時について説明する。
図11のタイミングチャートに示すように、CPU110bによる駆動制御の下、ボイスコイルモータ31は、可動ブラケット14の高速下降の際の加速している間及び可動ブラケット14の高速上昇の際の減速している間に出力を上昇させて、荷重アーム33による空気軸受け43への加圧力を増加させる。
図12のフローチャートに示すように、可動ブラケット14の高速下降の際の加速している間を例に説明すると、CPU110bは、ロードセル15により検出した荷重値が閾値を超えたか否かを判断する(ステップS41)。
CPU110bは、ロードセル15により検出した荷重値が閾値を超えたと判断した場合(ステップS41:Yes)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加させる(ステップS42)。ここで、電流の増加量は、可動ブラケット14の減速度の大きさ、すなわち、上下動モータ21によるボールネジシャフト23の回転加速度に応じて決定される。具体的には、CPU110bは、可動ブラケット14の加速度の大きさに比例するように、ボイスコイルモータ31に流す電流量を増加させる。
次いで、CPU110bは、ロードセル15により検出した荷重値が閾値を超えているか否かを判断する(ステップS43)。
CPU110bは、ロードセル15により検出した荷重値が閾値を超えていないと判断した場合(ステップS43:No)、CPU110bは、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加する前の電流値に戻す(ステップS44)。
上記の部品実装装置100によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するのはもちろんのこと、ロードセル15により検出された荷重が所定の閾値を超えた場合に、制御手段110は、ボイスコイルモータ31の出力を上昇させて、伝達機構39による空気軸受け43への加圧力を増加させる。
これにより、ロードセル15により検出したことをトリガーとしてボイスコイルモータ31の制御をすればよいので、事前にボイスコイルモータ31の出力を上昇させるタイミングの計算処理等が不要となる。
<部品実装装置の構成>
次に、部品実装装置の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、荷重アーム33による空気軸受け43に対する加圧力の上昇を、制御手段110によるボイスコイルモータ31の出力の制御ではなく、ボイスコイルモータ31とは異なる駆動源で行う点である。従って、本実施形態においては、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、他の構成は同一符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、可動ブラケット14の上面には、ボイスコイルモータ31の出力軸31aの上端を下方に向けて押圧して、吸着ノズル12の電子部品Cに対して加圧力を加える補助加圧装置80が設けられている。補助加圧装置80は、例えば、エアシリンダにより構成され、ピストンロッドが伸縮することで、ボイスコイルモータ31の出力軸31aの上端を押圧する位置と離間する位置との間で移動可能となっている。
補助加圧装置80は、制御手段110により駆動が制御される。補助加圧装置80は、制御手段110による制御の下、上下動モータ21による可動ブラケット14の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ駆動し、ボイスコイルモータ31の出力軸31aの上端を押圧し、加圧力を増加させる。従って、制御手段110は、補助制御手段として機能する。
なお、補助加圧装置80によりボイスコイルモータ31の出力軸31aの上端を押圧するタイミング及び時間は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
この場合、可動ブラケットを一気に下降させる方法をとれば、部品の実装にかかる時間を短縮することができるし、一旦空気軸受け43で制止した後に補助加圧装置80を駆動させる場合には、吸着ノズル12が過剰に下降しすぎて部品が基板に衝突することを防止できる。
なお、補助加圧装置80は、ボイスコイルモータ31の出力軸31aの上端を押圧するものに限らず、図14に示すように、吸着ノズル12を支持するノズルシャフト41(ノズル軸)の上端を押圧するようにしても良い。
この場合、角度調節モータ51はノズルシャフト41の上方に設けることができないため、角度調節モータ51をスプラインナット53の側方の本体フレーム11に設け、プーリ51aとベルト51bで駆動を伝達するように構成するとよい。
また、図16に示すように、モータ等の駆動源に連結されたカム82を回転させることにより、ボイスコイルモータ31の出力軸31aやノズルシャフト41を押圧しても良い。
また、図17に示すように、エアシリンダ83のピストンロッド84(加圧駆動部)に永久磁石からなる第1の磁石85を設け、出力軸31a又はノズルシャフト41に永久磁石からなる第2の磁石86を設ける。このとき、第1の磁石85と第2の磁石86の同極が対向するように配置する。そして、エアシリンダを駆動させて、第1の磁石85を第2の磁石86に接近させることで両磁石の間に斥力を発生させ、この斥力により出力軸31a又はノズルシャフト41が下方に移動するようにしても良い。
また、図18に示すように、第1の磁石を電磁石87で構成し、電磁石87を駆動させて、第2の磁石86に接近させることで両磁石の間に斥力を発生させ、この斥力により出力軸31a又はノズルシャフト41が下方に移動するようにしても良い。
また、図19に示すように、モータ90の回転軸91にカム92を設け、このカム92に第1の磁石93を設け、出力軸31a又はノズルシャフト41に第2の磁石94を設ける。そして、モータ90を駆動させて、第1の磁石93を第2の磁石94に接近させることで両磁石の間に斥力を発生させ、この斥力により出力軸31a又はノズルシャフト41が下方に移動するようにしても良い。もちろん、両磁石は、互いに対向したときに同極が対向するように設けられている。
上記の部品実装装置100によれば、制御手段110は、上下動モータ21により可動ブラケット14が基準高さまで昇降する際に補助加圧装置80を駆動させて加圧力を増加させる。
これにより、上下動モータ21の加減速による慣性力により伝達機構39が可動ブラケット14から離れて上下にばたつくときだけ加圧力を増加させることができるので、ばたつきを抑えることができると共に、ボイスコイルモータ31の発熱を抑え、省エネルギー化を実現することができる。
また、補助加圧装置80を、ボイスコイルモータ31の出力軸31aを押圧するように構成することにより、ノズルシャフト41を、伝達機構39を介して間接的に押圧することができるので、押圧の際の衝撃等の余計な要因を排除した上でノズルシャフト41を押圧することができる。
また、磁石の斥力を利用してノズルシャフト41又は出力軸31a加圧することで、これらを直接押圧する場合と異なり、押圧時の衝突により過剰に下降しすぎることがない。
よって、安定した加圧を実現することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、荷重アーム33は下方に向かって当接し、ロードセル15は上方への荷重を検出するものとしたが、これらの上下方向が逆であってもよい。この場合には、ボイスコイルモータ31やロードセル15の出力値は正負が反転する。
また、ボイスコイルモータ31に流す電流を増加させる時間として、余裕を持ってマージン時間を取っているが、これは必ずしも必要ではなく、可動ブラケット14の加速又は減速が終了したことをトリガーとして電流値を元に戻すようにしてもよい。
12 吸着ノズル
14 可動ブラケット(移動体)
15 ロードセル(荷重検出手段)
21 上下動モータ(第1の駆動源)
31 ボイスコイルモータ(第2の駆動源)
33 荷重アーム(伝達機構)
36 ラジアル軸受け(伝達機構)
39 伝達機構
43 空気軸受け(ストッパ)
80 補助加圧装置
100 部品実装装置
110 制御手段、第2の制御手段、補助制御手段
C 電子部品
Claims (3)
- 筐体に昇降自在に支持された移動体と、
前記移動体を昇降させる駆動を出力する第1の駆動源と、
前記移動体に対して昇降自在に設けられ、先端部で部品を吸着する吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを昇降させて、前記吸着ノズルで吸着した部品を実装対象物に加圧して実装する際の駆動源となる第2の駆動源と、
前記第2の駆動源と前記吸着ノズルを連結し、前記第2の駆動源の駆動を前記吸着ノズルに伝達する伝達機構と、
前記移動体に設けられ、前記吸着ノズルの下降の際に所定の高さで前記伝達機構が当接して前記吸着ノズルの下降を制止するストッパと、を備え、前記吸着ノズルにより吸着した部品を実装対象物に実装する部品実装装置において、
前記第1の駆動源による前記移動体の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ前記第2の駆動源の出力を上昇させて、前記伝達機構による前記ストッパへの加圧力を増加させる制御手段を備えることを特徴とする部品実装装置。 - 前記吸着ノズルの部品に対する荷重を検出する荷重検出手段と、
前記荷重検出手段により検出された荷重が所定の閾値を超えた場合に、前記第2の駆動源の出力を上昇させて、前記伝達機構による前記ストッパへの加圧力を増加させる第2の制御手段と、を備え、
前記第2の制御手段は、前記第1の駆動源による前記移動体の加減速が終わって一定速度での昇降になったときに、前記第2の駆動源の出力を前記移動体の加減速前の出力に戻すことを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。 - 筐体に昇降自在に支持された移動体と、
前記移動体を昇降させる駆動を出力する第1の駆動源と、
前記移動体に対して昇降自在に設けられ、先端部で部品を吸着する吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを昇降させて、前記吸着ノズルで吸着した部品を実装対象物に加圧して実装する際の駆動源となる第2の駆動源と、
前記第2の駆動源と前記吸着ノズルを連結し、前記第2の駆動源の駆動を前記吸着ノズルに伝達する伝達機構と、
前記移動体に設けられ、前記吸着ノズルの下降の際に所定の高さで前記伝達機構が当接して前記吸着ノズルの下降を制止するストッパと、を備え、前記吸着ノズルにより吸着した部品を実装対象物に実装する部品実装装置において、
前記第2の駆動源と異なる駆動源で、前記吸着ノズルの部品に対する加圧力を加える補助加圧装置と、
前記第1の駆動源による前記移動体の下降時における加速中のみ又は上昇時における減速中のみ前記補助加圧装置を駆動させて、前記吸着ノズルの部品に対する加圧力を増加させる補助制御手段と、
を備えることを特徴とする部品実装装置。
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