JP2011103296A - 高分子電解質膜並びにその処理方法及び耐久性検査方法 - Google Patents

高分子電解質膜並びにその処理方法及び耐久性検査方法 Download PDF

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寛之 栗田
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伸 齋藤
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Abstract

【課題】高分子電解質膜の耐久性検査に要する時間を大幅に短縮することが可能な高分子電解質膜の処理方法を提供すること。
【解決手段】固体高分子形燃料電池10に使用される高分子電解質膜Mを処理対象とするものであり、水素極及び空気極とこれらの間に配置された高分子電解質膜Mとを備えた燃料電池を開回路で保持し、下記式(1)を満たす条件下で燃料電池を運転する。D−D>50℃・・・(1)式中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の電解質膜並びにその処理方法及び耐久性試験方法に関する。また本発明は、高分子電解質膜を備えた膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode assembly)及び燃料電池に関する。
現在、石油資源の枯渇が重大な問題となっており、さらに、化石燃料の消費による大気汚染や地球温暖化等の環境問題が深刻化している。このような状況にあって、二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目されて広範に開発されるとともに、一部では実用化され始めている。
自動車等に燃料電池を搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やすいことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が好適に用いられる。高分子電解質膜は、長時間の耐久性を求められ、特に家庭用燃料電池システムでは数万時間の耐久性が必要とされている。これまで、高分子電解質膜の耐久性検査方法としては、実作動条件での耐久性検査方法、開回路条件での耐久性検査方法などが用いられてきた(非特許文献1参照)。
中山浩ら、「燃料電池システムと評価技術」、表面技術、社団法人表面技術協会、2007年、Vol.58、No.3、p.146−152
しかしながら、前記実作動条件での耐久性検査は要求されている作動時間が数万時間であるため、耐久性検査をするのに時間を非常に要する。また、開回路条件での耐久性検査は前記実作動条件での耐久性検査よりも検査時間は短縮されているが、それでもなお数千時間の時間を要するといった問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、高分子電解質膜の耐久性検査に要する時間を大幅に短縮することが可能な高分子電解質膜の処理方法及びこれを利用した耐久性試験方法を提供することを目的とする。また本発明は、優れた耐久性を有する高分子電解質膜並びにこれを備えた膜電極接合体及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、高分子電解質膜の検査時間を大幅に短縮すべく、高分子電解質膜を劣化させる処理法について鋭意検討した。その結果、高分子電解質膜を備えた燃料電池を開回路で保持し、所定の条件下で起電力を生じさせると、膜が加速劣化することを見出し、以下の発明を完成させた。
すなわち本発明は、固体高分子形燃料電池に使用される高分子電解質膜の処理方法であって、水素極及び空気極とこれらの間に配置された高分子電解質膜とを備えた燃料電池を開回路で保持し、下記式(1)を満たす条件下で燃料電池を運転することを特徴とする処理方法を提供する。なお、ここでいう開回路は、燃料電池を負荷装置に接続し、設定電流を0Aにした状態も含む。
−D > 50℃ ・・・(1)
式中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
本発明に係る処理方法によれば、水素極側と空気極側にそれぞれ供給するガスの加湿条件に差を設けることで、高分子電解質膜が曝される環境を当該膜が加速劣化し得る条件とすることができる。
上記処理方法においては、高分子電解質膜をより短時間で劣化させる観点から、下記式(2)を更に満たす条件下で燃料電池を運転することが好ましい。
0 ≦ P−P < 0.1MPaG ・・・(2)
式中、Pは水素極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示し、Pは空気極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示す。なおMPaGは、ゲージ圧力を意味し、絶対圧力と大気圧の差である。
本発明は、固体高分子形燃料電池に使用される高分子電解質膜の耐久性を検査する方法であって、処理を施す前の高分子電解質膜の分子量を測定する工程と、上記処理方法によって高分子電解質膜を処理する処理工程と、この処理工程を経た高分子電解質膜の分子量を測定する工程とを備えることを特徴とする耐久性検査方法を提供する。この検査方法によれば、上記処理方法によって高分子電解質膜を処理することで、高分子電解質膜を加速劣化させることができ、従来と比較して極めて短時間(例えば100時間程度)で膜の化学耐久性を評価できる。この検査方法は、固体高分子形燃料電池に使用され、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを有するブロック共重合体を含む高分子電解質膜を検査対象とすることもできる。ブロック共重合体を検査対象とした場合、処理の前後において高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの分子量を測定することが好ましい。
本発明は、下記式(3)で表される分子量維持率が65%以上であることを特徴とする高分子電解質膜を提供する。
分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(3)
式(3)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜の平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜の平均分子量をそれぞれ示す。処理は当該高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(4)を満たす条件下で当該燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
−D > 50℃ ・・・(4)
式(4)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
また、本発明は、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを有するブロック共重合体を含有し、下記式(5)で表される分子量維持率が50%以上であることを特徴とする高分子電解質膜を提供する。
分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(5)
式(5)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量をそれぞれ示す。処理は当該高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(6)を満たす条件下で当該燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
−D > 50℃ ・・・(6)
式(6)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
上記処理は、圧力に関する下記式(7)を更に満たす条件下で燃料電池を運転するものであることが好ましい。
0 ≦ P−P < 0.1MPaG ・・・(7)
式中、Pは水素極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示し、Pは空気極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示す。
本発明は、上記高分子電解質膜と、これを挟むように配置された水素極及び空気極とを備える膜電極接合体を提供する。更に本発明は、当該膜電極接合体を備える燃料電池を提供する。
本発明によれば、高分子電解質膜の耐久性検査に要する時間を大幅に短縮することができる処理方法及びこれを利用した検査方法が提供される。また本発明によれば、優れた化学耐久性を有する高分子電解質膜並びにこれを備えた膜電極接合体及び燃料電池が提供される。
固体高分子形燃料電池の構成の一例を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<高分子電解質膜の検査方法>
本発明に係る検査方法は、固体高分子形燃料電池に使用される高分子電解質膜の化学耐久性を検査するためのものである。まず、検査すべき膜を用いて図1に示すような燃料電池(単セル)を組み立てる。図1に示す固体高分子形燃料電池10は、検査対象の高分子電解質膜Mと、膜Mの外側に配置された触媒層2A,2Cと、更にその外側に配置されたガス拡散層3A,3Cと、ガスをシールするためのガスケット5とを備える。なお、燃料電池10においては、水素極は触媒層2A及びガス拡散層3Aによって構成され、空気極は触媒層2C及びガス拡散層3Cによって構成される。また、膜電極接合体(MEA)は、高分子電解質膜M及び触媒層2A,2Cによって構成される。
上記検査方法においては、燃料電池10内の高分子電解質膜を加速劣化させ、劣化処理の前後で高分子電解質の分子量をそれぞれ測定する。これにより、分子量の変化量を化学耐久性の判断基準とすることができる。この検査方法においては、膜Mを短時間で劣化させるため、燃料電池10を開回路で保持し、下記式(1)を満たす条件下で運転する。
−D > 50℃ ・・・(1)
式中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
水素極ガスは、特に限定はなく水素を含むガスであれば良い。例えば、純水素ガス、あるいは、一酸化炭素、二酸化炭素又は硫黄化合物を含む水素混合ガスなどが挙げられる。空気極ガスとしては、通常、空気を使用するが、酸素富化空気などを使用してもよい。水素極及び空気極に上記のガスをそれぞれ供給することにより、以下の反応が生じる。
水素極:H⇔2H+2e
空気極:1/2O+2H+2e⇔H
ガス入口露点は、水素極ガス及び空気極ガスを加湿器に通すことで調整することが可能である。加湿器の種類としては、特に制限はなく、バブラー式、インジェクション式、シャワー式、分流式などが挙げられる。ガス露点は露点計で計測することが可能であり、本発明でいう露点は鏡面式露点計を用いて測定された値を意味する。
式(1)で示される通り、水素極ガス入口の露点Dと空気極ガス入口の露点Dとの差が50℃超である。この差が50℃以下であると、水素極から空気極への物質移動が少なくなり、検査時間の短縮が不十分となる傾向にある。検査時間を更に短縮する観点から、上記露点の差は、好ましくは55℃超、より好ましくは60℃超となるように調整する。
水素極ガス及び空気極ガスの圧力条件に関し、燃料電池の運転条件は下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(12)を満たすことがより好ましい。
0 ≦ P−P < 0.1MPaG ・・・(2)
0 ≦ P−P < 0.08MPaG ・・・(12)
式中、Pは水素極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示し、Pは空気極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示す。水素極ガス出口背圧Pと空気極ガス出口背圧Pとの差ΔPが0以上であると、高分子電解質膜がより短時間で劣化する傾向にある。なお、水素極ガス及び空気極ガスの出口背圧は、背圧弁等を用いて制御することができ、通常、0〜0.3MPaGに制御される。
上記検査方法によれば、水素極側と空気極側にそれぞれ供給するガスの加湿条件及び必要に応じて圧力条件に差を設けることで、膜Mが曝される環境を膜Mが加速劣化し得る条件とすることができる。このため、100時間程度の処理時間で膜Mの化学耐久性を評価することが可能である。
<高分子電解質膜>
高分子電解質膜は、プロトン伝導性を示す高分子電解質からなる。高分子電解質の具体例として、フッ素系高分子電解質及び炭化水素系高分子電解質が挙げられる。高分子電解質は、通常、酸性又は塩基性のイオン交換基を有する。イオン交換基は酸性であることが好ましく、酸性のイオン交換基を有する高分子電解質を用いることにより、一層発電性能に優れた燃料電池が得られる。酸性のイオン交換基としては、例えば、スルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、ホスホン基(−P(O)(OH))、ヒドロキシホスホリル基(−P(O)(OH)−)、スルホニルイミド基(−SONHSO−)、フェノール性水酸基が挙げられる。これらの中でも、酸性のイオン交換基としては、スルホ基又はホスホン基がより好ましく、スルホ基が特に好ましい。
炭化水素系高分子電解質の代表例としては、以下の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)が挙げられる。
(A)脂肪族炭化水素からなる分子鎖と、該分子鎖に結合しているスルホ基及び/又はホスホン基とを有する炭化水素系高分子電解質
(B)芳香族基を有し酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい分子鎖と、該分子鎖に結合しているスルホ基及び/又はホスホン基とを有する炭化水素系高分子電解質
(C)脂肪族炭化水素からなる繰返し単位とシロキサン基及びフォスファゼン基などの無機の繰返し単位とを有する重合体からなる分子鎖と、該分子鎖に結合しているスルホ基及び/又はホスホン基とを有する炭化水素系高分子電解質
(D)脂肪族炭化水素からなる分子鎖、芳香族基を有しヘテロ原子を有していてもよい分子鎖、並びに脂肪族炭化水素からなる繰返し単位と無機の繰返し単位とを有する重合体からなる分子鎖から選ばれる2種以上の分子鎖を含む主鎖と、該主鎖に結合しているスルホ基及び/又はホスホン基とを有する炭化水素系高分子電解質
(E)窒素原子を含む主鎖又は側鎖と、該主鎖又は側鎖に対してイオン結合により導入された硫酸及びリン酸等の酸性化合物とを有する炭化水素系高分子電解質
上記(A)の炭化水素系高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、及びポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸が挙げられる。
上記(B)の炭化水素系高分子電解質としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリイミド、ポリ((4−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド及びポリフェニルキノキサレンから選ばれる単独重合体にスルホ基が導入されたもの、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982号公報参照)、及びホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)(例えば、J.Appl.Polym.Sci.,18,1969(1974)参照)が挙げられる。
上記(C)の炭化水素系高分子電解質としては、例えば、文献(Polymer Prep.,41,No.1,70(2000))に記載されたポリフォスファゼンにスルホ基が導入されたものが挙げられる。(C)の炭化水素系高分子電解質は、ホスホン基を有するポリシロキサンに準じて容易に製造することができる。
上記(D)の炭化水素系高分子電解質の主鎖は、ランダム共重合体であってもよいし、交互共重合体又はブロック共重合体であってもよい。ランダム共重合体にスルホ基が導入されたものとしては、例えば、特開平11−116679号公報に記載の、スルホン化ポリエーテルスルホン重合体が挙げられる。
上記(E)の炭化水素系高分子電解質としては、例えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン酸を含有するポリベンズイミダゾールが挙げられる。
本発明に係る高分子電解質膜は優れた化学耐久性を有する。当該高分子電解質膜は、下記式(3)で表される分子量維持率が65%以上、好ましくは70%以上である。なお、該高分子電解質膜は共重合体を含有することが好ましい。また、高分子電解質膜の平均分子量は重量平均分子量が好ましい。
分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(3)
式(3)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜の平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜の平均分子量をそれぞれ示す。処理は、当該高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(4)を満たす条件下で当該燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
−D > 50℃ ・・・(4)
式(4)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
高分子電解質の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)法にて測定される。高分子電解質の重量平均分子量は劣化が進行するにつれて減少するため、重量平均分子量を処理前後で測定し、分子量維持率を確認することにより、高分子電解質膜の耐久性を判断することが可能である。
上記高分子電解質膜に含まれる共重合体は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体が好ましい。なお、本発明において、「ブロック共重合体」とは、化学的に性質の異なる2種以上のポリマーが共有結合でつながり、長い連鎖になった分子構造のものをいう。ブロック共重合体としては、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを含有するものが好ましい。
本発明に係る高分子電解質膜は以下の態様のものであってもよい。すなわち、本発明に係る高分子電解質膜は、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを含むブロック共重合体を含有するものであり、下記式(5)で表される分子量維持率が50%以上、好ましくは55%以上である。この高分子電解質膜は優れた化学耐久性を有する。
分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(5)
式(5)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量をそれぞれ示す。処理は、高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(4)を満たす条件下で燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
−D > 50℃ ・・・(4)
式(4)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。
イオン交換基を有するブロックの平均分子量はポリスチレン換算数平均分子量が好ましい。この平均分子量の測定方法としては、例えば、特開2008−031452号公報に記載の公知の方法を用いることができる。上記式(5)で表される分子量維持率が50%以上の分子電解質膜は優れた化学耐久性を有すると評価できる。分子量維持率が50%未満の分子電解質膜は化学耐久性が不十分であり、長期使用により機械強度が低下するため好ましくない。
なお、本発明において、「イオン交換基を有する」とは、イオン交換基が繰り返し単位1個あたりで平均0.5個以上含まれているブロックであることを意味し、繰り返し単位1個あたりで平均1.0個以上ふくまれているとより好ましい。一方、ブロックが「イオン交換基を有しない」または「イオン交換基を実質的に有しない」とは、イオン交換基が繰り返し単位1個あたりで平均0.5個未満であるブロックであることを意味し、繰り返し単位1個あたりで平均0.1個以下であるとより好ましく、平均0.05個以下であるとさらに好ましい。
上記式(5)で表される分子量維持率50%以上を達成し得る高分子電解質の具体的な態様について詳細に説明する。優れた化学耐久性を有する高分子電解質として、下記式(1)で表されるブロックを、イオン交換基を有するブロックとして有するブロック共重合体が挙げられる。さらに、式(1)で表されるブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを含有するブロック共重合体であってもよい。共重合ブロックの場合、式(1)で表されるブロックの含有率は、50モル%〜100モル%が好ましく、70モル%〜100モル%であると燃料電池用の高分子電解質として、プロトン伝導度が十分であるので特に好ましい。
Figure 2011103296

(式中、mは5以上の整数を表し、Ar1は2価の芳香族基を表し、ここで2価の芳香族基は、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基を置換基として有していてもよい。)
式(1)におけるmは5以上の整数を表し、5〜1000の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜1000であり、特に好ましくは20〜500である。mの値が5以上であると、燃料電池用の高分子電解質として、プロトン伝導度が十分であるので好ましい。mの値が1000以下であれば、製造がより容易であるので好ましい。
また、イオン交換基を有するブロックが他の繰返し構造との共重合ブロックの場合、該共重合ブロックの中に、上記式(1)で表されるブロックを含むものである。
上記式(1)におけるArは、2価の芳香族基を表す。該2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル基、キノキサリンジイル基、チオフェンジイル基等の2価の芳香族複素環基等が挙げられる。好ましくは2価の単環性芳香族基である。
式(1)におけるArは、イオン交換基を有するものであり、主鎖を構成する芳香環に少なくとも一つのイオン交換基が直接結合したものであることが好ましい。ここで、「主鎖」とは、ポリマーを形成する最も長い鎖のことをいう。この鎖は共有結合により相互に結合した炭素原子から構成されていて、その際、この鎖は、窒素原子、硫黄原子等により中断されていてもよい。
また、Ar1は、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基で置換されていても良い。
ここで、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の炭素数1〜20のアルキル基、及びこれらの基が有する水素原子の少なくとも1個が、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等からなる群から選ばれる置換基に置換され、その総炭素数が20以下であるアルキル基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、イコシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、及びこれらの基が有する水素原子の少なくとも1個が、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等からなる群から選ばれる置換基に置換され、その総炭素数が20以下であるアルコキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等のアリール基、及びこれらの基が有する水素原子の少なくとも1個が、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が置換され、その総炭素数が20以下であるアリール基等からなる群から選ばれる置換基に挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、アントラセニルオキシ基等のアリールオキシ基、及びこれらの基が有する水素原子の少なくとも1個が、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等からなる群から選ばれる置換基に置換され、その総炭素数が20以下であるアリールオキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20のアシル基、及びこれらの基が有する水素原子の少なくとも1個が、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等からなる群から選ばれる置換基に置換され、その総炭素数が20以下であるアシル基が挙げられる。
Ar1は、主鎖を構成する芳香環に少なくとも一つのイオン交換基を有する。イオン交換基としては、酸基が通常使用される。該酸基としては、弱酸、強酸、超強酸等の酸基が挙げられるが、強酸基、超強酸基が好ましい。酸基の例としては、例えば、ホスホン基、カルボン酸基等の弱酸基;スルホ基、スルホンイミド基(−SO−NH−SO−R。ここでRはアルキル基、アリール基等の一価の置換基を表す。)等の強酸基が挙げられ、中でも、強酸基であるスルホ基、スルホンイミド基が好ましく使用される。また、フッ素原子等の電子吸引性基で該芳香環および/またはスルホンイミド基の置換基(−R)上の水素原子を置換することにより、フッ素原子等の電子吸引性基の効果で前記の強酸基を超強酸基として機能させることも好ましい。
これらのイオン交換基は、部分的にあるいは全てが、金属イオンや4級アンモニウムイオンなどで交換されて塩を形成していても良いが、燃料電池用高分子電解質膜などとして使用する際には、実質的に全てが遊離酸の状態であることが好ましい。
上記式(1)で示される構造単位の好ましい例としては、下記式(3)で表される構造単位が挙げられる。このような、構造単位を有するブロックは、後述する該ブロックの製造において、市場から容易に入手できる原料を用いることができるため、好ましい。
Figure 2011103296

(式中、mは前記と同等の定義である。Rは、同一あるいは異なり、R1は、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基から選ばれる置換基を表す。pは0以上3以下の整数である。)
ここで、Rは上記Arの置換基として例示した、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアシル基から選ばれ、後述の重合反応において、その反応を阻害しない基である。その置換基の数pは、0または1であると好ましく、特に好ましくはpが0、すなわち置換基を有しない繰返し単位である。
次に、本発明で用いられる共重合体におけるイオン交換基を実質的に有しないブロックについて説明する。
該イオン交換基を実質的に有しないブロックとして、下記式(2)で表される構造単位を含むブロックが好ましい。
Figure 2011103296

(式中、a、b、cは互いに独立に0か1を表し、nは5以上の整数を表す。Ar、Ar、Ar、Arは互いに独立に2価の芳香族基を表し、ここでこれらの2価の芳香族基は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基を置換基として有していてもよい。X、X’は、互いに独立に直接結合または2価の基を表す。Y、Y’は、互いに独立に酸素原子または硫黄原子を表す。)
ここで、式(2)におけるa、b、cは互いに独立に0か1を表す。nは5以上の整数を表し、5〜200であると好ましい。nの値が小さいと、成膜性や膜強度が不十分であったり、耐久性が不十分であったりするなどの問題が生じやすくなるため、nは10以上であると特に好ましい。また、nを5以上、好ましくは10以上とするには、式(2)のブロックにおけるポリスチレン換算数平均分子量で表して、2000以上、好ましくは3000以上であると充分である。
また、式(2)におけるAr、Ar、Ar、Arは、互いに独立に2価の芳香族基を表す。2価の芳香族基としてはArに例示したものと同様のものが挙げられる。
また、Ar、Ar、Arは、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜200のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基で、置換されていても良く、これらは、上記のAr1において例示したものと同様のものが挙げられる。
上記式(2)におけるY、Y’は、互いに独立に酸素原子または硫黄原子を表す。また、式(2)におけるX、X’は、互いに独立に直接結合または2価の基を表すものであるが、中でも、カルボニル基、スルホニル基、2,2−イソプロピリデン基、2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン基または9,9−フルオレンジイル基であると好ましい。
上記式(2)で表される構造単位の好ましい代表例としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、nは上記式(2)と同等の定義である。
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
本発明で用いられる共重合体のイオン交換基を有するブロックのイオン交換基導入量は、イオン交換容量で表して、2.5meq/g〜10.0meq/gが好ましく、さらに好ましくは5.5meq/g〜9.0meq/gであり、特に好ましくは5.5meq/g〜7.0meq/gである。イオン交換容量が2.5meq/g以上であると、イオン交換性同士が密接に隣接することとなり、ブロック共重合体としたときのプロトン伝導性がより高くなるので好ましい。一方、イオン交換基導入量を示すイオン交換容量が10.0meq/g以下であると、製造がより容易であるので好ましい。
また、ブロック共重合体全体のイオン交換基の導入量は、イオン交換容量で表して、0.5meq/g〜7.0meq/gが好ましく、さらに好ましくは1.0meq/g〜6.0meq/gである。イオン交換容量が0.5meq/g以上であると、プロトン伝導性がより高くなり、燃料電池用の高分子電解質としての機能がより優れるので好ましい。一方、イオン交換基導入量を示すイオン交換容量が7.0meq/g以下であると、耐水性がより良好となるので好ましい。
また、本発明で用いられる共重合体は、分子量が、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して、5000〜1000000であることが好ましく、中でも15000〜400000であることが特に好ましい。
次に、本発明の、好適なブロック共重合体の製造方法について説明する。
該ブロック共重合体における、好適なイオン交換基を有するブロックは、上記式(1)に表されるブロックであり、Ar1における主鎖を構成する芳香環に結合するイオン交換基の導入方法は、予めイオン交換基を有するモノマーを重合する方法であっても、予めイオン交換基を有しないモノマーからブロックを製造した後に、該ブロックにイオン交換基を導入する方法であってもよい。
イオン交換基を有するモノマーを用いて、本発明で用いられる共重合体の製造を行う方法としては、例えば、ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下記式(7)で示されるモノマーと、下記式(6)で示されるイオン交換基を実質的に有しないブロックの前駆体を縮合反応により重合することにより製造し得る。
Q−Ar1−Q (7)
(式中、Ar1は上記式(1)と同等の定義である。Qは、縮合反応時に脱離する基を表し、2つのQは同一であっても異なっていても良い。)
Figure 2011103296

(式中、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、a、b、c、n、X、X’、Y、Y’、Qは前記と同等の定義である。)
上記式(7)で示されるモノマーは、好ましいイオン交換基であるスルホ基で例示すると、2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸、3,3’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、3,3’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、3,3’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨードビフェニル−3,3’−ジスルホン酸、5,5’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、5,5’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、5,5’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
また、他のイオン交換基の場合は、上記に例示したモノマーのスルホ基を、カルボン酸基、ホスホン基等のイオン交換基に置き換えて、選択することができ、これら他のイオン交換基を有するモノマーも市場から容易に入手できるか、公知の製造方法を用いて、製造することが可能である。
さらに上記に例示するモノマーのイオン交換基が塩の形でもよく、特に、イオン交換基が塩の形であるモノマーを用いることが、重合反応性の観点から好ましい。塩の形としては、アルカリ金属塩が好ましく、特に、Li塩、Na塩、K塩の形が好ましい。
上記の式(6)、式(7)に示すQは、縮合反応時に脱離する基を表すが、その具体例としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
また、イオン交換基の導入を重合後に行い、本発明で用いられる共重合体の製造を行う方法として、例えば、ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下記式(8)で示される化合物と、上記式(6)で示されるイオン交換基を実質的に有しないブロックの前駆体を縮合反応により重合し、その後、公知の方法に準じてイオン交換性基を導入することにより製造し得る。
Q−Ar6−Q (8)
(式中、Ar6はイオン交換基を導入することで、上記式(1)のAr1となりえる2価の芳香族基を表し、Qは上記式(7)と同等の定義である)
ここで、Ar6は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または炭素数2〜20のアシル基で置換されていても良いが、Ar6は少なくともひとつのイオン交換基を導入可能な構造を有する、2価の芳香族基である。該2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、1,6−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル基、キノキサリンジイル基、チオフェンジイル基等の複素環基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基としては、上記のAr1における置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
Ar6におけるイオン交換基を導入可能な構造としては、芳香環に直接結合している水素原子を有しているか、イオン交換基に変換可能な置換基を有していることを示す。イオン交換基に変換可能な置換基としては、重合反応を阻害しない限り特に制限はないが、例えば、メルカプト基、メチル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、ブロモ基等が挙げられる。
イオン交換基の導入方法としてスルホ基の導入方法を例として挙げると、重合して得られたブロック共重合体を濃硫酸に溶解あるいは分散することにより、あるいは有機溶媒に少なくとも部分的に溶解させた後、濃硫酸、クロロ硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄などを作用させることにより、水素原子をスルホ基に変換する方法を挙げることができる。これらのモノマーの代表例としては、例えば1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−アセトキシベンゼン、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジブロモビフェニル、4,4’−ジヨードビフェニル、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメトキシビフェニル等が挙げられる。
また、上記式(8)で示されるモノマーがメルカプト基を有すると、重合反応終了時にメルカプト基を有するブロックを得ることができ、該メルカプト基を、酸化反応によりスルホ基に変換することができる。このようなモノマーの代表例としては2,4−ジクロロベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2,4−ジブロモベンゼンチオール、2,5−ジブロモベンゼンチオール、3,5−ジブロモベンゼンチオール、2,4−ジヨードロベンゼンチオール、2,5−ジヨードベンゼンチオール、3,5−ジヨードベンゼンチオール、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゼンジチオール、3,5−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、4,6−ジクロロ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジブロモ−1,4−ベンゼンジチオール、3,5−ジブロモ−1,2−ベンゼンジチオール、3,6−ジブロモ−1,2−ベンゼンジチオール、4,6−ジブロモ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジヨード−1,4−ベンゼンジチオール、3,5−ジヨード−1,2−ベンゼンジチオール、3,6−ジヨード−1,2−ベンゼンジチオール、4,6−ジヨード−1,3−ベンゼンジチオール等が挙げられ、さらに上記に例示するモノマーのメルカプト基が保護されたモノマー等が挙げられる。
次に、カルボン酸基の導入方法を例として挙げると、酸化反応により、メチル基、ホルミル基をカルボン酸基に変換する方法や、ブロモ基をMgの作用により−MgBrとした後、二酸化炭素を作用させカルボン酸基に変換する等の公知の方法が挙げられる。ここで、メチル基を有する代表的なモノマーとしては、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン等が挙げられる。
ホスホン基の導入方法を例として挙げると、ブロモ基を、塩化ニッケルなどのニッケル化合物の共存下、亜リン酸トリアルキルを作用させてホスホン酸ジエステル基とした後、これを加水分解してホスホン基に変換する方法や、ルイス酸触媒の共存下、三塩化リンや五塩化リンなどを用いてC−P結合を形成させ、続いて必要に応じ酸化及び加水分解してホスホン基に変換する方法とする方法、高温でリン酸無水物を作用させ、水素原子をホスホン基に変換する方法等の公知の方法が挙げられる。
スルホンイミド基の導入方法を例として挙げると、縮合反応、置換反応等により、前述のスルホ基をスルホンイミド基に変換する方法等の公知の方法が挙げられる。
ここで、Qは、縮合反応時に脱離する基であり、上記式(6)、式(7)で例示したものと同等である。
また、上記式(6)で表される前駆体の好適な代表例としては、下記に例示するモノマーが挙げられる。これらの例示の中で、Qは上記と同等の定義である。
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296

かかる例示の化合物は、市場から容易に入手できるか、市場から容易に入手できる原料を用いて製造することが可能であり、例えば、上記(6a)で示される末端に脱離基Qを有するポリエーテルスルホンは、例えば住友化学(株)製スミカエクセルPES等の市販品を入手することも可能であり、これを式(6)で示される前駆体として用いることもできる。また、nは上記と同等の定義であり、これらの化合物のポリスチレン換算数平均分子量で2000〜150000、好ましくは3000〜60000であるものが選択される。
縮合反応による重合は、例えば遷移金属錯体の共存下に実施される。
上記遷移金属錯体は遷移金属にハロゲンや後述の配位子が配位したものであり、後述の配位子を少なくとも一つ有するものが好ましい。遷移金属錯体は市販品でも別途合成したもの何れを用いてもよい。
遷移金属錯体の合成方法は、例えば遷移金属塩や遷移金属酸化物と配位子とを反応させる方法等の公知の方法が挙げられる。合成した遷移金属錯体は、取り出して使用してもよいし、取り出すことなく、in situで使用してもよい。
配位子としては、例えばアセテート、アセチルアセトナート、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパンなどが挙げられる。
遷移金属錯体としては、例えばニッケル錯体、パラジウム錯体、白金錯体、銅錯体等が挙げられる。これら遷移金属錯体の中でもゼロ価ニッケル錯体、ゼロ価パラジウム錯体のようなゼロ価遷移金属錯体が好ましく用いられ、ゼロ価ニッケル錯体がより好ましく用いられる。
ゼロ価ニッケル錯体としては、例えばビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが挙げられ、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、安価という観点から好ましく使用される。
ゼロ価パラジウム錯体としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。
これらゼロ価遷移金属錯体は、上記のように合成して用いてもよいし、市販品として入手できるものを用いてもよい。
ゼロ価遷移金属錯体の合成方法は例えば、遷移金属化合物を亜鉛やマグネシウムなどの還元剤でゼロ価とする方法等の公知の方法が挙げられる。合成したゼロ価遷移金属錯体は、取り出して使用してもよいし、取り出すことなくin situで使用してもよい。
還元剤により、遷移金属化合物からゼロ価遷移金属錯体を発生させる場合、使用される遷移金属化合物としては、通常、2価の遷移金属化合物が用いられるが0価のものを用いることもできる。なかでも2価ニッケル化合物、2価パラジウム化合物が好ましい。2価ニッケル化合物としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセテート、ニッケルアセチルアセトナート、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)などが挙げられ、2価パラジウム化合物としては塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、パラジウムアセテートなどが挙げられる。
還元剤としては、亜鉛、マグネシウム、水素化ナトリウム、ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニウムヒドリドなどが挙げられる。必要に応じて、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化トリメチルアンモニウム、ヨウ化トリエチルアンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等を併用することもできる。
上記遷移金属錯体を用いた縮合反応の際、重合体の収率向上の観点から、用いた遷移金属錯体の配位子となりうる化合物を添加することが好ましい。添加する化合物は使用した遷移金属錯体の配位子と同じであっても異なっていてもよい。
該配位子となりうる化合物の例としては、前述の、配位子として例示した化合物等が挙げられ、汎用性、安価、縮合剤の反応性、重合体の収率、重合体の高分子量化の点でトリフェニルホスフィン、2,2’−ビピリジルが好ましい。特に、2,2’−ビピリジルは、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)と組合せると重合体の収率向上や、重合体の高分子量化が図れるので、この組合せが好ましく使用される。配位子の添加量は、ゼロ価遷移金属錯体に対して、通常、遷移金属原子基準で、0.2〜10モル倍程度、好ましくは1〜5モル倍程度使用される。
ゼロ価遷移金属錯体の使用量は、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物と上記式(6)で示される前駆体の総モル量に対して、0.1モル倍以上である。使用量が過少であると分子量が小さくなる傾向があるので、好ましくは1.5モル倍以上、より好ましくは1.8モル倍以上、より一層好ましくは2.1モル倍以上である。使用量の上限は特に制限はないが、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、5.0モル倍以下であることが好ましい。
なお、還元剤を用いて遷移金属化合物からゼロ価遷移金属錯体を合成する場合、生成するゼロ価遷移金属錯体が上記範囲となるように設定すればよく、例えば、遷移金属化合物の量を、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物と上記式(6)で示される前駆体の総モル量に対して、0.01モル倍以上、好ましくは0.03モル倍以上とすればよい。使用量の上限は限定的ではないが、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、5.0モル倍以下であることが好ましい。また、還元剤の使用量は、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物と上記式(6)で示される前駆体との総モル量に対して、例えば、0.5モル倍以上、好ましくは1.0モル倍以上とすればよい。使用量の上限は限定的ではないが、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、10モル倍以下であることが好ましい。
また反応温度は、通常0〜250℃の範囲であるが、生成する高分子の分子量をより高くするためには、ゼロ価遷移金属錯体と上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物と、上記式(6)で示される前駆体とを45℃以上の温度で混合させることが好ましい。好ましい混合温度は通常45℃〜200℃であり、とりわけ好ましくは50℃〜100℃程度である。ゼロ価遷移金属錯体、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物並びに上記式(6)で示される前駆体とを混合させた後、通常45℃〜200℃程度、好ましくは50℃〜100℃程度で反応させる。反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
またゼロ価遷移金属錯体と、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物並びに上記式(6)で示される前駆体とを混合する方法は、一方をもう一方に加える方法であっても、両者を反応容器に同時に加える方法であっても良い。加えるに当っては、一挙に加えても良いが、発熱を考慮して少量ずつ加えることが好ましいし、溶媒の共存下に加えることも好ましい。
これらの縮合反応は、通常、溶媒存在下に実施される。かかる溶媒としては、例えばN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒。トルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン、n−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒。テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメルカプトエタン、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒。酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル系溶媒。クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒などが例示される。なお、括弧内の表記は溶媒の略号を示すものであり、後述する表記において、この略号を用いることもある。
生成する高分子の分子量をより高くするためには、高分子が十分に溶解していることが望ましいので、高分子に対する良溶媒であるテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、DMF、DMAc、NMP、DMSO、トルエン等が好ましい。これらは2種以上を混合して用いることもできる。なかでもDMF、DMAc、NMP、DMSO、及びこれら2種以上の混合物が好ましく用いられる。
溶媒量は、特に限定されないが、あまりにも低濃度では、生成した高分子化合物を回収しにくくなることもあり、また、あまりにも高濃度では、攪拌が困難になることがあることから、溶媒、上記式(7)で示される化合物および/または上記式(8)で示される化合物と上記式(6)で示される前駆体との総量を100重量%としたとき、溶媒量が好ましくは99.95〜50重量%、より好ましくは99.9〜75重量%となるような溶媒量が好ましく使用される。
かくして本発明で用いられる共重合体が得られるが、生成したブロック共重合体の反応混合物からの取り出しは、常法が適用できる。例えば、貧溶媒を加える等してポリマーを析出させ、濾別等により目的物を取り出すことができる。また必要に応じて、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿等の、通常の精製方法により精製することもできる。また、生成したブロック共重合体のスルホ基が塩の形である場合、燃料電池に係る部材として使用するために、スルホ基を遊離酸の形にすることが好ましく、遊離酸への変換は、通常酸性溶液での洗浄により可能である。使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、好ましくは塩酸である。
本発明で用いられる共重合体の代表例を上記式(3)で示した好適なイオン交換基を有するブロックで例示すると、以下の構造が挙げられる。
Figure 2011103296
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Figure 2011103296
Figure 2011103296
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また、本発明で用いられる共重合体の好適な実施形態として、上記イオン交換基を有するブロックが、下記式(4)で示される構造単位を有するブロックであると、上記式(3)に示すブロックを効率よく製造することが可能であるため、好ましい。
Figure 2011103296

(式中、R2は、同一あるいは異なり、R2は、フッ素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基または置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基から選ばれる置換基を表す。m2は3以上の整数であり、p1、p2はそれぞれ0以上3以下の整数である。)
上記式(4)で表される構造単位を、イオン交換基を有するブロックとして含み、さらに上記式(2)で表される構造単位を、イオン交換基を実質的に有しないブロックとして含むブロック共重合体は、上記のように、プロトン伝導度の湿度依存性が小さく、吸水時の寸法安定性が小さいことに加えて、後述のように高分子量体を得やすく、燃料電池に係る部材として好適な高分子電解質となりうる。
上記のような、好ましいイオン交換基を有するブロックを含むブロック共重合体の製造方法としては、下記式(5)で表される化合物と、上記式(6)で表される化合物とを、共重合することによって達成できる。
Figure 2011103296

(式中、R、p1、p2は上記式(4)と同等の定義であり、Qは脱離基を示す。)
上記式(5)で示される化合物は、後述の重合方法によって容易に高分子量化することが可能であり、このようにスルホ基を有するブロックを高分子量化することで、容易に実用的なイオン交換容量を有するブロック共重合体を得ることができる。
また、Rはベンゼン核にある置換基であり、後述する縮合反応による重合において、それを阻害しない基であることが好ましく、前記Ar1の置換基として例示した基と同様のものが挙げられる。
ここで、式(5)で表される化合物の代表例としては、上記式(7)で例示した化合物の中でも、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨードビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメチルビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジブロモ−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジヨード−3,3’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられ、さらに上記に例示する化合物のイオン交換基が塩の形でもよく、特に、イオン交換基が塩の形である化合物を用いることが、重合反応性の観点から好ましい。塩の形としては、アルカリ金属塩が好ましく、特に、Li塩、Na塩、K塩の形が好ましい。
このように式(5)で表される化合物は、そのベンゼン核に置換基を有していてもよいが、その置換基数p1、p2は0または1が好ましく、該置換基数が0、すなわち置換基R2を有しないと、より好ましい。
上記式(5)で示される化合物と、上記式(6)で表される化合物との縮合は、上記縮合反応条件において示した溶媒および溶媒量、反応温度並びに反応時間については、「式(7)で示される化合物および/または式(8)で示される化合物」を、「式(5)で表される化合物」に置き換えることで、同等の条件が例示できるが、とりわけ上記式(5)で示される化合物に係る縮合反応に用いられる触媒としては、ニッケル錯体が好ましく、該ニッケル錯体としては、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル錯体、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、沃化ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル錯体が例示され、好ましくはニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)と塩化ニッケルが例示される。特に、2価ニッケル錯体を、亜鉛を還元剤として共存させることが、好ましい。
ニッケル錯体に、さらに中性配位子を共存させることが好ましく、かかる配位子としては、例えば、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子などが例示され、2,2’−ビピリジルが特に好ましい。
上記ニッケル錯体の使用量は、通常、上記式(5)で示される化合物および式(6)で示される前駆体の総和に対して1〜5モル倍程度、好ましくは1.5〜3.5モル倍程度使用される。また配位子を使用する場合は、通常、ニッケル錯体に対して0.2〜2モル倍程度、好ましくは1〜1.5モル倍程度使用される。
上記の製造方法により、上記式(4)で表されるブロックを有する、ブロック共重合体を得ることができるが、該製造方法において得られるブロック共重合体のスルホ基が塩の形である場合、燃料電池に係る部材として使用するために、スルホ基を遊離酸の形にすることが好ましく、遊離酸への変換は、通常酸性溶液での洗浄により可能である。使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、好ましくは塩酸である。
このようにして得られるブロック共重合体のイオン交換基を有するブロックのイオン交換基導入量は、イオン交換容量で表して、2.5meq/g〜10.0meq/gが好ましく、さらに好ましくは5.5meq/g〜9.0meq/gであり、特に好ましくは5.5meq/g〜7.0meq/gである。
また、ブロック共重合体全体のイオン交換基の導入量は、イオン交換容量で表して、0.5meq/g〜7.0meq/gが好ましく、さらに好ましくは1.0meq/g〜6.0meq/gである。
上述する方法によって、式(4)で表される構造単位を、イオン交換基を有するブロックとして含むブロック共重合体を得ることが可能であり、該ブロック共重合体を具体的に例示すると、下記の共重合体が挙げられる。
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296
Figure 2011103296

これらに例示されるブロック共重合体は、上記式(4)で表されるブロックを、イオン交換基を有するブロックとして含むものである。
上記に例示した本発明で用いられる共重合体に係る製造方法としては、上記式(7)および/または式(5)で表される化合物を縮合せしめて、下記式(10)で表される化合物を製造してから、この化合物を上記式(6)で表される化合物と縮合させることでも得ることができる。
Figure 2011103296

(式中、Ar1、Qは上記式(7)と同等の定義であり、R、p1、p2は上記式(4)と同等の定義であり、m3、m4は独立して1以上の整数を表わすが、m3+m4は5以上の整数である)
上記式(10)で表される化合物において、式(7)で表される化合物の一部または全部を、上記式(8)で表される化合物(上記式(10)のAr1の一部または全部がAr)に置き換えてもよく、その場合はAr6を上記と同様にして、Ar1に変換することにより、式(10)で表される化合物を得ることができる。それを上記式(6)で表される化合物と縮合させることにより、本発明で用いられる共重合体を得ることができる。
このように、上記式(7)で表される化合物と、上記式(5)および/または式(6)で表される化合物から、式(10)で示されるイオン交換基を有するブロックの前駆体を得る場合、その共重合比をコントロールしてもよい。
上記に示す、本発明で用いられる共重合体は、いずれも燃料電池用の部材として好適に用いることができる。
次に、該ブロック共重合体を燃料電池等の電気化学デバイスのプロトン伝導膜として使用する場合について説明する。
この場合は、本発明で用いられる共重合体は、通常、膜の形態で使用されるが、膜へ転化する方法に特に制限はなく、例えば溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく使用される。
具体的には、本発明で用いられる共重合体を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、ポリアリーレン系高分子が溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、DMF、DMAc、NMP、DMSO等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、DMSO、DMF、DMAc、NMP等がポリマーの溶解性が高く好ましい。
膜の厚みは、特に制限はないが10〜300μmが好ましい。膜厚が10μm以上の膜では実用的な強度がより優れるため好ましく、300μm以下の膜では膜抵抗が小さくなり、電気化学デバイスの特性がより向上する傾向にあるので好ましい。膜厚は、溶液の濃度および基板上への塗布厚により制御できる。
また、膜の各種物性改良を目的として、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等を本発明で用いられる共重合体に添加することができる。また、同一溶剤に混合共キャストする等の方法により、他のポリマーを本発明の共重合体と複合アロイ化することも可能である。
さらに燃料電池用途では他に水管理を容易にするために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として添加することも知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。また、膜の機械的強度の向上等を目的として、電子線・放射線等を照射して架橋することもできる。
また、本発明で用いられる共重合体を有効成分とする高分子電解質を用いたプロトン伝導膜の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために、本発明で用いられる共重合体を有効成分とする高分子電解質を多孔質基材に含浸させ複合化することにより、複合膜とすることも可能である。複合化方法は公知の方法を使用し得る。
多孔質基材としては、上述の使用目的を満たすものであれば特に制限は無く、例えば多孔質膜、織布、不織布、フィブリル等が挙げられ、その形状や材質によらず用いることができる。多孔質基材の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を考慮すると、脂肪族系、芳香族系高分子、または含フッ素高分子が好ましい。
本発明で用いられる共重合体を用いた高分子電解質複合膜を固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜として使用する場合、多孔質基材の膜厚は、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmであり、多孔質基材の孔径は、好ましくは0.01〜100μm、さらに好ましくは0.02〜10μmであり、多孔質基材の空隙率は、好ましくは20〜98%、さらに好ましくは40〜95%である。
多孔質基材の膜厚が1μm以上であると、複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果がより優れ、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しにくくなる。また、該膜厚が100μm以下であると、電気抵抗がより低くなり、得られた複合膜が固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜として、より優れたものとなる。該孔径が0.01μm以上であると、本発明で用いられる共重合体の充填がより容易となり、100μm以下であると、ブロック共重合体への補強効果がより大きくなる。空隙率が20%以上であると、プロトン伝導膜としての抵抗がより小さくなり、98%以下であると、多孔質基材自体の強度がより大きくなり補強効果がより向上するので好ましい。
また、該高分子電解質複合膜と、上記高分子電解質膜とを積層して燃料電池のプロトン伝導膜として用いることもできる。
(高分子電解質および高分子電解質膜の分子量の測定)
重量平均分子量および数平均分子量の測定にはGPCを用いた。すなわち、高分子電解質の重量平均分子量および数平均分子量の測定は、臭化リチウムを10mmol/dmになるように添加したN,N−ジメチルホルムアミド8mLに高分子電解質4mgを溶解し、GPC測定によって実施した。さらに、試験前後の高分子電解質膜の重量平均分子量の測定は、臭化リチウムを10mmol/dmになるように添加したN,N−ジメチルホルムアミド8mLに高分子電解質膜4mgを溶解し、GPC測定によって実施した。
[GPC分析条件]
カラム:TSKGEL GMHHR−M (東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド
(臭化リチウムを10mmol/dmになるように添加)
溶媒流量:0.5mL/min
検出:示差屈折率
分子量標準試料:ポリスチレン
(高分子電解質1の合成)
国際公開番号WO2007/043274パンフレットの実施例7及び実施例21記載の方法を参考にして、スミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製)を使用して合成した、下記
Figure 2011103296

で示される繰り返し単位からなる、スルホ基を有するブロックと、下記
Figure 2011103296

で示される、イオン交換基を実質的に有しないブロックを有する高分子電解質1(イオン交換容量=2.7meq/g、Mw=342000、Mn=162000)を得た。
(高分子電解質膜1の作製)
高分子電解質1をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が10wt%の溶液を調製した。得られた溶液を、支持基材(東洋紡績社製PETフィルム、E5000グレード厚さ100μm)を用いて製膜した。この膜を2N硫酸に2時間浸漬後、再度イオン交換水で水洗せしめて、更に風乾することで、厚さ30μmの高分子電解質膜1を作製した。
(高分子電解質2の合成)
アルゴン雰囲気下、フラスコに無水臭化ニッケル7.69g(35.2mmol)、2,2’−ビピリジル5.49g(35.2mmol)N−メチルピロリドン460gを加え、65℃に昇温してニッケル含有溶液を調製した。
フラスコに、亜鉛粉末17.2g(263.8mmol)、特開2007−270118号公報の実施例1記載の方法により合成した、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)100.0g(175.9mmol)、N−メチルピロリドン898g、下記式(C−1)で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=44,000、Mn=26,000:上記分析条件で測定)56.73gを加え50℃に調整した。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、メタンスルホン酸/N−メチルピロリドン溶液(重量比1/66の混合溶液)13.52gを加え、40℃で3時間撹拌した。これに、前記ニッケル含有溶液を注ぎ込み、20℃で12時間重合反応を行い、黒色の重合溶液を得た。
Figure 2011103296

得られた重合反応液100重量部にトルエン200重量部、メチルエチルケトン160重量部、19重量%塩酸30重量部を加え80℃で1時間撹拌した。その後、30分静置したところ、分液し、上層は白色懸濁液、下層は薄青色透明液となった。水層を分離後、得られた有機層を減圧下、濃縮し、トルエンとメチルエチルケトンを留去後、N−メチルピロリドンを加えて、10重量%のポリアリーレンを含むN−メチルピロリドン溶液を得た。
次に、以下のようにしてスルホン酸前駆基をスルホ基に変換した。
上記N−メチルピロリドン溶液100重量部に、19重量%塩酸を5重量部加えて、120℃で24h加熱し、脱保護反応を行った。得られた反応マスをアセトンに注ぎ込みポリアリーレンを析出させて、液を分離後、析出したポリアリーレンをアセトン洗浄(1回)、13重量%塩酸洗浄(1回)、93℃の熱水洗浄(5回)、メタノール洗浄(4回)した。得られたポリマーを乾燥することにより下記式
Figure 2011103296

で示される繰り返し単位からなる、スルホ基を有するブロックと、下記
Figure 2011103296

で示される、イオン交換基を実質的に有しないブロックを有する高分子電解質2を得た。
GPC分子量: Mn=173000、Mw=346000
IEC: 2.8meq/g
(高分子電解質膜2の作製)
高分子電解質2をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が10wt%の溶液を調製した。得られた溶液を、支持基材(東洋紡績社製社製PETフィルム、E5000グレード厚さ100μm)を用いて、厚さ30μmの高分子電解質膜を作製した。この膜を2N硫酸に2時間浸漬後、再度イオン交換水で水洗せしめて、更に風乾することで、高分子電解質膜2を作製した。
(高分子電解質3の合成)
国際公開2007/043274号パンフレットの実施例7、実施例21記載の方法を参考にして、スミカエクセルPES 5200P(住友化学株式会社製)を使用して合成した、下記
Figure 2011103296

で示される繰り返し単位からなる、スルホ基を有するブロックと、下記
Figure 2011103296

で示される、イオン交換基を実質的に有しないブロックとを有する高分子電解質3(イオン交換容量=2.5meq/g、Mw=340000、Mn=160000)を得た。
(高分子電解質膜3の作製)
前記高分子電解質3を、DMSOに約10重量%の濃度となるように溶解させて、高分子電解質溶液3を調製した。次いで、この高分子電解質溶液3をガラス板上に滴下した。それから、ワイヤーコーターを用いて高分子電解質溶液3をガラス板上に均一に塗り広げた。この際、0.5mmクリアランスのワイヤーコーターを用いて塗工厚みをコントロールした。塗布後、高分子電解質溶液3を80℃で常圧乾燥した。それから、得られた膜を1mol/Lの塩酸に浸漬した後、十分なイオン交換水で洗浄し、さらに常温乾燥することによって厚さ20μmの高分子電解質膜3を得た。
(添加剤の調製)
溶媒としてジフェニルスルホンを用い、炭酸カリウムの存在下、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを4:6:10のモル比にて反応させることにより、下記化学式で表されるランダム共重合体を調製した。なお、式中、括弧に付した数字は、各繰り返し単位のモル比を示す。次いで、この共重合体に対して、特開2003−282096号公報に記載の方法に準じてブロモ化及びホスホン酸エステル化処理を行った後、更に加水分解することにより、ビフェノール構造を含むユニット1つに対してブロモ基を約0.2個、ホスホン基(−P(O)(OH)で表される基)を約1.7個含む構造を有する添加剤を得た。
Figure 2011103296
(高分子電解質膜4の作製)
上記で得られた高分子電解質3と添加剤を重量比で9:1に混合したものを、DMSOに約15wt%の濃度となるように溶解させて、高分子電解質溶液を調製した。次いで、この高分子電解質溶液をガラス板上に滴下した。それから、ワイヤーコーターを用いて高分子電解質溶液をガラス板上に均一に塗り広げた。この際、ワイヤーコーターのクリアランスを変えることで、塗工厚みをコントロールした。塗布後、高分子電解質溶液を80℃で常圧乾燥した。それから、得られた膜を1mol/Lの塩酸に浸漬した後、イオン交換水で洗浄し、さらに常温乾燥することによって厚さ30μmの高分子電解質膜4を得た。
<実施例1>
(MEAの作製)
高分子電解質膜1の片面の中央部における5cm×5cmの領域に、スプレー法にて触媒インクを塗布した。この際、吐出口から膜までの距離は6cm、ステージ温度は75℃に設定した。同様にして重ね塗りをした後、溶媒を除去してアノード触媒層を形成させた。アノード触媒層として39.5mgの固形分(白金目付け:0.6mg/cm)が塗布された。続いて、もう一方の面に同様に触媒インクを塗布して、カソード触媒層を形成させて、MEAを得た。カソード触媒層として39.5mgの固形分(白金目付け:0.6mg/cm)が塗布された。
(燃料電池セルの組み立て)
市販のJARI標準セルを用いて上記で得られたMEAの両外側に、ガス拡散層としてカーボンクロスと、ガス通路用の溝を切削加工したカーボン製セパレータを配し、さらにその外側に集電体及びエンドプレートを順に配置し、これらをボルトで締め付けることによって、有効電極面積25cmの燃料電池セルを組み立てた。
(耐久性評価試験)
燃料電池セルの温度を95℃、水素極ガス入口露点を95℃、空気極ガス入口露点を25℃、水素ガス流量を70mL/min、空気流量を174mL/min、水素極ガス出口背圧を0.1MPaG、空気極ガス出口背圧を0.05MPaGとし、約100時間、開回路で保持した。
(高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの重量平均分子量の測定)
当該燃料電池セルから膜−電極接合体を取り出してエタノール/水の混合溶液(エタノール含有量:90質量%)に投入し、さらに超音波処理することでアノード触媒層及びカソード触媒層を取り除いた。試験前後における高分子電解質膜4mgに対し、テトラメチルアンモニウム水酸化物の25質量%メタノール溶液を10μL準備した。このメタノール溶液中に高分子電解質膜を浸漬して、100℃で2時間反応させた。放冷後、得られた反応液の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
なお、GPCの測定条件は下記の通りとした。
・カラム種類(本数):TOSOH社製、TSKgel GMHHHR−M(1本)
・カラム温度:40℃
・移動相溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(LiBrの濃度が10mmol/dm3になるようにLiBrを添加)
・溶媒流量:0.5mL/分
耐久試験前に対する耐久試験後の高分子電解質膜の重量平均分子量の維持率は表1に示す通りであった。この維持率が高いほど、高分子電解質膜の劣化が小さいことを意味する。
<実施例2>
高分子電解質膜1を高分子電解質膜2に変更した以外は実施例1と同様にした。
<参考例1>
高分子電解質膜1を高分子電解質膜3に変更した以外は実施例1と同様にした。
<参考例2>
高分子電解質膜1を高分子電解質膜4に変更した以外は実施例1と同様にした。
Figure 2011103296
<実施例3>
燃料電池セル温度を80℃、水素極ガス入口露点を80℃にした以外は、実施例2と同様にした。
<実施例4>
水素極ガス出口背圧を0MPaG、空気極ガス出口背圧を0MPaGとした以外は、実施例3と同様にした。
表2に実施例3,4の結果(耐久試験前に対する耐久試験後の高分子電解質膜の重量平均分子量の維持率)を示す。
Figure 2011103296
M…高分子電解質膜、2A,2C…触媒層、3A,3C…ガス拡散層、5…ガスケット、10…固体高分子形燃料電池。

Claims (9)

  1. 固体高分子形燃料電池に使用される高分子電解質膜の処理方法であって、
    水素極及び空気極とこれらの間に配置された高分子電解質膜とを備えた燃料電池を開回路で保持し、下記式(1)を満たす条件下で前記燃料電池を運転することを特徴とする処理方法。
    −D > 50℃ ・・・(1)
    [式中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。]
  2. 下記式(2)を更に満たす条件下で前記燃料電池を運転することを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
    0 ≦ P−P < 0.1MPaG ・・・(2)
    [式中、Pは水素極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示し、Pは空気極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示す。]
  3. 固体高分子形燃料電池に使用される高分子電解質膜の耐久性を検査する方法であって、
    処理を施す前の高分子電解質膜の分子量を測定する工程と、
    請求項1又は2に記載の処理方法によって高分子電解質膜を処理する処理工程と、
    前記処理工程を経た高分子電解質膜の分子量を測定する工程と、
    を備えることを特徴とする耐久性検査方法。
  4. 固体高分子形燃料電池に使用され、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを有するブロック共重合体を含む高分子電解質膜の耐久性を検査する方法であって、
    処理を施す前の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの分子量を測定する工程と、
    請求項1又は2に記載の処理方法によって高分子電解質膜を処理する処理工程と、
    前記処理工程を経た高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの分子量を測定する工程と、
    を備えることを特徴とする耐久性検査方法。
  5. 下記式(3)で表される分子量維持率が65%以上であることを特徴とする高分子電解質膜。
    分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(3)
    [式(3)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜の平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜の平均分子量をそれぞれ示し、
    処理は、当該高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(4)を満たす条件下で当該燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
    −D > 50℃ ・・・(4)
    式(4)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。]
  6. イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとを有するブロック共重合体を含有し、下記式(5)で表される分子量維持率が50%以上であることを特徴とする高分子電解質膜。
    分子量維持率(%)=M/M×100 ・・・(5)
    [式(5)中、Mは高分子電解質膜に対して下記処理を実施する前の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量を、Mは当該処理を実施した後の高分子電解質膜のイオン交換基を有するブロックの平均分子量をそれぞれ示し、
    処理は、当該高分子電解質膜が水素極と空気極との間に配置された燃料電池を開回路で保持し、下記式(6)を満たす条件下で当該燃料電池を90〜120時間にわたって運転するものである。
    −D > 50℃ ・・・(6)
    式(6)中、Dは水素極ガス入口の露点(単位:℃)を示し、Dは空気極ガス入口の露点(単位:℃)を示す。]
  7. 前記処理は、下記式(7)を更に満たす条件下で前記燃料電池を運転するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の高分子電解質膜。
    0 ≦ P−P < 0.1MPaG ・・・(7)
    [式中、Pは水素極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示し、Pは空気極ガス出口背圧(単位:MPaG)を示す。]
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の高分子電解質膜と、これを挟むように配置された水素極及び空気極とを備える膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体を備える燃料電池。
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