JP2011103283A - Led電球用放熱部材 - Google Patents

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伸之 武藤
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峰生 浅野
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Abstract

【課題】放熱性能に優れ、構造が簡単で、生産性に優れ、コストの低いLED電球用放熱部材を提供すること。
【解決手段】LED素子を内蔵してなるLED電球における放熱部材1である。放熱部材1は、アルミニウム合金板を略円錐形にプレス成形することによって形成されている。アルミニウム合金板は、該アルミニウム合金板よりなる基板の両面又は片面に放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜21をプレコートしたプレコートアルミニウム合金板よりなることが好ましい。合成樹脂塗膜21は、放熱性物質として、酸化チタン、カーボン、シリカ、酸化ジルコニウムの1種または2種以上を含有していることが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、LED(発光ダイオード)素子を内蔵してなるLED電球における放熱部材に関する。
LEDの高性能化に伴い、LEDを光源としたランプ(LEDランプ)を次世代の照明装置として用いることが検討さている。LEDランプとしては、様々な形態が考えられるが、広く一般家庭に普及している白熱電球に置き換え可能な電球型のLEDランプ(以下、LED電球という)が特に注目されている。
LED電球は、従来の白熱電球に比べ、消費電力が約1/8、寿命は約40倍の性能を発揮するため、今般の地球温暖化防止思想を背景とした省エネルギー要求に合致する優れた物品といえる。
一方、LED素子は、一般に、温度上昇に従って光り出力が低下し、また、環境温度が高い方が、低い場合よりも光出力の経時的低下が大きく寿命が短い。そのため、LED電球においては、そのボディに放熱部材を設け、LED素子から生じる熱の放熱を促進する試みがなされている。これまで提案されたものとしては、例えば、特許文献1〜5の構成がある。
特許文献1は、ラッパ状金属放熱部を有するものである。特許文献2は、放射状に放熱フィンを形成した放熱部を有している。特許文献3、4は、軸方向に重ねた放熱フィン構造の放熱部を有している。特許文献5は、基体の外周囲を覆う放熱部を設けた構成が示されている。
特開2001−243809号公報 特開2005−93097号公報 特開2005−166578号公報 特開2008−186758号公報 特開2008−311002号公報
しかしながら、上述した特許文献1のラッパ状金属放熱部では必ずしも十分な放熱効果が得られない。また、特許文献2〜5に記載の放熱部は、複数の部品を組み合わせた複雑な構造であるか、あるいは、アルミニウム等の鋳物あるいはダイキャスト品を用いたものであって、生産性が低く、重量が重く、コストも高いものとなっている。
最近、実用化されたLED電球としては、放熱翼を持った形状のアルミニウムの鋳物を放熱部に用いたものがあるが、価格は従来の白熱電球の数十倍程度に設定されており、その低価格化が課題となっている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、放熱性能に優れ、構造が簡単で、生産性に優れ、コストの低いLED電球用放熱部材を提供し、ひいては、高性能で安価なLED電球の実現を図ることができるLED電球用放熱部材を提供しようとするものである。
本発明は、LED素子を内蔵してなるLED電球における放熱部材であって、
該放熱部材は、プレコートアルミニウム合金板を略円錐形にプレス成形することによって形成されており、
上記プレコートアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板よりなる基板の両面又は片面に放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜をプレコートしたプレコートアルミニウム合金板であることを特徴とするLED電球用放熱部材にある(請求項1)。
本発明のLED電球用放熱部材は、上記のごとく、アルミニウム合金板を素材として構成されている。アルミニウム合金板は、鋳物やダイキャスト品と異なり、連続ラインを用いて大量に効率よく製造することができる。
また、本発明においては、アルミニウム合金板よりなる基板の両面又は片面に放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜をプレコートした上記プレコートアルミニウム合金板を採用する。
上記プレコートアルミニウム合金板は、合成樹脂塗膜の塗装についても連続ラインを用いて大量に効率よく実施することができる。また。プレコートアルミニウム合金板のプレス成形は、これまでの確立した技術を組み合わせることによって、容易に行うことができ、大量生産を前提にすれば、非常に効率よく安価に加工することができる。
また、上記放熱部材は、上記プレコートアルミニウム合金板をプレス成形することによって略円錐形に成形することにより作製してある。上記プレコートアルミニウム合金板のプレス成形は容易に行うことができ、大量生産を前提にすれば、非常に効率よく安価に加工することができる。
また、上記プレコートアルミニウム合金板は、その表面に、上記放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜を有している。そのため、プレコートアルミニウム合金板は、素材そのままの状態よりも放熱性を大きく向上させた表面を有するものとなっている。そして、この合成樹脂塗膜を表面に備えたまま略円錐形に成形して得られた放熱部材は、さらに放熱特性の優れたものとなる。
このように、本発明のLED電球用放熱部材は、放熱性能に優れ、構造が簡単で、生産性に優れ、コストの低いものとなる。それ故、本発明の放熱部材を用いれば、高性能で安価なLED電球の実現を図ることができる。
実施例1における、プレコートアルミニウム合金板の構造を示す説明図。 実施例1における、放熱部材の成形方法を示す説明図。 実施例1における、放熱部材の側面図。 実施例1における、放熱部材の底面図。 実施例1における、放熱部材の断面図(図3のA−A線矢視断面図)。 実施例1における、蓋体の平面図(上面図)(a)及び底面図(下面図)(b)。 実施例1における、蓋体の断面図(図7(a)のB−B線矢視断面図)。 実施例1における、LED電球を示す説明図。
本明細書中における「アルミニウム合金」は、アルミニウムを主体とする金属及び合金の総称であり、純アルミニウム及びアルミニウム合金を含む概念である。
本発明のLED電球用放熱部材は、略円錐形を呈する。かかる形状としては、例えば断面が略円形の筒状であって、その開口部となる両末端のうち一方が他方よりも小さな径よりなる形状がある。即ち、大径の開口部と小径の開口部とを両末端にそれぞれ有する筒状体等がある。この場合には、筒状体の外周側面にはテーパ部(傾斜部)が形成され、全体としては上述のように略円錐形を呈する。なお、ここでいう径の大小は両末端の開口部を相対的に比較したときの大小であって、一方が他方より大きいか小さいかを示すにすぎず、絶対的な大きさを示すものではない。ただし、かかる放熱部材1と、電球頭部の光を放出するガラス又は樹脂製の半球状のカバー部(半球ドーム85)と、底部の口金部86とを含めた電球80の全体の形状は、既存の電球規格の輪郭形状内に収まる大きさであることが好ましく(図8参照)、その範囲内においては、放熱部材は様々な形状を呈することができる。
本発明において、上記LED電球用放熱部材は、プレコートアルミニウム合金板を略円錐形にプレス成形することによって形成されている。
本出願までに使用されているLED電球用放熱部材は、主に鋳造(ダイキャスト)で製造されており、意匠性や放射による放熱性を持たせるために、一般的には、後塗装(ポストコート)やアルマイト(登録商標)が行われている。具体的には、束ねた部品を塗料に浸漬して塗装するバッチ処理、又は一つずつの部品に塗料を吹き付けるスプレイコート等によって行われる。しかし、このような方法は、塗料の付着効率が低く、コストが高くなるという問題がある。
したがって、本願発明のように、板材のプレス成形品が今後実用化されると予想されるが、一般的なアルミニウム材料においては、プレス成形後の材料表面にゆず肌(オレンジビール)が発生するおそれがある。このようなゆず肌は、例え塗膜が付着した状態においても表面性状の点で問題になる可能性が高い。特に、円錐状のような単純な平滑面を有する形状の放熱部材においては、表面性状の問題が顕在化する。
したがって、上記アルミニウム合金板の平均結晶粒径は100μm以下であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、略円錐状のような単純形状において顕在化するゆず肌(オレンジピール)を抑制することができる。その結果、熱放射の方向を放熱面の法線方向にすることができ、外部への熱放射効率を向上させることができると共に、放熱面で暖められた空気がより滑らかに上部へと流れ、自然対流伝熱の効率を向上させることができる。また、この場合には、合成樹脂塗膜を形成する際に下地の影響を軽減することができる。
平均結晶粒径が100μmを超える場合には、ゆず肌が発生し易くなる。
上記アルミニウム合金板の平均結晶粒径は、アルミニウム合金板の製造条件における均質化処理温度、均質化処理の時間、熱間圧延温度、熱間圧延時の圧下率、冷間圧延時の圧下率、中間焼鈍温度、中間焼鈍の時間、最終焼鈍温度、及び最終焼鈍の時間等を調整することにより制御することができる。
上記LED電球用放熱部材の外周側面は、平滑であることが好ましい。即ち、外周側面は凹凸を有していないことが好ましい。素材の粗さでは、平均粗さ(Ra)で0.5μm以下、最大粗さ(Rmax)で5μm以下が好ましい。
この場合には、上記LED電球用放熱部材の構造が簡単になり、その生産性をより向上させることができる。また、金型にかかるコストを削減できるため、経済的に有利となる。
また、本発明において、上記プレコートアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板よりなる基板の両面又は片面に放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜をプレコートしてなる。放熱性をより向上できるという観点からは、基材の両面に合成樹脂塗膜がプレコートされていることが好ましい。
上記プレコートアルミニウム合金板における上記合成樹脂塗膜は、所望の厚みに応じて一層塗り、多層塗りを選択できる。また、放熱性が確保できる限り、必要に応じて、他の種類の合成樹脂塗膜を重ね塗りすることも可能であり、顔料等を含有させることにより多様な意匠性を持たせることも可能である。ある程度、表面積を確保し熱放射効果を上げたり、意匠性の自由度を持たせたい場合には、素材にショットブラスト等を施すことにより、素材の表面を粗くしたり、塗膜に樹脂ビーズなどを含有させることにより塗膜自体の表面粗さを粗くすることも可能である。
本発明のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、上記放熱性物質として、酸化チタン、カーボン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムの1種または2種以上を含有していることが好ましい(請求項3)。これにより、容易に上記合成樹脂塗膜の放熱性を高めることができる。
上記合成樹脂塗膜の放熱性の特性としては、赤外線の積分放射率によって評価することができる。本発明では、赤外線の積分放射率が70%以上となるように調整することが好ましい。これによって、安定した放熱特性が得られる。
赤外線の積分放射率は、FT−IRによって試料と理想黒体の赤外線放射量を比較することにより測定することができる。
また、上記合成樹脂塗膜は、数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂を主成分とするベース樹脂を含有する合成樹脂系塗料を用いており、上記ベース樹脂100重量部に対して、50〜200重量部の平均粒径0.1〜100μmの酸化チタン、1〜25重量部の平均粒径1nm〜500nmのカーボン、50〜200重量部のシリカ、50〜200重量部のアルミナ、及び50〜200重量部の酸化ジルコニウムから選ばれる1種あるいは2種以上を含有することが好ましい(請求項4)。
すなわち、上記合成樹脂塗膜としては、そのベース樹脂として、数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂を主成分として含有するものを用いることが好ましい。この合成樹脂の数平均分子量が5000未満の場合には、塗膜が硬くなり、成形性が悪くなるという問題があり、一方、40000を超える場合には、塗膜が軟らかすぎて耐傷付き性が低下するという問題がある。
なお、上記数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂としては、ポリエステルを適用することが好ましい。
また、上記合成樹脂塗膜に酸化チタンを含有させる場合には、その平均粒径を0.1〜100μmの範囲にすることが好ましい。酸化チタンの平均粒径が0.1μm未満の場合には、赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、100μmを超える場合には、酸化チタンの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜に酸化チタンを含有させる場合の含有量は、上記ベース樹脂100重量部に対して、50〜200重量部とすることが好ましい。酸化チタンの含有量が50重量部未満の場合には、赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、200重量部を超える場合には、酸化チタンの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜にカーボンを含有させる場合には、粒径が1nm〜500nmの微粉末を用いることが好ましい。また、上記合成樹脂塗膜にカーボンを含有させる場合の含有量は、1〜25重量部であることが好ましい。カーボンの含有量が1重量部未満の場合には赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、25重量部を超える場合には、カーボンの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜にシリカを含有させる場合の含有量は、50〜200重量部であることが好ましい。シリカの含有量が50重量部未満の場合には、赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、200重量部を超える場合には、シリカの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜にアルミナを含有させる場合の含有量は、50〜200重量部であることが好ましい。アルミナの含有量が50重量部未満の場合には、赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、200重量部を超える場合には、アルミナの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜に酸化ジルコニウムを含有させる場合の含有量は、50〜200重量部であることが好ましい。酸化ジルコニウムの含有量が50重量部未満の場合には、赤外線積分反射率が低下するという問題があり、一方、200重量部を超える場合には、酸化ジルコニウムの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜の膜厚は、0.5〜100μmであることが好ましい。膜厚が0.5μm未満の場合には、赤外線積分放射率が低下するという問題があり、一方、100μmを超える場合にはコストが増大するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜は、平均粒径0.3〜100μmのNi球状フィラー、あるいは0.2〜5μmの厚さで2〜50μmの長径を有する鱗片状のNiフィラーの少なくとも一方を含有しており、これら両者の合計含有量は、上記ベース樹脂100重量部に対して1〜1000重量部であることが好ましい(請求項5)。
上記Ni球状フィラーの平均粒径が0.3μm未満では熱伝導率が低下するという問題があり、一方、100μmを超える場合には、Ni球状フィラーの塗膜からの脱落量が増加するという問題がある。
また、上記燐片状Niフィラーの厚みが0.2μm未満の場合には熱伝導率が低下するという問題があり、一方、5μmを超える場合にはコストが増大するという問題がある。また、燐片状Niフィラーの長径が2μm未満の場合には導電性が低下するという問題があり、一方、50μmを超える場合には鱗片状Niフィラーの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
そして、これら両者のNiフィラー(Ni球状フィラーと鱗片状Niフィラー)の合計含有量(一方のみの含有の場合も含む)は、上記ベース樹脂100重量部に対して1〜1000重量部であることが好ましい。この含有量が1重量部未満の場合には熱伝導率が不足し、一方、1000重量部を超える場合にはNiフィラーの塗膜からの脱落数が増加するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜は、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部のラノリン、カルナバ、ポリエチレンの1種あるいは2種のインナーワックスを含有していることが好ましい(請求項6)。これにより、耐傷付き性向上効果を得ることができると共に、加工性をも向上させることができる。
上記インナーワックスの含有量が、ベース樹脂100重量部に対し0.05重量部未満の場合には耐傷つき性が低下するという問題があり、一方、3重量部を超える場合にはブロッキングが発生するという問題がある。
また、上記合成樹脂塗膜は、上記基板の表面に形成された塗布型あるいは反応型のクロメートまたはノンクロメート層の上層に形成されていることが好ましい(請求項7)。この場合には、アルミニウム合金板と上記プレコート層との密着性を向上させることができ、加工性、耐久性等を高めることができる。
本発明の実施例にかかるLED電球用放熱部材につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例のLED電球用放熱部材1は、図8に示すごとく、LED素子8を内蔵してなるLED電球80における放熱部材である。
本例では、複数種類の放熱部材1を作製し、その特性を評価した。
本発明の実施例としての放熱部材1は、図2〜図5に示すごとく、プレコートアルミニウム合金板2を略円錐形にプレス成形することによって形成されている。放熱部材1の外周側面10は平滑であり、成形による形成された凹凸等を有していない。プレコートアルミニウム合金板2は、図1に示すごとく、アルミニウム合金板よりなる基板20の両面に放熱性物質215を含有した合成樹脂塗膜21をプレコートして形成されている。合成樹脂塗膜21は、Niフィラー(図示略)を含有することもできる。本例において、合成樹脂塗膜21は、基板20の表面に形成された化成被膜22を介して形成されている。
本例においては、複数種類のプレコートアルミニウム合金板を用いて複数の放熱部材(試料1〜30)を作製してその特性を評価する。
以下、上記放熱部材1の製造工程に準じて詳説する。
<プレコートアルミニウム合金板>
図1に示すごとく、放熱部材1用のプレコートアルミニウム合金板2を作製する。
基板20としては、材質−質別が5N01−O材、サイズが1.5mm厚×100mm幅×100mm長さのアルミニウム合金板を準備した。
次に、基板20の両面をアルカリ系脱脂剤で脱脂した後、基板20をリン酸クロメート浴に浸漬し、化成処理を行った。得られた化成被膜(リン酸クロメート皮膜)22は、皮膜中のCr含有量として20±5mg/m2の範囲内とした。
次に、化成被膜22を形成した基板20の両面のそれぞれの面に、塗料を塗布して合成樹脂塗膜21を形成した。塗装はバーコーターを用いて行い、合成樹脂塗膜2の膜厚は30μmとした。また、合成樹脂塗膜2の焼き付け硬化条件は、表面温度が230℃になるように240℃のオーブン中に60秒保持する条件とした。各試料における合成樹脂塗膜2が含有する成分を後述の表1及び表2に示す。
<アルミニウム合金板>
また、本例においては、比較用として、合成樹脂被膜を形成していないアルミニウム合金板を準備した。
かかるアルミニウム合金板としては、材質−質別が5N01−O材、サイズが1.5mm厚×100mm幅×100mm長さのものを準備し、その両面をアルカリ系脱脂剤で脱脂した状態のものを採用した。
<プレス成形>
次に、図2に示すごとく、プレコートアルミニウム合金板2又はアルミニウム合金板20に複数回のプレス成形を施す。
まず、図2(a)(b)に示すごとく、平板状のプレコートアルミニウム合金板2又はアルミニウム合金板20に絞り加工を加え、略円錐状の形状にの中間体151に成形する。このとき、中間体151の小径先端部には底部材158が存在したままであり、大径後端部の周囲には成形した部分の周囲が余白部分159として残存したままである。
次に、図2(b)(c)に示すごとく、略円錐形状の中間体151の小径部先端部の底部材158を切除すると共に、大径後端部の周囲の余白部分159を切除する。
得られた放熱部材1は、図3に示すごとく、円錐形状の本体部分の前後にストレート部18、19を有する形状を呈している。図3、図5に示すごとく、大径部分の外径D1は約53mm、小径D2は約25mm、全長Lは約45mmとした。
<試料>
上記プレコートアルミニウム合金板2を素材として用いて図3〜図5の状態まで加工した本発明の実施例を試料1〜試料30とし、合成樹脂塗膜を施していない無塗装の上記アルミニウム合金板20を素材として用いて図3〜図5の状態まで加工した比較例を試料31として準備した。
<評価>
評価は、図8に示すごとく、各試料(試料1〜試料31)を放熱部材として用いて作製したLED電球80を用いて行った。LED電球80は、同図に示すごとく、アルミニウム合金板をプレス成形して作製した蓋体3(図6、図7(a)及び(b))と放熱部材1とを組み合わせ、蓋体3の上面に4個のLED素子8(図示は2個のみ)及びその制御部を配置し、放熱部材1には口金部86を挿入配置し、蓋体3を覆う半球ドーム85を被せることにより作製した。蓋体3は、図6、図7(a)及び(b)に示すごとく、円盤状であり、半球ドームを被せる側の表面に周囲よりも凹む凹部31が形成され、放熱部材1側には、周囲より突出する凸部32が形成されている。
LED素子8は、温度85℃の発熱をするタイプの白色LED素子である。
評価方法は、上記LED電球80のLED素子8の近傍の蓋体3表面に温度測定用の熱電対(図示略)を固定し、通電発光から120分後の温度を測定する方法である。開始時の温度は室温(28℃)である。
120分後の温度が55℃以下の場合を◎とし、55℃を超え65℃以下の場合を○とし、65℃を越える場合を×として評価した。
その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2011103283
Figure 2011103283
表1及び表2より知られるごとく、本発明の実施例である試料1〜30のLED電球用放熱部材は、比較例である試料31に比べて、放熱性能に優れていることがわかる。
また、試料1〜30のLED電球用放熱部材は、略円錐形状という簡単な構造を有し、プレス成形により生産性よく製造することができ、低コストでの製造が可能である。
したがって、本例によれば、放熱性能に優れ、構造が簡単で、生産性に優れ、コストの低いLED電球用放熱部材を提供することができ、高性能で安価なLED電球の実現を図ることができる。
(実施例2)
本例においては、平均結晶粒径を制御したアルミニウム合金板を用いてLED電球用放熱部材を製造する例である。
まず、基材として、材質−質別がA1050−O材、サイズが0.8mm厚×100mm幅×100mm長さのアルミニウム合金板を作製した。本例においては、アルミニウム合金板の製造時における製造方法を調整して、平均結晶粒径が37μm、86μm、125μm、350μmの4種類のアルミニウム合金板を作製した。
アルミニウム合金板の平均結晶粒径は、次のようにして測定した。
即ち、まず、圧延面を電解研磨し、この圧延面について偏光フィルターを通した光学顕微鏡組織を倍率50〜100倍で撮影した。そして、1視野あたり3本のラインインターセプト法により、平均結晶粒径を測定した。
次いで、各アルミニウム合金板を用いて、実施例1と同様に化成皮膜を形成し、実施例1の試料1と同様の条件でプレコートアルミニウム合金板した。さらに、実施例1と同様にしてプレス成形を行い、アルミニウム合金板の平均結晶粒径が異なる4種類の略円錐形状の放熱部材(試料32〜試料35)を作製した。各試料の平均結晶粒径を表3に示す。
次に、試料32〜試料35について、その表面肌や略円錐形の放熱部材の上下端部の曲がり部分の肌を観察し、官能評価を行った。ゆず肌がなく滑らかである場合を「○」として評価し、明らかにゆず肌を呈する場合を「×」として評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2011103283
表3より知られるごとく、平均結晶粒径100μm以下のアルミニウム合金板を用いて作製した試料32及び試料33の放熱部材は、ゆず肌がなく、表面性状が良好であることがわかる。これに対し、平均結晶粒径が100μmを超える試料34及び試料35は、ゆず肌を呈していた。
したがって、本例によれば、平均結晶粒径100μm以下のアルミニウム合金板を用いることにより、ゆず肌を抑制できることがわかる。
1 LED電球用放熱部材
10 外周側面
2 プレコートアルミニウム合金板
20 基板
21 合成樹脂塗膜
8 LED素子
80 LED電球

Claims (7)

  1. LED素子を内蔵してなるLED電球における放熱部材であって、
    該放熱部材は、プレコートアルミニウム合金板を略円錐形にプレス成形することによって形成されており、
    上記プレコートアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板よりなる基板の両面又は片面に放熱性物質を含有した合成樹脂塗膜をプレコートしてなることを特徴とするLED電球用放熱部材。
  2. 請求項1に記載のLED電球用放熱部材において、上記アルミニウム合金板の平均結晶粒径は100μm以下であることを特徴とするLED電球用放熱部材。
  3. 請求項1又は2に記載のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、上記放熱性物質として、酸化チタン、カーボン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムの1種または2種以上を含有していることを特徴とするLED電球用放熱部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂を主成分とするベース樹脂を含有する合成樹脂系塗料を用いており、上記ベース樹脂100重量部に対して、50〜200重量部の平均粒径0.1〜100μmの酸化チタン、1〜25重量部の平均粒径1nm〜500nmのカーボン、50〜200重量部のシリカ、50〜200重量部のアルミナ、及び50〜200重量部の酸化ジルコニウムから選ばれる1種あるいは2種以上を含有することを特徴とするLED電球用放熱部材。
  5. 請求項4に記載のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、平均粒径0.3〜100μmのNi球状フィラー、あるいは0.2〜5μmの厚さで2〜50μmの長径を有する鱗片状のNiフィラーの少なくとも一方を含有しており、これら両者の合計含有量は、上記ベース樹脂100重量部に対して1〜1000重量部であることを特徴とするLED電球用放熱部材。
  6. 請求項4又は5に記載のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部のラノリン、カルナバ、ポリエチレンの1種あるいは2種のインナーワックスを含有していることを特徴とするLED電球用放熱部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED電球用放熱部材において、上記合成樹脂塗膜は、上記基板の表面に形成された塗布型あるいは反応型のクロメートまたはノンクロメート層の上層に形成されていることを特徴とするLED電球用放熱部材。
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