JP2011102794A - 不可逆温度インジケーター及びそれを用いた不可逆温度インジケーターセット - Google Patents

不可逆温度インジケーター及びそれを用いた不可逆温度インジケーターセット Download PDF

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Abstract

【課題】ワックス等の溶融性組成物からなる層を用いた不可逆温度インジケーターであっても、未使用時の下層隠蔽性が高く、ワックス溶解時の浸透透過性が高い多孔質層を適用することで、使用後の色調変化が鮮明なものとなる利便性の高い不可逆温度インジケーターと、前記多孔質層に筆記可能であり、記入した文字を長期間保持できる筆記具を備えた不可逆温度インジケーターセットを提供する。
【解決手段】着色された支持体2上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層4を設け、前記多孔質層4上に特定温度で溶解するワックス層5を設けてなる不可逆温度インジケーター。更に、最上面に透明シート6を設けてなる。前記不可逆温度インジケーター1と、液状媒体に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解させた液状組成物を内蔵する筆記具とからなるインジケーターセット。
【選択図】図1

Description

本発明は、不可逆温度インジケーターとそれを用いた不可逆温度インジケーターセットに関する。更には、特定温度以上で明瞭な色調変化を発現する不可逆温度インジケーターとそれを用いた不可逆温度インジケーターセットに関する。
従来、特定温度以上になると色調が変化する不可逆温度インジケーターが複数開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
前記特許文献1、2の不可逆温度インジケーターはいずれも、特定温度で溶解する固形ワックス等の溶融性組成物を用いて着色紙上に積層させたものであり、前記組成物が溶解して着色紙に浸透することで、着色紙の色調が視認される構成のインジケーターである。
前記不可逆温度インジケーターは着色紙上に溶融性組成物からなる層(ワックス層)を直接積層したものであるため隠蔽性が低く、未使用状態でワックス層の下層の色調が視認できるため、使用後の色調変化がわかり難いものであった。
これに対して特許文献3の不可逆温度インジケーターは、着色紙上に積層されるワックス層の間、又は、上層に和紙を積層させたものであり、前記二層構成の不可逆温度インジケーターに比べて、未使用時の下層隠蔽性は向上するものの、ワックス溶解時の和紙の浸透透過性が低いため、使用後の色調変化を鮮明に得ることができないものであった。
実公平4−289号公報 特開昭59−164929号公報 特開2001−83020号公報
本発明は、ワックス等の溶融性組成物からなる層を用いた不可逆温度インジケーターであっても、未使用時の下層隠蔽性が高く、ワックス溶解時の浸透透過性が高い多孔質層を適用することで、使用後の色調変化が鮮明なものとなる利便性の高い不可逆温度インジケーターを提供するものである。
更に、前記不可逆温度インジケーターの多孔質層に筆記可能であり、記入した文字を長期間保持できる筆記具を備えた不可逆温度インジケーターセットを提供するものである。
本発明は、着色された支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設け、前記多孔質層上に特定温度で溶解するワックス層を設けてなる不可逆温度インジケーターを要件とする。
更に、着色された支持体上に、特定温度で溶解するワックス層を設け、前記ワックス層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設けてなる不可逆温度インジケーターを要件とする。
更に、特定温度で溶解するワックスを含浸させた着色支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設けてなる不可逆温度インジケーターを要件とする。
更には、最上面に透明シートを設けてなること、ワックス溶解前の明度値と、ワックス溶解後の明度値との差が2.0以上であることを要件とする。
更に、前記不可逆温度インジケーターと、液状媒体に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させた液状組成物を内蔵する筆記具とからなる不可逆温度インジケーターセットを要件とする。
更には、前記液状媒体中に分散された固体物の粒子径が10μm以下であること、前記液状媒体中に剪断減粘性付与剤を含有してなること、前記筆記具が、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを装着したボールペン形態であることを要件とする。
本発明により、未使用時の色調と、使用時のワックス溶解による浸透透過後の色調の明度差が極めて大きいものとなるため、使用による鮮明な色調変化を発現するインジケーター機能が高い不可逆温度インジケーターを提供できる。そのため、使用用途が広く利便性の高いものとなる。
また、前記インジケーターの多孔質層に所望の文字や印を直筆で書き込むことが可能であり、筆跡を長期間保持できることから実用性の高い不可逆温度インジケーターセットとなる。
本発明の不可逆温度インジケーターの実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターの他の実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターの他の実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターの他の実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターの他の実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターの他の実施例の要部縦断面図である。 本発明の不可逆温度インジケーターセットに適用される筆記具の一実施例の縦断面説明図である。
前記支持体には、紙(合成紙や表面処理を施したものを含む汎用の用紙)や樹脂フィルムや布帛等の基材表面に着色層を積層したものや、全体が着色された前記基材が用いられる。その際、前記着色層(着色部)の色調を濃色とすることが好適である。
請求項3の構成、即ち、支持体にワックスを含浸させる場合、浸透性の高い着色紙(上質紙等)や布帛を用いることが好ましい。
前記ワックスは、支持体や多孔質層に積層される他、浸透性支持体に含浸される常温で固体の溶融性組成物である。
前記ワックスとしては汎用のものが適用されるが、エステル類が好適である。具体的には、ミリスチン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、ラウリン酸ステアリル、パルミチン酸、トリパルミチン、ステアリン酸、アセトアセトアニリド、ベンゾトリアゾール、ピメリン酸、アセトアニリド、セバシン酸、アジピン酸等が挙げられる。
また、前記ワックス層を構成する場合、汎用の印刷用バインダーを添加してインキ形態とし、印刷により積層することもできる。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、液体の付着によって透明化するものである。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液状組成物を吸液すると良好な透明性を示すものである。
尚、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、実用性を満たす。
この点を以下に説明する。
珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別されるが、本発明の意図する多孔質層として機能させるためには、湿式法珪酸が最適である。
これは、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記多孔質層中の湿式法珪酸は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5g/m〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、また、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記珪酸の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
前記珪酸等の低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、基材に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記珪酸とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、珪酸の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2重量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5重量部である。珪酸1重量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5重量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2重量部を越える場合には、前記多孔質層内部への浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、従来公知の一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。その際、ナイロン樹脂やウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、更に皮膜強度を向上させることができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して浸透時間や浸透度合いをコントロールすることができる。
尚、前記多孔質層中には、従来公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料の添加や、一般染料や顔料、蛍光染料や蛍光顔料の混在により色変化を多様化することができる。
また、温度変化により可逆的に色変化する汎用の可逆熱変色顔料を混在させて、環境温度によって色変化させることができる。
前記多孔質層は、ベタ印刷状で形成する他、文字、記号、英数字、図柄等の像形態で形成することもできる。
前記多孔質層は、従来公知の手段、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により形成できる。
更に、前記多孔質層の上層や近傍には非変色層(着色層)を配設、併設することで、デザイン性の向上や、表示情報の多様化が可能となる。
前記多孔質層とワックスを設けたインジケーターの最上面には、透明シートを積層することができる。前記シートにより、インジケーターの耐性を向上することができると共に、ワックス溶融時の漏れ出しを抑制できる。
前記透明シートの材質は特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリビニルアルコール、ポリアミド等のプラスチックシート、ガラス板を例示できるが、柔軟性に富み、且つ、安全性に優れたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド等のプラスチックシートが好適に用いられる。
尚、前記透明シートは半透明や着色透明であってもよく、着色支持体の裏面にも設けることができる。
前記不可逆温度インジケーターを多孔質層に筆記可能な筆記具とのセットとする場合、前記透明シートは貼着可能な形態として別体で設けることが好ましい。それにより使用者が多孔質面に筆記した後に透明シートを積層できるため、形成した筆跡に対しても耐性を付与でき、より安定した表示面を長期的に維持できる。
貼着可能な透明シートとしては、シートの縁部又は全面に接着剤を塗布したものが適用でき、接着剤としては透明接着剤が好適である。
また、支持体の裏面には粘着層を設けることもできる。前記粘着層により、温度変化を知りたい箇所に貼着して使用できるため、使用用途が広くなる。
前記構成により得られる不可逆温度インジケーターは、未使用状態(多孔質層の非吸液状態)で測定した明度値(Vd)と、使用後(多孔質層の吸液状態)で測定した明度値(Vw)の明度差(即ち、Vd−Vw)が2.0以上となるように設定される。
前記値では、多孔質層が非吸液状態で測定した明度値(Vd)が大きいほど隠蔽性が高く下層の色調が視認され難いことを表し、多孔質層が吸液状態で測定した明度値(Vw)が小さいほど透過性が高く下層の色調が明瞭に視認できることを表す。特に、前記(Vd)と(Vw)の明度差(Vd−Vw)が2.0以上となる場合、使用前後の色変化がより鮮明に確認できるようになるため、暗所での使用や、インジケーターを小サイズとした場合であっても高機能を発現できるものとなる。
前記不可逆温度インジケーターは、液状媒体に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させた液状組成物を内蔵する筆記具とともに用いて不可逆温度インジケーターセットを構成できる。
前記筆記具は不可逆温度インジケーターの多孔質層に筆記するものであり、形成した所望の筆跡は蒸発して消えることなく、半永久的に保持することができる。
前記筆記具に収容される液状組成物は、多孔質層に浸透させ、透明又は半透明化して像を視覚させるものであり、多孔質層に浸透した媒体が蒸発しても、液状組成物中に含まれる固体物は残存するため、像が永続して視認される。
前記液状組成物に用いられる媒体は、水が安全性、コスト面から好適に用いられるが、これに限らず、有機溶剤や有機溶剤と水の混合物であってもよい。
前記有機溶剤としては、炭化水素類、一価アルコール類、多価アルコール及びその誘導体、エーテル及びアセタール類、ケトン類、エステル類、脂肪酸及びフェノール類、窒素化合物類等から適宜選択される。特に、流動パラフィン、植物油、アジピン酸エステル等の脂肪族エステル類、プロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類は他の有機溶剤と比較して安全性に優れるために好適に用いられる。
前記媒体中に溶解及び又は分散される固体物は、20℃において固体状態を示す物質であり、媒体が乾燥しても多孔質層中に残存して像を永続して視認させるため、屈折率が1.3〜1.8、好ましくは1.4〜1.7のものが用いられる。
これは、インジケーターの多孔質層中に含まれる低屈折率顔料の屈折率が1.4〜1.8の範囲にあるため、層中に浸透した固体物が低屈折率顔料と同等の屈折率を有して、層に良好な透明性を付与でき、下層の色調を視認できる効果を永続して示すことができるからである。
よって、前記固体物を用いることにより、多孔質層に形成された像が経時後も初期と同様の形状及び色調で保存することが可能となる。
前記固体物としては、20℃で固体状態を示し、且つ、屈折率が1.3〜1.8の範囲にある有機物もしくは無機物であれば特に限定されないが、その例としては、アイオノマー樹脂、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレートターポリマー、塩化ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレンアクリル酸エステル共重合、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−ビニリデン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メトキシメチル化ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂、ポリオレフィン系共重合樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリイソブチレン樹脂、イソプレンゴム、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾール共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールメチル硫酸塩共重合樹脂、ビニルピロリドン−メタクリル酸ナトリウム塩共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合樹脂、ポリビニルポリピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルピロリドン−ビニルイミダゾール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合樹脂、ポリリン酸塩等の合成樹脂、若しくはオリゴマー。
セルロースアセテート、セロファン、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、リン酸澱粉等の澱粉誘導体、デキストリン、ゼラチン、ニカワ、ロジン、セラック、カゼイン、カゼイン酸ナトリウム、カルナバワックス、グルー、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、コラーゲン、エラスチン、アラビアゴム、エステルガム、グアーガム、グリチルリチン、コパールゴム、タラカントガム、ダンマルゴム、五倍子、没食子、タンニン酸、ヒアルロン酸、ショウ脳、合成ショウ脳、乳糖、ブドウ糖、ペクチン、ポリフェノール、蜜ロウ、木ロウ、没食子酸、ピロガロール等の天然物、若しくは半合成樹脂。
ヤシ油、パーム油、牛脂、硬化油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、オキシ酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステル等の固形油脂。
脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキルアマイド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、アルキルジメチルベンタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリュウムベンタイン、レシチン、レシチン誘導体、アルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フルオロアルキルカルボン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキルオキシ]−1−アルキルスルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,Nジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベンタイン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベンタイン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パ−フルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩等の界面活性剤類。
デンプン糖、デキストラン、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の多糖類。
D−ソルビット、マンニット、マルチトール、イノシトール、フィチン酸、アルブチン等の配糖体。
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、アスコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンG、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンL、ビタミンM、ビタミンP、ビタミンR、ビタミンS、ビタミンT、ビタミンU、ビタミンV、ビタミンW、ビタミンX、ビタミンY、パントテン酸、ニコチン酸、リポ酸、リポアミド等のビタミン類。
L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸塩、D−アスパラギン酸、DL−アラニン、L−アラニン、D−アラニン、β−アラニン、L−アルギニン、L−イソロシアニン、グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−シスチン、L−システインの誘導体、L−スレオイン、L−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−バリン、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、DL−メチオニン、L−メチオニン、L−リジン、L−ロイシン、グリシルグリシン、グルタチオン、酸化型グルタチオン、γ−アミノ酪酸、εアミノカプロン酸、L−オルニチン塩酸塩、L−シトルリン等のアミノ酸類。
コルチゾン、テストステロン、チロキシン、アドレナリン、インシュリン等のホルモン類。
アデニン、アデノシン、5′−アデニル酸、3′,5′−サイクリックアデニル酸、アデノシン三リン酸ナトリウム塩、6−アリルアデノシン、6−ベンジルアデニン、6−アリルアデノシン、6−ベンジルアデノシン、デキシアデノシン一リン酸、グアニン、グアノシン、グアニル酸ナトリウム塩、デオキシグアノシン一リン酸、ウラシル、ウリジン、5′−ウリジル酸二ナトリウム塩、デオキシウリジン、5′−ヨードデオキシウリジン、ウリジン−5′−ジホスフェートグルコース、オロト酸、シトシン、シチジン、5′−シチジル酸、シチジン−5′−三リン酸塩、デオキシシチジン一リン酸、シチジン−5′−ジホスフェートコリンナトリウム塩、アラビノシルシトシン、ピポキサンチン、イノシン、5′−イノシン酸ナトリウム、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、ニコチンアミドモノヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型ナトリウム塩、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート還元型ナトリウム塩、コレステリン、γ−オリザノール等の核酸及び脂質類。
その他、尿素、N,N′−エチレンビス(ステアロアミド)、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N′−メチレンビス(ステアロアミド)、メチロールステアロアミド、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、CTU、CTUグアナミン、セバシン酸、ドデカン二酸、ドデカン二酸ジヒドラジド、ペンタエリスリトール、マロン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、アセトアニリド、アセト酢酸アニリド、p−アミノアセトアニリド、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、ジフェニル酢酸、ジフェニルスルホン、ジメチルテレフタレート、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、P−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸ステアリル、ラウロン、ステアロン等を例示できる。
また、無機物としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、サラシ粉、炭酸二ナトリウム、ソーダ石灰、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ等を例示できる。
前記媒体中に含まれる固体物は3.0重量%以上、好ましくは3.0〜90.0重量%である。3.0重量%未満では明瞭な像の形成性に乏しく、90.0重量%を越えると適用される固体物によっては粘度が上昇して初期の像形成性を損ない易くなる。
また、固体物が液状組成物中で分散した系において、前記固体物を多孔質層に効率的に含浸させるためには、固体物の粒子径が10μm以下、好ましくは0.01μm〜10μm、より好ましくは0.01μm〜5μmのものが用いられる。
固体物を0.01μm以下に微分散することは困難であり、10μm以上では多孔質層の空隙に固体物粒子が入り込み難くなり、多孔質層表面に付着して明瞭な像の形成が困難となる。
尚、前記固体物として水に可溶なものを用いると、筆記した液状組成物から液状媒体が蒸発して固体物により形成した像を水洗により除去することができるため、像が不要になった場合や像の形成に失敗した場合にインジケーターを廃棄することなく、該インジケーターを繰り返し使用することができる。また、手に付いた固体物を水で容易に洗い流すこともできる。
更に、前記液状組成物中に剪断減粘性付与剤を添加すると、液状組成物を充填する筆記具の不使用時にペン先からの液状組成物の漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合の液状組成物の逆流を防止することができる。
更に、多孔質層に形成される文字や像の滲みを防止することもできるため、明瞭な筆跡を形成できる。
特に、前記剪断減粘性付与剤を添加した液状組成物の粘度は、20℃でのE型回転粘度計による3.84S−1の剪断速度における液状組成組成物の粘度が200〜3000mPa・sを示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.6を示すことが好ましい。
尚、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kj(Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、アルカガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記筆記具としてボールペン形態を適用する場合、前記媒体中には、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することが好ましい。
その他、必要に応じてベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、湿潤剤、消泡剤、分散剤を使用してもよい。更に、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料等の着色剤を添加することもできる。
また、固着性や粘性付与のためにアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等を用いることもできる。
前記液状組成物を内蔵する筆記具としては、マーキングペン、ボールペン、筆ペン等が適用でき、キャップ式の他、出没式形態であってもよい。
前記マーキングペンとしては、それ自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペンチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなる液体吸蔵体に液状組成物を含浸させ、筆記先端部に液状組成物を供給する構造、軸筒内部に直接液状組成物を収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の液状組成物を供給する構造、軸筒内部に直接液状組成物を収容して、弁機構により筆記先端部に所定量の液状組成物を供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
前記ボールペンとしては、それ自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒に収容した繊維束からなる液体吸蔵体に液状組成物を含浸させ、ボールペンチップを装着した筆記先端部に液状組成物を供給する構造、軸筒内部に直接液状組成物を収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の液状組成物を供給する構造、軸筒内に液状組成物を充填した液体収容管を有し、該液体収容管はボールペンチップに連通しており、さらに液状組成物の端面には逆流防止用の液栓を配設した構造のボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させて形成したボール抱持部にボールを抱持したチップ、金属材料のドリル等による切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したチップ、金属又はプラスチック成形体内部に樹脂製のボール受け座を設け、ボールを抱持したチップ等が挙げられる。また、前記チップはバネ体によりボールを前方に付勢させる構成であってもよい。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.1〜3.0mm径程度のものが適用できるが、好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mmのものが用いられる。
前記液状組成物を液体収容管に収容する形態をとる場合、必要により液状組成物の後端にインキ逆流防止体組成物を充填することができる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなり、具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
また、前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体の逆流防止体を併用することもできる。
特に、前記筆記具として、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを装着したボールペン形態が好ましい。前記ボールペンにおいては、微細な文字を書くことができるとともに、剪断減粘性付与剤の添加で容易に筆跡滲みを抑制できることから、本発明のインジケーターへの筆記には最適なものとなる。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。尚、実施例中の部は重量部を示す。 また、明度値は色差計〔TC3600型色差計、(株)東京電色製〕を用いて測定した。
実施例1(図1参照)
赤色着色層3が印刷された上質紙(支持体2)上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ状印刷し、乾燥硬化させて多孔質層4を形成した。
次に、パルミチン酸(融点57℃)15部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoclylA614、アビシア(株)製〕30部、消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部を分散してなる塗布液を多孔質層4上に印刷することでワックス層5を形成した。更に、前記ワックス層5上(最上面)を被覆するようにPET製の透明シートを設けて支持体2縁部で貼着することで不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では多孔質層4とワックス層5の白色が視認されるが、57℃以上の環境下では、ワックス層5のパルミチン酸が溶解し、下層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の赤色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.48、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が5.08であり、明度差(Vd−Vw)は3.40であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所等での使用にも適したものとなった。
実施例2(図2参照)
赤色着色層3が印刷された上質紙(支持体2)上に、ステアリン酸(融点69℃)15部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoclylA614、アビシア(株)製〕30部、消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部を分散してなる塗布液を印刷し乾燥硬化することでワックス層5を形成した。次に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ状印刷し、乾燥硬化させて多孔質層4を形成した。更に、前記多孔質層4上(最上面)を被覆するようにPET製の透明シートを設けて支持体2縁部で貼着することで不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では多孔質層4とワックス層5の白色が視認されるが、69℃以上の環境下では、ワックス層5のステアリン酸が溶解し、上層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の赤色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.42、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が5.43であり、明度差(Vd−Vw)は2.99であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所等での使用にも適したものとなった。
実施例3(図3参照)
黒色着色層3が印刷された合成紙(支持体2)上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ状印刷し、乾燥硬化させて多孔質層4を形成した。次に、パルミチン酸(融点57℃)15部、アクリルエマルジョン〔商品名:NeoclylA614、アビシア(株)製〕30部、消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部を分散してなる塗布液を多孔質層4上に印刷することでワックス層5を形成した。次に、前記ワックス層5上(最上面)を被覆するようにPET製の透明シートを設けて支持体2縁部で貼着した。更に、支持体2の裏面(着色層が設けられていない面)に剥離シート(図示せず)を備えた粘着層7を設けることで、貼着可能な不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では多孔質層4とワックス層5の白色が視認されるが、57℃以上の環境下では、ワックス層5のパルミチン酸が溶解し、下層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の黒色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.20、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が4.46であり、明度差(Vd−Vw)は3.74であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所や視覚し難い場所での使用にも適したものとなった。
実施例4(図4参照)
黒色上質紙の表面に、溶解したカプリン酸ステアリル(融点39℃)を含浸させたワックス含有支持体2を用いて、支持体2上に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを100メッシュのスクリーン版にてベタ状印刷し、乾燥硬化させることで多孔質層4を形成した。次に、前記多孔質層4上(最上面)を被覆するようにPET製の透明シートを設けて支持体2縁部で貼着した。更に、支持体2の裏面に剥離シート(図示せず)を備えた粘着層7を設けることで、貼着可能な不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では多孔質層4の白色が視認されるが、39℃以上の環境下では、支持体2中のワックス成分であるカプリン酸ステアリルが溶解し、上層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の黒色支持体2の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.12、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が4.30であり、明度差(Vd−Vw)は3.82であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所や視覚し難い場所での使用にも適したものとなった。
実施例5(図5、7参照)
PET製の透明シート6を別体として設ける以外は実施例2と同様にして不可逆温度インジケーター1を得た。尚、前記透明シート6には透明接着剤が全面に塗布されるとともに剥離シートが貼着されている。
ボールペン型筆記具の作製
水溶性ナイロン樹脂30.0部、サクシノグリカン0.3部(剪断減粘性付与剤)、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、水69.2部を混合し、液状組成物を調製した。
前記液状組成物95をポリプロピレン製パイプからなる収容管91に吸引充填し、樹脂製接続部材92を介してボールペンチップ93と連結させた。次いで、前記収容管91の後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有する逆流防止体組成物96を充填してレフィル9を得た。
前記レフィル9を軸筒10に組み付け、キャップ11を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なってボールペン型筆記具8を得た。
尚、前記ボールペンチップ93は、金属材料をドリルによる切削加工により形成したボール抱持部に直径0.7mmの超硬合金製ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
得られたボールペン型筆記具8を用いて、インジケーター1の多孔質層4上に筆記すると、多孔質層4が液状組成物を吸液して透明化し、下層の非変色層による赤色の筆跡が形成された。
前記筆跡は滲みがなく微細な文字を明瞭に記入することができるものであり、日付等の所望の情報を書き込んだ後に、剥離シートを剥がした透明シート6(透明接着剤部)を貼着することでより実用性の高い不可逆温度インジケーターとなった。
尚、前記液状組成物に含まれる固体物は水に可溶であるため、筆跡を形成する際に液状組成物が手に付着しても水で容易に洗い落とすことができると共に、間違った筆跡を形成した場合であってもインジケーター(多孔質面)を水洗することによって筆跡を完全に除去することができ、乾燥後には再度多孔質層に筆跡を形成することができるものであった。
また、筆跡が形成された不可逆インジケーター(透明シートが貼着されていない状態)を20℃の環境下で3カ月間放置しても初期と同様の色濃度と形状を維持しており、保存安定性に優れていた。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態(常温域)では多孔質層4とワックス層5の白色が視認されるとともに、筆記具により記入した情報が赤色に視認され、この状態を長期間維持している。69℃以上の環境下では、ワックス層5のステアリン酸が溶解し、上層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の赤色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.42、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が5.43であり、明度差(Vd−Vw)は2.99であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所等での使用にも適したものとなった。
実施例6(図6、7参照)
PET製の透明シート6を別体として設ける以外は実施例4と同様にして不可逆温度インジケーター1を得た。尚、前記透明シート6には透明接着剤が縁部に塗布されるとともに剥離シートが貼着されている。
ボールペン型筆記具の作製
ポリビニルピロリドン40.0部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.3部、グリセリン5部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、水54.2部を混合し、変色体用液状組成物を調製した。
前記液状組成物95をポリプロピレン製パイプからなる収容管91に吸引充填し、樹脂製接続部材92を介してボールペンチップ93と連結させた。次いで、前記収容管91の後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有する逆流防止体組成物96を充填してレフィル9を得た。
前記レフィル9を軸筒10に組み付け、キャップ11を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なってボールペン型筆記具8を得た。
尚、前記ボールペンチップ93は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmの超硬合金製ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
得られたボールペン型筆記具8を用いて、インジケーター1の多孔質層4上に筆記すると、多孔質層4が液状組成物を吸液して透明化し、下層の黒色支持体2による黒色の筆跡が形成された。
前記筆跡は滲みがなく微細な文字を明瞭に記入することができるものであり、日付等の所望の情報を書き込んだ後に、剥離シートを剥がした透明シート6(透明接着剤部)を貼着することでより実用性の高い不可逆温度インジケーターとなった。
尚、前記液状組成物に含まれる固体物は水に可溶であるため、筆跡を形成する際に液状組成物が手に付着しても水で容易に洗い落とすことができると共に、間違った筆跡を形成した場合であってもインジケーター(多孔質面)を水洗することによって筆跡を完全に除去することができ、乾燥後には再度多孔質層に筆跡を形成することができるものであった。
また、筆跡が形成された不可逆インジケーター(透明シートが貼着されていない状態)を20℃の環境下で3カ月間放置しても初期と同様の色濃度と形状を維持しており、保存安定性に優れていた。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態(常温域)では多孔質層4の白色が視認されるとともに、筆記具により記入した情報が黒色に視認され、この状態を長期間維持している。
39℃以上の環境下では、支持体2中のワックス成分であるカプリン酸ステアリルが溶解し、上層の多孔質層4に浸透するため、多孔質層4が吸液して白色不透明状態から無色透明状態に変化する。そのため、下層の黒色支持体2の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が8.12、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が4.30であり、明度差(Vd−Vw)は3.82であった。そのため、使用前後の色変化が鮮明なものであり、暗所や視覚し難い場所での使用にも適したものとなった。
比較例1
前記実施例1で得られた不可逆温度インジケーター1において、多孔質層4を和紙(目付量45.2g/m)に替えた以外は同様の構成で不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では和紙とワックス層5の白色が視認され、57℃以上の環境下では、ワックス層5のパルミチン酸が溶解し、下層の和紙に浸透するため、下層の赤色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が7.57、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が6.45であり、明度差(Vd−Vw)は1.12であった。そのため、使用前であっても下層の色調が視覚されると共に、使用後においてもはっきりと下層の色調が視覚できないものであるため、使用前後の色変化が鮮明に得られなかった。
比較例2
前記実施例1で得られた不可逆温度インジケーター1において、多孔質層4を不織布(目付量34.7g/m)に替えた以外は同様の構成で不可逆温度インジケーター1を得た。
前記不可逆温度インジケーター1は、乾燥状態では不織布とワックス層5の白色が視認され、57℃以上の環境下では、ワックス層5のパルミチン酸が溶解し、下層の不織布に浸透するため、下層の赤色着色層3の色調が視認される状態となった。
前記不可逆温度インジケーター1は、使用前の明度値(Vd)が6.60、使用後(ワックス溶解後)の明度値(Vw)が6.35であり、明度差(Vd−Vw)は0.25であった。そのため、使用前であっても下層の色調が視覚されると共に、使用後においてもはっきりと下層の色調が視覚できないものであるため、使用前後の色変化が鮮明に得られなかった。
1 不可逆温度インジケーター
2 支持体
3 着色層
4 多孔質層
5 ワックス層
6 透明シート
7 粘着層
8 ボールペン
9 レフィル
91 収容管
92 接続部材
93 ボールペンチップ
94 尾栓
95 液状組成物
96 逆流防止体組成物
10 軸筒
11 キャップ

Claims (9)

  1. 着色された支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設け、前記多孔質層上に特定温度で溶解するワックス層を設けてなる不可逆温度インジケーター。
  2. 着色された支持体上に、特定温度で溶解するワックス層を設け、前記ワックス層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設けてなる不可逆温度インジケーター。
  3. 特定温度で溶解するワックスを含浸させた着色支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた非吸液状態で不透明であり吸液状態で透明化する多孔質層を設けてなる不可逆温度インジケーター。
  4. 最上面に透明シートを設けてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の不可逆温度インジケーター。
  5. ワックス溶解前の明度値と、ワックス溶解後の明度値との差が2.0以上である請求項1乃至4のいずれかに記載の不可逆温度インジケーター。
  6. 前記請求項2乃至5のいずれかに記載の不可逆温度インジケーターと、液状媒体に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させた液状組成物を内蔵する筆記具とからなる不可逆温度インジケーターセット。
  7. 前記液状媒体中に分散された固体物の粒子径が10μm以下である請求項6記載の不可逆温度インジケーターセット。
  8. 前記液状媒体中に剪断減粘性付与剤を含有してなる請求項6又は7に記載の不可逆温度インジケーターセット。
  9. 前記筆記具が、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを装着したボールペン形態である請求項6乃至8のいずれかに記載の不可逆温度インジケーターセット。
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