JP2011101996A - 積層体、成形品、衣料品及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、成形品、衣料品及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皺が防止され、外観が良好な積層体及びその製造方法と、この積層体を用いた成形品と、この成形品を有する衣料品とを提供する。
【解決手段】積層体30Aは、シート状の合成樹脂フォームよりなる基材10と、該基材10の表面に貼り合わされた表皮材20とを有している。この基材10には、表裏方向に貫通する複数個のスリット11が設けられている。各スリット11は長手方向Xを指向している。このため、長手方向Xに張力を加えてもスリット11が目開きすることが防止されるのに対して、短手方向Yに張力を加えるとスリット11が目開きする。従って、この基材10は、長手方向Xの伸び率が短手方向Yの伸び率よりも小さいものとなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート状の合成樹脂フォーム(発泡体)よりなる基材と、該基材の少なくとも一方の面に貼り合わされた表皮材とを有する積層体と、この積層体から成形した成形品と、この成形品を有する衣料品と、この積層体の製造方法とに関する。
ブラジャーパッドなどの衣料品にあっては、軟質ポリウレタンフォームよりなる基材の表皮材に布よりなる表皮材を積層した積層体が用いられている(下記特許文献1,2)。この特許文献1の0011段落には積層体を加熱成形して椀形状に形成することが記載されている。特許文献2の0011段落には、ポリウレタンフォームに千鳥状にスリットを設けることにより、ポリウレタンフォームを伸縮性及び通気性を有したものとすることが記載されている。
軟質ポリウレタンフォームよりなる基材を原反ロールから巻き出しながらその表面に表皮材を接着剤で連続的に貼り合わせるラミネートシートの製造方法が下記特許文献3に記載されている。
特開2006−348423 特開2004−256956 特開昭59−133043
上記特許文献1のようにスリットを有したポリウレタンフォームに表皮材を積層一体化させた積層体を製造するに際し、ポリウレタンフォーム基材を連続的に送りながら表皮材を貼り合わせる場合、ポリウレタンフォーム基材に加えられる張力によってスリットが目開きするように基材が大きく伸び、この状態で表皮材が張り合わされるおそれがある。
このように大きく伸びてスリットが目開きした基材に表皮材を貼り合わせた場合、貼り合わせ機から取り出された積層体において基材が弾性的に縮み、積層体に皺が入り、外観不良になる。
本発明は、このような問題を解決し、皺が防止(抑制を含む。)され、外観が良好な積層体及びその製造方法と、この積層体を用いた成形品と、この成形品を有する衣料品とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の積層体は、シート状の合成樹脂フォームよりなる基材と、該基材の少なくとも一方の面に貼り合わされた表皮材とを有しており、該基材は第1の方向と、それに交差する第2の方向とを有しており、該基材と該表皮材とを該第1の方向に送りながら該基材と該表皮材とを貼り合わせてなる積層体において、該基材は、該第1の方向の伸び率が該第2の方向の伸び率よりも小さいことを特徴とするものである。
請求項2の積層体は、請求項1において、前記基材は、略第1の方向に延在又は配列するスリットを備えており、これにより該第1の方向の伸び率が該第2の方向の伸び率よりも小さいものとなっていることを特徴とする。
請求項3の積層体は、請求項1において、前記基材は、略第1の方向に延在又は配列する第1のスリットと、略第2の方向に延在又は配列する第2のスリットを備えており、基材の第1の方向の伸び率が第2の方向の伸び率よりも小さくなるように該第1及び第2のスリットが設けられていることを特徴とする。
請求項4の積層体は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記合成樹脂フォームは軟質ポリウレタンフォームであることを特徴とする。
請求項5の積層体は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記表皮材は布であることを特徴とする。
請求項6の積層体は、請求項1ないし5のいずれか1項において、上記表皮材は前記第1の方向の伸び率が前記第2の方向の伸び率よりも小さいことを特徴とする。
本発明(請求項7)の成形品は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の積層体を所定大きさに切断し、熱プレス成形してなるものである。
本発明(請求項8)の衣料品は、請求項7の成形品を有するものである。
本発明(請求項9)の積層体の製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層体を製造する方法であって、該基材に対し該第1の方向に張力を加えた状態で表皮材を貼り合わせることを特徴とするものである。
請求項10の積層体の製造方法は、請求項9において、基材を該第1の方向に連続的に送りながら表皮材を重ね合わせて貼り合わせることを特徴とする。
本発明の積層体は、シート状の合成樹脂フォームよりなる基材と、該基材の少なくとも一方の面に貼り合わされた表皮材とを有し、該基材と該表皮材とを該第1の方向に送りながら該基材と該表皮材とを貼り合わせてなるものであり、この基材の第1の方向の伸び率が第2の方向の伸び率よりも小さい。従って、この積層体を製造するときに基材に対しその第1の方向に張力をかけた状態で表皮材を貼り合わせることにより、貼り合わせ機から取り出された積層体の縮みが小さいものとなり、積層体に皺が生じることが防止される。
本発明では、基材の第1の方向にスリットが延在又は配列されている場合、この第1の方向に張力を加えてもスリットが目開きすることが防止され、基材の第1の方向の伸び率が小さいものとなる。ただし、基材は第1の方向に延在又は配列するスリットのみよりなるものに限定されず、第2の方向に延在又は配列するスリットをさらに有していてもよい。
このように皺のない積層体を所定大きさに切断し、熱プレス成形することにより、皺のない成形品が得られる。この成形品は衣料品として好適である。
なお、本発明において、スリットとは、基材の厚さ方向に貫通する切れ目であって、この切れ目の両側に形成される1対の切断面同士が互いに当接しており、外力が加えられていない状態において、該切れ目内に空隙が存在しないものをいう。
実施の形態に係る積層体30Aの斜視図である。 積層体30Aの基材10側の面の平面図である。 (a)は第2図のA−A線に沿う断面図、(b)は第2図のB−B線に沿う断面図、(c)は第2図のC−C線に沿う断面図、(d)は第2図のD−D線に沿う断面図である。 積層体30Aの製造方法の一例を説明する図面である。 第4図のV部分の拡大斜視図である。 積層体30Aを用いて製造された成形品40の縦断面図である。 異なる基材の平面図である。 (a)は異なる積層体30Bの断面図、(b)はこの積層体30Bよりなる成形品40Aの断面図である。 (a)は参考例に係る基材10’の平面図、(b)はこの基材10’に対して長手方向Xに張力をかけた状態を示す平面図である。
<積層体30A及びその製造方法>
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。第1図は実施の形態に係る積層体30Aの斜視図、第2図は第1図の積層体30Aを裏面側から見た平面図である。第3図(a)は第2図のA−A線に沿う縦断面図、第3図(b)は第2図のB−B線に沿う縦断面図、第3図(c)は第2図のC−C線に沿う縦断面図、第3図(d)は第2図のD−D線に沿う縦断面図である。第4図は積層体30Aの製造方法の一例を説明する図面、第5図は第4図のV部分の拡大斜視図である。
第1図の通り、積層体30Aは、シート状の合成樹脂フォームよりなる基材10と、該基材10の表面(第1図における上面)に貼り合わされた表皮材20とを有している。この積層体30Aは、長手方向Xに延在する1対の長辺と、短手方向Yに延在する1対の短辺とからなる長方形状を有している。
第2,3図に示す通り、この基材10には、表裏方向に貫通する複数個のスリット11が設けられている。このスリット11は、平面状の基材10に対してナイフで切り込みを入れること等によって容易に形成することができる。各スリット11は長手方向Xを指向している。このため、長手方向Xに張力を加えてもスリット11が目開きすることがないのに対して、短手方向Yに張力を加えるとスリット11が目開きする。従って、この基材10は、長手方向Xの伸び率が短手方向Yの伸び率よりも小さいものとなる。
なお、ここで伸び率とは、基材10に所定の引張張力を加えて伸びを生じさせたときにおける伸び量の原長さに対する比であり、伸び易さを意味する。
この基材10を構成する合成樹脂フォームには特に限定はなく、例えば軟質ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等が用いられる。
この表皮材20の材料には特に限定はないが、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、綿等の布などが用いられる。
この基材10及び表皮材20の寸法は用途によって適宜選択されるが、ブラジャーのカップ部として用いる場合には、基材10の厚さは5〜15mm特に10〜15mm程度であるのが好ましい。
このスリット11の長手方向Xの長さは3〜15mm特に5〜10mmであるのが好ましい。10mm以下であると、プレス成型をした時に積層体30Aがスリット11が開きすぎることが良好に防止される。
各スリット11間の距離は5〜20mm特に5〜10mmであるのが好ましい。
次に、この積層体30Aの製造方法の一例について第4図及び第5図を用いて説明する。
基材用ロール1から基材10を送り出すと共に、表皮材用ロール2から表皮材20を送り出す。第5図に示す通り、この基材10には、その送り出し方向(長手方向)を指向する複数個のスリット11が設けられている。
送り出された基材10及び表面材20は、基材10の上面に表皮材20の下面が当接するようにして1対の圧着ロール4,5同士の隙間に通される。これにより、基材10と表皮材20とが圧着される。
この圧着方法には特に限定はない。例えば、基材用ロール1から送り出された基材10の上面を炎であぶって溶融させてから、この基材10と表皮材20とを圧着ロール4,5の間に通し、基材10を構成する合成樹脂フォームの熱融着性を利用して基材10に表皮材20を張り付けて硬化一体化させるフレームラミネーションにより、基材10と表皮材20とを貼り合わせてもよい。また、ホットメルト接着剤やエマルジョン接着剤等の接着剤によるラミネーションを行ってもよい。例えば、表面に接着剤を付着させた接着剤塗布ロール等を用いて基材10の上面の全面又は一部に(例えば散点状に)接着剤を塗布した後、この基材10と表皮材20とを圧着ロール4,5の間に通すことにより、基材10と表皮材20とを貼り合わせてもよい。
このようにして得られた積層体30を、第5図の通り切取線a、bで切断することにより、第1〜3図の積層体30Aが得られる。
但し、第4図のように、得られた積層体30を芯材に巻き取って積層体用ロール3としておき、必要に応じてこの積層体用ロール3から積層体30を送り出して所望の形状に切断することにより、第1〜3図の積層体30Aとしてもよい。
本実施の形態にあっては、基材10に設けられたスリット11が長手方向Xに延在しているので、表皮材20の貼り合わせ時に長手方向Xに張力がかけられても、スリット11が短手方向Yに目開きすることがない。従って、この張力が除かれたときにおける基材10の長手方向Xの収縮量が小さくなり、かかる収縮によって表皮材20に皺が生じることが防止される。
これに対し、第9図(a)は参考例に係る基材10’の平面図である。この基材10’では上記基材10と異なり、スリット11Aが短手方向Yに延在している。このため、第9図(b)のように長手方向Xに張力が加わると、スリット11Aが目開きし、長手方向Xに大きい伸びが生じることになる。かかる状態で表皮材20を貼り合わせた後に長手方向Xの張力が除かれると、基材10’が長手方向Xに大きく収縮し、表皮材20に皺が生じることになる。
また、第9図(b)のように基材10’の長手方向Xに張力が加えられてスリット11Aが目開きした状態で、上記フレームラミネーションによって表皮材20を貼り合わせる場合には、この目開きしたスリット11Aの切断面が火炎であぶられて溶融するおそれがある。この場合、長手方向Xの張力が除かれたときにスリット11Aの溶融した側面同士が当接して融着し、スリットが消失したりスリットの長さが小さくなったりするという不都合が生じる。
なお、フレームラミネーションに代えて、第9図(b)の基材10’に対して接着剤を用いて表皮材20を貼り合わせる場合には、貼り合わせ後に長手方向Xの張力が除かれたときに基材10’が長手方向Xに大きく収縮し、表皮材20に皺が寄ることになる。
これに対し、上記実施の形態に係る基材10にあっては、長手方向Xに張力が加えられてもスリット11が目開きしないため、スリット11の切断面があぶられて溶融するおそれがない。その結果、スリット11が消失したりスリット11の長さが小さくなったりすることが良好に防止される。また、第9図の場合と比べて長手方向Xの張力が除かれたときに長手方向Xに収縮し難いため、表皮材20に皺が寄り難い。
この積層体30Aにあっては、基材10がスリット11を有しており、成形型に倣って変形し易いため、所望の形状の成形品40を容易に製造することができる。また、得られた成形品40にあっては、基材10がスリットを有するため通気性に優れる。また、この成形品40は表皮材20を有するため、耐久性に優れると共に、縫製時の作業性に優れる。
<成形品>
第6図は第1〜3図の積層体30Aを用いて製造された成形品40の縦断面図である。この成形品40は、表皮材20が設けられた側の面が凸面となる略椀形状となっている。この成形品40の周縁部は、外側に張り出す鍔部となっている。
この成形品40は、積層体30Aを熱プレス成形することによって容易に製造される。この熱プレス成形において、成形温度は190〜210℃程度、成形時間は60〜100秒程度であるのが好ましい。
<基材の別態様>
第7図は、異なる基材10Aの部分的な平面図である。この基材10Aは、第1〜3図の積層体30Aにおいて、基材10に代えて用いられる。
この基材10Aにあっても、長手方向Xの伸び率が短手方向Yの伸び率よりも小さい。このため、第4,5図と同様にしてこの基材10Aに表皮材20を貼り合わせた場合に表皮材20に皺が生じることが防止される。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1〜3図の積層体30Aでは、10基材の一方の表面のみに表皮材20が設けられていたが、第8図(a)の積層体30Bのように、基材10の表裏両面に表皮材20が設けられてもよい。なお、第8図(b)は、この積層体30Bを熱プレス成形することによって製造された成形品40Aである。また、第6図の成形品40において、表皮材20を凸面に代えて凹面に形成してもよい。
基材に設けられるスリットの形状は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば第1〜3図の上記実施の形態では、スリット11は長手方向Xに延在しており、長手方向Xとスリット11の延在方向とのなす角度が0°であったが、長手方向Xとスリット11の延在方向とが多少の角度を有していてもよい。この角度は15°以下であるのが好ましい。また、このスリットは第1〜3図のスリット11のように直線状のものに限定されるものではなく、ノコギリの刃の如きジグザグ形状や、上に凸の円弧と下に凸の円弧とが長手方向Xに交互に連なってなる波形であってもよい。第1〜3図のスリット11に代えて、長手方向Xに間隔をおいて配列されてなる複数個の小スリットよりなるスリット群としてもよい。
上記実施の形態において、スリットを備えた基材10、10Aの伸び率が短手方向Yの伸び率よりも小さい限り、これら基材10、10Aを構成する合成樹脂フォーム自体は、長手方向Xの伸び率と短手方向Yの伸び率とが同一であってもよく、違っていてもよい。
上記実施の形態において、表皮材20の長手方向Xの伸び率を短手方向Yの伸び率よりも小さくしてもよい。この表皮材20を用いた積層体にあっては、基材に加えて表皮材20も長手方向Xに伸び難いため、表皮材20に皺がより生じ難くなり、成型時に形状を出すことが容易になる。
なお、上記実施の形態において、スリットは、上記した通り、ナイフ等によって容易に形成することができる。この場合、打ち抜き型を製造する必要がなく、打ち抜き残渣の除去作業を行う必要もない。フレームラミネーションによって基材に表皮材を貼りあわせる場合、スリットが閉塞することがより良好に防止される。
上記実施の形態に係る成形品を有する衣料品は、基材がスリットを有するので通気性に優れ、結果として乾燥し易くなる。また表皮材に皺が生じることが防止されるので着心地及び外観に優れる。この衣料品としては、成形品をカップ部として用いたブラジャー、成形品を肩パッドとして用いた衣服、水着、ブラジャー付きの衣服などが挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を用いて本発明について詳細に説明する。
実施例1
[積層体の製造]
第4,5図の装置を用い、基材10の表面に表皮材20を貼り合わせて積層体30Aを製造した。詳細について以下に説明する。
先ず、基材10及び表皮材20として、以下のものを用いた。
<基材>
材質:ウレタン(株式会社ブリヂストン製「VQBN」)
短手方向(第4,5図における基材の送出方向と直交方向)の長さ:1500mm
厚み:10mm
スリットの長さ:8mm
スリットの延在方向:第4,5図における基材の送出方向(第一の方向)
<表皮材>
材質:布(東洋紡社製「KTM9605」)
短手方向(第4,5図における基材の送出方向と直交方向)の長さ:1500mm
厚み:0.7mm
基材用ロール1から基材10を送り出すと共に、表皮材用ロール2から表皮材20を送り出した。
基材用ロール1から送り出された基材10の上面を炎であぶって溶融させてから、この基材10と表皮材20とを圧着ロール4,5の間に通し、基材10を構成するウレタンの熱融着性を利用して基材10に表皮材20を張り付けて硬化一体化させるフレームラミネーションにより、基材10と表皮材20とを貼り合わせた。
このようにして得られた積層体30を、上記送出方向の長さ500mm、該送出方向と直交方向の長さ300mmの長方形となるように切断し、積層体30Aを得た。
[成形品の製造]
得られた積層体30Aを、ブラジャーのカップ部用の金型内に配置し、200℃で3分間の熱プレス成形を行い、成形品を得た。
なお、積層体30Aを金型内に配置するに際しては、生地伸び方向とスリット延在方向とが垂直(生地伸び方向とスリット延在方向とのなす角度が90°)となるようにした。すなわち、積層体30Aを、そのスリットの延在方向には引っ張ることなく、スリットの延在方向と垂直方向(すなわち、スリットが目開きする方向)に引っ張るようにして、該積層体30Aを金型内に配置した。
[速乾性試験]
得られた成形品を全自動洗濯機で洗濯した。洗濯時間は40分であり、洗い、脱水、濯ぎ、脱水、濯ぎ、脱水をこの順に行った。
洗濯した成形品を以下の条件で乾燥させ、含水率が50%となるまでの時間を測定した。その結果を表1に示す。
乾燥条件:室温22℃、湿度40%、室内陰干し
[シワ入りの有無の評価]
得られた成形品についてシワの有無を目視観察した。その結果を表1に示す。
[形状の評価]
得られた成形品を目視観察し、形状の良否を以下の3段階に評価した。その結果を表1に示す。
○:非常に良好
△:良好
×:不良
[再接着性の評価]
得られた成形品を引き伸ばして、スリット部分の生地とウレタンとのズレ及び剥れを確認した。
評価結果は以下の3段階の通りとした。その結果を表1に示す。
○:非常に良好
△:良好
×:不良
[材料使用率]
上記の通り、基材10としてウレタンにスリットを入れたものを用いたが、スリットを入れない場合の同一条件の重量をW、入れた場合の基材の重量をWとし、スリットを入れた場合(W)とスリットを入れない場合(W)の重量に対する割合(=W/W×100(%))を材料使用率として算出した。その結果を表1に示す。
実施例2
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例3
フレームラミネーションに代えて、以下に説明する通りエマルジョン接着剤によって基材10と表皮材20とを貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。
すなわち、基材用ロール1から基材10を送り出すと共に、表皮材用ロール2から表皮材20を送り出した。
表面にエマルジョン接着剤(日本ゼオン社製アクリル系エマルジョン「NIPOL LX854EX」)を付着させた接着剤塗布ロールを用い、基材用ロール1から送り出された基材10の上面に接着剤を散点状に塗布(塗布量:30g/m)してから、この基材10と表皮材20とを圧着ロール4,5の間に通すことにより、基材10と表皮材20とを貼り合わせた。
その結果を表1に示す。
実施例4
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例3と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例5
エマルジョン接着剤に代えてホットメルト接着剤(バイリーン社製「EF−5」)を用いたこと以外は実施例3と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例6
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例5と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例7
スリットの長さを10mmとしたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例8
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例7と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例9
スリットの長さを10mmとしたこと以外は実施例3と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例10
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例9と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例11
スリットの長さを10mmとしたこと以外は実施例5と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
実施例12
基材の厚みを15mmとしたこと以外は実施例11と同様にして実験を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
基材にスリットを設けず、且つ、以下の通りフレームラミネーションを行うことなく基材10と表皮材20とを重ね合わせたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。
すなわち、基材用ロール1から基材10を送り出すと共に、表皮材用ロール2から表皮材20を送り出した。この基材10と表皮材20とを、フレームラミネーションを行うことなくそのまま圧着ロール4,5の間に通し、基材10と表皮材20とを積層した。
その結果を表2に示す。
比較例2
基材の厚みを15mmとしたこと以外は比較例1と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例3
スリットを設けなかったこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例4
基材の厚みを15mmとしたこと以外は比較例3と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例5
スリットを設けなかったこと以外は実施例3と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例6
基材の厚みを15mmとしたこと以外は比較例5と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例7
スリットを設けなかったこと以外は実施例5と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例8
基材の厚みを15mmとしたこと以外は比較例7と同様にして実験を行った。その結果を表2に示す。
比較例9〜20
比較例9〜20は、それぞれ、「生地伸び方向とスリット方向とのなす角度」を「0°」にし、かつ「スリット方向」を第一の方向と直交する「第二の方向」にしたこと以外は実施例1〜12と同様にして実験を行ったものである。その結果を表3に示す。
Figure 2011101996
Figure 2011101996
Figure 2011101996
[結果]
スリットの延在方向が「垂直」方向である実施例1〜12の成形品は、スリットを有しない比較例1〜8の成形品や、スリットの延在方向が「平行」方向である比較例9〜20の成形品と比較して、速乾性試験が短く、早期に乾燥した。その理由は、積層体30Aを金型に配置して成形して実施例1〜12の成形品を製造するに際し、積層体30Aをスリットの延在方向と「垂直」方向(すなわち、スリットが目開きする方向)に引っ張りながら金型内に配置して成形しているため、得られた成形品はスリットが目開きしている。この目開きしたスリットのために、実施例1〜12の成形品は通気性に優れたものとなり、早期に乾燥したものと考えられる。
また、実施例1〜12の成形品は、形状及び再接着性のいずれも良好であった。形状が良好である理由は、実施例1〜12の成形品にあっては、積層体30Aを成形する時に、スリットが目開きし、金型に倣って変形し易く、かつその形状を保持し易いためであると考えられる。再接着性が良好である理由は、積層体30Aを熱プレス成形するときに基材10と表皮材20との間に加わるストレスが、スリットの目開きによって緩和されるためであると考えられる。
特に、エマルジョン接着剤及びホットメルト接着剤によって基材10と表皮材20との貼り合わせを行った成形品(実施例3〜6、実施例9〜12)は、フレームラミネーションによる貼り合わせを行った成形品(実施例1,2,7,8)よりも再接着性がより良好であった。その理由は以下の通りであると考えられる。すなわち、フレームラミネーションは熱硬化性樹脂であるポリウレタンフォームを分解した成分により接着しているのに対し、エマルジョン接着剤やホットメルト接着剤は熱可塑性樹脂成分により接着しているため再接着性に優れている。
10、10A 基材
11,12 スリット
20 表皮材
30,30A 積層体
40,40A 成形品

Claims (10)

  1. シート状の合成樹脂フォームよりなる基材と、該基材の少なくとも一方の面に貼り合わされた表皮材とを有しており、
    該基材は第1の方向と、それに交差する第2の方向とを有しており、
    該基材と該表皮材とを該第1の方向に送りながら該基材と該表皮材とを貼り合わせてなる積層体において、
    該基材は、該第1の方向の伸び率が該第2の方向の伸び率よりも小さいことを特徴とする積層体。
  2. 請求項1において、前記基材は、略第1の方向に延在又は配列するスリットを備えており、これにより該第1の方向の伸び率が該第2の方向の伸び率よりも小さいものとなっていることを特徴とする積層体。
  3. 請求項1において、前記基材は、略第1の方向に延在又は配列する第1のスリットと、略第2の方向に延在又は配列する第2のスリットを備えており、基材の第1の方向の伸び率が第2の方向の伸び率よりも小さくなるように該第1及び第2のスリットが設けられていることを特徴とする積層体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記合成樹脂フォームは軟質ポリウレタンフォームであることを特徴とする積層体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記表皮材は布であることを特徴とする積層体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、上記表皮材は前記第1の方向の伸び率が前記第2の方向の伸び率よりも小さいことを特徴とする積層体。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の積層体を所定大きさに切断し、熱プレス成形してなる成形品。
  8. 請求項7の成形品を有する衣料品。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層体を製造する方法であって、
    該基材に対し該第1の方向に張力を加えた状態で表皮材を貼り合わせることを特徴とする積層体の製造方法。
  10. 請求項9において、基材を該第1の方向に連続的に送りながら表皮材を重ね合わせて貼り合わせることを特徴とする積層体の製造方法。
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