JP4646760B2 - 伸縮性不織布の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は伸縮性不織布の製造方法に関する。また本発明は、伸縮性不織布を備えた、伸縮部分を有する製品の製造方法に関する。
不織布と弾性繊維層とを有する複合伸縮性不織布として、表層に短繊維の繊維層を用いたものが知られている。しかし、表層に短繊維を用いると、毛羽が発生しやすく、伸縮性不織布の風合いが低下する傾向にある。毛羽の発生を防止するために、不織布と弾性繊維層とを、接着剤や熱ロール等を用いて部分接合させ、その後に機械的な延伸加工によって伸縮性を発現させることも考えられるが、その場合には、接合部分間で層間に浮きが生じ、また接合部分が硬くなり、やはり伸縮性不織布の風合いが低下する。
不織布と弾性繊維層との接合強度を高め、層間での浮きの発生を防止するために、不織布と弾性繊維層とを水流交絡させ、次いでエアスルー処理を施した後に、機械的な延伸加工によって伸縮性を発現させることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この技術では、毛羽立ちが皆無になる程度にまで不織布と弾性繊維層とを接合させると、繊維が厚み方向に硬く締まってしまい、伸縮性不織布の風合いが低下してしまう。また水流交絡の際に、弾性繊維層の構成繊維が伸縮性不織布の表面に出てきてしまい、弾性材料に特有のべたつき性に起因して伸縮性不織布の風合いが低下してしまう。更に、この技術では、熱処理によって弾性繊維層が実質的に非繊維構造に変形されフィルム状になるので、伸縮性不織布全体としての通気性が低下してしまう。
弾性的に伸縮可能なウエブの上下面に、非弾性的に伸長可能なウエブを重ね合わせ、これらを熱溶着、超音波溶着、ニードルパンチング又は水流交絡によって間欠的に接合し、次いで一方向に延伸することで伸縮性シートを製造する方法も提案されている(特許文献2参照)。この技術も、前記の技術と同様の問題点を有している。
特開平6−294060号公報 特開2001−18315号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る伸縮性不織布の製造方法を提供することにある。
本発明は、弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得、
前記繊維シートを少なくとも一方向に延伸させて、その後該繊維シートの延伸を解放し、次いで
前記繊維シートに平滑化加工を施す伸縮性不織布の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得、
前記繊維シートを少なくとも一方向に延伸させ、
延伸状態下にある前記繊維シートを、その延伸状態を維持したままで、伸縮部分を有する所定の製品を製造するための加工機に搬送し、
前記加工機において該繊維シートの延伸を解放し、次いで該繊維シートに平滑化加工を施し、更に該繊維シートに対し所定の加工を行う、伸縮部分を有する製品の製造方法を提供するものである。
更に本発明は、弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得ると共に該繊維シートを一旦巻き取り、
巻き取られた繊維シートを繰り出して、別途用意された、伸縮部分を有する所定の製品を製造するための加工機に搬送し、
前記加工機において該繊維シートを少なくとも一方向に延伸させて、該繊維シートに伸縮性を発現させ、該繊維シートの延伸を解放し、次いで該繊維シートに平滑化加工を施し、更に該繊維シートに対し所定の加工を行う、伸縮部分を有する製品の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、嵩高で厚みがあり、表面に毛羽立ちがなく滑らかで且つ柔らかな風合いを有し、十分な通気性を有する伸縮性不織布及び該伸縮性不織布を備えた製品を容易に製造できる。また本発明の製造方法によれば、弾性材料に特有のべたつき感がない伸縮性不織布及び該伸縮性不織布を備えた製品を容易に製造できる。更に本発明によれば、低坪量で伸びやすい伸縮性不織布及び該伸縮性不織布を備えた製品を容易に製造できる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の伸縮性不織布の製造方法に用いられる好ましい製造装置が模式的に示されている。図1に示す装置は、製造工程の上流側から下流側に向けて、ウエブ形成部100、熱風処理部200、延伸部300及び平滑化部400をこの順で備えている。
ウエブ形成部100には、第1ウエブ形成装置21、第2ウエブ形成装置22及び第3ウエブの形成装置23が備えられている。第1ウエブの形成装置21及び第3ウエブの形成装置23としては、カード機が用いられている。カード機としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。一方、第2ウエブ形成装置22としては、スピニングブローン紡糸装置が用いられている。スピニングブローン紡糸装置においては、溶融ポリマーの吐出ノズルの先端近辺に、一対の熱風吐出部が、前記ノズルを中心に対向配置されており、その下流に一対の冷風吐出部が、前記ノズルを中心に対向配置された紡糸ダイが備えられている。スピニングブローン法に用いられる紡糸ダイとしては、例えば特開平3−174008号公報の図2に示されるものや、特許第3335949号公報の図1ないし図3に示されるものを用いることができる。紡糸ダイより紡出した繊維は捕集ネットからなるコンベア上に堆積させる。
熱風処理部200は熱風炉24を備えている。熱風炉24内では、所定温度に加熱された加熱ガス、特に加熱空気が吹き出すようになっている。互いに重ね合わされた3層のウエブが熱風炉内に導入されると、該ウエブの上方から下方に向けて、若しくはその逆方向に、又は両方向に加熱ガスが強制的に貫通する。
延伸部300は延伸装置30を備えている。延伸装置30は、大径部31,32と小径部(図示せず)とが軸線方向に交互に形成されてなり、互いに噛み合いが可能になっている一対の凹凸ロール33,34を備えている。両凹凸ロール33,34間に繊維シートが噛み込まれることで該繊維シートがロールの軸線方向(即ちシートの幅方向)へ延伸される。
平滑化部は2個で一組をなすロール40,41を備えている。各ロール40,41は、何れも鏡面加工された金属製のフラットロールであってもよく、或いは梨地やドットパターン等の微細な凹凸が施された彫刻ロールと受けロールとの組み合わせであってもよい。この受けロールとしては、鏡面加工された金属製のフラットロールや、EPDM、シリコン、NBR、硬質ゴム等からなる各種樹脂ロールが用いられる。
以上の構成を有する装置を用いた伸縮性不織布の製造方法について説明すると、先ず、弾性繊維からなるウエブの各面に、同一の又は異なる非弾性繊維からなる一対のウエブを配する。なお「弾性繊維からなるウエブ」とは、弾性繊維のみからなるウエブだけでなく、該ウエブから形成される弾性繊維層(後述する図4における符号1で示される層)の伸縮弾性を損なわない範囲において、弾性繊維に加えて少量の非弾性繊維が含まれているウエブも包含する。
図1に示すように、ウエブ形成部100においては、非弾性の短繊維を原料として用い、第1ウエブ形成装置21であるカード機によって非弾性繊維ウエブ3’を製造し、一方向に連続搬送させる。熱可塑性エラストマー等からなる弾性樹脂を原料として用い、第2ウエブ形成装置22であるスピニングブローン紡糸装置によって紡出された繊維は捕集ネットからなるコンベア上に堆積され、弾性繊維の連続フィラメントからなる弾性繊維ウエブ1’が製造される。これをコンベアから剥離させ第1ウェブ形成装置21より形成され一方向に連続搬送されている非弾性繊維ウエブ3’上に積層させる。この弾性繊維ウエブ1’上には、更に、第3ウエブ形成装置23であるカード機によって製造された非弾性繊維ウエブ2’が積層される。
弾性繊維ウエブ1’の形成にスピニングブローン法を用いると、溶融繊維の熱風による伸長と、冷風による冷延伸とが連続的に行われるので、弾性繊維の成形を容易に行えるという利点がある。また、繊維が緻密になりすぎず、短繊維に類した太さの弾性繊維を成形できるので、通気性の高い不織布が得られるという利点もある。更にスピニングブローン法によれば、連続フィラメントのウエブを得ることができる。連続フィラメントのウエブは、短繊維のウエブに比較して高伸張時の破断が起こりにくく、弾性を発現させやすいことから、本実施形態において極めて有利である。
弾性繊維ウエブ1’の構成繊維としては、例えば熱可塑性エラストマー、ゴムなどを原料とする繊維を用いることができる。特に熱可塑性エラストマーを原料とする繊維は、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた繊維は熱融着させやすいので、熱風処理部200による熱融着を行う本実施形態の製造方法に好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性繊維の成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
非弾性繊維ウエブ2’,3’の構成繊維は、実質的に非弾性のものである。該繊維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。非弾性繊維ウエブ2’,3’の構成繊維としては、カード機の通過性の点から短繊維が用いられる。該繊維は親水性でも撥水性でも良い。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。2つの非弾性繊維ウエブ2’,3’は、構成繊維の材料、ウエブの坪量や厚み等に関して同じであっても良く、或いは異なっていてもよい。芯鞘型の複合繊維を用いる場合、芯がPET、PP、鞘が低融点PET、PP、PEが好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等を好ましく含む弾性繊維ウエブ1’の構成繊維との熱融着が強くなり、層剥離が起こりにくくなる点で好ましい。
3つのウエブの積層体は、エアスルー方式の熱風炉24に送られ、そこで熱風処理が施される。熱風処理によって、繊維どうしの交点が熱融着し、弾性繊維ウエブ1’はその全面において非弾性繊維ウエブ2’,3’と接合する。熱風処理に際しては、各層のウエブが一体化していないことが必要である。これによって各ウエブが有する嵩高で厚みのある状態が熱風処理後も維持されて、風合いの良好な伸縮性不織布が得られる。これに対して、先に述べた特許文献1に記載の技術では、熱風処理に先立ち水流交絡によって複数のウエブを一体化しているので、最終的に得られる伸縮性不織布が嵩高なものとならない。特許文献2に記載の技術では、エンボスロールによる熱溶着や超音波溶着によって複数のウエブを接合しており、エアスルー方式の熱融着を行っていないので、やはり最終的に得られる伸縮性不織布が嵩高なものとならない。
熱風処理によって、繊維どうしの交点を熱融着させ、各層のウエブを全面接合することに加えて、主として熱風の吹き付け面側に位置する非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維の一部を、弾性繊維ウエブ1’に入り込ませることが好ましい。また、熱風処理の条件を制御することによって、非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維の一部を、弾性繊維ウエブ1’に入り込ませ、更に、該ウエブ1’の構成繊維と交絡させることが好ましい。或いは、非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維の一部を、弾性繊維ウエブ1’を突き抜けさせて、非弾性繊維ウエブ3’にまで到達させ、該ウエブ3’の構成繊維と交絡させることが好ましい。
非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維の一部を、弾性繊維ウエブ1’に入り込ませる、及び/又は、弾性繊維ウエブ1’の構成繊維の一部を非弾性繊維ウエブ2’に入り込ませるための条件は、熱風風量0.4〜3m/秒、温度80〜160℃、搬送速度5〜200m/分、熱処理時間0.5〜10秒であることが好ましい。特に好ましくは熱風風量1〜2m/秒である。上記条件は繊維を軟化させて均一に入り込ませる点と繊維を融着させる点においても好ましい。更に、繊維を交絡させるためには、熱風風量を3〜5m/秒とし、吹きつけ圧を0.1〜0.3kg/cm2とすることで可能となる。弾性繊維ウエブ1’の通気度が8m/kPa・s以上、更に好ましくは24m/kPa・s以上であると、熱風の通りがよくなり、繊維をより均一に入り込ませることができるので好ましい。また、繊維の融着が良好で最大強度が高くなる。更に毛羽立ちも防止される。
熱風処理においては、非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維の一部が、弾性繊維ウエブ1’に入り込むのと同時に、非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維及び/又は非弾性繊維ウエブ3’の構成繊維と、弾性繊維ウエブ1’の構成繊維とが、それらの交点で熱融着することが好ましい。この場合、熱風処理を、該熱風処理後の弾性繊維が繊維形態を維持するような条件下に行うことが好ましい。即ち、熱風処理によって弾性繊維ウエブ1’の構成繊維がフィルム状、或いはフィルム−繊維構造にならないようにすることが好ましい。そして、熱風処理においては、非弾性繊維ウエブ2’の構成繊維どうしが交点において熱融着し、同様に弾性繊維ウエブ1’の構成繊維どうし、及び非弾性繊維ウエブ3’の構成繊維どうしが交点において熱融着する。
エアスルー方式の熱風処理によって、3つのウエブが一体化された繊維シート10Bが得られる。繊維シート10Bは、一定幅を有して一方向に延びる長尺帯状のものである。繊維シート10Bは、次いで延伸部300へ搬送される。延伸部300において繊維シート10Bは、大径部31,32と小径部(図示せず)が軸長方向に交互に形成された一対の凹凸ロール33,34を備えた延伸装置30によって、搬送方向(MD)と直交する方向(CD)へ延伸される。
延伸装置30は、一方又は双方の凹凸ロール33,34の枢支部を公知の昇降機構により上下に変位させ、両者の間隔が調節可能に構成されている。図2に示されるように、各凹凸ロール33,34は、一方の凹凸ロール33の大径部31が、他方の凹凸ロール34の大径部32間に遊挿され、他方の凹凸ロール34の大径部32が一方の凹凸ロール33の大径部31間に遊挿されるように組み合わされる。この状態の両ロール33,34間に、繊維シート10Bを噛み込ませて、繊維シート10Bを延伸させる。これによって伸縮性が付与された繊維シート10Aが得られる。
繊維シート10Bが、凹凸ロール33,34間に噛み込まれた状態で両ロール33,34間を通過する際には、図2に示すように、大径部間に位置する繊維シート10Bが幅方向へ積極的に引き伸ばされる。従って、各層のウエブ間の剥離が生じるのを防止しつつ、繊維シート10Bを効率的に延伸させることができる。また、この延伸により、非弾性繊維ウエブ2’,3’が十分に延伸され、それによって非弾性繊維ウエブ2,3が、弾性繊維ウエブ1’の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。その結果、本製造方法によれば、高伸縮性であり、また、破れや毛羽立ちの少ない外観の良好な伸縮性不織布を効率的に製造することができる。
凹凸ロール33,34の大径部31,32の周面は、繊維シート10Bに損傷を与えないようにするために、先鋭でないことが好ましい。例えば図2に示すように、所定幅の平坦面となっていることが好ましい。大径部31,32の先端面の幅W(図2参照)は、0.3〜1mmであることが好ましい。これにより、非弾性繊維の繊維形態が破壊されにくくなり、高強度の伸縮性不織布が得られる。大径部間のピッチP(図2参照)は、0.7〜2.5mmであることが好ましい。これによって布様の外観を呈し、肌ざわりの良い伸縮性不織布が得られる。
延伸装置30から送り出された繊維シート10Aは、その幅方向への延伸状態が解放される。即ち伸長が緩和される。その結果、繊維シート10Aに伸縮性が発現し、該シート10Aはその幅方向へ収縮する。なお、延伸状態を解放する場合、延伸状態が完全に解放されるようにしてもよく、或いは伸縮性が発現する限度において、延伸状態が或る程度維持された状態で延伸状態を解放してもよい。
延伸装置30としては、図1に示すものの他に、図3に示すものを用いることができる。図3に示す延伸装置30Aは、繊維シート10BをMDに延伸させるものである。延伸装置30Aは、2個で一対をなす第1延伸ロール35,第2延伸ロール36が、繊維シート10Bの搬送方向に沿ってこの順で配置されている。第1延伸ロール35と第2延伸ロール36は同径のものであるが、その周速が異なっている。詳細には、第1延伸ロール35の周速よりも、第2延伸ロール36の周速の方が速くなっている。その結果、両ロール35,36間において繊維シート10Bはその搬送方向(MD)に引き伸ばされる。
第2延伸ロール36の下流側には、ダンサーロール群37が配置されている。ダンサーロール群37によって、繊維シート10Bは、その長手方向への延伸状態が解放される。即ち伸長が緩和される。その結果、繊維シート10Bはその長手方向へ収縮する。
延伸によって伸縮性が付与された繊維シート10Aは、その延伸に起因してシート表面に毛羽立ちが生じている。この毛羽立ちを低減させて、シート10Aの表面を滑らかにするために、繊維シート10Aは平滑化部400へ導入される。平滑化部400において、繊維シート10Aは、一対のロール40,41によって挟圧される。ロール40,41は加熱されていてもよく、或いは加熱されていなくてもよい。毛羽立ちを効果的に低減する観点からは、ロール40,41は加熱されていることが好ましい。この挟圧によって、毛羽立っていた繊維が倒伏し、その倒伏状態が維持される。その結果、繊維シート10Aの表面が滑らかになり、目的とする伸縮性不織布10が得られる。
ロール40,41による加工は、繊維シート10Aの表面の平滑化を目的とするものであるから、両ロールによる挟圧の条件は比較的穏やかでよい。逆に、挟圧の条件を過酷にすると、繊維シート10Aの嵩高さが損なわれ、また繊維のフィルム化が起こり、最終的に得られる伸縮性不織布の風合いや通気性にマイナスに作用する。従って、例えば挟圧の線圧は、加工対象である繊維シート10Aの厚みにもよるが、一般に50〜600N/cm、特に50〜400N/cmであることが好ましい。またロールの加熱温度は、繊維の構成樹脂の種類や繊維シート10Aの搬送速度にもよるが、一般に50〜160℃、特に60〜120℃であることが好ましい。
ロール40,41の一方が、梨地等の微細な凹凸が施された彫刻ロールの場合には、繊維シート10Aに該凹凸に対応する凹凸模様が形成される。ロール40,41の何れもがフラットロールである場合には、繊維シート10Aには模様は形成されない。なお、挟圧の条件によっては、熱融着によって繊維どうしの交点での接合が起こり、各層のウエブの一体化が一層促進される。しかし、熱風処理部200によって行われるエアスルー方式の熱融着と異なり、ロール40,41による挟圧によっては構成繊維どうしは交絡しない。
図4には、図1に示す装置を用いて製造された伸縮性不織布10の断面構造が模式的に示されている。伸縮性不織布10は、弾性繊維層1の両面に、同一の又は異なる、実質的に非弾性の非弾性繊維層2,3が積層されて構成されている。弾性繊維層1と、非弾性繊維層2,3とは、弾性繊維層1の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって全面で接合されている。つまり、部分接合されている従来の伸縮性不織布とは、接合状態が異なっている。弾性繊維層1と、非弾性繊維層2,3とが全面接合されている伸縮性不織布10においては、弾性繊維層1と、非弾性繊維層2,3との界面及びその近傍において、弾性繊維層1の構成繊維と、非弾性繊維層2,3の構成繊維との交点が熱融着しており、実質的に全面で均一に接合されている。全面で接合されていることによって、弾性繊維層1と、非弾性繊維層2,3との間に浮きが生じること、つまり、両層が離間して空間が形成されることが防止される。両層間に浮きが生じると、弾性繊維層と非弾性繊維層との一体感がなくなり伸縮性不織布10の風合いが低下する傾向にある。本発明によれば、あたかも一層の不織布ごとき一体感のある多層構造の伸縮性不織布が提供される。
「弾性繊維層1の構成繊維が繊維形態を保った状態」とは、弾性繊維層1の構成繊維のほとんどが、熱や圧力等を付与された場合であっても、フィルム状、又はフィルム−繊維構造に変形していない状態をいう。弾性繊維層1の構成繊維が繊維形態を保った状態にあることで、先に述べた特許文献2記載の伸縮性不織布と異なり、本実施形態の伸縮性不織布10には十分な通気性が付与されるという利点がある。
弾性繊維層1は、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。同様に、非弾性繊維層2,3も、その層内において、構成繊維の交点が熱融着している。
2つの非弾性繊維層2,3のうちの少なくとも一方においては、その構成繊維の一部が弾性繊維層1に入り込んだ状態、及び/又は、弾性繊維層の構成繊維の一部が少なくとも一方の非弾性繊維層2,3に入り込んだ状態になっている。このような状態になっていることで、弾性繊維層1と、非弾性繊維層2,3との一体化が促進され、両層間に浮きが生じることが一層効果的に防止される。結果としてそれぞれの層の表面に追従した形で層と層が組み合わさっている状態となる。非弾性繊維層の構成繊維は、その一部が弾性繊維層1に入り込み、そこにとどまっているか、或いは弾性繊維層1を突き抜けて、他方の非弾性繊維層にまで到達している。それぞれの各層において表面繊維間を結ぶ面をマクロ的に想定したとき、この面から層の内側に形成される繊維空間に、他の層の構成繊維の一部が前記層の断面厚み方向へ入り込んでいる。非弾性繊維層の構成繊維が弾性繊維層1に入り込み、そこにとどまっている場合、該構成繊維は、更に弾性繊維層1の構成繊維と交絡していることが好ましい。同様に、非弾性繊維層の構成繊維が弾性繊維層1を突き抜けて、他方の非弾性繊維層にまで到達している場合には、該構成繊維は、他方の非弾性繊維層の構成繊維と交絡していることが好ましい。これは伸縮性不織布の厚み方向断面をSEMやマイクロスコープなどで観察した際に、層間において実質的に空間が形成されていないことで確認される。また、ここで言う「交絡」とは、繊維どうしが十分に絡み合っている状態を意味し、繊維層を単に重ね合わせただけの状態は交絡に含まれない。交絡しているか否かは、例えば、繊維層を単に重ね合わせた状態から、繊維層を剥離するときに要する力と、繊維層を重ね合わせ、それに熱融着を伴わないエアスルー法を適用した後に、繊維層を剥離する力とを比較して、両者間に実質的に差異が認められる場合には、交絡していると判断できる。
伸縮性不織布10の好ましい形態においては、実質的に非弾性の非弾性エアスルー不織布の厚み方向内部に、構成繊維が繊維形態を保った状態の弾性繊維層1が含まれており、該エアスルー不織布の構成繊維の一部が弾性繊維層1に入り込んだ状態、及び/又は、弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込んだ状態になっている。更に好ましい形態においては、エアスルー不織布の構成繊維の一部が弾性繊維層1の構成繊維とエアスルー法によってのみ交絡している。弾性繊維層1がエアスルー不織布の内部に含まれていることによって、弾性繊維層1の構成繊維は、実質的に伸縮性不織布の表面には存在しないことになる。このことは、弾性繊維に特有のべたつき感が生じない点から好ましいものである。
弾性繊維層1は、伸ばすことができ且つ伸ばした力から解放したときに収縮する性質を有するものである。弾性繊維層1は、少なくとも面と平行な一方向において、100%伸長後に収縮させたときの残留歪みが20%以下、特に10%以下であることが好ましい。この値は、少なくとも、MD方向及びCD方向の何れか一方において満足することが好ましく、両方向において満足することがより好ましい。
2つの非弾性繊維層2,3のうち少なくとも一方は、その厚みが弾性繊維層1の厚みの1.2〜20倍、特に1.5〜5倍になっていることが好ましい。一方、坪量に関しては、2つの非弾性繊維層2,3のうち少なくとも一方は、その坪量よりも弾性繊維層の坪量の方が高くなっていることが好ましい。換言すれば、非弾性繊維層は、弾性繊維層よりも厚く且つ坪量が小さいことが好ましい。厚みと坪量とがこのような関係になっていることで、非弾性繊維層は、弾性繊維層に比較して厚みのある嵩高なものとなる。その結果、伸縮性不織布10は柔らかで風合いの良好なものとなる。
非弾性繊維層2,3の厚みそのものに関しては、0.05〜5mm、特に0.1〜0.5mmであることが好ましい。一方、弾性繊維層1の厚みそのものに関しては、非弾性繊維層2,3の厚みよりも小さいことが好ましく、具体的には0.01〜2mm、特に0.1〜0.2mmであることが好ましい。厚みの測定は伸縮性不織布断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、3視野の厚みの平均値として求めることができる。
非弾性繊維層2,3の坪量そのものに関しては、弾性繊維層の表面を均一に覆う観点及び残留歪みの観点から、それぞれ1〜60g/m2、特に5〜15g/m2であることが好ましい。一方、弾性繊維層1の坪量そのものに関しては、伸縮特性及び残留歪みの観点から、非弾性繊維層2,3の坪量よりも大きいことが好ましい。具体的には5〜80g/m2、特に20〜40g/m2であることが好ましい。
構成繊維の繊維径に関し、弾性繊維層1の構成繊維の繊維径は、少なくとも一方の非弾性繊維層2,3の構成繊維の繊維径の1.2〜5倍、特に1.2〜2.5倍であることが好ましい。これに加えて弾性繊維層1の構成繊維は、通気性及び伸縮特性の観点から、その繊維径が5μm以上、特に10μm以上が好ましく、100μm以下、特に40μm以下であることが好ましい。一方、非弾性繊維層2,3の構成繊維は、その繊維径が1〜30μm、特に10〜20μmであることが好ましい。つまり、非弾性繊維層2,3の構成繊維としては、弾性繊維層1の構成繊維よりも細めのものを用いることが好ましい。これによって、表層に位置する非弾性繊維層2,3の構成繊維の融着点が増加する。融着点の増加は、伸縮性不織布10の毛羽立ち発生の防止に有効である。さらに、細めの繊維を用いることで肌ざわりの良い伸縮性不織布10が得られる。
本実施形態の伸縮性不織布10には、図4に示すように、非弾性繊維層2,3に、微小な凹部が形成されている。これによって、伸縮性不織布10は、その断面が、微視的には波形形状になっている。この波形形状は、伸縮性不織布の10の延伸加工によって生じたものである。この波形形状は、伸縮性不織布10に伸縮性を付与した結果生じるものであり、不織布10の風合いそのものに大きな影響を及ぼすものではない。
本実施形態の伸縮性不織布10は、その面内方向の少なくとも一方向に伸縮性を有する。面内のすべての方向に伸縮性を有していてもよい。その場合には、方向によって伸縮性の程度が異なることは妨げられない。最も伸縮する方向に関し、伸縮性の程度は、100%伸長時の荷重が20〜500cN/25mm、特に40〜150cN/25mmであることが好ましい。また100%伸長状態から収縮させたときの残留歪みが15%以下、特に10%以下であることが好ましい。
本実施形態の伸縮性不織布10は、その良好な風合いや、滑らかさ、毛羽立ち防止性、伸縮性、通気性の点から、外科用衣類やマスク、清掃シート等の各種の用途に用いることができる。特に生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の構成材料として好ましく用いられる。例えば、使い捨ておむつの外面を構成するシート、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等として用いることができる。また、ナプキンの伸縮性ウイングを形成するシート等として用いることができる。また、それ以外の部位であっても、伸縮性を付与したい部位等に用いることができる。伸縮性不織布の坪量や厚みは、その具体的な用途に応じて適切に調整できる。例えば吸収性物品の構成材料として用いる場合には、坪量20〜160g/m2程度、厚み0.1〜5mm程度とすることが望ましい。また、本発明の伸縮性不織布は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保っていることに起因して、柔軟であり、また通気性が高くなっている。柔軟性の尺度である曲げ剛性に関し、本発明の伸縮性不織布は、曲げ剛性値が10g/30mm以下と低いものとなっていることが好ましい。通気性に関しては、通気度が16m/kPa・s以上となっていることが好ましい。また、伸度は100%以上であることが望ましい。また、本発明の伸縮性不織布は、毛羽立ちが抑えられていることに起因して、良好な風合いを有し、滑らかである。その風合いの尺度である表面特性に関しては、表面粗さの平均偏差SMDが4.0μm以下、摩擦係数の平均偏差MMDが0.01未満であることが好ましい。
曲げ剛性は、JIS L−1096に準拠して測定され、ハンドルオメーターによる押し込み量8mm、スリット幅10mmの条件において、それぞれ流れ方向とそれに対して直角方向に曲げた際の平均値として得られる。通気度は、カトーテック製AUTOMATIC AIR−PERMEABILITY TESTER KES-F8-AP1により通気抵抗を測定し、その逆数として求められる。
SMD及びMMDは以下の書籍に記載の方法に従い、カトーテック株式会社製のKESFB4−AUTO−A(商品名)を用いて測定される。
川端季雄著、「風合い評価の標準化と解析」、第2版、社団法人日本繊維機会学会 風合い計量と規格化研究委員会、昭和55年7月10日発行
<表面粗さSMDの測定法>
20cm×20cmの試験片を準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつける。接触子を9.8cN(誤差±0.49cN以内)で試験片を圧着し、試験片を0.1cm/secの一定速度で水平に2cm移動させる。試験片には19.6cN/cmの一軸張力が与えられる。接触子は、0.5mm径のピアノ線で幅5mmでU字状に曲げられ、9.8cNで試験片を圧着する。この接触子は、ばねで圧着されるが、ばねの定数は24.5cN/mm(誤差±0.98cN/mm以内)とし、共振周波数は表面接触から離れた状態で30Hz以上とする。粗さの測定値はSMD値で表される。この測定をMD及びCDともに行い、下記式(1)により平均値を出し、これを表面粗さとする。
表面粗さ={(SMDMD 2+SMDCD 2)/2}1/2 …(1)
<摩擦係数の平均偏差MMDの測定法>
20cm×20cmの試験片を準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつける。接触子を49cNの力で接触面を試験片に圧着し、試験片を0.1cm/secの一定速度で水平に2cm移動させる。試験片には19.6cN/cmの一軸張力が与えられる。接触子は、表面粗さの測定に用いた接触子と同じ0.5mm径のピアノ線を20本並べ幅10mmでU字状に曲げたもので、重錘によって49cNの力で接触面を試験片に圧着させる。摩擦係数の平均偏差の測定値はMMD値で表される。この測定をMD及びCDともに行い、下記式(2)により平均値を出し、これを摩擦係数の平均偏差とする。
摩擦係数の平均偏差={(MMDMD 2+MMDCD 2)/2}1/2 …(2)
以上の実施形態においては、図1に示す装置を用いて製造された伸縮性不織布10を加工して伸縮部分を有する種々の製品を製造している。つまり、伸縮性不織布の製造ラインと、製品の製造ラインとは別である。これに代えて、伸縮性不織布の製造ラインと、製品の製造ラインとを一つのラインにして、伸縮性不織布の製造と製品の製造とを連続的にインラインで行うこともできる。具体的には、図1に示すウエブ形成部100、熱処理部200及び延伸部300における加工で繊維シート10Aを製造する。次いで延伸状態下にある繊維シート10Aをその延伸状態を維持したままで、所定の製品、例えば前述した吸収性物品、外科用衣類、マスク、清掃シートなど伸縮部分を有する製品を製造するための加工機に連続的に搬送する。そして該加工機において繊維シート10Aの延伸を解放する。例えば、繊維シート10Aがその幅方向に延伸している場合には、該シート10Aの幅を縮ませることで、延伸が解放される。繊維シート10Aがその長手方向に延伸している場合には、該シート10Aを、その長手方向に所定間隔をおいて、その幅方向に向けて切断することで、延伸が解放される。延伸の解放を行った後、繊維シート10Aに平滑化加工を施す。更に、平滑化加工が施された繊維シート10Aに対して所定の加工、例えば他の部材との重ね合わせや接合を行う。このようにして、伸縮性不織布を一部に備えた、伸縮部分を有する製品を製造することができる。
本発明の更に別の実施形態として、伸縮性不織布10が出来上がる前の中間段階にあるシート材を一旦巻き取っておき、巻き取られた該シート材を繰り出して、製品の製造ライン中で、該シート材に伸縮性を付与すると共に、伸縮性が付与された該シート材を原料として製品を製造することもできる。具体的には、図1に示すウエブ形成部100及び熱処理部200における加工で繊維シート10Bを製造し、該繊維シート10Bを一旦巻き取っておく。巻き取られた繊維シート10Bを、別途用意された、伸縮部分を有する所定の製品を製造するための加工機に設置する。この加工機は、繊維シート10Bを製造する装置とは別の場所(例えば工場敷地内の別の建屋や遠隔地)に設置することができる。この加工機には延伸装置及び平滑化装置が備えられている。巻き取られた繊維シート10Bを繰り出して該加工機に搬送し、該加工機において繊維シート10Bを延伸させる。次いで該加工機において繊維シート10Aの延伸を解放する。更に繊維シート10Aに平滑化加工を施す。その後、平滑化加工が施された繊維シート10Aに対して所定の加工、例えば他の部材との重ね合わせや接合を行う。このようにして、伸縮性不織布を一部に備えた、伸縮部分を有する製品を製造することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、弾性繊維ウエブ1’の形成にスピニングブローン法を用いたが、これに代えてメルトブローン法やスパンボンド法を用いてもよい。
また、熱風処理部200によって接合一体化される前の状態の各ウエブは、その構成繊維の交点が接合されていない状態であることが好ましいが、該ウエブとして、構成繊維の交点が接合された状態になっている不織布を用いてもよい。
また前記の実施形態においては、弾性繊維ウエブ1’の各面に非弾性繊維ウエブ2’,3’を積層したが、これに代えて、弾性繊維ウエブの一面にのみ非弾性繊維ウエブを積層してもよい。この場合には、弾性繊維層と非弾性繊維層の2層構造の伸縮性不織布が得られる。2層構造の伸縮性不織布を、吸収性物品の構成材料として用いる場合、特に使用者の肌に触れる箇所に使用する場合には、非弾性繊維層を着用者の肌側に向くように使用することが、肌触りやべたつき防止等の観点から好ましい。
また図3に示す方法においては、一方の凹凸ロールの大径部と他方の凹凸ロールの小径部とによって繊維シート10Aが挟まれていない状態で延伸が行われたが、両者間の間隔を狭くして、両者間に繊維シート10Aを挟んだ状態で延伸を行うこともできる。つまり、繊維シートを介して底つきした状態で延伸することもできる。また、延伸工程は、特開平6−133998号公報に記載の方法を用いることもできる。
また前記実施形態においては、繊維シート10Bに対してその長手方向又は幅方向の一方向への延伸を行ったが、これに代えて長手方向及び幅方向の二方向への延伸を行ってもよい。
図1は、本発明の伸縮性不織布の製造方法に用いられる好ましい装置を示す模式図である。 図2は、繊維シートの延伸加工を施している状態を示す模式図である。 図3は、延伸装置の他の実施形態を示す模式図である。 図4は、本発明の伸縮性不織布の一実施形態の断面構造を示す模式図である。
符号の説明
1’ 弾性繊維ウエブ
2’ 非弾性繊維ウエブ
3’ 非弾性繊維ウエブ
1 弾性繊維層
2 非弾性繊維層
3 非弾性繊維層
10A,10B 繊維シート
10 伸縮性不織布

Claims (7)

  1. 弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
    これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得、
    前記繊維シートを少なくとも一方向に延伸させて、その後該繊維シートの延伸を解放し、次いで
    前記繊維シートに平滑化加工を施す伸縮性不織布の製造方法。
  2. 平滑化加工を一対のフラットロール、又は彫刻ロールと受けロールとによって行う請求項1記載の製造方法。
  3. エアスルー方式の熱風処理を、該熱風処理後の弾性繊維が繊維形態を維持するような条件下に行う請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 大径部と小径部とが軸線方向に交互に形成されてなり、互いに噛み合いが可能になっている一対の凹凸ロール間に、前記繊維シートを噛み込ませ、該繊維シートを延伸させる請求項1ないし3の何れかに記載の製造方法。
  5. 弾性繊維からなるウエブをスピニングブロー法によって形成する請求項1ないし4の何れかに記載の製造方法。
  6. 弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
    これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得、
    前記繊維シートを少なくとも一方向に延伸させ、
    延伸状態下にある前記繊維シートを、その延伸状態を維持したままで、伸縮部分を有する所定の製品を製造するための加工機に搬送し、
    前記加工機において該繊維シートの延伸を解放し、次いで該繊維シートに平滑化加工を施し、更に該繊維シートに対し所定の加工を行う、伸縮部分を有する製品の製造方法。
  7. 弾性繊維からなるウエブの少なくとも一面に、非弾性繊維からなるウエブを配し、
    これらのウエブに対して、それらが一体化していない状態下に、エアスルー方式の熱風処理を施して繊維どうしを熱融着させ、これらのウエブが一体化してなる繊維シートを得ると共に該繊維シートを一旦巻き取り、
    巻き取られた繊維シートを繰り出して、別途用意された、伸縮部分を有する所定の製品を製造するための加工機に搬送し、
    前記加工機において該繊維シートを少なくとも一方向に延伸させて、該繊維シートに伸縮性を発現させ、該繊維シートの延伸を解放し、次いで該繊維シートに平滑化加工を施し、更に該繊維シートに対し所定の加工を行う、伸縮部分を有する製品の製造方法。
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