JP2011101910A - ダイヤモンド被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具寿命が長く、かつ良好な加工品位を有するダイヤモンド被覆切削工具を提供する。
【解決手段】本発明のダイヤモンド被覆切削工具は、基材と、該基材の表面を被覆したダイヤモンド層とを含むものであって、該ダイヤモンド被覆切削工具は、すくい面と逃げ面とを有し、すくい面と逃げ面とが交わる刃先稜線からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部とすると、切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、切れ刃部において、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚は、すくい面のダイヤモンド層の平均層厚よりも厚いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイヤモンド被覆切削工具に関し、特に基材の表面をダイヤモンド層で被覆したダイヤモンド被覆切削工具に関する。
ダイヤモンドは現存する物質中最高の硬度を有する。このため、天然ダイヤモンド、超高圧ダイヤモンド焼結体等を切刃に使用した切削工具は、古くから開発が進められてきた。
1980年代に化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いたダイヤモンド薄膜製造技術が確立されてからは、比較的形状自由度の高いダイヤモンド層を被覆することができるようになった。その後、ドリル、エンドミル等のように複雑な曲面を有する切削工具の表面にもダイヤモンド層を形成することが試みられるようになり、切削、研削、耐磨等の各種工具用途に適したダイヤモンド被覆切削工具の技術開発が盛んになった。
このようなダイヤモンド被覆切削工具は、従来のノンコート超硬工具、セラミック被覆工具等の切削工具に比して、その表面が強固なものとなるため、飛躍的に工具寿命が長いというメリットがある。しかも、これまで工具による加工が困難とされてきた各種難削材の加工にもダイヤモンド被覆切削工具は対応することができる。ここでの難削材とは、たとえば繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)、Al、Ti等の加工時に溶着しやすい金属の複合構造材料、非金属、ガラス、セラミックス等からなる被削材をいう。
しかし、ダイヤモンド被覆切削工具の表面は硬度の高いダイヤモンド層で被覆されているといえども、切削加工を長期間続けることによりダイヤモンド層が摩耗する。このため工具寿命を十分に担保するという観点からは、ダイヤモンド層が極薄膜であるよりも、ダイヤモンド層の厚みをなるべく厚くすることが好ましい。
一方、ダイヤモンド層の厚みを厚くすると、切れ刃の刃先Rもこの層厚変化に比例して大きくなるため、工具の切れ味が低下するという問題がある。このように層厚の厚いダイヤモンド層を有するダイヤモンド被覆切削工具を用いて、たとえば炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を切断すると、未切断繊維が残存したり、層間剥離を引き起こしたりすることにもなり、また金属を切断すると溶着や切り屑詰まりの原因となる。
上記のような問題を解決するための試みとして、たとえば特許文献1および特許文献2には、基材を厚膜のダイヤモンド層で被覆した後に、ダイヤモンド層の刃先部分に対してダイヤモンド砥石で研磨してその刃先を鋭利にする(このようにして形成される刃先のことを「チャンファ」と記す)ことにより、ダイヤモンド被覆切削工具の切れ味を向上させるという技術が開示されている。特許文献1および特許文献2に開示されている技術により、たしかにダイヤモンド被覆切削工具の切れ味が長期に亘り劣化しにくくできる傾向にある。
特開2002−370106号公報 特開2002−370107号公報 特開2007−307673号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2のダイヤモンド被覆切削工具のように刃先部分のダイヤモンド層にチャンファを設けることにより、チャンファの分だけダイヤモンド層の層厚が薄くなるため、これに伴いダイヤモンド被覆切削工具の工具寿命が低下するという問題がある。
しかも、ダイヤモンドは極めて高硬度であるため、ダイヤモンド層の加工は、ダイヤモンド砥石による共削りが例示されている。また、特許文献3では、ドライエッチングという加工手段が開示されている。しかしながら、かかる加工手段は、長時間を要するために加工費用が高額になる。その上、所望のチャンファの形状に加工する際に、その刃先にかかる負荷が大きいため、ダイヤモンド被覆切削工具に欠損等の不良が生じやすくなる傾向もある。
上述のようにダイヤモンド被覆切削工具の加工品位および工具寿命を向上するための技術は提案されているものの、両者はトレードオフの関係にあり、未だそれらを高度に両立させた技術は開発されていない。よって、加工品位が良好であって、かつ工具寿命が長いダイヤモンド被覆切削工具の開発が待望されている。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、工具寿命が長く、かつ良好な加工品位を有するダイヤモンド被覆切削工具を提供することである。
図2において、(a)は、従来のダイヤモンド被覆切削工具の基材とダイヤモンド層との切れ刃部付近の概略断面図であり、(b)は、(a)の従来のダイヤモンド被覆切削工具を用いて難削材を加工した後の、ダイヤモンド層の摩耗形態を示す模式的な断面図である。
本発明者らは、図2(a)に示されるダイヤモンド被覆切削工具20を用いて難削材を切削したときに、ダイヤモンド層の摩耗に特徴的な傾向が見られるかを調査した。その結果、図2(b)に示されるダイヤモンド層の摩耗部分15のように、逃げ面14のダイヤモンド層12の摩耗が優先的に進行し、すくい面13のダイヤモンド層12の摩耗は相対的に摩耗しにくいという知見を得た。これは、被削材の硬度および耐摩耗性が高いために、被削材と擦れる逃げ面側14のダイヤモンド層12の摩耗が進展しやすいためと推察された。
かかる推察によれば、すくい面13側のダイヤモンド層12を薄膜化することは長寿命化に寄与するものの、逃げ面14側のダイヤモンド層12を追加工(薄膜化)することは長寿命化に寄与しないと考えられ、この考えに基づき鋭意検討することにより、ついに本発明を完成させた。
すなわち、本発明のダイヤモンド被覆切削工具は、基材と、基材の表面を被覆したダイヤモンド層とを含むダイヤモンド被覆切削工具であって、該ダイヤモンド被覆切削工具は、すくい面と逃げ面とを有し、すくい面と逃げ面とが交わる刃先稜線からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部とすると、切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、切れ刃部において、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚は、すくい面のダイヤモンド層の平均層厚よりも厚いことを特徴とする。
基材の表面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上10μm以下であり、かつ、粗さ曲線要素の平均長さRSmが1μm以上100μm以下であることが好ましい。
切れ刃部において、すくい面のダイヤモンド層の平均層厚を1とすると、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚は1.1以上2.0以下であることが好ましく、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚が1.2以上1.5以下であることが好ましい。
切れ刃部において、すくい面のダイヤモンド層は、0.5μm以上25μm以下の平均層厚であることが好ましい。
切れ刃部において、逃げ面のダイヤモンド層は、0.6μm以上30μm以下の平均層厚であることが好ましい。
切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
ダイヤモンド層は、多結晶ダイヤモンドからなることが好ましく、化学蒸着法により被覆されることがより好ましい。
本発明のダイヤモンド被覆切削工具は、上記のような構成を有することにより難削材の切削加工においても、工具寿命を高め、かつ難削材に対する加工品位を高めたものである。しかも、その製造時においてダイヤモンド層を形成した後に後加工を要しないため、製造コストを低減するとともに歩留まりを向上させることができる。
本発明のダイヤモンド被覆切削工具の基材とダイヤモンド層との切れ刃部付近の概略断面図である。 (a)は、従来のダイヤモンド被覆切削工具の基材とダイヤモンド層との切れ刃部付近の概略断面図であり、(b)は、(a)のダイヤモンド被覆切削工具を用いて難削材を加工した後の、ダイヤモンド層の摩耗形態を示す模式的な断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態の一つである小径エンドミルの模式図であり、(b)は、(a)に示される小径エンドミルをIIIb−IIIbを含む面で切断したときの断面図であり、(c)は、(b)の断面図の切れ刃部を拡大した図である。
<ダイヤモンド被覆切削工具>
図1は、本発明のダイヤモンド被覆切削工具の切れ刃部付近の概略断面図である。本発明のダイヤモンド被覆切削工具10は、図1に示されるように、基材1と、該基材1上に形成されたダイヤモンド層2とを備え、すくい面3と逃げ面4とを有し、すくい面3と逃げ面4とが交わる刃先稜線8からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部6とすると、切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、切れ刃部6において、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚は、すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚よりも厚いことを特徴とするものである。このような構成を有する本発明のダイヤモンド被覆切削工具10は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。
このように本発明のダイヤモンド被覆切削工具10は、各種用途に用いることができるものであるが、とりわけ従来の切削工具では加工が困難とされていた難削材の加工に好適に用いることができる。すなわち、本発明のダイヤモンド被覆切削工具10は、従来の切削工具に比し、その表面の硬度を向上させたものであることから、難削材の加工に極めて有効に使用し得るものである。
なお、本発明のダイヤモンド被覆切削工具10において、ダイヤモンド層2は、基材1の全面を覆うようにして形成されていることが好ましいが、基材1の一部がダイヤモンド層2により覆われていなかったり、基材1上のいずれかの部分においてダイヤモンド層2の組成が異なっていたりしたとしても、本発明の範囲を逸脱するものではない。また、本明細書においては、基材1上にダイヤモンド層2を形成する場合のみを説明しているが、基材1とダイヤモンド層2との間にダイヤモンド層2とは異なる単層または2層以上の層を形成しても本発明の効果は示される。
<ダイヤモンド層>
本発明のダイヤモンド被覆切削工具10は、切削加工時において被削材の切り屑と接触するすくい面3と、被削材自体に接触する逃げ面4とを有する。そして、すくい面3と逃げ面4とが交わる刃先稜線8からすくい面3方向および逃げ面4方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部6とすると、当該切れ刃部6において、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚は、すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚よりも厚いことを特徴とする。
なお、本発明で用いる、すくい面、逃げ面および刃先稜線という表現は、ダイヤモンド被覆切削工具の表面部の各構成部分に対してのみ用いられるものではなく、基材に関する面に対しても用いられる。
ここで、「逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚」とは、逃げ面のダイヤモンド層の表面の法線ベクトルを含む面でダイヤモンド被覆切削工具を切断したときの切断面における、ダイヤモンド層の層厚の平均値を意味する。同様に、「すくい面のダイヤモンド層の平均層厚」とは、すくい面のダイヤモンド層の表面の法線ベクトルを含む面でダイヤモンド被覆切削工具を切断したときの切断面における、ダイヤモンド層の層厚の平均値を意味する。
図3(a)は、本実施の形態の一つである小径エンドミルの模式図であり、図3(b)は、図3(a)に示される小径エンドミルをIIIb−IIIbを含む面で切断したときの断面図であり、図3(c)は、図3(b)の断面図の切れ刃部を拡大した図である。小径エンドミル30は、図3(c)に示されるように、切れ刃部の刃先の近傍に2番逃げ面16と3番逃げ面26とを有する。このような小径エンドミル30において、刃先の先端から60μm以内に3番逃げ面26が存在する場合、2番逃げ面におけるダイヤモンド層の層厚のみを考慮することとし、3番逃げ面におけるダイヤモンド層の層厚は考慮しないこととする。すなわち、小径エンドミル30の切れ刃部に3番逃げ面26が存在する場合、「逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚」は、2番逃げ面16における逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚に基づいて算出するものとする。
ここで、ダイヤモンド層2の層厚を測定する方法としては、ダイヤモンド層2の表面の法線ベクトルを含む面でダイヤモンド被覆切削工具10を切断し、当該切断面に現れるダイヤモンド層2を光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、直接測定するという方法を挙げることができる。そして、ダイヤモンド層2の平均層厚は、10箇所の異なる点でダイヤモンド層2の層厚を測定し、その測定値を平均することにより得られる。
本発明のダイヤモンド被覆切削工具10のように、切れ刃部において逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚を、すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚よりも厚くすることにより、ダイヤモンド被覆切削工具10の工具寿命が長く、かつ難削材に対する加工品位を良好にすることができる。すなわち、摩耗しやすい逃げ面4のダイヤモンド層2の層厚を厚くすることにより、ダイヤモンド被覆切削工具10の工具寿命を長らえるとともに、摩耗しにくいすくい面3のダイヤモンド層2の層厚を薄くすることにより、ダイヤモンド被覆切削工具10の難削材に対する加工品位を向上させることができる。しかも、鋼を切削するときよりもFRPを切削するときにダイヤモンド被覆切削工具にかかる背分力は小さいため、逃げ面4のダイヤモンド層2の厚みを厚くすることにより、ダイヤモンド層2の剥離および基材1の欠損を抑制することができる。なお、切れ刃部以外のダイヤモンド層の層厚は、切れ刃部におけるダイヤモンド層2の層厚と同等の厚みであることが好ましいが、切れ刃部におけるダイヤモンド層2の層厚とは異なる厚みであっても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
ここで、ダイヤモンド被覆切削工具10の工具寿命と、加工品位とをより高度に両立するという観点から、上記の切れ刃部において、すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚を1とすると、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚は1.1以上2.0以下であることが好ましく、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚は1.2以上1.5以下であることがより好ましく、さらに好ましくは逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚が1.22以上1.46以下である。
上述の切れ刃部において、すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚は、0.5μm以上25μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5μm以上15μm以下である。
また、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚は0.6μm以上30μm以下であることが好ましく、2.5μm以上25μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは6μm以上18μm以下である。このような厚みのダイヤモンド層2を形成することにより、逃げ面4およびすくい面3のダイヤモンド層2がほぼ同時に摩耗により消失するため、従来技術よりもダイヤモンド被覆切削工具10を長寿命化することができる。
上記で規定されるダイヤモンド層の平均層厚および層厚比の各数値は、該ダイヤモンド被覆切削工具の切れ刃部の全領域に亘って上述の数値範囲に含まれていることが好ましいが、切れ刃部の一部の領域において上述の数値範囲外となるものがあったとしても、本発明の効果を得ることができる限り、本発明の範囲を逸脱するものではない。
<ダイヤモンド層の表面粗さ>
切れ刃部におけるダイヤモンド層2(すくい面側および逃げ面側の両方を含む)は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする。ダイヤモンド層2の表面がこのような算術平均粗さRaの範囲を有することにより、ダイヤモンド層2の摩耗量を低減するとともに、切屑詰まりを防止することができ、以ってダイヤモンド被覆切削工具の工具寿命を向上させるとともに、難削材に対する加工品位を高めることができる。ダイヤモンド層2の表面の算術平均粗さRaは、加工品位を高めるという観点から、0.8μm以上4.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.1μm以上3μm以下である。
ここで、本発明でいう算術平均粗さRaとは、ダイヤモンド層の表面に形成される凹凸の高さ方向の長さを示すパラメータであり、その値が大きいほど凹凸の段差が粗いことを示す。
また、切れ刃部におけるダイヤモンド層2は、その表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1.2μm以上8.9μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは3.5μm以上6.5μm以下である。ダイヤモンド層2の表面をこのような粗さ曲線要素の平均長さRSmにすることにより、切削抵抗を低減するとともに、切屑詰まりを防止することができ、以って工具寿命を向上させるとともに難削材に対する加工品位を高めることができる。
ここで、本発明でいう粗さ曲線要素の平均長さRSmとは、ダイヤモンド層の表面に形成される凹凸状態の幅方向の長さ(ピッチ)を示すパラメータであり、その値が大きいほど凹凸のピッチが緩やかであることを示す。本発明において、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、JIS B0601:2001で規定された方法を採用する。
<表面粗さの測定方法>
上述の表面粗さのパラメータ(RaおよびRSm)は、基材1上にダイヤモンド層2を形成した後に直接または間接的にダイヤモンド層2の表面を測定することにより得ることができる。
ここで、ダイヤモンド層2の表面粗さを測定する方法としては、ISO規格またはJIS規格に準拠したパラメータ解析ができる装置を使用すればよい。たとえば、触針式、および光学(レーザー、干渉等)式の測定装置が市販されているが、中でもレーザー顕微鏡は空間分解能が高い上に、数値解析が容易なため、本発明のダイヤモンド層2の表面粗さを測定するのに適している。本明細書におけるRaおよびRSmは、レーザー波長408nm、水平方向の空間分解能120nm、高さ分解能10nmのレーザー顕微鏡を用いて測定して得られた値である。
上記で例示した測定装置を用いてそのダイヤモンド層2の単位長さあたりの表面粗さ(RaおよびRSm)を測定したときに、その測定値が切れ刃部内でばらついたとしても、少なくとも一箇所が本発明で規定する数値範囲内にあれば、本発明の効果は示される。ここで、ダイヤモンド層2の表面の単位長さが10μm以上において、表面粗さが上記の数値範囲を満たすことが好ましい。なお、表面粗さを測定するときに、ダイヤモンド層の表面に曲面部分を含む場合、曲面成分の表面粗さを算術的に除去して得られる表面粗さの数値を採用するものとする。
<ダイヤモンド層の組成>
本発明において、基材1上に形成されるダイヤモンド層2は、多結晶ダイヤモンドからなる膜であることが好ましい。ここで、多結晶ダイヤモンドとは、10数nm〜数μm程度のダイヤモンド微粒子が固く結合したものである。このようなダイヤモンド層2は、結晶性を高くするような成膜プロセスにより形成されることがより好ましく、たとえば化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いて基材1を被覆することが好ましい。
なお、上述のダイヤモンド層2は、たとえばホウ素、窒素、珪素等の異種原子を含んでいてもよいし、これらの元素以外の不可避不純物が含まれていてもよい。
<ダイヤモンド層の形成方法>
ダイヤモンド層2を形成する上で好適に用いられるCVD法としては、従来公知のCVD法を特に限定することなく用いることができる。このようなCVD法としては、たとえばマイクロ波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、プラズマジェットCVD法、直流プラズマCVD法等を挙げることができる。すくい面3のダイヤモンド層2の平均層厚よりも、逃げ面4のダイヤモンド層2の平均層厚を厚く形成するという観点から、熱フィラメントCVD法を用いてダイヤモンド層2を形成することが好ましい。
ここで、ダイヤモンド層2を形成する際に、すくい面3よりも逃げ面4のダイヤモンド層2の層厚を厚くする方法として、たとえば熱フィラメントCVD法を用いる場合、熱源に近い位置に基材1の逃げ面4側を配置し、熱源から遠い位置に基材1のすくい面3側を配置するというように、熱源に対し基材1を非対称に配置した上で、ダイヤモンド層2を被覆するという方法、熱源から逃げ面4とすくい面3とが対称になるように基材1を配置し、基材1のすくい面3側の表面近傍に遮蔽板を設けた上で、ダイヤモンド層2を被覆するという方法等を用いることができる。
また、上記の方法のみに限られるものではなく、従来と同様の方法を用いて基材1のすくい面3および逃げ面4に均等にダイヤモンド層2を形成した上で、すくい面3のダイヤモンド層2のみをエッチングすることにより、すくい面3のダイヤモンド層2を薄膜化するという方法を用いてもよい。
また、上述のようにダイヤモンド層に特定のパラメータ(RaおよびRSm)を有する凹凸を形成する方法としては、たとえば凹凸形状を有する基材の表面上に、ダイヤモンド層を被覆するという方法、基材にダイヤモンド核を付着させた上で、該ダイヤモンド核を成長させることによりダイヤモンド層を形成するという方法、ダイヤモンド層形成中の成長条件を変更するという方法、ダイヤモンド層をドライエッチングまたはウェットエッチングするという方法等を挙げることができる。
ここで、熱フィラメントCVD法を用いる場合のダイヤモンド層形成中の成長条件としては、熱フィラメントCVD装置内に0.5%以上5.5%以下のCH4/H2ガスを導入することが好ましく、その内部の圧力を1.3×102Pa以上1.7×104Pa以下に設定することが好ましい。そして、該装置内に設置された冷却機構を含む温度調節装置により上記基材の表面の温度を600℃以上1000℃以下に設定し、フィラメント温度を1800℃以上2200℃以下にすることが好ましい。
<基材>
本発明のダイヤモンド被覆切削工具10の基材1としては、このような切削加工用の基材1として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、工具鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。これらの中でも、基材1とダイヤモンド層2との密着性を高めるという観点から、基材1には超硬合金を用いることが好ましく、K種超硬合金を用いることがより好ましい。なお、基材1として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
本発明で用いる基材1は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
本発明においては、基材1の表面に凹凸形状を有するものを用いることを特徴とする。かかる凹凸形状は、凹凸の高さ方向の振幅の平均値と、凹凸の横方向の振幅の平均値とが所定の値に規定されることが好ましく、具体的には、基材の表面のRaは0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、基材の表面のRSmは1μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、基材表面の凹凸形状のパラメータの測定方法は、上述のダイヤモンド層の凹凸形状のパラメータの測定方法と同様の方法を用いることができる。
このように基材1の表面粗さのRaおよびRSmを所定の数値範囲内にすることにより、ダイヤモンド粉末の分散液中でダイヤモンドの初期発生核を種付け処理を行なうときに、ダイヤモンドの初期発生核が基材1にアンカリングされやすくなり、以って基材1とダイヤモンド層2との密着性を高めることができる。しかも、このような凹凸形状を有する基材1上にダイヤモンド層2を形成することにより、ダイヤモンド層2の表面に所望の凹凸形状を形成することができる。
基材1の表面に上記のような凹凸形状を形成する方法としては、化学エッチング処理、サンドブラスト処理、電気化学エッチング処理、およびこれらを組み合わせた処理等を挙げることができる。
ここで、上記の基材1の各エッチング処理について具体的な例を挙げて説明すると、化学エッチング処理としては、たとえば硫酸と硝酸との混酸に基材を浸して、基材1の表面の一部を溶解させる方法が挙げられる。化学エッチング処理に用いる混酸は、10質量%以上98質量%以下の濃度の硫酸と、10質量%以上70質量%以下の濃度の硝酸とを混合したものであることが好ましく、硫酸:硝酸の混合比はその体積比でたとえば3:1であることがより好ましい。また、基材1を混酸に浸す時間は、30秒以上60分以下であることが好ましい。
サンドブラスト処理としては、たとえばアルミナまたは炭化ケイ素の粒子を吹き付ける方法が挙げられる。サンドブラスト処理に用いる粒子の平均粒子径(粒子の直径)は、5μm以上80μm以下であることが好ましく、当該粒子の基材へのブラスト噴射圧力は0.1MPa以上0.4MPa以下であることが好ましい。電気化学エッチング処理としては、たとえば基材の成分に含まれるCoを電気化学的に電解する方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下ではダイヤモンド層を熱フィラメントCVD法により形成しているが、たとえばマイクロ波プラズマCVD法、プラズマジェットCVD法等のような従来公知のCVD法によりダイヤモンド層を形成してもよい。
<実施例1>
本実施例のダイヤモンド被覆切削工具の作製にあたり、ダイヤモンド被覆切削工具の基材として、その材質がJIS K10超硬合金(WC−5%Co)であって、その形状が外径6mmの2枚刃ソリッドドリルであるものを用いた。
まず、基材の前処理として、基材の表面を98質量%の硫酸と60質量%の硝酸とを体積比で3:1で混合した混酸に20分間浸すことにより基材の表面をエッチングした後に、平均粒子径が5μm〜50μmのSiCメディアを基材に対し噴射圧力0.3MPaでブラスト照射を行なった。これにより基材の表面近傍のCoが除去されるとともに、その表面にRaが1.3μmで、RSmが3.2μmの凹凸が形成された。
続いて、ナノサイズのダイヤモンド粒子を2g/Lの濃度となるようにエタノール中に分散させた溶液に、基材を浸漬することにより基材の表面にナノサイズのダイヤモンド粉末を種付けする処理を行なった。
次に、このようにして種付け処理が行なわれた基材を公知の熱フィラメントCVD装置にセットした。そして、本実施例においては、基材のすくい面に対して熱フィラメントで励起された活性種が直接到達しないように、基材のすくい面の近傍に遮蔽板を配置した。本実施例では熱フィラメントCVD装置内に3%CH4/H2ガスを導入し、その内部の圧力を3.0×103Paに設定した。
そして、該装置内に設置された冷却機構を含む温度調節装置により上記基材の表面の温度を850℃に設定し、フィラメント温度を2050℃にした。そして、上記ダイヤモンド成長条件で20時間成長させることにより、基材上にダイヤモンド層を形成し、本実施例のダイヤモンド被覆切削工具を作製した。このようにして形成されたダイヤモンド層をX腺回析法により測定したところ、その構造は全て多結晶ダイヤモンドであることが明らかとなった。
このようにして作製されたダイヤモンド被覆切削工具は、基材と、基材の表面を被覆したダイヤモンド層とを含むダイヤモンド被覆切削工具であって、ダイヤモンド被覆切削工具は、すくい面と逃げ面とを有し、すくい面と逃げ面とが交わる刃先稜線からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部とすると、切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、切れ刃部において、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚は、すくい面のダイヤモンド層の平均層厚よりも厚いものである。
<実施例2〜8および比較例1〜5>
実施例1において、ダイヤモンド被覆切削工具を作製するときのCVD装置に導入するガスの組成、温度条件、成長時間、遮蔽板の配置等を適宜変更することにより、実施例2〜8および比較例1〜5のダイヤモンド被覆切削工具を作製した。
このようにして作製された実施例2〜8のダイヤモンド被覆切削工具は、基材と、基材の表面を被覆したダイヤモンド層とを含むダイヤモンド被覆切削工具であって、ダイヤモンド被覆切削工具は、すくい面と逃げ面とを有し、すくい面と逃げ面とが交わる刃先稜線からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部とすると、切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、切れ刃部において、逃げ面のダイヤモンド層の平均層厚は、すくい面のダイヤモンド層の平均層厚よりも厚いものである。
<ダイヤモンド層の表面粗さおよび層厚の測定>
各実施例および各比較例のダイヤモンド被覆切削工具の切れ刃部に対し、光学式のレーザー顕微鏡(製品名:LEXT OLS3500(オリンパス株式会社製))を用いて1000倍の倍率でダイヤモンド層の表面を観察し、150μm区間の単位長さにおけるダイヤモンド層の表面粗さのパラメータRaおよびRSmを測定した。このように測定して得られた結果を以下の表1に示す。
上記のように表面粗さを測定した各実施例および各比較例のダイヤモンド被覆切削工具において、ダイヤモンド層の表面に対する法線ベクトルを含む面で、ダイヤモンド被覆切削工具を切断した。そして、その切断面における逃げ面およびすくい面のダイヤモンド層の層厚を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて2000倍の倍率で直接観察し、異なる10点の測定値を得た。それら10点の測定値の平均を以下の表1の「平均層厚」の欄に示す。
Figure 2011101910
<ダイヤモンド被覆切削工具の工具寿命の評価>
上記で作製した各実施例および各比較例のダイヤモンド被覆切削工具のそれぞれについて、穴あけ加工試験による工具寿命の評価を行なった。穴あけ加工試験の切削条件は、炭素繊維層を複数重ね合わせた上でプラスチックを含浸させて硬化した厚さ10mmの炭素繊維強化プラスチックを被削材として用い、切削速度100m/min、送り速度0.05mm/revの条件で行なった。該切削条件による工具寿命の評価は、10箇所の穴あけ加工ごとに切削加工を止めて刃先状態を観察し、基材の表面が露出していることが確認できた時点で穴あけ加工を中断した。そして、穴あけ加工を中断するまでに加工できた穴数を工具寿命の評価の指標とした。
上述の穴あけ加工を行なった結果、各実施例および各比較例のダイヤモンド被覆切削工具において、基材露出までの加工穴数を下記の表2に示す。なお、加工できた穴数が多いほど、工具寿命が長いことを示している。
<ダイヤモンド被覆切削工具の加工品位の評価>
上記の穴あけ加工試験において、加工後に被削材に形成された穴、および穴周辺の被削材において炭素繊維層の一部が剥がれている部分を観察した。そして、炭素繊維層が剥がれている部分のうち、穴から最も離れた部分までの長さを層間剥離幅として測定し、加工初期から10箇所の穴の層間剥離幅の平均値を表2に示す。なお、層間剥離が生じている部分は、被削材の機械強度が低下するとともに、後工程で他の部材を嵌合する際に、その嵌合の精度が低下するという問題がある。このため、被削材の層間剥離幅が小さいものほど、加工品位がよいことを示している。
Figure 2011101910
表2から明らかなように、実施例1〜8の本発明に係るダイヤモンド被覆切削工具は、比較例1〜5のダイヤモンド被覆切削工具に比し、工具寿命と加工品位とを高度に両立させることができていることが明らかである。このことから、本発明によればダイヤモンド被覆切削工具の工具寿命および加工品位の双方が向上できることを確認した。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のダイヤモンド被覆切削工具は、複合構造材料、セラミックス等の難削材の切削に好適に用いることができる。
1,11 基材、2,12 ダイヤモンド層、3,13 すくい面、4,14 逃げ面、6 切れ刃部、8 刃先稜線、15 ダイヤモンド層の摩耗部分、16 2番逃げ面、26 3番逃げ面、10,20 ダイヤモンド被覆切削工具、30 小径エンドミル。

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の表面を被覆したダイヤモンド層とを含むダイヤモンド被覆切削工具であって、
    前記ダイヤモンド被覆切削工具は、すくい面と逃げ面とを有し、
    前記すくい面と前記逃げ面とが交わる刃先稜線からすくい面方向および逃げ面方向にそれぞれ60μmの距離をもって広がる領域を切れ刃部とすると、
    前記切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上5μm以下であり、
    前記切れ刃部において、前記逃げ面の前記ダイヤモンド層の平均層厚は、前記すくい面の前記ダイヤモンド層の平均層厚よりも厚い、ダイヤモンド被覆切削工具。
  2. 前記基材の表面は、算術平均粗さRaが0.1μm以上10μm以下であり、かつ、粗さ曲線要素の平均長さRSmが1μm以上100μm以下である、請求項1に記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  3. 前記切れ刃部において、前記すくい面の前記ダイヤモンド層の平均層厚を1とすると、前記逃げ面の前記ダイヤモンド層の平均層厚は1.1以上2.0以下である、請求項1または2に記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  4. 前記切れ刃部において、前記すくい面の前記ダイヤモンド層の平均層厚を1とすると、前記逃げ面の前記ダイヤモンド層の平均層厚が1.2以上1.5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  5. 前記切れ刃部において、前記すくい面の前記ダイヤモンド層は、0.5μm以上25μm以下の平均層厚である、請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  6. 前記切れ刃部において、前記逃げ面のダイヤモンド層は、0.6μm以上30μm以下の平均層厚である、請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  7. 前記切れ刃部におけるダイヤモンド層は、その表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.1μm以上10μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  8. 前記ダイヤモンド層は、多結晶ダイヤモンドからなる、請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
  9. 前記ダイヤモンド層は、化学蒸着法により被覆される、請求項1〜8のいずれかに記載のダイヤモンド被覆切削工具。
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