JP2011101462A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低振動化を図り、回転性能を向上することができるモータを提供する。
【解決手段】ロータ3の突極24の外側面24aには、補助溝31,32(ともに第1の補助溝)が形成されており、その補助溝31,32の位置角度C1が、軸線Lと中心とするティース部13先端の周方向両端部13c,13d間の開角度をA、軸線Lを中心とする突極24の周方向両端部24b,24c間の開角度をBとして、C1=A−B/2を満たすように構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンシクエントポール型構造を採用したロータを有するモータに関するものである。
従来、モータにおいて、例えば特許文献1にて示されているように、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置され、該コアに一体形成された突極が各マグネット間に配置され、該突極を他方の磁極として機能させる所謂コンシクエントポール型構造のロータを有するものが知られている。
特開平9−327139号公報
ところで、特許文献1のようなコンシクエントポール型構造のロータは、磁束の強制力(誘導)のあるマグネットと、磁束の強制力のない突極とが混在する磁極にて構成されているため、磁気的にアンバランスが生じ易く、このことが例えばコギングトルクの発生による振動増加等の回転性能の悪化に繋がっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低振動化を図り、回転性能を向上することができるモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータとを備えたモータであって、前記突極における前記ティース部と対向する表面には、周方向に対向する一対の側面部を有する第1の補助溝が凹設され、前記突極の周方向中心線から前記第1の補助溝における前記周方向中心線側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C1が、前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をBとして、C1=A−B/2を満たすように構成されたことを特徴とする。
この発明では、第1の補助溝がC1=A−B/2を満たすように形成されるため、ロータの回転時において、ティース部と突極とが径方向に対向し、ティース部先端の周方向一端が突極の周方向一端と径方向に重なるときに、ティース部の周方向他端は第1の補助溝における突極の周方向中心線側の側面部と径方向に重なる。このとき、ティース部の周方向他端側で生じるコギングトルクが、突極の周方向一端と重なるティース部の周方向一端側で生じるコギングトルク(主成分)を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータの回転性能を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記第1の補助溝は、前記突極の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とする。
この発明では、第1の補助溝が突極の周方向両端部にそれぞれ対応して一対設けられるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータにおいて、前記第1の補助溝の周方向幅W1と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W1/Tが、0<W1/T<3.5の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この発明では、第1の補助溝の周方向幅W1と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W1/Tが、0<W1/T<3.5の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図4参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
請求項4に記載の発明は、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータとを備えたモータであって、前記突極における前記ティース部と対向する表面には、周方向に対向する一対の側面部を有する第2の補助溝が凹設され、前記突極の周方向中心線から前記第2の補助溝における前記周方向中心線とは反対側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C2が、前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をB、前記軸線を中心とする前記マグネットと前記突極間の開角度をDとして、C2=A−B/2−Dを満たすように構成されたことを特徴とする。
この発明では、第2の補助溝がC2=A−B/2−Dを満たすように形成されるため、ティース部先端の周方向一端が、対向する突極と隣り合うマグネットの周方向一端と径方向に重なるときに、ティース部の周方向他端は第2の補助溝における突極の周方向中心線とは反対側の側面部と径方向に重なる。このとき、ティース部の周方向他端側で生じるコギングトルクが、マグネットの周方向一端と重なるティース部の周方向一端側で生じるコギングトルク(主成分)を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータの回転性能を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記第2の補助溝は、前記突極の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とする。
この発明では、第2の補助溝は、突極の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設される。即ち、突極に形成される第2の補助溝が、その突極の両隣のマグネットの周方向一端にそれぞれ対応して一対設けられるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のモータにおいて、前記第2の補助溝の周方向幅W2と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W2/Tが、0<W2/T<1.2の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この発明では、第2の補助溝の周方向幅W2と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W2/Tが、0<W2/T<1.2の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図4参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
請求項7に記載の発明は、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータとを備えたモータであって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の第1の補助溝と、請求項4〜6のいずれか1項に記載の第2の補助溝とを両方備えたことを特徴とする。
この発明では、ロータの突極に第1の補助溝と第2の補助溝を両方備えるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
請求項8に記載の発明は、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータとを備えたモータであって、前記各ティース部における前記マグネット及び前記突極と対向する先端面には、周方向に対向する一対の側面部を有するティース側補助溝が凹設され、前記ティース部の周方向中心線から前記ティース側補助溝における前記周方向中心線とは反対側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C3が、前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をB、周方向に隣り合う前記ティース部の周方向中心線間の角度をEとして、C3=A/2+E−Bを満たすように構成されたことを特徴とする。
この発明では、ティース側補助溝がC3=A/2+E−Bを満たすように形成されるため、ロータの回転時において、突極の周方向一端が対向するティース部先端の周方向一端と径方向に重なるときに、突極の周方向他端は、周方向一端が対向するティース部の隣のティース部のティース側補助溝におけるティース部の周方向中心線とは反対側の側面部と径方向に重なる。このとき、ティース側補助溝により生じるコギングトルクが、突極の周方向一端と重なるティース部の周方向一端側で生じるコギングトルク(主成分)を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータの回転性能を向上させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のモータにおいて、前記ティース側補助溝は、前記ティース部の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とする。
この発明では、ティース側補助溝がティース部の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のモータにおいて、前記ティース側補助溝の周方向幅W3と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W3/Tが、0<W3/T<1.125の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この発明では、ティース側補助溝の周方向幅W3と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W3/Tが、0<W3/T<1.125の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図11参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
従って、上記記載の発明によれば、低振動化を図り、モータの回転性能を向上させることができる。
(a)は、第1実施形態におけるモータの平面図であり、(b)は、同図(a)の一部を示す部分平面図である。 (a)は、同実施形態におけるロータが回転角度R1に位置する状態を示すモータの部分平面図であり、(b)は、ロータが回転角度R2に位置する状態を示すモータの部分平面図である。 同実施形態におけるロータの回転角度とコギングトルクとの関係を示す特性図である。 W1/T及びW2/Tとコギングトルク比との関係を示す特性図である。 (a)は、第2実施形態におけるモータの平面図であり、(b)は、同図(a)の一部を示す部分平面図である。 (a)は、同実施形態におけるロータが回転角度R3に位置する状態を示すモータの部分平面図であり、(b)は、ロータが回転角度R1に位置する状態を示すモータの部分平面図であり、(c)は、ロータが回転角度R2に位置する状態を示すモータの部分平面図であり、(d)は、ロータが回転角度R4に位置する状態を示すモータの部分平面図である。 同実施形態におけるロータの回転角度とコギングトルクとの関係を示す特性図である。 第3実施形態におけるモータの平面図であり、(b)は、同図(a)の一部を示す部分平面図である。 (a)は、同実施形態におけるロータが回転角度R5に位置する状態を示すモータの部分平面図であり、(b)は、ロータが回転角度R6に位置する状態を示すモータの部分平面図である。 同実施形態におけるロータの回転角度とコギングトルクとの関係を示す特性図である。 W3/Tとコギングトルク比との関係を示す特性図である。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のインナロータ型のモータ1は、略円環状のステータ2の内側にロータ3が配置されて構成されている。
ステータ2のステータコア11は、円環状部12から径方向内側に延びる12個のティース部13を有している。ティース部13は周方向等間隔に形成され、各ティース部13には、U相、V相、W相のコイル14が集中巻にて順次巻回されている。各ティース部13の先端には、径方向両側にそれぞれ突出する突出部13aが形成されており、各ティース部13の先端面13b(径方向内側面)は、モータ1の軸線Lを中心とする円弧状をなしている。尚、ティース部13の先端面13bは、一方の突出部13aから他方の突出部13aに亘って形成されている。また、ティース部13は、その周方向中心線に対して線対称となるように構成されている。
ロータ3は、回転軸21の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア22が固着されており、該ロータコア22の外周部の周方向等間隔にN極のマグネット23が4個配置されるとともに、該ロータコア22の外周部に一体形成された突極24が各マグネット23間に配置されている。つまり、各マグネット23及び突極24は等角度間隔に交互に配置され、ロータ3は、N極のマグネット23に対して突極24をS極として機能させる8磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。尚、ロータ3の磁極(8磁極)は、ティース部13の数(12個)に対して2/3倍であり、ロータ3の磁極とティース部13の数との比は2:3の関係になっている。
ロータ3のマグネット23は、外側面23aがティース部13の先端面13bと径方向に対向しており、その外側面23aは軸線Lを中心とする円弧状をなしている。また、マグネット23は、突極24よりも周方向長さが大きく形成されている。マグネット23は、その内側面がロータコア22の隣接する突極24間に設けた固着面25に固着され、隣接の突極24との間に周方向の空隙が設けられている。尚、マグネット23は、そのそれぞれの外側面23aが同一円周上に位置するように構成されている。
各突極24は、略扇状に径方向外側に突出する形状をなしており、湾曲形状をなすその外側面24a(径方向外側面)には、突極24の周方向中心線Sに対して線対称となる位置に設けられた一対の補助溝31,32(ともに第1の補助溝)が形成されている。各補助溝31,32は、互いに同形状をなし、周方向に対向する一対の側面部31a,31b,32a,32bを有している。尚、補助溝31,32の側面部のうち、内側(周方向中心線S側)のものをそれぞれ側面部31a,32aとし、外側(突極24の周方向端部側)のものをそれぞれ側面部31b,32bとしている。
補助溝31,32は軸方向に直線状に延びている。また、補助溝31,32の深さ(径方向の寸法)は、突極24の径方向寸法の約1/3に設定されている。また、上記したように、補助溝31,32は、突極24の周方向中心線Sに対して線対称となるように形成されているため、その周方向中心線Sから補助溝31の内側の側面部31aまでの軸線Lを中心とする角度と、周方向中心線Sから補助溝32の内側の側面部32aまでの軸線Lを中心とする角度とは、互いに等しくなっており、以下ではその角度を補助溝31,32の位置角度C1とする(図1(b)参照)。
ここで、本実施形態では、軸線Lを中心とするティース部13の先端面13bの周方向両端13c,13d間の開角度Aは、軸線Lを中心とする突極24の周方向両端24b,24c間の開角度Bよりも大きく構成されている。そして、補助溝31,32の位置角度C1は、C1=A−B/2となるように設定されている。つまり、これにより、図2(a)に示すように、ティース部13が突極24と径方向に対向する状態で、ティース部13の先端面13bの周方向一端13cが突極24の周方向一端24b(詳しくは、突極24の周方向側面と径方向の外側面24aとからなる頂角部分)と径方向に重なるときに、ティース部13の先端面13bの周方向他端13dは、補助溝31の側面部31a(詳しくは、側面部31aと突極24の外側面24aとからなる頂角部分)と径方向に重なるようになっている。また同様に、図2(b)に示すように、ティース部13の先端面13bの周方向他端13dが突極24の周方向他端24cと径方向に重なるときに、ティース部13の先端面13bの周方向一端13cは、補助溝32の側面部32aと径方向に重なるようになっている。尚、上記した「径方向に重なる」とは、それぞれが径方向の一直線上に位置するということを表している。
ここで、ロータ3の回転時におけるコギングトルク波形を図3に示す。図3中の2点鎖線の波形は、コギングトルクの主成分の波形(各突極24に補助溝31,32が形成されていない構成におけるコギングトルク波形)であり、1点鎖線の波形は、補助溝31,32により生じるコギングトルク波形である。そして、実線の波形は、本実施形態のモータ1にて生じるコギングトルクの波形であり、コギングトルクの主成分の波形(2点鎖線の波形)と補助溝31,32により生じるコギングトルク波形(1点鎖線の波形)とを合成したものである。
図3には、図2(a)に示すロータ3の回転角度R1、即ち突極24の周方向一端24bが、対向するティース部13の周方向一端13cと径方向に重なるときの回転角度R1を図3中に示している。この回転角度R1では、突極24の周方向一端24bとティース部13の周方向一端13cとが径方向に重なるため、ティース部13の周方向一端13c側に磁束が集中し易くなり、その結果、コギングトルクの主成分が増大し、コギングトルクの主成分(2点鎖線の波形)はマイナスのピークとなっている。
ここで、本実施形態のモータ1では、上記のように補助溝31,32の位置角度C1がC1=A−B/2と設定されているため、回転角度R1においてティース部13の周方向他端13dは、補助溝31の側面部31aと径方向に重なるようになっている。これにより、このときの磁束がティース部13の周方向他端13d側にも分散され易くなり、ティース部13の周方向一端13c側に磁束が集中し難くなる。図3に示すように、補助溝31,32により生じるコギングトルクは、回転角度R1においてコギングトルクの主成分とは逆位相(プラス)のピーク、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となっており、このピークは補助溝31により生じているものである。従って、コギングトルクの主成分と補助溝31,32により生じるコギングトルクを合成させたものであるモータ1全体でのコギングトルク(実線の波形)は、回転角度R1でコギングトルクの主成分のピークが抑えられた波形となる。このように、補助溝31によってコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。尚、補助溝31,32により生じるコギングトルクのピークの絶対値は、コギングトルクの主成分のピークの絶対値よりも小さくなっている。
また、もう一方の補助溝32についても補助溝31と同様の作用が生じる。詳しくは、図2(b)に示すように、突極24とティース部13とが対向する状態で、突極24の周方向他端24cがティース部13の周方向他端13dと径方向に重なるとき(図3中、回転角度R2)に、ティース部13の周方向一端13cは、補助溝32の側面部32aと径方向に重なるようになっている。これにより、上記した補助溝31の場合と同様に、補助溝31,32により生じるコギングトルクが、図3に示すように、回転角度R2でコギングトルクの主成分とは逆位相のピーク、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となる。これにより、コギングトルクの更なる低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。
図4中の実線のグラフは、補助溝31,32における内側(周方向中心線S側)の側面部31a,32aを基準とした補助溝31,32の周方向幅W1(図2(b)参照)と、隣り合うティース部13の先端部間(突出部13a間)の周方向間隔T(図1(b)参照)との比W1/Tを変化させたときのコギングトルク比を示している。この図4では、W1/T=0、即ち補助溝31,32が形成されていない構成でのコギングトルクを「1」とすると、W1/T=0からW1/T=2.5まではコギングトルクが減少し、W1/T=2.5でコギングトルクは約「0.5」の最小値となる。そして、W1/T=2.5からW1/T=3.5にかけては、コギングトルクは最小値から増加するが、「1」よりも小さくなっている。つまり、0<W1/T<3.5の範囲ではコギングトルクが「1」よりも小さくなっているため、この範囲内でW1/Tを設定すれば、補助溝31,32が形成されていない構成よりもコギングトルクの低減が見込め、W1/T=2.5ではコギングトルクが約半分となり、コギングトルクの低減効果が最も大きくなっている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、ロータ3の突極24の外側面24aには、補助溝31,32が形成され、その位置角度C1がC1=A−B/2を満たすように構成される。このため、ロータ3の回転時において、ティース部13と突極24とが径方向に対向し、ティース部13の先端面13bの周方向端部(一端13c又は他端13d)が突極24の周方向端部(一端24b又は他端24c)と径方向に重なるときに、ティース部13のもう一方の周方向端部(他端13d又は一端13c)は補助溝31の側面部31a又は補助溝32の側面部32aと径方向に重なる。このとき、補助溝31,32の側面部31a,32aと重なるティース部13の周方向端部13c,13d側で生じるコギングトルク(補助溝31,32により生じるコギングトルク)が、突極24の周方向端部24b,24cと径方向に重なるティース部13の周方向端部13c,13d側で生じるコギングトルク(主成分)を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ1全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができる。
(2)本実施形態では、補助溝31,32は、突極24の周方向中心線Sに対して線対称になるように周方向に一対並設される。即ち、補助溝31,32は、突極24の周方向両端部24b,24cにそれぞれ対応して一対設けられるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
(3)本実施形態では、補助溝31,32の周方向幅W1と周方向に隣り合うティース部13間の間隔Tとの比W1/Tが、0<W1/T<3.5の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図4参照)、ロータ3の回転性能の向上に寄与できる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
図5(a)(b)に示すように、本実施形態のモータ40は、前記第1実施形態の構成に加えて突極24の外側面24aに第2の補助溝としての内側補助溝41,42が形成されている。以下には、前記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
内側補助溝41,42は、補助溝31,32(第1の補助溝)よりも周方向内側に形成されるとともに、突極24の周方向中心線Sに対して線対称となるように形成されている。各内側補助溝41,42は、互いに同形状をなし、周方向に対向する一対の側面部41a,41b,42a,42bを有している。尚、内側補助溝41,42の側面部のうち、内側(周方向中心線S側)のものをそれぞれ側面部41a,42aとし、外側(突極24の周方向端部側)のものをそれぞれ側面部41b,42bとしている。
内側補助溝41,42は、その外側の補助溝31,32と同様に、軸方向に直線状に延び、内側補助溝41,42の深さ(径方向の寸法)は、補助溝31,32の深さと略等しく、突極24の径方向寸法の約1/3に設定されている。また、上記したように、内側補助溝41,42は、突極24の周方向中心線Sに対して線対称となるように形成されているため、周方向中心線Sから内側補助溝41の外側の側面部41bまでの軸線Lを中心とする角度と、周方向中心線Sから内側補助溝42の外側の側面部42bまでの軸線Lを中心とする角度とは、互いに等しくなっており、以下ではその角度を内側補助溝41,42の位置角度C2とする(図5(b)参照)。
ここで、内側補助溝41,42の位置角度C2は、軸線Lを中心とするマグネット23と突極24間の開角度をDとして、C2=A−B/2−Dとなるように設定されている。尚、A及びBは、前記第1実施形態と同様に、ティース部13の先端面13bの開角度A及び突極24の開角度Bである(図2(a)参照)。これにより、図6(a)に示すように、ティース部13の先端面13bの周方向一端13cが、対向する突極24と隣り合うマグネット23の周方向一端23b(詳しくは、マグネット23の周方向側面と径方向の外側面23aとからなる頂角部分)と径方向に重なるときに、ティース部13の周方向他端13dは内側補助溝41の外側の側面部41b(詳しくは、側面部41bと突極24の外側面24aとからなる頂角部分)と径方向に重なるようになっている。また同様に、図6(d)に示すように、ティース部13の周方向他端13dが対向する突極24と隣り合うマグネット23(図6(a)とは反対側で隣り合うマグネット23)の周方向一端23cと径方向に重なるときに、ティース部13の先端面13bの周方向一端13cは、内側補助溝42の外側の側面部42bと径方向に重なるようになっている。
ここで、本実施形態におけるロータ3の回転時のコギングトルク波形を図7に示す。図7中の2点鎖線の波形は、コギングトルクの主成分の波形(各突極24に補助溝31,32及び内側補助溝41,42が形成されていない構成におけるコギングトルク波形)であり、1点鎖線の波形は、補助溝31,32及び内側補助溝41,42により生じるコギングトルク波形である。そして、実線の波形は、本実施形態のモータ40にて生じるコギングトルクの波形であり、コギングトルクの主成分の波形(2点鎖線の波形)と補助溝31,32及び内側補助溝41,42により生じるコギングトルク波形(1点鎖線の波形)とを合成したものである。
図6(a)に示すロータ3の回転角度、即ちティース部13の周方向一端13cが、対向する突極24と隣り合うマグネット23の周方向一端23bと重なるときの回転角度をR3とする。このとき、そのティース部13の少なくとも一部は、マグネット23と径方向に対向する状態から非対向状態に移行するため、ティース部13の周方向一端13c側に磁束が集中し易くなり、その結果、コギングトルクの主成分が増大する。
ここで、本実施形態のモータ40では、上記のように内側補助溝41,42の位置角度C2がC1=A−B/2と設定されているため、回転角度R3においてティース部13の周方向他端13dは、内側補助溝41の外側の側面部41bと径方向に重なるようになっている。これにより、このときの磁束がティース部13の周方向他端13dにも分散され易くなり、ティース部13の周方向一端13c側に磁束が集中し難くなる。図7に示すように、補助溝31,32及び内側補助溝41,42により生じるコギングトルクは、回転角度R3においてコギングトルクの主成分とは逆位相(プラス)の成分、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となっており、このキャンセル成分は内側補助溝41により生じているものである。従って、モータ40全体でのコギングトルク(実線の波形)は、回転角度R3におけるコギングトルクの主成分の山部分が抑えられた波形となる。このように、内側補助溝41によってコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。
また、もう一方の内側補助溝42についても内側補助溝41と同様の作用が生じる。詳しくは、図6(d)に示すように、ティース部13の周方向他端13dが、対向する突極24と隣り合うマグネット23の周方向一端23cと径方向に重なるとき(図7中、回転角度R4)に、ティース部13の周方向一端13cは、内側補助溝42の外側の側面部42bと径方向に重なるようになっている。これにより、上記した内側補助溝41の場合と同様に、補助溝31,32及び内側補助溝41,42により生じるコギングトルクが、図7に示すように、回転角度R4でコギングトルクの主成分とは逆位相の成分、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となる。これにより、コギングトルクの更なる低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。
また、本実施形態では、内側補助溝41,42とともに補助溝31,32も備えているため、前記第1実施形態で説明したように、回転角度R1及びR2でもコギングトルクが低減されるようになっている(図6(b)、図6(c)及び図7参照)。
図4中の1点鎖線のグラフは、内側補助溝41,42における外側の側面部41b,42bを基準とした内側補助溝41,42の周方向幅W2(図5(b)参照)と、隣り合うティース部13の先端部間(突出部13a間)の周方向間隔T(図5(b)参照)との比W2/Tを変化させたときのコギングトルク比を示している。この図4では、W2/T=0、即ち内側補助溝41,42が形成されていない構成でのコギングトルクを「1」としている。同図に示すように、W2/T=0からW2/T=0.6まではコギングトルクが減少し、W2/T=0.6でコギングトルクは約「0.7」の最小値となる。そして、W2/T=0.6からW2/T=1.2にかけては、コギングトルクは最小値から増加するが、「1」よりも小さくなっている。つまり、0<W2/T<1.2の範囲ではコギングトルクが「1」よりも小さくなるため、この範囲内でW2/Tを設定すれば、内側補助溝41,42が形成されていない構成よりもコギングトルクの低減が見込め、W2/T=0.6ではコギングトルクが約70%となり、コギングトルクの低減効果が最も大きくなっている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(4)本実施形態では、ロータ3の突極24の外側面24aには内側補助溝41,42が形成され、その位置角度C2がC2=A−B/2−Dを満たすように構成される。このため、ロータ3の回転時において、ティース部13の先端面13bの周方向端部(一端13c又は他端13d)が、対向する突極24と隣り合うマグネット23の周方向一端23b,23cと径方向に重なるときに、ティース部13のもう一方の周方向端部(他端13d又は一端13c)は内側補助溝41の側面部41b又は内側補助溝42の側面部42bと径方向に重なる。このとき、内側補助溝41,42の側面部41b,42bと重なるティース部13の周方向端部13c,13d側で生じるコギングトルク(内側補助溝41,42により生じるコギングトルク)が、マグネット23の周方向一端23b,23cと径方向に重なるティース部13の周方向端部13c,13d側で生じるコギングトルク(主成分)を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ40全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができる。
(5)本実施形態では、内側補助溝41,42は、突極24の周方向中心線Sに対して線対称になるように周方向に一対並設される。即ち、内側補助溝41,42は、突極24の両隣のマグネット23の周方向一端23b,23cにそれぞれ対応して一対設けられるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
(6)本実施形態では、内側補助溝41,42の周方向幅W2と周方向に隣り合うティース部13間の周方向間隔Tとの比W2/Tが、0<W2/T<1.2の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図4参照)、ロータ3の回転性能の向上に寄与できる。
(7)本実施形態では、突極24に第1の補助溝としての補助溝31,32と、第2の補助溝としての内側補助溝41,42とを両方備えるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態のモータ50は、突極24側でなくティース部13側に補助溝(ティース側補助溝51,52)を備える点で前記第1実施形態とは異なっている。従って、以下には、前記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図8(a)(b)に示すように、ティース部13の先端面13bには、一対のティース側補助溝51,52が形成されている。各ティース側補助溝51,52は、周方向に対向する一対の側面部51a,51b,52a,52bを有し、軸方向に延びる形状をなしている。また、ティース側補助溝51,52は、互いに同形状をなし、ティース部13の周方向中心線Hに対して線対称となるように形成されている。尚、ティース側補助溝51,52の側面部のうち、内側(周方向中心線H側)のものをそれぞれ側面部51a,52aとし、外側(ティース部13の周方向端部側)のものをそれぞれ側面部51b,52bとしている。
ティース側補助溝51,52は、ティース部13の周方向中心線Hに対して線対称となるように形成されているため、周方向中心線Hからティース側補助溝51の外側の側面部51bまでの軸線Lを中心とする角度と、周方向中心線Hからティース側補助溝52の外側の側面部52bまでの軸線Lを中心とする角度とは、互いに等しくなっており、以下ではその角度をティース側補助溝51,52の位置角度C3とする(図8(b)参照)。
ここで、ティース側補助溝51,52の位置角度C3は、周方向に隣り合うティース部13の周方向中心線H間の角度をEとして、C3=A/2+E−Bとなるように設定されている。尚、A及びBは、前記第1実施形態と同様に、ティース部13の先端面13bの開角度A及び突極24の開角度Bである(図2(a)参照)。これにより、図9(a)に示すように、突極24の周方向一端24bが、対向するティース部13の先端面13bの周方向一端13cと径方向に重なるときに、突極24の周方向他端24cは、周方向一端24bで重なっているティース部13の隣りのティース部(図9(a)中、ティース部13e)におけるティース側補助溝51の外側の側面部51b(詳しくは、側面部51bとティース部13の先端面13bとからなる頂角部分)と径方向に重なるようになっている。また同様に、図9(b)に示すように、突極24の周方向他端24cが、対向するティース部13の周方向他端13dと径方向に重なるときに、突極24の周方向一端24bは、周方向他端24cで重なっているティース部13の隣りのティース部(図9(b)中、ティース部13f)におけるティース側補助溝52の外側の側面部52bと径方向に重なるようになっている。
ここで、本実施形態におけるロータ3の回転時のコギングトルク波形を図10に示す。図10中の2点鎖線の波形は、コギングトルクの主成分の波形(各ティース部13にティース側補助溝51,52が形成されていない構成におけるコギングトルク波形)であり、1点鎖線の波形は、ティース側補助溝52により生じるコギングトルク波形である。そして、実線の波形は、本実施形態のモータ50にて生じるコギングトルクの波形であり、コギングトルクの主成分の波形(2点鎖線の波形)とティース側補助溝51,52により生じるコギングトルク波形(1点鎖線の波形)とを合成したものである。
図9(a)に示すロータ3の回転角度、即ち突極24の周方向一端24bが対向するティース部13の周方向一端13cと重なるときの回転角度をR5とする。このとき、突極24の周方向一端24b側に磁束が集中し易くなり、その結果、コギングトルクの主成分が増大し、コギングトルクの主成分の波形はマイナスのピークとなっている(図10参照)。
ここで、本実施形態のモータ50では、上記のようにティース側補助溝51,52の位置角度C3が、C3=A/2+E−Bと設定されているため、回転角度R5において突極24の周方向他端24cは、ティース部13eのティース側補助溝51の外側の側面部51bと径方向に重なるようになっている。これにより、このときの磁束が突極24の周方向他端24c側にも分散され易くなり、突極24の周方向一端24b側に磁束が集中し難くなる。図10に示すように、ティース側補助溝51,52により生じるコギングトルクは、回転角度R5においてコギングトルクの主成分とは逆位相(プラス)のピーク、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となっており、このキャンセル成分はティース側補助溝51により生じているものである。従って、モータ50全体でのコギングトルク(実線の波形)は、回転角度R5におけるコギングトルクの主成分のピークが抑えられた波形となる。このように、ティース側補助溝51によってコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。
また、もう一方のティース側補助溝52についてもティース側補助溝51と同様の作用が生じる。詳しくは、図9(b)に示すように、突極24の周方向他端24cが、対向するティース部13の周方向他端13dと径方向に重なるとき(図10中、回転角度R6)に、ティース部13の周方向一端13cは、ティース部13fのティース側補助溝52の外側の側面部52bと径方向に重なるようになっている。これにより、上記したティース側補助溝51の場合と同様に、ティース側補助溝51,52により生じるコギングトルクが、図10に示すように、回転角度R6でコギングトルクの主成分とは逆位相のピーク、即ちコギングトルクの主成分に対するキャンセル成分となり、回転角度R6でのモータ50全体でのコギングトルク(実線の波形)が小さく抑えられるようになっている。これにより、コギングトルクの更なる低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができるようになっている。
図11は、ティース側補助溝51,52における外側の側面部51b,52bを基準としたティース側補助溝51,52の周方向幅W3(図9(b)参照)と、隣り合うティース部13の先端部間(突出部13a間)の周方向間隔T(図9(b)参照)との比W3/Tを変化させたときのコギングトルク比を示している。この図11では、W3/T=0、即ちティース側補助溝51,52が形成されていない構成でのコギングトルクを「1」としている。同図に示すように、W3/Tが0から大きくなるに連れてコギングトルクは減少し、W3/T=0.7付近でコギングトルクは最小値(約50%)となる。W3/Tが更に大きくなると、コギングトルクは最小値から増加に転じるが、W3/T<1.125の範囲ではコギングトルクは「1」よりも小さくなっている。つまり、0<W3/T<1.125の範囲ではコギングトルクが「1」よりも小さくなるため、この範囲内でW3/Tを設定すれば、ティース側補助溝51,52が形成されていない構成よりもコギングトルクの低減が見込め、W3/T=約0.7ではコギングトルクが約50%となり、コギングトルクの低減効果が最も大きくなっている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(8)本実施形態では、ティース部13の先端面13bにはティース側補助溝51,52が形成され、その位置角度C3がC3=A/2+E−Bを満たすように構成される。このため、ロータ3の回転時において、突極24の周方向端部(一端24b又は他端24c)が対向するティース部13の周方向端部13c,13dと径方向に重なるときに、突極24のもう一方の周方向端部(他端24c又は一端24b)は、周方向端部が重なるティース部13の隣のティース部13e(又はティース部13f)におけるティース側補助溝51の側面部51b(又はティース側補助溝52の側面部52b)と径方向に重なる。このとき、ティース側補助溝51,52により生じるコギングトルクが、コギングトルクの主成分を小さく抑えるキャンセル成分となるため、モータ50全体で生じるコギングトルクの低減が可能となり、ロータ3の回転性能を向上させることができる。
(9)本実施形態では、ティース側補助溝51,52は、ティース部13の周方向中心線Hに対して線対称になるように周方向に一対並設されるため、コギングトルクのより一層の低減が可能となる。
(10)本実施形態では、ティース側補助溝51,52の周方向幅W3と周方向に隣り合うティース部13間の周方向間隔Tとの比W3/Tが、0<W3/T<1.125の範囲内に設定される。これにより、コギングトルクの低減が可能となり(図11参照)、ロータ3の回転性能の向上に寄与できる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態では、第1の補助溝としての補助溝31,32と第2の補助溝としての内側補助溝41,42とを両方備えたが、内側補助溝41,42のみを備える構成としてもよい。
・上記第3実施形態において、第1実施形態で備える補助溝51,52や、第2実施形態で備える内側補助溝41,42を加えた構成としてもよい。
・上記各実施形態では、補助溝31,32、内側補助溝41,42又はティース側補助溝51,52をそれぞれ一対備えたが、それぞれ1つずつとしてもよい。
・上記実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
・上記各実施形態について、マグネット23の形状や、突極24を含むロータコア22の形状を適宜変更してもよい。
・上記各実施形態では、マグネット23をN極とし、突極24をS極として機能させるように構成したが、反対にマグネット23をS極とし、突極24をN極として機能させるように構成してもよい。
・上記各実施形態では、4個の突極24と4個のマグネット23とで構成した8磁極のロータ3に適用したが、磁極数を適宜変更してもよい。これに伴い、ステータ2側の磁極数も適宜変更する。
・上記各実施形態では、インナロータ型のモータ1,40,50に適用したが、アウタロータ型のモータに適用してもよい。
1,40,50…モータ、2…ステータ、3…ロータ、13,13e,13f…ティース部、13b…先端面、22…ロータコア、23…マグネット、24…突極、31,32…補助溝(第1の補助溝)、31a,31b,32a,32b…補助溝の側面部、41,42…第2の補助溝としての内側補助溝、41a,41b,42a,42b…内側補助溝の側面部、51,52…ティース側補助溝、51a,51b,52a,52b…ティース側補助溝の側面部、A…ティース部先端の開角度、B…突極の開角度、C1…第1の補助溝の位置角度、C2…内側補助溝の位置角度、C3…ティース側補助溝の位置角度、D…マグネットと突極間の開角度、E…ティース部の周方向中心線間の角度、H…ティース部の周方向中心線、L…モータの軸線、S…突極の周方向中心線、T…ティース部の周方向間隔、W1…第1の補助溝の周方向幅、W2…内側補助溝の周方向幅、W3…ティース側補助溝の周方向幅。

Claims (10)

  1. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、
    周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータと
    を備えたモータであって、
    前記突極における前記ティース部と対向する表面には、周方向に対向する一対の側面部を有する第1の補助溝が凹設され、
    前記突極の周方向中心線から前記第1の補助溝における前記周方向中心線側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C1が、
    前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をBとして、
    C1=A−B/2
    を満たすように構成されたことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記第1の補助溝は、前記突極の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のモータにおいて、
    前記第1の補助溝の周方向幅W1と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W1/Tが、0<W1/T<3.5の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
  4. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、
    周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータと
    を備えたモータであって、
    前記突極における前記ティース部と対向する表面には、周方向に対向する一対の側面部を有する第2の補助溝が凹設され、
    前記突極の周方向中心線から前記第2の補助溝における前記周方向中心線とは反対側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C2が、
    前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をB、前記軸線を中心とする前記マグネットと前記突極間の開角度をDとして、
    C2=A−B/2−D
    を満たすように構成されたことを特徴とするモータ。
  5. 請求項4に記載のモータにおいて、
    前記第2の補助溝は、前記突極の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とするモータ。
  6. 請求項4又は5に記載のモータにおいて、
    前記第2の補助溝の周方向幅W2と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W2/Tが、0<W2/T<1.2の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
  7. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、
    周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータと
    を備えたモータであって、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の第1の補助溝と、請求項4〜6のいずれか1項に記載の第2の補助溝とを両方備えたことを特徴とするモータ。
  8. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、
    周方向等間隔に設けられ前記マグネット及び前記突極と径方向に対向する複数のティース部を有するステータと
    を備えたモータであって、
    前記各ティース部における前記マグネット及び前記突極と対向する先端面には、周方向に対向する一対の側面部を有するティース側補助溝が凹設され、
    前記ティース部の周方向中心線から前記ティース側補助溝における前記周方向中心線とは反対側の側面部までのモータの軸線を中心とする角度C3が、
    前記軸線と中心とする前記ティース部先端の周方向両端部間の開角度をA、前記軸線を中心とする前記突極の周方向両端部間の開角度をB、周方向に隣り合う前記ティース部の周方向中心線間の角度をEとして、
    C3=A/2+E−B
    を満たすように構成されたことを特徴とするモータ。
  9. 請求項8に記載のモータにおいて、
    前記ティース側補助溝は、前記ティース部の周方向中心線に対して線対称になるように周方向に一対並設されたことを特徴とするモータ。
  10. 請求項8又は9に記載のモータにおいて、
    前記ティース側補助溝の周方向幅W3と周方向に隣り合うティース部間の間隔Tとの比W3/Tが、0<W3/T<1.125の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
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