JP2012005251A - モータ - Google Patents

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茂昌 加藤
Hirotsugu Yamada
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Abstract

【課題】低振動化を図ることができるモータを提供すること。
【解決手段】モータMは、ロータコア13の周方向にN極のマグネット14が7個配置されるとともに、ロータコア13の一体形成された突極13aが各マグネット14間に空隙Kを以て配置され、突極13aをS極として機能するように構成された14磁極のロータ10と、径方向内側に延びるティース21bが周方向に12個設けられ、ティース21b間のスロットに収容されるようにティース21bに巻線22が巻装された12スロットのステータ20とを備える。マグネット14の周方向幅Aとロータ10と径方向に対向するティース21bの先端(ティース先端部21d)における周方向幅Bとの比率A/Bが、0.85<A/B<1.00を満たすように設定された。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンシクエントポール型構造を採用したロータを備えるモータに関するものである。
モータに用いられるロータとしては、例えば特許文献1にて示されているように、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置され、該コアに一体形成された突極が各マグネット間に配置され、該突極を他方の磁極として機能させる所謂コンシクエントポール型構造のロータが知られている。
特開平9−327139号公報
ところで、特許文献1のようなコンシクエントポール型構造のロータは、磁束の強制力(誘導)のあるマグネットと、磁束の強制力のないロータコアに一体形成された突極とが混在する磁極にて構成されている。そして、例えば磁極対が奇数である14磁極(7磁極対)のロータと12スロットのステータとを備えたモータでは、マグネットの反対側(機械角180°反対側)が突極であるため、ラジアル方向に大きな偏荷重が発生し易い。このことは、モータの振動が大きくなる原因となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低振動化を図ることができるモータを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが7個配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成された14磁極のロータと、径方向に延びるティースが周方向に12個設けられ、前記ティース間のスロットに収容されるように前記ティースに巻線が巻装された12スロットのステータとを備えたモータであって、前記マグネットの周方向幅Aと前記ロータと径方向に対向する前記ティースの先端における周方向幅Bとの比率A/Bが、0.85<A/B<1.00を満たすように設定されたことを要旨とする。
同構成によれば、14磁極、12スロットのモータにおいて、前記マグネットの周方向幅Aと前記ティースの先端における周方向幅Bとの比率A/Bが、0.85<A/B<1.00を満たすように設定されるため、ロータの偏荷重が(例えば、A/B=1の場合より)小さくなり(図2の実験結果参照)、ひいては低振動化を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータにおいて、前記ティースは、前記巻線が巻装されるティース軸部と、軸方向から見て前記ティースの先端で前記ティース軸部から周方向に突出した形状のティース先端部とを有するものであって、前記ティース軸部は、周方向に30°の等角度間隔ピッチで設けられ、前記ティース先端部は、前記ロータの回転方向に1つ置きの第1のティース先端部が前記ティース軸部から周方向に均等に突出した形状に形成されるとともに、前記第1のティース先端部の前記ロータの回転方向側に隣り合う第2のティース先端部が、該第1のティース先端部からの角度間隔ピッチθ1が、27.5°<θ1<30°を満たすように前記ティース軸部から周方向に不均等に突出した形状に形成されたことを要旨とする。
同構成によれば、第2のティース先端部は、第1のティース先端部からの角度間隔ピッチθ1が27.5°<θ1<30°を満たすようにティース軸部から周方向に不均等に突出した形状に形成されることなどから、ロータの偏荷重が(例えばθ1=30°の場合より)小さくなり(図5の実験結果参照)、ひいては更なる低振動化を図ることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のモータにおいて、前記ティースは、前記巻線が巻装されるティース軸部と、軸方向から見て前記ティースの先端で前記ティース軸部から周方向に突出した形状のティース先端部とを有するものであって、前記ティース軸部は、前記ロータの回転方向に1つ置きの第1のティース軸部が周方向に60°の等角度間隔ピッチで設けられるとともに、前記第1のティース軸部の前記ロータの回転方向側に隣り合う第2のティース軸部が、該第1のティース軸部からの角度間隔ピッチθ2が、30.0°<θ2<33.5°を満たすように不等角度間隔ピッチで設けられ、前記ティース先端部は、周方向に30°の等角度間隔ピッチとなるように、前記第1のティース軸部に対応した第1側ティース先端部が前記第1のティース軸部から周方向に均等に突出した形状に形成されるとともに、前記第2のティース軸部に対応した第2側ティース先端部が前記第2のティース軸部から周方向に不均等に突出した形状に形成されたことを要旨とする。
同構成によれば、第2のティース軸部は、第1のティース軸部からの角度間隔ピッチθ2が30.0°<θ2<33.5°を満たすように不等角度間隔ピッチで設けられることなどから、ロータの偏荷重が(例えばθ2=30°の場合より)小さくなり(図7の実験結果参照)、ひいては更なる低振動化を図ることができる。
本発明によれば、低振動化を図ることができるモータを提供することができる。
(a)本実施の形態におけるモータの平面図。(b)同じくモータの部分拡大図。 周方向幅の比率A/Bと偏荷重との関係を示す特性図。 (a)比率A/Bが0.95の場合の荷重の軌跡を示す説明図。(b)比率A/Bが1.10の場合の荷重の軌跡を示す説明図。 (a)別例におけるモータの平面図。(b)同じくステータコアの部分拡大図。 角度間隔ピッチθ1と偏荷重との関係を示す特性図。 (a)別例におけるモータの平面図。(b)同じくステータコアの部分拡大図。 角度間隔ピッチθ2と偏荷重との関係を示す特性図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
図1(a)は、インナロータ型のブラシレスモータMを示す。モータMのロータ10は、回転軸11の外周面に非磁性材料よりなる中間部材12を介して磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア13が固着されており、該コア13の外周部の周方向にN極のマグネット14が7個配置されるとともに、該コア13の外周部に一体形成された突極13aが各マグネット14間に空隙Kを以て配置されている。つまり、各マグネット14及び突極13aは等角度間隔に交互に配置(マグネット14と突極13aとが180°反対位置に配置)され、ロータ10は、N極のマグネット14に対して突極13aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。
又、モータMのステータ20は、環状部21aから等角度間隔で12個のティース21bが径方向内側に延びたステータコア21と、ティース21b間のスロットに収容されるようにティース21bに巻装された巻線22とからなる12スロットのものが用いられている。尚、本実施の形態のティース21bは、図1(b)に示すように、巻線22が巻装されるティース軸部21cと、軸方向から見てティース21bの先端でティース軸部21cから周方向に突出した形状のティース先端部21dとを有する。又、本実施の形態のティース軸部21cは、周方向に30°の等角度間隔ピッチで設けられ、各ティース先端部21dは各ティース軸部21cから周方向に均等に突出した形状に形成されている。
ここで、マグネット14の周方向幅Aと、ロータ10と径方向に対向するティース21bの先端(ティース先端部21d)における周方向幅Bとの比率A/Bは、0.85<A/B<1.00を満たすように設定され、本実施の形態では、前記比率A/Bが0.95を満たすように設定されている。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)14磁極、12スロットのモータMにおいて、マグネット14の周方向幅Aとティース21bの先端(ティース先端部21d)における周方向幅Bとの比率A/Bが、0.85<A/B<1.00を満たすように設定される。よって、ロータ10の偏荷重が(例えば、A/B=1の場合より)小さくなり(図2の実験結果参照)、ひいては低振動化を図ることができる。詳しくは、図2は、実験によって前記比率A/Bを変化させたときのロータ10の偏荷重の大きさを示している。図2に示すように、前記比率A/Bが、0.85<A/B<1.00を満たす場合、単純にマグネット14の周方向幅Aとティース21bの先端(ティース先端部21d)における周方向幅Bとを同じ(即ち、比率A/Bを1.00)とした場合に比べて、ロータ10の偏荷重が小さくなることが分かる。そこで、本実施の形態では、前記比率A/Bを、0.85<A/B<1.00を満たす範囲内であって、ロータ10の偏荷重がほぼ最小となる(A/B=)0.95に設定している。尚、図3(a)は、本実施の形態(A/B=0.95)における電気角1周期分の荷重の軌跡を示し、図3(b)は、前記比率A/Bを1.10とした場合における電気角1周期分の荷重の軌跡を示している。図3(a),(b)に示すように、図3(a)に示した方(本実施の形態)は軌跡が真円に近くロータ10の偏荷重が小さく、図3(b)に示した方(A/B=1.10)は軌跡が真円から大きく乱れてロータ10の偏荷重が大きくなっている。
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ティース軸部21cは、周方向に30°の等角度間隔ピッチで設けられ、各ティース先端部21dは各ティース軸部21cから周方向に均等に突出した形状に形成されるとしたが、これに限定されず、他の構成に変更してもよい。
例えば、図4(a),(b)に示すように、変更してもよい。この例(図4参照)のティース軸部21cは、周方向に30°の等角度間隔ピッチで設けられている。そして、ロータ10の回転方向(この例では図4中、反時計回り方向)に1つ置きの第1のティース先端部21eは、ティース軸部21cから周方向に均等に突出した形状に形成されている。又、第1のティース先端部21eに対してロータ10の回転方向側に隣り合う第2のティース先端部21f(その周方向中心)は、該第1のティース先端部21eからの角度間隔ピッチθ1が、27.5°<θ1<30°を満たすようにティース軸部21cから周方向に不均等に突出した形状に形成されている。尚、この第2のティース先端部21fからロータ10の回転方向側に隣り合う第1のティース先端部21eへの角度間隔ピッチは、60°からθ1を引き算した角度(60°−θ1)となる。
このようにすると、ロータ10の偏荷重が(例えばθ1=30°の場合より)小さくなり(図5の実験結果参照)、ひいては更なる低振動化を図ることができる。詳しくは、図5は、実験によって前記角度間隔ピッチθ1を変化させたときのロータ10の偏荷重の大きさを示している。図5に示すように、前記角度間隔ピッチθ1が、27.5°<θ1<30°を満たす場合、単純に前記角度間隔ピッチθ1を30°(θ1=30°)とした場合に比べて、ロータ10の偏荷重が小さくなることが分かる。そこで、本実施の形態では、前記角度間隔ピッチθ1を、27.5°<θ1<30°を満たす範囲内であって、例えば28°に設定している。
又、例えば、図6(a),(b)に示すように、変更してもよい。この例(図6参照)では、ロータ10の回転方向(この例では図6中、反時計回り方向)に1つ置きの第1のティース軸部21gが周方向に60°の等角度間隔ピッチで設けられている。そして、第1のティース軸部21gに対してロータ10の回転方向側に隣り合う第2のティース軸部21hは、該第1のティース軸部21gからの角度間隔ピッチθ2が、30.0°<θ2<33.5°を満たすように不等角度間隔ピッチで設けられている。又、第1のティース軸部21gに対応した第1側ティース先端部21iは第1のティース軸部21gから周方向に均等に突出した形状に形成されている。そして、第2のティース軸部21hに対応した第2側ティース先端部21j(その周方向中心)は、第1側ティース先端部21iから周方向に30°の等角度間隔ピッチとなるように、第2のティース軸部21hから周方向に不均等に突出した形状に形成されている。尚、第2のティース軸部21hからロータ10の回転方向側に隣り合う第1のティース軸部21gへの角度間隔ピッチは、60°からθ2を引き算した角度(60°−θ2)となる。
このようにすると、ロータ10の偏荷重が(例えばθ2=30°の場合より)小さくなり(図7の実験結果参照)、ひいては更なる低振動化を図ることができる。詳しくは、図7は、実験によって前記角度間隔ピッチθ2を変化させたときのロータ10の偏荷重の大きさを示している。図7に示すように、前記角度間隔ピッチθ2が、30.0°<θ2<33.5°を満たす場合、単純に前記角度間隔ピッチθ2を30°(θ2=30°)とした場合に比べて、ロータ10の偏荷重が小さくなることが分かる。そこで、本実施の形態では、前記角度間隔ピッチθ2を、30.0°<θ2<33.5°を満たす範囲内であって、例えば32°に設定している。
10…ロータ、13…ロータコア、13a…突極、14…マグネット、20…ステータ、21b…ティース、21c…ティース軸部、21e…第1のティース先端部、21f…第2のティース先端部、21g…第1のティース軸部、21h…第2のティース軸部、21i…第1側ティース先端部、21j…第2側ティース先端部、22…巻線、A,B…周方向幅、K…空隙、θ1,θ2…角度間隔ピッチ。

Claims (3)

  1. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが7個配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成された14磁極のロータと、
    径方向に延びるティースが周方向に12個設けられ、前記ティース間のスロットに収容されるように前記ティースに巻線が巻装された12スロットのステータと
    を備えたモータであって、
    前記マグネットの周方向幅Aと前記ロータと径方向に対向する前記ティースの先端における周方向幅Bとの比率A/Bが、
    0.85<A/B<1.00
    を満たすように設定されたことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記ティースは、前記巻線が巻装されるティース軸部と、軸方向から見て前記ティースの先端で前記ティース軸部から周方向に突出した形状のティース先端部とを有するものであって、
    前記ティース軸部は、周方向に30°の等角度間隔ピッチで設けられ、
    前記ティース先端部は、前記ロータの回転方向に1つ置きの第1のティース先端部が前記ティース軸部から周方向に均等に突出した形状に形成されるとともに、前記第1のティース先端部の前記ロータの回転方向側に隣り合う第2のティース先端部が、該第1のティース先端部からの角度間隔ピッチθ1が、
    27.5°<θ1<30°
    を満たすように前記ティース軸部から周方向に不均等に突出した形状に形成されたことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記ティースは、前記巻線が巻装されるティース軸部と、軸方向から見て前記ティースの先端で前記ティース軸部から周方向に突出した形状のティース先端部とを有するものであって、
    前記ティース軸部は、前記ロータの回転方向に1つ置きの第1のティース軸部が周方向に60°の等角度間隔ピッチで設けられるとともに、前記第1のティース軸部の前記ロータの回転方向側に隣り合う第2のティース軸部が、該第1のティース軸部からの角度間隔ピッチθ2が、
    30.0°<θ2<33.5°
    を満たすように不等角度間隔ピッチで設けられ、
    前記ティース先端部は、周方向に30°の等角度間隔ピッチとなるように、前記第1のティース軸部に対応した第1側ティース先端部が前記第1のティース軸部から周方向に均等に突出した形状に形成されるとともに、前記第2のティース軸部に対応した第2側ティース先端部が前記第2のティース軸部から周方向に不均等に突出した形状に形成されたことを特徴とするモータ。
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