JP2011101310A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成の簡素化を図り、経年変化の影響を受けることなく、スイッチング素子のジャンクション又はチャネルを熱的破壊から保護することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】縦型のMOSFETからなる保護トランジスタ20は、半導体基板2の一面にゲート電極23及びソース電極22を、他面にドレイン電極21を形成してある。出力トランジスタ10が形成された半導体基板1の一面に存するソース電極12と、半導体基板2の一面とを導電性の接着剤6で接着して、ソース電極12にソース電極22及びゲート電極23を電気的に接続し、熱的に密結合させる。出力トランジスタ10のゲート電極13は、リード線32で保護トランジスタ20のドレイン電極21と接続する。高温の場合、保護トランジスタ20は閾値が0V以下に低下してオンし、出力トランジスタ10が遮断される。
【選択図】図7
【解決手段】縦型のMOSFETからなる保護トランジスタ20は、半導体基板2の一面にゲート電極23及びソース電極22を、他面にドレイン電極21を形成してある。出力トランジスタ10が形成された半導体基板1の一面に存するソース電極12と、半導体基板2の一面とを導電性の接着剤6で接着して、ソース電極12にソース電極22及びゲート電極23を電気的に接続し、熱的に密結合させる。出力トランジスタ10のゲート電極13は、リード線32で保護トランジスタ20のドレイン電極21と接続する。高温の場合、保護トランジスタ20は閾値が0V以下に低下してオンし、出力トランジスタ10が遮断される。
【選択図】図7
Description
本発明は、MOSFET、IGBT等のスイッチング素子が電力を消費したときの発熱によって破壊されるのを防止する機能を備える半導体装置に関する。
近年、半導体材料からなるスイッチング素子の性能が飛躍的に向上しており、DC−DCコンバータ、インバータ等の電力変換器をはじめとしてスイッチング素子の用途が多様化しつつある。これに伴い、主にシリコンを半導体材料とする電界効果トランジスタ(FET)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子に対する高耐圧化、大電力化への要望が高まっている。
シリコンを半導体材料とする場合、スイッチング素子のジャンクション温度又はチャネル温度(チャネル領域の温度)についての絶対最大定格は、通常150℃とされており、使用される雰囲気の最大温度において消費電力を最大にしたときにも上記の絶対最大定格を超えないようにしなければならない。実際には、過渡的な消費電力の増大に耐えるようにするために、またスイッチング素子の劣化を抑制するために、いわゆるディレーティングを行う必要がある。
上述したディレーティングを行ったとしても、何らかの原因によりスイッチング素子の温度が許容される最大値を超えることが想定される場合は、スイッチング素子の温度上昇そのものをとらえ、これを抑制できる仕組みが必要となる。
これに対し、特許文献1では、温度スイッチICの検出温度が規定値を超えた場合にPチャネルFETのゲートに接続された検出出力をHIGH(ハイ)レベルにして、前記PチャネルFETをOFF(オフ)状態とする技術が開示されている。また、特許文献2では、出力MOSFETと熱的に結合させたバイポーラトランジスタの漏れ電流を遮断回路が検出して、所定の温度以上で出力MOSFETを遮断する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では、夫々複数のトランジスタからなる温度スイッチIC及び遮断回路を用いる必要があり、保護回路としての構成が複雑なものとなる。また、特許文献1に開示された技術では、温度スイッチICが、ケースに封入された装置としてのFETの表面温度を検出するため、FETで最も高温となるチャネルを過熱から保護することができなかった。更に、特許文献2に開示された技術では、バイポーラトランジスタ又はダイオードの漏れ電流を検出しているため、経年変化による過熱保護のレベル変動があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路構成の簡素化を図り、経年変化の影響を受けることなく、スイッチング素子のジャンクション(バイポーラの場合)又はチャネル(ユニポーラの場合)を熱的破壊から保護することが可能な半導体装置を提供することにある。
本発明に係る半導体装置は、スイッチング素子と、該スイッチング素子と熱的に結合された過熱保護回路とを備える半導体装置において、前記過熱保護回路は、前記スイッチング素子の一電極及びスイッチングのオン/オフを制御する信号を入力するための制御電極夫々に、ソース電極及びドレイン電極が各接続されたエンハンスメント型のMOSFETを含み、該MOSFETは、ゲート電極及びソース電極間を接続してあることを特徴とする。
本発明にあっては、ドレイン−ソース間が導通するときの閾値Vthが0Vより高いエンハンスメント型のMOSFETのゲート電圧Vgsが0Vであり、通常の動作状態でMOSFETのドレイン−ソース間が導通することがないため、スイッチング素子の制御電極にはMOSFETが接続されていないのと等価になる。これに対し、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が上昇した場合、スイッチング素子と熱的に結合してあるMOSFETの温度が上昇し、閾値Vthが0Vより低下してドレイン−ソース間が導通することにより、スイッチング素子の制御電極及び一電極間がMOSFETのオン抵抗でシャントされてスイッチング素子の一電極及び他電極間が遮断される。
これにより、スイッチング素子及びMOSFET間の熱抵抗が十分小さくなるようにし、スイッチング素子のチャネル又はジャンクションの温度が許容する最大値を超える前に、MOSFETのゲート電圧の閾値Vthが0V以下となるようにした場合は、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が許容する最大値を超える前にスイッチング素子が遮断される。
これにより、スイッチング素子及びMOSFET間の熱抵抗が十分小さくなるようにし、スイッチング素子のチャネル又はジャンクションの温度が許容する最大値を超える前に、MOSFETのゲート電圧の閾値Vthが0V以下となるようにした場合は、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が許容する最大値を超える前にスイッチング素子が遮断される。
本発明に係る半導体装置は、前記スイッチング素子は、半導体材料がシリコンからなり、前記MOSFETは、バンドギャップがシリコンより大きい半導体材料からなることを特徴とする。
本発明にあっては、スイッチング素子の半導体材料がシリコンであるの対し、MOSFETの半導体材料は、シリコンよりバンドギャップが大きいものにしてあるため、MOSFETはスイッチング素子よりも動作温度の上限が高い。
これにより、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が絶対最大定格に近い温度であったとしても、MOSFETを過熱保護回路として確実に動作させることができる。
これにより、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が絶対最大定格に近い温度であったとしても、MOSFETを過熱保護回路として確実に動作させることができる。
本発明に係る半導体装置は、前記MOSFETの半導体材料は、炭化珪素であることを特徴とする。
本発明にあっては、過熱保護回路としてのMOSFETの半導体材料が炭化珪素であるため、熱伝導度がシリコンよりも数倍良好である上に、許容される温度が400〜500℃にもなって、高温でもMOSFETとして安定に動作する。
本発明に係る半導体装置は、前記スイッチング素子及びMOSFETは、各別の半導体基板に形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、スイッチング素子及びMOSFETを別々の半導体基板に形成してあるため、半導体材料の組み合わせが自由となるのに加えて、各半導体基板間の絶縁及び導通を適当に行うことにより、スイッチング素子及びMOSFET間の熱的な結合度を任意に構成することができる。
本発明に係る半導体装置は、前記MOSFETは、一の半導体基板の一面にゲート電極及びソース電極を、他面にドレイン電極を形成した縦型MOSFETであり、前記一の半導体基板の大きさは、他の半導体基板の一面に形成した前記一電極の大きさより小さく、前記一電極に前記ソース電極及びゲート電極を電気的に接続すべく、前記他の半導体基板の一面及び前記一の半導体基板の一面を導電性の接着剤で接着してあることを特徴とする。
本発明にあっては、MOSFETはいわゆる縦型であって、一の半導体基板の一面にゲート電極及びソース電極が、他面にドレイン電極が存するように形成されている。また、一の半導体基板の大きさは、スイッチング素子が形成された他の半導体基板の一面に存する前記一電極の大きさより小さくしてある。更に、一の半導体基板の一面及び他の半導体基板の一面を導電性の接着剤で接着して、スイッチング素子の一電極にMOSFETのソース電極及びゲート電極が電気的に接続されるようにしてある。
これにより、スイッチング素子の前記一電極と、MOSFETのソース電極及びゲート電極とをリード線によらずに接続することができる上に、スイッチング素子及びMOSFETを熱的に密結合させることができる。
これにより、スイッチング素子の前記一電極と、MOSFETのソース電極及びゲート電極とをリード線によらずに接続することができる上に、スイッチング素子及びMOSFETを熱的に密結合させることができる。
本発明によれば、ゲート電極及びソース電極間を接続したMOSFETのソース電極及びドレイン電極を、スイッチング素子の一電極及び制御電極に夫々接続する。
これにより、スイッチング素子及びMOSFET間の熱抵抗が十分小さくなるようにし、スイッチング素子のチャネル又はジャンクションの温度が許容する最大値を超える前に、ゲート電圧の閾値Vthが0V以下となるようにした場合は、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が許容する最大値を超える前にスイッチング素子が遮断される。この場合、MOSFETのゲート電圧の閾値Vthは、半導体の漏れ電流と比較して、経年変化による変動率が小さい。
従って、回路構成の簡素化を図りつつ、経年変化の影響を受けることなく、スイッチング素子のジャンクション又はチャネルを熱的破壊から保護することが可能となる。
これにより、スイッチング素子及びMOSFET間の熱抵抗が十分小さくなるようにし、スイッチング素子のチャネル又はジャンクションの温度が許容する最大値を超える前に、ゲート電圧の閾値Vthが0V以下となるようにした場合は、スイッチング素子のチャネル温度又はジャンクション温度が許容する最大値を超える前にスイッチング素子が遮断される。この場合、MOSFETのゲート電圧の閾値Vthは、半導体の漏れ電流と比較して、経年変化による変動率が小さい。
従って、回路構成の簡素化を図りつつ、経年変化の影響を受けることなく、スイッチング素子のジャンクション又はチャネルを熱的破壊から保護することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係る半導体装置の回路図である。図中10はシリコンを半導体材料とするMOSFETからなる出力トランジスタであり、出力トランジスタ10のゲート電極13は、炭化珪素を半導体材料とするエンハンスメント型のMOSFETからなる保護トランジスタ20のドレイン電極21に接続されている。出力トランジスタ10のソース電極12は、保護トランジスタ20のソース電極22及びゲート電極23に接続されている。保護トランジスタ20は、出力トランジスタ10に固着させて熱的に密結合させる(後述の図6,7参照)。
図1は、本発明に係る半導体装置の回路図である。図中10はシリコンを半導体材料とするMOSFETからなる出力トランジスタであり、出力トランジスタ10のゲート電極13は、炭化珪素を半導体材料とするエンハンスメント型のMOSFETからなる保護トランジスタ20のドレイン電極21に接続されている。出力トランジスタ10のソース電極12は、保護トランジスタ20のソース電極22及びゲート電極23に接続されている。保護トランジスタ20は、出力トランジスタ10に固着させて熱的に密結合させる(後述の図6,7参照)。
出力トランジスタ10のゲート電極13及びソース電極12の夫々には、外部で直列に接続された信号源抵抗Rs及び信号源S1が各接続されている。出力トランジスタ10のドレイン電極11は、図示しない外部の負荷を介して直流電源に接続してあり、ソース電極12は、接地電位に接続してある。
上述した構成において、保護トランジスタ20は通常の動作状態でオフしており、出力トランジスタ10が、信号源S1から与えられた駆動信号によって外部の負荷と直流電源との接続をオン/オフさせるようになっている。
上述した構成において、保護トランジスタ20は通常の動作状態でオフしており、出力トランジスタ10が、信号源S1から与えられた駆動信号によって外部の負荷と直流電源との接続をオン/オフさせるようになっている。
以下、保護トランジスタ20がオン/オフするときのゲート電圧の境界付近における動作について説明する。
図2は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETの入出力特性を示す特性図である。図の横軸は、入力としてのゲート電圧(ゲート−ソース間の電圧)Vgsを表し、縦軸は出力としてのドレイン電流Idを表す。図2において、ドレイン−ソース間の電圧Vdsを一定にしてゲート電圧Vgsを0から増加させた場合、ドレイン電流Idが立ち上がるときのゲート電圧Vgsを閾値Vthとする。このように、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETでは、閾値Vthより高い正のゲート電圧Vgsを与えたときにMOSFETがオンしてドレイン電流Idが流れる。
図2は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETの入出力特性を示す特性図である。図の横軸は、入力としてのゲート電圧(ゲート−ソース間の電圧)Vgsを表し、縦軸は出力としてのドレイン電流Idを表す。図2において、ドレイン−ソース間の電圧Vdsを一定にしてゲート電圧Vgsを0から増加させた場合、ドレイン電流Idが立ち上がるときのゲート電圧Vgsを閾値Vthとする。このように、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETでは、閾値Vthより高い正のゲート電圧Vgsを与えたときにMOSFETがオンしてドレイン電流Idが流れる。
図3は、閾値Vthの温度依存性を模式的に示す特性図である。図の横軸はMOSFETのチャネル領域の温度Tchを表し、縦軸は閾値Vthを表す。半導体材料が炭化珪素の場合、閾値Vthは、チャネル領域の温度Tchの上昇に対して一定の割合で低下して行く。ここでは、保護トランジスタ20の製造プロセスをコントロールして、例えば、チャネル領域の温度Tchが140℃のときに閾値Vthが0Vとなるように作り込むものとする。保護トランジスタ20は、図1に示すようにゲート電極23及びソース電極22を接続してゲート電圧Vgsが0Vとなるようにしてあるため、チャネル領域の温度Tchが140℃より高い(又は低い)ときにオン(又はオフ)する。
次に、保護トランジスタ20がオンしたときの電圧−電流特性について説明する。
図4は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETの他の入出力特性を示す特性図である。図の横軸は、入力としてのドレイン電圧(ドレイン−ソース間の電圧)Vdsを表し、縦軸は出力としてのドレイン電流Idを表す。図4では、パラメータとするゲート電圧Vgsに5通りの電圧(Vth及びVth+Vn;n=1、2、3、4)を与えたときの複数の特性曲線を実線で示す。ドレイン電圧Vdsを0Vから増加させたときにドレイン電流Idが略直線的に増加する領域が三極管領域であり、ドレイン電圧Vdsの増加に対してドレイン電流Idが略一定である領域が飽和領域である。これらの領域の境界(ピンチオフ電圧)を破線で示す。
図4は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETの他の入出力特性を示す特性図である。図の横軸は、入力としてのドレイン電圧(ドレイン−ソース間の電圧)Vdsを表し、縦軸は出力としてのドレイン電流Idを表す。図4では、パラメータとするゲート電圧Vgsに5通りの電圧(Vth及びVth+Vn;n=1、2、3、4)を与えたときの複数の特性曲線を実線で示す。ドレイン電圧Vdsを0Vから増加させたときにドレイン電流Idが略直線的に増加する領域が三極管領域であり、ドレイン電圧Vdsの増加に対してドレイン電流Idが略一定である領域が飽和領域である。これらの領域の境界(ピンチオフ電圧)を破線で示す。
ゲート電圧Vgsが閾値Vthに等しい場合、図2に示したようにドレイン電流Idはゼロであるため、図4では特性曲線が横軸と重なる直線となる。ドレイン電圧Vdsを一定にしてゲート電圧Vgsを閾値Vthより高めた場合、ゲート電圧Vgsの低/高に応じてドレイン電流Idが小/大に変化する。
逆に、ゲート電圧Vgsを一定にした場合、ドレイン電圧Vdsの低/高に応じてドレイン電流Idが小/大に変化する。但し、ドレイン電圧Vdsが、破線で示されたピンチオフ電圧より高いときは、ドレイン電流Idが略一定となる。ドレイン電圧Vdsをドレイン電流Idで割った値が、MOSFETのオン抵抗Ronに相当する。
逆に、ゲート電圧Vgsを一定にした場合、ドレイン電圧Vdsの低/高に応じてドレイン電流Idが小/大に変化する。但し、ドレイン電圧Vdsが、破線で示されたピンチオフ電圧より高いときは、ドレイン電流Idが略一定となる。ドレイン電圧Vdsをドレイン電流Idで割った値が、MOSFETのオン抵抗Ronに相当する。
ここで、ゲート電圧Vgsを図1に示すように0Vに保った状態でチャネル領域の温度Tchを140℃より高めた場合、閾値Vthが0Vより低下するため、ゲート電圧Vgsとして閾値Vthより高い電圧を与えたのと等価になる。つまり、チャネル領域の温度Tchが140℃より高い場合、チャネル領域の温度Tchの上昇に伴って増大するゲート電圧Vgsが、保護トランジスタ20に与えられるのと等価になり、保護トランジスタ20には、より多くのドレイン電流Idが流せるようになる。
図5は、チャネル領域の温度Tchによって保護トランジスタ20の動作が異なる様子を模式的に示す説明図である。図5(a)及び5(b)の夫々は、チャネル領域の温度Tchが140℃より低い場合及び140℃より高い場合を示す。
図5(a)では、上述したように、保護トランジスタ20の閾値Vthが0Vより高いために保護トランジスタ20がオフしており、出力トランジスタ10のゲート電極13及びソース電極12間には、保護トランジスタ20が接続されていないのと等価になる。
図5(a)では、上述したように、保護トランジスタ20の閾値Vthが0Vより高いために保護トランジスタ20がオフしており、出力トランジスタ10のゲート電極13及びソース電極12間には、保護トランジスタ20が接続されていないのと等価になる。
一方、図5(b)では、保護トランジスタ20の閾値Vthが0Vより低いために保護トランジスタ20がオンしており、出力トランジスタ10のゲート電極13及びソース電極12間には、保護トランジスタ20のオン抵抗Ronが接続されているのと等価になる。この場合、外部の信号源抵抗Rsよりオン抵抗Ronの抵抗値が十分小さくなるように、信号源抵抗Rsの値と保護トランジスタ20の特性とを選択することにより、外部の信号源S1から出力トランジスタ10のゲート電極13に与えられる信号の振幅を低下させて出力トランジスタ10をオフさせることができる。
図6及び7は、夫々本発明に係る半導体装置の模式的な平面図及び立面図である。本実施の形態にあっては、出力トランジスタ10及び保護トランジスタ20は、半導体基板1,2に各別に形成されており、出力トランジスタ10のドレイン電極11が形成された半導体基板1の下面と回路基板4の上面とが、ハンダ5によって電気的及び機械的に接続されている。保護トランジスタ20は縦型のMOSFETであり、半導体基板2の上面にドレイン電極21を、下面にソース電極22及びゲート電極23を形成してある。半導体基板2の平面視の大きさは、半導体基板1の上面に形成された出力トランジスタ10のソース電極12の大きさより小さくしてあるため、出力トランジスタ10のソース電極12上に、電極の周囲からはみ出すことなく半導体基板2を載置することができる。
出力トランジスタ10のソース電極12と半導体基板2の下面とは、導電性のフィラーがエポキシ、シリコン等の樹脂でバインドされた導電性の接着剤6で接着してある。これにより、出力トランジスタ10のソース電極12と、保護トランジスタ20のソース電極22及びゲート電極23とが電気的に接続されると共に、熱的に低抵抗で結合される。出力トランジスタ10のゲート電極13及び保護トランジスタ20のドレイン電極21間は、リード線32で接続してある。また、出力トランジスタ10のソース電極12及びゲート電極13と、回路基板4上の図示しないパターンとは、夫々リード線31,33で接続してある。
尚、ソース電極12上で半導体基板2を接着する位置は、出力トランジスタ10の発熱部位に最も近いソース電極12の中央寄りの位置が好ましい。
尚、ソース電極12上で半導体基板2を接着する位置は、出力トランジスタ10の発熱部位に最も近いソース電極12の中央寄りの位置が好ましい。
以上のように本実施の形態によれば、エンハンスメント型のMOSFETである保護トランジスタのゲート電圧Vgsが0Vであり、チャネル領域の温度Tchが140℃になるまでは保護トランジスタのドレイン電極及びソース電極間が導通することがないため、出力トランジスタのゲート電極には保護トランジスタが接続されていないのと等価になる。これに対し、出力トランジスタの温度が上昇し、出力トランジスタと熱的に密結合してある保護トランジスタのチャネル領域の温度Tchが140℃より高くなった場合、保護トランジスタの閾値Vthが0Vより低下してドレイン電極及びソース電極間が導通することにより、出力トランジスタのゲート電極及びソース電極間が保護トランジスタのオン抵抗Ronでシャントされる。このため、出力トランジスタのチャネル領域の温度(以下、単にチャネル温度という)が150℃の絶対最大定格を超える前に出力トランジスタが遮断される。
このように、特別な検出を必要とせずにMOSFET1個で出力トランジスタを過熱から保護するため、回路構成の簡素化が図られ、経年変化の影響を受けることなく、出力トランジスタのチャネルを熱的破壊から保護することが可能となる。
このように、特別な検出を必要とせずにMOSFET1個で出力トランジスタを過熱から保護するため、回路構成の簡素化が図られ、経年変化の影響を受けることなく、出力トランジスタのチャネルを熱的破壊から保護することが可能となる。
また、出力トランジスタの半導体材料がシリコンであるの対し、保護トランジスタの半導体材料は、シリコンよりバンドギャップが大きいものにしてあるため、保護トランジスタは出力トランジスタよりも動作温度の上限が高い。
従って、出力トランジスタのチャネル温度が絶対最大定格に近い温度であったとしても、保護トランジスタを過熱保護回路として確実に動作させることが可能となる。
従って、出力トランジスタのチャネル温度が絶対最大定格に近い温度であったとしても、保護トランジスタを過熱保護回路として確実に動作させることが可能となる。
更にまた、保護トランジスタの半導体材料が炭化珪素であるため、熱伝導度がシリコンよりも数倍良好である上に、許容される温度が400〜500℃にもなって、高温でもMOSFETとして安定に動作させることが可能となる。
更にまた、出力トランジスタ及び保護トランジスタを別々の半導体基板に形成してあるため、半導体材料の組み合わせが自由となるのに加えて、各半導体基板間の絶縁及び導通を適当に行うことにより、出力トランジスタ及び保護トランジスタ間の熱的な結合度を任意に構成することが可能となる。
更にまた、保護トランジスタのMOSFETはいわゆる縦型であって、一の半導体基板の一面にゲート電極及びソース電極が、他面にドレイン電極が存するように形成されている。また、一の半導体基板の大きさは、出力トランジスタが形成された他の半導体基板の一面に存するソース電極の大きさより小さくしてある。更に、一の半導体基板の一面及び他の半導体基板の一面を導電性の接着剤で接着して、出力トランジスタのソース電極に保護トランジスタのソース電極及びゲート電極が電気的に接続されるようにしてある。
従って、出力トランジスタのソース電極と、保護トランジスタのソース電極及びゲート電極とをリード線によらずに接続することができる上に、出力トランジスタ及び保護トランジスタを熱的に密結合させることが可能となる。
従って、出力トランジスタのソース電極と、保護トランジスタのソース電極及びゲート電極とをリード線によらずに接続することができる上に、出力トランジスタ及び保護トランジスタを熱的に密結合させることが可能となる。
尚、本実施の形態にあっては、出力トランジスタ10は、縦型のMOSFETであるが、これに限定されるものではなく、例えば横型のMOSFET又はIGBTであってもよい。
また、保護トランジスタ20の半導体材料を炭化珪素としているが、これに限定されるものではなく、例えばシリコンでもよいし、窒化ガリウムをはじめとする炭化珪素以外のワイドバンドギャップ半導体であってもよい。
更にまた、保護トランジスタ20について、チャネル領域の温度Tchが140℃のときに閾値Vthが0Vとなるように作り込んであるが、140℃に限定されるものではなく、出力トランジスタ10のチャネル温度が、絶対最大定格である150℃を超えないように保護できる範囲で、閾値Vthが0Vとなる温度を任意に選択して作り込んでもよい。
更にまた、保護トランジスタ20を縦型にしてあるが、縦型に限定されるものではなく、たとえば、電極間を接続するリード線の本数の増加が許容できるのであれば、横型であってもよい。
更にまた、出力トランジスタ10のソース電極と半導体基板2の下面とを導電性の接着剤6で接着して固着してあるが、これに限定されるものではなく、接着剤等を用いずに圧接するようにしてもよい。
1 半導体基板(他の半導体基板)
2 半導体基板(一の半導体基板)
31、32、33 リード線
4 回路基板
5 ハンダ
6 導電性の接着剤
10 出力トランジスタ(スイッチング素子)
11 ドレイン電極
12 ソース電極(一電極)
13 ゲート電極(制御電極)
20 保護トランジスタ(エンハンスメント型の縦型MOSFET)
21 ドレイン電極
22 ソース電極
23 ゲート電極
2 半導体基板(一の半導体基板)
31、32、33 リード線
4 回路基板
5 ハンダ
6 導電性の接着剤
10 出力トランジスタ(スイッチング素子)
11 ドレイン電極
12 ソース電極(一電極)
13 ゲート電極(制御電極)
20 保護トランジスタ(エンハンスメント型の縦型MOSFET)
21 ドレイン電極
22 ソース電極
23 ゲート電極
Claims (5)
- スイッチング素子と、該スイッチング素子と熱的に結合された過熱保護回路とを備える半導体装置において、
前記過熱保護回路は、前記スイッチング素子の一電極及びスイッチングのオン/オフを制御する信号を入力するための制御電極夫々に、ソース電極及びドレイン電極が各接続されたエンハンスメント型のMOSFETを含み、
該MOSFETは、ゲート電極及びソース電極間を接続してあること
を特徴とする半導体装置。 - 前記スイッチング素子は、半導体材料がシリコンからなり、
前記MOSFETは、バンドギャップがシリコンより大きい半導体材料からなること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記MOSFETの半導体材料は、炭化珪素であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記スイッチング素子及びMOSFETは、各別の半導体基板に形成してあること
を特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の半導体装置。 - 前記MOSFETは、一の半導体基板の一面にゲート電極及びソース電極を、他面にドレイン電極を形成した縦型MOSFETであり、
前記一の半導体基板の大きさは、他の半導体基板の一面に形成した前記一電極の大きさより小さく、
前記一電極に前記ソース電極及びゲート電極を電気的に接続すべく、前記他の半導体基板の一面及び前記一の半導体基板の一面を導電性の接着剤で接着してあること
を特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009256247A JP2011101310A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009256247A JP2011101310A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011101310A true JP2011101310A (ja) | 2011-05-19 |
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ID=44192107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009256247A Pending JP2011101310A (ja) | 2009-11-09 | 2009-11-09 | 半導体装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011101310A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011152291A1 (en) | 2010-06-02 | 2011-12-08 | Canon Kabushiki Kaisha | X-ray waveguide |
JP5968548B2 (ja) * | 2013-09-17 | 2016-08-10 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置 |
-
2009
- 2009-11-09 JP JP2009256247A patent/JP2011101310A/ja active Pending
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