JP2011100843A - 接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents

接着剤層付き半導体チップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイトを用いて切削加工する工程を有していても接着剤の配合設計の制限を緩和することができ、接着剤層の吸水及びボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供する。
【解決手段】フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、ウエハ上のバンプが埋もれるように易剥離樹脂層を形成する工程と、前記バンプの表面と前記易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記易剥離樹脂層を表面平坦化する工程と、前記ウエハから前記易剥離樹脂層を剥離する工程と、表面平坦化された前記バンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を有する前記ウエハをダイシングする工程とを有する接着剤層付き半導体チップの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、バイトを用いて切削加工する工程を有していても接着剤の配合設計の制限を緩和することができ、接着剤層の吸水及びボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法に関する。
近年、ますます進展する半導体装置の小型化、高集積化に対応するために、ハンダ等からなる接続端子(バンプ)を有する半導体チップを用いたフリップチップ実装が多用されている。
フリップチップ実装に用いるための半導体チップの製造方法においては、複数のバンプを有するウエハが用いられ、例えば、ウエハ上のバンプが埋もれるように予め接着剤層を形成し、バンプ及び接着剤層の表面を平坦化した後、ウエハを接着剤層ごとダイシングして個々の接着剤層付き半導体チップに分割する工程が行われる。ダイシングにより個別化された接着剤層付き半導体チップは、基板又は他の半導体チップにボンディングされるとともにバンプを介して電気的に接続される。
フリップチップ実装において、バンプ接続の信頼性を高めるためには、バンプ及び接着剤層の表面平坦化が重要である。バンプ及び接着剤層の表面平坦化には、従来、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)法が用いられてきた。CMP法とは、平坦な研磨パッドをバンプ及び接着剤層に押しあて、スラリーを用いて、化学的、機械的に平坦化する方法である。しかしながら、CMP法では、バンプと接着剤層との研磨速度の違いに起因して、ディッシングと呼ばれる窪みが生じることが問題である。
そこで、CMP法に替わる方法として、ダイヤモンド等からなるバイトを用いた切削加工が提案されている。例えば、特許文献1には、基板の表面に外部と電気的接続を行うためのバンプを形成する方法であって、前記基板の表面に、複数の前記バンプ及び前記バンプ間に絶縁膜を形成する工程と、バイトを用いた切削加工により、前記各バンプの表面及び前記絶縁膜表面が連続して平坦となるように平坦化処理する工程と、前記絶縁膜を除去する工程とを含むバンプの形成方法が記載されている。
特許文献1には、同文献に記載の方法は、バンプの表面を安価に高速で平坦化し、バンプ同士の接続を、ディッシング等の不都合を発生させることなく容易かつ確実に行うことを可能とすることが記載されている。
しかしながら、バイトを用いた切削加工においては、例えば、バイトが磨耗してしまうために無機充填材を混入することができない等、接着剤の配合設計が制限されることが問題である。また、バイトを用いた切削加工は水を供給しながら行われるため、接着剤層が水分を吸収し、後のボンディング工程において接着剤層にボイドが発生して半導体装置の信頼性が低下することもあった。
国際公開第04/061935号パンフレット
本発明は、バイトを用いて切削加工する工程を有していても接着剤の配合設計の制限を緩和することができ、接着剤層の吸水及びボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、ウエハ上のバンプが埋もれるように易剥離樹脂層を形成する工程と、前記バンプの表面と前記易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記易剥離樹脂層を表面平坦化する工程と、前記ウエハから前記易剥離樹脂層を剥離する工程と、表面平坦化された前記バンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を有する前記ウエハをダイシングする工程とを有する接着剤層付き半導体チップの製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法は、フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法である。本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、まず、ウエハ上のバンプが埋もれるように易剥離樹脂層を形成する工程を行う。
上記ウエハは、表面に複数のバンプが形成されており、フリップチップ実装に用いるための半導体チップの製造に通常用いられるウエハであれば特に限定されず、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなるウエハが挙げられる。
上記バンプは特に限定されず、例えば、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなるバンプが挙げられる。
上記易剥離樹脂層は特に限定されないが、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有することが好ましい。上記気体発生剤を含有することで、後述する上記易剥離樹脂層を剥離する工程において、上記易剥離樹脂層に刺激を与えることで上記気体発生剤から気体が発生し、発生した気体の圧力により上記易剥離樹脂層の粘着力が低下して、上記易剥離樹脂層は容易に剥離される。特に、上記バンプの根本部分に存在するオーバーハング部分からは上記易剥離樹脂層は剥離されにくいが、上記易剥離樹脂層が上記気体発生剤を含有することで、上記オーバーハング部分からも容易に剥離される。
上記刺激は特に限定されず、例えば、光、熱、超音波による刺激が挙げられる。なかでも、光又は熱による刺激が好ましい。上記光は特に限定されず、例えば、紫外線、可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、上記易剥離樹脂層は、光が透過又は通過できることが好ましい。
上記気体発生剤は特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等が好ましい。
上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
半導体装置の製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これらのアゾ化合物なかでも、熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好ましい。
上記アジド化合物は特に限定されず、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱、衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記易剥離樹脂層は、刺激により弾性率が上昇することが好ましい。なお、上記易剥離樹脂層の弾性率を上昇させる刺激は、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記刺激により弾性率が上昇する易剥離樹脂層は特に限定されず、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型樹脂組成物や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型樹脂組成物等の後硬化型樹脂組成物からなる層等が挙げられる。
上記後硬化型樹脂組成物からなる層は、光の照射又は加熱により層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化により弾性率が著しく上昇し、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で上記気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、上記易剥離樹脂層と上記ウエハとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記重合性ポリマーは特に限定されず、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)を予め合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは特に限定されず、例えば、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様にしてモノマー混合物を共重合させることにより得られる、常温で粘着性を有するポリマーが挙げられる。上記モノマー混合物として、例えば、主モノマーとしてアルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを含有するモノマー混合物が挙げられる。
上記官能基含有モノマーは特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーは特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に限定されず、通常、20万〜200万程度である。
上記官能基含有不飽和化合物は特に限定されず、例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のモノマーが挙げられる。
例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、エポキシ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーが用いられる。また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がヒドロキシル基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、イソシアネート基含有モノマーが用いられる。また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がエポキシ基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、カルボキシル基含有モノマー、アクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。更に、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がアミノ基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、エポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは特に限定されないが、分子量が1万以下である多官能オリゴマー又はモノマーが好ましく、光の照射又は加熱による易剥離樹脂層の三次元網状化が効率よくなされることから、分子量が5000以下であり、かつ、分子内のラジカル重合性不飽和結合の数の下限が2個、上限が20個である多官能オリゴマー又はモノマーがより好ましい。このような多官能オリゴマー又はモノマーとして、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、及び、これらのアクリレートに対応するメタクリレート等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤が挙げられる。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤は特に限定されず、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物や、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤は特に限定されず、例えば、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられる。
上記熱重合開始剤として、具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好ましい。
上記熱重合開始剤のうち、市販されているものとして、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上、いずれも日油社製)等が好ましい。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記後硬化型樹脂組成物は、更に、凝集力の調節を図る目的で、必要に応じてイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を配合してもよい。
上記易剥離樹脂層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記後硬化型樹脂組成物を調製し、該後硬化型樹脂組成物をスピンコート、スクリーン印刷等により上記ウエハ上に塗工して乾燥する方法、上記後硬化型樹脂組成物からなるフィルムを予め作製し、該フィルムをラミネートにより上記ウエハ上に塗工する方法等が挙げられる。
これにより、上記ウエハ上の上記バンプが埋もれるように上記易剥離樹脂層が形成される。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記バンプの表面と上記易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により上記バンプ及び上記易剥離樹脂層を表面平坦化する工程を行う。
上記バイトは特に限定されず、例えば、ダイヤモンド等からなる切削工具等が挙げられる。
上記バイトを用いて切削加工する方法は特に限定されず、例えば、DFS8910(ディスコ社製)等の、バンプの表面平坦化に通常用いられる切削加工装置を用いる方法等が挙げられる。
なお、上記表面平坦化を行う前は、上記バンプは上記易剥離樹脂層に埋もれているが、上記表面平坦化を行うことで、上記易剥離樹脂層が切削されるとともに上記バンプも切削され、上記バンプの表面と上記易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となる。また、通常、バイトを用いて切削加工する場合、上記バンプのみでは切削加工することができないか又はバイトが著しく磨耗してしまうが、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、上記バンプが埋もれるように上記易剥離樹脂層が形成されていることから、上記バンプ及び上記易剥離樹脂層を一括して良好に切削加工し、表面平坦化することができる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記ウエハから上記易剥離樹脂層を剥離する工程を行う。
上記易剥離樹脂層を剥離する方法は特に限定されず、例えば、上記易剥離樹脂層に光、熱、超音波による刺激を与える方法等が挙げられる。なかでも、光又は熱による刺激を与える方法が好ましい。
上記易剥離樹脂層が上記気体発生剤を含有する場合には、上記易剥離樹脂層に刺激を与えることで上記気体発生剤から気体が発生し、発生した気体の圧力により上記易剥離樹脂層の粘着力が低下して、上記易剥離樹脂層は上記ウエハから容易に剥離される。更に、上記易剥離樹脂層が上記気体発生剤を含有し、かつ、上記後硬化型樹脂組成物からなる場合には、発生した気体の大半が硬い硬化物から放出され、放出された気体は、上記易剥離樹脂層と上記ウエハとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
これにより、上記ウエハから上記易剥離樹脂層が剥離され、表面平坦化された上記バンプを有するウエハが得られる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、表面平坦化された上記バンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程を行う。
上記接着剤層は特に限定されないが、エポキシ化合物を含有することが好ましい。
上記エポキシ化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及び、これらの変性物、水添化物等が挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接着剤層は、上記エポキシ化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物(以下、単に、反応可能な官能基を有する高分子化合物ともいう)を含有してもよい。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することで、得られる接着剤層の硬化物は靭性をもち、優れた耐衝撃性を発現することができる。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物は特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。
上記エポキシ基を有する高分子化合物を含有することで、得られる接着剤層の硬化物は優れた靭性を発現する。即ち、得られる接着剤層の硬化物は、上記エポキシ化合物に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた靭性とを兼備することにより、高い接合信頼性や接続信頼性を発現することができる。
上記エポキシ基を有する高分子化合物は、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含み、得られる接着剤層の硬化物が優れた機械的強度、耐熱性、靭性等を発現できることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、該エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限は1万である。上記重量平均分子量が1万未満であると、エポキシ基を有する高分子化合物を含有する接着剤組成物は、造膜性が不充分となり、接着剤層を形成できないことがある。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、該エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量の好ましい下限は200、好ましい上限は1000である。上記エポキシ当量が200未満であると、得られる接着剤層の硬化物が堅く、脆くなることがある。上記エポキシ当量が1000を超えると、得られる接着剤層の硬化物の機械的強度、耐熱性等が不充分となることがある。
上記接着剤層が上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有する場合、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が500重量部である。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる接着剤層の硬化物は、熱によるひずみが発生する際、靭性が不充分となり、接合信頼性が劣ることがある。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量が500重量部を超えると、得られる接着剤層の硬化物の耐熱性が低下することがある。
上記接着剤層は、硬化剤を含有することが好ましい。
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール系硬化剤等が挙げられる。なかでも、酸無水物硬化剤が好ましい。
上記酸無水物硬化剤は特に限定されないが、2官能酸無水物硬化剤が好ましい。上記2官能酸無水物硬化剤は特に限定されず、例えば、フタル酸誘導体の無水物、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、上記酸無水物硬化剤として、3官能以上の酸無水物硬化剤粒子を用いてもよい。上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子は特に限定されず、例えば、無水トリメリット酸等の3官能の酸無水物からなる粒子、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の4官能以上の酸無水物からなる粒子等が挙げられる。
上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が20μmである。上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、硬化剤粒子の凝集が生じ、該硬化剤粒子を含有する接着剤組成物は、増粘することがある。上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子の平均粒子径が20μmを超えると、得られる接着剤層において、硬化時に硬化剤粒子が充分に拡散することができず、硬化不良となることがある。
上記硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が150重量部である。上記硬化剤の含有量が5重量部未満であると、得られる接着剤層が充分に硬化しないことがある。上記硬化剤の含有量が150重量部を超えると、得られる接着剤層の接続信頼性が低下することがある。上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対するより好ましい下限が10重量部、より好ましい上限が140重量部である。
また、上記硬化剤が、上記2官能酸無水物硬化剤と上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子とを含有する場合、これらの配合比は特に限定されないが、上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子の含有量(重量)を上記2官能酸無水物硬化剤の含有量(重量)で除した値[=(3官能以上の酸無水物硬化剤粒子の含有量)/(2官能酸無水物硬化剤の含有量)]の好ましい下限が0.1、好ましい上限が10である。上記値が0.1未満であると、上記3官能以上の酸無水物硬化剤粒子を添加する効果が充分に得られないことがある。上記値が10を超えると、得られる接着剤層の硬化物が脆くなり、充分な接着信頼性が得られないことがある。上記値のより好ましい下限は0.2、より好ましい上限は8である。
上記接着剤層は、硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすく、得られる接着剤層の硬化物の線膨張率を低下させて、接合された半導体チップへの応力及びハンダ等の導通部分のクラックの発生を抑制できることから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接着剤層が上記硬化促進剤を含有する場合、上記硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記硬化促進剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる接着剤層が充分に硬化しないことがある。上記硬化促進剤の含有量が20重量部を超えると、得られる接着剤層の接着信頼性が低下することがある。上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対するより好ましい下限が0.1重量部、より好ましい上限が15重量部である。
上記接着剤層は、無機充填材を含有してもよい。
上記無機充填材を含有することにより、得られる接着剤層の硬化物の線膨張率を低下させて、接合された半導体チップへの応力及びハンダ等の導通部分のクラックの発生を抑制することができる。
上記無機充填材は特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
上記無機充填材として粒子状の無機充填材を用いる場合、平均粒子径の好ましい下限は0.1nm、好ましい上限は30μmである。上記粒子状の無機充填材の平均粒子径が0.1nm未満であると、増粘効果が高く、該無機充填材を含有する接着剤組成物は、流動性が低下することがある。上記粒子状の無機充填材の平均粒子径が30μmを超えると、ボンディング工程において、電極間で上記無機充填材を噛みこむことがある。
上記接着剤層が上記無機充填材を含有する場合、上記無機充填材の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は500重量部である。上記無機充填材の含有量が5重量部未満であると、上記無機充填材を添加する効果をほとんど得ることができないことがある。上記無機充填材の含有量が500重量部を超えると、得られる接着剤層の硬化物の線膨張率は低下するものの、同時に弾性率が上昇し、接合された半導体チップへの応力及びハンダ等の導通部分のクラックが発生しやすくなることがある。上記無機充填材の含有量は、上記エポキシ化合物と、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物との合計100重量部に対するより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は400重量部、更に好ましい下限は15重量部、更に好ましい上限は300重量部である。
上記接着剤層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記エポキシ化合物等の各成分を含有する接着剤組成物を調製し、該接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥する方法等が挙げられる。
これにより、表面平坦化された上記バンプが埋もれるように上記接着剤層が形成される。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、予め上記バンプを表面平坦化した後で上記接着剤層を形成することから、上記接着剤層を切削加工する必要がない。
従って、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法は、バイトを用いた切削加工により上記バンプを表面平坦化する工程を有する方法でありながら、例えば、上記接着剤層が無機充填材を含有することができる等、接着剤の配合設計の制限を緩和することができる。また、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においても、通常の方法と同様に、バイトを用いた切削加工は水を供給しながら行われるが、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては上記接着剤層を切削加工する必要がないことから、上記接着剤層の吸水を抑制することができ、後のボンディング工程におけるボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することができる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記接着剤層を有する上記ウエハをダイシングする工程を行う。
上記ダイシングする方法は特に限定されず、例えば、DFD6361(ディスコ社製)等の、半導体チップの製造に通常用いられるダイシング装置を用いる方法が挙げられる。
また、上記接着剤層を有する上記ウエハをダイシングする際には、ダイシングテープを用いることが好ましい。上記ダイシングテープは、上記ウエハを固定又は保護することを目的として、上記ウエハの裏面側に貼付されて用いられる。
上記接着剤層を有する上記ウエハをダイシングすることで、表面平坦化された上記バンプが埋もれるように上記接着剤層が形成された半導体チップが得られる。このような本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法により得られた接着剤層付き半導体チップは、フリップチップ実装に用いられ、基板又は他の半導体チップにボンディングされるとともに表面平坦化された上記バンプを介して電気的に接続される。
本発明によれば、バイトを用いて切削加工する工程を有していても接着剤の配合設計の制限を緩和することができ、接着剤層の吸水及びボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(易剥離樹脂層の形成)
ブチルアクリレート79重量部、エチルアクリレート15重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、ラウリルメルカプタン0.02重量部を酢酸エチル200重量部に溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、メタクリル酸2−イソシアネートエチル3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)0.5重量部、ポリイソシアネート1.5重量部、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)100重量部を混合して、気体発生剤を含有する後硬化型樹脂溶液を調製した。
後硬化型樹脂溶液を、バンプ(高さ75μm、直径100μm、ピッチ150μm)を有するTEGウエハ(直径20cm、厚さ約750μm)上に、乾燥被膜の厚さが約80μmとなり、かつ、バンプが埋もれるようにスピンコートにより塗工し、110℃5分間加熱して溶剤を揮発させて易剥離樹脂層を得た。
(表面平坦化)
切削加工装置(DFS8910、ディスコ社製)を用いて、バンプの表面と易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となるように、バンプ及び易剥離樹脂層を表面平坦化した。このとき、バンプ及び易剥離樹脂層のウエハからの厚みが70μmとなるように切削を行った。
(易剥離樹脂層の剥離)
超高圧水銀灯を用いて、易剥離樹脂層側から、易剥離樹脂層への照射強度が40mW/cmとなるよう照度を調節した365nmの紫外線を2分間照射し、気体を発生させて、易剥離樹脂層とウエハとの接着面積を低下させた。そして、易剥離樹脂層に引き剥がし用テープを貼り付け、該引き剥がし用テープを引っ張ることにより易剥離樹脂層をウエハから剥離した。
(接着剤層の形成)
1004AF(エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、YX−4000H(エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、G−2050M(固形ポリマー、日油社製)40重量部、YH−306(硬化剤、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、2MAOK(硬化促進剤、四国化成社製)8重量部、及び、SE−4050(シリカフィラー、アドマテックス社製)150重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)300重量部に加え、混合して、無機充填材を含有する接着剤組成物を調製した。
接着剤組成物を、ウエハ上に、乾燥被膜の厚さが約80μmとなり、かつ、表面平坦化されたバンプが埋もれるようにスピンコートにより塗工し、110℃5分間加熱して溶剤を揮発させて接着剤層を得た。
(ダイシング)
接着剤層が形成されたウエハの裏面側にダイシングテープを貼付して補強した後、ウエハをダイシング装置(DFD6361、ディスコ社製)に取りつけ、ウエハ側からブレードを切り入れ、ウエハを半導体チップの大きさに切断した。次いで、ダイシングテープを剥がして、表面平坦化されたバンプが埋もれるように接着剤層が形成された半導体チップを得た。
(比較例1)
(接着剤層の形成)
1004AF(エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、YX−4000H(エポキシ化合物、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、G−2050M(固形ポリマー、日油社製)40重量部、YH−306(硬化剤、ジャパンエポキシレジン社製)30重量部、及び、2MAOK(硬化促進剤、四国化成社製)8重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)300重量部に加え、混合して、無機充填材を含有しない接着剤組成物を調製した。
接着剤組成物を、バンプ(高さ75μm、直径100μm、ピッチ150μm)を有するTEGウエハ(直径20cm、厚さ約750μm)上に、乾燥被膜の厚さが約80μmとなるようにスピンコートにより塗工し、110℃5分間加熱して溶剤を揮発させて接着剤層を得た。
(表面平坦化)
切削加工装置(DFS8910、ディスコ社製)を用いて、バンプの表面と接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バンプ及び接着剤層を表面平坦化した。このとき、バンプ及び接着剤層のウエハからの厚みが70μmとなるように切削を行った。
(ダイシング)
接着剤層が形成されたウエハの裏面側にダイシングテープを貼付して補強した後、ウエハをダイシング装置(DFD6361、ディスコ社製)に取りつけ、ウエハ側からブレードを切り入れ、ウエハを半導体チップの大きさに切断した。次いで、ダイシングテープを剥がして、表面平坦化されたバンプが埋もれるように接着剤層が形成された半導体チップを得た。
(評価)
実施例、比較例で得られた接着剤層付き半導体チップについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)リフロー試験
得られた接着剤層付き半導体チップと、基板(JKIT Type III、日立超LSIシステムズ社製)とを用いてフリップチップ実装(250℃、10秒、5N)を行った。190℃30分にて完全硬化を行った後、60℃、60%RH、40時間吸湿させ、ピーク温度260℃のリフローオーブンに3回通し、チップ−接着剤−基板の剥がれ評価及び導通試験を行った。なお、8つのサンプルについて上記剥がれ評価及び導通試験を行い、剥がれ及び導通不良が見られるか否かを評価した。
上記剥がれ評価については、超音波探査映像装置(Fine SAT II、日立建機社製)にてサンプルを観測したとき、ボイドの像が見られたものを不良とした。上記導通試験については、テスターにて測定したとき、導通抵抗値が10%以上変化したものを不良とした。
(2)冷熱サイクル試験
上記リフロー試験を行ったサンプルを、−55〜125℃(30分/1サイクル)、1000サイクルの冷熱サイクル試験を行い、チップ−接着剤−基板の剥がれ評価及び導通試験を行った。なお、8つのサンプルについて上記剥がれ評価及び導通試験を行い、剥がれ及び導通不良が見られるか否かを評価した。
上記剥がれ評価については、超音波探査映像装置(Fine SAT II、日立建機社製)にてサンプルを観測したとき、ボイドの像が見られたものを不良とした。上記導通試験については、テスターにて測定したとき、導通抵抗値が10%以上変化したものを不良とした。
Figure 2011100843
本発明によれば、バイトを用いて切削加工する工程を有していても接着剤の配合設計の制限を緩和することができ、接着剤層の吸水及びボイドの発生を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、
    ウエハ上のバンプが埋もれるように易剥離樹脂層を形成する工程と、
    前記バンプの表面と前記易剥離樹脂層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記易剥離樹脂層を表面平坦化する工程と、
    前記ウエハから前記易剥離樹脂層を剥離する工程と、
    表面平坦化された前記バンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、
    前記接着剤層を有する前記ウエハをダイシングする工程とを有する
    ことを特徴とする接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  2. 易剥離樹脂層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有することを特徴とする請求項1記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
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