JP2011099728A - 光干渉断層撮像装置及びデータ圧縮方法 - Google Patents

光干渉断層撮像装置及びデータ圧縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光干渉断層撮像装置で得られる画像データを高い圧縮率で圧縮符号化するための技術を提供する。
【解決手段】光干渉断層撮像装置は、複数のBスキャン画像で構成される3次元画像を記憶装置に蓄積する3次元画像生成部と、記憶装置に蓄積された3次元画像から、対象物の層に沿った平面での断層像に相当する層方向画像(Cスキャン画像)を複数生成する層方向画像生成部と、複数の層方向画像のそれぞれを圧縮符号化する圧縮部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光干渉断層撮像装置に関し、特に光干渉断層撮像装置で得られる測定データのデータ圧縮方法に関する。
現在、光学機器を用いた眼科用機器として、様々なものが使用されている。例えば、眼を観察する光学機器として、前眼部撮影機、眼底カメラ、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)等様々な機器が使用されている。中でも、光干
渉断層撮像装置(Optical Coherence Tomography:OCT、以下OCT装置と記す)は、試料の断層像を高解像度に得る装置であり、眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
OCT装置は、低コヒーレント光を、サンプルに照射し、そのサンプルからの反射光を干渉系を用いることで、高感度に測定する装置である。OCT装置は、低コヒーレント光をサンプル上にスキャンすることで、断層像を高解像度に得ることができる。被検眼の眼底における網膜の断層像を高解像度に撮像することが可能であることから、OCT装置は網膜の眼科診断等において広く利用されている。
図1(A)に、Bスキャン画像とよばれる、OCT装置で取得した網膜の断層像を示す。Bスキャン画像は、Aスキャンとよばれる網膜の深さ方向(Z方向)のスキャンをX方向に複数回行うことで得られる。このBスキャン画像によれば、網膜内部の状態が観察できるため、特に黄斑変性、黄斑円孔などの網膜内部の病変の観察に画期的である。
近年、Bスキャン画像をY方向に複数枚撮影し、3次元の網膜像を取得する装置が開発されている。網膜像を3次元で取得することにより、病変の広がり、網膜内の各層の観察特に、緑内障の原因である視神経細胞層の観察などに威力を発揮する。
このようなOCT装置は、1次元センサから得られた測定データに波長−波数変換及びフーリエ変換を施し、Z方向の1次元画像であるAスキャン画像を生成する。生成されたAスキャン画像は、USBなどの通信路を通じてパーソナルコンピュータなどの外部装置に伝送される。
OCT装置から外部装置へのデータ伝送量は網膜像の解像度により決まる。そのため、近年のOCT装置の解像度向上に伴い、網膜像のデータサイズが問題となっている。例えば、1024×1024×1024の解像度を持つ3次元の網膜像を取得すると、1回の撮影で得られる画像のデータサイズは1ギガバイトにもなる。データサイズが大きくなると、OCT装置から外部装置へのデータ伝送に時間がかかりリアルタイム処理が困難になる、データを保存するための記憶容量が膨大になるなどの問題を招く。
データサイズを削減する手段の一つとして、OCT装置で作成したAスキャン画像に圧縮をかけることが考えられる。しかしながら、網膜像のようなAスキャン画像は、圧縮してもデータサイズがあまり小さくならない。網膜像の典型的なBスキャン画像は図1(A)のように層を成した画像である。Aスキャン画像は、Bスキャン画像の縦1ラインであるから、濃度(輝度)の変化が激しい、周波数の高い画像となる。そのため、Aスキャン画像に圧縮を施しても高い圧縮率が得られず、データサイズを効果的に削減することができないのである。
なお、3次元のデータを圧縮する従来技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1に開示された技術は、マイクロ波を用いて地中の構造物内部検査を行う際に、異常個所候補を抽出して優先的に表示することで、画像出力時間の短縮やオペレータの労力軽減を
行うというものである。オペレータに情報を圧縮して見せるためにいくつかのボクセルを加算して提示する、という形態で3次元のデータを圧縮している。
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、3次元データを簡易表示するための方法にすぎない。もしこの方法をOCTの画像データの圧縮に適用した場合、ピクセル加算により画像の解像度が低下してしまい、高解像度の網膜像を得るというOCTの本来の利点を損なうことになってしまう。
特開2006−208201号公報
本発明の目的は、光干渉断層撮像装置で得られる画像データを高い圧縮率で圧縮符号化するための技術を提供することである。
本発明の第1態様は、層構造をもつ対象物を測定するための光干渉断層撮像装置であって、光源からの光を測定光と参照光に分割し、前記測定光を前記対象物に照射し、前記対象物からの戻り光と前記参照光との干渉光から前記対象物の深さ方向の測定データを取得する測定部と、前記測定光の照射位置を2次元的に移動しつつ前記測定部による測定を複数回行うことにより得られる複数の測定データから、前記対象物の深さ方向に平行な平面での断層像である深さ方向画像を複数生成し、前記複数の深さ方向画像で構成される3次元画像を記憶装置に蓄積する3次元画像生成部と、前記記憶装置に蓄積された3次元画像から、前記対象物の層に沿った平面での断層像に相当する層方向画像を複数生成する層方向画像生成部と、前記複数の層方向画像のそれぞれを圧縮符号化する圧縮部と、を有する光干渉断層撮像装置である。
本発明の第2態様は、層構造をもつ対象物を測定するための光干渉断層撮像装置におけるデータ圧縮方法であって、光源からの光を測定光と参照光に分割し、前記測定光を前記対象物に照射し、前記対象物からの戻り光と前記参照光との干渉光から前記対象物の深さ方向の測定データを取得する測定ステップと、前記測定光の照射位置を2次元的に移動しつつ前記測定ステップを複数回行うことにより得られる複数の測定データから、前記対象物の深さ方向に平行な平面での断層像である深さ方向画像を複数生成し、前記複数の深さ方向画像で構成される3次元画像を記憶装置に蓄積する3次元画像生成ステップと、前記記憶装置に蓄積された3次元画像から、前記対象物の層に沿った平面での断層像に相当する層方向画像を複数生成する層方向画像生成ステップと、前記複数の層方向画像のそれぞれを圧縮符号化する圧縮ステップと、を有する光干渉断層撮像装置におけるデータ圧縮方法である。
本発明によれば、光干渉断層撮像装置で得られる画像データを高い圧縮率で圧縮符号化することができる。
第1の実施例を説明するための図。 第1の実施例の画像構成部を説明するための図。 SD−OCT装置の概略構成を示す図。 第1の実施例の画像読み出し部のフローチャート。 第2の実施例の位置合わせ部の構成図及びフローチャート。 第3の実施例の傾き検出を説明するための図。 第3の実施例の傾き検出部のフローチャート及び説明図。
本発明は、層構造をもつ対象物を測定するための光干渉断層撮像装置(OCT装置あるいは光干渉計とも称する)に関し、具体的には、光干渉断層撮像装置で得られた画像データのデータ圧縮方法に関する。以下の実施例では、本発明を、眼底や網膜の断層観察を行うための診断装置に適用した例について説明する。ただし、本発明の適用範囲はこれに限られず、深さ方向と非平行な層構造をもつ対象物の測定全般に対して本発明を好適に適用可能である。例えば、本発明は、皮膚の断層観察、内視鏡やカテーテルによる消化器・循環器・血管の断層観察、産業製品の品質検査等にも適用できる。
(第1の実施例)
第1の実施例は、OCT装置からパソコンに網膜画像を転送する際に、Aスキャン画像やBスキャン画像のような深さ方向の断層像でなく、網膜の層に沿った平面での断層像を圧縮して送ることで画像転送時間を削減するOCT装置である。複数のAスキャン画像を記憶装置に蓄積して3次元画像を作成し、その3次元画像から層に沿った平面での断層像を切り出して圧縮する。
本実施例の概念を図1(A)に示す。図1(A)は、記憶装置(メモリ)に蓄積された3次元画像と、Aスキャン画像、Bスキャン画像、及びCスキャン画像の関係を模式的に示している。OCT装置では、1回の測定(Aスキャン)により、対象物の深さ方向(Z方向)の1次元画像であるAスキャン画像が得られる。そして、測定光の照射位置をX方向に移動しつつAスキャンを複数回行うこと(これをBスキャンとよぶ)で、深さ方向に平行なZX平面での断層像であるBスキャン画像(深さ方向画像)が得られる。さらに、測定光の照射位置をY方向に移動しつつBスキャンを繰り返すことで、3次元画像が得られる。以下、対象物の層に沿った平面(本実施例ではXY平面)での断層像を、Cスキャン画像あるいは層方向画像とよぶ。
網膜のBスキャン画像は、典型的には、図1(A)に示したように層状の画像となる。また、Aスキャン画像は、深さ方向の1ラインの画像であるため、層ごとに濃度(輝度)が変化する画像となる。このような濃度変化の激しい画像は一般に圧縮に向かない。濃度変化が激しいということは高周波成分が多いことを示しており、JPEGのように高周波成分をカットする不可逆圧縮では、画質の劣化が大きくなるからである。また、濃度差が大きいために、ランレングス符号化(同じ値が続くデータ列をその長さを示す数字で置換する方法)や差分符号化(隣接画素との差分値を記録する方法)のような圧縮では、データサイズがほとんど減少しない。
そこで本実施例は、図1(A)に示すように、複数のBスキャン画像を記憶装置に蓄積して3次元画像を構成し、記憶部に蓄積された3次元画像からCスキャン画像を複数生成し、各Cスキャン画像を圧縮符号化する方法を採用する。網膜は層構造を有しているため、理想的なCスキャン画像は、網膜の一つの層から取り出された画像(つまり、網膜の層に沿った平面での断層像)に相当する。同一の層内の画素はほぼ同じ値を示すため、Cスキャン画像は濃度変化のほとんどない、比較的均一な画像であることが期待できる。
比較的均一な画像は高周波成分が少ないため、JPEGのような不可逆圧縮を行っても画質の劣化は無視することができる。また、濃度差が小さいため、ランレングス符号化や差分符号化のような可逆圧縮でも高い圧縮率を得ることができる。そのため、Cスキャン画像毎に圧縮をかけることで、Aスキャン画像毎又はBスキャン画像毎に圧縮をかける場合に比較して、高い圧縮率を期待することができる。なお、Cスキャン画像の圧縮にはど
のような圧縮符号化方法を適用してもよいが、網膜像のような医療画像の場合は診断に用いられることから、画質劣化のない可逆圧縮のほうが好ましい。
また本実施例では、測定範囲全体の3次元画像を蓄積した後にCスキャン画像の生成・圧縮を行うのではなく、所定量のAスキャン画像が蓄積される度に、それらで構成される部分的な3次元画像からCスキャン画像の生成・圧縮を順次行う。3次元画像全体を蓄積しないことにより、データ圧縮のためのレイテンシを削減することができる。このことを図1(B)及び(C)を使用して説明する。
図1(B)は、測定範囲全体の3次元画像(例えば1024枚のBスキャン画像)を蓄積してからCスキャン画像を作成する際のタイムチャートである。図1(B)からわかるように、データの圧縮及び伝送にかかる時間は、3次元画像全体を記録するための時間、遅延することがわかる。一方、図1(C)は、所定量のAスキャン画像(例えばBスキャン画像8枚分のAスキャン画像)が蓄積される度にCスキャン画像を作成する際のタイムチャートである。図1(C)からわかるように、所定量のAスキャン画像を蓄積するための時間しか遅延せず、データの圧縮及び伝送に要する時間を大幅に短縮できることがわかる。また、図1(C)の構成の場合は、3次元画像を蓄積するためのメモリ容量を小さくでき、コストを低減できるという利点もある。
上記「所定量」は、圧縮アルゴリズム、圧縮効率、レイテンシ、メモリ容量などのバランスを考慮して、適宜設定すればよい。本発明者らの実験では、Bスキャン画像8枚程度からなる3次元画像からCスキャン画像を作成し、そのCスキャン画像を圧縮することでも、十分な圧縮効果が得られることが確認できている。
次に図3を参照して、OCT装置について説明する。本実施例では、1回の測定で深さ方向の1次元の測定データが得られるFD(フーリエドメイン)−OCTが用いられる。FD−OCTは、さらに、回折格子などの分光器を用いるSD(スペクトルドメイン)−OCTと、光源の周波数を変化させるSS(スイプトソース)−OCTに大別できる。以下、SD−OCT装置を例に挙げて説明を行うが、本発明はSD−OCTだけでなくSS−OCTにも適用可能である。
図3は、SD−OCT装置の概略構成を示している。
光源101から出射した光がビームスプリッタ102によって参照光112と測定光111とに分割される。測定光111は、観察対象である眼105によって反射や散乱により戻り光113となって戻された後、ビームスプリッタ102によって、参照光112と合波され干渉光114となる。干渉光114は回折格子107により分光され、レンズ108により1次元センサ109上に結像される。1次元センサ109の各出力を1次元センサ内の位置つまり干渉光の波数でフーリエ変換することにより、眼105の断層像を得ることができる。
次に、光源101について説明する。光源101は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。波長は830nm、バンド幅50nmであ
る。ここで、バンド幅は、得られる断層像の光軸方向(深さ方向)の分解能に影響するため、重要なパラメーターである。なお、本実施例ではSLDを採用したが、低コヒーレント光が出射できる光源であればよいので、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。波長に関しては、眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適する。また波長は、得られる断層像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましく、ここでは830nmとする。観察対象の測定部位によっては、他の波長を選んでももちろん良い。
次に、参照光112の光路について説明する。ビームスプリッタ102によって分割された参照光112は、ミラー106により反射され、ビームスプリッタ102に戻る。この光路長を測定光111と同じ長さにすることにより、参照光と測定光を干渉させることができる。
次に、測定光111の光路について説明する。ビームスプリッタ102によって分割された測定光111は、XYスキャナ103のミラーに入射される。XYスキャナ103は、測定光111の網膜に対する照射位置を、光軸に垂直な方向に2次元的に移動(スキャン)するためのものである。ここでは、簡単のため、XYスキャナ103は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャン用ミラーとYスキャン用ミラーとの2枚のミラーが近接して配置されている。測定光111の中心はXYスキャナ103のミラーの回転中心と一致するように調整されている。レンズ104により網膜上に測定光111を集光する。これらの光学系により、測定光111は眼105に入射すると、眼105の網膜からの反射や散乱により戻り光113となる。
通常、OCTは撮像位置(測定光の照射位置)をモニタするために、図示しないが、走査型レーザー検眼鏡(SLO)または、眼底像を2次元で撮像する光学系を持っている。また、撮影の中心は、通常固視灯と呼ばれる輝点を光軸上に置き、被験者に固視灯を凝視させることにより、視野の中心である黄斑を光軸上に置くことが出来、黄斑を中心にスキャンすることが出来る。
次に分光系について説明する。前記の様に干渉光114は回折格子107により分光されるが、この分光は光源の中心波長、バンド幅と同じ波長条件で分光を行う。干渉光を測定する1次元センサ109は一般的にCCD型とCMOS型があるが、どちらを用いても同様の結果が得られる。
以上述べた光源101、ビームスプリッタ102、XYスキャナ103、レンズ104、ミラー106、回折格子107、レンズ108、及び1次元センサ109により、本発明の測定部(測定手段)が構成されている。この測定部において、XYスキャナ103を動かさずに測定を行うと、1次元センサ109からAスキャン画像1本分の測定データが得られる。Aスキャン終了ごとに、スキャナ103により測定光の照射位置をX方向に移動させ、Aスキャンを繰り返すことにより、Bスキャン画像が得られる。さらにBスキャン終了ごとにスキャナ103により測定光の照射位置をY方向に移動させ、Bスキャンを繰り返すことで、網膜の3次元画像が得られる。
1次元センサ109からの測定データは、画像構成部1000に送られる。画像構成部1000は、1次元センサ109から得られた複数の測定データから3次元画像を生成し、その3次元画像からCスキャン画像を生成し、圧縮符号化した後、PC2000へデータを伝送する。
図2(A)は、画像構成部1000のブロック図である。画像構成部1000は、波長−波数変換部1010、フーリエ変換部1020、メモリ1030、画像読み出し部1040、圧縮部1050を有している。この構成において、波長−波数変換部1010、フーリエ変換部1020及びメモリ1030が本発明の3次元画像生成部に対応し、画像読み出し部1040が本発明の層方向画像生成部に対応し、圧縮部1050が本発明の圧縮部に対応している。
1次元センサ109からのデータは、波長−波数変換部1010、フーリエ変換部1020によりAスキャン画像に変換される。Aスキャン画像の作成方法は公知のものとして、詳しい説明は省略する。Aスキャン画像は、メモリ1030にいったん格納される。所定量(例えば、Bスキャン画像8枚分)のAスキャン画像がメモリ1030に蓄積される
と、画像読み出し部1040がメモリ1030からCスキャン画像を読み出す。
画像読み出し部1040のメモリ1030からの読み出し方法の概略を図2(B)に示す。本実施例では、Aスキャン画像は1024ピクセルで構成される。Aスキャン画像はメモリ1030に順次格納される。つまり1ライン目はメモリ1030の0x0000から、2ライン目は0x0400から格納される。
N番目のCスキャン画像を読み出すとき、画像読み出し部1040は、各Aスキャン画像のN番目のピクセルを読み出してゆく。つまり、画像読み出し部1040は、0x0000+N,0x0400+N,0x0800+N…、というようにピクセルを読み出してゆく。
図4は、画像読み出し部1040のフローチャートである。フローチャート中で使っているX,Y,Z軸は、図1(A)に示すような座標系を想定している。つまり、Aスキャン方向をZ軸、Bスキャン方向をX軸、Bスキャンを重ねてゆく方向がY軸である。
画像読み出し部1040は、メモリ1030に所定量のAスキャン画像が格納されるのを待つ(S100)。本実施例ではBスキャン画像8枚分のAスキャン画像を待つとしたが、これは本発明を制限するものではない。Aスキャン画像の蓄積量は最低2スキャン分あればよく、圧縮アルゴリズムや要求されるレイテンシに合わせて決定すればよい。
Bスキャン画像8枚分の3次元画像が格納されると、画像読み出し部1040はメモリ1030からの読み出しを開始する。まず画像読み出し部1040は、ポインタpに、Aスキャン画像の1ライン目において読み出すメモリアドレスを設定する。1ライン目のメモリアドレスは、「画像の先頭アドレス+N」であり、本実施例では「0x0000+N」である。ここでNは、N番目のCスキャン画像を意味する(S101)。また、画像読み出し部1040は、Cスキャン画像のピクセル数を数える変数kを0で初期化する(S102)。
次に、画像読み出し部1040は、Cスキャン画像のk番目のピクセルC(k)として、ポインタpが示すAスキャン画像のピクセルを読み出す(S103)。「*p」は、ポインタpが示すアドレスに格納されているデータの値を示している。
Cスキャン画像の次のピクセルC(k+1)は、図2(B)に示すように「次のAスキャン画像の先頭アドレス+N」である。そこで、画像読み出し部1040は、現在のpにAスキャン画像のピクセル数である「Z方向のサイズ」を加算し(S104)、kをインクリメントする(S105)。
メモリ1030から読み出すCスキャン画像の大きさは、「X方向のサイズ」×「Y方向のサイズ」であるので、「k<X方向のサイズ×Y方向のサイズ」である間、S103〜S105が繰り返される(S106)。
以上の処理により、画像読み出し部1040はメモリ1030から1枚分のCスキャン画像を読み出す。続いてN+1番目のCスキャン画像を読み出す場合は、画像読み出し部1040は、Nをインクリメントした後に、S101〜S106を実行すればよい。本実施例ではZ方向のサイズは1024であるため、最大で1024枚のCスキャン画像を得ることができる。ただし、全てのCスキャン画像を読み出す必要はなく、診断等に必要な範囲(深さ)のCスキャン画像のみを読み出すだけでもよい。
画像読み出し部1040により読み出されたCスキャン画像は、圧縮部1050で圧縮符号化される。本実施例では、Cスキャン画像にJPEGで圧縮をかける。JPEGのアルゴリズムは周知であるため、ここでは説明を省略する。なお、上述したように、Cスキャン画像の圧縮には、JPEGに限らず、他のどのような圧縮方法を用いてもよい。
圧縮されたCスキャン画像は、有線(USBなど)又は無線により、PC(パーソナルコンピュータ)2000に送られる。PC2000は、圧縮されたCスキャン画像を解凍し、3次元画像を再構成し、利用者に提示する。
以上述べた本実施例によれば、対象物が層構造を有していることに着目して、記憶装置に所定量の3次元画像を蓄積し、そこからCスキャン画像を切り出し、Cスキャン画像単位でデータ圧縮・伝送を行うようにしている。これにより、Aスキャン画像又はBスキャン画像の単位で圧縮を行う場合に比べて、高い圧縮率を実現することができ、データ伝送時間の短縮及び記憶容量の削減が可能となる。
(第2の実施例)
SD−OCTではBスキャンの撮影時間は比較的短いため、Bスキャン画像内のぶれは特に問題とならない。しかしながら、撮影中に撮影対象である患者の眼球が動くと、Bスキャン画像の基準位置がずれることがある。位置のずれたBスキャン画像を単純に並べて3次元画像を構成すると、層構造がうまくつながらないなど、3次元画像に乱れが発生する。このような3次元画像の場合は、Cスキャン画像の濃度の均一性が損なわれるため、高い圧縮率が期待できなくなる。
そこで、第2の実施例では、隣接するBスキャン画像間の類似性(相関)を利用し、Bスキャン画像間の位置合わせ(位置ずれの補正)を行う。これにより、Cスキャン画像の濃度の均一性が向上し、高い圧縮率を実現可能となる。
第2の実施例の基本構成は、第1の実施例と同様である。そこで第1の実施例と異なる部分のみ説明を行う。
本実施例の画像構成部1000は、図5(A)に示すように、フーリエ変換部1020とメモリ1030の間に位置合わせ部1510を有する。位置合わせ部1510は、Bフレームメモリ1511、前Bフレームメモリ1512、移動量検出部1513、シフト部1514から成る。位置合わせ部1510は、フーリエ変換部1020からAスキャン画像を受け取り、隣接するBスキャン画像間の位置合わせ処理を行い、位置合わせを行ったBスキャン画像をメモリ1030に出力する。
図5(B)は、位置合わせ部1510の内部処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、位置合わせ部1510が1枚のBフレーム画像を処理する手順を示したものである。
フーリエ変換部1020からのAスキャン画像は、Bフレームメモリ1511に記録される。Bフレームメモリ1511はBフレーム画像1枚分のAスキャン画像を記録する(S200)。
移動量検出部1513は、Bフレームメモリ1511の内容と、前Bフレームメモリ1512の内容からシフト量を計算する(S201)。具体的には、移動量検出部1513は、前Bフレームメモリ1512に格納された画像を上下左右に数ピクセルずつ移動し、Bフレームメモリ1511に格納された画像との相関を評価することで、最も相関が高くなる移動量を算出する。そして、移動量検出部1513は、算出した移動量を一つ前のBスキャン画像のシフト量に累積して、今回のBスキャン画像のシフト量を計算する。なお、移動量の効率的な検出手法については、MPEGの動き補償などでよく知られた技術であるので、詳しい説明は省略する。
次に、シフト部1514は、Bフレームメモリ1511に格納されたBスキャン画像を、移動量検出部1513で計算したシフト量だけシフトした後、メモリ1030へ出力する(S202)。その後、前Bフレームメモリ1512に、Bフレームメモリ1511内
のBスキャン画像をコピーする(S203)。
以上の処理により、隣接するBスキャン画像間の位置合わせが行われる。なお、Bフレームメモリ1511から前Bフレームメモリ1512へ画像をコピーする構成ではなく、シフト部1514から出力される画像を前Bフレームメモリ1512に格納する構成にしてもよい。その場合は、移動量検出部1513で検出した移動量をそのままシフト量としてシフト部1514に引き渡せばよい。
以上述べた本実施例の構成によれば、Bスキャン画像間の位置合わせを行うことで、対象物の移動などによる3次元画像の乱れを補正できる。よって、Cスキャン画像の濃度の均一性が向上し、高い圧縮率を実現することができる。また、3次元画像の乱れが補正されているため、PC2000において品質及び信頼性に優れた画像の提供が可能となる。
(第3の実施例)
上記実施例では、Bスキャン画像の水平方向(X方向)と層方向とがほぼ平行であった。しかしながら、撮影時に対象物が傾いていたり、層構造が元々傾斜している対象物を撮影した場合には、Bスキャン画像の水平方向(X方向)と層方向とが平行にならない(図6(A)参照)。このような画像の場合、上記実施例のように水平方向にCスキャン画像を切り出しても、Cスキャン画像が複数の層を横切ることとなるため、濃度の均一性が損なわれ、高い圧縮率を達成することができない場合がある。
そこで第3の実施例では、層の傾きを検出し、その傾きにあわせてCスキャン画像(層方向データ)を切り出すことで、Cスキャン画像と網膜の層を一致させる。Cスキャン画像が網膜の層と一致すれば、Cスキャン画像の濃度の均一性が向上するため、高い圧縮率を実現可能となる。
第3の実施例の画像構成部1000は、Bスキャン画像から層の傾きを検出するための傾き検出部(不図示)を有している。それ以外の構成は、第1の実施例又は第2の実施例と同様である。メモリ1030内にBスキャン画像が書き込まれるまでの処理は、第1の実施例又は第2の実施例と同様なため説明を省略する。
図6(A)〜(D)及び図7(A)〜(B)を参照して、本実施例の傾き検出及びCスキャン画像抽出の処理について説明する。
傾き検出部は、Bスキャン画像1枚分のデータがメモリ1030に記録されるのを待つ(S300)。Bスキャン画像が書き込まれたら(図6(A))、傾き検出部は、Bスキャン画像を高コントラスト化し(S301;図6(B))、2値化する(S302;図6(C))。このようにして得られた2値画像では、網膜のRPE層が強調されていることがわかる。次に、傾き検出部は、2値画像中のRPE層を検出し、直線近似を行うことで、RPE層の傾きを求める(S303;図6(D))。傾きはBスキャン画像8枚ごとに求めればよいので、傾き検出部は、Bスキャン画像7枚分のデータをスキップした後(S304)、S300からの処理を繰り返す。
画像読み出し部1040は、傾き検出部から傾き情報を取得し、その傾きに従ってメモリ1030からCスキャン画像を斜めに読み出す。図7(B)はCスキャン画像の読み出し方を示している。本実施例では、Aスキャン画像は1024ピクセルで構成されている。つまり1ライン目は0x0000から、2ライン目は0x0400から、3ライン目は0x0800から、それぞれ格納される。ここで、傾きをa、X軸方向の座標をxとした場合、N番目のCスキャン画像を読み出すとき、画像読み出し部1040は、各Aスキャン画像のN+a×x番目のピクセルを読み出してゆく。つまり、0x0000+N、0x
0400+N+a、0x0800+N+a×2、…というようにピクセルが読み出される。なお傾きaが整数値でなく実数値の場合には、a×xの値を整数値に丸め、読み出しアドレスを決定すればよい。
このように読み出されたCスキャン画像(層方向画像)は、圧縮部1050に送られる。それ以降の処理は、第1の実施例と同様である。
なお、本実施例では1枚のBスキャン画像からX軸に対する傾きを検出しているだけであるが、本発明はこの方法に制限されない。例えば、傾き検出部が複数のBスキャン画像からX軸とY軸の両方に対する傾きを検出し、その傾きに対応する3次元画像の任意の平面をCスキャン画像として読み出してもよい。また、本実施例ではRPE層を検出することで傾きを求めているが、画像特徴から傾きを求めても良いし、他のセンサなどからの情報を用いて傾きを求めても良い。
以上述べた本実施例の構成によれば、OCT装置の3次元画像での網膜断層像の傾きを検知し、その傾きに合わせてCスキャン画像を切り出すことにより、網膜画像が傾いて撮影された場合にも高い圧縮率を実現することができる。
109…1次元センサ、1030…メモリ、1040…画像読み出し部、1050…圧縮部

Claims (6)

  1. 層構造をもつ対象物を測定するための光干渉断層撮像装置であって、
    光源からの光を測定光と参照光に分割し、前記測定光を前記対象物に照射し、前記対象物からの戻り光と前記参照光との干渉光から前記対象物の深さ方向の測定データを取得する測定部と、
    前記測定光の照射位置を2次元的に移動しつつ前記測定部による測定を複数回行うことにより得られる複数の測定データから、前記対象物の深さ方向に平行な平面での断層像である深さ方向画像を複数生成し、前記複数の深さ方向画像で構成される3次元画像を記憶装置に蓄積する3次元画像生成部と、
    前記記憶装置に蓄積された3次元画像から、前記対象物の層に沿った平面での断層像に相当する層方向画像を複数生成する層方向画像生成部と、
    前記複数の層方向画像のそれぞれを圧縮符号化する圧縮部と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置。
  2. 前記対象物の深さ方向に平行な平面と、前記対象物の層に沿った平面とは、非平行であることを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮像装置。
  3. 前記3次元画像生成部は、前記複数の深さ方向画像の位置合わせを行う位置合わせ部を有し、
    前記3次元画像は、互いに位置合わせされた複数の深さ方向画像から生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光干渉断層撮像装置。
  4. 前記層方向画像生成部は、前記3次元画像から、前記対象物の深さ方向に垂直な平面での断層像を、層方向画像として読み出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  5. 前記層方向画像生成部は、1または複数の層方向画像から前記対象物の層の傾きを検出する傾き検出部を有し、前記3次元画像から、前記傾き検出部で検出した層の傾きに沿った平面での断層像を、層方向画像として読み出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  6. 層構造をもつ対象物を測定するための光干渉断層撮像装置におけるデータ圧縮方法であって、
    光源からの光を測定光と参照光に分割し、前記測定光を前記対象物に照射し、前記対象物からの戻り光と前記参照光との干渉光から前記対象物の深さ方向の測定データを取得する測定ステップと、
    前記測定光の照射位置を2次元的に移動しつつ前記測定ステップを複数回行うことにより得られる複数の測定データから、前記対象物の深さ方向に平行な平面での断層像である深さ方向画像を複数生成し、前記複数の深さ方向画像で構成される3次元画像を記憶装置に蓄積する3次元画像生成ステップと、
    前記記憶装置に蓄積された3次元画像から、前記対象物の層に沿った平面での断層像に相当する層方向画像を複数生成する層方向画像生成ステップと、
    前記複数の層方向画像のそれぞれを圧縮符号化する圧縮ステップと、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置におけるデータ圧縮方法。
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