JP2019010578A - 光干渉断層撮影装置及び光干渉断層撮影装置の制御方法 - Google Patents

光干渉断層撮影装置及び光干渉断層撮影装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検眼への測定光の走査範囲が広い場合、OCT装置内の光学部品により光路長や強度が走査位置によって異なる場合にも精度よく被検眼の断層画像を取得する。【解決手段】測定光が照射された被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、被検査物の所定の部分の断層画像を取得する光干渉断層撮影装置において、測定光の光路において被検査物に対して測定光を走査する走査光学系と、干渉光の強度に基づいて断層画像を生成する画像生成手段と、被検査物上の測定光の走査位置に応じた補正処理を断層画像に行う画像補正手段と、を配する。【選択図】図1

Description

本発明は、光干渉断層撮影装置、及びその制御方法に関する。
現在、光波の干渉を利用したOCT(Optical Coherence Tomography)による光干渉断層撮影装置(以下、OCT装置)が眼科分野で診断などにおいて広く利用されている。このOCT装置では、低コヒーレンス光源光を被検眼へ照射する測定光と、参照光とにそれぞれに分岐し、該測定光を被検眼へ照射している。その後、被検眼からえられる測定光の反射もしくは後方散乱光は、参照光と干渉し干渉光が得られる。この干渉光より、被検眼のある位置での断層信号を取得することが出来る。該測定光が被検眼上で走査されることで、被検眼の広い範囲から断層信号が取得出来る。得られた各断層信号を被検眼の測定位置と対応させることにより、断層画像を構成することが可能となる。
従って、このようなOCT装置では、被検眼の広範囲を撮影するために測定光の走査機構を有するのが一般的である。これらの走査機構としては、光路中に配置された光学部品に対して被検眼上を平面的に走査するスキャンミラーが広く採用されている。特許文献1では、この走査機構にガルバノミラーを採用した例が示されている。
スキャンミラー等を用いた走査機構では、光路中に配置されたレンズやダイクロイックミラーといった光学部品に対して該スキャンミラーの角度をかえて、測定光の走査を行う。この場合、走査する角度によって各光学部品への光線の入射角が異なってしまう。測定光等、光線の入射角が異なると、ダイクロイックミラーなど反射や透過で使用する光学部品の場合、光線の入射角によって反射や透過特性が異なる場合がある。また、レンズなど透過で使用する光学部品の場合、光線の入射角が異なると光学部品のもつ曲率や厚さによって光線の光路長が異なってしまう。
更に、複数の波長を使用したフーリエドメイン型のOCT装置の場合、走査位置によって波長ごとに光路長が異なる。ダイクロイックミラーやレンズといった光学部品では、光の波長による分散特性が異なり、位相シフト量が波長ごとに異なる。この分散特性の補正方法については、特許文献2に例示される手法が挙げられる。
特開2012−211797号公報 特開2011−214968号公報
上記のような構成を用いて被検眼上を光線で走査すると、光路中の光学部品により被検眼上の走査位置ごとに光線の強度や光路長が異なる。この光路長の差が大きいと、被検眼へのフォーカス位置が、走査位置ごとに変わり、断層画像のコントラストが低くなり、層検出精度が低下する可能性がある。即ち、被検眼上での測定光の走査位置に応じて断層画像のコントラスト等が低下する恐れがある。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであって、本発明は、走査位置によらず、所望のコントラスト等を有する断層画像が得られる光干渉断層撮影装置及び光干渉断層撮影装置の制御方法の提供を目的とする。
上記課題を鑑み、本発明の一態様による光干渉断層撮影装置は、測定光が照射された被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、前記被検査物の断層画像を取得する光干渉断層撮影装置であって、前記測定光の光路において、前記被検査物に対して前記測定光を走査する走査光学系と、前記干渉光の深さ方向の強度分布に基づいて前記断層画像を生成する画像生成手段と、前記走査光学系により走査される前記測定光の画角毎の位相シフト量を補正するための補正関数を記憶した記憶手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記断層画像を生成する際に前記補正関数を用いて、画角の違いによる前記測定光の波長毎の位相シフト量を補正した前記断層画像を生成する。
本発明によれば、被検眼上の走査位置によらず、精度のよい断層画像を取得することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るOCT装置の概略構成を示す図である。 図1に示す構成において、測定光の光路における光学要素の共役関係を示す図である。 被検眼上を測定光で走査している様子を例示する図である。 得られた断層画像の一例を示す図である。 補正関数を取得するフローを示す図である。
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明を通じて同一の参照番号は同一の構成を示している。
図1は本実施形態におけるOCT装置の構成図を示す。該OCT装置は、光学ヘッド180と分光器150とを有する。光学ヘッド180は、測定光を被検眼200上で測定光を走査するための機構と、該被検眼200からの戻り光と参照光とを干渉させるための機構を有する。分光器150は、光学ヘッド180より供される干渉光を断層画像として処理する機構を有する。光干渉断層撮影装置たるOCT装置は、測定光が光学ヘッド180から照射された被検眼200からの戻り光と、該測定光に対応する後述する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、該分光器150を介して被検眼200の所定の部分の断層画像を取得する。或いは光学ヘッド180と分光器150とは、協働して、測定光を被検眼200上でスキャンして、眼底上の所定の部分での深さ方向に対する干渉光の強度分布を得て該所定の部分の断層像を取得するための干渉光学系を構成する。
光学ヘッド180内には、各光学要素がその上に配される光路L50〜L55が配置される。前眼観察の光路L50には、被検眼の前眼観察のための光学要素が配置される。固視灯の光路L51には、被検眼を固視するための光学要素が配置される。光路L52には、光源から測定光と参照光との分岐部までの光学要素が配置される。測定光の光路L53には、被検眼へ測定光を照射するための光学要素が配置される。参照光の光路L54は干渉光を得るための参照光のための光路であり、干渉光の光路L55は干渉光を分光器150に導く光路を構成する。
前眼観察光路L50には、前眼観察用レンズレンズ160、前眼観察用フィルタ161、及び被検眼の前眼部を観察するためのCCD162が配置されている。この前眼観察用CCD162は不図示の照明用光源の波長、具体的には970nm付近に感度をもつ。該照明光源は、後述する測定光とは異なる波長帯の光を被検眼200に照射する。該照明光は、第1のダイクロイックミラー112を透過し、レンズ110を経て被検眼に至る。被検眼で反射された照明光は、同光路を逆に通り、CCD162上で観察像をつくる。これらダイクロイックミラーは、被検眼200に至る光或いは被検眼200より反射された光をその波長帯に応じてその光路の分離、或いは光の分割を行う光学部材として機能する。
被検眼を固視させるための光路L51は、固視灯用レンズ163、164を備え、固視灯フォーカス調整用レンズ169をもつ。
固視灯光は第2のダイクロイックミラー114によって反射され、第1のダイクロイックミラー112により反射され、被検眼200に到達する。
光源からの光路L53は、測定光路と参照光路へ光を分岐する光カプラ130を備える。光カプラ130にて測定光と参照光とに分岐された光は各々専用の光路L53及びL54を通った後、再び光カプラ130で合成され、光源光路L52と干渉光の光路L55とに再び分岐される。なお、このとき、合成された干渉光は光路L55を通ればよいので、光路L52にアイソレータなどを配置してもよいし、光カプラ130での分岐比を光路L52側が小さくなるように決めてもよい。また、光カプラ130までのそれぞれの光路は光ファイバで接続されているものとする。
光源132は、代表的な低コヒーレンス光源であるSLDを用いることができる。本実施形態で該光源132より射出される測定光の中心波長は855nm、波長幅は約100nmである。光源の種類や波長幅は、干渉光を取得する分光器150によって選択することができる。本実施形態では、断層信号の分解能を高くするため、上記のような光源を選択しているが、その他の光源或いは波長の光を用いることも可能である。
測定光の光路L53では、光路L52の光源132からの光がファイバ端126から伝播される。該光路L53上には、レンズ125、124、115、110、ミラー116、Xスキャナ120及びYスキャナ122が配置される。測定光フォーカス調整用レンズ124はフォーカス調整用のレンズであって、不図示のモータによって光軸L53上を双方向に駆動される。また、Xスキャナ120及びYスキャナ122は、各々不図示のモータ駆動によって操作される。ファイバ端126より射出された測定光は、これら光学要素を経た後、更に第二のダイクロイックミラー114を透過し、第一のダイクロイックミラー112により反射されて被検眼200に至る。
Xスキャナ120とYスキャナ122との間には、被検眼の前眼部などの所定の部位と共役な位置が存在するように光路L53上の光学要素は配置される。本実施形態では当該構成を充足して、被検眼200への測定光の入射角をXスキャナ120及びYスキャナ122で変化させている。本実施形態でのこれら共役位置の配置を図2に示す。Xスキャナ120とYスキャナ122との間の中心位置C40と、被検眼200における瞳位置C41とが共役の関係になっている。なお、これらスキャナは、本実施形態にて、測定光の光路において被検眼200に対して測定光を走査する走査光学系を構成する。また、Xスキャナ120は測定光を被検眼200上で第1の方向に操作する第1の走査光学系に、Yスキャナ122は該第1の走査方向に交差する第2の方向に測定光を走査する第2の走査光学系にそれぞれ対応する。更に、ここで述べるように、これら第1及び第2のスキャナの間である中心位置C40は、被検眼200上の所定の位置である断層画像取得位置と共役な位置として配置される。
また、測定光のファイバ端126は被検眼の眼底部C43と共役の関係になっている。測定光フォーカス調整用レンズ124は、ファイバ端126から出射された測定光が眼底C43で結像するように光軸L53上の位置が調整される。本実施形態において、フォーカス調整用レンズ124は、測定光のファイバ端126とXスキャナ120とYスキャナ122との間に配置されている。これにより、光路中で比較的大口径のレンズ115やファイバ端126を動かす必要がなくなり、被検眼200からの戻り光を効率よく光カプラ130へ伝えることができる。
また、本実施形態では、レンズ110とレンズ115は、各々の光軸が略垂直に交差するように配置されている。この構成により、Xスキャナ120とYスキャナ122との操作時に、第1のダイクロイックミラー112と、第2のダイクロイックミラー114との各々に入射する測定光の入射角度を同じにすることが可能である。
先にも述べたように、測定光は、第2のダイクロイックミラー114を透過し、第1のダイクロイックミラー112で反射され、被検眼200に至る。被検眼200で反射された測定光は、同光路を逆に通り、光ファイバのファイバ端126へ戻る。
参照光の光路L54には、レンズ143と参照ミラー146とが配置される。
光路L53を通った被検眼200からの戻り光と光路L54を通った参照ミラー146からの戻り光とが、光カプラ130で合成される。この時、光路L53と光路L54の各光路長がほぼ同一となったときに干渉が生じる。
この干渉光が、レンズ152を通して略平行光となり、更に回折格子153により分光される。分光された光は、レンズ154によってラインセンサ155で結像される。ラインセンサ155で得られる信号が信号処理部156によって処理され、当該信号に基づいて被検眼の断層画像が得られる。当該信号処理部156及び該信号処理部156で得た信号に基づいて断層画像を生成する構成は、本実施形態において干渉光の強度に基づいて断層画像を生成する画像生成手段に対応する。
図3(a)は、被検眼200の瞳を介して眼底に測定光を照射し、該眼底上で測定光をスキャンしている様子を示す。被検眼200の正面図210である図3(b)示される瞳に対して垂直な同図中のZ方向から測定光が照射された状態と、図3(a)中のY方向に対して角度θずれた方向から測定光204が瞳に入射している状態とを同図では示している。入射した測定光204は被検眼200の眼底上(共役となるC43)の網膜や脈絡膜で散乱し、光路L53を測定光とは逆に進む戻り光となる。眼底においては、眼底表面図220に示すように血管や中心窩によって散乱光の強度は異なる。
被検眼200の眼底におけるY方向のある位置で得られるラインセンサ155上の深さ方向の輝度分布を、信号処理部156にてFFT(高速フーリエ変換)する。FFTにより得られた線状の輝度分布を、更に信号処理部156にてマッピングしたものが眼底上のその位置でのAスキャン画像となる。このようにして得られるAスキャン画像を例えばY方向において複数点取得し、これらを連続的に配置することで図4に示す断層画像230が構築される。
スキャンは、所望する被検眼の範囲のBスキャン断層画像が取れればよい。また、Bスキャン画像は、直線的にX、Yの各方向に測定光をスキャンして取得する方法だけとは限らない。たとえば、所望する被検眼の範囲を、中心からの距離と回転角で表し円形にスキャンしてもよい。
信号処理部156には、あらかじめ取得した位置補正関数が記録されている。以下、位置補正関数の取得方法について述べる。
干渉信号の強度は既知の以下の式で定義される。
ここで、式中のIrefは光路L54の参照光強度、Iobjは光路L53の測定光強度を示す。それぞれ、光路L54を通った参照ミラー146からの戻り光、光路L53を通った被検眼200からの戻り光の強度である。IrefとIobjは、例えば参照光路L54及び測定光路L53に各々シャッターを配置し、これにより片方の光路を遮断し、もう一方の光路を通った光の強度を干渉光強度と同様にラインセンサ155で取得することで得ることが可能である。各光路の単独の光強度同士での差分を取った式を以下に定義する。
ここで、式中kは波数(k=2π/λ)を示し、zr_angは図1における被検眼のz座標を示し、φ_angは光路L53、L54中に配置されたダイクロイックミラーの位相特性による波数ごとの位相シフト量を示す。zr_angとφ_angはXスキャナ120及びYスキャナ122の走査位置によって値は異なる。
(2)式で示した干渉に寄与するコサインの位相項について、Xスキャナ120及びYスキャナ122のある走査位置、つまり図2の画角θがついて被検眼200に入射した場合と、画角θ=0の場合の位相項を以下に定義する。

本発明で、補正するのは、φ(k)、zr_ang、φ_ang(k)に関わる項である。zとφ(k)は画角中心でのZ座標と位相シフト量であり、zr_ang、とφ_ang(k)は、画角θの時のZ座標と位相シフト量である。
なお、以上の測定光及び参照光の強度情報を得る上で、参照光の光路に配置されて一時的に参照光を遮る参照光シャッターと、干渉光の強度を得る受光手段とを用いて参照光の強度分布を得ることが好ましい。また、同時に、測定光の光路に配置されて測定光を遮る測定光シャッターと受光手段とを用いて測定光の強度分布を得ることが好ましい。これら複数のシャッター及び受光手段たるラインセンサ155は、信号処理を行う情報処理部156を含めて、本実施形態に配される強度取得手段として機能する。
ここで、以上に述べた補正関数を取得する方法について述べる。該補正関数を取得するために、被検眼200の眼底C43に対応する位置に折り返しミラーを配置する。このミラーの位相特性は既知のものとする。なお、該折り返しミラーの位置は被検眼200の前眼部を測定する目的であれば、前眼部に配置してもよい。この折り返しミラーは光路L53へ再び反射光が戻るようにスキャン位置ごとにミラーの傾きを変えられるようにしてもよいし、スキャン位置ごとに反射光が戻るような曲率をもつミラーを配置することとしてもよい。或いは、眼底の形状に近似した曲率上を、光路L53へ光が戻るように折り返しミラーの角度を変えながら走査してもよい。
上記で示した折り返しミラーを使用して補正関数を取得するフローを図5に示す。
まず、ステップS501にて、画角θ=0の画角中心での干渉信号をラインセンサ155で取得する。情報処理部156では、ステップS502にて干渉信号を波長に対する強度分布を波数に対する強度分布に変換する。この強度分布に対して、上で述べた方法を用いて取得し、波数に対する強度分布に変換した参照光強度と測定光強度をそれぞれ差分し、ステップS503のFFTを行う。この参照光強度と測定光強度との差分の算出は、情報処理部156において、前述した強度取得手段により得た参照光の強度と測定光の強度との差分を算出する差分算出手段として機能するモジュール領域により実行される。
ステップS504では、FFTした信号に対して、HPF(ハイパスフィルター)を通し、FFTの正成分のみを取得する。以上の工程により、画角中心の干渉信号の正成分が得られる。
上記の処理をした画角中心の干渉信号の正成分に対して、以下に詳述する2つのフローに準じてそれぞれ処理する。なお、前述した正成分の取得までの工程は同一であることから以下での説明は省略する。
図5(a)示したフローは、(3)式による干渉信号の位相項を取り出す手順を示す。図5(b)に示したフローは、(3)式のZ座標による位相項を算出するための手順を示す。
干渉信号の位相項取り出しのフローでは、ステップS501〜ステップS504で先に取得した干渉信号の正成分に対して、ステップS505で逆FFTを行う。続いて、得られた干渉信号の偏角成分を取り出し、ステップS506にて位相アンラッピングし、ステップS507にて連続関数として干渉信号の位相項を取得する。以上の工程は情報処理部156にて位相項取得手段として機能するモジュール領域により実行される。
図5(a)で示すフローで求められる位相項取得手順を、各画角θで取得された干渉光についても同様に行う。これにより、各画角θでの干渉光の位相項がそれぞれ取得される。
図5(b)に示した位相再構築を行うフローでは、ステップS501〜ステップS504で先に取得した干渉信号の正成分に対して、まずステップS515にてこれを絶対値に変換する。続くステップS516では、該絶対値より得られた信号のピーク周波数を検出する。得られる信号はピーク周波数付近に広がりのある関数をもつため、装置の信号処理に応じて特定の周波数と強度を求める。ステップS517では、ステップS516で得られた特定の周波数fから(4)式を用いて(3)式のz座標による位相成分y(k)を算出する。Nはラインセンサ155の画素数である。なお、この位相成分の算出は、情報処理部156において干渉信号の特定の周波数を取得して位相成分を算出する位相成分算出手段として機能するモジュール領域により実行される。
以上、2つのフローから得られた各位相項について、各画角θの位相項と位相再構築のために得られた位相項についてそれぞれ差分を取り、これが補正関数となる。この位相項から特定周波数の位相成分を差分する差分処理は、本実施形態では情報処理部156において位相成分差分手段として機能するモジュール領域により実行される。該、差分処理について(6)、(7)式に示す。
また、同時に得られる特定周波数の強度を画角=0を基準とした比として補正関数と同時に記録し、断層画像構築の際、干渉波形強度の補正として用いることもできる。
以上により得られた補正関数は情報処理部156に記憶され、被検眼200の断層画像を構築する際に使用される。の走査位置に応じた光路長補正の位相補正関数の記憶は、が、該情報処理部156等に配置されて記憶手段として機能するモジュール領域により実行される。
ここで、測定光を照射して断層画像を得る場合、前述したように眼底の形状により測定光の入射角に依存して眼底までの測定光の光路長が異なり、参照光路との位相差が発生してしまう。この位相差は本来取得したい被検眼眼底での各種層の界面にて生じる光路長上の位相差と重なってしまい、干渉信号から単純にこの位相差を区別することはできない。しかしながら、以上の補正関数を用いることにより、この入射角依存の位相差を除き、眼底下の各層からの情報を得ることが可能となる。
得られた補正関数に基づき、提示される位相シフト量を差し引くことにより、干渉光の強度情報を眼底下の各種界面による位相差によって処理することが可能となる。従って、測定光を照射した所定の位置、或いは走査位置での深さ方向の強度情報に基づいた断層画像を得ることが出来る。なお、この被検眼200上の測定光の走査位置に応じた補正処理を断層画像に行って新たに断層画像を構築する工程は、情報処理部156等に配される画像補正手段として機能するモジュール領域により実行される。即ち、画像補正手段は、被検査物上、即ち被検眼上の測定光の走査位置に応じた補正処理を断層画像に対して実行する。この画像補正手段は、前述した記憶手段に記憶された位相補正関数と用いて該干渉光の強度に対する補正処理を行い、断層画像を再構築する。或いは、該モジュール領域は、眼底上を測定光でスキャンをする際の該眼底上の位置によって干渉光から得られる信号の強度を補正する手段としても機能する。
また、該補正に関するこの断層画像への適用方法については以下に述べる方法を用いることも可能である。
即ち、補正関数取得フローに関して、図5(a)における干渉光の位相項算出方法から被検眼200の干渉光の位相項を取得し、これより補正関数との差分を取り、干渉信号を再構築する方法でもよい。
また、干渉光に乗算する方法でもよい。ラインセンサ155で取得された被検眼200の干渉光を、波数変換後、複素数変換し、補正関数を乗算する。この演算処理結果のうち式(2)で示した干渉光の成分を(8)、(9)式に示す。
上記(8)、(9)式で示した乗算の第2項は、干渉光をFFTした際の正像を補正する関数を示しており、補正関数の符号を逆にして乗算することで、負像を補正することができる。
以上述べた操作を被検眼200に対してX、Yスキャナの走査で得られるAスキャン断層信号にそれぞれ実施する。これにより、例えば被検眼眼底上を測定光が走査することによる光路長の違いが発生する場合でも、走査位置によらず、所望のコントラスト等を有するAスキャン断層画像が得られる。また、補正することにより得られたAスキャン画像を合成することにより、被眼底の形状等に依存することなく、好適なBスキャン断層画像が得られる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以上に述べた処理或いは制御方法を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理についても本発明の一形態を構成する。
更に、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。例えば、上記の実施形態では、被測定物が眼、特に眼底の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被測定物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置としての光干渉断層装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置の一態様として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
200:被検眼
180:光学ヘッド
150:分光器
160:前眼観察用レンズ
161:前眼観察用フィルタ
162:前眼観察用CCD
169:固視灯フォーカス調整用レンズ
180:固視灯用光源
163、164:固視灯用レンズ
112:第1のダイクロイックミラー
114:第2のダイクロイックミラー
130:光カプラ
132:光源
126、142、151:光ファイバ端
110:対物レンズ
125、115:測定光路のレンズ
116:測定光路のミラー
124:測定光フォーカス調整用レンズ
120、122:測定光のXYスキャナ
143:参照光のレンズ
146:参照ミラー
153:回折格子
154:分光用レンズ
155:ラインセンサ
156:信号処理部
L50:前眼観察の光路
L51:固視灯の光路
L52:測定光と参照光の分岐部までの光路
L53:測定光の光路
L54:参照光の光路
L55:干渉光の光路
C40:測定光のXYスキャナの中心位置
C41:被検眼の瞳位置
C43:被検眼の眼底部
上記課題を鑑み、本発明の一態様による光干渉断層撮影装置は、
測定光が照射された被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、前記被検査物の断層画像を取得する光干渉断層撮影装置であって、
前記測定光の光路において、前記被検査物に対して前記測定光を走査する走査光学系と、
前記干渉光の深さ方向の強度分布に基づいて前記断層画像を生成する画像生成手段と、
前記走査光学系によ前記測定光の画角の違いによる前記測定光の波数毎の位相シフト量を補正するための補正関数を記憶した記憶手段と、を備え、
前記画像生成手段は、前記断層画像を生成する際に前記補正関数を用いて、画角の違いによる前記測定光の波毎の位相シフト量を補正した前記断層画像を生成する。

Claims (3)

  1. 測定光が照射された被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、前記被検査物の断層画像を取得する光干渉断層撮影装置であって、
    前記測定光の光路において、前記被検査物に対して前記測定光を走査する走査光学系と、
    前記干渉光の深さ方向の強度分布に基づいて前記断層画像を生成する画像生成手段と、
    前記走査光学系により走査される前記測定光の画角毎の位相シフト量を補正するための補正関数を記憶した記憶手段と、を備え、
    前記画像生成手段は、前記断層画像を生成する際に前記補正関数を用いて、画角の違いによる前記測定光の波長毎の位相シフト量を補正した前記断層画像を生成することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  2. 測定光が照射された被検査物からの戻り光と、該測定光に対応する参照光とを合成した干渉光の強度に基づいて、前記被検査物の断層画像を取得する光干渉断層撮影装置の制御方法であって、
    前記測定光の光路において、前記被検査物に対して前記測定光を走査する工程と、
    前記干渉光の深さ方向の強度分布に基づいて前記断層画像を生成する画像生成工程と、を含み、
    前記画像生成工程において、前記断層画像を生成する際に、あらかじめ記憶手段に記憶された前記走査される測定光の画角毎の位相シフト量を補正するための補正関数を用いて、画角の違いによる前記測定光の波長毎の位相シフト量を補正した前記断層画像を生成することを特徴とする光干渉断層撮影装置の制御方法。
  3. 請求項2に記載の光干渉断層撮影装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
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