JP5489539B2 - 撮像装置、撮像装置の制御方法、octによる断層画像の形成方法 - Google Patents

撮像装置、撮像装置の制御方法、octによる断層画像の形成方法 Download PDF

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本発明は、OCTによる断層画像の形成方法に関し、特に眼科診療等に用いられる撮像装置、撮像装置の制御方法、OCTによる断層画像の形成方法に関するものである。
光干渉断層撮像装置(Optical Coherence Tomography:以下OCTと記す。)は、被検査物を眼とした場合に、被検眼の眼底における網膜の断層画像を高い解像度で撮像することができる。
特に、黄斑や視神経乳頭を観察することで、緑内障などの診断に有用である。
断層画像は、網膜のXYZ座標における深さ方向(Z方向)のスキャン(Aスキャン)を、X方向に複数回行うことで得られる。
また、BスキャンをY方向に複数枚撮影し、網膜の3次元画像を取得することもできる。
OCTの一つに、深さ方向の断層画像情報を一括で取得するフーリエドメインOCT(以下、FD−OCTと記す。)がある。
このようなFD−OCTにおいて、特許文献1では、OCTの断層画像を高い横分解能(X方向やY方向の分解能)にして、深さ方向(Z方向)に対して焦点位置(測定対象における照射位置)を移動して複数回撮像することが開示されている。
特開2007−101250号公報
ところで、人の目は固視した状態でも、ランダムに動いてしまい(固視微動)、完全に静止した状態を保つことは困難である。
眼底用のOCT装置は、この固視微動によって、断層画像どうしの位置がずれてしまうという課題を解決するために、高速に撮像することが望まれる。
しかしながら、上記従来例における特許文献1のものでは、OCTの断層画像を高い横分解能(X方向やY方向の分解能)により、高解像度で撮像することができるが、高速に撮像することが困難である。
すなわち、横分解能は高くするため、ビームの径を大きくすると、焦点のサイズ(照射位置におけるスポット径(スポットサイズ))は小さくなる。
また、このようにビームの径を大きくすると、焦点深度(深さ方向の撮像範囲)も狭くなる。
このように、焦点深度が狭くなるため、深さ方向を複数回に分けて撮像することが必要となり、深さ方向に対して一括でスキャンする従来のFD−OCT装置に比べて、同じ範囲の画像を撮像する時間が長くなってしまう。
また、上記したようにスポットサイズが小さくなるため、スキャンピッチが狭くなり、X方向とY方向に撮像する回数も増えるため、やはり、従来のFD−OCT装置に比べて、同じ範囲の画像を撮像する撮像時間は長くなる。
具体的には、Aスキャン1回の時間が同一である場合、横分解能を2倍(スポットサイズを2分の1)にすると、焦点深度は2分の1になり、X方向とY方向の撮像面積は4分の1になる。
このため、深さ方向の撮像時間は2倍、X方向とY方向の撮像時間は4倍になる。
そのため、3次元の断層画像を取得する場合、撮像時間は従来に比べて8倍になる。
一方、従来のFD−OCT装置のように、深さ方向に対して一括でスキャンするものでは、特許文献1のものに比べて、同じ範囲の画像を撮像する撮像時間を短くすることができるが、高解像度で撮像することができない。
本発明は、上記課題に鑑み、被検査物の撮像に際し、高解像度で撮像することが必要な部分だけ他の部分よりも分解能を上げることによって、撮像時間の短縮化を図り、効率的な断層画像の取得が可能となる撮像装置、撮像装置の制御方法、OCTによる断層画像の形成方法の提供を目的とする。
本発明は、つぎのように構成した撮像装置、撮像装置の制御方法、OCTによる断層画像の形成方法を提供するものである。
本発明の撮像装置は、走査手段を介して測定光を照射した被検査物からの戻り光に基づいて、該被検査物を撮像する撮像装置であって、
前記被検査物における前記測定光のスポット径の大きさを変更する径変更手段と、
前記走査手段により前記測定光を、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域で走査する場合には、該撮像領域の他の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物における前記測定光のスポット径を小さくするように、前記径変更手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の撮像装置の制御方法は、走査手段を介して測定光を照射した被検査物からの戻り光に基づいて、該被検査物を撮像する撮像装置の制御方法であって、
前記走査手段により前記測定光を、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域で走査する場合には、該撮像領域の他の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物における前記測定光のスポット径を小さくするように、前記被検査物における前記測定光のスポット径の大きさを変更する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の断層画像の形成方法は、光源からの光を被検査物に照射し、前記被検査物からの反射または散乱した戻り光と参照光との合成による干渉光を用い、前記被検査物の断層画像を形成するOCTによる断層画像の形成方法であって、
前記被検査物に対する撮像に際し、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域における高解像度で撮像することが必要な領域に対して、その必要性に応じて該撮像領域における他の領域よりも高い解像度で撮像する工程を有し、
前記高解像度で撮像することが必要な領域を撮像するときには、前記光源からの光によるビームのスポット径を前記他の領域を撮像するときよりも小さいスポット径に設定し、深さ方向に対して、前記他の領域を撮像するときよりも多い撮像回数で撮像することを特徴とする。
本発明によれば、被検査物の撮像に際し、高解像度で撮像することが必要な部分だけ他の部分よりも分解能を上げることによって、撮像時間の短縮化を図り、効率的な断層画像の取得が可能となる撮像装置、撮像装置の制御方法、OCTによる断層画像の形成方法を実現することができる。
本発明の実施例1におけるスキャン方法を説明するための模式図である。 本発明の実施例1におけるOCT装置の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施例1におけるスキャン方法を説明するための模式図である。 本発明の実施例1におけるスキャン方法を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例2におけるスキャン機構を説明するための模式図である。 本発明の実施例3におけるスキャン方法を説明するための模式図である。 本発明の実施例3におけるスキャン時の制御の流れを示したフローチャートである。
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
[実施例1]
図1を用いて、本発明を適用した実施例1におけるFD−OCTによる画像形成方法について説明する。
図1(a)は、本実施例における同心円状にスキャンして画像を形成する方法の概念を説明する図である。
本実施例の画像形成方法では、光源からの光を被検査物に照射し、前記被検査物からの反射または散乱した戻り光と参照光との合成による干渉光を用い、前記被検査物の断層画像を形成するOCTによる断層画像の形成方法において、つぎのようにスキャンを行う。
前記光源からの光によるビームを走査光学系により走査するに際し、該ビームを同心円状にスキャンし、該同心円の外側と内側とで該ビームによるスポット径を変えてスキャンピッチを切替えるようにされている。
具体的には、図1(a)の1−1に示される領域である外側では粗いピッチ(大きいスポット径)でスキャンし、1−2に示される領域である内側では細かいピッチ(小さいスポット径)でスキャンする。
そして、中心と外側で撮像する層の数を変えることで、中心部の分解能を上げるように構成される。
例えば、図1(a)に示されるエリア1では1層分をスキャンし、エリア2では2層分をスキャンし、エリア3では4層分をスキャンする。
このように、同心円状にスキャンを行うことで、画面中央部は低速であるが高解像度で、画面周辺部は高速であるが低解像度に撮影するように構成される。
一般的に、撮影したい部分が画像の中心部分であることが多い。これは眼底の視細胞の構造が、中央部ほど微細な構造になっていることとも合致している。
そこで、画像の中央部についてのみ高解像度で撮像したいという要求があり、本実施例の同心円状にスキャンして画像を形成する方法では、このような要求に応えることができる。
このように、同心円状にスキャンすることは、解像度の切替え機構を効率的に動作させるために有効である。
同心円状にスキャンする場合、中心部から外周部、もしくは外周部から中心部という順にスキャンを行っていく。
これは解像度の切替え機構からみると、高解像度から低解像度、もしくは低解像度から高解像度に順に切替えることに対応する。
解像度を変えるために焦点の径(ビームによるスポット径)や焦点位置を変更することは、細かな制御が必要となり時間がかかる処理である。
そのため、解像度を変える頻度は少ないことが望ましい。
本実施例における同心円状にスキャンして画像を形成する方法によれば、解像度の変更回数を抑えることができるため、望ましい手法である。
つぎに、本実施例の画像形成方法に用いられるOCTについて説明する。
FD−OCTは、SD(スペクトルドメイン)OCT、SS(スイプトソース)OCTに大別できる。
最初に、SD−OCTの全体の構成を大まかに説明する。
図2に、SD−OCTの概念図を示す。
100はSD−OCTであり、光源101から出射した光がビームスプリッタ102によって、参照光112と測定光111とに分割される。
測定光111は、観察対象である眼105によって反射や散乱により戻り光113となって戻された後、ビームスプリッタ102によって、参照光112と合波され干渉光114となる。
干渉光114は回折格子107により分光され、レンズ108により1次元センサ109上に結像される。
1次元センサ109の各出力を、1次元センサ内の位置、つまり干渉光の波数でフーリエ変換110することにより、眼105の断層像を得ることができる。
つぎに、光源101の周辺について説明する。
光源101は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。
波長は830nm、バンド幅50nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメーターである。
また、光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。
また、波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適する。
さらに波長は、得られる断層像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましく、ここでは830nmとする。
観察対象の測定部位によっては、他の波長を選んでももちろん良い。
つぎに、参照光112の光路について説明する。
ビームスプリッタ102によって分割された参照光112は、ミラー106により反射され、ビームスプリッタ102に戻る。
この光路長は測定光111と同じ長さにすることにより、参照光と測定光を干渉させることができる。
つぎに、測定光111の光路について説明する。
ビームスプリッタ102によって分割された測定光111は、XYスキャナ103のミラーに入射される。
ここでは、簡単のため、XYスキャナ103は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャン用ミラーとYスキャン用ミラーとの2枚のミラーが近接して配置され、眼105の網膜上を光軸に垂直な方向にラスタースキャンするものである。
また、測定光111の中心はXYスキャナ103のミラーの回転中心と一致するように調整されている。
測定光111は、可変エクスパンダ116、レンズ115、104により網膜上に測定光111を集光する。これらの光学系により、測定光111は眼105に入射すると、眼105の網膜からの反射や散乱により戻り光113となる。
可変エクスパンダ116は、開口数(NA)を変えることで、焦点の径を変更する。
レンズ115は、前後に動くことで焦点位置を変更する。可変エクスパンダ116とレンズ115を連動して調整することで、スキャンの解像度を変えることができる。
また、通常OCTは撮像位置をモニタするために、図示しないが、走査型レーザー検眼鏡(SLO)または、眼底像を2次元で撮像する光学系を持っている。
また、撮影の中心は、通常固視灯と呼ばれる輝点を光軸上に置き、被験者に固視灯を凝視させることにより、視野の中心である黄斑を光軸上に置くことが出来、黄斑を中心にスキャンすることが出来る。
つぎに、分光系について説明する。
前記の様に干渉光114は回折格子107により分光されるが、この分光は光源の中心波長、バンド幅と同じ波長条件で分光を行う。
また、干渉光を測定する1次元センサ109は一般的にCCD型とCMOS型があるが、どちらを用いても同様の結果が得られる。
以上のOCT装置において、XYスキャナ103を動かさずに測定を行うと、フーリエ変換の出力からは、Aスキャンが得られる。
ここで、Aスキャン終了ごとに、スキャナを円周方向に解像度分動かすことを続けると、Bスキャンを得ることができる。
またBスキャン終了ごとにBスキャンの半径を解像度分広げてスキャンを行うと網膜の3次元像を得ることができる。
スキャナが同心円の内周部をスキャンしているときは、可変エクスパンダ116を調整して焦点の径を小さくする。
そして、レンズ115の位置を変えることで撮像する深さを変えて、N回同じ同心円をスキャンする(Nはシステムに依存した定数。本実施例では4とする)。ここで深さとは、XYスキャナにおけるXYZ座標のZ方向を意味し、これは眼105の奥行き方向に相当する。
また、Aスキャンごとの焦点位置の移動距離は焦点の径に応じた量なので、焦点のスキャン速度(線速度)は外周に比べて遅くなる。
スキャナが外周部をスキャンしているときは、可変エクスパンダ116を調整して焦点の径を大きくする。
本実施例では最外周部では深さ方向の分割は行わないので、同じ同心円は1回しかスキャンしない(これは本発明を制限するものではなく、中心部より深さ方向の分割数が異なっていればよい)。
また、Aスキャンごとの焦点位置の移動距離は焦点の径に応じた量なので、焦点のスキャン速度(線速度)は内周に比べて速くなる。
以上のようなスキャンの様子を、図3を用いて説明する。
図3(a)のエリア3に示される同心円の中心部では最も密にスキャンを行う。具体的には、エリア3において同じ円を複数回スキャンし、複数の層に分けてスキャンする。この例では、4層に分けてスキャンする。
図3(b)のエリア2に示される中間部では層を減らしてスキャンを行う。
図3(c)のエリア1に示される周辺部では疎にスキャンを行う。
この例では層に分けずにスキャンする。
このようにすることで、高解像度で撮像することが必要な部分に対して、その必要性に応じて他の部分よりも高い解像度で撮像することが可能となる。
なお、ここでの例では、内周部においては撮像の深さ方向を4つに分割して高解像度で撮像しており、外周部においては撮像の深さ方向を分割せず低解像度で撮像される。また、本実施例では、同じ同心円上で撮影する深さを変えて複数回撮影している。
しかしながら、本発明はこのような例の構成に制限されるものではない。
深さ方向に複数の層に分かれていれば問題なく、深さ方向の層ごとに、別の軌道でスキャンしても本発明を適用することができる。
同様に本実施例では同じ深さで一つの同心円状にスキャンしてから深さを変えて同じ同心円をスキャンしているが、この深さ方向の複数層の撮影順序も本発明を制限するものではない。
撮影する深さを変えて複数回撮影してから、同心円上にスキャンしていっても、本発明を適用することができる。
つぎに、スキャンの際に焦点位置が移動する量を、図1(b)を使用して説明する。
なお、本実施例の撮像位置は極座標(θ,R)で表し、焦点の半径をγで表している。
Aスキャンごとにスキャン位置は同心円上を移動する。そこで図1(b)のようにAの位置からBの位置に移動する。これは極座標では、θを移動角Δだけ増加させることに相当する。
移動角Δは、図1(b)より、次の式1で求めることができる。
Figure 0005489539
Bスキャン(円周上をAスキャンが1周するスキャン)ごとに、スキャン位置はひとつ外側の同心円に移動する(多層にBスキャンする場合は全ての層についてBスキャンしてから移動する)。
これは極座標では、Rを2γだけ増加させることに相当する。
つぎに、図4に示すフローチャートを用いて、以上のような本実施例におけるスキャン方法について説明する。
まず、最初に分解能δ、スキャンの開始位置(θ,R)を設定する(S100)。
次に、分解能δにあわせて、縦分割数N、焦点の半径γ、焦点位置の初期値を設定する(S101)。
縦分割数Nは撮影したい深さ÷分解能δで撮影できる範囲の大きさ、焦点の半径γはδ/2である。
次に、極座標(θ,R)にてAスキャンを実行する(S102)。
次に、スキャン位置を円周上で移動させるため、θを更新する(S103)。
これは図1(b)で位置Aから位置Bに焦点位置を移動することに相当する。先に示した式1より求めたΔをθに加える。
次に、円周上を1周するまでAスキャンと円周上での移動を繰り返し、Bスキャンを行う(S104)。
スキャンが完了したかを判定し(S105)、そこでスキャンが完了していたらスキャンを終了する。
これに対して、完了していなければ、同じ同心円で深さを変えてスキャンをするかどうかを判定する(S106)。
もし既に全部の層をスキャンしていなかったら(同じ同心円をN回スキャンしていなかったら)、焦点位置を更新し(S107)、撮像する深さを変更して次のBスキャンを行う。
既に全部の層をスキャンしていたら(同じ同心円をN回スキャンしていたら)、分解能δを更新するかどうか判断し(S108)、必要があれば分解能δを更新する(S109)。
これは図1で、4層、2層、1層にスキャンを切り替えている境界で分解能を変化させていることに相当している。
次に、スキャン位置を直径方向に移動させるためRを更新し(S110)、次の同心円でのスキャンを続行する。
これは図1(b)で位置Aから位置Cに焦点位置を移動してスキャンを続けることに相当する。
本実施例では、深さ方向をN個に等分割して撮像したが、これは本発明を制限するものではない。
不均等に分割しても、本発明を適用することは可能である。
以上の手順により、画像中心部は焦点の径を絞りスキャン密度を密にすると共に、深さ方向を多数の層に分割することで高い解像度でスキャンを行う。
一方、画像周辺部は焦点の径を広げスキャン密度を疎にすると共に深さ方向に少数の層を分割することで、高速にスキャンを行うことができる。
その結果、中心部だけを高解像度で撮像することができ、撮像時間を短縮することが可能となる。
また、上記した手順による断層画像の形成方法の実現プログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶させ、コンピュータによって実現させるようにしてもよい。
[実施例2]
図5を用いて、実施例2における同心円状の走査を行うように構成されたスキャナ機構について説明する。
図5(a)に示されるように、本実施例のスキャン光学系200は、モータ201、ミラー202、ハーフミラー203からなり、このスキャン光学系200以外のOCT装置としての構成は、実施例1と同じである。
本実施例のスキャン光学系200は、図1に示される実施例1のXYスキャナ103に代えて、同心円状にスキャンを行うように構成されている。
このスキャン光学系200は、測定光111を同心円状にスキャンし、可変エクスパンダ116に送る。
スキャン光学系200におけるミラー202は、図5(b)に示されるようにモータ201の回転軸上に配置される。
ここで、モータ201は、ミラー202を回転させる。モータ201によりミラーが回転することにより、同心円状にスキャンを行うことができる。
このミラー202は、取り付け角度を変えることができる。このように取り付け角度を変えることで、同心円状にスキャンする際の同心円の半径を変化させることができる。
このような、本実施例のスキャン光学系200を用いることにより、スキャナの制御を簡単に行うことができる。
実施例1のXYスキャナ103は、円周上をスキャンするために、X=R・sinθ, Y=R・cosθになるように制御する必要があった。
これに対して、本実施例のようにスキャン光学系200を用いることで、実施例1のようにXYスキャナ103を制御することを簡略化することができる。
スキャン光学系200での同心円中心からの距離と、ミラー202の傾き、ミラー202の回転速度との関係を図5(c)に示す。
図5(c)からわかるように、これらは測定する層の数が変わる点で屈曲しているものの、その間の区間は同心円中心からの距離と比例する。
測定する深さを変えて同じ同心円上をスキャンするため、時間軸で見ると単純な比例関係にはならないものの、XYスキャナ103を使った制御と比較して制御を単純化できることは明らかである。
[実施例3]
実施例3は、ラスタスキャン中に解像度を変化させることで、注目している部分のみ高解像度で撮像することのできるOCTによる画像形成方法について説明する。
本実施例のOCTの構成は実施例1と同様であるから、OCTの構成についての説明は省略する。
本実施例と実施例1とは、実施例1では同心円状にスキャンを行うことに対し、本実施例ではラスタスキャンを行う点が異なる。
ラスタスキャン中に解像度を変えることで、高速高解像度で撮像する。
図6を用いて、本実施例のスキャン方法の概略を説明する。
高解像度で撮影したい部分と重なっているラスタについては、焦点の径を絞り、撮影する深さの範囲を多層に分けて複数回撮像し、密なスキャンを行う。それ以外の部分では焦点の径を広げ、撮影する深さを広げて少ない撮像回数で撮影し、疎なスキャンを行う。
このようなスキャンは、任意の部分について高解像度で画像を撮像したい場合に有効である。
例えば,図6に示したような画面上の任意の撮像部分Aまたは撮像部分Bについて、高密度で複数層をラスタスキャンする。これにより、高解像度で撮像しつつ、撮像速度の向上を図ることができる。
図7のフローチャートを用いて、以上のような本実施例のスキャンを行うための手順について説明する。
まず、最初に分解能δ、スキャン中のラインYの初期値を設定する(S200)。
つぎに、分解能δにあわせて、縦分割数N、焦点の半径γを設定する(S201)。
縦分割数Nは撮影したい深さ÷分解能δで撮影できる範囲の大きさ、焦点の径はδ/2である。
次に、設定された焦点の径γと焦点位置で、Y番目のラインのBスキャンを行う(S202)。
次に、縦分割数N回、焦点位置を変えてBスキャンを行う(S203,S204)。つまりY番目のラインについて全層スキャンする。
次に、スキャンするラインにおいて、分解能δを更新するかどうかを調べる(S205)。
これは次にスキャンするラインが図6における「高解像度で撮影したい部分」にかかっているかどうかで判断する。必要であれば分解能δを更新する(S206)。
スキャン中のラインYが最後のラインではなければ、Yを分解能γだけ進めてスキャンを続行する(S207,S208)。
以上の構成により、任意の部分を高解像度で撮像しつつ、高速に撮像することができる。
1−1:粗いピッチ(大きいスポット径)でスキャンする外側の領域
1−2:細かいピッチ(小さいスポット径)でスキャンする内側の領域
エリア1:1層分をスキャンするエリア
エリア2:2層分をスキャンするエリア
エリア3:4層分をスキャンするエリア

Claims (22)

  1. 走査手段を介して測定光を照射した被検査物からの戻り光に基づいて、該被検査物を撮像する撮像装置であって、
    前記被検査物における前記測定光のスポット径の大きさを変更する径変更手段と、
    前記走査手段により前記測定光を、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域で走査する場合には、該撮像領域の他の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物における前記測定光のスポット径を小さくするように、前記径変更手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記被検査物の深さ方向に前記測定光の焦点位置を変更する焦点位置変更手段を有し、
    前記走査手段により前記測定光を前記一部の領域で走査する場合には、前記被検査物を異なる焦点位置で複数回撮像することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御手段が、前記走査手段により前記測定光を前記他の領域で走査する場合には、前記一部の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物を撮像する回数を少なくするように、前記焦点位置変更手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記走査手段により前記測定光を前記一部の領域で走査する場合には、前記被検査物の深さ方向に前記測定光の焦点位置を前記測定光のスポット径に対応する距離変更して、前記被検査物を異なる焦点位置で複数回撮像することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記走査手段は、前記測定光を前記被検査物上で略同心円状に走査し、
    前記一部の領域は、前記被検査物における前記略同心円の中心部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記走査手段は、前記測定光を前記被検査物上でラスタ走査することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記測定光に対応する参照光と前記戻り光とを合波した光に基づく前記被検査物の複数の断層画像から、3次元断層画像を取得する取得手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記径変更手段は、前記測定光の光路に設けられ、開口数を変更可能な可変エクスパンダであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記被検査物は、被検眼であり、
    前記一部の領域は、前記被検眼の眼底の黄斑を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 走査手段を介して測定光を照射した被検査物からの戻り光に基づいて、該被検査物を撮像する撮像装置の制御方法であって、
    前記走査手段により前記測定光を、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域で走査する場合には、該撮像領域の他の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物における前記測定光のスポット径を小さくするように、前記被検査物における前記測定光のスポット径の大きさを変更する工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  11. 前記走査手段により前記測定光を前記一部の領域で走査する場合には、前記被検査物を異なる焦点位置で複数回撮像する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置の制御方法。
  12. 前記走査手段により前記測定光を前記他の領域で走査する場合には、前記一部の領域で走査する場合に比べて、前記被検査物を撮像する回数を少なくするように、前記被検査物の深さ方向に前記測定光の焦点位置を変更する工程を有することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置の制御方法。
  13. 前記複数回撮像する工程において、前記走査手段により前記測定光を前記一部の領域で走査する場合には、前記被検査物の深さ方向に前記測定光の焦点位置を前記測定光のスポット径に対応する距離変更して、前記被検査物を異なる焦点位置で複数回撮像することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
  14. 前記走査手段は、前記測定光を前記被検査物上で略同心円状に走査し、
    前記一部の領域は、前記被検査物における前記略同心円の中心部であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  15. 前記測定光に対応する参照光と前記戻り光とを合波した光に基づく前記被検査物の複数の断層画像から、3次元断層画像を取得する工程を有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  16. 前記被検査物は、被検眼であり、
    前記一部の領域は、前記被検眼の眼底の黄斑を含むことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  17. 請求項10乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法の各工程をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。
  18. 光源からの光を被検査物に照射し、前記被検査物からの反射または散乱した戻り光と参照光との合成による干渉光を用い、前記被検査物の断層画像を形成するOCTによる断層画像の形成方法であって、
    前記被検査物に対する撮像に際し、前記被検査物を撮像する撮像領域の一部の領域における高解像度で撮像することが必要な領域に対して、その必要性に応じて該撮像領域における他の領域よりも高い解像度で撮像する工程を有し、
    前記高解像度で撮像することが必要な領域を撮像するときには、前記光源からの光によるビームのスポット径を前記他の領域を撮像するときよりも小さいスポット径に設定し、深さ方向に対して、前記他の領域を撮像するときよりも多い撮像回数で撮像することを特徴とするOCTによる断層画像の形成方法。
  19. 前記工程は、前記ビームを同心円状に走査する工程を含み、
    前記同心円状に走査する工程においては、同心円の外周から中心までの距離に応じて前記スポット径を大きいスポット径から小さいスポット径に変えることにより、同心円の外周から中心に向かうにしたがって解像度を上げ、
    小さいスポット径のときほど、より多い撮像回数で、深さ方向に対して異なる深さで撮像することを特徴とする請求項18に記載のOCTによる断層画像の形成方法。
  20. 前記同心円状に走査する工程において、同心円状の走査が同心円状にスキャンを行うスキャン光学系を用いて行われることを特徴とする請求項19に記載のOCTによる断層画像の形成方法。
  21. 前記工程は、前記ビームをラスタスキャンにより走査する工程を含み、
    前記ラスタスキャンにより走査する工程においては、ビームのスポット径を前記他の領域を撮像するときよりも小さいスポット径に設定し、
    前記高解像度で撮像することが必要な領域の深さ方向に対する範囲を多層に分けて、複数回撮像することを特徴とする請求項18に記載のOCTによる断層画像の形成方法。
  22. 請求項18から21のいずれか1項に記載のOCTによる断層画像の形成方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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