JP2011099689A - 微差圧計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース10と、ダイアフラム2と、ダイアフラムの変位を伝達させる変位伝達機構4と、を備え、変位伝達機構は、ダイアフラムから伝達された変位を回動運動に変換する回動運動変換機構43と、これに取り付けられた指針と、一端がケースの内部で固定され、他端には磁石が取り付けられた板ばね41と、ダイアフラムと板ばねとをダイアフラムの中心軸上において連結する連結部材45と、を備え、ダイアフラムの変位が板ばねを介して磁石へ伝達され、回動運動変換機構は、軸受保持された螺旋体を有し、螺旋体は磁石の動きに応じて回動するように磁気的に結合され、螺旋体の回動に応じて指針が回動する微差圧計1であって、板ばねとダイアフラムとの間に離隔自在に連結部材が挿通された管状部材5を有する微差圧計。
【選択図】図2
Description
従って、板ばね41にダイアフラム2の変位を自然な動きとして伝達させるには、連結部材45が可能な限り柔軟なものを用いる必要がある。
ところで、図8に示す従来構造では、落下等の衝撃が加わった場合、連結部材45の座屈荷重Pcrは連結部材45が両端固定されているものと想定すると(1)式による。
E : ヤング率、I : 断面二次モーメント
l : 連結部材45の長さ
ここで、連結部材45について直径dの円柱を想定すると(2)式の断面二次モーメントIは(2)式によるので、
これを(1)式に代入すると座屈荷重Pcrは
従って、従来の構造において連結部材45に柔軟性を求め、小さい線径のワイヤ等を用いたものは(3)式の通り座屈荷重Pcrが低下する傾向にあるため、落下等の衝撃により、その大きさによってはこの連結部材45が曲がってしまう問題点がある。このため、連結部材45にはダイアフラム2の変位による柔軟な撓みも考慮しつつ、剛性の高いものを用いなければならないという問題が生じる。
このため、連結部材は十分な強度を持たせるために径大なものとする必要がなく、径小にすることができるので、連結部材はダイアフラムの変位を効率よく板ばねに伝達することができる。
したがって、微差圧計の耐衝撃性に優れた測定精度の高い微差圧計を提供することができる。
また、通常の使用状態におけるダイアフラムの変位においては、この隙間の範囲内で連結部材が撓むように、連結部材および管状部材の材質、寸法を設定すれば、ダイアフラムの動きを阻害することなく板ばねへ伝達することができ、微差圧計の測定精度を向上させることができる。
このため、管状部材の耐衝撃性を高く設定することで連結部材が受ける衝撃を低減することができるので、連結部材としてワイヤ等を用いた場合、さらに小径のワイヤを用いることができ、より効率的な変位伝達が実現でき、微差圧計の測定精度を向上させることができる。
図1に基づいて本実施形態における微差圧計を説明する。
図1には本実施形態における微差圧計の全体斜視図が示されている。
図1に示すように、微差圧計1は、円柱状に形成されたケースとしての本体部10と、この本体部10に嵌合されるケースとしてのカバー13とを備えている。
本体部10は、嵌合されるカバー13とは反対側に第一導入継手11と第二導入継手12とを有しており、これら第一導入継手11および第二導入継手12は測定する任意の配管等に接続され微差圧計1内に圧力の異なる気体が流入される。
また、カバー13はガラス板18を有しており、このガラス板18を通して外部から目盛15が付された計測板14と差圧により回動する指針16とが視認可能となっている。
図2には本実施形態における微差圧計の側面断面図が示されている。
微差圧計1は、本体部10とカバー13とがパッキン17を介して嵌合されることで形成されている。
この本体部10に収容される変位伝達機構4は、圧力に伴って弾性変形するダイアフラム2と、このダイアフラム2を本体部10の内部に固定する保持部材30と、この保持部材30を介してダイアフラム2と対向配置し、その一端が保持部材30に固定された板ばね41と、この板ばね41の他端にボルト411とナット412とが螺合することにより連結固定された磁石42と、この磁石の移動に伴って回動する回動運動変換機構43と、この回動運動変換機構43の両端を軸支する軸受部44と、対向配置するダイアフラム2と板ばね41とを連結する連結部材45とが収容されている。
図3には本実施形態における微差圧計の管状部材内面により連結部材の撓みが規制される状態を表す模式図が示されている。
管状部材5は、ダイアフラム2と板ばね41との間に位置し、連結部材45が挿通されている。この管状部材5と連結部材45との間には第一隙間C1が形成されており、管状部材5の内部において連結部材45の撓みを許容している。
また、管状部材5はダイアフラム2および、板ばね41によって脱落しないように留まっているが、ダイアフラム2および板ばね41とは接着等の固定はされていない。さらに連結部材45との間にも隙間を有しており、こちらも接着等の固定はされていない。
図4には本実施形態における微差圧計の上視断面図が示されている。図5には本実施形態における微差圧計の回動運動変換機構を説明するための概略図が示されている。
図4に示すように、指針16は一端が回動体431に固定されており、回動体431の回動に伴って回動可能となっている。
このとき、磁石42のN極とS極とにそれぞれ螺旋部材432が磁気的な引力を受け対向する位置で静止している。
そして、図5(B)に示すように、磁石42が回動運動変換機構43の軸方向に直線運動をする場合、螺旋部材432が磁石42の移動に伴って、磁石42と対向する螺旋部材432の箇所がスライドしていくため、磁石42の直線運動に伴って回動体431が回動するようになっている。
ΔP<0の場合はダイアフラム2の第二空隙B側に発生する力が大きいため、ダイアフラム2の中心は第一空隙A側に変位する。この変位は変位伝達機構4により磁石42の動きへと伝えられる。
この磁石42の動きに応じて前述した通り螺旋部材432が磁気的な結合により回動体431を回動させるため、回動体431に固定された指針16が回動し、差圧ΔPを指示する。
図6には本実施形態における微差圧計のダイアフラムが変位していない時の変位伝達機構の状態を表す模式図が示されている。図7には本実施形態における微差圧計のダイアフラムが変位している時の変位伝達機構の状態を表す模式図が示されている。
これにより、連結部材45が平板部21と板ばね41と直交しなくなり、撓みT3が生じることになる。
(1)本実施形態では、管状部材5に連結部材45が挿通されているので、微差圧計1を使用する際、連結部材45が撓むような衝撃が加えられても、図3のように管状部材5の内径により連結部材45の撓みが規制されるため、連結部材45が折れ曲がることを防止することができる。
このため、管状部材5にごく軽量のものを用いれば、この管状部材5を導入することによる変位伝達効率の低下を最小限に抑え、効率よく伝達することができる。
本実施形態では、ダイアフラム2を用いているが、これに限らず、例えば、ベローズなどについても適用することができる。
本発明によれば、連結部材45が撓むような衝撃が加わっても、管状部材5の内径および長さにより連結部材45の撓みが制限され、連結部材が折れ曲がることを防止することができるため、耐衝撃性を向上させることができる。
また、通常の使用状態では管状部材5は他の部材とは離隔して取り付けられている上、連結部材45と管状部材5の選定によっては、更に小さい径のワイヤを使用することができるため、精度等の特性を向上させることができる。
2…ダイアフラム
4…変位伝達機構
5…管状部材
10…本体部(ケース)
13…カバー(ケース)
16…指針
41…板ばね
42…磁石
43…回動運動変換機構
45…連結部材
431…回動体(螺旋体)
432…螺旋部材(螺旋体)
C1…第一隙間
C2…第二隙間
Claims (3)
- ケースと、該ケースの内部に設けられ導入圧力によって変位するダイアフラムと、該ダイアフラムの変位を伝達させる変位伝達機構と、を備え、
前記変位伝達機構は、前記ダイアフラムから伝達された変位を回動運動に変換する回動運動変換機構と、該回動運動変換機構に取り付けられた指針と、一端が前記ケースの内部で固定され、他端には磁石が取り付けられた板ばねと、前記ダイアフラムと前記板ばねとを前記ダイアフラムの中心軸上において連結する連結部材と、を備え、前記ダイアフラムの変位が前記板ばねを介して前記磁石へ伝達され、
前記回動運動変換機構は、軸受保持された螺旋体を有し、該螺旋体は前記磁石の動きに応じて回動運動するように磁気的に結合され、前記螺旋体の回動に応じて前記螺旋体に取り付けられた前記指針が回動する微差圧計であって、
前記板ばねと前記ダイアフラムとの間に離隔自在に前記連結部材が挿通された管状部材を有することを特徴とする微差圧計。 - 請求項1に記載された微差圧計において、
前記管状部材の内面と前記連結部材との間に前記連結部材の撓みを許容可能な第一隙間を有することを特徴とする微差圧計。 - 請求項2に記載された微差圧計において、
前記管状部材が前記連結部材の長さに対し短く、前記連結部材の端部には第二隙間が設けられることを特徴とする微差圧計。
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