JP2011098914A - 濡れ肌用水中油型化粧料及びその使用方法 - Google Patents
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【解決手段】下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。
【選択図】なし
Description
[1].下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。
[2].上記(A2)成分がワセリンである[1]記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[3].(A1)/(A2)で表される(A1)成分と(A2)成分との質量比が、2/5〜5/2である[1]又は[2]記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[4].さらに、(C)膨潤力が20mL/2g以上であるカチオン化されていない水膨潤性粘土鉱物を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[5].さらに、(D)グリセリンを含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
[6].[1]〜[4]のいずれかに記載の濡れ肌用水中油型化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後、タオルドライすることを特徴とする濡れ肌用水中油型化粧料の使用方法。
本発明の化粧料は、下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する、入浴後等の濡れた肌に使用する濡れ肌用水中油型化粧料である。
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
上記(A1)フィトステロールと、特定の酸である炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル(以下、フィトステロール脂肪酸エステル)を用いることにより、濡れた肌に使用した際に、肌なじみが良好で塗布しやすく、その後の肌が、しっとりして保湿感が高いと共にべたつきがないという効果を得ることができる。本発明の(A1)フィトステロール脂肪酸エステルは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、フィトステロール脂肪酸エステルのフィトステロールと一価脂肪酸とは、それぞれ1種でも2種以上でもよく、これらの組み合わせによりフィトステロール脂肪酸エステルが構成される。本発明においては、(A1)フィトステロール脂肪酸エステルが、フィトステロールと一価脂肪酸とのエステルとのエステルであることが重要であり、フィトステロール誘導体とグルタミン酸誘導体とのエステルを用いた場合、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル)は抱水能を持つが、これを配合した化粧料は、塗布後のしっとり感が満足のいくものではない。
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
Rは炭素数7〜21、好適には8〜18の一価炭化水素であって、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。
50℃に加熱した試料10gを200mLビーカーに秤り取り、デスパミキサーにて3000rpmで攪拌しながら50℃の水を徐々に、水が試料から排液してくるまで添加し、水が排液しない最大量(質量)を測定し、この数値を試料10gで除し、100倍して抱水力(%)とする。この抱水力が、100%以上であると自重と等量以上の質量の水を抱水することができる。
抱水力=(添加した水量)/(試料量)×100
25℃でペースト状である炭化水素であればいずれのものも使用することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A2)成分の配合により、特にべたつきが低減される。(A2)成分が液状の場合はべたつきを低減できず、固体の場合は、肌なじみが悪く、のびも悪い。本発明においては、25℃でペースト状とは稠度100〜220のものをいう。なお、本発明の「稠度」は、JIS K2235「石油ワックス」に準拠して測定し、試料を82℃に加熱溶融して、恒温水浴中で25℃に保った後、この試料中に質量の合計が150gとなる円錐を垂直に5秒浸入させたときの円錐の浸入した深さを0.1mmまで測定し、これを10倍した数値とする。
25℃で液状の油であればいずれのものも使用できるが、上記(A1)成分は含まれない。(A3)成分は(A1)及び(A2)成分の溶剤であり、のびの良さの向上させることができる。本発明でいう「液状の油」とは、25℃における粘度が200mPa・s以下のものをいう。なお、本発明における液状油の粘度は、25℃においてB型粘度計でローターNo.2を用い、60rpm(500mPa・s未満)により測定した値である。
本発明に用いる非イオン性界面活性剤は(A)油性成分の乳化剤であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリルのアルキレンオキサイド付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシアルキレングリセリルの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
HLB=7+11.7log(MW/MO)
MW:界面活性剤の親水部の分子量
MO:界面活性剤の親油部の分子量
本発明の化粧料には、べたつき低減、肌なじみ、保湿効果の点から、上記(C)水膨潤性粘土鉱物を配合することが好ましい。本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物の上記効果付与のメカニズムは不明であるが、本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物は、抱水性が良好であり、且つ延展性に富むので、濡れた肌の上で、フィトステロール脂肪酸エステル(A1)ともに抱水ベールを形成し、皮膚からの水分の蒸散を抑制するとともに、皮膚へ水を補給する働きをし、保湿効果を向上させると推定される。また、べたつきを低減し、肌なじみのよさとのびもよく、使用感を向上させる。さらに、本発明の(C)水膨潤性粘土鉱物は、自身の肌付着性が高いだけでなく、油成分等の保湿に有効な成分の肌への付着性が高めるので、タオルドライで拭き取った後の、有効成分の肌残存率が向上し、保湿効果を向上させると推定される。
本発明の化粧料には、しっとり感付与の点から、グリセリンを配合することが好ましい。グリセリンのしっとり感付与のメカニズムは不明であるが、(A1)フィトステロール脂肪酸エステルのつくるベールを強固にし、自身の保湿作用でベールの抱水性を向上させるとともに、抱水ベールから角質層に浸透することでタオルドライ後も、保湿効果を高めていると考えられる。
(i).水と1,3−ブチレングリコールと、配合する場合は(D)成分とを添加し、65℃に加熱した。(C)成分を配合する場合は、水を攪拌しながらこれに(C)成分を徐々に添加し、均一な分散液を調製した後、1,3−ブチレングリコールと、配合する場合は(D)成分とを添加し、65℃に加熱した。
(ii).(A)成分に、(B)成分とセトステアリルアルコールとを65℃で加熱溶解した。比較例の場合、(A)成分に、(B)成分とセトステアリルアルコール、還元ラノリン、モノイソステアリン酸硬化ヒマシ油又はマイクロクリスタリンワックス等を65℃で加熱溶解した。
(iii).(i)に(ii)を徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化した。
(iv).攪拌しながら30℃まで冷却して皮膚化粧料を得た。
得られた濡れ肌用水中油型化粧料について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。また、実施例の化粧料について、BH型粘度計(東京計器BH型粘度計)を用い、ローター:6号ローター、25℃、20rpm、1分後の値(粘度)を測定したところ、1000〜5000mPa・sの範囲であった。
被験者20名に対し、石鹸で洗浄した前腕を40℃の湯に5分間浸漬した後に、濡れた状態の前腕内側部全体に試料0.4gを手で塗り伸ばし、タオルで拭いてタオルドライしてもらった。塗り伸ばした時の「塗布時の肌なじみのよさ」、タオルドライ直後の前腕内側部の「べたつきのなさ」と「しっとり感」とを評価した。また、「タオルドライ30分後のしっとり感」についても評価した。下記評価点に基づき官能評価を行い、結果を被験者20名の官能評価平均点に基づいて、下記使用感基準に基づき示す。
〈塗布時の肌なじみのよさの評価点〉
5点:非常に肌なじみがよい。
4点:肌なじみがよい。
3点:やや肌なじみがよい。
2点:肌なじみが悪い。
1点:非常に肌なじみが悪い。
〈タオルドライ直後のべたつきのなさの評価点〉
5点:べたつかない。
4点:あまりべたつかない。
3点:ややべたつく。
2点:べたつく。
1点:非常にべたつく。
〈タオルドライ直後又は30分後のしっとり感の評価点〉
5点:非常にしっとりする。
4点:しっとりする。
3点:ややしっとりする。
2点:あまりしっとりしない。
1点:しっとりしない。
〈使用感基準〉
A:被験者20名の平均点が4.5点以上5点以下
B:被験者20名の平均点が4.0点以上4.5点未満
C:被験者20名の平均点が3.0点以上4.0点未満
D:被験者20名の平均点が2.0点以上3.0点未満
E:被験者20名の平均点が1.0点以上2.0点未満
注1:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
注2:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
注3:クニピアF(クニミネ工業)
注4:エルデュウPS306(味の素)
実施例26の化粧料を塗布した場合と、無塗布の場合について、下記水分量と相関のある皮表コンダクタンス測定により角層水分量を測定した。皮表コンダクタンスは、市販の機器(例えば、Skicon−200等)を用いて測定した。前腕を40℃の湯を用いて石鹸で洗浄し、タオルドライし、試験環境(室温20℃、湿度40%RH)で30分間馴化した後に、皮表コンダクタンス(入浴前の皮表コンダクタンス)を測定した。その後、前腕を40℃の湯に5分間浸漬した後に、濡れた状態の前腕内側部全体に試料0.4gを塗布し、タオルドライした後に、同様に経時の皮表コンダクタンス(試料処理後の皮表コンダクタンス)を測定した。下記式による角層水分量による結果を表6に示す。
角層水分量=試料処理後の皮表コンダクタンス−入浴前の皮表コンダクタンス
下記の組成に従い、乳液を常法により調製した。
組成 %
イソステアリン酸フィトステリル *5 3.0
白色ワセリン *6 3.0
流動パラフィン(粘度140mPa・s) *7 8.0
イソステアリン酸 *8 5.0
ミリスチン酸イソプロピル(粘度10mPa・s) 2.0
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO40)*9 1.5
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO40) *10 1.5
セトステアリルアルコール *11 1.5
ビタミンE *12 0.1
ベントナイト(膨潤力70mL/2g) *13 0.3
キサンタンガム *14 0.5
濃グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
エタノール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
クエン酸 0.015
香料 0.2
精製水 残部
合計 100.0
pH:5.2
粘度:2800(mPa・s)
*5:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
*6:サンホワイトP−200(日興リカ)
*7:流動パラフィン350−S(三光化学工業)
*8:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業)
*9:GWIS−340EX(日本エマルジョン)
*10:MYS−40V(日光サーファクタント工業)
*11:コノール30CK(新日本理化)
*12:理研Eオイル800(理研ビタミン)
*13:クニピアF(クニミネ工業)
*14:エコーガムT(大日本住友製薬)
下記の組成に従い、クリーを常法により調製した。
組成 %
イソステアリン酸フィトステリル *15 3.0
白色ワセリン *16 4.0
流動パラフィン(粘度140mPa・s) *17 6.0
スクワラン(粘度35mPa・s) *18 1.0
イソステアリン酸 *19 3.0
ジメチルシリコン30cs *20 0.5
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(EO40)*9 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO40) *21 1.0
モノステアリン酸グリセリル *22 1.0
セトステアリルアルコール *23 2.0
ビタミンE *24 0.1
ベントナイト(膨潤力70mL/2g) *25 0.25
ベントナイト(膨潤力35mL/2g) *26 0.05
キサンタンガム *27 0.3
濃グリセリン 9.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
エタノール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
クエン酸 0.015
カミツレエキス *27 0.001
香料 0.3
精製水 残部
合計 100.0
pH:5.3
粘度:10000(mPa・s)
*15:フィトステリルイソステアレート(タマ生化学)
*16:サンホワイトP−200(日興リカ)
*17:流動パラフィン350−S(三光化学工業)
*18:ヒトデルム(COGNIS IBERIA)
*19:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業)
*20:SH200 30cs(東レダウコーニング)
*21:MYS−40V(日光サーファクタント工業)
*22:MGS−BV2(日光サーファクタント工業社)
*23:コノール30CK(新日本理化)
*24:理研Eオイル800(理研ビタミン)
*25:ベンゲルFW(豊順鉱業社)
*26:エコーガムT(大日本住友製薬)
*27:カミツレリキッド(一丸ファルコス)
Claims (6)
- 下記(A1)、(A2)及び(A3)からなる(A)油性成分と、
(A1)フィトステロールと下記一般式(1)で表される炭素数8〜22の一価脂肪酸とのエステル
RCOOH (1)
(式中、Rは炭素数7〜21の一価炭化水素である。)
(A2)25℃でペースト状の炭化水素
(A3)25℃で液状の油(但し、上記(A1)成分を除く)
(B)非イオン性界面活性剤とを含有する濡れ肌用水中油型化粧料。 - 上記(A2)成分がワセリンである請求項1記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
- (A1)/(A2)で表される(A1)成分と(A2)成分との質量比が、2/5〜5/2である請求項1又は2記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
- さらに、(C)膨潤力が20mL/2g以上であるカチオン化されていない水膨潤性粘土鉱物を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
- さらに、(D)グリセリンを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の濡れ肌用水中油型化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後、タオルドライすることを特徴とする濡れ肌用水中油型化粧料の使用方法。
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