JP2011098912A - 茶葉減圧乾留液由来の精製液とその製造法およびその精製液を含有する外用剤 - Google Patents

茶葉減圧乾留液由来の精製液とその製造法およびその精製液を含有する外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 茶葉の減圧乾留液(A) から吸着剤を用いて吸脱着することにより精製処理した
精製液(B) およびその製造法を提供すること、さらにはその精製液を含有させた制汗剤な
どの外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 茶葉を減圧乾留して得られる茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着
することにより精製処理を行うにあたり、ロビボンド法による黄色セル、赤色セル、青色
セルの観測数値Y、R、Bを指標にして精製処理することにより、すぐれた消臭性を示す
精製液(B) を取得する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、茶葉減圧乾留液(A) 由来の精製液(B) に関するものである。また、その精製
液(B) を製造する方法、その精製液(B) を化粧料または医薬部外品に含有させてなる外用
剤に関するものである。
茶葉の減圧乾留分(つまり茶葉減圧乾留液)については、主として本出願人の出願にか
かる多数の出願がなされている。
これらの出願のうち特開昭58−61751号公報(特公昭61−8694号公報、特
許第1441878号)(特許文献1)には、茶を減圧条件下に乾留して得られる乾留分
(沸点範囲が20mmHgの場合で180〜200℃の乾留分)を有効成分とする消臭剤が示
されている。
特開昭60−233009号公報(特公昭63−5374号公報、特許第153037
8号)(特許文献2)には、収れん剤およびツバキ科植物乾留分を含有する粉末タイプの
体臭消去用組成物が示されている。ここで収れん剤の代表例はアルミニウムヒドロキシク
ロライド(つまりクロルヒドロキシアルミニウム)であり、ツバキ科植物乾留分の代表例
は茶葉減圧乾留分である。
特開平6−142167号公報(特許第3551386号)(特許文献3)には、茶葉
乾留分を充填剤(特にオクタデシルシリカゲル系充填剤)を充填したカラムに供給し、キ
ャリヤ液(好ましくはエタノールを含む水、特にエタノール濃度が1〜20重量%程度の
もの、実施例においては 2.5重量%のエタノールを含む水)を流して初期に流出する成分
とカラム内に残る成分とを除く目的流出成分を分離取得するようにした茶葉乾留分からの
有効消臭成分の製造法が示されている。また、その方法により製造された有効消臭成分を
含有させてなる外用剤(化粧料または医薬部外品、たとえばシャンプー、ヘアートニック
、スプレータイプ制汗剤)についても示されている。
この特許文献3に記載の製造法は、
・オクタデシルシリカゲル系充填剤を充填した第1カラムに茶葉乾留分の溶液を供給し
て茶葉乾留分中の吸着可能な成分を充填剤に吸着させる工程A、
・この第1カラムの下流にオクタデシルシリカゲル系充填剤を充填した第2カラムを連
絡し、エタノールを含む水からなるキャリヤ液を第1カラム側に供給して第1カラム内の
吸着剤に吸着されている成分を第2カラムを経て流出させる工程B、
・第2カラムからの流出成分のうち初期に流出する成分とカラム内に残る成分とを除く
目的流出成分を分離取得する工程C
からなるものである。
特開昭58−61751号公報 特開昭60−233009号公報 特開平6−142167号公報
はじめに用語について述べると、上記の特許文献で使用している「茶葉減圧乾留分」の
「乾留分」の用語は、乾留液そのものの意味と、その乾留液に含まれる有効成分(特定の
化合物)の意味とがあるので、本発明においては前者の意味を言うものとして「茶葉減圧
乾留液」の用語を使うことにする。
さて、茶葉を減圧条件下に乾留して得られる乾留液(沸点範囲が20mmHgの場合で18
0〜200℃の茶葉減圧乾留液)は、乾燥茶葉を原料としかつ高温での乾留操作を行って
いることから、赤茶系の着色を帯び、かつ若干焦げ臭を帯びた茶のにおいがすることを免
れない。このこと自体は通常の消臭用途には何ら問題とはならず、またそのときの焦げ臭
も、食品の焦げ臭と同様に必ずしも悪いにおいというほどではないが、用途によっては気
になることもある。
しかも、この茶葉減圧乾留液は、水や水−アルコール混合液に適当量添加した状態で用
いたり、食品原料や各種飲料に少量添加する使い方をすることが多いので、上述の着色や
焦げ臭は希薄化され、実用上の問題を生ずることは少ない。
ただし、上記の特許文献2や特許文献3において茶葉減圧乾留液を含有させようとして
いる外用剤の用途、殊にスプレータイプや粉末型スプレータイプやロールオン型の制汗剤
の用途にあっては、人体への適用部位が襟元(うなじ)や腋の下であったりするため、制
汗剤のスプレー時に衣服に色がつかないかという心配をしたり、自分は感じなくてもごく
近くにいる人が焦げ臭のようなにおいを感じるのではないかという気持ちが生じやすい。
そこで、先に述べた特許文献3においては、「工程A−工程B−工程C」を実施すると
いう特別の手段を講じることにより、事実上無臭無色の目的物を得ることに成功している
。このような一連の工程により製造した精製液(有効消臭成分の溶液)を含有させた制汗
剤やその他の外用剤は、長年にわたり市場において好評を博している。
しかしながら、特許文献3の技術に従って茶葉減圧乾留液を事実上無色無臭にした精製
液にあっても、なお改善すべき点があることが判明した。すなわち、着色成分や臭気成分
を可能な限り除去すると共に有効成分の割合を極限にまで高めたはずの精製液を外用剤に
含有させたとき、当初は無色であったにもかかわらず、その外用剤の流通期間中に着色が
認められ、しかもその着色がしだいに濃くなっていくケースがあった。そして、その原因
を調べる中で、着色の原因として保管時や流通時における温度の影響(−5℃に保つと着
色しにくい)や光の影響(日光曝露があると着色しやすい)が関与すると見られるほか、
そのほかの原因として、外用剤に含有させた香料(無香料の場合は着色しにくい)、殺菌
剤・抗菌剤・消毒剤、界面活性剤などの添加成分、あるいは使用した収れん剤(制汗剤)
との相互作用による影響があるのではないかと考えた。
また、特許文献3の技術に従って茶葉減圧乾留液を精製して得られた精製液の消臭性に
関しても、アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタンなどの単品臭に対して確
実に消臭性を発揮するものの、その消臭性の度合いは茶葉減圧乾留液に比しては必ずしも
勝っているとは言えないことがあった。汗臭、腋臭、足臭の主要臭気物質の1つであるイ
ソ吉草酸に対しても消臭作用は発揮されるものの、茶葉減圧乾留液を用いた場合に比して
は見劣りすることも判明した。
本発明者らは、吸着剤を用いて茶葉減圧乾留液を精製して精製液を得るときに、
(イ)その精製により着色や臭気が確実に減少する条件を見い出すと共に、
(ロ)HPLC(高速液相クロマトグラフィー)によるクロマトグラムのピークを解析
したとき、その精製によって、着色成分や臭気成分と目されるブロードでかつ大きなピー
クの面積や高さが確実に小さくなると共に、消臭有効成分と目されるシャープなピークの
面積や高さができるだけ維持されるような条件を見い出すこと、
が上記の問題点を解決する道であると考え、その観点から鋭意検討を重ねたが、成功には
至らなかった。というより、上記の(イ)および(ロ)の条件を追求すればするほど期待
から遠ざかる傾向が感じられることがあった。
(発明の目的)
このような状況下において、本発明者らは、消臭有効成分と目される成分のみをできる
だけ完全に取り出すという正統的な着想と検討手法には、対象物が「茶葉減圧乾留液」で
ある本ケースにおいては、何か基本的な方向違いがあるのではないかと思うに至った。
茶葉減圧乾留液には微量ではあるものの無数の成分が含まれていることに間違いはない
が、その中から有効成分のみを取り出すという着眼自体に錯覚があったようである。換言
すれば、茶葉減圧乾留液中に含まれる成分には「消臭有効成分、有害成分(着色成分、有
臭成分)、その他の成分(有効でもなく有害でもない成分)」があるという認識自体に錯
覚や先入観があったようである。よく考えてみると、消去対象の悪臭は単一化合物である
とは限らず、単一化合物の悪臭であってもその消臭に1つの成分が有効であるか2以上の
成分の連携を要するかは様々である。それ単独では着色や臭いのある成分であっても、消
臭にも貢献するかも知れないし、他の成分と共存する場ではその着色や臭いが消失ないし
減殺するかも知れない。また、クロマトグラムのピークに出ない成分や大きなピークに隠
れている成分が、消臭に貢献しているかも知れない。消臭有効成分と見られていても、そ
の消臭性は他の成分によるアシストがあったためにはじめて発揮されたものかも知れない
。このように着眼点を変えると、茶葉減圧乾留液中に含まれる成分はいずれも何らかの形
で本発明の目的に貢献しうるはずであると考え、できるだけ多くの成分を生かすことを考
えた方が合目的的である。
事実、無色無臭でかつ消臭有効成分であることが判明していた制汗剤用の添加成分であ
っても、制汗剤中の他の物質(香料や抗菌剤)との共存下においては経時的に着色しかつ
その着色がしだいに濃くなっていく現象があることを知見していたので、着色を起こす成
分が有害成分ないし不要成分であるとは断定できない。着色や臭気が許容限度を越えない
という制約はあるものの、上記のように数多くの成分を含んでいた方が所期の消臭作用が
得られやすいという発想を持ってもよいはずである。ただし、数多くの成分を含んでいた
方がよいというだけでは、茶葉減圧乾留液をそのまま用いればよいということになって元
に戻ってしまうので、何らかの発明的飛躍を見い出さなければならない。茶葉減圧乾留液
を植物生態学に言う「群叢/association 」(一定の外囲条件と一定の種類組成とを有し
、一定の相観を呈する植物の集団)に喩えれば、群叢であることの意義を生かしながらも
その内容を変化させて、元の群叢を越えるという構想である。
本発明者らは、上記の問題に取り組む中で、吸着剤の吸脱着機能を使って茶葉減圧乾留
液を精製するときに、その精製を「ある尺度」を指標にして行うことにより、従来は達成
しえなかったようなすぐれた機能を有する精製液を得ることに成功した。その「ある尺度
」とは色相ないし色調にかかる尺度であり、特定の度合いの色相ないし色調を有する精製
液が得られるように精製を行うことがポイントである(「精製」というよりも、「群叢の
変化改質」と言う方が的を射ているかも知れない)。その作用効果は満足のいくものであ
り、しかもその精製液は、従来対応策に窮していた腋臭や足臭の原因物質であるイソ吉草
酸の除去性の点で、特許文献3による精製液よりも格段にすぐれており、かつ元となる茶
葉減圧乾留液よりもずっとすぐれていることが判明した。
本発明は、このような背景下において、茶葉の減圧乾留液から吸着剤を用いて吸脱着す
ることにより精製処理した茶葉減圧乾留液由来の精製液およびその製造法を提供すること
、さらにはその精製液を含有させた制汗剤などの外用剤を提供することを目的とするもの
である。
本発明の茶葉減圧乾留液由来の精製液は、
茶葉を減圧乾留して得られる茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着することによ
り精製処理した精製液(B) であって、
それらの液中に含まれるフェノール類の濃度(JIS K 0101 22.1.2 、4−アミノアンチ
ピリン吸光光度法による)が0.08 mg/mlになるように水にて濃度調節した状態の液を、そ
れぞれ茶葉減圧乾留液(A) の標準液、精製液(B) の標準液とし、かつ、
ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法 2.2.1.1)に基いて20℃でセル
光路長40mmの条件下で測定したときの黄色セル、赤色セル、青色セルの観測数値をそれ
ぞれY、R、Bとするとき、
前記の茶葉減圧乾留液(A) の標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY:2
0〜40、R:3〜10、B:2以下であること、および、
前記の精製液(B) の標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY: 1.2〜10
、R: 0.2〜3、B:2以下であること、
を特徴とするものである。
本発明の茶葉減圧乾留液由来の精製液の製造法は、
茶葉を減圧乾留して得られる茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着することによ
り精製処理した精製液(B) を得る方法であって、
それらの液中に含まれるフェノール類の濃度(JIS K 0101 22.1.2 、4−アミノアンチ
ピリン吸光光度法による)が0.08 mg/mlになるように水にて濃度調節した状態の液を、そ
れぞれ茶葉減圧乾留液(A) の標準液、精製液(B) の標準液とし、かつ、
ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法 2.2.1.1)に基いて20℃でセル
光路長40mmの条件下で測定したときの黄色セル、赤色セル、青色セルの観測数値をそれ
ぞれY、R、Bとするとき、
前記の茶葉減圧乾留液(A) として、その標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの
順にY:20〜40、R:3〜10、B:2以下であるものを準備すること、および、
その茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤と接触させることにより、該茶葉減圧乾留液(A) に含
まれている成分のうち該吸着剤に吸着可能な成分をその吸着剤に吸着させる吸着工程Aを
実施すること、および、
上記の吸着工程Aを実施した後、その吸着剤を脱着液と接触させる脱着工程Dを実施す
ることにより、その標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY: 1.2〜10、
R: 0.2〜3、B:2以下である精製液(B) を得ること、
を特徴とするものである。
本発明の外用剤は、上記の精製液(B) を化粧料または医薬部外品からなる外用剤(殊に
制汗剤)に含有させてなるものである。
本発明により提供された茶葉減圧乾留液由来の精製液(B) は、化粧料または医薬部外品
からなる外用剤(殊に制汗剤)に含有させる用途に最適であり、その含有によりすぐれた
消臭作用ないしデオドラント作用が奏される。そして、先にも触れたように、本発明の茶
葉減圧乾留液由来の精製液(B) を用いた制汗剤は、従来対応策に窮していた腋臭や足臭の
原因物質であるイソ吉草酸の除去性の点で、特許文献3による精製液よりも格段にすぐれ
ており、かつ元となる茶葉減圧乾留液(A) よりもずっとすぐれているという作用効果が奏
される。
以下本発明を詳細に説明する。
(茶葉減圧乾留液(A) )
茶葉減圧乾留液(A) とは、茶の主として葉部の乾燥物を減圧下に乾留したときに20mm
Hgの場合で180〜200℃またはその前後の温度で留出する留分である(なお減圧度が
変ればそれに応じて沸点も変る)。なお、操作を減圧下に行うため、減圧乾留装置から受
け器に留出した乾留液には茶葉が砕けた微細な固形物が混入することを免れないので、受
け器に受け止めた乾留液については細かなメッシュを通して粗濾過を行う。茶葉減圧乾留
液(A) とは、この粗濾過を行ったものを指すものとする。
(茶葉減圧乾留液由来の精製液(B) )
本発明の茶葉減圧乾留液由来の精製液(B) は、茶葉を減圧乾留して得られる上記の茶葉
減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着することにより精製処理した精製液である。精製
処理条件は後の製造法の説明の箇所で詳述する。
(標準液について)
本発明においては次に述べるロビボンド法による指標を用いるが、その指標は色相ない
し色調を尺度にするものであるため、原料である茶葉中の水分率、減圧乾留により留出す
る液の水やアルコールでの希釈の有無または程度、精製工程における脱着液の使用量など
により、茶葉減圧乾留液(A) や精製液(B) の色相ないし色調が変化する。
そこで、それらの液中に含まれるフェノール類の濃度(JIS K 0101 22.1.2 、4−アミ
ノアンチピリン吸光光度法による)が0.08 mg/mlになるように水にて濃度調節した状態の
液を、それぞれ茶葉減圧乾留液(A) の標準液、精製液(B) の標準液と称することにする。
「0.08 mg/ml」を基準とする理由は、乾燥茶葉を減圧乾留したときの留出液(水やアルコ
ールなどで希釈しないもの)は、そのフェノール類の濃度がほぼ0.08 mg/mlとなるからで
ある。
(ロビボンド法による指標)
本発明においては、上記の茶葉減圧乾留液(A) および精製液(B) の性状を示す指標とし
て、ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法 2.2.1.1)に基いて20℃でセ
ル光路長40mmの条件下で測定したときの黄色セル、赤色セル、青色セルの観測数値(こ
の順にY、R、Bとする)を用いる。Y、R、Bにより、色相が定量化できるのである。
付言するに、「Y+10R+B」で求められる数値をロビボンド色相値という。
そして、上記の茶葉減圧乾留液(A) の標準液は、ロビボンド法によるY、R、Bがこの
順にY:20〜40(殊に25〜35)、R:3〜10、B:2以下であることが必要で
ある。茶葉減圧乾留液(A) は外観視で透明感ある赤茶色をしているが、かなり濃い色相で
ある。そのことは、上記のように、Yが30前後と高いこと、Rも相応の数値であること
(ロビボンド色相値の求め方である「Y+10R+B」からも理解できるように、Rにつ
いてはこれを10倍しているので色相値に占めるが大きいこと)からもうなずけることで
ある。
一方、その茶葉減圧乾留液(A) 由来の精製液(B) の標準液は、ロビボンド法によるY、
R、Bがこの順にY: 1.2〜10、R: 0.2〜3、B:2以下であることが必要である。
この精製液(B) は外観視で透明感ある淡黄色をしているが、そのことは、Yが相応に高い
こと、RとBは低いことからも納得のいくところである。
これらの茶葉減圧乾留液(A) の標準液と精製液(B) の標準液とを対比したときのY、R
、Bの観測数値の顕著な相違点は、黄色セルの観測数値Yについてである。茶葉減圧乾留
液(A) の標準液のYが20〜40であるのに比し、精製液(B) の標準液のYは 1.2〜10
と小さいもののなおも相応に高い数値となっている。また、赤色セルの観測数値がRにつ
いても、茶葉減圧乾留液(A) の標準液のRが3〜10というような相応の数値であるのに
対し、精製液(B) の標準液のRは 0.2〜3と低い。ロビボンド色相値を求めるにあたって
はRを10倍して算出するが、茶葉減圧乾留液(A) の標準液と精製液(B) の標準液とのY
値の相違はロビボンド色相値に大きな影響を与えている。なお、青色セルの観測数値につ
いては、茶葉減圧乾留液(A) の標準液のBも精製液(B) の標準液のBも小さいので、両者
間の差異にはほとんど影響を与えない。
いずれにせよ、茶葉減圧乾留液(A) の標準液と精製液(B) の標準液とを対比したときの
色相にかかるYおよびRの相違−共通の度合いは、精製液(B) が茶葉減圧乾留液(A) より
生まれたものであることを物語っていると同時に茶葉減圧乾留液(A) とは何かが違うこと
を物語っている。そして、先の[発明の目的]および[発明の効果]の箇所で述べた如き
精製液(B) の性能の特異性を鑑みると、精製液(B) は「青は藍より出でて藍より青し(出
藍の誉れ)」(染めた青色が、原料植物の藍よりも青いこと)といった感がある。
ちなみに、後に実施例の箇所で参考例としてあげたように、特許文献3の方法により取
得した精製液の標準液のY、R、B値は、そのいずれもが1以下(Yが 0.8、Rが 0.1(
10Rで1)、Bが 0.2)であり、外観視では水に近く、かすかな黄色系の着色が見られ
る程度である。従って、特許文献3の方法により取得した精製液は、ロビボンド値からも
精製度が極めて高く十分な精製がなされていることがわかるが、今思えば精製し過ぎであ
るということができる。当時の着眼点は、茶葉減圧乾留液(A) 中に含まれる成分のうち、
有害成分と目される成分を可能な限り除去し、消臭有効成分と目される成分は可能な限り
維持することにあったためであると思われる。
(茶葉減圧乾留液(A) からの精製液(B) の製造法)
上述のロビボンド値(その標準液のロビボンド値)を有する精製液(B) は、
1.茶葉を減圧乾留して得られる上記のロビボンド値(その標準液のロビボンド値)を
有する茶葉減圧乾留液(A) を準備すること、
2.その茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤と接触させることにより、該茶葉減圧乾留液(A)
に含まれている成分のうち該吸着剤に吸着可能な成分をその吸着剤に吸着させる吸着工程
Aを実施すること、および、
3.上記の吸着工程Aを実施した後、その吸着剤を脱着液と接触させる脱着工程Dを実
施すること、
により製造される。なお、上記の吸着工程Aと脱着工程Dとの間に、吸着成分が吸着され
ている吸着剤を水と接触させる水洗工程W(任意工程)を実施することも好ましい。
上記の各工程は、その標準液のロビボンド値Y、R、Bがこの順にY: 1.2〜10、R
: 0.2〜3、B:2以下である精製液(B) が取得できるように留意する。
留意点の1つは、上記の工程Aにおいて用いる吸着剤の選択である。吸着剤としては、
所期の目的を達成できるものであれば種々のものを用いることができ、たとえば、炭素系
吸着剤(活性炭等)、無機質系吸着剤(アルミナ、シリカゲル、ケイソウ土、マグネシア
、フッ素化シリカ、フロリシル等)、合成ポリマー系吸着剤(ポリスチレン系、ポリアミ
ド系、ポリアクリルアミド系、ポリヒドロキシエチルメタクリレート系、ポリビニルアル
コール系、ポリ酢酸ビニル系、ポリアミノ酸系等)、天然物系吸着剤(セルロース系、デ
キストラン系、アガロース系、キトサン系等)などの範疇に属する吸着剤が用いられるが
、最適の吸着剤は活性炭である。特許文献3で用いているオクタデシルシリカゲルは、先
にも述べたように精製過多になるおそれが強いので、使いづらい吸着剤である。
留意点の他の1つは、上記の工程Dにおいて用いる脱着液の組成である。この脱着液と
しては、エタノールと水との重量比が100:0〜10:90のエタノールまたはエタノ
ール水が適当であり、エタノールと水との重量比の好ましい範囲は100:0〜30:7
0、特に95:5〜50:50である。
茶葉減圧乾留液(A) の使用量を10重量部とするとき、吸着剤の使用量はたとえば 0.5
〜1.5 重量部程度、脱着液の使用量はたとえば10重量部前後とするのが効率的であるが
、これらの使用量についてはかなりの自在性がある。
ここで、上記の工程A、Bはカラムを用いて行うことが有利であるが、ブフナー漏斗(
ヌッチェ漏斗)を用いたり、他の適当な装置を用いて行うこともできる。
(用途、特に外用剤の用途)
上記の茶葉減圧乾留液(A) 由来の精製液(B) は、化粧料や医薬部外品(たとえば、シャ
ンプー、ヘアートニック、制汗剤、ハンドクリーナーなど)からなる外用剤に含有させる
用途に好適である。特に、スプレータイプ、粉末型スプレータイプ(つまりパウダースプ
レータイプ)、ロールオンタイプの制汗剤に添加して、その消臭ないしデオドラント機能
を高める使い方が最適である。この精製液(B) を制汗剤に含有させても制汗剤が着色する
わけではなく、また保存期間や流通期間が長くなっても着色がほとんど進行しないからで
ある。制汗剤は、人体に適用するときの部位が襟元(うなじ)や腋の下である上、かつ衣
服にも付着することを免れないので、上記の精製液(B) は制汗剤への添加目的に極めて好
都合である。
上記の茶葉減圧乾留液(A) 由来の精製液(B) は、居室、トイレット、車内、ロッカー、
靴箱、履物などに散布ないしスプレーする消臭剤の主成分または副成分、ペットに対して
散布ないしスプレーする消臭剤の主成分または副成分として有用である。そのほか、食品
や飲料への添加用、ガム等の嗜好品への添加用をはじめとする種々の用途にも使用しうる
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「%」とあるのは重量%である。フ
ェノール類の濃度は、JIS K 0101 22.1.2 、2−アミノアンチピリン吸光光度法により測
定した。
実施例1、参考例1〜2
(茶葉減圧乾留液(A) の準備)
茶の葉部の乾燥物を20mmHgの減圧下に乾留し、180〜200℃で留出する留分を冷
却し、受器に受けることにより、茶葉減圧乾留液を得た。減圧乾留時に茶葉中の水分も一
緒に留出するので、この乾留液は水溶液である。次にこの乾留液をフィルタを通すことに
より濾過して、茶葉減圧乾留液(A) として用いた。この茶葉減圧乾留液(A) 中のフェノー
ル類の濃度は0.08 mg/mlであった。(原料である茶葉は、入手時期や入手先によって多少
の差があるので、茶葉減圧乾留液(A) の色調等には若干のロット差があるが、フェノール
類の濃度は概ね0.08 mg/mlである。)
(吸脱着操作、精製液(B) の取得)
このようにして準備した茶葉減圧乾留液(A) を用いて、次の手順により精製液(B) を取
得した。
1.吸着剤1kgを充填したカラムを準備する。
2.そのカラムに上方から上記の茶葉減圧乾留液(B) 10kgを供給すると共にカラム下
方から流下させる。その間に、減圧乾留液(B) 中の吸着剤に吸着可能な成分が、吸着剤に
吸着される。
3.ついで、カラムの上方から水5kgを供給して流下させることにより、吸着成分が吸
着された吸着剤の水洗を行う(この水洗工程は省略することもできる)。
4.次に、カラムの上方から脱着液10kgを供給して下方に流下させることにより、吸
着剤に吸着されている成分を脱着、溶出させる。これにより、目的とする精製液が取得さ
れる。
上記の脱着液としては、いずれもエタノールと水との重量比が80:20のエタノール
水を用いた。また、上記の吸着剤としては、次の3種を用いた。
・実施例1用:粒状の液相吸着分離用やし殻活性炭
・参考例1用:メタクリル酸エステル系合成吸着剤
・参考例2用:親水性ビニルポリマーを基材とした充填剤
参考例3
なお、参考例3として、特許文献3(オクタデシルシリカゲル系充填剤を使用、吸脱着
層は上記とは異なる)に忠実に従って製造した精製液は、本出願人が以前より製造販売し
ているので、それを参考例3の精製液として用いた。
(ロビボンド法による測定値)
茶葉減圧乾留液(A) 、実施例1の精製液(B) 、比較例1〜2の精製液、比較例3の精製
液について、それらの標準液(フェノール類の濃度が0.08 mg/mlになるように水で濃度調
整したもの)のロビボンド法によるY、R、Bの観測数値を下記に示す。なお、「Y+1
0R+B」により求められるロビボンド色相値も付記した。
[表1]

Y R B ロビボンド色相値
茶葉減圧乾留液(A) Lot 1 30.0 6.2 0.5 92.5
Lot 2 30.0 7.0 1.0 101.0
Lot 3 30.0 5.6 0.4 86.4
実施例1の精製液(B) Lot 1 4.0 1.0 0.5 14.5
Lot 2 2.5 0.6 0.4 8.9
Lot 3 3.0 0.9 0.4 12.4
参考例1の精製液 10.0 0.1 0.2 11.2
参考例2の精製液 20.0 2.3 0.5 43.5
参考例3の精製液 0.8 0.1 0.2 2.0
(HPLCによるクロマトグラム)
図1〜5は、この順に、上記の表1の茶葉減圧乾留液(A) のLot 1 、実施例1の精製液
(B) のLot 1 、参考例1の精製液、参考例2の精製液、参考例3の精製液のHPLC(高
速液体クロマトグラフィー)によるクロマトグラムである。分析条件は下記に示す。分析
レポートは株式会社島津製作所の「LCsolution」による。
・分析装置
島津プロミネンスUFLC
・カラム、充填剤
インタクト株式会社製のHPLCカラム「Cadenza 5CD-C18 、5 μm 、120 A 」
(カラム:内径6mmφ、長さ150mm/充填剤:オクタデシルシリカゲル系、粒子径
5μm 、細孔径12nm(120Å)、固定相:オクタデシル基)
・キャリヤ液
酢酸/アセトニトリル/N,N−ジメチルホルムアミド/水の混合割合が3/1/1
5/81の混合液
・検出機
UV 280nm
・流量
0.8ml/min
・サンプル注入量
10%水溶液として10μl
茶葉減圧乾留液(A) のクロマトグラムを基準にすると、実施例1の精製液(B) はピーク
の形状や数が比較的似ているが、小さなピークが減少しているようである。
参考例1および参考例2の精製液は、茶葉減圧乾留液(A) のピークに比し、ピークが全
体的に低くなっており、また小さなピークが減少しているようである。
ところが、参考例3の精製液は、茶葉減圧乾留液(A) 、実施例1および参考例1〜2の
クロマトグラフとの対比で、ピーク数が極端に減少していることがわかる。
(消臭試験)
−供試品−
茶葉減圧乾留液(A) 、その茶葉減圧乾留液(A) を用いて実施例1の方法により得た精製
液(B) 、特許文献3の方法により得た精製液につき、消臭試験を行った。なお、参考例 1
、2により得た精製液は、消臭性の点では実施例1の精製液(B) に匹敵する可能性もある
が、先の表1のように参考例 1、2の精製液は色調が濃いめであるため「制汗剤」の用途
に用いるにはためらいがあり、消臭試験は行っていない。
−試験方法−
100mlガラスバイアル瓶に上記の供試品1gを入れ、さらに臭気成分として下記のも
のを注入して密閉し、1時間ごとに残留ガス濃度を機器分析にて測定した。
対照には、80%エタノール水(エタノール80%−水20重量%)を使用した。
−結果−
消臭試験の結果を、下記の表2〜6に示す。
[表2]

[1%−トリメチルアミン水 50μl ]
ピーク面積 除去率
空試験 43154 −
対照 7056 −
茶葉減圧乾留液(A) 168 97.6 %
その精製液(B) 353 95.0 %
特許文献3の精製液 2407 65.9 %
[表3]

[ 2.8%−アンモニア水 10μl ]
ピーク面積 除去率
空試験 1.023 Abs.
対照 0.320 Abs. −
茶葉減圧乾留液(A) 0.065 Abs. 79.7 %
その精製液(B) 0.094 Abs. 70.6 %
特許文献3の精製液 0.289 Abs. 9.7 %
[表4]

[硫化水素ガス 20μl ]
ピーク面積 除去率
空試験 3332759 −
対照 2149626 −
茶葉減圧乾留液(A) 519842 75.8 %
その精製液(B) 1342780 37.5 %
特許文献3の精製液 1414419 34.2 %
[表5]

[ 0.3%−メチルメルカプタンNa塩の水溶液10μl ]
ピーク面積 除去率
空試験 301872 −
対照 186466 −
茶葉減圧乾留液(A) 105431 43.5 %
その精製液(B) 143253 23.2 %
特許文献3の精製液 147452 20.9 %
[表6]

[イソ吉草酸 5μl ]
ピーク面積 除去率
空試験 65025 −
対照 4966 −
茶葉減圧乾留液(A) 3008 39.4 %
その精製液(B) 1905 61.6 %
特許文献3の精製液 3853 22.4 %
(解析)
上記の表2〜3から、トリメチルアミン、アンモニアに対しては、精製液(B) は茶葉減
圧乾留液(A) に匹敵する高い除去率が得られ、一方特許文献3の精製液は除去率がかなり
低いという結果が得られた。このことは、精製液(B) はN系の臭気に対しては、茶葉減圧
乾留液(A) の良さをそのまま受け継いでいることを示している。
上記の表4〜5から、硫化水素やメチルメルカプタンのようなS系臭については、精製
液(B) は特許文献3の精製液よりは少し高い除去率を示すものの、茶葉減圧乾留液(A) の
場合に比しては除去率が低かった。このことは、ある程度は着色やにおいに関連する成分
を残しておく方が、S系臭の低減にプラスに作用することを示している。
そして上記の表6から、腋臭や足臭の原因物質であるイソ吉草酸に対しては、精製液(B
) は茶葉減圧乾留液(A) よりもずっと除去率が高いという意外な事実が判明した。このこ
とは、精製液(B) にあっては、茶葉減圧乾留液(A) とは液中の成分の種類やバランスが変
化し、液の性質も変化した結果、予期しえない作用効果が発揮されたものと思われる。
(制汗剤の処方例)
各種制汗剤の処方例を下記の表7〜8に示す。
[表7]

[ロールオン状制汗剤の処方例]
0〜30wt% 制汗剤(クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン
酸亜鉛、ミョウバンなど)
0〜 1wt% 殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、
トリクロサンなど)
1〜 5wt% 精製液(B)
0〜90wt% エタノール
0〜30wt% 水
0〜10wt% 香料、湿潤剤、pH調整剤、感触向上剤、その他の成分
[表8]

[ミスト状制汗剤の処方例]
0〜 5wt% 制汗剤(クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン
酸亜鉛、ミョウバンなど)
0〜 1wt% 殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、
トリクロサンなど)
1〜 5wt% 精製液(B)
0〜70wt% エタノール
0〜60wt% 水
0〜10wt% 香料、湿潤剤、pH調整剤、感触向上剤、その他の成分
(外観変化)
実施例1の方法により得た精製液(B) を添加した制汗剤の経時的な外観変化と、参考例
3(特許文献3の方法により得た精製液)を添加した制汗剤の経時的な外観変化との対比
を、下記の表9に示す。
[表9]

[ΔE * (初期色値(L * ,a * ,b * )との差]
室温での保存期間
初 期 1ケ月 3ケ月 6ケ月
実施例1 0 0.4 0.5 0.4
参考例3 0 1.4 2.4 2.6
参考例3の精製液は、その外観からも、また先に述べた表1のロビボンド値からも、着
色の度合いが小さい(外観が水に近い)にもかかわらず、この表9によれば、経時的な着
色がむしろ実施例1の精製液(B) よりも大きいことがわかる。このことは、着色している
から有害ないし不要成分であり、そのような成分を除去すれば性能が向上するという直感
的な論理が当らないことがあることを物語っている。
茶葉減圧乾留液(A) から製造される本発明の精製液(B) は、化粧料または医薬部外品か
らなる外用剤(特に制汗剤)に含有させる添加剤として有用である。そのほかにも、消臭
性が要求される各種の用途に用いることができる。
表1の茶葉減圧乾留液(A) Lot 1 のHPLCによるクロマトグラムである。 表1の実施例1の精製液(B) Lot 1 のHPLCによるクロマトグラムである。 表1の参考例1の精製液のHPLCによるクロマトグラムである。 表1の参考例2の精製液のHPLCによるクロマトグラムである。 表1の参考例3の精製液のHPLCによるクロマトグラムである。

Claims (6)

  1. 茶葉を減圧乾留して得られる茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着することによ
    り精製処理した精製液(B) であって、
    それらの液中に含まれるフェノール類の濃度(JIS K 0101 22.1.2 、4−アミノアンチ
    ピリン吸光光度法による)が0.08 mg/mlになるように水にて濃度調節した状態の液を、そ
    れぞれ茶葉減圧乾留液(A) の標準液、精製液(B) の標準液とし、かつ、
    ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法 2.2.1.1)に基いて20℃でセル
    光路長40mmの条件下で測定したときの黄色セル、赤色セル、青色セルの観測数値をそれ
    ぞれY、R、Bとするとき、
    前記の茶葉減圧乾留液(A) の標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY:2
    0〜40、R:3〜10、B:2以下であること、および、
    前記の精製液(B) の標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY: 1.2〜10
    、R: 0.2〜3、B:2以下であること、
    を特徴とする茶葉減圧乾留液由来の精製液。
  2. 茶葉を減圧乾留して得られる茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤を用いて吸脱着することによ
    り精製処理した精製液(B) を得る方法であって、
    それらの液中に含まれるフェノール類の濃度(JIS K 0101 22.1.2 、4−アミノアンチ
    ピリン吸光光度法による)が0.08 mg/mlになるように水にて濃度調節した状態の液を、そ
    れぞれ茶葉減圧乾留液(A) の標準液、精製液(B) の標準液とし、かつ、
    ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法 2.2.1.1)に基いて20℃でセル
    光路長40mmの条件下で測定したときの黄色セル、赤色セル、青色セルの観測数値をそれ
    ぞれY、R、Bとするとき、
    前記の茶葉減圧乾留液(A) として、その標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの
    順にY:20〜40、R:3〜10、B:2以下であるものを準備すること、および、
    その茶葉減圧乾留液(A) を吸着剤と接触させることにより、該茶葉減圧乾留液(A) に含
    まれている成分のうち該吸着剤に吸着可能な成分をその吸着剤に吸着させる吸着工程Aを
    実施すること、および、
    上記の吸着工程Aを実施した後、その吸着剤を脱着液と接触させる脱着工程Dを実施す
    ることにより、その標準液のロビボンド法によるY、R、Bがこの順にY: 1.2〜10、
    R: 0.2〜3、B:2以下である精製液(B) を得ること、
    を特徴とする茶葉減圧乾留液由来の精製液の製造法。
  3. 前記の吸着剤が活性炭であることを特徴とする請求項2記載の製造法。
  4. 前記の脱着液が、エタノールと水との重量比が100:0〜10:90のエタノールま
    たはエタノール水であることを特徴とする請求項2または3記載の製造法。
  5. 請求項1の精製液(B) を化粧料または医薬部外品からなる外用剤に含有させてなる外用
    剤。
  6. 外用剤が制汗剤である請求項5記載の外用剤。
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