JP2011098472A - 黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置 - Google Patents

黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軟質な黒鉛粉を基材に圧着させるにあたり、新たな工程を必要とせず、かつ、圧着させる黒鉛粉のロスが少なく、黒鉛粉が基材から剥がれにくい黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置を提供することを主な課題とする。
【解決手段】本発明の黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置は、基材の両面に黒鉛が圧着した黒鉛圧着材の製造方法であって、ロール表面に黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって前記基材に冷間圧延を施すことで上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、基材の両面に黒鉛が圧着した黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置に関し、詳細には、燃料電池やLiイオン電池等の各種電池に用いられる集電材料(セパレータ、電極、集電体等の集電機能を有する集電部材の材料)として利用可能な黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置に関する。
燃料電池用のセパレータは、燃料電池を構成する主要部材の一つであり、反応ガスを供給・排出する流路としての役割だけでなく、化学反応により発生した電子を集電する役割、隣り合うセル間の電気的コネクターとしての役割等も担う部材である。したがって、セパレータには、接触抵抗(接触面で生じる抵抗であり、ここでは、電極とセパレータの接触面での抵抗を指す)が低く、導電性が高いという特性が要求される。また、これらの特性が長期間維持される必要がある。さらに、燃料電池の内部は酸性雰囲気であるため、セパレータには高耐食性が要求される。加えて、セパレータ表面に流路を形成する必要があるため、成形加工性が要求される。
一方、Liイオン電池の集電体も、発生した電流をLiイオン電池外部に取り出す役割、正極および負極活物質と集電体の間でイオンを移動させる役割等があるため、燃料電池のセパレータと同様、接触抵抗(ここでは、集電体と活物質の接触面での抵抗を指す)が低く、導電性が高いという特性が要求され、かつ、これらの特性が長期間維持される必要がある。さらに、Liイオン電池の内部は酸性雰囲気であるため、集電体には高耐食性が要求される。加えて、集電体を含めた電極材料は小さく折り曲げられて使用するため、成形加工性が要求される。
これら前記した全ての要求を満たすため、耐食性に優れた金属を基材として用いた集電材料が種々提案されている。ここで、チタン、ステンレス、アルミニウム合金、銅等の金属は、表面に形成される酸化皮膜(不動態皮膜、自然酸化皮膜を含む)によって耐食性を向上させるが、酸化皮膜は、同時に、接触抵抗の増加・導電性の低下を引き起こしてしまう。よって、これらの金属を集電材料として使用するために、金属表面に導電性の高い黒鉛粉を付着させることにより、接触抵抗の低下、導電性の向上を図っている。
この様な事情により、基材に黒鉛粉を付着させる方法について、従来から以下の様な種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1、2には、黒鉛粉末を塗料に分散させ、その塗料を基材表面に塗布し、その後、焼き付けするという方法が開示されている。なお、塗料とは異なるが、めっき液に黒鉛粉を分散させ、基材にめっき処理を施し、基材表面に黒鉛粉を付着させるという方法も存在する。
また、特許文献3、4には、基材表面に硬質微粒子を投射(ショットブラスト)し、硬質粒子を基材表面に埋め込むという方法が開示されている。
さらに、特許文献5には、黒鉛粒子を付着させた布又は布を巻きつけたロールをステンレス鋼基材に擦り付けることで、黒鉛粒子を基材に付着させ、その後、圧延圧着させる方法が開示されている。
特公平5-57031号公報(第3頁右欄実施例参照) 特許第3904696号公報(段落0007、0011参照) 特開2007−5112号公報(段落0055参照) 特開2001−357862号公報(段落0046参照) 特許第3904690号公報(段落0009参照)
しかしながら、特許文献1〜5の方法では、黒鉛粉を基材に付着させるために、新たな工程が必要となり、生産性を悪化させるという問題点が存在していた。
また、特許文献1、2の方法では、塗布後の加熱処理により、密着性の向上に寄与していたと考えられる塗料が分解・消失し、黒鉛粉と基材の密着性が確保できず、基材を成形加工する際に黒鉛粉が基材から剥がれるという問題があった。
特許文献3、4の方法では、軟質な微粒子は基材に衝突した際に、基材は変形せずに微粒子自体が変形して基材に食い込むことがないため、軟質な黒鉛粉等の粉末を基材に埋め込むことが出来なかった。
特許文献5の方法では、擦り付ける際に多くの黒鉛粉が飛散するため歩留まりが悪かった。また、基材に厚く黒鉛粉を擦り付けることが出来ないため、厚い黒鉛層を形成させることが出来なかった。
そこで、本発明の課題は、黒鉛粉を基材に圧着させるにあたり、新たな工程を必要とせず、かつ、圧着させる黒鉛粉のロスが少なく、基材の両面に黒鉛粉が圧着した黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法は、基材の両面に黒鉛が圧着した黒鉛圧着材の製造方法であって、ロール表面に黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって前記基材に冷間圧延を施す圧延圧着工程を含むことを特徴とする。
前記構成によれば、黒鉛粉の付着と圧着を同時にできるので、付着した黒鉛粉が基材の裏面から脱落してしまうのを防止することができる。また、熱間圧延ではなく冷間圧延を施しながら黒鉛を圧着することにより、酸化膜が基材表面に形成するのを抑制できるため、密着性が向上する。加えて、通常、金属等の基材を成形するために行われる冷間圧延工程において、黒鉛粉を基材の両面に圧着させることができるため、新たな工程を必要とせず生産性に非常に優れている。
上記黒鉛圧着材の製造方法は、前記1対のワークロールのうちの一方のワークロールに当接するバックアップロールと、他方のワークロールに当接するバックアップロールとの双方のロール表面に前記黒鉛粉を供給する供給工程をさらに含むことが好ましい。
前記構成によれば、圧延機の圧延ロールに黒鉛粉を付着させてから、ワークロールにより基材に黒鉛粉を圧着させているので、黒鉛粉が固体潤滑剤の役割を果たし、かつ、粉末を投射する方法とは異なり、黒鉛粉のロスが少なく、さらに、軟質の黒鉛粉でも問題なく使用できる。
上記黒鉛圧着材の製造方法は、前記圧延圧着工程の後に、前記圧延圧着工程を含む前記圧延圧着工程以降の基材の総圧下率が20%以上となるように、さらに前記基材に冷間圧延を施す追加圧延工程を含むことが好ましい。
前記構成によれば、基材の総圧下率を所定以上として当該基材に黒鉛粉を強く圧着させることにより、基材と黒鉛粉の密着性を向上させることができ、基材を加工する際に黒鉛粉が基材から剥がれにくくなる。
上記黒鉛圧着材の製造方法は、前記追加圧延工程の後に、300〜800℃の温度で前記基材に熱処理を施す熱処理工程をさらに含むことが好ましい。
前記構成によれば、熱処理を施すことにより、黒鉛粉と基材の相互拡散(互いに異なる物質が相互に拡散する状態)等が起こるため、さらに基材と黒鉛粉の密着性を向上させることができる。
上記黒鉛圧着材の製造方法は、前記基材が、チタン、ステンレス、アルミニウム合金、又は銅合金のいずれかであり、前記基材が、電池の集電材料として用いられることが好ましい。
前記構成によれば、電池の集電材料に黒鉛粉を圧着させることができる。
本発明に係る黒鉛圧着装置は、基材を圧延して前記基材の両面に黒鉛粉を圧着する黒鉛圧着装置であって、ロール表面に前記黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって前記基材を圧延する冷間圧延機と、前記1対のワークロールのうちの一方のワークロールに当接するバックアップロールと、他方のワークロールに当接するバックアップロールとの双方のロール表面に前記黒鉛粉を供給する供給機構と、を備えることを特徴とする。
前記構成によれば、通常、金属等の基材を成形するために行われる冷間圧延機により黒鉛粉を圧着させることができるため、新たな装置を必要としない。また、圧延機の圧延ロールに黒鉛粉を付着させてから、ワークロールにより基材に黒鉛粉を圧着させているので、黒鉛粉が固体潤滑剤の役割も果たし、かつ、粉末を投射する方法とは異なり、黒鉛粉のロスが少なく、さらに、軟質の黒鉛粉でも問題なく使用できる。
本発明によれば、黒鉛粉を基材に圧着させるにあたり、新たな工程を必要とせず、通常行われる冷間圧延工程内で黒鉛粉を基材の両面に圧着させることが可能となる。よって、本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置は、非常に生産性が優れるという効果をもたらす。
また、本発明によれば、圧着させる黒鉛粉のロスが少なく、軟質の黒鉛粉等でも問題なく使用できる。
さらに、本発明によれば、基材と黒鉛粉の密着性を向上させることができ、基材を加工する際に黒鉛粉が基材から剥がれにくくなる。
実施形態に係る黒鉛粉を圧着させる工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(d)は実施形態に係る黒鉛粉を圧着させる工程において黒鉛粉が基材に圧着する際の模式図である。 実施形態に係る黒鉛圧着材の製造工程で用いる黒鉛圧着装置を模式的に示す斜視図(a)と、模式的に示す側面図(b)である。 密着性試験で用いられる密着性試験装置の説明図である。
次に、図面を参照して本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置について詳細に説明する。
[黒鉛圧着装置]
まず、本発明で使用する黒鉛圧着装置の一実施形態を、図3を用いて説明する。
黒鉛圧着装置31は、圧延機32、黒鉛粉23を供給する機構33、33(以下「供給機構」とする)、及びカバー36、36、36、36からなる。
圧延機32は、通常の冷間圧延もしくは冷間箔圧延に使用されているものを使用すれば良い。本実施形態では、圧延機32は、圧延対象となる基材21を直接押圧する少なくとも一対のワークロール34、34と、ワークロール34、34とそれぞれ外側で当接する一対のバックアップロール35、35を有している。なお、圧延機32に設けられている全てのロール34、34、35、35(以下「圧延ロール」とする)の材質、形状(直径、幅)、表面仕上げ(粗さ、硬度)等は特に限定されない。
供給機構33、33は、バックアップロール35、35に黒鉛粉23を供給するためのものである。この供給機構33、33によってバックアップロール35、35に供給された黒鉛粉23は、圧延ロール34、34、35、35の回転に伴ってワークロール34、34に移行し、ワークロール34、34が基材21を圧延することにより、基材21の両面に付着する。供給機構33、33の構成は特に限定されるものではないが、基材21への黒鉛粉23の圧着量の均一性を向上させるために、一定量の割合(特に幅方向)で供給することが可能な機構であることが好ましい。
供給機構33、33は、例えば図3に示すように、バックアップロール35、35の軸長と同等以上の幅を有する傾斜させて設置した供給トレーに黒鉛粉23を載せ、バックアップロール35、35の上方で、その供給トレーを振動機構(図示せず)により一定の速度で微細に振動させて、供給トレーの端からバックアップロール35、35に一定量の割合で黒鉛粉23を振りかけるといった機構で構成することができる。
また、細かい目のふるいに黒鉛粉23を載せ、バックアップロール35、35上方で、そのふるいを振動機構により一定の速度で微細に振動させて、ふるいから一定量の割合で黒鉛粉23を振りかけるといった機構でもよい。供給機構33、33が、黒鉛粉23を供給する圧延ロール34、34、35、35については、特に限定されるものではなく、供給機構33、33の装置構成ならびに圧延ロール34、34、35、35の本数、形状、配置等によって、最も供給し易いロール(複数本でも可)に黒鉛粉23を供給する構造となっていればよい。
なお、圧延ロール34、34、35、35のいずれか1本に供給する構造となっていれば、黒鉛粉23が上下のワークロール34、34に問題なく供給されるが、基材21の両面での圧着の均一性確保のため、上下の対応するロールに黒鉛粉23を供給する構造となっていることが好ましい。
カバー36、36、36、36は、基材21の表面を覆う部材であり、圧延前の基材21の上面および下面と圧延後の基材21の上面および下面の全てを覆うことができるように4つの板状部材で構成されている。このカバー36、36、36、36は、基材21よりも上方の供給機構33、バックアップロール35、およびワークロール34から基材21に黒鉛粉23がこぼれ落ちたり、基材21よりも下方の供給機構33、バックアップロール35、およびワークロール34から、黒鉛粉23が巻き上がったりすることにより、ワークロール34、34により圧着する黒鉛粉23以外の黒鉛粉23が基材21に付着することを防止する。このカバー36、36、36、36は、基材21の幅より広く、かつバックアップロール35、35の軸長と同等以上の大きさで形成されている。そして、カバー36、36、36、36は、図3(b)に示すように、その端部がバックアップロール35、35の外径より内側に入り込んだ位置で、ワークロール34、34に近接して接触しない位置まで左右から配置されている。
なお、基材21の上方に位置するカバー36、36については、幅方向中央部を高く、幅方向端部を低くするような断面山型の傾斜を設け(図示せず)、かつ、カバー36、36の幅方向の端部に黒鉛粉回収機構を設ける(図示せず)ことにより、黒鉛粉23のロスを少なくすることができる。または、カバー36、36のワークロール34、34に近接した端部を高く、ワークロール34、34から遠い端部を低く設置し、かつ、ワークロール34、34から遠い端部に黒鉛粉回収機構を設けても(図示せず)同様の効果が得られる。さらに、カバー36、36、36、36の材質・形状(幅、長さ)等については特に限定されない。
黒鉛圧着装置31のハウジング(黒鉛圧着装置31全体を覆う箱、図示せず)の密閉性を向上させるために、ハウジングの板の接合部分にシールをすることが好ましい。これにより、黒鉛粉23の飛散や他の機械要素部位への混入を防ぎ、他の装置への悪影響を抑えることが出来る。また、圧延ロール34、34、35、35の軸を受けるベアリング(図示せず)のコロが回動する部分への黒鉛粉23の侵入を防ぐために、ベアリングの軸方向側面にシールをすることが好ましい。さらに、黒鉛圧着装置31のハウジング内の底部に黒鉛粉回収機構を設け(図示せず)、黒鉛粉23を再利用出来るようにすることが好ましい。これにより、黒鉛粉23のロスを少なくすることが出来る。
実施形態に係る基材21に黒鉛粉23を圧着する工程を複数回行う場合は、黒鉛圧着装置31を複数台用意し、並べて使用してもよいし、1台の黒鉛圧着装置31で繰り返し基材21に黒鉛粉23を圧着させてもよい。なお、基材21に黒鉛粉23を圧着する工程の後、通常の冷間圧延を行う場合、黒鉛粉23を圧着する工程で使用する黒鉛圧着装置31の圧延機32と、通常の冷間圧延で使用する圧延機は、別のものであってもよいし、同じものであってもよい。ただし、黒鉛粉23を圧着する工程で使用する圧延機32と同じ圧延機で通常の冷間圧延を行う場合は、冷間圧延を行う前に、圧延ロール34、34、35、35に付着している黒鉛粉23を取り除かなければ、冷間圧延の工程で、基材21に黒鉛粉23が圧着することになる。よって、黒鉛層を薄くしたい場合は、通常の冷間圧延を行う前に、圧延ロール34、34、35、35に付着した黒鉛粉23をエアーで吹き飛ばす等の方法で除去する。
なお、ワークロール34、34は基材21に比べて剛性が高く且つ変形応力が高いため黒鉛粉23が付着したワークロール34、34が基材21を圧延する際に、基材21の変形に伴いワークロール34、34上の黒鉛粉23の大部分は基材21に移行し、基材21上に圧着される。
[基材]
次に、本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置で使用する基材について説明する。
本発明は、冷間圧延加工可能な基材であればどの様な基材にも(金属だけでなく樹脂等にも)適用可能である。ただし、燃料電池のセパレータやLiイオン電池の集電体として使用するためには、耐食性、導電性、強度、成形加工性が必要であるため、チタン、ステンレス、アルミニウム、銅等の純金属又は合金からなる金属基材が好ましい。
これらの基材は、例えば、原料金属を溶解、鋳造して鋳塊とし、熱間圧延した後、冷間圧延を施す、といった公知の方法で作製されたものを使用する。基材の種類は、材料の費用や使用環境等によって選択すれば良い。
チタンを基材として使用する場合は、特定の組成のチタンに限定されるものではないが、冷間圧延のし易さや、その後のプレス成形性確保の観点から、O:0.15質量%以下(より好ましくは0.1質量%以下)、Fe:0.15質量%以下(より好ましくは0.1質量%以下)、C:0.08質量%以下、N:0.03質量%以下、H:0.013質量%以下であり、残部がTiおよび不可避的不純物からなるものを使用することが好ましい。例えば、JIS H 4600に規定される1種のチタン板(冷間圧延仕上げ)を使用することができる。また、チタンを基材として用いる場合の基材の板厚は、0.1〜1.0mmが好ましい。なお、素材の最終仕上げ状態は特に規定するものではないが、一般的な焼鈍+酸洗仕上げ、もしくは真空熱処理仕上げ(バッチもしくは連続炉のどちらでも可)を行えば良い。
チタンは、高い耐食性を有しているため、酸性雰囲気下において黒鉛粉に被覆されてない箇所(チタンが露出している箇所)からのチタンの溶出を防ぐことができ、かつ、強度や靱性に優れている。よって、チタンは燃料電池のセパレータの基材としての使用に適している。さらに、チタンは軽量であるため、特に自動車用燃料電池用途としての使用に適している。
ステンレスを基材として使用する場合は、特定の組成のステンレスに限定されるものではないが、耐食性や冷間圧延のし易さ、ならびにプレス成形性の観点から、JIS G 4303に規定されるステンレス鋼板SUS304、SUS316を使用することが好ましい。最終仕上げ状態は特に規定するものではないが、一般の光輝焼鈍仕上げの材料を使用すれば良い。
アルミニウム合金を基材として使用する場合は、特定の組成のアルミニウム合金板(もしくは箔)に限定されるものではないが、耐食性や冷間圧延のし易さ、ならびにプレス成形性の観点から、JIS H 4000に規定されるアルミニウム合金板1000系(工業用純アルミニウム、例えばA1050、A1100、A1N01)、3000系(Al−Mn系アルミニウム、例えばA3003、A3004)、5000系(Al−Mg系アルミニウム、例えばA5052)を使用することが好ましい。最終仕上げ状態は特に規定するものではないが、一般の焼鈍仕上げを行えば良い。
銅合金を基材として使用する場合は、特定の組成の銅合金板(もしくは箔)に限定されるものではないが、冷間圧延のし易さ、ならびにプレス成形性の観点から、無酸素銅が好ましい。最終仕上げ状態は特に規定するものではないが、一般の焼鈍仕上げを行えば良い。
[黒鉛粉]
次に、本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置で使用する黒鉛粉について説明する。
黒鉛粉は、導電性、耐食性に優れるため、基材の表面に黒鉛粉を圧着させることで、燃料電池セパレータ、Liイオン電池の集電体の導電性、耐食性が向上する。黒鉛粉は、特に限定されるものではないが、純度が高いほど上記特性が優れているという観点、および、塗布し易くする観点から、例えば、純度が3N以上、好ましくは4N以上で平均粒径が2〜100μmのものを使用するのが好ましい。黒鉛粉の平均粒径が100μmを超えると、自重が大きくなりワークロールに付着し難くなるためである。なお、黒鉛粉は、他の物質とは混合させず、黒鉛のみからなるものを用いてもよいし、必要に応じて他の物質を添加してもよい。
本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法を、[圧延ロールへの黒鉛粉の供給工程]、[圧延圧着工程]、[熱処理工程]という順に以下に説明する。
[圧延ロールへの黒鉛粉の供給工程]
まず、圧延ロールへの黒鉛粉の供給工程を、図3を用いて説明する。
はじめに、圧延機32の圧延ロール34、34、35、35に黒鉛粉23を一定の割合で供給する。ワークロール34、34の表面が黒鉛粉23で均一に覆われる程度の量を供給することが好ましい。黒鉛粉23を供給する圧延ロール34、34、35、35は特に限定されるものではなく、最も供給し易いロール(複数本でも可)に黒鉛粉23を供給すれば良い。
なお、すべてのワークロール34、34ならびにバックアップロール35、35は、いずれかのロールを介して表面が接しているので、いずれか1本に黒鉛粉23を供給すれば必ず上下のワークロール34、34に黒鉛粉23が供給される。ただし、基材21の両面での圧着の均一性を確保するためには、上下の対応する圧延ロールそれぞれに同じ割合で黒鉛粉23を供給することが好ましい。
また、供給機構33、33からワークロール34、34に直接黒鉛粉23を供給してもよいが、基材21に均一に黒鉛粉23を圧着させるためには、供給機構33、33からバックアップロール35、35に黒鉛粉23を供給する方がよい。これは、バックアップロール35、35の方がワークロール34、34よりも径が大きいために、バックアップロール35、35に黒鉛粉23を安定して均一に供給できるからである。
基材21への黒鉛粉23の圧着量の均一性を向上させるために、一定量の割合(特に幅方向)でワークロール34、34に黒鉛粉23が付着するまで、基材21を通すことなく黒鉛粉23を供給して圧延ロール34、34、35、35を回転させるのが好ましい。あるいは、基材21のダミーとなる部分を圧延してから前記した黒鉛粉23が付着したワークロール34、34の状態を準備してもよい。
圧延ロール34、34、35、35に黒鉛粉23が付着するのは、圧延ロール34、34、35、35の表面に吸着している水分に黒鉛粉23が吸い寄せられる、又は静電気により圧延ロール34、34、35、35に黒鉛粉23が吸い寄せられるためであると推測される。
圧延ロール34、34、35、35への黒鉛粉23の供給工程では、圧延ロール34、34、35、35に潤滑油は塗布しなくてもよい。圧延機32に供給した黒鉛粉23が固体潤滑剤の役割を担うため、潤滑油を用いなくても焼付きを起こすことなく冷間圧延を継続的に実施することができるからである。
[圧延圧着工程]
次に、基材に黒鉛粉を圧着させる工程を、図1、図3を用いて以下に説明する。
圧延ロール34、34、35、35への黒鉛粉23の供給工程において、黒鉛粉23が均一に付着したワークロール34、34が、基材21を圧延しながら、基材21の両面に黒鉛粉23を圧着させる(以下「圧延圧着工程」とする)。基材21の圧下率1%(圧下率={(処理工程前の対象物の厚さ)−(処理工程後の対象物の厚さ)}/(処理工程前の対象物の厚さ)×100)以上の圧延を行えば、黒鉛粉23は基材21に圧着する。
本発明に係る圧延圧着工程の特徴を、以下に説明する。
通常、金属等の基材21を成形するために1回(図1のa)又は複数回(図1のb)の冷間圧延(対象物の予備加熱を伴わない温度で行う圧延)が施される。本発明の圧延圧着工程は、この冷間圧延の工程(S1、S11〜S1n)において、基材21を圧延するのと同時に基材21に黒鉛粉23を圧着させることを特徴とする。この圧延圧着工程は、冷間圧延工程(S1、S11〜S1n)の最低1工程以上において行えばよい。
黒鉛粉23を基材21の両面に厚く圧着させたい場合は、圧延圧着工程の回数を多くする(又はワークロール34、34に付着させる黒鉛粉23の量を多くする)ことで達成できる。具体的には、複数の冷間圧延工程(S11〜S1n)の全ての工程において、供給機構33、33により黒鉛粉23を供給し、基材21に黒鉛粉23を圧着させればよい。一方、黒鉛粉23を基材21の両面に薄く圧着させたい場合は、圧延圧着工程の回数を少なくする(又はワークロール34、34に付着させる黒鉛粉23の量を少なくする)ことで達成できる。具体的には、冷間圧延工程の1工程のみにおいて、供給機構33、33により黒鉛粉23を供給し、基材21に黒鉛粉23を圧着させればよい。
つまり、本発明によれば、冷間圧延工程毎に黒鉛粉23を供給するか否かを制御できるため、基材21に圧着させる黒鉛粉23の厚さを制御することができる。加えて、基材21に圧着させる対象が粉末状であること、ならびに段階的に(複数の工程において)基材21に黒鉛粉23を圧着させることができることから、本発明によれば、基材21上に形成される黒鉛粉23の層(以下「黒鉛層」とする。)に割れを生じさせることなく黒鉛層を形成できる。
また、圧延圧着工程の数を多く(又は基材21の圧下率を高く)することにより、基材21両面に圧着した黒鉛粉23の密着性を向上させることができる。密着性が高くなる原理を、図2、図3を用いて以下に説明する。
チタン、ステンレス、アルミニウム、銅等の純金属又は合金からなる金属基材は、基材21の両面に酸化皮膜22を有している(図2の(a))。この基材21に対し、何度も冷間圧延(圧延圧着工程)を施すことによって、黒鉛層の下に存在している酸化皮膜22が延ばされ、かつ分断されることにより酸化皮膜22に覆われていない金属(基材21の金属部)が露出する(図2の(c))。この露出した基材21の金属と黒鉛粉23が直接接触することにより、酸化皮膜22を介して黒鉛粉23と基材21が圧着していた場合と比べ、強く圧着することになる。冷間圧延(圧延圧着工程)の回数を増やしてトータルの基材21の圧下率が大きくなるに伴い、黒鉛層と金属の直接接触部の面積率が急速に増加するため、急速に密着性が向上する。なお、基材21と黒鉛粉23の十分な密着性を得るためには、基材21の圧下率(圧延圧着工程でのトータルの基材21の圧下率)が20%以上となるまで冷間圧延(圧延圧着工程)を施すのが好ましい。より好ましくは、基材21の圧下率が30%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上となるまで冷間圧延(圧延圧着工程)を施す。
圧延圧着工程後に、通常の冷間圧延(通常圧延工程。基材21に黒鉛粉23を圧着させない。)を施しても基材21と黒鉛粉23の密着性は向上する。なお、何度も通常の冷間圧延を施すことによって、基材21の表面に黒鉛粉23に覆われていない微細な箇所が分散して、又は斑状に形成されるが、その箇所には直ちに新たな酸化皮膜22が形成される。よって、基材21の耐食性については担保される。なお、圧延圧着工程後に、通常の冷間圧延を施す場合についても、基材21と黒鉛粉23の十分な密着性を得るためには、基材21の圧下率(圧延圧着工程、及びその後の通常の冷間圧延工程でのトータルの基材21の圧下率)が20%以上となるまで冷間圧延を施すのが好ましい。より好ましくは、基材21の圧下率が30%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上となるまで冷間圧延を施す。
なお、露出した金属と黒鉛層が直接接触することにより強く圧着するという効果を得るためには、圧延圧着工程の後に、上述した追加の圧延圧着工程や通常圧延工程などの追加圧延工程を適宜行うことにより、基材21の圧下率(最初の圧延圧着工程、及びその後の追加圧延工程によるトータルの基材の圧下率)が20%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上となるように圧延を実施すればよい。この場合、追加圧延工程として、追加の圧延圧着工程と通常圧延工程とを組み合わせて実施してもよい。
[熱処理工程]
最後に、黒鉛粉が圧着した基材を熱処理する工程を、以下に説明する。
圧延圧着工程後、又は圧延圧着工程後に行った通常の冷間圧延工程(基材21に黒鉛粉23を圧着させない)後、基材21に対し熱処理を施す(S2)。この熱処理を行うことにより、基材21と黒鉛粉23の密着性をさらに向上させることができる。熱処理温度については、300℃未満では、基材21と黒鉛粉23との密着性を向上させる効果はあまり得られず、一方、800℃を超えると、基材21と黒鉛粉23の熱膨張率に差があることから、黒鉛層が基材21から剥離する虞がある。よって、熱処理温度は、300℃〜800℃が好ましい。なお、密着性をより向上させるためには、熱処理温度は、500℃以上がより好ましく、黒鉛層の剥離を防止するために、700℃以下がより好ましい。
また、基材21が燃料電池セパレータを対象とするものである場合は、後の成形時の加工性を考慮して、熱処理温度を基材21の再結晶温度以上(例えば600℃以上)にすることが好ましい。
加えて、熱処理を行う場合は、基材21の圧下率(圧延圧着工程、及びその後の圧延工程でのトータルの基材の圧下率)が20%以上であることが好ましい。圧下率が20%未満の場合は、基材21に対し黒鉛粉23が十分に圧着されておらず、基材21と黒鉛粉23の熱膨張率の違いにより、熱処理を行うことで、密着性が低下する可能性があるからである。
この熱処理工程はバッチ式、連続式のどちらで行っても構わない。熱処理時間は、特に限定されるものではないが、1分〜5時間が好ましい。また、熱処理の雰囲気は、真空雰囲気やアルゴンガス雰囲気のような不活性雰囲気が好ましく、真空雰囲気の場合は、真空度は1×10−1Pa以下が好ましい。熱処理の雰囲気を1×10−1Pa以下とすることで、黒鉛粉23が酸素と反応(ガス形成)して、黒鉛層が薄くなってしまうことを抑制し、また、黒鉛層と基材21表面の界面部の酸化を抑制して良好な密着性を維持することができるからである。
熱処理によって基材21と黒鉛粉23の密着性が向上する原理は以下の通りである。
基材21と黒鉛粉23の間に存在する酸化皮膜22中の酸素が、熱を加えられることにより基材21中に拡散し、酸化皮膜22が分解する。酸化皮膜22が減少することにより、基材21の金属と黒鉛粉23が直接接触する箇所が多くなり、基材21と黒鉛粉23が強く圧着する。また、基材21と黒鉛粉23とで相互拡散が起こることにより更に密着性が向上する。なお、基材21に黒鉛粉23が圧着しておらず、酸化被膜22が大気と接するように基材21に形成している箇所は、熱処理を行うことで酸化皮膜22が厚くなり、耐食性が向上する(熱処理の雰囲気中に酸素が存在する場合)。
本発明に係る工程により、黒鉛粉23を基材21に圧着させた後、基材21の用途に応じて基材21の成形加工などを行う。たとえば基材21が燃料電池のセパレータに使用されるものである場合には、プレス成形により基材21に流路を形成する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜変更することが可能である。
以上のように、本発明に係る黒鉛圧着材の製造方法は、ロール表面に黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって基材を冷間圧延する圧延圧着工程を含んでいる。この方法によれば、黒鉛粉の付着と圧着とを同時にできるので、付着した黒鉛粉が基材の裏面から脱落してしまうのを防止することができる。また、熱間圧延ではなく冷間圧延により黒鉛を圧着するために、密着性が向上する。これは、熱が加えられないために、密着性に悪影響を及ぼす酸化皮膜が基材表面に生成するのを抑制できるためである。また、通常、圧延工程の方がプレス成形よりも高い面圧で素材を塑性加工できるため、素材表面の酸化皮膜を容易に破れ、密着性を向上させることが容易である。また、必要に応じて黒鉛付着後にさらに冷間圧延工程を追加できるので、黒鉛層の密着性をさらに高めることも容易である。
本発明の黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置について、本発明の要件を満たすサンプルと本発明の要件を満たさないサンプルとを対比して具体的に説明する。
[黒鉛圧着状況確認試験]
本発明の黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置について、黒鉛粉が基材に圧着している状況を確認するため、以下の黒鉛圧着状況確認試験を行った。
[黒鉛圧着装置]
黒鉛圧着状況確認試験で使用した黒鉛圧着装置の具体的な構成を説明する。黒鉛圧着装置31の圧延機32の構成は4段圧延機であった(ワークロール2本、バックアップロール2本)。ワークロール34、34の直径は50mm、バックアップロール35、35の直径は200mmである。一般的に冷間圧延に使用されているものを使用した。圧延ロール34、34、35、35の材質はJIS G 4805で規定されている軸受鋼SUJ2であり、表面を高周波焼き入れにて表面硬度HRC64に調整し、表面粗さをRa0.8μmに研磨仕上げしたものを使用した。
[基材]
使用した基材としては、酸洗焼鈍仕上げを行ったJIS H 4600に規定される1種のチタン板(冷間圧延)、JIS G 4303に規定されるステンレス鋼板(SUS304)、純アルミニウム(純度4N)、JIS H 4000に規定されるアルミニウム合金板(A3003)、および、無酸素銅である。
使用した金属基材の詳細は以下の通りである。チタン板は、化学組成がO:0.045質量%、Fe:0.025質量%、N:0.004質量%、残部がTi、および、不可避的不純物であり、板厚は、0.5mmである素材を使用した。ステンレス鋼板は、化学組成が、Ni:9.5質量%、Cr:19.0質量%、C:0.02質量%であり、板厚は1.0mmである素材を使用した。純アルミニウムは、Alの純度が99.99%以上であり、板厚は1.2mmである素材を使用した。アルミニウム合金は、化学組成が、Si:0.35質量%、Fe:0.57質量%、Cu:0.12質量%、Mn:1.05質量%、残部はAl、および、不可避不純物元素であり、板厚は1.0mmである素材を使用した。無酸素銅は、Cuの純度が99.99%以上であり、板厚が1.0mmであるものを使用した。
いずれも基材を幅40mm、長さ150mmに切断して使用した。
また、いずれも基材は、当業者に周知の溶解工程、鋳造工程、熱間圧延工程、冷間圧延工程を施して得られたものである。
[黒鉛粉]
使用した黒鉛粉は、純度が4Nで平均粒径が10μmのものと、純度が3Nで平均粒径が50μmのものの2種類で、互いに混合せずに使用した。なお、黒鉛粉には何も添加していない。
[圧延ロールへの黒鉛粉の供給工程]
圧延ロールへの黒鉛粉の供給方法は、以下の通りである。供給する黒鉛粉23の平均粒径(10μm、50μm)より少し大きいメッシュ幅を有するふるいに黒鉛粉23を載置し、バックアップロール35、35上でそのふるいを振動させることにより、黒鉛粉23を供給した。なお、ワークロール34、34に黒鉛粉23が均一に付着するまで、基材21を通すことなく圧延ロール34、34、35、35を回転させた。
[圧延圧着方法]
以下に示す2種類の方法で黒鉛粉の圧着を試みた。
圧延圧着方法1:上下の対応するバックアップロール35、35の表面に黒鉛粉23を供給機構33、33により供給し、圧延ロール34、34、35、35を回転させて、ワークロール34、34に黒鉛粉23を付着させた。その後、基材21(黒鉛粉23の塗布なし)を冷間(常温(基材への予備加熱なし))でワークロール34、34に通し、基材21の圧下率を5%とする圧延を実施した。
圧延圧着方法2:基材21の片面に黒鉛粉23を塗布した後、裏返し、同様に黒鉛粉23を塗布し、冷間(常温(基材への予備加熱なし))でワークロール34、34に通し、基材21の圧下率を5%とする圧延を実施した。
いずれの場合もロール表面への潤滑油の塗布を行わない状態で圧延を実施した。また、圧下率は圧延前後の基材21の板厚変化から算出した値で、圧下率の調整は圧延ロール34、34、35、35のギャップを調整することで行った。
[黒鉛圧着状況確認試験の方法]
それぞれの方法での黒鉛粉圧着後、黒鉛粉23の基材21への圧着状況を目視で評価した。結果を表1に示す。基材21の両面に黒鉛粉23が圧着していない箇所が存在しない場合を良好、基材21のいずれかの面に黒鉛粉23が圧着していない箇所が存在する場合を不良とした。
Figure 2011098472
本発明の方法(圧延圧着方法1)では、基材21の両面に黒鉛粉23が圧着されており、黒鉛粉23が圧着していない箇所が存在しなかった(サンプルNo.1〜5)。一方、圧延圧着方法2では、冷間圧延時に上側であった面には黒鉛粉23が圧着しているが、下側の面には黒鉛粉23が圧着していなかった(サンプルNo.6〜10)。冷間圧延時に下側であった面に塗布した黒鉛粉23は、冷間圧延前に基材21からほとんど全て落下したためと考えられる。
また、黒鉛粉23の平均粒径が大きい(50μm)場合についても、本発明の方法(圧延圧着方法1)によると、基材21両面に黒鉛粉23を圧着させることができた。
以上の結果から、本発明の黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置により基材21の両面に黒鉛粉23を圧着させることができることが分かった。
[密着性試験]
本発明の黒鉛圧着材の製造方法及び黒鉛圧着装置について、基材と黒鉛粉の密着性を調べるため、以下の方法により密着性試験を行った。
[黒鉛圧着装置、基材、及び黒鉛粉]
黒鉛圧着装置、基材、及び黒鉛粉は、上記の黒鉛圧着状況確認試験で使用したものと同じものを使用した。
[圧延ロールへの黒鉛粉の供給工程]
圧延ロールへの黒鉛粉の供給方法は、上記の黒鉛圧着状況確認試験での方法と同じである。なお、最初に圧延圧着方法1で基材21の両面に黒鉛粉23を圧着させた後は、圧延ロール34、34、35、35への黒鉛粉23の供給は行っていない。
[圧延圧着方法]
圧延圧着方法については、上述の圧延圧着方法1で基材21の両面に黒鉛粉23を圧着させた後、さらに所定の圧下率となるまで、圧延を複数回実施した。
一つのサンプルに行う全ての圧延は、同じ圧延機32を使用していることから、1回目の圧延圧着方法1の工程(圧延圧着工程)でバックアップロール35、35に供給された黒鉛粉23が、圧延ロール34、34、35、35表面に残っており、そのロール表面に残っていた黒鉛粉23が2回目以降の圧延時にも、基材21に圧着していた。なお、ロールに付着した黒鉛粉23は、大体3回の圧延で全て基材21に圧着し、4回目以降の圧延では、基材21に新たな黒鉛粉23の圧着はほとんど行われていなかった。
上記全ての圧延工程において、圧延ロール34、34、35、35への潤滑油の塗布は行わなかった。
[熱処理]
次に、一部のサンプルについて(サンプルNo.19〜27)、圧延後に0.00665Paの真空雰囲気で、所定の温度で10分間保持の熱処理を実施した。
[密着性試験の方法]
上記方法で準備した基材21について、図4に示す密着性試験装置41を用いて密着性を測定した。基材21の両面を2枚のカーボンクロス42、42で挟み、さらにその外側を接触面積1cm2の銅電極43、43により荷重98N (10kgf)で加圧し、両面から加圧された状態を保持したまま、面内方向に基材を引き抜いた。そして、引き抜く前後の基材21に圧着した黒鉛量から密着性を算出した。算出方法は、(密着性=(引き抜き試験後の黒鉛圧着面積)/(引き抜き試験前の黒鉛圧着面積)×100)である。ここで、黒鉛圧着量は実体顕微鏡を用いて倍率3倍で観察した表面写真を基に、画像解析により求めた。結果を表2に示す。
Figure 2011098472
いずれのサンプルも基材21の圧下率の増加に伴い、密着性が大きく向上することが分かった。圧延後、熱処理を実施しないサンプルNo.1ならびに14〜18において、圧下率10%以上で密着性が大きく改善し、さらに圧下率が50%を超えると、密着性試験後の黒鉛粉23の剥離が認められなくなった。
圧延後、熱処理を施したサンプルNo.19〜27についても同様の傾向が認められ、圧下率10%で密着性が大きく改善し、圧下率が45%を超えると、密着性試験後の黒鉛粉23の剥離が認められなくなった。なお、35%以上の圧延を行った基材21について、熱処理を施した場合(サンプルNo.22、23、24)と熱処理を施していない場合(サンプルNo.16、17、18)を対比すると、熱処理を施した基材21のほうが密着性は高かった。この結果から、圧延後、熱処理を行うことで、基材21と黒鉛粉23の密着性を高められるということがわかった。
ただし、圧下率45%の基材21について熱処理を300℃未満の200℃で行った場合は(サンプルNo.27)、熱処理を行っていない圧下率45%の基材21と同じ密着性であったため、熱処理による十分な効果は得られないことがわかった。
21 基材
22 酸化皮膜
23 黒鉛粉
31 黒鉛圧着装置
32 圧延機
33 供給機構
34 ワークロール(圧延ロール)
35 バックアップロール(圧延ロール)
36 カバー
41 密着性試験装置
42 カーボンクロス
43 銅電極
S1、S11、S12〜S1n 冷間圧延
S2 熱処理

Claims (7)

  1. 基材の両面に黒鉛が圧着した黒鉛圧着材の製造方法であって、
    ロール表面に黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって前記基材に冷間圧延を施す圧延圧着工程を含むことを特徴とする黒鉛圧着材の製造方法。
  2. 前記1対のワークロールのうちの一方のワークロールに当接するバックアップロールと、他方のワークロールに当接するバックアップロールとの双方のロール表面に前記黒鉛粉を供給する供給工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の黒鉛圧着材の製造方法。
  3. 前記圧延圧着工程の後に、前記圧延圧着工程を含む前記圧延圧着工程以降の基材の総圧下率が20%以上となるように、さらに前記基材に冷間圧延を施す追加圧延工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の黒鉛圧着材の製造方法。
  4. 前記追加圧延工程の後に、300〜800℃の温度で前記基材に熱処理を施す熱処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の黒鉛圧着材の製造方法。
  5. 前記基材が、チタン、ステンレス、アルミニウム合金、又は銅合金のいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の黒鉛圧着材の製造方法。
  6. 前記基材が、電池の集電材料として用いられることを特徴とする請求項5に記載の黒鉛圧着材の製造方法。
  7. 基材を圧延して前記基材の両面に黒鉛粉を圧着する黒鉛圧着装置であって、
    ロール表面に前記黒鉛粉が付着した少なくとも1対のワークロールによって前記基材を圧延する冷間圧延機と、
    前記1対のワークロールのうちの一方のワークロールに当接するバックアップロールと、他方のワークロールに当接するバックアップロールとの双方のロール表面に前記黒鉛粉を供給する供給機構と、
    を備えることを特徴とする黒鉛圧着装置。
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