JP2011097713A - 電気接続箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハーネス取出孔がロアカバー底壁の中央部分に設けられた場合にも、ハーネス取出孔の周壁の一部を開閉可能に覆い、閉状態では雨水等の侵入を防止し得るヒンジ式の開閉蓋を備えた、新規な構造の電気接続箱を提供する。
【解決手段】ロアカバー18に設けられたハーネス取出孔26を切割線35で半分割し、切割線35の一方の端部を直線的に延長させて第一分断ライン38とすると共に、切割線35の他方の端部を切割線35の側方に延長させて第二分断ライン40とする。そして、第一分断ライン38の延長線上に位置するロアカバー18の周壁22にヒンジ部42を設ける一方、第二分断ライン40を更にロアカバー18の周壁22にまで延長させて分断することによりロアカバー本体32と蓋体34を設けて、ヒンジ部42における回動作動に基づいてロアカバー本体32と蓋体34が相対変位してハーネス取出孔26が切割線35上で開閉されるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に搭載される電気接続箱に関し、特に、ワイヤーハーネスの取出孔が底部に設けられた電気接続箱に関する。
従来から、自動車の配線には、内部に電気回路を備えたリレーボックスやヒューズボックス等の電気接続箱が用いられている。このような電気接続箱では、電気回路への異物の接触や雨水の侵入を防止するために、一般に、電気回路が設けられた箱本体に対してアッパカバーとロアカバーが上下から組み付けられている。
そして、内部の電気回路への入出力線(ワイヤーハーネス)が、カバーの内部から外部に取り出されて配線されているが、この入出力線を伝っての水のカバー内への侵入を防止する必要がある。そこで、特開2008−61392号公報(特許文献1)に記載されているように、ロアカバーの底部に設けた取出孔を通じて、入出力線が下方に向かって外部へ取り出されている。
ところで、かかる入出力線は、電気接続箱内部の電気回路に設けられた複数の接続端子に対して、コネクタ嵌合やボルト締付等によって接続される。それ故、箱本体にロアカバーを装着した後に、ロアカバーの取出孔に外部から入出力線を挿通して電気回路に接続することは極めて困難であり、予め、箱本体の電気回路に入出力線を接続した後で、箱本体にロアカバーを装着する。このロアカバーの装着作業を実現するために、特許文献1にも記載されているように、ロアカバーの周壁には、底部の取出孔から開口縁部に至るまで深さ方向に延びる挿入窓が、取出孔の直径と同じ幅寸法で切り欠かれて形成されており、この挿入窓から入出力線が取出孔に導き入れられる。また、挿入窓を開けたままにしておくと、そこから異物や雨水がロアカバー内に侵入するおそれがあることから、例えば、特許文献1の図13に記載のように、挿入窓の一方の端縁部に対してヒンジ部を介して回動可能に連結された開閉蓋が設けられて挿入窓の開口部を覆蓋するようにされている。
ところが、このような従来構造の開閉蓋では、取出孔をロアカバー底壁の中央部分に設ける場合に、十分な防水効果が得られ難いという問題があった。即ち、開閉蓋が設けられるロアカバーの底壁には、周壁部から取出孔にまで至る挿入窓が形成されることとなり、このロアカバーの底壁に形成された挿入窓を開閉蓋で覆うことが困難となるからである。
なお、ロアカバーの周壁を覆蓋する開閉蓋から取出孔に向かって延び出す突出壁を設けて、ロアカバーの底壁に形成された挿入窓の開口部を覆うことも考えられるが、ヒンジ部を中心とした開閉蓋の開閉作動の軌跡上、入出力線や他部分への干渉を避けるために突出壁で覆蓋することができない部分があり、そこから水が侵入するおそれがある。
特開2008−61392号公報
本発明の解決課題は、ワイヤーハーネスの取出孔がロアカバーの底壁の中央部分に設けられ、この取出孔へワイヤーハーネスを導き入れるための挿入窓がロアカバーの周壁から底壁にまで至る領域に形成された場合でも、かかる挿入窓を開閉可能に覆い、閉状態では挿入窓の隙間を小さく抑えて挿入窓を通じての雨水等の侵入を可及的に防止し得るヒンジ式の開閉蓋を備えた、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
本発明の第一の態様は、ワイヤーハーネスが装着される電気接続箱本体に対してロアカバーが装着されており、該ロアカバーの底壁に設けられたハーネス取出孔から前記ワイヤーハーネスが外部に取り出されるようになっている電気接続箱において、前記ハーネス取出孔の直径方向に延びる切割線を設けて前記ハーネス取出孔を半分割し、前記切割線の一方の端部を直線的に延長させて前記ロアカバーの底壁の外周縁部まで至る第一分断ラインとすると共に、前記切割線の他方の端部を該切割線の側方に延長させて前記ロアカバーの底壁の外周縁部まで至る第二分断ラインとして、前記第一分断ラインの延長線上に位置する前記ロアカバーの周壁にヒンジ部を設ける一方、前記第二分断ラインを更に前記ロアカバーの周壁にまで延長させて分断することによりロアカバー本体と蓋体を設けて、前記ヒンジ部における回動作動に基づいて前記ロアカバー本体と前記蓋体が前記第一分断ラインおよび前記第二分断ライン上で開閉されて前記ロアカバーの前記ハーネス取出孔が前記切割線上で開閉されるようにしたことを特徴とする。
第一の態様によれば、第一分断ラインおよび第二分断ライン上で分断されたロアカバー本体と蓋体が、ヒンジ部を中心として相対的に揺動可能とされていることにより、ワイヤハーネスのハーネス取付孔内への挿入配置が容易である。即ち、ハーネス取付孔の周壁部が切割線上で半割体に分割されていると共に、それら半割体が相対的に揺動可能とされていることから、ハーネス取付孔を構成する半割体を含むカバー本体と蓋体を切割線において相互に離隔するように揺動させることで、それら半割体の間に隙間が形成される。この隙間を通じてワイヤハーネスが半割体の間に挿入された後、カバー本体と蓋体を再び揺動させて半割体を切割線において相互に組み合わせることにより、ワイヤハーネスのハーネス取付孔内への配置が容易に実現される。
また、半割体が組み合わされた状態では、ハーネス取付孔の形成位置がロアカバーの底壁における中央部分に近い場合にも、ハーネス取付孔の周壁におけるシール性が確保されて、雨水等が切割線を通じてハーネス取付孔内に進入するのを防ぐことが出来る。蓋し、ロアカバーがハーネス取付孔の径方向に延びる切割線で分割されて半割体とされていると共に、切割線の延長線上にヒンジ部が設けられていることにより、半割体のヒンジ部を中心とする揺動変位に際してそれら半割体の引っ掛かりが防止されている。それ故、ハーネス取付孔の周壁を全周に亘って略連続する円形とすることが出来て、コルゲートチューブ等のワイヤハーネス側部材の形状に対応させることでハーネス取付孔とワイヤハーネス側部材との間の隙間が防止される。その結果、ハーネス取付孔とワイヤハーネス側部材の間に水や異物が侵入するのを防ぐことが出来るのである。
また、第二分断ラインが切割線の側方に延びていることにより、第一, 第二分断ラインによって分断されるロアカバー本体と蓋体が、互いに異なるサイズで形成される。これにより、ロアカバー本体の車両ボデー等への取付面積が大きく確保されて、電気接続箱の車両ボデーへの安定した固定が実現されると共に、揺動される蓋体をロアカバー本体に比して小型とすることでハーネス取付孔の開閉作動が有利になる。
加えて、蓋体に比べて大型とされるロアカバー本体側がより多くの角部を有する構造とされることによって、ロアカバー本体の強度が充分に確保される。これにより、電気接続箱の車両ボデー等への組付け固定が更に安定化すると共に、蓋体の係止保持も安定して行なわれて止水機能等を有利に得ることが出来る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載の電気接続箱において、前記ハーネス取付孔の開口周縁部には、前記切割線を挟んだ両側部分においてそれぞれ半円筒形状で前記ロアカバーの外方に突出する延出筒部が一体形成されているものである。
第二の態様によれば、延出筒部によってワイヤハーネスが保護されると共に、位置決め保持される。これらにより、ワイヤハーネスと他部材との接触が回避されると共に、ワイヤハーネスの必要以上の折り曲げが防止されることから、ワイヤハーネスの損傷が防がれて、耐久性の向上が図られ得る。
また、ハーネス取付孔に装着されるワイヤーハーネスの周囲にコルゲートチューブ等の保護部材を装着する場合などは、ハーネス取付孔の開口周縁部に延出筒部を設けることで、より強固にコルゲートチューブを保持することが可能となって、防水性の更なる向上が図られる。更に、延出筒部をハーネス取付孔の開口周縁部から下方に突出させることにより、コルゲートチューブの長さを短くすることが出来て、低コスト化が実現される。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載の電気接続箱において、前記ロアカバーの底壁に形成された前記第一分断ライン及び前記第二分断ラインの少なくとも一方において、閉状態において前記ロアカバーの底壁の厚さ方向で互いに重ね合わされる二重壁を設けたものである。
第三の態様によれば、二重壁によってロアカバー本体と蓋体との境界部分を覆うことにより、第一, 第二分断ラインを通じて電気接続箱の内部に水や異物が侵入するのを一層効果的に防ぐことが出来る。特に、冠水路の走行時等には、車輪によって下方から跳ね上げられる泥水が、第一, 第二分断ラインの隙間から電気接続箱内に侵入するのを有利に防止することが出来る。
本発明では、ハーネス取付孔を分割する切割線の両端から延びる第一, 第二分断ラインでロアカバーが分断されていると共に、分断された両側がヒンジ部を中心に揺動可能とされることにより、ロアカバーに形成されたハーネス取付孔へのワイヤハーネスの挿入を容易に行うことが出来る。しかも、ハーネス取付孔の位置を自由に設定することが出来て、設計自由度が高められる。また、分断されたロアカバーの各部が何れも充分な強度を確保されると共に、ロアカバーの車両ボデー等への安定した取付けも実現される。
本発明の一実施形態としての電気接続箱を示す斜視図。 図1に示された電気接続箱を構成するロアカバーの底面図。 図2に示されたロアカバーの側面図。 図2に示されたロアカバーの底面図であって、蓋体の係止保持が解除された状態を示す図。 図4に示されたロアカバーの側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1には、本発明の一実施形態としての電気接続箱10が示されている。電気接続箱10は、ワイヤハーネス12が接続されるリレー等の部品を収容した矩形筒状の電気接続箱本体14と、電気接続箱本体14の上側開口部を覆蓋するアッパカバー16と、電気接続箱本体14の下側開口部を覆蓋するロアカバー18とを、含んで構成されている。
ロアカバー18は、硬質の合成樹脂等で形成されており、図2, 図3に示されているように、全体として開口箱形状で上方に向かって開口しており、一体形成された底壁20と周壁22を有している。底壁20は、底面視で四角形の角部の一つが切欠かれた形状を呈しており、図2中の右下部分が平坦部23とされていると共に、他の部分が平坦部23側に向かって下傾する傾斜部とされている。一方、周壁22は、底壁20の外周縁部から全周に亘って上方に立ち上がっており、全体として筒状とされている。この周壁22は、底壁20の傾斜に対応して高さ寸法が変化しており、周壁22の上端が同一水平面上に位置している。また、周壁22には、周上の複数箇所に枠状の連結部24が一体形成されて上方に突出している。
また、ロアカバー18の底壁20には、ハーネス取出孔26が形成されている。ハーネス取出孔26は、ワイヤハーネス12に応じた直径を有する円形孔であって、底壁20の平坦部23を厚さ方向に貫通している。更に、ハーネス取出孔26の開口周縁部には保持筒部28が形成されている。保持筒部28は、ロアカバー18における底壁20の平坦部23に一体形成されており、略一定の円形断面で下方に向かって突出している。更にまた、保持筒部28の下端開口部には、内周側に向かって突出する一対の抜止突起30,30が径方向一方向で対向する部位に一体形成されている。
また、ロアカバー18は、ロアカバー本体32と蓋体34とに実質的に分断されている。即ち、ハーネス取出孔26がその径方向一方向(図2中の上下方向)に延びる仮想的な切割線35で二分割されていると共に、保持筒部28が切割線35で分割されて半円筒形状を有する一対の延出筒部36,36とされている。更に、その仮想的な切割線35の一方の端部から切割線35の延長方向に向かって略直線的に延びる第一分断ライン38が形成されており、ロアカバー18の底壁20の一部が第一分断ライン38によって切断されている。一方、切割線35の他方の端部から切割線35の延長方向に対して略直交する方向(図2中の左右方向)に向かって略直線的に延びる第二分断ライン40が形成されており、ロアカバー18の底壁20の一部および周壁22の一部が第二分断ライン40によって切断されている。そして、ロアカバー18において第一,第二分断ライン38,40で隔てられた一方の側がロアカバー本体32とされていると共に、他方の側が蓋体34とされている。
なお、第二分断ライン40の切割線35に対する傾斜角度:αは、90°≦α<180°の範囲に設定される。更に、より好適には90°≦α<135°の範囲に設定され、最適にはα=90°とされる。αを上述の数値範囲に設定すれば、後述する蓋体34のロアカバー本体32に対する揺動変位がそれら蓋体34とロアカバー本体32の当接によって阻害されるのを回避できると共に、ロアカバー本体32の強度を有利に確保することが出来る。
また、第一分断ライン38の周壁22側の延長線上には、ヒンジ部42が設けられており、ロアカバー本体32と蓋体34がヒンジ部42において連結されている。このヒンジ部42は、ロアカバー本体32および蓋体34と一体形成されており、部分的に薄肉とされることで変形を許容されている。一方、第二分断ライン40は、周壁22をも切断するように形成されており、第二分断ライン40においてロアカバー本体32と蓋体34が離隔可能とされている。これらにより、ロアカバー本体32と蓋体34は、ヒンジ部42を中心として相対的に揺動可能とされており、蓋体34が図2に示された初期状態から約90度まで容易に揺動されるようになっている。
また、蓋体34の周壁22における第二分断ライン40側の端部には、ロアカバー18の内側に向かって突出する係止爪44が一体形成されている。係止爪44は、その突出先端部分に返り状の突起が設けられている。一方、ロアカバー本体32の周壁22における第二分断ライン40側の端部には、外周面に開口して上下方向に延びる係止溝46が形成されており、係止溝46の第二分断ライン40側の壁部には溝幅方向内側に向かって突出する返り状の突起が設けられている。そして、係止爪44が係止溝46に挿し込まれて、返り状の突起同士が係合することにより、蓋体34がロアカバー本体32に対して図2の状態で係止保持されるようになっている。
さらに、蓋体34側の延出筒部36における第二分断ライン40側の端部付近には、切割線35側に向かって突出する枠状の係止部48が一体形成されている。一方、ロアカバー本体32側の延出筒部36における第二分断ライン40側の端部付近には、外周側に突出する係止突部50が一体形成されている。そして、枠状とされた係止部48の内周側に係止突部50が入り込んで係止されることにより、蓋体34側の延出筒部36とロアカバー本体32側の延出筒部36が連結されて、円筒形状の保持筒部28が形成されると共に、円形のハーネス取出孔26が形成されるようになっている。尤も、係止爪44と係止溝46の係止によって蓋体34がロアカバー本体32に位置決め保持されることにより保持筒部28が形成されるようになっていて、係止部48と係止突部50が省略されていても良い。
また、ロアカバー本体32の底壁20における第一分断ライン38側の端部には、二重壁としての第一止水壁52が一体的に設けられている。第一止水壁52は、板形状とされており、ロアカバー本体32の底壁20の下面に重ね合わされた態様で設けられて、蓋体34側に向かって突出している。そして、蓋体34がロアカバー本体32に対して係止保持された状態において、第一分断ライン38が第一止水壁52によって略全長に亘って覆われるようになっており、第一分断ライン38を通じた下方からの水等の侵入が防止されている。
さらに、蓋体34の底壁20における第二分断ライン40側の端部には、二重壁としての第二止水壁54が一体的に設けられている。第二止水壁54は、第一止水壁52と同様の板形状を有しており、蓋体34の底壁20の下面に重ね合わされた態様で設けられて、ロアカバー本体32側に向かって突出している。そして、蓋体34がロアカバー本体32に対して係止保持された状態において、第二分断ライン40が第二止水壁54によって略全長に亘って覆われるようになっており、第二分断ライン40を通じた下方からの水等の侵入が防止されている。
このような構造とされたロアカバー18は、電気接続箱本体14に対して下方から組み付けられる。即ち、電気接続箱本体14の外周面に設けられた連結爪56が、ロアカバー18の周壁22に設けられた連結部24に係止されることにより、ロアカバー18が電気接続箱本体14の下方を覆うように固定される。更に、電気接続箱本体14の上方からアッパカバー16がロアカバー18と同様の手段で固定されることにより、電気接続箱10が形成されている。この電気接続箱10では、電気接続箱本体14に収容されたリレー等の部品が、電気接続箱本体14の周壁とアッパカバー16およびロアカバー18で覆われて、外部空間から隔てられている。
また、ロアカバー18の電気接続箱本体14への組付けに際して、蓋体34をロアカバー本体32に対して揺動させて、図4,5に示されているようにハーネス取出孔26を分割開口させた状態とすることにより、電気接続箱本体14内の部品に接続されたワイヤハーネス12をハーネス取出孔26に挿通させて外部へ容易に取り出せるようになっている。
より具体的には、蓋体34のロアカバー本体32に対する係止を解除し、蓋体34をロアカバー本体32に対して揺動させて、ハーネス取出孔26を切割線35において分割させた状態で、ワイヤハーネス12を取り付けた電気接続箱本体14に対してロアカバー18を固定する。そして、ワイヤハーネス12を第二分断ライン40側からロアカバー本体32と蓋体34との間に挿し入れて、ロアカバー本体32側の延出筒部36の内周側に配置する。その後、蓋体34をロアカバー本体32に対して揺動させて、蓋体34をロアカバー本体32に対して係止保持させることにより、ワイヤハーネス12を延出筒部36,36の間に形成されたハーネス取出孔26内に挿通させる。なお、ワイヤハーネス12には、蛇腹筒状のコルゲートチューブ58が外挿されており、コルゲートチューブ58が保持筒部28に挿入されると共に、コルゲートチューブ58の外周面の凹溝に一対の抜止突起30,30が挿し込まれることにより、コルゲートチューブ58が保持筒部28によって位置決め保持されて、保持筒部28から下方に延び出している。
このように、ロアカバー18を備えた電気接続箱10では、ロアカバー18が、第一,第二分断ライン38,40によってロアカバー本体32と蓋体34に実質的に分割されていると共に、ヒンジ部42を中心としてロアカバー本体32と蓋体34が相対的に揺動可能とされている。これにより、蓋体34のロアカバー本体32に対する揺動によってハーネス取出孔26が周上の一部で分割されて開閉されるようになっており、該開閉部分を通じてワイヤハーネス12をハーネス取出孔26に対して横から挿入できるようになっている。それ故、予め電気接続箱本体14の電気回路に接続されたワイヤハーネス12を、ハーネス取出孔26を通じて外部に容易に取り出すことが出来る。しかも、ロアカバー本体32と蓋体34は、ヒンジ部42によって一体的に連結されていることから、部品点数の増加が問題となることもない。
さらに、ロアカバー本体32と蓋体34を分断する第一,第二分断ライン38,40が、切割線35の両端部から切割線35の延長方向と直交方向に延びるように設定されていることにより、底壁20におけるハーネス取出孔26の形成位置に関わらず、蓋体34がロアカバー本体32に引っ掛かることなくスムーズに揺動変位される。それ故、ハーネス取出孔26の開口周縁部は切欠き等が形成されることなく所定の円形とされて、ワイヤハーネス12(コルゲートチューブ58)との間に余分な隙間が形成されるのを防止できる。その結果、ハーネス取出孔26とワイヤハーネス12の隙間を通じて雨水や異物が電気接続箱10内に侵入するのを防ぐことが可能となる。
また、第一分断ライン38と第二分断ライン40が、ハーネス取出孔26の径方向で互いに略直交する方向に延びていることから、ロアカバー本体32の底壁20の面積が蓋体34の底壁20の面積に比して大きくされている。それ故、ロアカバー本体32の車両ボデーによる支持面積が大きくなって、安定した固定が実現される。しかも、ロアカバー本体32が、蓋体34よりも多くの角部を有する構造とされることから、蓋体34に比べて大型とされたロアカバー本体32の剛性が充分に確保されて変形が防止されることにより、車両ボデーへの安定した取付状態や蓋体34の確実な係止保持が実現される。
また、第一,第二止水壁52,54が設けられていることにより、下方から跳ねた水等が第一,第二分断ライン38,40を通じて電気接続箱10内に侵入するのを防止して、ロアカバー18の止水機能をより有利に得ることが出来る。
また、ハーネス取出孔26の開口周縁部に延出筒部36,36で構成された保持筒部28が一体形成されて下方に向かって突出されていることにより、ハーネス取出孔26を通じての水の浸入が有利に防止される。しかも、コルゲートチューブ58が保持筒部28とワイヤハーネス12の間に介装されることにより、一層の止水効果が発揮される。また、保持筒部28を構成する一対の延出筒部36,36が、係止部48と係止突部50によって補助的に固定されるようになっていることから、保持筒部28が円筒形状に保持されて、ワイヤハーネス12とコルゲートチューブ58が有効に位置決め支持される。加えて、保持筒部28において延出筒部36,36の継ぎ目での隙間の形成が防止されることにより、止水性の向上も図られ得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、延出筒部36,36(保持筒部28)は、止水性の向上やワイヤハーネス12の安定した支持を実現するために設けられていることが望ましいが、必須ではなく、省略されていても良い。また、第一,第二止水壁52,54も、要求される止水性能やコスト等を考慮して省略される場合がある。また、延出筒部の組み合わせで形成される保持筒部は必ずしも円筒形状でなくてもよく、矩形断面や異形断面の筒状であっても良い。
電気接続箱本体14とアッパカバー16とロアカバー18の具体的な構造は特に限定されるものではない。
10:電気接続箱、12:ワイヤハーネス、14:電気接続箱本体、18:ロアカバー、20:底壁、22:周壁、26:ハーネス取出孔、32:ロアカバー本体、34:蓋体、35:切割線、36:延出筒部、38:第一分断ライン、40:第二分断ライン、42:ヒンジ部、52:第一止水壁(二重壁)、54:第二止水壁(二重壁)

Claims (3)

  1. ワイヤーハーネスが装着される電気接続箱本体に対してロアカバーが装着されており、該ロアカバーの底壁に設けられたハーネス取出孔から前記ワイヤーハーネスが外部に取り出されるようになっている電気接続箱において、
    前記ハーネス取出孔の直径方向に延びる切割線を設けて前記ハーネス取出孔を半分割し、前記切割線の一方の端部を直線的に延長させて前記ロアカバーの底壁の外周縁部まで至る第一分断ラインとすると共に、前記切割線の他方の端部を該切割線の側方に延長させて前記ロアカバーの底壁の外周縁部まで至る第二分断ラインとして、前記第一分断ラインの延長線上に位置する前記ロアカバーの周壁にヒンジ部を設ける一方、前記第二分断ラインを更に前記ロアカバーの周壁にまで延長させて分断することによりロアカバー本体と蓋体を設けて、前記ヒンジ部における回動作動に基づいて前記ロアカバー本体と前記蓋体が前記第一分断ラインおよび前記第二分断ライン上で開閉されて前記ロアカバーの前記ハーネス取出孔が前記切割線上で開閉されるようにしたことを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記ハーネス取付孔の開口周縁部には、前記切割線を挟んだ両側部分においてそれぞれ半円筒形状で前記ロアカバーの外方に突出する延出筒部が一体形成されている請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記ロアカバーの底壁に形成された前記第一分断ライン及び前記第二分断ラインの少なくとも一方において、閉状態において前記ロアカバーの底壁の厚さ方向で互いに重ね合わされる二重壁を設けた請求項1又は2に記載の電気接続箱。
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