JP2011095514A - 位相差素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イソシアヌル酸誘導体を1種類以上と、少なくとも1種類以上の液晶性化合物を含む組成物からなる位相差素子。
【選択図】なし
Description
位相差素子の性能は、例えば、遅相軸方向(面内で屈折率が最大となる方向)の屈折率と進相軸方向(面内で遅相軸方向と直交する方向)の屈折率の差を示す複屈折と該素子の厚さとの積によって求められる位相差値(リタデーション)によって決めることができる。また、近年では、特許文献3〜7に開示されているような液晶性化合物を特定の方向に配向させて該配向状態を固定化することによって位相差素子を作製することも行われている。
この液晶性化合物を用いた位相差素子は、プラスチックフィルムでは実現できないような薄膜にすることができ、また、プラスチックフィルムで行われる延伸では実現できないような複雑な配向状態を実現できる特徴があることから注目されている。
しかしながら、この位相差素子は配向性の材料であるために、一定方向に裂けやすいという性質がある。そのため、製造工程や、種々の環境条件下、例えば高温雰囲気下、高温高湿度雰囲気下等において、応力が加わることで、位相差素子が割れてしまい、光学性能が損なわれるため、その解決が切望されている。例えば、車のインストルメントパネル部分や液晶プロジェクターに用いる液晶表示装置の場合、高温雰囲気下に晒されることで、位相差素子の強度不足により割れが生じる場合があった。
特許文献8には、ディスコチック液晶性分子および、透明支持体と光学異方性層との間に設けられる配向性ポリマーに、重合性基を導入し、ディスコチック液晶性分子とポリマーとを共重合させて強度が高い光学補償シートを得る方法が開示されている。
特許文献9には、剥離強度が400g/cm以上となる強度で透明支持体と光学異方性層とが結合している光学補償シートが開示されている。剥離強度を強化するための手段としては、無機微粒子を透明支持体、配向膜または光学異方性層に添加する方法が開示されている。
特許文献10には、分子内に4個以上の二重結合を有する多官能モノマーを光学異方性層に添加し、モノマーから重合体を形成することによって強度が向上した光学補償シートが開示されている。
「(1)イソシアヌル酸誘導体を1種類以上と、少なくとも1種類以上の液晶性化合物を含む組成物からなる位相差素子、
(2)イソシアヌル酸誘導体が下記式(1)で示される化合物である、(1)に記載の位相差素子、
〔一般式(1)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、−(CH2)nOCOCR4=CH2、または−(CH2)nOHを示し、少なくとも1つは−(CH2)nOCOCR4=CH2である。R4は水素またはメチル基を示し、nは1〜20の整数を示す。〕
(3)イソシアヌル酸誘導体が一般式(2)で示される化合物である(1)に記載の位相差素子、
〔一般式(2)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、−CH2CH2OCOCH=CH2、または−CH2CH2OHを示し、少なくとも1つは−CH2CH2OCOCH=CH2である。〕
(4)イソシアヌル酸誘導体が一般式(1)または一般式(2)で表される化合物のカプロラクトン付加体である(1)に記載の位相差素子、
(5)イソシアヌル酸誘導体の含有量が重合性液晶に対して1〜30重量%含有していることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の位相差素子、
(6)液晶性化合物が重合性であることを特徴とする(1)ないし(5)に記載の位相差素子、
(7)(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の組成物を硬化してなる位相差素子、
(8)(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の位相差素子の両側に接着剤層を有する位相差素子、
(9)(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の位相差素子と他の位相差素子とを積層してなる複合位相差素子、
(10)(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の位相差素子あるいは複合位相差素子と偏光板とを積層してなる光学素子」
に関する
本発明において使用する上記液晶性組成物中の上記イソシアヌル酸誘導体の含有量は、組成物としての液晶性を失わない限り特に限定されないが、上記液晶性化合物100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記イソシアヌル酸誘導体の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましい下限は2重量部、更に好ましい上限は20重量部である。本発明に用いられる組成物において、上記イソシアヌル酸誘導体の含有量が0.1重量部未満であると、高温雰囲気下での十分な強度が得られないことがある。上記イソシアヌル酸誘導体の含有量が50重量部を超えると、本発明で用いられる組成物の液晶性が失われてしまうことがある。
上記重合性基は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、カルコニル基、シンナモイル基、エポキシ基等の反応性基が挙げられる。
ここで、上記メソゲン基として、例えば、ビフェニル基、ターフェニル基、(ポリ)安息香酸フェニルエステル基、(ポリ)エーテル基、ベンジリデンアニリン基、アセナフトキノキサリン基等のロッド状の置換基、板状の置換基、又は、トリフェニレン基、フタロシアニン基、アザクラウン基等の円盤状の置換基等が挙げられる。すなわち、上記メソゲン基は液晶相挙動を誘導する能力を有する。なお、ロッド状又は板状の置換基を有する液晶性化合物は、カラミティック液晶として知られている。また、円盤状の置換基を有する液晶性化合物は、ディスコティック液晶として知られている。
上記メソゲン基を有する重合性液晶は、必ずしもそれ自身が液晶相を示さなくても他の化合物との混合、他のメソゲン基を有する化合物との混合、他の液晶性化合物との混合、又は、これらの混合物のポリマー化によって液晶相を示す重合性液晶であってもよい。
上記重合性液晶は特に限定されず、例えば、特許第2587398号、特開2003−315556号公報、特開2004−29824号公報に記載されている重合性液晶や、BASF社製「PALIOCOLORシリーズ」、Merck社製「RMMシリーズ」等が挙げられる。
上記液晶性を有しない重合性化合物は特に限定されず、例えば、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。
上記紫外線硬化型樹脂は特に限定されず、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレン−ジ−イソシアネートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロン−ジ−イソシアネートとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリグリセロール−ジ−(メタ)アクリレート、プロピレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリプロピレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール−ジ−(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオール−ジ−(メタ)アクリレート、グリセロール−ジ−(メタ)アクリレート、エチレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ジエチレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタアクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールA−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ブチルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの液晶性を有しない重合性化合物は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー907」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー184」)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー2959」)、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュアー953」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュアー1116」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー1173」)、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー651」)等のベンゾイン化合物、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン(日本化薬社製「カヤキュアーMBP」)等のベンゾフェノン化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーCTX」)、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーRTX」)、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロオチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーCTX」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーDETX」)、2,4−ジイソプロピルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーDITX」)等のチオキサントン化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記反応助剤としては特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン化合物が挙げられる。
また、上記反応助剤の含有量は、上記光重合開始剤の含有量に対して、0.5〜2倍量であることが好ましい。
上記ラビング処理は、鋼やアルミニウム等の金属ロールに、ナイロン、レーヨン、コットン等のベルベット状のラビング布を、両面テープ等を用いて貼り合せて作製したラビングロールを用い、これを高速回転させ、ガラス板やプラスチックフィルムを接触させながら移動させることにより達成される。
上記ラビング処理の条件は、用いる液晶性化合物の配向のしやすさ、用いるラビング布の種類、ラビングロール径、ラビングロールの回転数、基板の進行方向に対する回転方向、基板とラビングロールの接触長、基板へのラビングロールの押し込みの強さ、基板の搬送速度、基板がプラスチックフィルムである場合には、該フィルムとラビングロール接触部分のラップ角、該プラスチックフィルムの搬送張力等の諸条件によって適宜調整すればよい。
上記紫外線の照射量は、液晶性化合物や他の重合性化合物の種類や反応性、光重合開始剤の種類と添加量、膜厚によって異なるが、通常、100〜1000mJ/cm2程度がよい。また、紫外線照射時の雰囲気は空気中、窒素等の不活性ガス中等、重合のしやすさに応じて適宜選択することができる。
上記基板として、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは延伸等により複屈折を持たせることで、位相差フィルムとして機能する。例えば、本発明の位相差素子を複数、又は、上記位相差フィルムと本発明の位相差素子とを直接又は粘着剤若しくは接着剤を介して積層することによって複合位相差素子を得ることができる。
複数の層が積層されている複合位相差素子であって、少なくとも一層が、本発明の位相差素子である複合位相差素子もまた、本発明の1つである。
本発明の位相差素子又は上記複合位相差素子と、偏光板との積層体である光学素子もまた、本発明の1つである。
上記吸収型偏光板として、例えば、染料や多ヨウ素イオン等の2色性色素を含有したポリビニルアルコールフィルム等の親水性高分子フィルムを一軸延伸して得られる偏光素子や、ポリビニルアルコールフィルム一軸延伸前後に酸により脱水してポリエン構造を形成して得られる偏光素子や、一定方向に配向するよう処理された配向膜上にリオトロピック液晶状態を発現する2色性色素の溶液を塗布して溶剤を除去して得られる偏光素子や、ポリエステルフィルムに2色性色素を含有させて一軸延伸して得られる偏光素子等をそのまま、又は、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルムやシクロオレフィンポリマーフィルム等の保護フィルムと積層した偏光板が挙げられる。
また、本発明の位相差素子が、ハイブリッド配向したディスコティック液晶層を有する位相差素子である場合には、位相差素子の遅相軸方向と偏光板との吸収軸とが同一方向になるよう積層することで、上記光学素子の一形態であるTN型又はOCB型液晶表示装置用の視野角改良光学素子を得ることができる。
また、本発明の位相差素子の遅相軸方向をnx、それと直交する方向をny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、nx=ny>nzである位相差素子と偏光板とを積層することで、上記光学素子の一形態であるVA型液晶表示装置用の視野角改良光学素子を得ることができる。また、少なくとも1種のnx>nz>nyである位相差素子の進相軸と偏光板の吸収軸とが同一方向になるように積層することで、上記光学素子の一形態であるIPS(in−plane switching)型液晶表示装置の視野角改良光学素子を得ることができる。
画像表示装置は特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、エレクトロルミネッセンス型表示装置等が挙げられ、特に、液晶表示装置に好適に用いられる。液晶表示装置は用いる液晶セルの種類によって異なるが、TN、OCB、STN、VA、IPS型等が挙げられ、また、表示装置はカーナビ、リアエンターテインメント用モニター、インストルメントパネルやカーオーディオ部の車載モニター、パソコンのモニター、液晶テレビ、液晶プロジェクター等種々の形態で使用することができる。
特に高温雰囲気下で使用されることの多いカーナビ、リアエンターテインメント用モニター、インパネやカーオーディオ部の車載モニター、液晶プロジェクター等において、本発明の位相差素子を用いることにより、高温雰囲気下に晒されても割れの発生がすくないため、安定した表示性能を維持できる。また、素子の強度改善により製造工程の歩留まりの向上が期待でき、さらにLCDを高温雰囲気下に放置しても、位相差素子に割れが生じず、安定した表示性能を維持することができる。
(1)位相差素子の作製
下記式(3)にて表される紫外線硬化型重合性液晶(BASF社製「PARIOCOLORLC242」)100重量部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)4重量部と、レベリング剤(ビックケミー社製「BYK361」)0.1重量部とをシクロペンタノン243重量部に溶解させて固形分30重量%の溶液を調製した。次にイソシアヌル酸誘導体としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製M315)を10重量部加えて均一になるまで攪拌し、液晶性組成物の溶液を得た。次にポリエステルフィルム(東洋紡(株)製「A4100」)をラビングマシン(EHC(株)製、ラビングロール径45mm、ラビングロール回転数1500rpm、搬送速度1m/min)を用いてラビング処理した。ラビング処理面上にスピンコーターにて上記液晶性組成物の溶液を塗布し、80℃で1分間乾燥後、窒素置換した雰囲気下で高圧水銀灯(630mJ/cm2)を照射して硬化させ、本発明の位相差素子を有するフィルムを得た。得られた位相差素子は厚さが4μmであり、ポリエステルフィルムを除去した位相差素子の位相差値を自動複屈折計(王子計測(株)製「KOBRA−21ADH」)で測定した結果、540nmにおける位相差値が270nmであった。
(1)で得られた位相差素子の両側にアクリル粘着剤層を配置し、アクリル粘着剤/位相差素子/アクリル粘着剤層/ガラス板の順に積層された構成体を作製した。
なお、アクリル粘着剤層は、ブチルアクリレートと、メチルアクリレートと、N,N−ジメチルアクリルアミドと、2−ヒドロキシエチルアクリレートとを共重合させて得られたポリマーをイソシアネート架橋剤で架橋させた粘着剤層である。
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製M315)の添加量を15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが2μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製M315)の添加量を20重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製M325)を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成(株)製M215)を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、アクリル粘着剤層を、ブチルアクリレートと、メチルアクリレートと、アクリル酸とを共重合させて得られたポリマーをイソシアネート架橋剤で架橋させた粘着剤層を用いた以外は、実施例1と同様にして構成体を作製した。
実施例4と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、アクリル粘着剤層を、ブチルアクリレートと、メチルアクリレートと、アクリル酸とを共重合させて得られたポリマーをイソシアネート架橋剤で架橋させた粘着剤層を用いた以外は、実施例1と同様にして構成体を作製した。
イソシアヌル酸誘導体を添加しない以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
イソシアヌル酸誘導体に代えてトリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD TMPTA)を10重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
イソシアヌル酸誘導体に代えてトリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD TMPTA)を20重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製したが、液晶相を発現しなかった。
イソシアヌル酸誘導体に代えてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD DPHA)を10重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製した。得られた位相差素子は厚さが3μm、540nmにおける位相差値が270nmであった。
以下、実施例1と同様にして構成体を作製した。
イソシアヌル酸誘導体に代えてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD DPHA)を20重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして位相差素子を作製したが、液晶相を発現しなかった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた構成体について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
この構成体を端部の状態が揃うように同一のカッターで5cm角で裁断し、ガラス上に配置して、アクリル粘着剤/位相差素子/アクリル粘着剤層/ガラス板の順に積層された構成体を作製した。
この構成体を140℃の高温雰囲気下に30分間放置し、加速試験を行った。試験後に発生した割れ本数を数えた。また実施例1、実施例4、実施例6、実施例7の構成体については、試験後の位相差値を測定し、変化率を計算した。変化率(%)={(140℃、30分後の位相差値)−(初期位相差値)}/(初期位相差値)×100
実施例1、比較例1、比較例2、比較例4の構成体について、最表面に染料系偏光板(ポラテクノ製SHC-13U)を配置して、偏光板/アクリル粘着剤/位相差素子/アクリル粘着剤層/ガラス板の順に積層された構成体を作製した。
この構成体を、車載用途での高温状態を想定して、95℃の高温雰囲気下に1週間放置し、割れや外観異常の有無から実施用可能かどうかを確認した。
Claims (10)
- イソシアヌル酸誘導体を1種類以上と、少なくとも1種類以上の液晶性化合物を含む組成物からなる位相差素子
- イソシアヌル酸誘導体が一般式(1)または一般式(2)で表される化合物のカプロラクトン付加体である請求項1に記載の位相差素子
- イソシアヌル酸誘導体の含有量が液晶性化合物に対して1〜30重量%含有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の位相差素子
- 液晶性化合物が重合性であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項
に記載の位相差素子 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物を硬化してなる位相差素子
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の位相差素子の両側に接着剤層を有する位相差素子
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の位相差素子と他の位相差素子とを積層してなる複合位相差素子
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の位相差素子あるいは複合位相差素子と偏光板とを積層してなる光学素子
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