JP2011094774A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図ることができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置は、入力要素1及び2つの出力要素21,22を有する差動機構Dと、電動機6と2つのプラネタリギヤ機構PG1,PG2を有する配分比制御機構Tとを備える。配分比制御機構Tに設けられた電動機用従動ギヤ62には、配分比制御用ピニオンPbを自転及び公転自在に軸支する配分比制御用キャリアCbが連結される。配分比制御用ピニオンPbには、差動機構Dの入力要素1及び出力要素22の回転が第1動力伝達経路Rb及び第2動力伝達経路5R−PG1−Sbを介して夫々伝達される。配分比制御用ピニオンPbは、両駆動輪WFL,WFRの回転速度が同一である場合には、配分比制御用キャリアCbを軸に自転するように前記2つの動力伝達経路が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の左右輪間又は前後輪間で伝達される駆動力の配分比を変更可能な配分比制御機構を備える動力伝達装置に関する。
従来、駆動源の駆動力が入力される入力要素たるデフリングと、デフリングの内方に配置されると共に左右の駆動輪に夫々連結される2つの出力要素たる一対のサイドギヤと、デフリングの内周面に回転自在に軸支されると共に両サイドギヤに噛合するベベルギヤとを有する差動機構と、車両の左右の駆動輪に伝達される駆動力の配分比を電動機を用いて制御する配分比制御機構とを備える動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の配分比制御機構は、デフリングに連結された第1サンギヤと、一方のサイドギヤに連結された第2サンギヤと、互いに噛合すると共に一方が第1サンギヤに噛合し、他方が第2サンギヤに噛合する一対のプラネタリピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
そして、配分比制御機構は、第1サンギヤに噛合するプラネタリピニオンに電動機の回転軸に設けた駆動ギヤを噛合させ、電動機の作動により左右の駆動輪の差回転を制御している。
特許第3692863号公報
従来の動力伝達装置では、左右の駆動輪が同一速度で回転している場合には、配分比制御機構のプラネタリギヤ機構の2つのサンギヤ及びキャリアの3つの要素が相対回転不能なロック状態となり、3つの要素が一体的に回転する。そして、車両が直進走行状態であり且つ左右の駆動輪が同一速度で回転している場合には、電動機による差回転制御を実行する必要がないため、電動機が回転抵抗として働いてしまい、動力伝達装置の伝達効率が低下してしまう。これを抑制するためには、電動機と電動機の駆動ギヤとの連結を解除自在なクラッチを設ける必要があるが、これではクラッチを設ける分だけ動力伝達装置が大型化してしまう。
又、従来の動力伝達装置では、車両の走行速度に応じて電動機の回転速度も変化するため、車両の最低速度から最大速度までの全ての回転速度領域でトルクを発生させることができる電動機を用いる必要がある。従って、高出力で大型の電動機を用いる必要があり、動力伝達装置全体としても大型化してしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、クラッチを設けることなく電動機による伝達効率の低下を抑制できると共に、小型化を図ることができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、駆動源の駆動力が入力される入力要素と当該入力要素に入力された駆動力を2つの駆動輪に夫々出力する2つの出力要素とを有する差動機構と、前記入力要素の駆動力の前記2つの出力要素への配分比を電動機で制御する配分比制御機構とを備える動力伝達装置において、前記電動機の回転軸に設けられた電動機用駆動ギヤに噛合する電動機用従動ギヤに、配分比制御用ピニオンを自転及び公転自在に軸支する配分比制御用キャリアが連結され、前記配分比制御用ピニオンには、前記入力要素及び前記2つの出力要素の3つの要素のうち何れか2つの要素の回転が、各要素に対応する動力伝達経路を介して夫々伝達され、前記配分比制御用ピニオンは、両駆動輪の回転速度が同一である場合には前記配分比制御用キャリアを軸に自転するように前記2つの動力伝達経路が構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2つの動力伝達経路は、両駆動輪の回転速度が同一である場合には、配分比制御用ピニオンが配分比制御用キャリアを軸に自転するように前記2つ要素の回転を伝達する。このため、配分比制御用ピニオンを軸支する配分比制御用キャリア及びこれに連結する電動機用従動ギヤは、車両が直進走行状態であり且つ2つの駆動輪が同一速度で回転している場合においては、2つの動力伝達経路のギヤ比の差の分だけ回転することとなる。
よって、2つの動力伝達経路のギヤ比の差を「0」に近づけることにより、配分比制御用キャリア及び電動機用従動ギヤの回転速度が小さくなる。従って、本発明によれば、従来品のように電動機と電動機用駆動ギヤとの連結を解除自在なクラッチを設けることなく、車両の直進走行状態における伝達効率の低下を抑制させることができる。
又、配分比制御用キャリア及び電動機用従動ギヤの回転速度を抑えることができるため、従来のものに比し、小型の電動機を用いることができ、動力伝達装置全体として小型化を図ることができる。
[2]本発明においては、2つの動力伝達経路のギヤ比を同一に設定することが好ましい。これによれば、車両が直進走行状態であり且つ駆動輪の回転速度が同一である場合において、配分比制御用ピニオンを軸支する分配比制御用キャリア及び電動機用従動ギヤの回転速度が「0」となり、電動機用駆動ギヤの回転速度も「0」となる。このため、配分比の制御が不必要となる、車両が直進走行状態であり且つ駆動輪の回転速度が同一である場合において、電動機における回転抵抗が発生せず、動力伝達装置の伝達効率の低下を防止することができる。
又、車両の走行速度に関係なく、両駆動輪の差回転の分だけ電動機用駆動ギヤが回転する。このため、従来のように車両の最低速度から最高速度までの範囲に応じた大型の電動機を用いることなく、小型の電動機を用いることができ、動力伝達装置の小型化を図ることができる。
本発明の第1実施形態の動力伝達装置を示すスケルトン図。 第1実施形態の動力伝達装置のコントローラを示す模式図。 本発明の第2実施形態の動力伝達装置を示すスケルトン図。 本発明の第3実施形態の動力伝達装置を示すスケルトン図。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態の動力伝達装置を説明する。第1実施形態の動力伝達装置は、前輪駆動車両に設けられるものであり、差動機構Dと、配分比制御機構Tとを備える。
差動機構Dは、デフケースDaと、デフケースDaに回転自在に収容されたデフリング1と、デフリング1の内方に配置される一対のサイドギヤ21,22と、デフリング1の内周面に回転自在に軸支されると共に、両サイドギヤ21,22に噛合するベベルギヤ3とを備える。
デフリング1の外周面には外歯1aが形成されている。外歯1aは図外の変速機の出力軸4に設けられた出力ギヤ4aと噛合している。そして、図外のエンジン等の駆動源の駆動力が変速機を介してデフリング1に入力される。即ち、デフリング1が第1実施形態の差動機構Dの入力要素となる。
左側のサイドギヤ21は、駆動輪たる左前輪WFLに駆動力を伝達する左車軸5Lと連結されている。右側のサイドギヤ22は、駆動輪たる右前輪WFRに駆動力を伝達する右車軸5Rと連結されている。即ち、サイドギヤ21,22が第1実施形態の差動機構Dの2つの出力要素となる。
配分比制御機構Tは、ケースTaと、ケースTaに収容された第1プラネタリギヤ機構PG1及び第2プラネタリギヤ機構PG2と、電動機6(電動モータ)とを備える。ケースTaには、右車軸5Rが回転自在に貫通されている。
第1プラネタリギヤ機構PG1は、右車軸5Rに固定されたサンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSa及びリングギヤRaに噛合するプラネタリピニオンPaを回転自在に軸支すると共に、ケースTaに固定されたプラネタリキャリアCaとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
第2プラネタリギヤ機構PG2は、第1プラネタリギヤ機構PG1のリングギヤRaと一体に形成されたサンギヤSbと、差動機構Dのデフリング1と連結されたリングギヤRbと、小径ギヤ部Pb1と大径ギヤ部Pb2とを有し、小径ギヤ部Pb1がサンギヤSbと噛合し、大径ギヤ部Pb2がリングギヤRbと噛合する段付きピニオンPbと、段付きピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するプラネタリキャリアCbとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
第2プラネタリギヤ機構PG2のキャリアCbには、電動機6の回転軸に設けられた電動機用駆動ギヤ61と噛合する電動機用従動ギヤ62が連結されている。第1実施形態においては、第2プラネタリギヤ機構PG2の段付きピニオンPbが本発明の配分比制御用ピニオンに相当し、プラネタリキャリアCbが本発明の配分比制御用キャリアに相当する。
又、第1実施形態においては、入力要素たるデフリング1の回転が、第2プラネタリギヤ機構PG2のリングギヤRbを介して、配分比制御用ピニオンたる段付きピニオンPbの大径ギヤ部Pb2に伝達され、これが第1実施形態の第1動力伝達経路となる。
又、出力要素たるサイドギヤ22の回転が、右車軸5R、第1プラネタリギヤ機構PG1及び第2プラネタリギヤ機構PG2のサンギヤSbを介して、配分比制御用ピニオンたる段付きピニオンPbの小径ギヤ部Pb1に伝達され、これが第1実施形態の第2動力伝達経路となる。
第1プラネタリギヤ機構PG1のギヤ比(リングギヤRaの歯数/サンギヤSaの歯数)をh、第2プラネタリギヤ機構PG2のギヤ比([リングギヤRbの歯数×段付きピニオンPbの小径ギヤ部Pb1の歯数]/[サンギヤSbの歯数×段付きピニオンPbの大径ギヤ部Pb2の歯数])をiとして、両プラネタリギヤ機構PG1,PG2のギヤ比はh=1/iとなるように設定している。
これにより、第1動力伝達経路のギヤ比(段付きピニオンPbの大径ギヤ部Pb2の歯数/リングギヤRbの歯数)をj、第2動力伝達経路のギヤ比([リングギヤRaの歯数×段付きピニオンPbの小径ギヤ部Pb1の歯数]/[サンギヤSaの歯数×サンギヤSbの歯数])をkとして、両動力伝達経路のギヤ比がj=kと同一になる。
このように両プラネタリギヤ機構PG1,PG2のギヤ比i,jを設定することにより、左右の前輪WFL,WFRの回転速度が等しい場合には、第2プラネタリギヤ機構PG2のサンギヤSbの回転速度とリングギヤRbの回転速度との比が1:1/jになる。又、サンギヤSbとリングギヤRbとが互いに異なる方向に回転し、第2プラネタリギヤ機構PG2の段付きピニオンPbが自転すると共に、プラネタリキャリアCbの回転速度が「0」となる。
ここで、車両が直進走行状態であり且つ左右の前輪WFL,WFRの回転速度が等しい場合には、各駆動輪WFL,WFRへの駆動力の配分比を制御する必要がない。
従って、第1実施形態の動力伝達装置によれば、両前輪WFL,WFRへの駆動力の配分比を制御する必要がない車両の直進走行状態において、電動機6が走行抵抗とならず、駆動力の伝達効率を向上させることができる。又、従来品のように電動機と電動機用駆動ギヤとの連結を解除自在なクラッチを必要としないため、動力伝達装置全体として小型化を図ることができる。
図2に示すように、第1実施形態の動力伝達装置は、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ71(舵角検出機構)と、車両の旋回方向への回転角が変化する速度を検出するヨーレイトセンサ72(ヨーレイト検出機構)と、車両の横方向に加わる力(遠心力)を検出する横Gセンサ73(横G検出機構)と、左前輪WFLの回転速度を検出する左前輪速度センサ74(左前輪速度検出機構)と、右前輪WFRの回転速度を検出する右前輪速度センサ75(右前輪速度検出機構)と、電動機6の回転を制御するコントローラ8(ECU)とを備える。
各センサ71〜75の検出値は、コントローラ8で受信される。コントローラ8は、受信した各センサ71〜75の検出値に基づいて、左前輪WFLの回転速度VFLと右前輪WFRの回転速度VFRとの規範となる回転速度の差(以下、規範差回転ΔNiという。但し、ΔNi=VFL−VFRとする。)を算出する規範差回転算出部81と、実際の左前輪WFLの回転速度VFLと右前輪WFRの回転速度VFRとの回転速度の差(以下、実差回転ΔNrという。但し、ΔNr=VFL−VFRとする。)を算出する実差回転算出部82と、実差回転ΔNrが規範差回転ΔNiとなるように電動機6を制御する電動機制御部83とを備える。
次に、第1実施形態の動力伝達装置の作動を説明する。コントローラ8は、各センサ71〜75の検出値に基づき、車両が直進走行状態であると判断した場合には、規範差回転ΔNiを「0」とすると共に、実差回転ΔNrが「0」でない場合には、実差回転ΔNrが「0」となるように、電動機6を制御する。
具体的には、例えば、左前輪WFLの回転速度VFLが右前輪WFRの回転速度VFRよりも大きくなっている場合には、第2プラネタリギヤ機構PG2のキャリアCbが正転(車両が前進するときの車輪の回転方向と同一方向の回転)となっている。従って、コントローラ8は電動機6で逆転方向(車両が後進するときの車輪の回転方向と同一の回転方向)の駆動力を発生させて、プラネタリキャリアCbの正転を制動することにより、プラネタリキャリアCbの回転速度が「0」となるようにする。
逆に、左前輪WFLの回転速度VFLが右前輪WFRの回転速度VFRよりも小さくなっている場合には、第2プラネタリギヤ機構PG2のキャリアCbが逆転(車両が後進するときの車輪の回転方向と同一方向の回転)となっている。従って、コントローラ8は電動機6に正転方向(車両が前進するときの車輪の回転方向と同一の回転方向)の駆動力を発生させて、プラネタリキャリアCbの逆転を制動することにより、プラネタリキャリアCbの回転速度が「0」となるようにする。
車両が左右の何れかに旋回しているときには、コントローラ8は、各センサ71〜75からの検出値に基づき、規範差回転ΔNiを規範差回転算出部81で算出する。又、コントローラ8は、実差回転算出部82で実差回転ΔNrを算出する。そして、コントローラ8は、電動機制御部83で規範差回転ΔNiと実差回転ΔNrとを比較し、実差回転ΔNrが規範差回転ΔNiを中心とする所定の許容範囲内の値であるか否かをチェックする。
実差回転ΔNrが規範差回転ΔNiを中心とする所定の許容範囲内の値でない場合には、実差回転ΔNrが規範差回転ΔNiを中心とする所定の許容範囲内の値となるように、コントローラ8は電動機6を制御する。
第1実施形態の動力伝達装置によれば、プラネタリキャリアCbで両駆動輪WFL,WFRの差回転を取り出すことができる。このため、車両の走行速度に拘らず、差回転のみで左右の駆動輪WFL,WFRの配分比を制御することができる。従って、従来のように車両の走行速度の増加に比例して電動機の回転速度を増加させる必要があるものに比し、小型の電動機を用いることができ、動力伝達装置の小型化を図ることができる。
尚、第1実施形態においては、両駆動輪WFL,WFRの差回転が「0」のときに配分比制御用キャリアたるプラネタリキャリアCbの回転が「0」となるようにギヤ比h,iを設定したが、ギヤ比h,iはこれに限られるものではない。
即ち、車両の低速走行時のプラネタリキャリアCb(電動機用従動ギヤ62)の回転速度と、車両の高速走行時のプラネタリキャリアCb(電動機用従動ギヤ62)の回転速度との差が、従来の動力伝達装置における、低速走行時の電動機用従動ギヤ(プラネタリピニオン)の回転速度と、高速走行時の電動機用従動ギヤ(プラネタリピニオン)の回転速度との差よりも小さくできれば、差回転が「0」のときに多少キャリアCbが回転していてもよい。これによっても、従来のものよりも電動機6の小型化を図ることができるという本発明の効果を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態の動力伝達装置を説明する。第2実施形態の動力伝達装置は、配分比制御機構Tの構成が異なる以外は第1実施形態のものと同一に構成される。尚、第2実施形態において、第1実施形態と同一に構成されるものは同一の符号を付している。
第2実施形態の配分比制御機構Tは、ケースTaに収容された第3プラネタリギヤ機構PG3と、差回転制御用デフ9とを備える。第3プラネタリギヤ機構PG3は、右車軸5Rに固定されたサンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤScに噛合する小径ギヤ部Pc1及びリングギヤRcに噛合する大径ギヤ部Pc2を有する段付きピニオンPcを回転自在に軸支すると共に、ケースTaに固定されたキャリアCcとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
第3プラネタリギヤ機構PG3のギヤ比([リングギヤRcの歯数×段付きピニオンPcの小径ギヤ部Pc1の歯数]/[サンギヤScの歯数×段付きピニオンPcの大径ギヤ部Pc2の歯数])は「1」に設定されている。
差回転制御用デフ9は、ケースTaに回転自在に収容されたデフリング91と、デフリング91の内方に配置される一対のサイドギヤ92,93と、デフリング91の内周面に回転自在に軸支されると共に、両サイドギヤ92,93に噛合するベベルギヤ94とを備える。
左側のサイドギヤ92は、差動機構Dのデフリング1に連結されている。右側のサイドギヤ93は、第3プラネタリギヤ機構PG3のリングギヤRcに連結されている。デフリング91の外周面には、電動機6の電動機用駆動ギヤ61と噛合する電動機用従動ギヤ62が設けられている。第2実施形態においては、ベベルギヤ94が本発明の配分比制御用ピニオンに相当し、デフリング91が本発明の配分比制御用キャリアに相当する。
又、第2実施形態においては、入力要素たるデフリング1の回転が、差回転制御用デフ9のサイドギヤ92を介して、配分比制御用ピニオンたるベベルギヤ94に伝達され、これが第2実施形態の第1動力伝達経路となる。
又、出力要素たるサイドギヤ22の回転が、右車軸5R、第3プラネタリギヤ機構PG3及び差回転制御用デフ9のサイドギヤ93を介して、分配比制御用ピニオンたるベベルギヤ94に伝達され、これが第2実施形態の第2動力伝達経路となる。
駆動輪たる左右の前輪WFL,WFRの回転速度が等しい場合には、第3プラネタリギヤ機構PG3のギヤ比が「1」に設定されているため、差回転制御用デフ9の両サイドギヤ92,93は互いに異なる方向に同一速度で回転する。従って、このとき差回転制御用デフ9のデフリング91の回転速度は「0」となり、電動機用従動ギヤ62及び電動機用駆動ギヤ61も回転しない。
又、左前輪WFLの回転速度VFLが右前輪WFRの回転速度VFRよりも大きくなっている場合には、差回転制御用デフ9のデフリング91が正転し、左前輪WFLの回転速度VFLが右前輪WFRの回転速度VFRよりも小さくなっている場合には、差回転制御用デフ9のデフリング91が逆転する。
第2実施形態の動力伝達装置も、第1実施形態と同様に、図2に示すコントローラ8及び各センサ71〜75を備えており、コントローラ8で、実差回転ΔNrが規範差回転ΔNiとなるように、電動機6を制御する。
第2実施形態の動力伝達装置によれば、第1実施形態と同様に、両前輪WFL,WFRへの駆動力の配分比を制御する必要がない車両の直進走行状態において、電動機6が走行抵抗とならず、駆動力の伝達効率を向上させることができる。又、従来品のように電動機と電動機用駆動ギヤとの連結を解除自在なクラッチを必要としないため、動力伝達装置全体として小型化を図ることができる。
又、差回転制御用デフ9のデフリング91で両駆動輪WFL,WFRの差回転を取り出すことができる。このため、車両の走行速度に拘らず、差回転のみで左右の駆動輪WFL,WFRの配分比を制御することができる。従って、従来のように車両の走行速度の増加に比例して電動機の回転速度を増加させる必要があるものに比し、小型の電動機を用いることができ、動力伝達装置の小型化を図ることができる。
尚、第2実施形態において、第3プラネタリギヤ機構PG3のギヤ比を「1」としたが、第3プラネタリギヤ機構PG3のギヤ比はこれに限られるものではなく、第1実施形態の場合と同様に、両駆動輪WFL,WFRの差回転が「0」のときに、分配比制御用キャリアたる差回転制御用デフ9のデフリング91が多少回転するようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第3実施形態の動力伝達装置を説明する。第3実施形態の動力伝達装置は、差動機構Dの構成が異なる以外は第2実施形態のものと同一に構成される。尚、第3実施形態において、第2実施形態と同一に構成されるものは同一の符号を付している。
第3実施形態の差動機構Dは、デフケースDaに収容された第4プラネタリギヤ機構PG4を備える。第4プラネタリギヤ機構PG4は、右車軸5Rに固定されたサンギヤSdと、出力ギヤ4aと噛合する外歯1aを外周面に備えるリングギヤRdと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤSdに噛合し、他方がリングギヤRdに噛合する一対のプラネタリピニオンPd,Pd’を自転及び公転自在に軸支するプラネタリキャリアCdとからなるダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
第4プラネタリギヤ機構PG4のギヤ比(リングギヤRdの歯数/サンギヤSdの歯数)は「2」に設定されている。第4プラネタリギヤ機構PG4のプラネタリキャリアCdは、左車軸5L及び配分比制御機構Tの左側のサイドギヤ92に連結されている。リングギヤRdに入力された駆動力は、プラネタリキャリアCd及び左車軸5Lを介して左前輪WFLに伝達され、サンギヤSd及び右車軸5Rを介して右前輪WFLに伝達される。
第3実施形態では、第4プラネタリギヤ機構PG4のリングギヤRdが入力要素、サンギヤSd及びプラネタリキャリアCdが2つの出力要素となる。
又、第3実施形態においては、出力要素たる第4プラネタリギヤ機構PG4のプラネタリキャリアCdの回転が、差回転制御用デフ9のサイドギヤ92を介して、配分比制御用ピニオンたるベベルギヤ94に伝達され、これが第3実施形態の第1動力伝達経路となる。
又、出力要素たる第4プラネタリギヤ機構PG4のサンギヤSdの回転が右車軸5R、第3プラネタリギヤ機構PG3及び差回転制御用デフ9のサイドギヤ93を介して、分配比制御用ピニオンたるベベルギヤ94に伝達され、これが第3実施形態の第2動力伝達経路となる。
以上の如く構成される第3実施形態の動力伝達装置によっても、第1及び第2実施形態のものと同一の作用効果を得ることができる。
D…差動機構、Da…デフケース、1…デフリング(第1及び第2実施形態の入力要素)、1a…外歯、21,22…サイドギヤ(第1及び第2実施形態の出力要素)、3…ベベルギヤ3、4…出力軸、4a…出力ギヤ、5L…左車軸、5R…右車軸、T…配分比制御機構、Ta…ケース、6…電動機、61…電動機用駆動ギヤ、62…電動機用従動ギヤ、71…舵角センサ(舵角検出機構)、72…ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出機構)、73…横Gセンサ(横G検出機構)、74…左前輪速度センサ(左前輪速度検出機構)、75…右前輪速度センサ(右前輪速度検出機構)、8…コントローラ(ECU)、9…差回転制御用デフ、91…デフリング(第2及び第3実施形態の配分比制御用キャリア)、92,93…サイドギヤ、94…ベベルギヤ(第2及び第3実施形態の配分比制御用ピニオン)、PG1…第1プラネタリギヤ機構、Sa…サンギヤ、Ra…リングギヤ、Pa…プラネタリピニオン、Ca…プラネタリキャリア、PG2…第2プラネタリギヤ機構、Sb…サンギヤ、Rb…リングギヤ、Pb…段付きピニオン(第1実施形態の配分比制御用ピニオン)、Pb1…小径ギヤ部、Pb2…大径ギヤ部、Cb…プラネタリキャリア(第1実施形態の配分比制御用キャリア)、PG3…第3プラネタリギヤ機構、Sc…サンギヤ、Rc…リングギヤ、Pc…段付きピニオン、Pc1…小径ギヤ部、Pc2…大径ギヤ部、Cc…キャリア、PG4…第4プラネタリギヤ機構、Sd…サンギヤ(第3実施形態の出力要素)、Rd…リングギヤ(第3実施形態の入力要素)、Pd,Pd’…プラネタリピニオン、Cd…プラネタリキャリア(第3実施形態の出力要素)、WFL…左前駆動輪、WFR…右前駆動輪。

Claims (2)

  1. 駆動源の駆動力が入力される入力要素と当該入力要素に入力された駆動力を2つの駆動輪に夫々出力する2つの出力要素とを有する差動機構と、前記入力要素の駆動力の前記2つの出力要素への配分比を電動機で制御する配分比制御機構とを備える動力伝達装置において、
    前記電動機の回転軸に設けられた電動機用駆動ギヤに噛合する電動機用従動ギヤに、配分比制御用ピニオンを自転及び公転自在に軸支する配分比制御用キャリアが連結され、
    前記配分比制御用ピニオンには、前記入力要素及び前記2つの出力要素の3つの要素のうちの何れか2つの要素の回転が各要素に対応する動力伝達経路を介して夫々伝達され、
    前記配分比制御用ピニオンは、両駆動輪の回転速度が同一である場合には前記配分比制御用キャリアを軸に自転するように前記2つの動力伝達経路が構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置において、前記2つの動力伝達経路のギヤ比が同一に設定されていることを特徴とする動力伝達装置。
JP2009252072A 2009-11-02 2009-11-02 動力伝達装置 Pending JP2011094774A (ja)

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