JP2011093895A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時的な分離が抑制された、外観安定性が良好で、かつ使用感の良好な、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の提供。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)(A)硫酸基を有するムコ多糖類、(B)カルボキシビニルポリマー、並びに(C)植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種を含有する水中油型乳化組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する、分離の抑制された水中油型乳化組成物に関する。
連続相が水相である水中油型乳化組成物は、油性成分を主体とする油脂性軟膏や連続相が油相である油中水型乳化組成物と異なり、べたつき感が少なく使用感が良好であるため、クリーム、ローション剤等として、医薬品分野・化粧品分野等において広く利用されている。しかしながら、水中油型乳化組成物は、連続相が水相であることから粘性が低いため、乳化が不安定化しやすい。そのため、水溶性高分子等の増粘剤を配合することにより連続相である水相の粘性を向上させ、乳化を安定化させることが一般的になされている。こうした増粘剤の中でも、カルボキシビニルポリマーは強力な増粘作用に加えて優れた乳化作用をも有し、さらに合成高分子であり品質の均一性も担保されているため、水中油型乳化組成物に広く配合されている。
一方、ヘパリン類似物質(heparinoid)を初めとする硫酸基を有するムコ多糖類は、保湿作用、抗炎症作用等の様々な薬理作用を有し、皮膚外用剤などの成分として、医薬品分野・化粧品分野等において利用されている(特許文献1〜2)。しかしながら、硫酸基を有するムコ多糖類は、高温・長期保存時において、カルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の乳化を不安定化するという問題があった(特許文献3)。
これに対し、当該特許文献3には、ヘパリン類似物質及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳剤性ローション剤に還元ラノリンを配合すると、分離が抑制されることが開示されている。しかしながら、還元ラノリンの過度の配合は皮膚刺激の原因となり、ひいては水中油型乳化組成物の利点である良好な使用感を損なう結果ともなりかねない。
特開2000−226320号公報 特開2000−212021号公報 特開平11−180821号公報
すなわち、本発明は、経時的な分離が抑制された、外観安定性が良好で、かつ使用感の良好な、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み鋭意研究した結果、分離の抑制に汎用されるキサンタンガム等の増粘剤やラノリン等の動物性ロウ類では、上記水中油型乳化組成物の分離を十分には抑制できず、或いは分離が促進されるにも拘わらず、意外にも、植物性ロウ類又は油脂を用いた場合に、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の経時的な分離、特に高温環境下における分離を長期間抑制でき、これを用いれば外観安定性が良好で、かつ使用感に優れた水中油型乳化組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記成分(A)〜(C)
(A)硫酸基を有するムコ多糖類、
(B)カルボキシビニルポリマー、並びに
(C)植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種
を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
また、本発明は、植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の乳化安定化剤を提供するものである。
本発明によれば、経時的な分離、特に高温環境下における分離が長期間抑制された、外観安定性が良好で、かつ使用感に優れた、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物を提供することができる。
本発明の乳化安定化剤を用いれば、水中油型乳化組成物の経時的な分離、特に高温環境下における分離を長期間抑制し、外観安定性が良好で、かつ使用感に優れた、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物を得ることができる。
<成分(A)>
本発明において、「硫酸基を有するムコ多糖類」は、分子中に硫酸基を有するムコ多糖類(グリコサミノグリカン)若しくはその多硫酸化物、又はそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩など)を意味する。具体的には例えば、コンドロイチン硫酸類(コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸K)、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン類似物質、及びこれらの塩などが挙げられる。また、本発明においては、硫酸基を有するムコ多糖類の1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらの中でも、本発明においては、ヘパリン類似物質が好ましく、日本薬局方外医薬品規格2002に記載のヘパリン類似物質が特に好ましい。
硫酸基を有するムコ多糖類の平均分子量は特に制限されないが、保湿作用などの薬効の観点から、1000〜1000000Mwが好ましく、5000〜100000Mwがより好ましい。また、硫酸基を有するムコ多糖類における、有機硫酸基の量(%)は特に制限されないが、保湿作用などの薬効の観点から、20〜40%が好ましく、25〜38%がより好ましい。なお、有機硫酸基の量は、日本薬局方外医薬品規格2002中、「ヘパリン類似物質」の項に記載の方法により測定する。
本発明で使用する硫酸基を有するムコ多糖類は、動物の肝、肺、腸粘膜、軟骨などから抽出・精製し、必要に応じて硫酸化することにより得ることができるが、市販品を用いることもできる。市販品としては例えば、コンドロイチン硫酸ナトリウム((株)マルハニチロホールディングス製)、ヘパリンナトリウム(伊藤ライフサイエンス(株)製)、ヘパリン類似物質(アピ(株)製)などが挙げられる。
硫酸基を有するムコ多糖類の含有量は特に制限されないが、保湿作用などの薬効の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が特に好ましい。
<成分(B)>
「カルボキシビニルポリマー」は、アクリル酸の重合体であり、本発明においてはその重合度等は特に制限されず、分子量や粘度等の異なるいずれのカルボキシビニルポリマーを使用してもよく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明においては、乳化安定性、使用感などの観点から、カルボキシビニルポリマーを水酸化ナトリウムで中和した0.2質量%水溶液の粘度が、医薬品添加物規格2003に従った方法で1500〜50000mPa・sの範囲内であるものが好ましく、3000〜20000mPa・sの範囲内であるものがより好ましい。
本発明で使用するカルボキシビニルポリマーは、市販品を用いることができ、具体的には例えば、カーボポール980、カーボポール981、カーボポール2984、カーボポール5984、カーボポールETD2050、カーボポールUltrez10(以上、日光ケミカルズ(株)製)、ハイビスワコー103、ハイビスワコー104、ハイビスワコー105、シンタレンK、シンタレンL、シンタレンM(以上、和光純薬工業(株)製)、ジュンロン(日本純薬(株)製)等が挙げられ、この中でも、カーボポール981、シンタレンLが好ましい。
カルボキシビニルポリマーの含有量は特に制限されないが、外観安定性、使用感及び製造の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
<成分(C)>
本発明において、「植物性ロウ類」は、脂肪酸と高級一価アルコール類又は高級二価アルコール類とのエステルを主成分とする、植物から得られるロウ類を意味する。具体的には例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、綿ロウ、コメヌカロウなどが挙げられる。本発明においては、異なる植物から得られる植物性ロウ類の1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
この中でも、本発明においては、分離抑制効果の観点から、常温(25℃)で固体状の植物性ロウ類が好ましく、分離抑制効果及び使用感の観点から、カルナウバロウがより好ましく、第十五改正 日本薬局方に記載のカルナウバロウが特に好ましい。
植物性ロウ類の融点は特に制限されないが、分離抑制効果の観点から、60℃以上であるのが好ましく、70℃以上であるのがより好ましく、75〜90℃の範囲内にあるのが特に好ましい。
本発明で使用する植物性ロウ類は、植物から抽出・精製することにより得ることができるが、市販品を用いることもでき、市販品としては例えば、カルナウバロウ(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、ポリシングワックス−103(フロイント産業(株)製)、精製キャンデリラワックス(ミツバ貿易(株)製)、TOWAX(東亜化成(株)製)などが挙げられる。
植物性ロウ類の含有量は特に制限されないが、分離抑制効果及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.1〜0.75質量%が特に好ましい。
本発明において、「油脂」は、脂肪酸とグリセリンとのトリグリセリルエステル、すなわちトリグリセリドを主成分とするもの、及びこれに水素を添加して得られる硬化油を包含する概念である。本発明においては、異なる油脂のいずれを使用してもよく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記トリグリセリドを主成分とするものとしては、天然油脂が好ましい。具体的には、エミュー油、牛油、鯨油、タラ肝油、ニシン油、ミンク油、卵黄油等の動物性の脂肪油;牛脂、乳脂、豚脂、馬脂、羊脂等の動物性の脂肪;アサ種子油、アボカド油、アマニ油、アルモンド油、オリブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油等の植物性の脂肪油;カカオ脂、モクロウ、シア脂等の植物性の脂肪などが挙げられる。
本発明において、油脂としては、分離抑制効果の観点から、常温(25℃)で固体状の油脂が好ましく、分離抑制効果に加えて、さらに使用感及び油脂の化学的安定性の観点から、硬化油が特に好ましい。
本発明において、油脂として好適に用いられる「硬化油」は、魚油又は他の動物性若しくは植物性の脂肪油に水素を添加して得られる脂肪を意味する。本発明においては、硬化油の原料となる脂肪油(原料油)の種類は特に制限されず、原料油の異なるいずれの硬化油を使用してもよく、これらを単独で又は2種以上を組合わせて使用できる。原料油の種類としては、上述した動物性又は植物性の脂肪油が挙げられ、本発明においては、分離抑制効果の観点から、原料油として植物性の脂肪油を用いた硬化油が好ましい。
本発明において硬化油としては、分離抑制効果の観点から、第十五改正 日本薬局方に記載の硬化油が好ましく、その中でも原料油としてナタネ油を用いた硬化油(硬化ナタネ油)、原料油としてヒマシ油を用いた硬化油(硬化ヒマシ油)及び原料油としてヤシ油を用いた硬化油(硬化ヤシ油)からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、硬化ヒマシ油が特に好ましい。
油脂の融点は特に制限されないが、分離抑制効果及び使用感の観点から、50℃以上であるのが好ましく、60℃以上であるのがより好ましく、70〜90℃の範囲内にあるのが特に好ましい。
本発明で使用する油脂は、公知の方法により得ることができるが、市販品を用いることもでき、市販品としては例えば、カスターワックスA牛脂硬化油(日本油脂(株)製)、硬化油(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、ヒマ硬(伊藤製油(株)製)、ラブリワックス−101、ラブリワックス−103(以上、フロイント産業(株)製)などが挙げられる。
油脂の含有量は特に制限されないが、分離抑制効果及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01〜8質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましく、0.1〜0.75質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における硫酸基を有するムコ多糖類とカルボキシビニルポリマーの含有割合(質量比)は特に制限されないが、保湿作用、外観安定性などの観点から、硫酸基を有するムコ多糖類の含有量を1とした場合にカルボキシビニルポリマーの含有量が0.02〜50の範囲内にあるのが好ましく、0.1〜30の範囲内にあるのがより好ましく、0.2〜20の範囲内にあるのが特に好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物における硫酸基を有するムコ多糖類と植物性ロウ類の含有割合(質量比)は特に制限されないが、保湿作用、外観安定性などの観点から、硫酸基を有するムコ多糖類の含有量を1とした場合に植物性ロウ類の含有量が0.02〜100の範囲内にあるのが好ましく、0.1〜50の範囲内にあるのがより好ましく、0.2〜30の範囲内にあるのが特に好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物における硫酸基を有するムコ多糖類と油脂の含有割合(質量比)は特に制限されないが、保湿作用、外観安定性などの観点から、硫酸基を有するムコ多糖類の含有量を1とした場合に油脂の含有量が0.02〜80の範囲内にあるのが好ましく、0.1〜50の範囲内にあるのがより好ましく、0.2〜30の範囲内にあるのが特に好ましい。
さらに、本発明の水中油型乳化組成物におけるカルボキシビニルポリマーと植物性ロウ類の含有割合(質量比)は特に制限されないが、外観安定性などの観点から、カルボキシビニルポリマーの含有量を1とした場合に植物性ロウ類の含有量が0.01〜100の範囲内にあるのが好ましく、0.03〜50の範囲内にあるのがより好ましく、0.05〜30の範囲内にあるのが特に好ましい。
さらに、本発明の水中油型乳化組成物におけるカルボキシビニルポリマーと油脂の含有割合(質量比)は特に制限されないが、外観安定性などの観点から、カルボキシビニルポリマーの含有量を1とした場合に油脂の含有量が0.01〜80の範囲内にあるのが好ましく、0.03〜50の範囲内にあるのがより好ましく、0.05〜30の範囲内にあるのが特に好ましい。
本発明において、「水中油型乳化組成物」とは、連続相が水相である乳化剤形の総称を意味し、水中油中水等の複合乳化剤形であっても、連続相として水相が存在する限り、本発明の「水中油型乳化組成物」に包含される。
本発明の水中油型乳化組成物の他の成分としては、(i)前記成分(C)以外の油分、(ii)界面活性剤及び(iii)水等が挙げられる。
(i)前記成分(C)以外の油分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において通常用いられる油性成分であれば特に限定されないが、例えば、炭化水素、ロウ類、脂肪酸、高級アルコール、エステル油類等が挙げられる。この中でも、ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコールが好ましい。
油分の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.1〜45質量%が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。
(ii)界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の多価アルコール脂肪酸エステル又は多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル;ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテルエステル等が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、12〜20であるのが好ましく、16〜20であるのがより好ましく、18であるのが特に好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの付加数は、5〜100であるのが好ましく、10〜60であるのがより好ましい。
また、非イオン性界面活性剤のHLBが2〜18であるのが好ましく、3〜17であるのがより好ましい。例えば、ソルビタン脂肪酸エステルのHLBが2〜9であるのが好ましく、3〜6であるのがより好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLBが10〜17であるのが好ましく、12〜15であるのがより好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLBが9〜18であるのが好ましく、14〜17であるのがより好ましい。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
(iii)水の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、50〜95質量%が好ましく、75〜90質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分に加えて必要に応じて更に種々の成分を単独で又は2種以上組み合わせて配合することができる。このような成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において一般的に用いられる成分であれば特に制限されず、例えば薬理活性成分、基剤、保存剤、pH調節剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等が挙げられる。
薬理活性成分としては、抗炎症剤、局所麻酔剤、鎮痒剤、ビタミン剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、創傷治癒剤、角質軟化剤、保湿剤、美白剤などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明においては、湿疹や皮膚炎、かぶれ、虫さされ、かゆみ、あせも、じんましん等に伴う炎症の抑制の観点から、上記成分の中でも抗炎症剤、具体的には例えば、アクタリット、アセメタシン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、エトドラク、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、テノキシカム、ナプロキセン、ピロキシカム、フェルビナク、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、メフェナム酸、メディコキシブ、メロキシカム、モフェゾラク、レフェコキシブ、ロキソプロフェンナトリウム、ロベンザリット二ナトリウム、ロルノキシカム等の非ステロイド系抗炎症剤;酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジフルプレドナート、吉草酸酢酸ジフルコルトロン、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、フルオシノニド、ハルシノニド、アムシノニド、ピバル酸フルメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン等のステロイドなどの抗炎症剤の1種以上を配合するのが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物のpHは特に限定されないが、25℃において3〜7、特に4〜5であるのが好ましい。
pH調節剤としては、例えば、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸及びその塩、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属塩、水酸化アルカリ土類金属塩等を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物の稠度は特に限定されないが、0.1〜100gであるのが好ましく、0.5〜50gであるのがより好ましく、1〜25gであるのが特に好ましい。ここで稠度は、25℃にて直径2cmの金属球を6cm/分の速度で2cm進入させた際の応力の最大値を表し、レオメーター(NRM−3002D−L:不動工業(株)製)にて測定できる。
本発明の水中油型乳化組成物は、使用目的に応じてクリーム、ローション剤などの皮膚外用剤の剤形とすることができ、連続相を水相とする乳化剤形であれば特に制限されないが、本発明においては、べたつき、延ばしやすさ等の使用感の観点から、ローション剤が好ましい。本発明の水中油型乳化組成物は、ローション剤、特に稠度が上記測定条件下で1〜15gの範囲内にあるような低粘度のローション剤においても経時的に乳化が安定である、という優れた効果を有する。
本発明の水中油型乳化組成物は、成分(A)〜(C)を必須成分とし、必要に応じて本発明の効果を発揮する範囲内で他の成分を適宜配合し、公知の方法にて製造することができる。例えば、成分(A)及び(B)が溶解、分散あるいは膨潤した水相と、成分(C)が溶解した油相とをそれぞれ加熱後混合し、60〜90℃等の加熱条件下で乳化したのち、冷却することにより製造することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、硫酸基を有するムコ多糖類の有する保湿作用、抗炎症作用等に基づいて、医薬品、医薬部外品、化粧品分野において皮膚外用剤等として、特に皮膚炎や乾燥性皮膚疾患等の皮膚疾患治療用の皮膚外用剤や、保湿用化粧品等として用いることができる。
本発明の乳化安定化剤は、植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種を有効成分とするものであり、植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種をそのまま単独で用いることもできるが、一般的に用いられる他の成分を含んでもよい。
本発明の乳化安定化剤は、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の乳化状態を安定化させ、経時的な分離を抑制することができ、製剤の外観安定性を保つことができる。特に高温環境下、具体的には40℃〜80℃における経時的な分離を抑制することができる。従って、本発明の乳化安定化剤は、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の分離抑制剤等として好適に利用できる。
乳化安定化剤の製剤への配合量は、分離抑制効果の観点から、植物性ロウ類及び油脂から選ばれる1種以上の質量として、水中油型乳化組成物全質量に対し0.01〜10質量%、より0.05〜5質量%、特に0.1〜3質量%となるように配合するのが好ましい。
なお、本発明の乳化安定化剤における、各文言の意義、各成分の使用量、添加方法等は上記の水中油型乳化組成物の場合と同様である。
以下に、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
カルナウバロウ(ポリシングワックス−103:フロイント産業(株)製)0.5g、ワセリン5.0g、軽質流動パラフィン2.5g、セタノール0.25g、ステアリルアルコール0.25g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(ニッコールHCO−50:日本サーファクタント工業(株)製)0.5g、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ニッコールTS−10:日本サーファクタント工業(株)製)0.5g、及びセスキオレイン酸ソルビタン(ニッコールSO−15:日本サーファクタント工業(株)製)1.0gを、75℃で加熱溶解し、この混合物を油相とした。
一方、精製水(最終製剤全量が100gとなる量)に、ヘパリン類似物質(アピ(株)製)0.3g、カルボキシビニルポリマー(シンタレンL:和光純薬工業(株)製)0.3g及び最終製剤のpHが4.5となる量のpH調節剤(クエン酸及び水酸化ナトリウム)を溶解・分散して75℃に加熱し、この混合物を水相とした。
上記油相と水相を混合し、75℃にて乳化させた。乳化後、室温まで冷却させて水中油型のローション剤を得た。
〔実施例2〕
硬化油(ラブリワックス−101:フロイント産業(株)製)0.5g、ワセリン5.0g、軽質流動パラフィン2.5g、セタノール0.25g、ステアリルアルコール0.25g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(ニッコールHCO−50:日本サーファクタント工業(株)製)0.5g、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(ニッコールTS−10:日本サーファクタント工業(株)製)0.5g、及びセスキオレイン酸ソルビタン(ニッコールSO−15:日本サーファクタント工業(株)製)1.0gを、75℃で加熱溶解し、この混合物を油相とした。
一方、精製水(最終製剤全量が100gとなる量)に、ヘパリン類似物質(アピ(株)製)0.3g、カルボキシビニルポリマー(シンタレンL:和光純薬工業(株)製)0.3g及び最終製剤のpHが4.5となる量のpH調節剤(クエン酸及び水酸化ナトリウム)を溶解・分散して75℃に加熱し、この混合物を水相とした。
上記油相と水相を混合し、75℃にて乳化させた。乳化後、室温まで冷却させて水中油型のローション剤を得た。
〔参考例1〕
ヘパリン類似物質及びカルナウバロウを無配合としたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例1〕
カルナウバロウを無配合としたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例2〕
カルナウバロウに代えてキサンタンガム(ケルトロール:三晶(株)製)0.1gを用いたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例3〕
カルナウバロウに代えてアルギン酸ナトリウム(I−3:キミカ(株)製)0.1gを用いたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例4〕
カルナウバロウに代えてポビドン(K−30:BASF製)0.1gを用いたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例5〕
カルナウバロウに代えて精製ラノリン(スーパーラノリン:クローダジャパン(株)製)0.5gを用いたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例6〕
カルナウバロウに代えてミツロウ(BEESWAX S:クローダジャパン(株)製)0.5gを用いたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔試験例1〕
実施例1〜2、参考例1及び比較例1〜6のローション剤について、調製直後の稠度、及び高温・長期間保存後の分離の有無を評価した。
<稠度>
稠度は、レオメーター(NRM−3002D−L:不動工業(株)製)を用いて、25℃にて直径2cmの金属球を6cm/分の速度で、各ローション剤に2cm進入させた際の応力(g)の最大値として測定した。
<分離の有無>
分離の有無は、各ローション剤をガラス瓶(2K瓶)に充填し、製造直後、並びに60℃で1、2及び3週間保存した後の分離の有無を目視により評価した。分離が認められないものを○、分離が生じたものを×とした。
結果を表1に示す。
Figure 2011093895
表1に示すように、ヘパリン類似物質を含有しない、カルボキシビニルポリマーのみ含有する参考例1のローション剤においては分離が全く生じないにも拘わらず、ヘパリン類似物質及びカルボキシビニルポリマーを含有する比較例1のローション剤においては分離が生じたことから、係る高温・長期間保存後の分離が、硫酸基を有するムコ多糖類とカルボキシビニルポリマーを組み合わせて配合したことによるものであることが確認された。
また、比較例1のローション剤においては、参考例1のローション剤と比較して稠度の大幅な低下が見られたことから、硫酸基を有するムコ多糖類の配合によるカルボキシビニルポリマーの増粘作用の阻害が、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物における乳化の不安定化の一要因であることが推察された。
また、ヘパリン類似物質及びカルボキシビニルポリマーに加えて、増粘剤等として用いられるキサンタンガム(比較例2)、アルギン酸ナトリウム(比較例3)、ポビドン(比較例4)、動物性ロウ類である精製ラノリン(比較例5)、ミツロウ(比較例6)をさらに含有するローション剤においては、比較例1のローション剤と同様3週間経過後、或いはそれよりも短い期間に分離が生じたことから、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物における系では、単に増粘剤等を配合しても乳化を安定化することは困難であり、かえって乳化を不安定化させてしまう場合があることが明らかとなった。
一方、ヘパリン類似物質、カルボキシビニルポリマー及びカルナウバロウを含有する実施例1のローション剤、並びにヘパリン類似物質、カルボキシビニルポリマー及び硬化油を含有する実施例2のローション剤は、稠度が比較例のローション剤と同程度であるにも拘わらず、3週間経過後も分離が抑制されていた。
すなわち、かかる分離の抑制は、単なるローション剤の粘性の向上に基づくものではなく、カルナウバロウに代表される植物性ロウ類、又は硬化油に代表される油脂を配合させたことに基づく効果であることが明らかとなった。
さらに、実施例1及び実施例2のローション剤を皮膚に塗布したところ、水中油型乳化組成物特有のさっぱり感を有し、使用感が良好であった。
本発明によれば、例えば、還元ラノリン等を用いなくても、経時的な分離、特に高温環境下における分離が長期間抑制された、外観安定性が良好で、かつ使用感に優れた、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物を提供することができ、医薬品産業、化粧品産業等において利用できる。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)〜(C)
    (A)硫酸基を有するムコ多糖類、
    (B)カルボキシビニルポリマー、並びに
    (C)植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種
    を含有する水中油型乳化組成物。
  2. 成分(A)がヘパリン類似物質である、請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. 植物性ロウ類がカルナウバロウである、請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
  4. 油脂が硬化油である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  5. 植物性ロウ類及び油脂から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする、硫酸基を有するムコ多糖類及びカルボキシビニルポリマーを含有する水中油型乳化組成物の乳化安定化剤。
  6. 硫酸基を有するムコ多糖類がヘパリン類似物質である、請求項5記載の乳化安定化剤。
  7. 植物性ロウ類がカルナウバロウである、請求項5又は6に記載の乳化安定化剤。
  8. 油脂が硬化油である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の乳化安定化剤。
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