JP2023065336A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物の提供。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):(A)ヒドロキシアルキルセルロース;(B)天然水溶性高分子;(C)無機塩類;を含有する、水中油型乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化組成物等に関する。
連続相が水相である水中油型乳化組成物は、油性成分を主体とする油脂性軟膏や連続相が油相である油中水型乳化組成物と異なりべたつき感が少なく使用感が良好であるため、クリーム、ローション剤等の外用剤の剤形として医薬品分野・医薬部外品分野・化粧品分野等において広く利用されている。しかしながら、連続相が水相で粘性が低いため、乳化が不安定化しやすい。
そのため、水溶性高分子等の増粘剤を配合することにより連続相である水相の粘性を向上させ、乳化を安定化させることが一般的になされている。こうした増粘剤としては、例えば、カチオン化ヒアルロン酸、キサンタンガム、アルギン酸塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジェランガム、グアーガム等の水溶性高分子が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、増粘剤の配合による過度の粘性の向上はべたつき等の原因となり、ひいては水中油型乳化組成物のメリットである良好な使用感を損なうことになりかねない。そのため、増粘剤の配合のみによる乳化安定化には必然的に限界がある。
特開2018-197210号公報
パーソナルケアハンドブック、平成28年、ニッコールグループ、第107頁
ところで、水溶性高分子を含有する水溶液に塩化ナトリウム等の無機塩類を添加した場合に、相分離が起き、水溶性高分子に富む相と少ない相に分かれる現象(液析(コアセルベーション))が生じることが知られている(非特許文献1)。そのため、水溶性高分子を含有する水中油型乳化組成物に、無機塩類を添加した場合にも、水溶性高分子が水相の一部に寄ってしまい乳化が不安定化しやすくなるものと考えられる。
本発明の課題は、乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物を提供することにある。
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ヒドロキシアルキルセルロース(以下、成分(A)と称することもある。)と天然水溶性高分子(以下、成分(B)と称することもある。)という特定の水溶性高分子の組合せを含有する水中油型乳化組成物に、さらに塩化ナトリウムに代表される無機塩類(以下、成分(C)と称することもある。)を含有せしめることにより、経時的な分離が抑制された、乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ヒドロキシアルキルセルロース;
(B)天然水溶性高分子;
(C)無機塩類;
を含有する、水中油型乳化組成物を提供するものである。
本発明によれば、経時的な分離が抑制された、乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物を提供することができる。
<成分(A)>
本発明において「ヒドロキシアルキルセルロース」は、セルロースのヒドロキシ基の少なくとも一部をヒドロキシアルキル基で修飾したセルロース誘導体を意味する。具体的には例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
本発明において、ヒドロキシアルキルセルロースとしては、乳化安定性及び使用感の観点から、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースのエーテル化率(%)(ヒドロキシアルキル基等のエーテル結合を形成する置換基の置換率)は特に制限されないが、乳化安定性及び使用感の観点から、10~90%が好ましく、20~80%がより好ましい。なお、エーテル化率(%)は各種ヒドロキシアルキルセルロースにつき第十七改正日本薬局方に記載された方法、又はこれに準じた方法により測定する。
本発明において、ヒドロキシアルキルセルロースとしては、市販品を用いることができる。具体的には例えば、Natrosol 250H(アシュランド・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルセルロースの含有量は、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.0001~10質量%が好ましく、0.001~5質量%がより好ましく、0.01~2.5質量%が更に好ましい。特に、ヒドロキシアルキルセルロースとしてヒドロキシエチルセルロースを用いる場合においては、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.001~5質量%が好ましく、0.01~2.5質量%がより好ましく、0.05~1質量%が特に好ましい。
<成分(B)>
本発明において「天然水溶性高分子」とは、生物に由来する親水性のタンパク質あるいは多糖類を意味し、例えば、微生物に由来する微生物系天然水溶性高分子、植物に由来する植物系天然水溶性高分子、動物に由来する動物系天然水溶性高分子が挙げられる。
微生物系天然水溶性高分子としては、具体的には例えば、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストリン、プルランなどの酸性粘質物;ヒアルロン酸などのムコ多糖類などが挙げられる。
植物系天然水溶性高分子としては、具体的には例えば、アルギン酸、カラギーナン、カンテン、ファーセレランなどの海藻抽出物;グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガムなどの種子粘質物;アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガムなどの樹液粘質物;アラギノガラクタン、ペクチン、マルメロなどの果実粘質物;小麦タンパク質、大豆タンパク質などのタンパク質などが挙げられる。
動物系天然水溶性高分子としては、具体的には例えば、アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどのタンパク質;キトサン、ヒアルロン酸などのムコ多糖などが挙げられる。
本発明において、天然水溶性高分子としては、乳化安定性及び使用感の観点から、カラギーナン、キサンタンガムが好ましく、キサンタンガムが特に好ましい。
本発明において、天然水溶性高分子としては、市販品を用いることができる。具体的には例えば、KELTROL T(三晶(株)製)等が挙げられる。
天然水溶性高分子の含有量は、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.001~4質量%が好ましく、0.01~2質量%がより好ましく、0.05~1質量%が更に好ましい。特に、天然水溶性高分子としてキサンタンガムを用いる場合においては、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01~2質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましく、0.1~0.3質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における成分(A)と成分(B)との含有質量比〔(B)/(A)〕としては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.001~10の範囲内が好ましく、0.005~8の範囲内がより好ましく、0.01~5の範囲内が更に好ましく、0.1~3の範囲内が更に好ましい。特に、成分(A)としてヒドロキシエチルセルロースを用い、成分(B)としてキサンタンガムを用いる場合においては、含有質量比〔(B)/(A)〕としては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.01~8の範囲内が好ましく、0.1~4の範囲内がより好ましく、0.5~2の範囲内が特に好ましい。
<成分(C)>
本発明において「無機塩類」としては、無機酸塩が挙げられる。
無機酸塩における無機酸としては、硫酸、亜硫酸、リン酸、塩酸、硝酸、亜硝酸、ケイ酸等が挙げられる。これらの中では、乳化安定性及び使用感の観点から、強酸が好ましく、硫酸、塩酸、硝酸がより好ましく、硫酸、塩酸が特に好ましい。
また、無機塩類としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等の第2族元素の金属との塩;亜鉛塩等の第12族元素の金属との塩;アルミニウム塩等の第13族元素の金属との塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、乳化安定性及び使用感の観点から、アルカリ金属塩、第2族元素の金属との塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩が特に好ましい。
このような無機塩類の中でも、乳化安定性及び使用感の観点から、塩酸及び硫酸から選ばれる酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる塩が好ましく、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化アンモニウムがより好ましく、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上が更に好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。
なお、ここで本発明の「無機塩類」には、無水塩と含水塩の両者が含まれ、本明細書においては特にいずれかを明示しない限り、無水塩と含水塩のどちらでもよいものとする。
これらの無機塩類は公知の成分であり、公知の方法により製造してもよく、また、市販品を用いてもよい。
無機塩類の含有量は、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.01~8質量%が好ましく、0.05~5質量%がより好ましく、0.1~3質量%が更に好ましい。特に、無機塩類として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、乳化安定性及び使用感の観点から、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.05~6質量%が好ましく、0.1~4質量%がより好ましく、0.5~2質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における成分(A)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(A)〕としては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.01~50の範囲内が好ましく、0.1~30の範囲内がより好ましく、0.5~15の範囲内が更に好ましい。特に、成分(A)としてヒドロキシエチルセルロースを用い、成分(C)として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、含有質量比〔(C)/(A)〕としては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.1~30の範囲内が好ましく、0.5~20の範囲内がより好ましく、1~10の範囲内が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における成分(B)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(B)〕としては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.01~30の範囲内が好ましく、0.05~20の範囲内がより好ましく、0.1~10の範囲内が更に好ましい。特に、成分(B)としてキサンタンガムを用い、成分(C)として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、乳化安定性及び使用感の観点から、0.05~20の範囲内が好ましく、0.1~10の範囲内がより好ましく、1~5の範囲内が特に好ましい。
本発明において「水中油型乳化組成物」とは、連続相が水相である乳化剤形の総称を意味し、水中油中水等の複合乳化剤形であっても、連続相として水相が存在する限り、本発明の「水中油型乳化組成物」に包含される。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。例えば、(D)油分、(E)界面活性剤、(F)水などが挙げられる。
(D)油分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において通常用いられる油性成分であれば特に限定されないが、炭化水素、油脂類、ロウ類、脂肪酸、高級アルコール、エステル油類等が挙げられる。この中でも、油脂類及び高級アルコールが好ましく、その具体例としては油脂類として中鎖脂肪酸トリグリセリド等が、高級アルコールとしてステアリルアルコール等が挙げられる。
油分の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、1~30質量%が好ましく、3~15質量%がより好ましく、5~12質量%が特に好ましい。
(E)界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の多価アルコール脂肪酸エステル又は多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル;ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテルエステル等が挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、酸化エチレン付加モル数が5~30(好適には15~25)でありアルキル基の炭素数が1~24(好適には10~22)であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
なお、非イオン性界面活性剤のHLBは特に制限されないが、例えば、2~20であるのが好ましく、5~18であるのがより好ましく、8~16であるのが特に好ましい。
界面活性剤の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、0.05~6質量%が好ましく、0.1~4質量%がより好ましく、0.5~2質量%が特に好ましい。
(F)水の含有量は特に制限されないが、本発明の水中油型乳化組成物全質量に対し、10~99質量%が好ましく、30~95質量%がより好ましく、50~90質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分(A)~(F)に加えて必要に応じて更に種々の成分を単独で又は2種以上組み合わせて配合することができる。このような成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において一般的に用いられる成分であれば特に制限されず、例えば薬理活性成分、基剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等が挙げられる。
薬理活性成分としては、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩等)、局所麻酔剤、鎮痒剤、ビタミン剤(トコフェロール酢酸エステル等)、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、創傷治癒剤(アラントイン等)、角質軟化剤、保湿剤、美白剤などが挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらの中でも、湿疹や皮膚炎、かぶれ、虫さされ、かゆみ、あせも、じんましん等に伴う炎症の抑制の観点から、抗炎症剤を用いるのが好ましい。
抗炎症剤としては、具体的には例えば、アクタリット、アセメタシン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、エトドラク、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、テノキシカム、ナプロキセン、ピロキシカム、フェルビナク、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、メフェナム酸、メディコキシブ、メロキシカム、モフェゾラク、レフェコキシブ、ロキソプロフェンナトリウム、ロベンザリット二ナトリウム、ロルノキシカム等の非ステロイド系抗炎症剤;酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジフルプレドナート、吉草酸酢酸ジフルコルトロン、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、フルオシノニド、ハルシノニド、アムシノニド、ピバル酸フルメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン等のステロイド等が挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の水中油型乳化組成物のpHは特に制限されないが、25℃において3~8であるのが好ましく、4~7であるのが特に好ましい。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸及びその塩、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属塩、水酸化アルカリ土類金属等を、単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物の稠度は特に限定されないが、1~30gfであるのが好ましく、2~20gfであるのがより好ましく、4~10gfであるのが特に好ましい。ここで稠度は、25℃にて直径2cmの金属球を6cm/分の速度で2cm侵入させた際の応力の最大値を意味し、レオメーター(NRM-3002D-L:不動工業(株)製)にて測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、使用目的に応じてクリーム、ローション剤などの皮膚外用剤の剤形とすることができ、連続相を水相とする乳化剤形であれば特に制限されないが、本発明においては、べたつき、延ばしやすさ等の使用感の観点から、ローション剤が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、成分(A)~(C)を必須成分とし、必要に応じて他の成分を適宜配合し、公知の方法にて製造することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品分野において例えば皮膚外用剤等として、特に皮膚炎や乾燥性皮膚疾患等の皮膚疾患治療用の皮膚外用剤や、保湿用化粧品等として用いることができる。
また、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ヒドロキシアルキルセルロース;
(B)天然水溶性高分子;
(C)無機塩類;
を同一の水中油型乳化組成物に含有せしめる工程を含む、水中油型乳化組成物の分離抑制方法を提供するものである。
本発明の分離抑制方法において、各成分の配合の順序等は特に限定されず、結果として上記成分(A)、(B)及び(C)を含有する水中油型乳化組成物が直接的あるいは間接的に作出されればよい。
本発明の分離抑制方法において、各文言の意義、各成分の配合量等は本発明の水中油型乳化組成物におけるのと同様である。
本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様を開示する。
[1A] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ヒドロキシアルキルセルロース;
(B)天然水溶性高分子;
(C)無機塩類;
を含有する、水中油型乳化組成物。
[2A] 成分(A)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]記載の水中油型乳化組成物。
[3A] 成分(B)が、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストリン、プルラン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カンテン、ファーセレラン、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラギノガラクタン、ペクチン、マルメロ、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びキトサンよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]又は[2A]記載の水中油型乳化組成物。
[4A] 成分(C)が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[3A]のいずれか記載の水中油型乳化組成物。
[5A] 剤形がクリーム又はローション剤である、[1A]~[4A]のいずれか記載の水中油型乳化組成物。
[1B] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ヒドロキシアルキルセルロース;
(B)天然水溶性高分子;
(C)無機塩類;
を同一の水中油型乳化組成物に含有せしめる工程を含む、水中油型乳化組成物の分離抑制方法。
[2B] 成分(A)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]記載の方法。
[3B] 成分(B)が、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストリン、プルラン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カンテン、ファーセレラン、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラギノガラクタン、ペクチン、マルメロ、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びキトサンよりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]又は[2B]記載の方法。
[4B] 成分(C)が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[3B]のいずれか記載の方法。
[5B] 水中油型乳化組成物の剤形が、クリーム又はローション剤である、[1B]~[4B]のいずれか記載の方法。
以下に、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
プレドニゾロン吉草酸酢酸エステル0.3g、トコフェロール酢酸エステル0.5g、ポリオキシエチレンアラキルエーテル(20E.O)・ステアリルアルコール混合物2g、中鎖脂肪酸トリグリセリド10g、パラオキシ安息香酸メチル0.1g、パラオキシ安息香酸プロピル0.1gを80℃で加熱溶解し、油相を得た。
精製水(最終製剤全量が100gとなる量)に、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250H:アシュランド・ジャパン(株)製)0.2g、キサンタンガム(KELTROL T:三晶(株)製)0.3g、塩化ナトリウム(塩化ナトリウム:マナック(株)製)1g、ジフェンヒドラミン塩酸塩2g、アラントイン0.2g及び最終製剤のpHが4.5となるようにpH調整剤(クエン酸及び水酸化ナトリウム)を溶解し、40℃に加熱し、水相を得た。
上記で得た油相と水相を混合し、50℃にて乳化させた。乳化後、室温まで冷却させて水中油型のローション剤を得た。
〔比較例1〕
実施例1のヒドロキシエチルセルロースの配合量を0.3gに増量し、また、塩化ナトリウムを無配合としたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例2〕
実施例1のヒドロキシエチルセルロースの配合量を0.3gに、塩化ナトリウムの配合量を2.0gにそれぞれ増量し、また、キサンタンガムを無配合としたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔比較例3〕
実施例1のヒドロキシエチルセルロースを無配合としたほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔試験例1〕
各実施例及び比較例のローション剤について、調製直後の稠度、及び高温保存後の分離の有無を評価した。
稠度は、レオメーター(NRM-3002D-L:不動工業(株)製)を用いて、25℃にて直径2cmの金属球を6cm/分の速度で2cm侵入させた際の応力の最大値として測定した。
分離の有無は、ローション剤をガラス瓶(2K規格瓶)に充填し、60℃1週間保存後の分離の有無を目視により評価した。分離が認められないものを〇、分離が認められたものを×とした。
結果を表1に示す。
Figure 2023065336000001
表1の結果より、比較例1のローション剤(無機塩類無配合)、比較例2のローション剤(天然水溶性高分子無配合)、比較例3のローション剤(ヒドロキシアルキルセルロース無配合)は、いずれも60℃で1週間保存後に分離が認められた。これに対して、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム及び塩化ナトリウムの3成分の組合せを含有する実施例1のローション剤においては分離が抑制されることが明らかとなった。
いずれのサンプルも稠度に大きな差異はないことから、上記分離の抑制は、ローション剤の単なる粘性増大に基づくものではなく、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム及び塩化ナトリウムを組み合わせたことに基づく効果であることが明らかとなった。
また、実施例1のローション剤を皮膚に塗布したところ、さっぱり感を有し、使用感が良好であった。
〔実施例2〕
実施例1のヒドロキシエチルセルロースの配合量を0.3gに増量したほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔実施例3〕
実施例1のヒドロキシエチルセルロース及び塩化ナトリウムの配合量を、それぞれ0.3g及び2.0gに増量したほかは、実施例1と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔試験例2〕
実施例2及び実施例3のローション剤について、保存条件を60℃で3週間に変更したほかは試験例1と同様の方法により、高温保存後の分離の有無を評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2023065336000002
表2の結果から、キサンタンガム及び/又は塩化ナトリウムの配合量を変更したローション剤においても、実施例1のローション剤と同様に分離が抑制されることが明らかとなった。また、実施例2、3のローション剤を皮膚に塗布したところ、さっぱり感を有し、使用感が良好であった。
〔実施例4〕
塩化ナトリウム1.0gの代わりに塩化マグネシウム(塩化マグネシウム:富田製薬(株)製)1.0gを用いたほかは、実施例2と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔実施例5〕
塩化ナトリウム1.0gの代わりに塩化カルシウム水和物(塩化カルシウム水和物:純正化学(株)製)1.0gを用いたほかは、実施例2と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔実施例6〕
塩化ナトリウム1.0gの代わりに硫酸マグネシウム水和物(硫酸マグネシウム水和物:富田製薬(株)製)1.0gを用いたほかは、実施例2と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔実施例7〕
塩化ナトリウム1.0gの代わりに塩化アンモニウム(塩化アンモニウム:純正化学(株)製)1.0gを用いたほかは、実施例2と同様に調製し、ローション剤を得た。
〔試験例3〕
実施例4~7のローション剤について、試験例1と同様の方法により、高温保存後の分離の有無を評価した。
結果を表3に示す。
Figure 2023065336000003
表3の結果から、塩化ナトリウムを塩化マグネシウム(実施例4)、塩化カルシウム水和物(実施例5)、硫酸マグネシウム水和物(実施例6)又は塩化アンモニウム(実施例7)に変更したローション剤においても、実施例2のローション剤と同様に、分離が抑制されることが明らかとなった。また、実施例4~7のローション剤を皮膚に塗布したところ、さっぱり感を有し、使用感が良好であった。
以上の試験結果から、ヒドロキシエチルセルロースに代表されるヒドロキシアルキルセルロース及びキサンタンガムに代表される天然水溶性高分子を含有する水中油型乳化組成物に、さらに塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、塩化アンモニウムに代表される無機塩類を含有せしめることにより、経時的な分離が抑制された、乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物が得られることが明らかとなった。
製造例1~3
常法により、100gあたり表4記載の成分及び分量(g)を含有する水中油型のローション剤を製造した。
Figure 2023065336000004
本発明によれば、経時的な分離が抑制された、乳化安定性が良好でかつ使用感の良好な水中油型乳化組成物を提供することができ、医薬品分野、医薬部外品分野及び化粧品分野などで好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)ヒドロキシアルキルセルロース;
    (B)天然水溶性高分子;
    (C)無機塩類;
    を含有する、水中油型乳化組成物。
  2. 成分(A)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. 成分(B)が、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストリン、プルラン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カンテン、ファーセレラン、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラギノガラクタン、ペクチン、マルメロ、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びキトサンよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  4. 成分(C)が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム水和物、塩化アンモニウム及び硫酸マグネシウム水和物よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  5. 剤形がクリーム又はローション剤である、請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  6. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)ヒドロキシアルキルセルロース;
    (B)天然水溶性高分子;
    (C)無機塩類;
    を同一の水中油型乳化組成物に含有せしめる工程を含む、水中油型乳化組成物の分離抑制方法。
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