JP2011090489A - 装置間通信システムおよび通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マスター装置103から通信ライン100を通して各スレーブ装置110,120,130に一斉配信されるスレーブアドレス設定命令に応じて、一のスレーブ装置のデータ出力端子(Dx)から当該出力端子毎に対応したユニークな既定シリアルデータを出力し、該シリアルデータを他のスレーブ装置のデータ入力端子SLAに供給する。該供給されたシリアルデータを予め定義された関数関係に基づいてデコードして個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に保持する。該保持された個別スレーブアドレスによって通信を行う。
【選択図】図1
Description
近年広く普及しているシリアル通信システムでI2C−BUS(非特許文献1参照)では、少なくとも一つのマスター装置と複数のスレーブ装置がSDA(Serial Data)とSCL(Serial Clock)との2本のバスを共通にして接続されて直列バスシステムを構成している。
また、同種のデバイスを接続するために、スレーブアドレスは変更不可能な固定部分とデバイスピン設定によるプログラマブルな部分とが設けられており、極力多数のデバイスを一つのI2C−BUSに接続できるように考慮されている。
上述のような状況にあって、近年、スレーブアドレスの重複や、スレーブ装置の総数に対してプログラム可能なピン数が不足するという重大な問題が派生してきている。このような問題に対処するためにバス切換え回路を利用する技術が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の提案におけるバス切換え回路では、同一のバス上にアドレスが重複したデバイスを接続できないため、重複分だけ、バス分割拡張回路を備えた上でそれらのバス切換え制御を行わねばならない。
(1)シリアルデータラインおよびクロックラインを有する通信ラインにマスター装置および複数のスレーブ装置が接続され前記通信ラインを通して前記マスター装置と該当するスレーブ装置との間で所定の通信プロトコルによるシリアルデータ転送を行う装置間通信システムにおいて、
前記複数の各スレーブ装置は、
前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する既定シリアルデータ出力手段と、
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子から入力されたシリアルデータを予め定義された関数関係に基づいてデコードして該デコードしたデータを前記スレーブアドレス設定命令に対応した個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス設定手段と、
前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする装置間通信システム。
上記における複数の各スレーブ装置は、その既定シリアルデータ出力手段によって、前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する。
更に、その通信制御手段によって、前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
そして、その通信制御手段によって、前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する既定シリアルデータ出力手段と、
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子から入力されたシリアルデータを予め定義された関数関係に基づいてデコードして該デコードしたデータを前記スレーブアドレス設定命令に対応した個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス設定手段と、
前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
そして、その既定シリアルデータ出力手段によって、前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する。
更に、その通信制御手段によって、前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
そして、その通信制御手段によって、前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
上記(4)の通信装置では、(3)の通信装置において特に、その出力切替え手段によって、前記スレーブアドレス設定命令の期間に前記既定シリアルデータを出力させ、前記スレーブアドレス設定命令の期間に該当しない期間に他の情報データを出力させる。
前記複数の各スレーブ装置における該当する前記データ入力端子に前記既定シリアルデータ出力手段が出力する前記既定シリアルデータを分配する既定シリアルデータ分配手段を更に備えていることを特徴とする(3)または(4)の何れか一の通信装置。
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子に供給される既定の論理値に対し予め定義された関数関係のデータを参照して当該通信装置を表すスレーブアドレスデータを決定し、該決定したスレーブアドレスデータを個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス決定手段と、
前記個別スレーブアドレス決定手段によって前記データ保持部に書込まれた当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
そして、その個別スレーブアドレス決定手段によって、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子に供給される既定の論理値に対し予め定義された関数関係のデータを参照して当該通信装置を表すスレーブアドレスデータを決定し、該決定したスレーブアドレスデータを個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む。
また、その通信制御手段によって、前記個別スレーブアドレス決定手段によって前記データ保持部に書込まれた当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
スレーブ装置相互間でもまたスレーブ装置単独でも端子の接続関係だけでスレーブアドレスの管理設計が可能になり、装置間通信システム以外の他のスイッチ等の制御を必要とせず、アドレスの重複の問題を解決するための調停装置等を不要にすることができる。
マスター装置によるスレーブアドレス設定命令は1回で決定され保持されるため、従来技術に見られる多重構成要素間にアクセスするために通常通信以外の例外的な設定を繰り返す必要がない。
図1は、本発明の一つの実施の形態としての装置間通信システムを表す系統図である。
図1の装置間通信システムは、同一のシリアル通信バスに本発明のシリアル通信用スレーブ装置を複数個接続する多重構成の態様を採る。
100はシリアルクロック(SCL)ライン101およびシリアルデータ(SDA)ライン102の2本の通信線で通信を行うことが可能であり、マスター装置103がシリアルクロック(SCL)ライン101を制御してSDAライン102でデータを送受信する。
この実施の形態では、特段の言及がない場合は、前掲の非特許文献1所載のI2C(デファクトスタンダード)における7ビットアドレスのフォーマットを用いたI2C通信プロトコル上で作動するものとして、即ち、通常のプロトコル部分についてはI2Cに準拠しているものとして、以下の説明を行う。
即ち、第1スレーブ装置110のクロックライン111およびシリアルデータライン112が各対応するSCLライン101およびSDAライン102に接続され、これらクロックライン111およびデータライン112を通してマスター装置103が第1スレーブ装置110とI2C双方向通信を行う。
更に、第3スレーブ装置130のクロックライン131およびシリアルデータライン132が各対応するSCLライン101およびSDAライン102に接続され、これらクロックライン131およびデータライン132を通してマスター装置103が第3スレーブ装置130とI2C双方向通信を行う。
即ち、通信機能を有する第2スレーブ装置120と、その直接の制御或は情報伝達対象であって計測その他の多様な拡張機能を有する第2装置126とが、D2Bデータ出力バス124およびデータ入力バス125で結ばれて、第2機能ユニットFU2を構成している。
I2C通信プロトコルでは、通信の相手方であるスレーブ装置に対し、7ビットのスレーブアドレスとこれに続く8ビット目のデータ方向ビットとが続いて送信される。
一般に、スレーブアドレスは、変更不能な固定部分とプログラム可能な部分とを有し、通信システム内で同一仕様のデバイス(図示の例ではスレーブ装置)が複数個用いられる場合に、このプログラム可能な部分を変更して識別し接続される。プログラム可能な部分のビット数は、利用可能な端子数によって決定される。
既述のように、図1の実施の形態では、第1ないし第3の3基の機能ユニットFU1〜FU3を備えているため、マスター装置103との通信バス100に3つのスレーブ装置(第1スレーブ装置110、第2スレーブ装置120、第3スレーブ装置130)が接続されている。
このような状況にあって、図1の実施の形態では、スレーブ装置110、120、130に対し異なるスレーブアドレスを設定することを可能にしてマスター装置103との通信を各別に分離可能にしている。
図2は、図1の装置間通信システムにおけるスレーブアドレス設定スキームの概要を表すフローチャートである。
通信デバイス(マスター装置103、第1スレーブ装置110、第2スレーブ装置120、および、第3スレーブ装置130)は、電源の立ち上げ等により先ず初期状態になる(第1スレーブ装置110:S211、第2スレーブ装置120:S221、第3スレーブ装置130:S231)。
ここに、同報通知とは、マスター装置が個々のスレーブ装置に対し逐次要求を発するのではなく、要求を送るためのスレーブアドレスを指定して一斉に送信する通知であり、I2Cではゼネラル・コール・アドレス(General Call Address)に相当する。
第1スレーブ装置110はマスター装置103からのスレーブアドレス設定命令H06を受信し(S213)、予め定義されたシリアルコードをバスから出力する。
図3における同報通知命令では、SCL信号301に同期してSDA上で図中321に示す論理値が受渡しされる。
また、上述のシリアル値は予め任意に定義されたユニークなシリアルデータであってよいが、説明の便宜上、この例では、図3の334に示すようなバスコードが出力され、各スレーブ装置110、120、130では、図中、330、331、332、333に示すようなシリアル信号が生成され各端子から出力される。
このシリアルデータそのものは、その開始(S215)からマスタークロックが8クロック分出力される連続したデータである(S216)。
SCLに同期して8ビット入力を行うことが可能であるが、この実施の形態では、未定義のビットは2ビットであり、この2ビットはシリアルID8ビットのうちの何れか2ビットであればよい。従って、このビット位置は、例えば、MSBを7番目のビットとして2番目のビットと1番目のビットとの2ビットをこれに当て、この2ビットによってスレーブアドレスを特定することができる。
また、図4の関数対応値も、I2Cにおける7ビットのスレーブアドレスの全ての組み合わせに対応するテーブルを持つ必要はなく、未定義の2ビットに対応する下位2ビットがあればよく、上位ビットは不要であるため、図4ではこれら上位ビットは一律に「X」と表記してある。
第1スレーブ装置110のシリアルID出力は出力バスD1B[3:0]のうちの一つを通して第3スレーブ装置130に供給される。第1スレーブ装置110での上述のステップS215から出力を開始したシリアル信号SD1(破線矢線)は、第3スレーブ装置130における、第1スレーブ装置110について既述のような処理フローに従って、そのSLA端子からシリアルIDとして取込まれ(S234)、第3スレーブ装置130でのスレーブ装置アドレスの読込み可能な部分(プログラム可能なアドレスビット値を)を決定するために用いられる。
このように、第1スレーブ装置110は同報通知命令に合わせシリアルIDを出力する一方、SLA端子からシリアルID入力を受けるが、図1における装置間通信システムでは、第1スレーブ装置110、第2スレーブ装置120、および、第3スレーブ装置130は、予め異なるシリアルIDがそれらの各SLA端子から入力されるように構成されている。
また、第1スレーブ装置110のSLA端子への入力として、第2スレーブ装置120のD2端子からのシリアルID出力D1B[2]が配線113を通して供給される。
一方、第2スレーブ装置120のSLA端子は、配線123を通して接地(GND)レベルの信号が供給されて論理0の状態に維持されている。
各スレーブ装置110、120、130は、マスター装置103から転送された同報通知命令を受信してACK(アクノレッジ)を返すと共に、図4に示された対応関係に基づいて、シリアルIDをデコードしてこの結果をプログラム可能な2ビットのアドレスデータとする。これにより、各スレーブ装置110、120、130は、決定した自装置のアドレスを保持する。
一方、第3スレーブ装置は、図3における331のシリアル信号D[1]として「10101010」を受信する。
また、第2スレーブ装置120は、既述のように、そのSLA端子が配線123を通して常時接地されて論理0の状態に維持されており、図3における330のシリアル信号D[0]として「00000000」を受信する。
次いで、マスター装置103は、シリアル通信バス100(SCLライン101およびSDAライン102)を解放する(図2:S218、S228、S238)。これらのステップでI2Cにおけるストップ条件(STOP)の発行に到る。
即ち、第1スレーブ装置110ではスレーブアドレスが「1010110」、第2スレーブ装置120では「1010100」、第3スレーブ装置130では「1010101」となっている。
このため、図1の実施の形態における配線133はD1B[1]に接続されているが、通信ライン上で重複しないようにするための第3スレーブ装置130のスレーブアドレスとして「1010111」の選択を所望する場合はD1B[3]と接続するようにすればよい。
ステップS219、S229、S239のアイドル状態では、上述のようなスレーブアドレスを用いて特別な制御を行わずとも第1スレーブ装置110、第2スレーブ装置120、および、第3スレーブ装置130に対してデータの送受信を行うことができる。
換言すれば、通信を行う場合に、当初の一回のみ上述のような特殊な手続を行えば、これ以降は通常の装置間通信システムとして機能し得る。
図5のスレーブ装置500は、図1における第1スレーブ装置110、第2スレーブ装置120、および、第3スレーブ装置130に相応し、これらを代表して表したものであり、この図5においては、改めて参照符号500を附している。
スレーブ装置500は、通常のこの種のスレーブ装置と同様にSDA端子501およびSCL端子502を有し、更に、プログラム可能なアドレス指定端子であるSLA端子503を備えている。
図5における端子H1、H2、および、H3を含む端子部504は、図1における第1装置116(第2装置126、第3装置136)からのデータ入力バス115(125、135)に対応している。
また、このスレーブ装置500は、その本来の目的である信号処理を行った結果としてのデータを出力するためのデータ出力バス505を備えている。
図5におけるデータ出力バス505は図1のデータ出力バス114(124、134)に対応しており、これらは本発明の実施の形態における、通信ライン100に接続される端子以外の1以上のデータ出力端子である。
シリアル通信部510は、従前のこの種のデバイスの場合は、通常データ処理回路511とのデータの授受を行うのみである。
上述のシリアルデータ生成回路531、マルチプレクサ532、および、データ出力バス505等により、本発明の実施の形態において当該出力端子毎(505の各信号線)に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する既定シリアルデータ出力手段である既定シリアルデータ出力手段を構成している。
そして、更に、シリアル通信部510、SCL端子502、端子部504、および、SDA端子501等を含んで、本発明の実施の形態における通信制御手段を構成している。通信制御手段は、スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う。
作動を開始する当初にPower On Reset等により初期化状態にしておく(S600)。このステップS600では、マスター装置とスレーブ装置間ではいまだ通信が行われていない。
この状態では、各スレーブ装置のスレーブアドレスは未設定であったり、Power On Reset等により或る固定アドレスが設定される場合もあるが、スレーブアドレス設定命令の実行前の時点では上記何れであってもよい。
I2Cに準拠したスレーブ装置500(図5)ではそのSDA端子501、SCL端子502よりスレーブアドレス設定命令であるシリアル信号をシリアル通信部510(図5)で受信開始する。そして、ゼネラル・コール・アドレスの1バイト目である既述のH00コードを受けてスレーブアドレス書込み準備に入る(S602)。
即ち、同報通知であるGeneral Callを受けると、General Call Active部530(図5)でフラグ信号を立て、このフラグを維持する一方、このフラグによってマルチプレクサ532(図5)の出力を切替える(S621)。
ステップS622で開始したシリアルIDの出力動作では、ゼネラル・コール・アドレスの2バイト目である8ビットの転送と共に、出力D[n:0]からユニークな[n]ビットのシリアルIDの送出をSCL端子502(図5)に供給されるシリアルクロックに同期して行う(S623)。
即ち、マルチプレクサ532は、スレーブアドレス設定命令の期間に前記既定シリアルデータを出力させ、前記スレーブアドレス設定命令の期間に該当しない期間に他の情報データを出力させる、本発明の実施の形態の要素である、出力切替え手段として機能する。
ステップS612で開始したシリアルIDの受信動作では、2バイト目の8ビットに同期してSLA端子503(図5)に供給されるmビット(本例では、mは1以上8以下の任意の整数)のシリアルIDを受信する(S613)。尚、ここに、ステップS613で受信するシリアルIDは、既述のステップS623で出力するシリアルIDとは別のデータ(本スレーブ装置から見ると、外部から供給されるデータ、および、自装置から出力するデータの、各別のデータ)である。
図1の実施の形態では、上述の「n」ビットは8ビットであった。8ビットであれば256種類のシリアルパターンの生成が可能であり、アドレスも、これに対応した数だけ関数関係式が定義できる。従って、SLA一つでI2Cの7ビットスレーブアドレス全ての割当てが可能である。
所謂パワーオンリセット等の初期化状態(S600)の次のステップである、既述の同報通知を発する動作ステップS601では、複数のスレーブ装置をシリアル通信バスに接続した多重構成ではないため、通常の如く、SLAを論理0もしくは論理1だけで用いるといった方法も考えられる。
即ち、同報通知命令の発生前においては、SLAが0で、スレーブアドレスのLSBが0で使用される場合は、常にSLAが0であるとして、「00000000」に対して「XXXXXX0」を対応させる。
上述のようなSLAとスレーブアドレスのLSBとの対応関係での使用による場合には、結果的に、同報通知命令によるアドレス設定を行わずとも、当該設定を行った場合と同じアドレスになるので、同報通知命令を使用しない可能性があるシステムにおいても矛盾なく適用することが可能になる。
そして、上述のような2つの変化状態をも2つの固定状態に加え、これらの状態を合計して4値アドレスとするシステムの場合でも、同報通知命令が発せられる以前にSLAが固定でなく論理1と論理0との間で変化する場合に対応して変化後の論理を「N」としてLSBに割当てて加えると、図7の対応表に表されたような関係が成り立つ。
従って、初期化状態からのSLAの変化状態を検出する上述の方法も、矛盾無く適用可能であり、応用範囲が拡大されることになる。
以上のとおり、本発明によれば、プログラム可能なスレーブアドレス端子が少ない通信システムであっても、スレーブアドレス設定命令に対してスレーブ装置自体が持つ複数個の任意の出力ピンからシリアルIDを出力させ、スレーブアドレス設定用シリアル信号入力端子からの入力をデコードしてアドレスと対応付ける機能を有することによって、シリアルID出力の数だけスレーブアドレス値の選択が可能になる。
また、他のスイッチ等の制御を要さず、通信ライン以外の調停装置を不要にすることができる。
更にまた、上記における対応関係の設定は、一旦実施して以降は、通常の通信と変わりがなく、このため、例外的な設定を繰返し行う必要がない。
ここで、本発明の技術思想では、シリアルID信号の生成とデコードとを同時に行っているので、自己のシリアルID出力を選択し、それを自己のシリアルID入力に供給することによって、例えば、図8に示すような構成を採ることもできる。
図8の装置間通信システムでは、スレーブ装置同士の配線を持たずに、スレーブアドレスの重複を発生させないように構成されている。
即ち、図示の通り、各スレーブ装置は自己のシリアルID信号のうち所定の出力を選択し、該選択した出力を自己のシリアルID入力、即ち、SLA端子に供給するようにしている。尚、第3スレーブ装置130については、SLA端子を接地している。
このような態様の構成を採ることによって、スレーブ装置同士の配線が困難な状況下にあっても、スレーブアドレスの重複を来たすことのない装置間通信システムを構築することが可能である。
図9の装置間通信システムでは、同一の通信バス100に複数接続される多重構成要素が同一仕様の装置でなく異なる装置である場合において多重構成されている。
図9において、第1スレーブ装置110、第4スレーブ装置140、および、第5スレーブ装置150は、それぞれ仕様を異にする装置である。尚、この場合、第1スレーブ装置110と第1装置116とによって機能ユニットFU1が構成され、第4スレーブ装置140と第4装置146とによって機能ユニットFU4が構成され、第5スレーブ装置150と第3装置156とによって機能ユニットFU5が構成されている。
即ち、スレーブ装置間で並列にシリアルID信号を供給するように配線することによって、シリアルID出力として利用可能な端子が無かったり、少なかったりする場合であっても、シリアルID出力端子が多いスレーブ装置から出力される異なるシリアルID出力端子と接続することによって、スレーブアドレスの重複を発生させないようにすることができる。
図10の装置間通信システムも、スレーブ装置同士の配線を持たずに、スレーブアドレスの重複を発生させないように構成されている。
尚、第1スレーブ装置110と第1装置116とによって機能ユニットFU1が構成され、第2スレーブ装置120と第2装置126とによって機能ユニットFU2が構成され、第3スレーブ装置130と第3装置136とによって機能ユニットFU3が構成されている点は、図1に例示されたシステムと同様である。
更に、SLA端子から入力されるシリアルIDによりスレーブアドレスを決定するという特徴を持つため、シリアルIDを生成すること自体は、本発明におけるようなスレーブ装置でなくとも可能である。
図10の実施の形態のようにSLA端子をスレーブ装置の出力と接続しない構成を採る場合であっても、従前のような装置間通信システム上で通信装置として適用可能である。
101………………………………シリアルクロック(SCL)ライン
102………………………………シリアルデータ(SDA)ライン
103………………………………マスター装置
110………………………………第1スレーブ装置
111、121、131…………クロックライン
112、122、132…………データライン
113、123、133…………配線
114、124、134…………データ出力バス
115、125、135…………データ入力バス
116………………………………第1装置
120………………………………第2スレーブ装置
126………………………………第2装置
130………………………………第3スレーブ装置
136………………………………第3装置
500………………………………スレーブ装置
501………………………………SDA端子
502………………………………SCL端子
503………………………………SLA端子
504………………………………端子部(データ入力バス)
505………………………………データ出力バス
510………………………………シリアル通信部
511………………………………通常データ処理回路
520………………………………Address Table ブロック
521………………………………シリアルデータ受信回路
530………………………………General Call Active部
531………………………………シリアルデータ生成回路
532………………………………マルチプレクサ
Claims (6)
- シリアルデータラインおよびクロックラインを有する通信ラインにマスター装置および複数のスレーブ装置が接続され前記通信ラインを通して前記マスター装置と該当するスレーブ装置との間で所定の通信プロトコルによるシリアルデータ転送を行う装置間通信システムにおいて、
前記複数の各スレーブ装置は、
前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する既定シリアルデータ出力手段と、
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子から入力されたシリアルデータを予め定義された関数関係に基づいてデコードして該デコードしたデータを前記スレーブアドレス設定命令に対応した個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス設定手段と、
前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする装置間通信システム。 - 前記複数の各スレーブ装置のうちの一のスレーブ装置における前記既定シリアルデータを出力する前記データ出力端子である既定シリアルデータ出力端子と前記複数の各スレーブ装置のうちの他のスレーブ装置における前記既定シリアルデータを入力する既定シリアルデータ入力端子とを結ぶ既定シリアルデータ伝送手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置間通信システム。
- シリアルデータラインおよびクロックラインを有する通信ラインにマスター装置および複数のスレーブ装置が接続され前記通信ラインを通して前記マスター装置と該当するスレーブ装置との間で所定の通信プロトコルによるシリアルデータ転送を行う装置間通信システムにおける前記スレーブ装置として適合する通信装置であって、
前記マスター装置から前記通信ラインを通して配信される同報アドレス通知によるスレーブアドレス設定命令に応じて、前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ出力端子から当該出力端子毎に対応した既定のユニークなシリアルデータである既定シリアルデータを出力する既定シリアルデータ出力手段と、
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子から入力されたシリアルデータを予め定義された関数関係に基づいてデコードして該デコードしたデータを前記スレーブアドレス設定命令に対応した個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス設定手段と、
前記スレーブアドレス設定命令の期間に、前記既定シリアルデータ出力手段に前記既定シリアルデータを出力させるに際して前記個別スレーブアドレス設定手段に当該個別スレーブアドレスの書込みを並行して行わせ、該書込みによって設定された当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。 - 前記スレーブアドレス設定命令の期間に前記既定シリアルデータを出力させ、前記スレーブアドレス設定命令の期間に該当しない期間に他の情報データを出力させる出力切替え手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
- 前記既定シリアルデータ出力手段は、当該出力端子毎に対応して前記複数の各スレーブ装置にそれぞれ対応した前記既定シリアルデータを各出力するように構成され、
前記複数の各スレーブ装置における該当する前記データ入力端子に前記既定シリアルデータ出力手段が出力する前記既定シリアルデータを分配する既定シリアルデータ分配手段を更に備えていることを特徴とする請求項3または4の何れか一項に記載の通信装置。 - シリアルデータラインおよびクロックラインを有する通信ラインにマスター装置および複数のスレーブ装置が接続され前記通信ラインを通して前記マスター装置と該当するスレーブ装置との間で所定の通信プロトコルによるシリアルデータ転送を行う装置間通信システムにおける前記スレーブ装置として適合する通信装置であって、
前記通信ラインに接続される端子以外の1以上のデータ入力端子に供給される既定の論理値に対し予め定義された関数関係のデータを参照して当該通信装置を表すスレーブアドレスデータを決定し、該決定したスレーブアドレスデータを個別スレーブアドレスとして所定のデータ保持部に書込む個別スレーブアドレス決定手段と、
前記個別スレーブアドレス決定手段によって前記データ保持部に書込まれた当該個別スレーブアドレスによる通信を行う通信制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
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