JP2011089846A - 静電解析方法及び静電解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 静電解析方法及び静電解析装置に関し、レーザ光を用いた被検査対象物の各製造段階における検査や電極を有さない被検査対象物の検査を電気的に非接触で精度良く行う。
【解決手段】 被検査対象物にレーザ光を走査しながら照射するレーザ光入射工程と、前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出工程と、前記反射光検出工程と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を静電検出センサの検出電極により電気的に非接触で検出する静電界検出工程と、前記静電界検出工程で取得した検出信号を前記反射光検出工程で取得した検出信号に基づき画像化する画像化工程と、前記画像化工程で形成した静電界強度分布に基づいて前記被検査対象物を解析する解析工程とを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は静電解析方法及び静電解析装置に関し、例えば、レーザ光照射に伴って発生する静電位の変化を非接触で検出して半導体装置をはじめとする化合物半導体、強磁性材料、太陽電池等の各種電子デバイスの故障箇所や植物組織等の電極を有さない被検査対象部を解析する手法に関する。
近年、半導体集積回路装置の高集積化、微細化、低電圧化の進展に伴って半導体集積回路装置内部に発生する故障や欠陥の大きさも極めて小さく、また、故障による異常電流や電圧も微小になってきている。このため、高感度で半導体集積回路装置の故障部分を正確に検出する方法が望まれている。
半導体装置の解析手法としては、半導体集積回路装置のチップ表面或いはチップ裏面よりレーザ光を照射し、その照射により発生した熱によって変化する半導体装置内の電気回路における電流や電圧、抵抗の変化を検出する解析法がある。この方法は“オバーク”法(OBIRCH;Optical Beam Induced Resistance CHange)と呼ばれ、以下、OBIRCHと称す。
また、半導体装置にレーザ光を照射して、照射したレーザ光により生成された電子やホールを検出する光励起解析法が知られている。この解析法は“オービック法”(OBIC;Optical Beam Induced Current)と呼ばれ、以下、OBICと称す。
また、最近では配線の微細化やプロセス工程の途中過程で、直接メタル配線や電極パッドに電極針を接触させることなく解析できる、非バイアス、非接触プローブ解析が提案されている。例えば、励起レーザ照射による光起電流によってメタル配線を含む閉ループが形成され、その箇所で生ずる磁場を検出する、レーザスクイッド(Laser SQUID)法がある。或いは、パルス状のレーザ光を半導体装置に照射した際に生ずる電磁波を検出するテラヘルツ解析法がある。
上に挙げたレーザ光を用いた各解析手法は、レーザ走査に同期した形で故障箇所の物理位置特定ができるために、半導体装置の解析分野では広く活用されている。
特開平06−300824号公報 特開平05−203877号公報
二川 清,「光を用いたLSIの故障解析技術」,日本信頼性学会誌「信頼性」,Vol.26,No.1,pp.28−36,2004
半導体集積回路装置の製造は200以上の工程を経て作り上げられるため、製品出荷された半導体装置に問題が発覚した場合に、半導体装置の製造途中の多くの仕掛り品や膨大な時間的なロスを発生させることになる。したがって、より製造工程の前段階で検査・解析を行い異常や問題を検出する必要がある。
ところが、上述のOBIRCHやOBICによる解析では電極針を内部回路に接触させるための露出したパッド形成が必要であり、メタル配線は形成されていてもパッドが形成されていない段階の半導体装置の解析はできないという問題がある。
また、上述レーザスクイッド法やテラヘルツ解析法の場合には、非接触で行うことができるためパッド形成は必要ないが、半導体装置のメタル配線工程まで完了していないと解析できないという問題がある。
したがって、従来のレーザ光を用いたいずれの解析手法の場合も、半導体装置のメタル配線が形成される工程まで完了しないと適用することができなかった。その結果、従来手法では拡散工程の異常や基板の欠陥異常、不純物注入異常等のようなメタル配線工程より前の製造工程の解析を行うことができないという問題がある。
したがって、本発明は、レーザ光を用いた被検査対象物の各製造段階における検査や電極を有さない被検査対象物の検査を、電気的に非接触で精度良く行うことを目的とする。
開示する一観点からは、被検査対象物にレーザ光を走査しながら照射するレーザ光入射工程と、前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出工程と、前記反射光検出工程と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を静電検出センサの検出電極により電気的に非接触で検出する静電界検出工程と、前記静電界検出工程で取得した検出信号を前記反射光検出工程で取得した検出信号に基づき画像化する画像化工程と、前記画像化工程で形成した静電界強度分布に基づいて前記被検査対象物を解析する解析工程とを有する静電解析方法が提供される。
また、開示する別の観点からは、レーザ光源と、被検査対象物に前記レーザ光源からのレーザ光を走査しながら照射する走査光学系と、前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出手段と、前記反射光検出と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を電気的に非接触で検出する検出電極を備えた静電検出センサと、前記静電検センサで取得した検出信号を前記反射光検出手段で取得した検出信号に基づき画像化する画像化手段とを有する静電解析装置が提供される。
開示の静電解析方法及び静電解析装置によれば、加工が難しい試料や半導体装置等の電子デバイスの製造工程の中間製品解析や、植物組織等の電極を有さない被検査対象物の解析を非接触で精度良く解析することが可能となる。
本発明の実施の形態の静電解析装置の概念的構成図である。 レーザ光照射による過渡電界発生原理の説明図である。 レーザ光照射により発生する静電界の模式的説明図である。 本発明の実施例1の静電解析装置の概念的構成図である。 本発明の実施例1に用いる静電界プローブ及びアンプの構成説明図である。 検出電極の変形例の説明図である。 QFPパッケージの解析結果の説明図である。 ベアシリコン基板の結晶欠陥解析結果の説明図である。 本発明の実施例2の静電解析装置の概念的構成図である。 本発明の実施例3の静電解析装置の概念的構成図である。 本発明の実施例4の静電解析装置の概念的構成図である。 本発明の実施例5の静電解析装置の概念的構成図である。
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態の静電解析装置の概念的構成図である。レーザ光源1、試料台2、試料台2に載置した被検査対象物3にレーザ光源1からのレーザ光を走査しながら照射する走査光学系4、静電界を検出する検出電極6を備えた静電検出センサ5、被検査対象物3からの反射光を検出する反射光検出手段7を具備する。また、静電検出センサ5で取得した検出信号を反射光検出手段7で取得した検出信号に基づき画像化する画像化手段8を具備する。
次に、検査手法を説明する。レーザ光源1から放出されたレーザ光をガルバノスキャンミラー等の走査光学系4で走査しながら半導体チップ等の被検査対象物3の全面、もしくは部分領域に照射する。レーザ光照射より被検査対象物3で発生した静電界を検出電極6を備えた静電検出センサ5で検出する。一方、被検査対象物3に走査されながら照射されたレーザ光の一部は反射され、反射光はハーフミラーを含む反射光検出手段7により検出されて被検査対象物3の光学像を形成する。
静電検出センサ5で検出された検出信号は、画像化手段8において反射光検出手段7により検出された検出信号、即ち、被検査対象物3の位置情報と同期させてマッピングすることにより静電界分布図として画像化する。この静電界分布図における暗点或いは輝点を欠陥箇所或いは故障箇所として解析を行う。
例えば、被検査対象物3としての半導体装置のPN接合部位にレーザビーム光を照射した際に光起電流によってここは電子双極子として作用し、距離rでの電界E(r)は、A,j,k(波数)を定数とすると、
E(r)=A(1/r3 +jk/r2 +k2 /r)
で表される。
ここで、右辺の第1項は静電界と呼び距離rの3 乗に逆比例し、第2項は誘導電界と呼び距離rの2 乗に逆比例し、第3項は放射電界(電波)と呼ばれ、減衰が少なく遠くまで伝搬する。このように、放射電界は電界発生部位より距離rに反比例し現象するため離れた箇所でも検出でき、誘導電界は距離rの2乗に反比例する。
一方、本発明の検出対象である第1項の近距離に作用し周波数(波動)に無関係な静電界は距離rの3乗に反比例するため被検査対象物3の至近距離に検出電極6を配置する必要がある。また、静電界は被検査対象物3の全体に分布するが、レーザ光が照射される領域の強度が高いので、検出電極6はその付近に配置されるのが望ましい。
図2はレーザ光照射による過渡電界発生原理の説明図であり、ここでは、半導体チップにレーザ光を照射した場合を例に説明する。レーザ光が半導体装置回路の接合部、ソース・ドレイン拡散部、コンタクトやメタル配線等の回路エレメント9に当った際にレーザスポット径で決まる微小エリアで電界Eが発生する。電界Eの発生は回路エレメント9の境界が温度勾配や電界勾配が大きくなるため、図に示すように回路エレメント9の境界で電界検出信号は強くなる。なお、符号10は素子分離層である。
電界Eは主に近赤外レーザ光の照射熱によるゼーベック効果(熱起電力)やシリコン基板のバンドギャップより高いエネルギーを有するレーザ光を照射した際に生ずる電子・正孔対による光起電流によって発生する。或いは、レーザ光の半導体装置回路の回路パターンからの反射や吸収の違いによって生じる静電界変化がある。また、PZT等の強誘電体材料に近赤外レーザ照射した場合には、発熱に起因する焦電電流による電界が発生する。
図3は、レーザ光照射により発生する静電界の模式的説明図であり、図3(a)は、被検査対象物の裏面からレーザ光を照射した場合を示し、図3(b)は、被検査対象物の表面からレーザ光を照射した場合を示している。
いずれの場合も、発生した静電界は瞬時に半導体チップの表面に分布し、チップに接近させた静電界プローブにて検出が可能である。なお、図3(b)に示すように、表面から照射するレーザ光は半導体装置の基板を透過させる必要がないためにエネルギーの高い、即ち、波長の短いレーザ光が利用でき、且つ、表面回路だけの効率的な静電界の発生・検出が可能になる。
また、空間分解能は照射するレーザ光のスポット径に依存する。例えば、1340nm波長の近赤外レーザを用いた場合1000nmまで、また、632nm付近の可視レーザを使用した場合は分解能は500nm以下まで改善できる。なお、後者の波長はシリコン基板を透過することができないため、図3(b)に示すように、半導体装置のチップ表面回路情報だけを検出するのに有効である。
また、静電検出センサ5は、S/N比を上げるために入力容量が2.0pF以下の低入力容量のMOS型FET或いはGaAsFET等の接合型FETが望ましいが、EO(電気光学結晶)を用いた静電センサやブリッジ回路を用いても良い。なお、10pF以上の入力容量のFETを用いた場合には良好な検出結果がえられなかった。
静電検出センサ5に2.0pF以下の低入力容量の電界効果型トランジスタを用いた場合には、検出電極6によって変化する電界を電位として電界効果型トランジスタのゲートで検知して、ドレイン−ソース間の電流量として電界を定量的に検出する。
また、電界効果トランジスタのゲートに接続した検出電極6は、検出する範囲に応じて使い分けられ、広い平行面積を有する容量電極は検出電界量が多くなるため数mm離れた場所でも検出ができる。したがって、半導体装置が組み立てられた状態、例えば、パッケージ樹脂で封止された状態でも変化する静電界が検出可能である。一方、電界が微弱で且つ小さい領域の検出のためには細い針状の電極を用いる。
いずれの電極においても先端に誘電率の高い素材を挟むことで、効率的に電界が検出できる。また、誘電体を挟むことで半導体装置回路の露出したメタル配線にも適用が可能になる。
また、検出感度を高めるために、被検査対象物に配線が形成されている場合には、レーザ光の走査周期より速い周波数のリップル電圧を誘導結合により印加しても良い。または、レーザ光源を直接変調することにより或いは放射されたレーザ光をEO結晶等により、レーザ光の走査周期より速い周波数で光変調しても良い。
以上、説明したように、本発明は、従来のように誘導電界や放射電界を検出するのではなく、メタル配線がなくてもレーザ光照射により発生する静電界を検出しているので、各製造段階のデバイスの解析に用いることができる。また、レーザ光照射によって一部分で生じた微小電界は瞬時に被検出対象物の表面の全面に伝達し分布する静電検出センサを被検出対象物の表面や裏面のどのような箇所に配置しても検出が可能になる。
さらに、本発明は容量結合により静電界を検出するため、被検査対象物がパッケージされた半導体装置である場合、パッケージ樹脂の誘電率εp (≒4)が空気の誘電率の1より高く、検出電極の結合係数が増えて効率的に故障箇所の信号を検出することができる。
以上を前提として、次に、図4乃至図8を参照して本発明の実施例1の静電解析装置を説明する。図4は、本発明の実施例1の静電解析装置の概念的構成図であり、レーザ光源11、ガルバノミラー12、半導体チップ15を載置する透明板14を備えたステージ13、検出電極を構成する平板の容量電極17を備えた静電界プローブ16、アンプ18を備えている。また、半導体チップ15で反射されたレーザ光を反射するハーフミラー19、反射光を検出する光検出器20、アンプ21、及び、PC等の画像化装置22を備えている。
図5は本発明の実施例1に用いる静電界プローブ及びアンプの構成説明図であり、図4(a)は全体構成図であり、図4(b)は、アンプの回路構成図である。図4(a)に示すように、静電界プローブ16は入力容量が0.02pFのMOS型FET或いは入力容量が2.0pFの接合型FET等の電界効果型トランジスタで構成される。
また、アンプ18は、抵抗R1 が接続されたソースアンプOP1 と抵抗R2 が接続された入力アンプOP2 からなり、抵抗R1 や抵抗R2 を可変にして出力レベルV0 や入力VINのゲインを調整する。
電界効果トランジスタのドレイン−ソース間にアンプ18により10mV〜5Vのバイアスを印加して変化する電流をアンプ18で増幅して解析画像の輝度信号に変換する。電界効果トランジスタのゲートは容量電極17を接続して開放状態で使い、容量結合による電界を検出する。
次に、解析手順を説明すると、レーザ光源11から出たビーム光はガルバノミラー12で水平と垂直に走査され、光学系を通って半導体チップ15の所望の場所にフォーカスされ、まず、反射した光は光検出器で捕えて画像化装置22において光学像を作る。
また、レーザ光よって変化する静電界は容量電極17を介して静電界プローブ16で検出され、画像化装置22においてレーザ光の走査タイミングに同期させることによって信号の強度に応じて画像のコントラストとして表示する。これが解析像である。両者の像を合成することで故障位置を特定することができる。
本発明の実施例1においては、レーザ光照射に伴って発生する静電界を検出するだけであるので、被検査対象物である半導体チップを無バイアス且つ電気的に非接触で欠陥箇所や故障箇所の解析を行うことができる。したがって、配線形成前の半導体チップの欠陥箇所や故障箇所の解析を行うことが可能になる。
図6は、検出電極の変形例の説明図である。図6(a)は、検出電極としての平板の容量電極17の下部に誘電体層23を設けたものである。この場合の誘電体層23としては、例えば、ガラス(SiO2)、ゴム、アクリル等を用いる。
このように、容量電極17と半導体チップ15の間に誘電体層23を入れて結合容量を増やすことにより、半導体チップ15の表面の電界を効率良く検出することが可能になる。また、半導体チップ15の表面メタル等の導体が露出している場合においてもショートすることなく測定することができる。
図6(b)は、検出電極としての針状電極24を用いたものである。この針状電極24の直径は、例えば、0.01mm〜0.5mm程度とする。このような針状電極24を用いることにより、小さいエリアの検出が可能になる。
即ち、静電界は上述のように距離rの3乗に反比例して減衰するために、細い針の場合、先端の接触面以外の結合容量は減衰し、半導体チップ15に接近するエリアだけの電界を検出することになる。半導体チップ15がメタル配線に覆われてシリコン基板との容量結合が低い場合に、メタル配線が少ない場所に針状電極24を接近させることで効率的に静電界を検出することができる。なお、この針状電極24の先端部に誘電体を設けることにより、図6(a)の場合と同様の効果が期待できる。
図7は、QFPパッケージの解析結果の説明図であり、図7(a)は測定状態を示す平面図であり、図7(b)は測定状態を示す断面図である。また、図7(c)は取得した反射光による光学像であり、図7(d)は取得したNEPS(Nano Electrostatic field Probe Sensor)像である。
図7(b)に示すように、静電気破壊したQFP(Quad Flat Package)のパッケージ封止樹脂25の裏側を取り除き半導体チップ26の裏面を露出させた状態で波長が1064nmで10mWのレーザ光を照射し発生する電界をパッケージ表面から検出した。
図7(d)のNEPS像における上部の白い部位が破壊箇所であり、図7(c)の光学像と合わせて判断するとのゲート電極の位置に当たる。同箇所は静電気ストレスによりMOSトランジスタのゲートが破壊し、レーザ光照射により励起効率が高まり、キャリアの移動増による電界が高くなり、白いコントラストとして顕在化したものである。
図8は、ベアシリコン基板の結晶欠陥解析結果の説明図であり、図8(a)は測定状態を示す斜視図であり、図8(b)は測定時における電界イメージを示す断面図である。また、図8(c)は取得した反射光による光学像であり、図8(d)は取得したNEPS像である。
図8(a)に示すように、波長が1152nmで2mWのHeNeレーザ光をベアシリコン基板27の裏面から照射し、裏面及び表面で変化する静電界を表面側で静電界プローブ16により検出する。図8(b)に示すように、静電界はベアシリコン基板27に一様に分布しているため、どの位置に静電界プローブ16を持ってきても検出はできる。なお、図8(b)における黒丸は電子を、また、白丸は正孔を表す。
図8(d)に示すNEPS像においては、図8(c)に示す光学像では見ることができない、結晶欠陥部が黒いコントラストとして検出されている。ベアシリコン基板27の結晶欠陥部分は正常な部位に比べて励起効率が低いために周りの正常な部位で発生した励起によるキャリアが再結合しやすく、電界が低くなるため黒いコントラストになったものである。
次に、図9を参照して、本発明の実施例2の静電解析装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例1と同じであり、実施例1に対してリップル電圧、即ち、交流電界を印加する手段を設けたものである。図9は、本発明の実施例2の静電解析装置の概念的構成図であり、実施例2に特有の特徴点のみを説明する。
この実施例2においては、上記の実施例1の構成に加えて半導体チップ15に対してリップル電圧を印加する電極31,32からなる電極対を設けるとともに、アンプとしてロックインアンプ33を用いたものである。電極31を半導体チップのVDD端子近傍に配置し、電極32をGND端子近傍に配置し、容量結合により半導体チップにリップル電圧を印加する。
この場合のリップル電圧は、電極31,32の結合容量、半導体チップ15のインピーダンス、固有リアクタンスによって変わるが、1V〜30Vの範囲の電圧を印加する。また、リップル電圧の周波数fは、レーザ光の走査周期よりも速い周波数とするものであり、例えば、10kHz〜10MHzの範囲とする。
静電界を検出する場合には、リップル電圧の周波数に同期させて、ロックインアンプ33で信号処理を行う。それによって、S/N比改善することができる。即ち、レーザ光照射に伴う光励起やゼーベック効果による起電流は僅かであるため、外部から交流電界を印加することで電界の偏り(偏極)が生じ、静電界プローブ16による検出感度が高まる。また、それにより、酸化膜や絶縁体の評価も可能になる。
次に、図10を参照して、本発明の実施例3の静電解析装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例1と同じであり、実施例1に対してレーザ光変調手段を設けたものである。図10は、本発明の実施例3の静電解析装置の概念的構成図であり、実施例3に特有の特徴点のみを説明する。
この実施例3においては、上記の実施例1の構成に加えてレーザ光を変調する光変調手段34を設けるとともに、アンプとしてロックインアンプ33を用いたものである。この場合の光変調手段34としては、レーザ光源11を直接変調するものでも良いし、或いは、EO(電気光学)結晶を用いてレーザ光源11から放出されたレーザ光を変調するものでも良い。
この場合の光変調周波数fは、レーザ光の走査周期よりも速い周波数とするものであり、速い周波数で変調を掛けることにより、励起効率や温度勾配を大きくすることができ、より微弱な変化を捕らえることができる。したがって、10kHz〜10MHzの範囲が望ましいが、現状における光変調の限界は1MHz程度である。
この場合も、静電界を検出する場合には、光変調周波数に同期させて、ロックインアンプ33で信号処理を行う。それによって、S/N比改善することができる。
次に、図11を参照して、本発明の実施例4の静電解析装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例1と同じであり、実施例1における検出電極をレーザ光を透過させる開口部を有する枠状構造として、検出電極の上に半導体チップを載置したものである。図11は、本発明の実施例4の静電解析装置の概念的構成図であり、実施例4に特有の特徴点のみを説明する。
この実施例4においては検出電極を枠状検出電極35とし、枠状検出電極35に誘電体層36を介して半導体チップ15を載置する。この場合、静電界プローブ16の移動の必要がなく、半導体チップ15を枠状検出電極35の上に置くだけで解析作業ができ、インプロセス工程内の解析を容易にする。
前にも述べたが、静電界は半導体チップ15の全面に分布するため、このように、半導体チップ15の裏から検出が可能になった。なお、枠状検出電極35の代わりに透明検出電極を用いても良く、この場合にはレーザ光を透過させるための開口部を設ける必要はない。
次に、図12を参照して、本発明の実施例5の静電解析装置を説明する。図12は、本発明の実施例5の静電解析装置の概念的構成図であり、ここでは、信号処理手段或いは反射光検出手段は実施例1と同じであるので、静電界プローブの配置構成を説明する。
図12に示すように、ステージ13に設けた絶縁性の透明板14上に半導体チップ15を載置し、半導体チップ15の周囲に複数個の静電界プローブ16をステージ13に容量電極17を接触させるように配置する。静電界プローブ16からの検出信号はアンプ18で増幅されたのち、スイッチングマトリクス回路&アンプ回路37に入力されて、信号の選択や合成処理を行い、解析信号として出力される。
この実施例5においては静電界プローブ16を複数個配置しているので、検出感度の良い条件の信号だけを選択したり、或いは、複数の静電界プローブ16の信号の処理を行うことを選択することができる。それによって、一個の静電界プローブ16を用いた場合に比べてS/N比を改善することができる。
ここで、実施例1乃至実施例5を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 被検査対象物にレーザ光を走査しながら照射するレーザ光入射工程と、前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出工程と、前記静電界検出工程と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を静電検出センサの検出電極により電気的に非接触で検出する静電界検出工程と、前記静電界検出工程で取得した検出信号を前記反射光検出工程で取得した検出信号に基づき画像化する画像化工程と、前記画像化工程で形成した静電界強度分布に基づいて前記被検査対象物を解析する解析工程とを有する静電解析方法。
(付記2) 静電界検出工程において、静電検出センサの検出電極と前記被検査対象物との間に誘電体材料を介在させる付記1に記載の静電解析方法
(付記3)前記レーザ光入射工程において、前記レーザ光の走査周波数より速い周波数のリップル電圧を前記被検査対象物に誘導結合により印加するともに、前記リップル電圧の周波数に同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む付記1または付記2に記載の静電解析方法
(付記4)前記レーザ光入射工程において、前記レーザ光の走査周期より速い周波数で前記レーザ光を光変調するとともに、光変調周波数に同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む付記1または付記2に記載の静電解析方法。
(付記5) レーザ光源と、被検査対象物に前記レーザ光源からのレーザ光を走査しながら照射する走査光学系と、前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出手段と、前記反射光検出と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を電気的に非接触で検出する検出電極を備えた静電検出センサと、前記静電検出センサで取得した検出信号を前記反射光検出手段で取得した検出信号に基づき画像化する画像化手段とを有する静電解析装置。
(付記6)
前記静電検出センサの検出電極が、針状電極である付記4に記載の静電解析装置。
(付記7) 前記被検査対象物に誘導結合により、前記走査光学系の走査周期より速い周波数のリップル電圧を印加する手段を備えるとともに、前記リップル電圧の周波数と同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む手段を備えた付記5または付記6に記載の静電解析装置。
(付記8) 前記レーザ光を光変調する光変調手段を備えるとともに、光変調周波数と同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む手段を備えた付記5または付記6に記載の静電解析装置
(付記9) 前記静電検出センサが、入力容量が2pF以下の低容量電界効果型トランジスタを備えている付記5乃至付記8のいずれか1に記載の静電解析装置。
(付記10) 前記被検査対象部を非導電性の測定用部材上に載置するとともに、前記静電検出センサを前記測定用部材上に複数個設置し、前記被検査対象部で発生する静電界分布を前記試料台を介して検出する付記5に記載の静電解析装置。
1 レーザ光源
2 試料台
3 被検査対象物
4 走査光学系
5 静電検出センサ
6 検出電極
7 反射光検出手段
8 画像化手段
9 回路エレメント
10 素子分離層
11 レーザ光源
12 ガルバノミラー
13 ステージ
14 透明板
15 半導体チップ
16 静電界プローブ
17 容量電極
18 アンプ
19 ハーフミラー
20 光検出器
21 アンプ
22 画像化装置
23 誘電体層
24 針状電極
25 パッケージ封止樹脂
26 半導体チップ
27 ベアシリコン基板
31,32 電極
33 ロックインアンプ
34 光変調手段
35 枠状検出電極
36 誘電体層
37 スイッチングマトリクス回路&アンプ回路

Claims (5)

  1. 被検査対象物にレーザ光を走査しながら照射するレーザ光入射工程と、
    前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出工程と、
    前記反射光検出工程と同期して、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を静電検出センサの検出電極により電気的に非接触で検出する静電界検出工程と、
    前記静電界検出工程で取得した検出信号を前記反射光検出工程で取得した検出信号に基づき画像化する画像化工程と、
    前記画像化工程で形成した静電界強度分布に基づいて前記被検査対象物を解析する解析工程と
    を有する静電解析方法。
  2. レーザ光源と、
    被検査対象物に前記レーザ光源からのレーザ光を走査しながら照射する走査光学系と、 前記レーザ光の前記被検査対象物からの反射光を検出する反射光検出手段と、
    前記反射光の検出に同期し、前記被検査対象物において前記レーザ光の入射に起因して変化する静電界を電気的に非接触で検出する検出電極を備えた静電検出センサと、
    前記静電検出センサで取得した検出信号を前記反射光検出手段で取得した検出信号に基づき画像化する画像化手段と
    を有する静電解析装置。
  3. 前記静電検出センサの検出電極が、針状電極である請求項2に記載の静電解析装置。
  4. 前記被検査対象物に誘導結合により、前記走査光学系の走査周期より速い周波数のリップル電圧を印加する手段を備えるとともに、前記リップル電圧の周波数と同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む手段を備えた請求項2または請求項3に記載の静電解析装置。
  5. 前記レーザ光を光変調する光変調手段を備えるとともに、光変調周波数と同期して、前記静電検出センサからの検出信号を取り込む手段を備えた請求項2または請求項3に記載の静電解析装置。
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