JP2009008396A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置内に存在する欠陥を効率よく、且つ高感度に検出する。
【解決手段】半導体装置の裏面から励起光12を照射する照射手段と、励起光12の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出する検出手段と、分光検出により得られた特定波長の強度を測定する測定手段と、を有する検査装置1により、半導体装置の裏面から励起光12が照射され、励起光の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光が分光検出され、分光検出した特定波長の強度が二次元分布として画像表示化される。これにより、ウェハスケールやチップスケールの半導体装置内に存在する欠陥を、効率よく、且つ高感度に検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は検査装置及び検査方法に関し、特に半導体装置の検査装置及び検査方法に関する。
近年、半導体装置を構成するトランジスタの微細化に伴い、半導体装置の製造工程は、益々複雑になり、それに伴い、その工程数が世代を追う毎に増加している。そして、半導体装置の動作特性や信頼性を向上させるために、欠陥のサイズ、密度の低減に対する要求は、益々厳しくなっている。
ここで欠陥とは、半導体基板中、絶縁膜中並びに配線中に含まれる欠陥など、様々な欠陥を意味する。そして、このような欠陥については、故障モードや対象箇所に応じて、色々な解析手段が考案されている。
例えば、その代表的なものに、電子、光などをプローブとして、欠陥を起因とする応答異常を検出するものがある。
電子をプローブとする解析手段の体表例として、最も一般的なものに、電子顕微鏡観察がある。この方法によれば、異常箇所を直接的に観察することができる。
しかし、電子顕微鏡観察は、欠陥が表面に露出していないと、異常箇所を観察できないという不具合がある。さらに、電子顕微鏡観察では、試料作製にも手間がかかる。
これに対し、光をプローブとする解析手段は、半導体装置内部に存在する欠陥を簡便に検出できる。例えば、その代表的なものに、OBIC(Optical Beam Induced Current)法がある。
この方法は、逆バイアスを印加させた半導体装置に光を照射し、当該光照射によって生じた電子・正孔の流れを観測するものである。そして、測定した電流値から、pn接合部の電圧分布を解析する。ここで、半導体装置内の絶縁膜に不良や、接合層に欠陥が存在すると、電圧分布が異常をきたすことが知られている。この電圧分布を測定することにより、半導体装置内の欠陥の有無を判断することができる(例えば、非特許文献1参照)。
このように、OBIC法は、半導体装置内の微細な欠陥を検出するのに優れており、故障・不良解析の有効な手段として、利用されている。
Haraguchi Koshi,"Microscope Optical Beam Induced Current Measurements and their Application", HYPERLINK "http://ieeexplore.ieee.org/xpl/RecentCon.jsp?punumber=1120" Instrumentation and Measurement Technology Conference,1994.Conference Proceedings.10th Anniversary.Advanced Technologies in I & M.,1994 IEEE.P693-699
しかしながら、上記のOBIC法は、分析試料(被検体)に逆バイアスを印加する必要があるため、分析試料を個片化した後に、逆バイアス印加用の配線を配設する必要がある。このため、サンプル加工に手間がかかるという問題がある。また、現状のOBIC法は、局所的な領域の分析には有効ではあるが、分析領域に限界がある。従って、分析試料が広面積になると、全ての領域に渡り、効率よく、且つ高感度に分析試料を評価できないという問題がある。
特に、近年においては、ウェハ自体が大口径化している。これに伴い、ウェハプロセスによりウェハ上に形成される半導体装置の個数は益々増加している。従って、ウェハ状態にある多数の半導体装置の特性のばらつきや、歩留まりの相違などを、効率よく、且つ高感度に分析できる方法が要求されている。
また、チップ状の半導体装置においても、近年の半導体素子の微細化に伴い、1チップあたりに配設されているトランジスタ等も膨大な数になっている。従って、チップ状態でのトランジスタ等の特性のばらつきや不良等も、簡便に分析できる方法が要求されている。
このように、ウェハスケールやチップスケールで、半導体装置内に存在する欠陥を効率よく、且つ高感度に分析する手法が要求されている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ウェハスケールやチップスケールの半導体装置内に存在する欠陥を、効率よく、且つ高感度に検出する検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、図1に例示する構成で実現可能な検査装置1が提供される。本発明の検査装置1は、半導体装置の裏面に励起光12を照射する照射手段と、励起光12の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出する検出手段と、分光検出により得られた特定波長の強度を測定する測定手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明では、半導体装置の裏面に励起光を照射するステップと、前記励起光の照射により、前記半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出するステップと、前記分光検出により得られた特定波長の強度を測定するステップと、を有することを特徴とする検査方法が提供される。
このような検査装置1及び検査方法によれば、半導体装置の裏面に励起光が照射され、励起光の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光が分光検出され、分光検出により得られた特定波長の強度が測定される。
本発明では、検査装置及びその検査装置を用いた検査方法により、半導体装置の裏面に励起光を照射し、励起光の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出し、分光検出により得られた特定波長の強度を測定した。
これにより、ウェハスケールやチップスケールの半導体装置内に存在する欠陥を効率よく、且つ高感度に検出することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は検査装置システムの要部模式図である。
図示するように、検査装置1は、半導体基板10を支持する支持台11、半導体基板10に照射する励起光(例えば、レーザ光)12を出射する照射部13、半導体基板10からの発光を分光する分光部14、分光した光を検出する検出部15、及び装置制御部(コンピュータ)20を備えている。
半導体基板10は、例えば、半導体チップとして個片化する前のウェハ状態にある半導体装置であり、シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)で構成される半導体基板(ウェハ基板)に、トランジスタ、コンデンサ、多層配線等で構成される半導体素子が縦横に形成されている。そして、支持台11には、例えば、300mm口径の半導体基板が設置されている。
支持台11は、上述したように、被検体である半導体基板10を支持している。そして、支持台11は、励起光12に対向する方向(図中のZ方向)と、当該Z方向に対し、垂直方向(X,Y方向)の3次元の範囲で移動できるようになっている。さらに、支持台11は、必要に応じて、X,Y,Z軸のいずれかを軸に回転し、励起光12の半導体基板10に対する入射角度を可変できるように構成されている。また、支持台11は、ウェハ状態の半導体基板10のほか、個片化された半導体チップをも支持することもできる。
照射部13内に設置されている光源としては、例えば、アルゴン(Ar)イオンレーザービーム(波長364nm)が用いられる。そして、照射部13から出射する励起光12が反射板16a,16bにより反射された後、半導体基板10に照射される。
半導体基板10に励起光12が照射されると、半導体基板10は、特有のフォトルミネッセンスを発光する。そして、その発光が反射板16cを介し分光部14を通過した後、検出部15によって検出される。
このような方法で取得された半導体装置のフォトルミネッセンスのデータは、装置制御部20内で処理され、発光スペクトルや特定波長の光強度の二次元分布等が画像表示として出力される。
また、装置制御部20は、上記のようなデータ処理等を行うだけではなく、検査装置1全体を制御する。
例えば、装置制御部20内には、照射部13を制御する照射部制御手段20a、検出部15を制御する検出部制御手段20b、検出部で検出された発光データを処理して欠陥を検出するデータ処理手段20c、データを記憶する記憶手段20d、およびユーザインターフェースとなる入出力手段20eとを備えている。
次に、上記の検査装置1を用いた半導体装置の検査方法の基本原理について説明する。即ち、検査装置1によって、以下の検査が遂行される。
図2は検査方法のフローチャート図である。
まず、検査装置1の装置制御部20に、測定条件を入力する(ステップS1)。
次に、支持台11上に、例えば、ウェハ状態の半導体基板10を、その裏面側が支持台11から表出するように装着する(ステップS2)。
次に、照射部制御手段20aによって、照射部13を制御し、例えば、励起光(波長364nm)12を照射部13から出射させ、当該励起光12を半導体基板10の任意の位置に裏面側から照射させる(ステップS3)。
次に、検出部制御手段20bによって、検出部15を制御し、半導体装置から放射されるフォトルミネッセンスを検出部15によって検出する。なお、フォトルミネッセンスのほか、半導体基板10からの散乱光、または半導体装置の活性層からの反射光を検出してもよい。即ち、この段階においては、フォトルミネッセンス、散乱光並びに反射光を分光検出する(ステップS4)。
次に、前ステップで検出されたフォトルミネッセンスのデータを、データ処理手段20c並びに記憶手段20dによって処理する(ステップS5)。
次に、検出結果として、例えば、発光スペクトルまたは画像表示を表示させる。特に、画像表示において、分光検出した特定波長の光強度を二次元分布として画像表示する(ステップS6)。
このようなフローに従えば、半導体装置の裏面に励起光が照射され、励起光の照射により、半導体装置の裏面から発せられる光が分光検出され、分光検出により得られた特定波長の光強度が測定される。さらに、測定後、測定された光強度が二次元分布として画像表示される。
これにより、半導体装置内に欠陥が存在するか否かが効率よく、且つ高感度に検出できる。
そして、測定した半導体基板10の場所を移動し、測定した場所に隣接する半導体装置の評価を、同様に、ステップS2〜ステップS6のフローにて行う。また、このようなステップの繰り返しを、半導体基板10内に形成されている全ての半導体装置に対して行う。
このような検査方法により、半導体基板10に形成されている全ての半導体装置に対する欠陥有無の判断を効率よく、且つ高感度で達成することができる。
なお、本実施の検査方法は、室温、大気圧中において簡便に遂行することができ、例えば、分析試料の冷却(或いは、加熱)や真空技術は要しない。
次に、半導体基板10内に形成されている半導体装置内に含まれる欠陥を実際に検出した結果について説明する。
その前に、欠陥のない純粋なシリコン単結晶のフォトルミネッセンスは、どのようなものかを予め説明しておく。
図3はシリコン単結晶のフォトルミネッセンスのスペクトルを説明する図である。ここで、この図の横軸は、波長(nm)であり、縦軸は、フォトルミネッセンス(PL)強度(任意単位)である。なお、シリコン単結晶としては、裏面に鏡面加工処理を施したシリコンウェハ基板を用いた。
この図に示す発光スペクトルは、バンド端発光と呼ばれ、シリコンの伝導帯に存在する自由電子と、価電子帯に存在する自由正孔との再結合過程により発生する発光スペクトルが示されている。ここで、発光スペクトルの測定は、室温で行っている。
図示する発光スペクトルは、およそ1000nm〜1200nmの範囲で、ある程度の幅の線幅を呈している。これは、発光スペクトルの測定を室温で行っているために、電子と正孔の量子力学的な存在確率に、揺らぎがあるため、このような幅広の線幅を形成する。
次に、同じシリコンウェハ基板上に、ウェハプロセスにより実際に作製した半導体装置のフォトルミネッセンスのスペクトルについて説明する。
図4は半導体装置のフォトルミネッセンスのスペクトルを説明する図である。ここで、この図の横軸は、波長であり、縦軸は、フォトルミネッセンス強度である。また、フォトルミネッセンスのスペクトルは、半導体装置の裏面(基板側)から励起光を照射し、当該裏面からの放射した発光スペクトルである。
この結果では、図3に示す純粋なシリコン単結晶のフォトルミネッセンスのスペクトルとは異なり、発光スペクトルの長波長領域(1300nm〜1800nm)に、幅広のピークが明確に観測されている。
これらの長波長領域に、新たに現れたピークは、例えば、以下の要因により出現したと考察する。
先ず、本実施の形態において、照射部13から出射される励起光12は、アルゴンに特有のプラズマラインを有している。
図5はアルゴンイオンレーザーのプラズマラインを説明する図である。ここで、この図の横軸は、波長であり、縦軸は、プラズマラインの強度である。
このようなプラズマラインは、測定には本来、不必要なプラズマラインであり、通常、照射部13の出口に除去フィルタを設置し(図1では、不図示)、当該除去フィルタにより、不必要なプラズマラインをカットしている。
しかし、除去フィルタを使用しても、レーザー光の強度は強く、これらのプラズマラインを完全に除去することはできない。従って、このようなプラズマラインは、励起光中に若干含まれた状態で、図5に示すごとく、発光スペクトルとして測定される。
ここで、図3に示すフォトルミネッセンスのスペクトルにおいては、鏡面加工したシリコン単結晶を分析試料としているので、バンド端発光自体が上記のプラズマラインに比べ、相対的に強くなるので、このようなプラズマラインが大きく出現することはない。
しかし、実際にウェハプロセスで作製された半導体装置では、電気特性を評価する際に電気的なコンタクトを取る必要があり、半導体装置を構成するシリコンウェハ基板の裏面に、バックグラインダ処理(粗研磨)が施されている。従って、当該裏面には、粗研磨による傷が多数形成されている。
そして、バンド端発光が当該傷により散乱されると、バンド端発光が極端に弱められ、その代わりに、プラズマラインが相対的に顕在化してくる。その結果、図4に示すように、幅広の大きなピークが長波長領域(1300nm〜1800nm)に出現すると考察する。
また、プラズマラインにおいては、個々のプラズマラインが、図5に示すように形状が急峻であっても、半導体装置に入射させた後においては、当該傷により、プラズマラインの形状がぼやける。その結果、図4に示したごとく、バンド端発光より長波長領域に一連の大きなピークとして出現するものと考察している。
本実施の形態においては、半導体装置の裏面に励起光12を照射させ、このようなバンド端発光と、バンド端発光より長波長領域に出現するピークを利用することにより、半導体装置の欠陥を検出することを特徴としている。
次に、発光スペクトルから特定波長だけを選択的に分光し、その特定波長の強弱を二次元でマッピングした画像表示について説明する。
分析試料としては、シリコンウェハ基板を用いて、ウェハプロセスにより、例えば、シリコン、酸素(O)、窒素(N)、不純物または金属等を母材にした薄膜(以下、薄膜と呼ぶ。)をシリコンウェハ基板上に積層させた半導体装置を用いた。そして、図1のごとく、ウェハ状態のまま、その裏面から励起光を照射させ、当該半導体装置からの発光を観測した。
なお、分析試料たる半導体装置の裏面側は、上述したように、粗研磨による処理が施されている。
図6は分析試料のバンド端発光の二次元分布である。この図は、分析試料たる半導体装置裏面の任意の位置における平面状の領域(4.5mm×4.5mm)から発光するバンド端発光から、例えば、1150nmの発光のみを選択して、その光の強弱をコントラストとして表したものである。
図示するように、この画像においては、およそ0.1mm径の黒点以外に、縦・横に線状に走るコントラストが多数観測されている。
この縦・横に走るコントラストが具体的に何であるかを確かめるために、半導体装置を上面側から化学エッチングし、シリコンウェハ基板上に形成させた薄膜を、光学顕微鏡にて直視した。
光学顕微鏡による観察では、シリコンウェハ基板上に形成させた薄膜を所定の深さまでエッチングすると、結晶界面が顕著に表出し、<110>方向に走る多数の転位が観測された(図示しない)。
そして、図6の縦・横方向は、<110>方向であること、さらに、縦・横に走るコントラストの方向が光学顕微鏡による観測と一致したことから、図6に示す縦・横に走るコントラストは、シリコンウェハ基板上に形成させた薄膜の転位(転位欠陥)部分が出現していると考えられる。
このように、本実施の形態によれば、分析試料たる半導体装置の裏面へ励起光を照射させ、当該裏面からの発光スペクトルを分光することによって、シリコンウェハ基板上に形成させた薄膜の結晶性の評価が可能になる。即ち、上述したように、結晶の転位なる欠陥が高感度で検出される。
次に、このような裏面からの発光スペクトルを分光し、マッピングすることによって、シリコンウェハ基板上に形成させた薄膜の結晶性が検出可能になるメカニズムを以下に説明する。
図7は公知のシリコン結晶の光透過率である。ここで、この図の横軸は、波長を表し、縦軸は、透過率を表している(例えば、Phang,J.C.H,et al.“A review of laser induced techniques for microelectronic failure analysis”Physical and Failure Analysis of Integrated Circuits,2004.IPFA 2004.Proceedings of the 11th International Symposium on the Volume,Issue,5-8,July,2004,P255-261参照)。
図(A)に示すように、波長が800nm以下の光の透過率は、略0(%)を示している。
しかし、800nm以上においては、ドープ量に応じて、透過率が変化している。
例えば、最も低ドープ量(最も高抵抗)のシリコンウェハ基板については、透過率が、が、約900nmから1150nm付近では増加し、その後は、略一定値を示している。
また、高ドープ量(低抵抗)のシリコンウェハ基板ほど、約900nmから1150nm付近まで、一旦は透過率が増加し、最大値を示したが、その後は、透過率が減少する傾向にある。
また、図(B)に示すように、シリコンウェハ基板の膜厚を変化させると、膜厚が薄くなるほど、透過率が増加している。
これらのデータから、バンド端発光の波長付近の光は、シリコンウェハ基板に対して透明であることが分かる。
従って、裏面で発光した波長1140nmの光は、シリコンウェハ基板内を透過して、一旦、シリコンウェハ基板の表層付近まで到達し、シリコンウェハ基板上に形成されている薄膜で反射された後、さらにシリコンウェハ基板内を透過して、シリコンウェハ基板の裏面側から出射するという現象が生じる。
ここで、シリコンウェハ基板、薄膜ともに、それらに含まれる転位は、転位の歪場によって屈折率が変化するため、発光や散乱光をプローブとして検出する評価法に対してアクティブである。例えば、転位の歪場によって、光強度が変化することが知られている。一般には、光強度が低下する傾向にある。
このように、シリコンウェハ基板に対して、透明な波長の光を透過させることにより、シリコンウェハ基板やその上に形成されている薄膜に存在する転位などの欠陥を検出することが可能になる。
ここで、シリコンに対して透明な光の入射に関する公知の技術として、例えば、特開2003−232749号公報がある。
これは、光源から長波長領域の光を分光して、特定波長の光のみを選択し、当該特定波長の光を分析試料表面に照射させる技術である。この技術では、光源として、ハロゲンランプが用いられている。
しかし、ハロゲンランプに限らず、ランプから長波長領域の光を分光させ、特定波長の光を分析試料に照射させる手法では、励起光として充分な光量が得られない。その結果、測定値のS/N比が向上しない。また、このような手法では、別途、光源用の分光器を設置する必要があり、高価な設備の導入が避けられない。
これに対し、本実施の形態は、レーザー光である励起光を直接、分析試料に照射させ、さらに、半導体基板の内部で発生したバンド端発光や、バンド端発光より長波長の光を利用するという技術である。従って、本実施の形態では、測定値において、上記の公知技術より、高いS/N比を有する。また、光源用の分光器を別途設置する必要もなく、低コストが実現される。
加えて、本実施の形態では、図6に示す二次元分布から明らかなように、薄膜中に存在する転位欠陥を非破壊で高感度に検出できるという利点がある。
このように、本実施の形態における公知技術に対する優位性は明白である。
次に、発光スペクトルから選択的に分光した特定波長の波長依存について説明する。
図8は二次元分布の波長依存を説明する図である。
この図は、分析試料たる半導体装置の発光スペクトルから、波長が900nm、1050nm、1140nm、1300nm、1380nm、1540nmの波長を選択的に取り出して、それぞれの波長の光の強弱を、二次元分布としてマッピングし、画像表示した結果である。なお、画像表示の横に、画像表示の横方向とコントラストの強さのプロファイルが示されている。
また、半導体装置の裏面側には、上述したように、電気特性評価を行うためのバックグラインダ処理が施されている。従って、半導体装置の発光スペクトルには、バンド端発光の他に、バンド端発光より長波長側に、バックグラインダを起因とする一連のピークが観測された。
図8に示すように、マッピングした光の波長が長波長になると共に、黒いコントラスト部30が出現している。
この画像表示において、黒い部分は、検出した光において、その強度が低いところである。従って、半導体デバイス内に位置するコントラスト部30は、上述した転位欠陥であることが分かる。
また、シリコンウェハ基板の厚さ、比抵抗は既知であるので、透過率から、光の侵入深さが計算できる。例えば、364nmでは、数μm、900nmから1050nmでは、10μm程度、1140nm以上になると、シリコンウェハ基板の厚さ程度まで、光が透過すると見積もられる。
黒いコントラスト部30は、900nm、1050nmでは全く見られないことから、これは、裏面近傍の荒れや傷ではないことは明らかである。プロファイルにおいても、横方向において、強度差がなく、平坦に近い状態にある。
そして、発光スペクトルの波長の長波長化に伴い、プロファイルの横方向の強度差が顕著になる。
例えば、1140nmより長波長側で、コントラスト部30の出現と、半導体デバイスパターンの出現(図示しない)と同期していることから、コントラスト部30に対応する欠陥は、半導体装置の裏面から深く位置し、半導体デバイス活性層近傍に存在しているものと考えられる。
このような転位欠陥が半導体装置に存在すると、シリコンのバンドギャップ中に、所定の準位を形成し、半導体デバイスとしての機能を低下させる。従って、本実施形態の検査方法を実行し、パッケージを行う前に、当該欠陥を有する半導体チップを取り除けばよい。これにより、半導体装置製造における生産性が向上する。
なお、発光スペクトルの測定と試料ステージの移動を相互に繰り返しながら、分析試料の数チップを評価したが、欠陥が存在するチップにおいて、図8に示すコントラスト部30と同様な画像表示を得た。
このように、図1に示す検査装置1は、半導体基板10の裏面に励起光12を照射する照射手段と、励起光12の照射により、半導体基板10の裏面から発せられる光を分光検出する検出手段と、分光検出により得られた特定波長の強度を測定する測定手段と、を有する。
そして、検査装置1によれば、半導体基板10上に、ウェハプロセスで形成させた半導体デバイスの活性領域付近の欠陥が明確且つ簡便に検出できる。
特に、検査装置1においては、半導体装置の裏面から励起光を照射し、光照射による基板からの発光、または基板からの散乱、または半導体装置の活性層からの反射光を、半導体装置の裏面から検出し、検出されたデータを解析して半導体装置内に生成している欠陥を検出することができる。
例えば、シリコンウェハ基板に、シリコンのバンドギャップよりエネルギーの大きい光を照射し、電子と正孔とを生成させる。そして、電子と正孔の消滅過程で発生する光(フォトルミネッセンス)をシリコンウェハ基板から放射させる。
ここで、シリコンウェハ基板内に欠陥が存在すると、電子あるいは正孔の密度が減少するので、フォトルミネッセンスの強度が低下する。従って、フォトルミネッセンスの観測によって、半導体装置の品質(主に、結晶性)を検査することができる。
上述したように、半導体装置の一方の主面(表面側)には多数の金属配線が配設されており、半導体装置の表面側から光を照射したのでは、その光が半導体装置を通過せず、電子と正孔とが充分に形成しない。
従って、本実施の形態においては、上述のごとく、半導体装置の裏面から光照射を行うことを特徴としている。
また、フォトルミネッセンスは、シリコンのバンドギャップより長波の成分も含み、そのような長波成分は、シリコンに対して透明である。従って、裏面で発生したフォトルミネッセンスは、シリコンウェハ基板内を通過して半導体装置の活性層内で反射するため、活性層内の結晶性をも検査することができる。
また、本実施の形態においては、フォトルミネッセンス、半導体装置の活性領域からの反射光のみならず、半導体基板による散乱光を検出することを特徴とし、データ処理において、これらの光の分光スペクトルの特定波長の強度の二次元分布を可視化して、且つ半導体装置の電気特性を示す画像表示と照合する。
ここで言う特定波長とは、少なくとも照射光より長波長であるか、あるいは半導体装置に用いられる半導体基板を通過する波長より長波長であるか、あるいは二次元分布を可視化したとき半導体装置に起因するコントラストが得られる波長より長波長であることが望ましい。このような波長のどれか、もしくは各々を使い分けることにより、発光、散乱、反射光を精度良く検出し、二次元分布として画像表示して半導体装置のチップ内での異常個所を特定する。
さらに、本実施の形態においては、図8に例示したごとく、画像表示に用いた光において、半導体基板の抵抗値、厚さを測定し、それらの測定値とシリコン基板の透過率から、二次元分布の半導体基板内の深さ方向の位置を特定する。即ち、半導体基板の抵抗値と厚さから、半導体基板の光の透過率が決定され、二次元分布に用いた波長に対して、半導体基板中の深さ方向の位置を対応付けすることができる。これにより、ある特定の深さ位置における二次元分布を画像表示化できる。
このように、本実施の形態によれば、ウェハスケールやチップスケールの半導体装置内に存在する欠陥を、効率よく、且つ高感度に検出することができる。
(付記1) 半導体装置の裏面に励起光を照射する照射手段と、
前記励起光の照射により、前記半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出する検出手段と、
前記分光検出により得られた特定波長の強度を測定する測定手段と、
を有することを特徴とする検査装置。
(付記2) 前記励起光の光源がアルゴンイオンレーザーであることを特徴とする付記1記載の検査装置。
(付記3) 前記半導体装置は、個片化される前のウェハ状態であることを特徴とする付記1または2記載の検査装置。
(付記4) 前記測定手段により測定した前記強度を、二次元分布として画像表示する表示手段を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の検査装置。
(付記5) 半導体装置の裏面に励起光を照射するステップと、
前記励起光の照射により、前記半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出するステップと、
前記分光検出により得られた特定波長の強度を測定するステップと、
を有することを特徴とする検査方法。
(付記6) 前記励起光がアルゴンイオンレーザービームであることを特徴とする付記5記載の検査方法。
(付記7) 前記半導体装置は、個片化される前のウェハ状態であることを特徴とする付記5または6記載の検査方法。
(付記8) 前記測定するステップ後、測定した前記強度を、二次元分布として画像表示するステップを有することを特徴とする付記5乃至7のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記9) 前記光が半導体基板からの発光、前記半導体装置の活性領域からの散乱光、または前記半導体装置の活性領域からの反射光であることを特徴とする付記5乃至8のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記10) 前記分光検出する前記特定波長が、励起光の波長より長波長側の光、前記半導体基板を通過する波長より長波長側の光、または前記二次元分布を可視化したとき前記半導体装置に起因するコントラストが得られる波長より長波長側の光であることを特徴とする付記5乃至9のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記11) 前記二次元分布の半導体基板の深さ方向依存を画像表示化することを特徴とする付記8記載の検査方法。
検査装置システムの要部模式図である。 検査方法のフローチャート図である。 シリコン単結晶のフォトルミネッセンスのスペクトルを説明する図である。 半導体装置のフォトルミネッセンスのスペクトルを説明する図である。 アルゴンイオンレーザーのプラズマラインを説明する図である。 分析試料のバンド端発光の二次元分布である。 公知のシリコン結晶の光透過率である。 二次元分布の波長依存を説明する図である。
符号の説明
1 検査装置
10 半導体基板
11 支持台
12 励起光
13 照射部
14 分光部
15 検出部
16a,16b,16c 反射板
20 装置制御部
20a 照射部制御手段
20b 検出部制御手段
20c データ処理手段
20d 記憶手段
20e 入出力手段
30 コントラスト部

Claims (6)

  1. 半導体装置の裏面に励起光を照射する照射手段と、
    前記励起光の照射により、前記半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出する検出手段と、
    前記分光検出により得られた特定波長の強度を測定する測定手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  2. 前記測定手段により測定した前記強度を、二次元分布として画像表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
  3. 半導体装置の裏面に励起光を照射するステップと、
    前記励起光の照射により、前記半導体装置の裏面から発せられる光を分光検出するステップと、
    前記分光検出により得られた特定波長の強度を測定するステップと、
    を有することを特徴とする検査方法。
  4. 前記測定するステップ後、測定した前記強度を、二次元分布として画像表示するステップを有することを特徴とする請求項3項記載の検査方法。
  5. 前記光が半導体基板からの発光、前記半導体装置の活性領域からの散乱光、または前記半導体装置の活性領域からの反射光であることを特徴とする請求項3または4記載の検査方法。
  6. 前記二次元分布の半導体基板の深さ方向依存を画像表示化することを特徴とする請求項4記載の検査方法。
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