JP2011089549A - 車両用油路連結装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状シール部材(Oリング)の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができる車両用油路連結装置を提供する。
【解決手段】円筒部材54の軸心C方向の中間部に設けられ、その円筒部材54を軸心Cまわりに回転させるための操作力Fがその円筒部材54と相対回転不能な回転操作治具66を介して加えられる回転操作部68を備えることから、Oリング62に生じた捩れが回転操作治具66で円筒部材54を回転させることにより解消されるので、上記Oリング62の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、第1ケースおよび第2ケースの相対向する組合せ面にそれぞれ開口する第1油路および第2油路を相互に連結するための車両用油路連結装置に関し、特に、シール性の低下を抑制するための技術に関するものである。
互いに組合せられる第1ケースおよび第2ケースの相対向する組合せ面にそれぞれ開口する第1油路および第2油路を相互に油密に接続するために、上記一対の開口内に両端部がそれぞれ嵌め入れられる筒状部材と、前記第1油路および第2油路の内周面と前記筒状部材の両端部の外周面との間を油密に封止するためにその筒状部材の両端部の外周にそれぞれ設けられたゴム等の軟質な弾性材料から成る環状シール部材とを備え、前記第1油路と第2油路とを連結する車両用油路連結装置が知られている。例えば、特許文献1に従来技術として記載された図3に示すような油路連結装置がそれである。このような油路連結装置によれば、第1油路および第2油路を構成する配管を第1ケースおよび第2ケースの外部に設ける必要がないので、それら第1ケースおよび第2ケースの占めるスペースを小さくできると共に上記配管を設けることによるコストアップおよび質量増加を抑制できる。
特開平7−158744号公報
ところで、上記従来の油路連結装置において、筒状部材の第1油路および第2油路の開口内への組付けは、第1ケースと第2ケースとの組付けに伴って行われる。例えば、筒状部材の一端部が上記一対の開口の一方に嵌め入れられて、第1ケースおよび第2ケースの組合せ面が組合せられる際に筒状部材の他端部が上記一対の開口の他方に嵌め入れられる。このとき、筒状部材の他端部は上記他方の開口の内周面に対して軸心方向に摺動しつつ嵌め入れられる。このため、上記組付けにより筒状部材の端部の外周に設けられた環状シール部材にその不均一な回転による捩れが発生し、その捩れに起因して油路の内周面と筒状部材の端部の外周面との間の封止性すなわちシール性が低下する可能性があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、環状シール部材の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができる車両用油路連結装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)互いに組合せられる第1ケースおよび第2ケースの相対向する組合せ面にそれぞれ開口する第1油路および第2油路を相互に油密に接続するために、上記一対の開口内に両端部がそれぞれ嵌め入れられる筒状部材と、前記第1油路および第2油路の内周面と前記筒状部材の両端部の外周面との間を油密に封止するためにその筒状部材の両端部の外周にそれぞれ設けられた環状シール部材とを備え、前記第1油路と第2油路とを連結する車両用油路連結装置であって、(2)前記筒状部材の軸心方向の中間部に設けられ、その筒状部材を軸心まわりに回転させるための操作力がその筒状部材と相対回転不能な回転操作治具を介して加えられる回転操作部を備えることにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくても一方には、それら第1ケースおよび第2ケースが互いに組付けられた状態において前記筒状部材の軸心方向の中間部を視認可能な穴が形成されていることにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2にかかる発明において、(1)前記回転操作治具は、前記回転操作部に対して着脱可能に係合するものであり、(2)前記穴は、前記第1ケースおよび前記第2ケースが互いに組付けられた状態において前記回転操作治具を挿入するための治具挿入穴として機能することにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項3にかかる発明において、前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能且つ着脱可能に係合可能な形状を有することにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項4にかかる発明において、前記回転操作部は、前記筒状部材の軸心に直交する断面形状が多角形となるように形成されていることにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項4にかかる発明において、前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能に係合する係合穴を有することにある。
請求項1にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記筒状部材の軸心方向の中間部に設けられ、その筒状部材を軸心まわりに回転させるための操作力がその筒状部材と相対回転不能な回転操作治具を介して加えられる回転操作部を備えることから、嵌め入れたときに環状シール部材に生じた捩れが回転操作治具で筒状部材を回転させることにより解消されるので、その環状シール部材の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくても一方には、それら第1ケースおよび第2ケースが互いに組付けられた状態において前記筒状部材の軸心方向の中間部を視認可能な穴が形成されていることから、筒状部材の軸心方向の中間部を上記穴から目視することで各油路から環状シール部材を通して生じるオイル漏れの有無を確認することができる。また、筒状部材の中間部にオイルが漏れた時点でオイル漏れを確認できるので、例えば、第1および第2ケースの組合せ面の下方からオイルが滲み出した時点でオイル漏れを確認するよりも、早期に且つ正確にオイル漏れ部位を発見できる。
また、請求項3にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記回転操作治具は、前記回転操作部に対して着脱可能に係合するものであり、前記穴は、前記第1ケースおよび前記第2ケースが互いに組付けられた状態において前記回転操作治具を挿入するための治具挿入穴として機能することから、第1ケースおよび第2ケースの組合せ後に回転操作治具を回転操作部に係合させて筒状部材を回転させることができるので、例えば回転操作治具により筒状部材を回転させつつ第1ケースと第2ケースとを組み合わせる等の煩雑な作業が不要となり、組付け作業が簡単になる。
また、請求項4にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能且つ着脱可能に係合可能な形状を有することから、回転操作部に係合させた回転操作治具で筒状部材を回転させることができるとともに、不要なときすなわち筒状部材の回転操作時以外には回転操作治具を回転操作部から取り外すことができる。
また、請求項5にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記回転操作部は、前記筒状部材の軸心に直交する断面形状が多角形となるように形成されていることから、回転操作部に対して回転操作治具を相対回転不能に係合させ易いので、筒状部材を回転操作治具により確実に回転させることができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用油路連結装置によれば、前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能に係合する係合穴を有することから、回転操作治具として例えば上記係合穴に対して抜き差し可能な棒状のものが利用できるので、回転操作治具が簡易で低コストであるという利点がある。
本発明が適用された車両用駆動装置を模式的に示す図である。 図1のII-II矢視部を示す図であって、エンジンをエンジンブロックの組合せ面側から見た図である。 図1のIII-III矢視部を示す図であって、クラッチ装置をクラッチハウジングの組合せ面側から見た図である。 図2の車両用油路連結装置を拡大して示すIV矢視部の斜視図である。 図2のV-V矢視部断面を示す断面図である。 図5のVI-VI矢視部断面を示す断面図である。 本発明の他の実施例の車両用油路連結装置を示す図であって、実施例1の図5に対応する図である。 図7のVIII-VIII矢視部断面を示す図であって、実施例1の図6に対応する図である。 本発明の他の実施例の車両用油路連結装置を示す図であって、実施例1の図5に対応する図である。 本発明の他の実施例の車両用油路連結装置を示す図であって、実施例1の図5に対応する図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10を模式的に示す図である。図1において、本実施例の車両用駆動装置10は、内燃機関から構成されるエンジン12と、例えば乾式の円板クラッチ16を収容するクラッチ装置18のクラッチハウジング(第2ケース)14と、例えば平行2軸式の歯車変速機構22を収容する変速機24の変速機ケース20とを備えている。
変速機ケース20の底部には、潤滑油が貯溜されている。変速機24の各潤滑部は、回転する歯車変速機構22により掻き上げられた潤滑油が供給されて潤滑されるようになっている。変速機ケース20のクラッチハウジング14に隣接する隔壁には、変速機ケース20の底部に貯留された潤滑油が所定のオイルレベルを超えた場合にその潤滑油の余剰分を変速機ケース20から流出させるオイル流出油路26が形成されている。
クラッチハウジング14の下部の隔壁内には、変速機ケース20に隣接する端面からエンジン12との組合せ面28まで連通してそこに開口する第1連絡油路30が形成されている。この第1連絡油路30は、変速機ケース20のオイル流出油路26に接続されており、変速機ケース20から流出される潤滑油をエンジン12に環流させる。
エンジン12のシリンダブロック(第1ケース)32のクラッチハウジング14に隣接する隔壁には、組合せ面28と組み合わされる組合せ面34に開口してそこからエンジン12のオイルタンク36内まで連通された第1オイル供給油路38が形成されている。この第1オイル供給油路38は、クラッチハウジング14の第1連絡油路30に接続されており、その第1連絡油路30から供給される潤滑油をオイルタンク36に供給する。
エンジン12の各潤滑部は、第1オイルポンプ40によりオイルタンク36の潤滑油が供給されて潤滑されるようになっている。シリンダブロック32のクラッチハウジング14に隣接する隔壁には、第2オイルポンプ42の吐出ポートに接続された吐出油路(第1油路)44が形成されている。この吐出油路44は、第2オイルポンプ42によりエンジン12内から潤滑油が圧送される。
クラッチハウジング14の上部の隔壁内には、組合せ面28から変速機ケース20に隣接する端面まで連通された第2連絡油路(第2油路)46が形成されている。この第2連絡油路46は、例えば後述の図5に示す本発明の一実施例の車両用油路連結装置48によってシリンダブロック32の吐出油路44と連結されており、その吐出油路44から車両用油路連結装置48を介して送出される比較的高圧の潤滑油を変速機24に供給する。
変速機ケース20のクラッチハウジング14に隣接する隔壁には、クラッチハウジング14の第2連絡油路46に接続されるとともに変速機ケース20の内部に連通された第2オイル供給油路50が形成されている。この第2オイル供給油路50は、クラッチハウジング14の第2連絡油路46に接続されており、第2連絡油路46から供給される潤滑油を変速機ケース20内に供給する。上記第2オイル供給油路50から変速機ケース20内に供給された潤滑油は、変速機ケース20の底部に自由落下して貯溜される。
変速機ケース20の底部に貯溜された潤滑油は、上記各油路および各ポンプ等により構成される循環経路を循環しつつエンジン12および変速機24の各潤滑部の潤滑に用いられる。なお、変速機ケース20内からクラッチハウジング14を介してシリンダブロック32内まで連通されたブリーザ通路52は、変速機ケース20内の圧力が所定値以上になると図示しないエンジン12に設けられたブリーザ弁を介して変速機ケース20内の空間を大気に流通させるためのものである。
図2は、図1のII-II矢視部を示す図であって、エンジン12をエンジンブロック32の組合せ面34側から見た図である。図2では、後述の図4に詳しく示すように組合せ面34に開口する吐出油路44に車両用油路連結装置48が組み付いた状態を示している。また、図3は、図1のIII-III矢視部を示す図であって、クラッチ装置19をクラッチハウジング14の組合せ面28側から見た図である。図3では、組合せ面28に開口する第2連絡油路46に車両用油路連結装置48が組み付いていない状態を示している。また、図4は、図2のIV矢視部の車両用油路連結装置48を拡大して示す斜視図である。また、図5は、図2のV-V矢視部断面を示す断面図である。また、図6は、図5のVI-VI矢視部断面を示す断面図である。
図2乃至図6において、本実施例の車両用油路連結装置48は、互いに組付けられるシリンダブロック(第1ケース)32およびクラッチハウジング(第2ケース)14の相互に密着させられる相対向する組合せ面34および組合せ面28にそれぞれ開口する吐出油路(第1油路)44および第2連絡油路(第2油路)46を相互に接続するために、上記一対の開口内に両端部がそれぞれ嵌め入れられた筒状部材である円筒部材54を備えている。吐出油路44および第2連絡油路46の開口端部は、拡径部56および57が設けられて開口側ほど径が大きい段付円筒状に形成されている。円筒部材54の両端部は、上記吐出油路44および第2連絡油路46の開口端部に形成された拡径部56および57にそれぞれ嵌め入れられている。そして、円筒部材54は、吐出油路44および第2連絡油路46の開口端部に形成された段付部端面58に端面が当接することで軸心C方向の移動が制限されるようになっている。吐出油路44および第2連絡油路46は、円筒部材54に形成された貫通孔60を介して連通させられている。
また、車両用油路連結装置48は、吐出油路44および第2連絡油路46の内周面と円筒部材54の両端部の外周面との間を油密に封止するために、その円筒部材54の両端部の外周にそれぞれ設けられた環状シール部材として機能する一対のOリング62を備えている。このOリング62は、良く知られているように、耐油性の合成ゴムから構成されるが、弾性を有する他の材質のものであってもよい。円筒部材54の両端部の外周面には、それぞれ周方向に連なる環状の一対のOリング溝64がそれぞれ設けられている。一対のOリング62は、吐出油路44の内周面とそれに対向するOリング溝64の底面との間、および第2連絡油路46の内周面とそれに対向するOリング溝64の底面との間においてそれぞれ半径方向に圧縮されて潰された状態で配設されている。そして、このように一対のOリング62が上記各内周面および各底面にそれぞれ密着させられることで、それら各内周面と各底面との間を通じて潤滑油が漏れることが防止されている。
円筒部材54の軸心C方向の中間部には、その円筒部材54を軸心Cまわりに回転させるための操作力F(図6参照)がその円筒部材54と相対回転不能な回転操作治具66を介して加えられる回転操作部68が設けられている。上記回転操作部68は、回転操作治具66と相対回転不能且つ着脱可能に係合可能な形状を有している。本実施例の回転操作部68は、軸心Cに直交する断面形状が正八角形(多角形)となるように形成されている。また、本実施例の回転操作治具66は、回転操作部68の外周面のうち相背反する一対の面の間隔よりも少し大きい間隔を有する相互に平行且つ相対向する一対の係合面を有するスパナ状のものであって、回転操作部68を受け入れてそれに対して着脱可能に係合する。
図3および図5乃至図6に示すように、クラッチハウジング14の組合せ面28には、シリンダブロック32およびクラッチハウジング14が互いに組み合わされた状態において外部から回転操作部68をケース組合せ後においても視認可能な溝状のスリット(穴)72が形成されている。クラッチハウジング14の組合せ面34から第2連絡油路46の段付部端面58までの軸心C方向における長さ、シリンダブロック32の組合せ面28から吐出油路44の段付部端面58までの軸心C方向における長さ、および円筒部材54に対する回転操作部68の軸心C方向における位置は、円筒部材54が両段付部端面58の一方または他方に当接した状態において外部からスリット72により回転操作部68を視認可能なようにそれぞれ設定される。スリット72は、シリンダブロック32およびクラッチハウジング14が互いに組み合わされた状態において回転操作治具66を受け入れて円筒部材54を回転させるため、図6の二点鎖線66a、66bで示すように矢印aおよび矢印b方向の操作を許容する治具挿入穴として機能する。回転操作治具66は、シリンダブロック32およびクラッチハウジング14が互いに組み合わされた状態であっても回転操作部68に対して着脱可能である。また、回転操作治具66は、シリンダブロック32およびクラッチハウジング14が互いに組み合わされた状態であっても円筒部材54を回転させることが可能である。
次に、上記車両用油路連結装置48の組付け作業の一例について説明する。例えば、先ず、一対のOリング溝64に一対のOリング62がそれぞれ嵌め入れられた状態の円筒部材54の一端部がシリンダブロック32の吐出油路44の拡径部56に嵌め入れられる。これにより、図4に示す状態となる。そして、クラッチハウジング14とシリンダブロック32とを互いに組合せる際に、円筒部材54の他端部の外周面に形成されたテーパ面74(図4乃至図5参照)を必要に応じて利用しつつ円筒部材54の他端部がクラッチハウジング14の第2連絡油路46の拡径部56に嵌め入れられ、次いで、クラッチハウジング14とシリンダブロック32とが互いに組合せられる。そして、回転操作治具66がスリット72内に挿入されて円筒部材54の回転操作部68に係合させられる。そして、図6に示すように、円筒部材54が回転操作治具66により軸心Cまわりの矢印aおよび矢印b方向に複数回交互に回転させられる。円筒部材54の端部が拡径部56および57に対して軸心C方向に摺動されつつ嵌め入れられることでOリング62が捩れた場合であっても、上記のように円筒部材54が回転させられることで各油路の内周面および各Oリング溝64の底面との間の摩擦力が低減され、上記Oリング62自体の弾性復帰力にしたがってその捩れが解消される。
上述のように、本実施例の車両用油路連結装置48によれば、円筒部材54は、軸心C方向の中間部に設けられ、その円筒部材54を軸心Cまわりに回転させるための操作力Fがその円筒部材54と相対回転不能な回転操作治具66を介して加えられる回転操作部68を備えることから、嵌め入れたときにOリング(環状シール部材)62に生じた捩れが回転操作治具66で円筒部材54を回転させることにより解消されるので、そのOリング62の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができる。また、回転操作治具66で円筒部材54を回転させるときの操作力Fの大小によって、Oリング62と各油路44および46の内周面または各Oリング溝64の底面との間に異物が噛み込んでいるか否かを回転操作治具66の操作力Fに基づいて判断することができるので、円筒部材54およびOリング62が各油路44および46内に組み付けられた状態であっても異物噛み込みの有無を判断することができるという利点もある。
また、本実施例の車両用油路連結装置48によれば、クラッチハウジング(第1ケース)14には、クラッチハウジング14およびシリンダブロック32が互いに組付けられた状態において円筒部材54の回転操作部68を視認可能なスリット(穴)72が形成されていることから、回転操作部68をスリット72から目視することで各油路44および46からOリング62を通して生じるオイル漏れの有無を確認することができる。また、回転操作部68に潤滑油が漏れた時点でオイル漏れを確認できるので、例えば、クラッチハウジング14およびシリンダブロック32の組合せ面28および34の下方から潤滑油が滲み出した時点でオイル漏れを確認するよりも、早期に且つ正確にオイル漏れ部位を発見できる。
また、本実施例の車両用油路連結装置48によれば、回転操作治具66は、回転操作部68に対して着脱可能に係合するものであり、スリット72は、クラッチハウジング14およびシリンダブロック32が互いに組付けられた状態において回転操作治具66を挿入するための治具挿入穴として機能することから、クラッチハウジング14およびシリンダブロック32の組合せ後に回転操作治具66を回転操作部68に係合させて円筒部材54を回転させることができるので、例えば回転操作治具66により円筒部材54を回転させつつクラッチハウジング14とシリンダブロック32とを組付ける等の煩雑な作業が不要となり、組付け作業が簡単になる。
また、本実施例の車両用油路連結装置48によれば、回転操作部68は、回転操作治具66と相対回転不能且つ着脱可能に係合可能な形状を有することから、回転操作部68に係合させた回転操作治具66で円筒部材54を回転させることができるとともに、不要なときすなわち円筒部材54の回転操作時以外には回転操作治具66を回転操作部68から取り外すことができる。
また、本実施例の車両用油路連結装置48によれば、回転操作部68は、円筒部材54の軸心Cに直交する断面形状が正八角形(多角形)となるように形成されていることから、比較的簡易且つ低コストに製作可能なスパナ状の回転操作治具66を用いて円筒部材54を簡単且つ確実に回転させることができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例の車両用油路連結装置80を示す図であって、前述の実施例1の図5に対応する図である。また、図8は、図7のVIII-VIII矢視部断面を示す図であって、前述の実施例1の図6に対応する図である。図7および図8において、本実施例の車両用油路連結装置80の回転操作部68は、外周部に半径方向に穿設されて回転操作治具82と相対回転不能に係合する係合穴84を周方向の等間隔に複数個(8個)有する。本実施例の回転操作治具82は、上記係合穴84の内径よりも少し小さい外径を有する円筒状の先端部を有し、係合穴84に対して抜き差しすることで着脱可能な棒状のものである。
本実施例では、クラッチハウジング14に図5に示すようなスリット72が設けられていない。したがって、車両用油路連結装置80は、図7に示すように、クラッチハウジング14およびシリンダブロック32を組付ける際に、円筒部材54の両端部が吐出油路44および第2連絡油路46の拡径部56にそれぞれ嵌め入れられた状態において回転操作治具82により円筒部材54が回転させられる。好適には、上記円筒部材54の回転は、クラッチハウジング14の組合せ面28およびシリンダブロック32の組合せ面34が可及的に近づけられた状態において行われる。これにより、円筒部材54の端部が拡径部56および57に嵌め入れられたときに生じるOリング62の捩れが抑制される。
本実施例の回転操作部68および回転操作治具82は、実施例1の回転操作部68および回転操作治具66と形状が異なるが、その機能は同じである。すなわち、回転操作部68は、円筒部材54の軸心C方向の中間部に設けられ、円筒部材54を軸心Cまわりに回転させるための操作力Fがその円筒部材54と相対回転不能に係合する回転操作治具82を介して加えられるようになっている。そのため、本実施例の車両用油路連結装置80によれば、Oリング(環状シール部材)62に生じた捩れが回転操作治具66で円筒部材54を回転させることにより解消されるので、実施例1と同様に、上記Oリング62の捩れに起因するシール性の低下を抑制することができるという効果が得られる。
また、本実施例の車両用油路連結装置80によれば、スリット72を除去できるので、その形成加工が不要となる。また、回転操作部68は、円筒状の先端部を有する回転操作治具82と相対回転不能に係合する係合穴84を有することから、比較的簡易且つ低コストに製作可能な棒状の回転操作治具82を用いて円筒部材54を簡単且つ確実に回転させることができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例1の回転操作治具66はスパナ状の先端部を有し、前述の実施例2の回転操作治具82は円筒状の先端部を有するものであったが、これに限らず、例えば回転操作部68を挟みつつ回転させることができるような先端部を有するものであってもよい。要するに、回転操作部に対して相対回転不能に係合するものであればよい。
また、前述の実施例において、回転操作治具66および82は、回転操作部68に対して着脱可能に係合するものであったが、例えば、図9に示すように回転操作部68に一体的に設けられてもよい。
また、前述の実施例において、円筒部材54は、軸心C方向の位置が各油路44および46に形成された段付部端面58に当接することで軸心C方向に位置決めされるようになっていたが、例えば、図10に示すように、シリンダブロック32に固定されたストッパー部材90が円筒部材54の外周部に形成された周方向溝92に係合させられることで軸心C方向に位置決めされるように構成されてもよい。なお、ストッパー90はクラッチハウジング14に固定されてもよい。また、例えば、図10に示すように、円筒部材54内の油路には、エンジン12側から変速機24側への潤滑油の流れを許容してそれとは反対の潤滑油の流れを阻止する一方向弁94が設けられてもよいし、或いは吐出油路44や第2連絡油路46に比較して内径が小さい絞り部が設けられてもよい。
また、前述の実施例において、車両用油路連結装置48および80は、エンジンブロック32に形成された吐出油路44とクラッチハウジング14に形成された第2連絡油路46とを連結(接続)するために上記各油路間に設けられていたが、これに限らず、例えば、オイル流出油路26と第1連絡油路30との間、第1連絡油路30と第1オイル供給油路38との間、或いは第2連絡油路46と第2オイル供給油路50との間に設けられてもよい。また、上記各油路間の一部或いは全部に設けられてもよい。要するに、2つのケースの相対向する組合せ面にそれぞれ開口する第1油路および第2油路を相互に接続するために用いられる車両用油路連結装置であれば本発明が適用され得る。
また、前述の実施例では、筒状部材として円筒部材54が設けられていたが、必ずしも円筒でなくてもよく断面形状が楕円形の筒状部材であってもよい。
また、前述の実施例では、環状シール部材としてOリング62が設けられていたが、断面多角形又は楕円形のオイルシールが用いられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
14:クラッチハウジング(第2ケース)
28,34:組合せ面
32:シリンダブロック(第1ケース)
44:吐出油路(第1油路)
46:第2連絡油路(第2油路)
48,80:車両用油路連結装置
54:円筒部材(筒状部材)
62:Oリング(環状シール部材)
66,66a,66b,82,82a,82b:回転操作治具
68:回転操作部
72:スリット(穴、治具挿入穴)
84:係合穴
C:軸心

Claims (6)

  1. 互いに組合せられる第1ケースおよび第2ケースの相対向する組合せ面にそれぞれ開口する第1油路および第2油路を相互に油密に接続するために、該一対の開口内に両端部がそれぞれ嵌め入れられる筒状部材と、該第1油路および該第2油路の内周面と該筒状部材の両端部の外周面との間を油密に封止するために該筒状部材の両端部の外周にそれぞれ設けられた環状シール部材とを備え、該第1油路と該第2油路とを連結する車両用油路連結装置であって、
    前記筒状部材の軸心方向の中間部に設けられ、該筒状部材を軸心まわりに回転させるための操作力が該筒状部材と相対回転不能な回転操作治具を介して加えられる回転操作部を備えることを特徴とする車両用油路連結装置。
  2. 前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくても一方には、該第1ケースおよび該第2ケースが互いに組付けられた状態において前記筒状部材の軸心方向の中間部を視認可能な穴が形成されていることを特徴とする請求項1の車両用油路連結装置。
  3. 前記回転操作治具は、前記回転操作部に対して着脱可能に係合するものであり、
    前記穴は、前記第1ケースおよび前記第2ケースが互いに組付けられた状態において前記回転操作治具を挿入するための治具挿入穴として機能することを特徴とする請求項2の車両用油路連結装置。
  4. 前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能且つ着脱可能に係合可能な形状を有することを特徴とする請求項3の車両用油路連結装置。
  5. 前記回転操作部は、前記筒状部材の軸心に直交する断面形状が多角形となるように形成されていることを特徴とする請求項4の車両用油路連結装置。
  6. 前記回転操作部は、前記回転操作治具と相対回転不能に係合する係合穴を有することを特徴とする請求項4の車両用油路連結装置。
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