JP2016148410A - ドライブシャフトの潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブシャフトに対するグリス塗布ならびにオイル注入に係る設備が等不要となる、ドライブシャフトを好適に潤滑することが可能な潤滑構造を提供する。【解決手段】ドライブシャフト1L,1Rが挿入されるサイドギヤ2L,2Rの内周面の内、ピニオンシャフト4側の内周面端部を、内径が他の内周面より拡径した大径部2bL,2bRとすると共に、円筒形の蓋部材20L,20Rをサイドギヤ2L,2R内周面の内でスプライン歯2aL,2aRが形成されていない内周面先端部分に圧挿入し、所定量のオイルが充填されたトランスミッション内部を蓋部材20L,20Rによって密閉構造とする。そして、ドライブシャフト1L,1Rをサイドギヤ2L,2R内部に挿入すると、蓋部材20L,20Rが大径部2bL,2bRに押しやられ、トランスミッション内部の密封構造が解除され、ドライブシャフト1L,1Rが潤滑油によって潤滑される。【選択図】図1

Description

本発明はドライブシャフトの潤滑構造に関し、より詳細にはドライブシャフトに対するグリス塗布ならびに車体工場におけるオイル注入設備等が不要となるドライブシャフトの潤滑構造に関するものである。
トランスミッションは、トランスミッション工場において内部にオイルが注入される。オイルが注入されたトランスミッションは、車体工場へ移送され、車体工場でドライブシャフトが取り付けられる。トランスミッション内部のオイルの油面はドライブシャフト挿入口より高いため、移送中に内部のオイルが外部へ漏洩しないように、ドライブシャフト挿入口は蓋によってシールされている。そして、車体工場でトランスミッションが車輌に搭載される際、ドライブシャフト・スプラインに対する潤滑が必要となる。
図6に示されるように、従来のドライブシャフトの潤滑構造500では、ドライブシャフト501L,501Rが挿入されるサイドギヤ502L,502Rの内周面端部の内、ピニオンシャフト504側の内周面端部は固定蓋520L,520Rによってそれぞれシールされ、トランスミッション内部はオイルに対し密閉構造を有していた。この場合、ドライブシャフト501L,501Rとサイドギヤ502L,502Rとの結合部の潤滑については、トランスミッション内部のオイルで潤滑することが出来ないため、予めドライブシャフト501L,501Rの該当箇所にグリスGを塗布することによって行っていた。
グリス潤滑以外のドライブシャフトの潤滑構造としては、差動装置(ディファレンシャル装置)において、ドライブシャフト外周面に対面するデフケース内面に螺旋状の第1通路を形成し、その第1通路に連通しサイドギヤの中心軸に沿ってピニオンシャフトへ貫通する第2通路を形成し、その第2通路に連通しピニオンギヤの中心貫通穴に沿ってピニオンシャフト外周面に第3通路を形成し、変速機ケースの底部に貯留した潤滑油がリングギヤによって掻き上げられ、その掻き上げられた潤滑油が上記第1通路、第2通路および第3通路を流れ、これによりドライブシャフトがオイルによって好適に潤滑されるように構成されたドライブシャフトの潤滑構造(差動装置)が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、第1ケースの第1軸受装着部のデフケース側の端面に、その先端面の少なくとも一部が油捕捉リブの先端面に対向するように、筒状の凸部を突設するとともに、この凸部の先端面が第1ケースと第2ケースとの合わせ面と同一平面に位置するように形成し、これによりドライブシャフトが挿通されるデフケースの内部に潤滑油が効率よく供給されるように構成されたドライブシャフトの潤滑構造(差動装置)が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
また、トランスミッションケース内周面に、内周面外側からケース開口へ通じる直線状溝の潤滑油案内溝と、ケース開口の外周縁に沿ってその潤滑油案内溝に連通する環状溝とをそれぞれ形成し、これによりファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)によって掻き上げられた潤滑油が差動装置のインボード部に効率よく供給されるように構成されたドライブシャフトの潤滑構造(差動装置)が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
特開2014−190526号公報 特許第4159350号 特許第4409929号
上記特許文献1から3に係るドライブシャフトの潤滑構造は、いずれもドライブシャフトの外周面、サイドギヤ、ピニオンシャフト、或いはトランスミッションケースに対し、潤滑油が流れる通路または溝等を設けることにより、ファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)によって掻き上げられた潤滑油を、ドライブシャフトを含む差動装置内部へ案内するようにしたものである。
しかし、上記特許文献に係る潤滑方法は、車体工場においてトランスミッションにドライブシャフトが組付けられた後、トランスミッションにオイルを注入するための設備が必要となる。すなわち、オイル管理・注入設備がオイル種類毎に必要となり、それに加えてオイルメーカー毎の供給環境も個別に整える必要がある。また、各油圧回路へのオイル充填作業等が別途必要となる。なお、全ての生産拠点が必ずしもこれらの設備を備えているとは限らない。
他方、ドライブシャフトのグリス潤滑方法では、サイドギヤのドライブシャフト挿入口に蓋が有りトランスミッション内部が密閉構造を成している。予めトランスミッション工場でオイル注入が可能である。従って、車体工場における設備の負担はない。
しかし、グリスの選択、グリスの量および塗り方の管理、さらにはグリス潤滑構造の耐久性に係る課題を上記グリス潤滑方法は有している。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、ドライブシャフトに対するグリス塗布ならびに車体工場におけるオイル注入設備等が不要となるドライブシャフトの潤滑構造を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造では、左右の駆動輪へ駆動力をそれぞれ伝達するドライブシャフト(1L,1R)と、該ドライブシャフト(1L,1R)と一体に回転するように同軸上にそれぞれ取り付けられたサイドギヤ(2L,2R)と、該サイドギヤ(2L,2R)に常時噛み合いながらケース(5)に固定されたピニオンシャフト(4)上に回転自在にそれぞれ取り付けられたピニオンギヤ(3U,3L)とを有する、前記駆動輪間の回転差を吸収しながら前記駆動力を前記ドライブシャフト(1L,1R)へそれぞれ配分する差動装置において、
前記ドライブシャフト(1L,1R)が挿入される前記サイドギヤ(2L,2R)の内周面の内、前記ピニオンシャフト(4)側の内周面端部は内径が他の内周面より拡径した大径部(2bL,2bR)を形成し、且つ該内周面端部をシールする蓋部材(20L,20R)によって所定量のオイルが充填されたトランスミッション内部が密閉されており、
前記ドライブシャフト(1L,1R)が前記サイドギヤ(2L,2R)内に挿入されるとき、該ドライブシャフト(1L,1R)が前記蓋部材(20L,20R)に当接することにより、該蓋部材(20L,20R)のシールが壊され前記ドライブシャフト(1L,1R)は前記トランスミッション内部の前記潤滑油によって潤滑されるように構成されていることを特徴とする。
上記構成では、上記ドライブシャフト(1L,1R)によって上記蓋部材(20L,20R)のシールが壊され、トランスミッション内部の潤滑油がドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出てドライブシャフト(1L,1R)とサイドギヤ(2L,2R)との結合部を潤滑するようになる。つまり、差動装置(ディファレンシャル装置)単体では、サイドギヤ(2L,2R)の内部が上記蓋部材(20L,20R)によってシールされ、トランスミッション内部が密閉構造となり、所定量の潤滑油がトランスミッション内部に保持されている。そして車輌組付け時において、ドライブシャフト(1L,1R)をサイドギヤ(2L,2R)の内部へ挿入することにより、上記蓋部材(20L,20R)のシールが壊され、これによりトランスミッション内部の密閉構造が解除され、ドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出た潤滑油によってドライブシャフト(1L,1R)がオイル潤滑された状態となる。
本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造の第2の特徴は、前記蓋部材(20L,20R)は前記サイドギヤ(2L,2R)内部に圧挿入され、前記ドライブシャフト(1L,1R)が前記サイドギヤ(2L,2R)内に挿入されるとき、前記蓋部材(20L,20R)は前記ドライブシャフト(1L,1R)によって押しやられ前記大径部(2bL,2bR)に嵌る、ことである。
上記構成では、ドライブシャフト(1L,1R)がサイドギヤ(2L,2R)内部に挿入されるとき、ドライブシャフト(1L,1R)の先端と蓋部材(20L,20R)が突き当たることで、蓋部材(20L、20R)が圧入部(小径部)から大径部(2bL,2bR)側へ押しやられ、終いには大径部(2bL,2bR)に嵌り、これによりトランスミッション内部の密閉状態が解除され、ドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出た潤滑油によってドライブシャフト(1L,1R)がオイル潤滑された状態となる。
本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造の第3の特徴は、前記蓋部材(30L,30R)は突起部(30a)と該突起部(30a)の回りに形成された部分円又は楕円状の薄肉部(30b)とを備え、前記ドライブシャフト(1L,1R)が前記サイドギヤ(2L,2R)内に挿入されるとき、該ドライブシャフト(1L,1R)が前記突起部(30a)に当接することにより前記薄肉部(30b)が破断される、ことである。
上記構成では、ドライブシャフト(1L,1R)がサイドギヤ(2L,2R)内部に挿入されるとき、ドライブシャフト(1L,1R)の先端と蓋部材の突起部(30a)が突き当たることで、突起部(30a)の回りに形成された部分円又は楕円状の薄肉部(30b)が破断され、これによりトランスミッションの密閉状態が解除され、ドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出た潤滑油によってドライブシャフト(1L,1R)がオイル潤滑された状態となる。
本発明のドライブシャフトの潤滑構造によれば、ドライブシャフト(1L,1R)がサイドギヤ(2L,2R)内部に挿入されるとき、蓋部材(20L,20R、30L,30R)のシールがドライブシャフト(1L,1R)によって壊され、これによりトランスミッション内部の密閉状態が解除され、ドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出た潤滑油によってドライブシャフト(1L,1R)がオイルによって潤滑された状態となる。その結果、従来のようなグリス潤滑に頼ることがないため、グリス選択、量および塗り方の管理も不要となり、更には車体工場においてオイル管理・注入設備等も不要となる。そして、トランスミッション内部の潤滑油を使用した耐久性の高いオイル潤滑構造を実現することが可能となる。
本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造を示す要部断面説明図である 本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造におけるドライブシャフトのオイル潤滑を示す要部断面説明図である。 本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造の変形例を示す要部断面説明図である。 本発明に係る蓋部材を示す説明図である。 本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造の変形例におけるドライブシャフトのオイル潤滑を示す要部断面説明図である。 従来のドライブシャフトの潤滑構造を示す要部断面説明図である。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造100を示す要部断面説明図である。
このドライブシャフトの潤滑構造100は、左右の駆動輪(図示せず)へ駆動力を伝達するドライブシャフト1L,1Rと、ドライブシャフト1L,1Rと一体に回転するように同シャフト上にそれぞれ取り付けられたサイドギヤ2L,2Rと、サイドギヤ2L,2Rに常時噛み合いながらピニオンシャフト4上に回転自在にそれぞれ取り付けられたピニオンギヤ3U,3Lと、デフケース5に抜け止めピン6によって回転不能に取り付けられたピニオンシャフト4と、上記各部品を収容するデフケース5と、デフケース5の外壁面にボルト8を介して固定されたリングギヤ7と、デフケース5を支持する軸受部9と、軸受部9が取り付けられたトランスミッションケース10と、オイルがトランスミッションケース10外に漏洩することを防止するオイルシール部11L,11Rと、そして本発明に係る左右の蓋部材20L,20Rとを具備して構成されている。以下、各構成について更に説明する。
ドライブシャフト1L,1Rの外周面先端部分には、縦長のスプライン溝1aL,1aRが周方向に沿って形成されている。他方、サイドギヤ2L,2Rの内周面先端部分には上記スプライン溝1aL,1aRと嵌合する縦長のスプライン歯2aL,2aRが周方向に沿って形成されている。従って、ドライブシャフト1L,1Rとサイドギヤ2L,2Rはスプライン結合して常に一体となって回転する。
また、サイドギヤ2L,2Rの内周面先端部分には、他の内周面の内径rより拡径(R>r)した大径部2bL,2bRが形成されている。詳細については図2を参照しながら後述するが、車輌組付けにおいてドライブシャフト1L,1Rがサイドギヤ2L,2R内部に挿入されるとき、ドライブシャフト1L,1Rの先端部が蓋部材20L,20Rを大径部2bL,2bRに押しやり、蓋部材20L,20Rが大径部2bL,2bRに嵌る(落ちる)ことにより、トランスミッション内部の密封構造が解除され、トランスミッション内部の潤滑油が流れ出てドライブシャフト1L,1Rがオイル潤滑されることになる。
ピニオンギヤ3U,3Lは、左右駆動輪間、すなわち左右のドライブシャフト1L,1R間に差回転が発生する場合のみピニオンシャフト4に対し回転(自転)し、上記差回転を吸収する。
ピニオンシャフト4は、抜け止めピン6によってデフケース5に回転不能に固設されている。従って、リングギヤ7が回転駆動される場合、デフケース5及びピニオンシャフト4が一体となって回転し、ピニオンギヤ3U,3L及びサイドギヤ2L,2Rを介して、変速機(図示せず)から伝達されて来る駆動力を左右のドライブシャフト1L,1Rへそれぞれ配分する。
デフケース5は、サイドギヤ2L,2R及びピニオンギヤ3U,3L等を収納するため、窓構造を成して構成されている。また、デフケース5の内部は潤滑油に関し解放構造を成し、サイドギヤ2L,2R及びピニオンギヤ3U,3L等が取り付けられた状態で、点線の位置Lまで潤滑油(オイル)が満たされ、蓋部材20L,20Rによってサイドギヤ2L,2Rの内部開口が封止(シール)されている。
リングギヤ7は、変速機側の最終歯車であるファイナルギヤ(図示せず)に噛み合っている。リングギヤの歯数はファイナルギヤの歯数の4倍程度に設定され、これによりリングギヤ7において変速機から伝達されて来る駆動力の回転数は1/4程度に減速される。
軸受部9については、デフケース5に対しドライブシャフト1L,1Rに直交するトルクフローと同平行するトルクフローが同時に作用するため、ラジアル方向とアキシャル方向の各荷重を同時に受ける、例えば円すいころ軸受が用いられている。
蓋部材20L,20Rは円筒形の部材である。蓋部材20L,20Rは、ドライブシャフト1L,1Rが挿入される車輌組付け前において、サイドギヤ2L,2R内周面の内でスプライン歯2aL,2aRが形成されていない内周面先端部分に圧挿入される。これにより、サイドギヤ2L,2R内部を封止し、トランスミッション内部を密閉構造としている。これにより、車輌組付け前においてトランスミッション内部の潤滑油は外部に漏れることがない。
図2は、本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造100におけるドライブシャフト1L,1Rのオイル潤滑を示す要部断面説明図である。
車輌組付け時にドライブシャフト1L,1Rをサイドギヤ2L,2Rの内部深く挿入すると、ドライブシャフト1L,1Rの先端部が蓋部材20L,20Rに当接し、蓋部材20L,20Rはピニオンシャフト4側に押しやられ、終いにはサイドギヤ2L,2Rの大径部2bL,2bRに嵌る。蓋部材20L,20Rの外径は大径部2bL,2bRの内径Rよりも小さいため、蓋部材20L,20Rはサイドギヤ2L,2Rの内部をシールすることが出来なくなり、これによりトランスミッション内部の密閉構造が解除され、潤滑油(オイル)が蓋部材20L,20Rと大径部2bL,2bRとの隙間から流れ出て、ドライブシャフト1L,1R外周面とサイドギヤ2L,2R内周面との間に入り込み、ドライブシャフト1L,1Rがオイルによって潤滑される。なお、蓋部材20L,20Rは大径部2bL,2bRに嵌った後はそのまま大径部2bL,2bRに留まる。
図3は、本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造の変形例を示す要部断面説明図である。
上記ドライブシャフトの潤滑構造100は、サイドギヤ2L,2R内部に圧挿入された蓋部材20L,20Rをドライブシャフト1L,1Rによって大径部2bL,2bRに押しやることにより、トランスミッション内部の密閉構造を解除し、ドライブシャフト1L,1Rをオイル潤滑している(圧入構造)。これに対し、このドライブシャフトの潤滑構造200では、ドライブシャフト1L,1Rによって蓋部材30L,30Rの一部を破断することにより、トランスミッション内部の密閉構造を解除し、ドライブシャフト1L,1Rをオイル潤滑している(プルタブ構造)。従って、蓋部材30L,30Rは、容易に破断されやすい構造を成し、車輌組付け前においては大径部2bL,2bRに固定されトランスミッション内部を密閉状態に保持している。以下、その蓋部材30L,30Rについて説明する。
図4は、本発明に係る蓋部材30L,30Rを示す説明図である。なお、図4(a)は正面図を、同(b)は右側面図を、同(c)はドライブシャフト1Lが蓋部材30Lに当接した状態をそれぞれ示している。
図4(a)(b)に示されるように、トランスミッション内部のオイルの液面Lに対応する高さ位置に突起部30aが形成され、その回りに部分楕円状の薄肉部30bが形成されている。
図4(c)に示されるように、ドライブシャフト1Lの先端部が突起部30aに当接すると、折曲部30cを支点として薄肉部30bの内側が押し下げられ、開口が形成される。従って、折曲部30cの板厚については、薄肉部30bより厚く薄肉部30b以外の他の部位よりは薄いことが望ましい。
図5は、本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造200におけるドライブシャフト1L,1Rのオイル潤滑を示す要部断面説明図である。
車輌組付け時にドライブシャフト1L,1Rをサイドギヤ2L,2Rの内部深く挿入すると、ドライブシャフト1L,1Rの先端部が蓋部材30L,30Rの突起部30aに当接し、なおも深く挿入すると、薄肉部30bが破断し、なおも深く挿入すると、薄肉部30bが図4の折曲部30cを支点として押し下げられ、これによりトランスミッション内部の密閉構造が解除され、薄肉部30bが押し下げられたことにより生じた蓋部材(30L,30R)の各開口から潤滑油(オイル)が流れ出て、ドライブシャフト1L,1R外周面とサイドギヤ2L,2R内周面との間に入り込み、ドライブシャフト1L,1Rがオイルによって潤滑される。なお、ドライブシャフト1L,1Rの最終位置において押し下げられた薄肉部30bはピニオンシャフト4に接触していないことが望ましい。
以上の通り、本発明に係るドライブシャフトの潤滑構造100,200によれば、ドライブシャフト(1L,1R)がサイドギヤ(2L,2R)内部に挿入されるとき、蓋部材(20L,20R、30L,30R)のシールがドライブシャフト(1L,1R)によって壊され、これによりトランスミッションの密閉状態が解除され、ドライブシャフト(1L,1R)側へ流れ出た潤滑油によってドライブシャフト(1L,1R)がオイル潤滑された状態となる。その結果、従来のようなグリス潤滑に頼ることがないため、グリス選択、量および塗り方の管理も不要となり、更には車体工場においてオイル管理・注入設備等も不要となる。そして、トランスミッション内部の潤滑油を使用した耐久性の高いオイル潤滑構造を実現することが可能となる。
1L、1R ドライブシャフト
1aL、1aR スプライン溝
2L、2R サイドギヤ
2aL、2aR スプライン歯
2bL、2bR 大径部
3U、3R ピニオンギヤ
4 ピニオンシャフト
5 デフケース
6 抜け止めピン
7 リングギヤ
8 ボルト
9 軸受部
10 トランスミッションケース
11 オイルシール部
L オイル液面
20L、20R 蓋部材
30L、30R 蓋部材
30a 突起部
30b 薄肉部
30c 折曲部
100、200 ドライブシャフトの潤滑構造

Claims (3)

  1. 左右の駆動輪へ駆動力をそれぞれ伝達するドライブシャフトと、該ドライブシャフトと一体に回転するように同軸上にそれぞれ取り付けられたサイドギヤと、該サイドギヤに常時噛み合いながらケースに固定されたピニオンシャフト上に回転自在にそれぞれ取り付けられたピニオンギヤとを有する、前記駆動輪間の回転差を吸収しながら前記駆動力を前記ドライブシャフトへそれぞれ配分する差動装置において、
    前記ドライブシャフトが挿入される前記サイドギヤの内周面の内、前記ピニオンシャフト側の内周面端部は内径が他の内周面より拡径した大径部を形成し、且つ該内周面端部をシールする蓋部材によって所定量のオイルが充填されたトランスミッション内部が密閉されており、
    前記ドライブシャフトが前記サイドギヤ内に挿入されるとき、該ドライブシャフトが前記蓋部材に当接することにより、該蓋部材のシールが壊され前記ドライブシャフトは前記トランスミッション内部の前記潤滑油によって潤滑されるように構成されていることを特徴とするドライブシャフトの潤滑構造。
  2. 前記蓋部材は前記サイドギヤ内部に圧挿入され、前記ドライブシャフトが前記サイドギヤ内に挿入されるとき、前記蓋部材は前記ドライブシャフトによって押しやられ前記大径部に嵌ることを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフトの潤滑構造。
  3. 前記蓋部材は突起部と該突起部の回りに形成された部分円又は楕円状の薄肉部とを備え、前記ドライブシャフトが前記サイドギヤ内に挿入されるとき、該ドライブシャフトが前記突起部に当接することにより前記薄肉部が破断されることを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフトの潤滑構造。
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