JP2011089428A - 真空ポンプ装置の運転制御装置、及び運転制御方法 - Google Patents

真空ポンプ装置の運転制御装置、及び運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生成物の噛み込み等によるドライ真空ポンプが過負荷状態となり、該過負荷状態を解消するため、ブースタポンプ(BP)及びメインポンプ(MP)の正転及び逆転起動運転を行っても真空ポンプ装置の吸気口から反応チャンバー内への逆気流が発生しない真空ポンプ装置の運転制御装置。
【解決手段】メインポンプ(MP)とブースタポンプ(BP)を備えた真空ポンプ装置の運転制御装置であって、メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、ロータケーシングとポンプロータの間及び/又は一対のポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ及びブースタポンプの起動時にポンプロータを正転逆転させる正・逆転手段と、メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制する逆気流抑制手段を備えた。
【選択図】図10

Description

本発明は、2軸容積式のドライ真空ポンプであるメインポンプとブースタポンプを2台備えた真空ポンプ装置の運転制御装置、及び運転制御方法に関する。
近年、大気圧からの動作が可能で、クリーンな真空環境が容易に得られるドライ真空ポンプが、半導体製造設備等の幅広い分野で使用されている。この種のドライ真空ポンプはロータケーシング内に2つのポンプロータを備え、各ポンプロータはそれぞれ1本の回転軸を有する容積式のドライ真空ポンプである。
上記のようなドライ真空ポンプを駆動する駆動電動機に駆動電力を供給する電源装置にはインバータ装置を備えた電源装置を使用する場合が多い。これには幾つか理由があり、その1つは電動機の回転周波数をインバータ装置にて、商用周波数よりも大きくすることで、電動機回転数を増速して真空ポンプの排気性能を向上させ、より小型の電動機を使った真空ポンプで所定の真空度の真空を得るためである。
また、真空ポンプの運転が所望の真空度に達し、負荷が非常に小さい軽負荷運転になった場合、高効率で電動機を運転できるように、電源装置の出力端子電圧の制御を行ったり回転数の制御を行ったりすることが容易なためである。
メインポンプ(MP)とブースタポンプ(BP)のインバータ駆動の2台の2軸容積式のドライ真空ポンプを備え、ブースタポンプ(BP)の排気口にメインポンプ(MP)の吸気口を連通させ、ブースタポンプ(BP)の吸気口を反応チャンバーの排気口に連通させ、反応チャンバー内を真空排気する真空ポンプ装置がある。このような構成の真空ポンプ装置においては、反応チャンバー内から排気されるガスに含まれる反応成分により、メインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)のロータケーシングとポンプロータに反応生成物が堆積する。そしてこの生成物をロータケーシングとポンプロータの間又はポンプロータ間に噛み込みメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)が過負荷状態となる場合がある。
上記のようにメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の過負荷状態となった場合、生成物は脆い性質を有することから、ポンプロータを強い回転トルクで正転逆転させることにより、生成物は破砕されることから、過負荷状態は解消される。図1及び図2は従来のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の過負荷状態を解消するための正転及び逆転起動運転フローを示す図である。
図1において、先ずステップST1でメインポンプ(MP)を正転起動させ、ステップST2でメインポンプ(MP)が正転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、図2のステップST11に移行する。ステップST2でノー(N)、即ち正転起動しなかった場合は、ステップST3でメインポンプ(MP)の正転起動を停止し、ステップST4でメインポンプ(MP)を逆転起動させる。ステップST5でメインポンプ(MP)が逆転起動したか否かを判断し、イエス(Y)であったら、ステップST6でメインポンプ(MP)の逆転運転を停止し、ステップST7でメインポンプ(MP)を正転起動させ、図2のステップST11に移行する。
前記ステップST5でノー(N)、即ちメインポンプ(MP)が逆転起動しなかった場合、ステップST8でメインポンプ(MP)の逆転起動を停止し、ステップST9に移行する。ステップST9ではメインポンプ(MP)の正転及び逆転起動回数が指定リトライ回数をオーバーしたかを判断し、ノー(N)であったらステップST1に移行し、メインポンプ(MP)の正転及び逆転起動を繰り返す。ステップST9でイエス(Y)、即ち指定リトライ回数の正転及び逆転起動を行った場合は、ステップST10でメインポンプ(MP)の起動不可エラーとし、真空ポンプ装置をエラー停止とする。
図2のステップST11では、ブースタポンプ(BP)を正転起動させ、ステップST12でブースタポンプ(BP)が正転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、真空ポンプ装置の起動完了とする。ノー(N)、即ちブースタポンプ(BP)が正転起動しなかった場合は、ステップST13でブースタポンプ(BP)の正転起動を停止し、ステップST14でブースタポンプ(BP)を逆転起動させる。ステップST15でブースタポンプ(BP)が逆転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、ステップST16でブースタポンプ(BP)の逆転運転を停止し、ステップST17でブースタポンプ(BP)を正転起動させ真空ポンプ装置の起動が完了する。
ステップST15でノー(N)、即ちブースタポンプ(BP)が逆転起動しなかったらステップST18でブースタポンプ(BP)の逆転起動を停止し、ステップST19に移行する。ステップST19では正転及び逆転起動回数が指定リトライ回数をオーバーしたかを判断し、ノー(N)であったらステップST11に移行し、正転及び逆転起動を繰り返し、イエス(Y)、即ち正転及び逆転起動回数が指定リトライ回数をオーバーした場合、ステップST20でブースタポンプ(BP)の起動不可エラーとし、真空ポンプ装置をエラー停止とする。
特開2004−138047号公報 特開2009−097348号公報 特開2003−297762号公報 特開2006−266248号公報 特開2007−228732号公報
上記のようにメインポンプ及びブースタポンプが過負荷状態になった場合、後述するように、メインポンプ駆動用電動機及びブースタポンプ駆動用電動機に定格電流の十数倍を最大電流値とする電流を通電し、ポンプロータを強力な回転トルクで正転逆転させることにより、ロータケーシングとポンプロータの間又はポンプロータ間に噛み込んだ生成物を破砕しメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の過負荷状態を解消している。このメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正転逆転の起動に際して、真空ポンプ装置の排気側から吸気側に逆気流が流れた場合、反応チャンバー内が汚染されるという問題がある。
図10はメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正転及び逆転起動運転フローにおけるポンプ状態を示す図である。ポンプ状態(3)、(9)に示すように、メインポンプ(MP)の停止中又は逆転運転中にブースタポンプ(BP)を逆転運転した場合、逆気流が発生し、反応チャンバー内に流入する恐れがあるから、この状態を回避しなければならない。図1及び図2の正転及び逆転起動運転フローでは、ポンプ状態(3)、(9)に該当する場合がないが、図1のステップST4とステップST5のポンプ状態(7)では、ブースタポンプ(BP)の状態が確定していないため、メインポンプ(MP)が逆回転するとブースタポンプ(BP)も吊られて逆回転し、ブースタポンプ(BP)の吸気口から反応チャンバー内に逆気流が流入する恐れがある。なお、ポンプ状態(7)でも、ブースタポンプのロータが生成物等で拘束され動かない状態であれば、メインポンプ(MP)が逆回転してもブースタポンプ(BP)が吊られて逆回転することがないから、逆気流は発生しない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、生成物の噛み込み等によるドライ真空ポンプが過負荷状態となり、該過負荷状態を解消するため、メインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正転及び逆転起動運転を行っても真空ポンプ装置の吸気口から反応チャンバー内への逆気流が発生しない真空ポンプ装置の運転制御装置、及び運転制御方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、メインポンプとブースタポンプを備え、各ポンプは吸気口と排気口を供えたロータケーシング内に一対のポンプロータを備え、各々1本の回転軸を有する2軸容積型のドライ真空ポンプであり、ブースタポンプの排気口にメインポンプの吸気口を連通させ、ブースタポンプの吸気口を反応チャンバーの排気口に連通させ、ブースタポンプの吸気口を吸気側、メインポンプの排気口を排気側とした真空ポンプ装置の運転制御装置であって、メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、ロータケーシングとポンプロータの間及び/又は一対のポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ及びブースタポンプの起動時にポンプロータを正転逆転させる正・逆転手段と、メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制する逆気流抑制手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記真空ポンプ装置の運転制御装置において、正・逆転手段は、メインポンプのポンプロータに回転力を与えるメインポンプ用駆動電動機に駆動電力を供給するメインポンプ用インバータと、ブースタポンプのポンプロータに回転力を与えるブースタポンプ用駆動電動機に駆動電力を供給するブースタポンプ用インバータとを備え、それぞれのインバータの出力波形の位相を反転させることで、メインポンプ用駆動電動機及びブースタポンプ用駆動電動機を正転逆転させ、メインポンプ及びブースタポンプを正転逆転させることを特徴とする。
また、本発明は、上記真空ポンプ装置の運転制御装置において、逆気流抑制手段は、ブースタポンプの停止に対してメインポンプを正転又は逆転させ、メインポンプの正転運転に対してブースタポンプを停止又は正転又は逆転させ、メインポンプの逆転運転に対してブースタポンプを正転させることで逆気流を抑制することを特徴とする。
また、本発明は、メインポンプとブースタポンプを備え、各ポンプは吸気口と排気口を供えたロータケーシング内に一対のポンプロータを備え、各々1本の回転軸を有する2軸容積型のドライ真空ポンプであり、ブースタポンプの排気口にメインポンプの吸気口を連通させ、ブースタポンプの吸気口を反応チャンバーの排気口に連通させ、ブースタポンプの吸気口を吸気側、メインポンプの排気口を排気側とした真空ポンプ装置の運転制御方法であって、メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、ロータケーシングとポンプロータの間及び/又はポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ及びブースタポンプの起動時にポンプロータを正転逆転させ、生成物を破砕すると共に、メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、ブースタポンプの停止に対してメインポンプを正転又は逆転させ、メインポンプの正転運転に対してブースタポンプを停止又は正転又は逆転させ、メインポンプの逆転に対してブースタポンプを正転させ、排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、ロータケーシングとポンプロータの間及び/又は一対のポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ及びブースタポンプの起動時にポンプロータを正転逆転させ、メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制するので、真空ポンプ装置の排気側、即ちブースタポンプの吸気口から反応チャンバー内への逆気流が発生することなく、ブースタポンプの吸気口を吸気側、反応チャンバー内を汚染することなく、且つロータケーシングとポンプロータの間及び/又はポンプロータの間に生成物を噛み込んだ過負荷状態を解消することが可能となる。
図1は従来の真空ポンプ装置におけるメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図2は従来の真空ポンプ装置におけるメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図3は本発明に係る運転制御装置の真空ポンプ装置の概略構成を示す横断面図である。 図4は本発明に係る運転制御装置の真空ポンプ装置の概略構成を示す縦断面図である。 図5は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のシステム概略構成を示す図である。 図6は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図7は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図8は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図9は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の正・逆転起動運転フローを示す図である。 図1、図2、図6〜図9の正・逆転フローにおけるポンプ状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図3及び図4は本発明に係る運転制御装置で運転制御する真空ポンプ装置の概略構成を示す図で、図3は横断面図、図4は縦断面図である。図示するように、本真空ポンプ装置1は、2軸容積型のドライ真空ポンプであるメインポンプ(MP)10とブースタポンプ(BP)20を備えている。メインポンプ(MP)10はポンプ部Pとモータ部(ポンプ駆動用電動機)Mとからなり、ポンプ部Pは、吸気口11aと排気口11bを備えたロータケーシング11内に一対のポンプロータ12、12を備えている。また、ブースタポンプ(BP)20はポンプ部Pとモータ部(ポンプ駆動用電動機)Mとからなり、ポンプ部Pは、吸気口21aと排気口21bを備えたロータケーシング21内に一対のポンプロータ22、22を備えている。
メインポンプ(MP)10の各ポンプロータ12、12は1本の回転軸13を有し、該回転軸13はモータ部Mの回転軸14に連結されている。ブースタポンプ(BP)20の各ポンプロータ22、22は1本の回転軸23を有し、該回転軸23はモータ部Mの回転軸24に連結されている。メインポンプ(MP)10のモータ部Mはモータケーシング15内にモータステータ16が嵌合配置され、該モータステータ16内を貫通してモータロータ17が回転自在配置されている。ブースタポンプ(BP)20のモータ部Mはモータケーシング25内にモータステータ26が嵌合配置され、該モータステータ26内を貫通してモータロータ27が回転自在に配置されている。
ブースタポンプ(BP)20の排気口21bにメインポンプ(MP)10の吸気口11aを連結管31で接続して連通させ、ブースタポンプ(BP)20の吸気口を反応チャンバー32の排気口32aに連結管33で接続して連通させて本真空ポンプ装置1を構成している。そしてブースタポンプ(BP)20の吸気口11aを真空ポンプ装置1の吸気側、メインポンプ(MP)10の排気口11bを真空ポンプ装置1の排気側としている。メインポンプ(MP)10及びブースタポンプ(BP)20のモータ部Mを正転運転することにより、反応チャンバー32内の気体は矢印Aに示すようにブースタポンプ(BP)20の吸気口21aから吸引され、排気口21bから、メインポンプ(MP)10の吸気口11aに吸込まれ、排気口11bから矢印Bに示すように排出される。
なお、41はメインポンプ用インバータであり、給電線L1を通してメインポンプ(MP)(ポンプ駆動用電動機)に駆動電流を供給するようになっている。42はブースタポンプ用インバータである。給電線L2を通してブースタポンプ(BP)(ポンプ駆動用電動機)に駆動電流を供給するようになっている。
図5は本発明に係る真空ポンプ装置の運転制御装置のシステム概略構成を示す図である。本運転制御装置40は、整流回路43、平滑コンデンサ44を備えた直流回路45、DC/DCコンバータ47、コントローラ48を備えている。交流電源49からの交流電力を整流回路43で直流電力に変換し、直流回路45を介してメインポンプ用インバータ41、ブースタポンプ用インバータ42に供給するようになっている。また、直流回路45の直流はDC/DCコンバータ47を介して所定電圧値に変換され、制御用電源としてコントローラ48、メインポンプ用インバータ41、ブースタポンプ用インバータ42に供給されるようになっている。
上記構成の運転制御装置において、メインポンプ(MP)10及びブースタポンプ(BP)20のロータケーシング11、21とポンプロータ12、22の間及び/又はポンプロータ12と12、ポンプロータ22と22の間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ(MP)10及びブースタポンプ(BP)20の起動時にポンプロータ12、22を正転逆転させ、生成物を破砕して過負荷状態を解消する。このときメインポンプ用インバータ41、ブースタポンプ用インバータ42からはそれぞれ定格電流の十数倍の電流値を最大する電流をメインポンプ(MP)10のモータ部M、ブースタポンプ(BP)20のモータ部Mに供給できるようになっており、強力な回転トルクでポンプロータ12、22を回転できるようになっている。また、この正転逆転は、メインポンプ用インバータ41からメインポンプ(MP)10のモータ部Mに供給される出力波形、ブースタポンプ用インバータ42からブースタポンプ(BP)20のモータ部Mに供給される出力波形の位相を反転させることにより行う。
図6乃至図9は本発明に係る真空ポンプ装置のメインポンプ(MP)及びブースタポンプ(BP)の過負荷状態を解消するための正・逆転起動運転フローを示す図である。この正・逆転起動運転はコントローラ48により、メインポンプ用インバータ41、ブースタポンプ用インバータ42の出力波形の位相を反転制御することにより行う。
先ずステップST31でメインポンプ(MP)を正転起動させ、ステップST32でメインポンプ(MP)が正転起動したか否かを判断し、イエス(Y)であったら、図9のステップST56に移行する。ステップST32でノー(N)、即ちメインポンプ(MP)が正転起動していない場合、ステップST33でメインポンプ(MP)の正転起動を停止し、ステップST34でブースタポンプ(BP)を正転起動させる。ステップST35でブースタポンプ(BP)が正転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、ステップST36でメインポンプ(MP)を逆転起動させる。ステップ37ではメインポンプ(MP)が逆転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、ステップST38でメインポンプ(MP)の逆転運転を停止させ、ステップST39でメインポンプ(MP)を正転起動させ、真空ポンプ装置の起動を完了とする。
前記ステップST35でノー(N)、即ちブースタポンプ(BP)が正転起動しない場合、ステップST40でブースタポンプ(BP)の正転起動を停止し、図7のステップST43に移行する。また、前記ステップST37でノー(N)、即ちメインポンプ(MP)が逆転起動しない場合、図8のステップST51に移行する。
図7のステップST43ではメインポンプ(MP)を逆転起動させ、ステップST44ではメインポンプを逆転起動したかを判断し、イエス(Y)の場合、ステップST45でメインポンプ(MP)の逆転運転を停止し、ステップST46でメインポンプ(MP)を正転起動させ、図9のステップST56に移行する。また、前記ステップST44でノー(N)の場合、図8のステップST51に移行する。
図8のステップST51では、メインポンプ(MP)の逆転起動を停止し、ステップST52に移行する。ステップST52ではメインポンプ(MP)の正転及び逆転起動回数が指定リトライ回数をオーバーしたかを判断し、イエス(Y)の場合はステップST53に移行し、メインポンプ(MP)の起動不可エラーを確定し、真空ポンプ装置をエラー停止とする。前記ステップST52でノー(N)、即ちメインポンプ(MP)の正転及び逆転起動回数が指定リトライ回数をオーバーしていない場合、図6のステップST31に移行し、メインポンプ(MP)の正転及び逆転起動処理を繰り返す。
図9のステップST56ではブースタポンプ(BP)を正転起動させ、ステップST57ではブースタポンプ(BP)が正転起動したかを判断し、イエス(Y)であったら、真空ポンプ装置起動完了とする。前記ステップST57でノー(N)、即ちブースタポンプ(BP)が正転起動していなかったら、ステップST58でブースタポンプ(BP)の正転起動を停止し、ステップST59でブースタポンプ(BP)を逆転起動させる。ステップST60でブースタポンプ(BP)が逆転起動したか否かを判断し、イエス(Y)であったら、ステップST61でブースタポンプ(BP)の逆転運転を停止し、ステップST62でブースタポンプ(BP)を正転起動させ、真空ポンプ装置の起動完了とする。
前記ステップST60でノー(N)、即ちブースタポンプ(BP)が逆転起動しない場合は、ステップST63でブースタポンプ(BP)の逆転起動を停止し、ステップST64でブースタポンプ(BP)の逆転及び正転起動の回数が指定のリトライ回数をオーバーしたかを判断し、イエス(Y)であったら、ブースタポンプ(BP)の起動不可エラーを確定し、真空ポンプ装置のエラー停止とする。また、前記ステップST64でノー(N)、即ち逆転及び正転起動回数が指定のリトライ回数をオーバーしていない場合、ステップST56に移行し、ブースタポンプ(BP)の逆転及び正転起動を繰り返す。
図6乃至図9の正・逆転起動運転フローでは、図10の逆気流が発生するポンプ状態(3)、(9)に該当するポンプ状態がなく、図7のステップST43、ST44におけるポンプ状態(7)でも、メインポンプ(MP)が逆転起動する前にブースタポンプ(BP)が動かないことを確認しているため、メインポンプ(MP)を逆転起動させても、ブースタポンプ(BP)は逆転することがないから、逆気流が発生することはない。
なお、上記実施形態では、メインポンプ(MP)とブースタポンプ(BP)の2段構成の真空ポンプ装置について記載したが、3段以上の真空ポンプから構成される真空ポンプ装置の始動時に逆転の必要があるときは、他の真空ポンプを正転させておくと同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。上記実施形態では、逆気流抑制手段としてブースタポンプ(BP)を停止、又は不動作としているが、例えばブースタポンプ(BP)の吸気口に遮蔽弁を設け、該遮蔽弁を閉じてから、ブースタポンプ(BP)及びメインポンプ(MP)を正転逆転するようにしてもよい。
本発明は、2軸容積型のドライ真空ポンプであるメインポンプとブースタポンプを備えた真空ポンプ装置において、メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、ロータケーシングとポンプロータの間及び/又はポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、メインポンプ及びブースタポンプの起動時にポンプロータを正転逆転させる正・逆転手段と、メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制する逆気流抑制手段を備えたので、真空ポンプ装置の排気側、即ちブースタポンプの吸気口から反応チャンバー内への逆気流が発生することなく、ブースタポンプの吸気口を吸気側、反応チャンバー内を汚染することなく、且つロータケーシングとポンプロータの間及び/又はポンプロータの間に生成物を噛み込んで過負荷状態を解消することが可能な真空ポンプ装置として利用することができる。
1 真空ポンプ装置
10 メインポンプ(MP)
11 ロータケーシング
12 ポンプロータ
13 回転軸
14 回転軸
15 モータケーシング
16 モータステータ
17 モータロータ
20 ブースタポンプ(BP)
21 ロータケーシング
22 ポンプロータ
23 回転軸
26 モータステータ
27 モータロータ
31 連結管
32 反応チャンバー
33 連結管
40 運転制御装置
41 メインポンプ用インバータ
42 ブースタポンプ用インバータ
43 整流回路
44 平滑コンデンサ
45 直流回路
47 DC/DCコンバータ
48 コントローラ

Claims (4)

  1. メインポンプとブースタポンプを備え、各ポンプは吸気口と排気口を供えたロータケーシング内に一対のポンプロータを備え、各々1本の回転軸を有する2軸容積型のドライ真空ポンプであり、
    前記ブースタポンプの排気口に前記メインポンプの吸気口を連通させ、前記ブースタポンプの吸気口を反応チャンバーの排気口に連通させ、前記ブースタポンプの吸気口を吸気側、メインポンプの排気口を排気側とした真空ポンプ装置の運転制御装置であって、
    前記メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、前記ロータケーシングと前記ポンプロータの間及び/又は前記一対のポンプロータの間に前記生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、前記メインポンプ及びブースタポンプの起動時に前記ポンプロータを正転逆転させる正・逆転手段と、
    前記メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、前記排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制する逆気流抑制手段を備えたことを特徴とする真空ポンプ装置の運転制御装置。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプ装置の運転制御装置において、
    前記正・逆転手段は、前記メインポンプのポンプロータに回転力を与えるメインポンプ用駆動電動機に駆動電力を供給するメインポンプ用インバータと、前記ブースタポンプのポンプロータに回転力を与えるブースタポンプ用駆動電動機に駆動電力を供給するブースタポンプ用インバータとを備え、それぞれのインバータの出力波形の位相を反転させることで、前記メインポンプ用駆動電動機及び前記ブースタポンプ用駆動電動機を正転逆転させ、前記メインポンプ及び前記ブースタポンプを正転逆転させることを特徴とする真空ポンプ装置の運転制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の真空ポンプ装置の運転制御装置において、
    前記逆気流抑制手段は、前記ブースタポンプの停止に対して前記メインポンプを正転又は逆転させ、前記メインポンプの正転運転に対して前記ブースタポンプを停止又は正転又は逆転させ、前記メインポンプの逆転運転に対して前記ブースタポンプを正転運転させることで前記逆気流を抑制することを特徴とする真空ポンプ装置の運転制御装置。
  4. メインポンプとブースタポンプを備え、各ポンプは吸気口と排気口を供えたロータケーシング内に一対のポンプロータを備え、各々1本の回転軸を有する2軸容積型のドライ真空ポンプであり、
    前記ブースタポンプの排気口に前記メインポンプの吸気口を連通させ、前記ブースタポンプの吸気口を反応チャンバーの排気口に連通させ、前記ブースタポンプの吸気口を吸気側、メインポンプの排気口を排気側とした真空ポンプ装置の運転制御方法であって、
    前記メインポンプ及び/又はブースタポンプのロータケーシングとポンプロータに生成物が堆積し、前記ロータケーシングと前記ポンプロータの間及び/又は前記ポンプロータの間に前記生成物を噛み込んで過負荷状態となった場合に、前記メインポンプ及びブースタポンプの起動時に前記ポンプロータを正転逆転させ、前記生成物を破砕すると共に、前記メインポンプ及びブースタポンプの起動に際し、前記ブースタポンプの停止に対して前記メインポンプを正転又は逆転させ、前記メインポンプの正転運転に対して前記ブースタポンプを停止又は正転又は逆転させ、前記メインポンプの逆転運転に対して前記ブースタポンプを正転させ、前記排気側から吸気側へ流れる逆気流を抑制することを特徴とする真空ポンプ装置の運転制御方法。
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