JP2011089373A - 鼻隠し部材 - Google Patents

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Tomoyuki Ota
智之 太田
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Abstract

【課題】雪よけや落ち葉よけなどとして配設されるカバー部材や水切りを既設の軒樋に対し後付け可能とし、しかも、その取付けをワンタッチで簡単に行えるようにした鼻隠し部材を提供すること。
【解決手段】鼻隠し部材1において、軒樋の上端開口に沿って配設されるカバー部材または水切りの差込みが可能とされた差込み孔部9が、本体2の第2の面2b側において固定溝6から離れた位置に配設され、差込み孔部には、その内部に突出する突起8が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の屋根の軒先に軒樋を取り付けるための鼻隠し部材に関する。
本出願人は、軒樋の雪よけや落ち葉よけなどのために配設されるカバー部材と、屋根を伝って流れ落ちる雨水を確実に軒樋で受けるための水切りとを配設する際の施工の手間を軽減するために、下記特許文献1に記載したような、落ち葉よけと水切りを兼ねた軒樋カバーを提案している。
上記軒樋カバーは、軒先における屋根の先端部に後側の一縁が固定され、他縁が、軒樋の前壁部の上端近くまで延出して軒先に取り付けられる。また、上記軒樋カバーは、軒樋の上端開口を軒樋の長さ方向に沿って覆うように配設される。
特開2000−136606号公報
上記のとおり、特許文献1に記載した軒樋カバーは、施工の手間を軽減する利便性に優れたものであるが、軒樋カバーは、その後側の一縁を野地板に固定して取り付けられるものであるので、既設の軒先に対処することができないことがその後の検討により見出された。すなわち、既設の軒樋に対して雪よけや落ち葉よけ、また、水切りなどの機能を付加したくとも、上記軒樋カバーでは、野地板に固定されるため、それが叶わないのである。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、雪よけや落ち葉よけなどとして配設されるカバー部材や水切りを既設の軒樋に対し後付け可能とし、しかも、その取付けをワンタッチで簡単に行えるようにした鼻隠し部材を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の特徴を有している。
第1の発明は、建物の屋根の軒先に配設された鼻隠しに当接する第1の面と、第1の面に対向して配置された第2の面とを有する板状の本体を備え、軒樋を固定する吊具に備えた固定部を係止可能とした固定溝が、本体の第2の面側に配設された鼻隠し部材であって、軒樋の上端開口に沿って配設されるカバー部材または水切りの差込みが可能とされた差込み孔部が、本体の第2の面側において固定溝から離れた位置に配設され、差込み孔部には、その内部に突出する突起が配設されていることを特徴としている。
第2の発明は、上記第1の発明の特徴において、差込み孔部は、本体の第2の面から吊具側に突設されたフック部材によって形成され、フック部材では、本体の第2の面側に位置する一端に対向する他端から一端側に向かって前記突起が下方に延設され、このフック部材の複数が、本体の第1の面に等間隔で配設されていることを特徴としている。
上記第1の発明によれば、本体の第2の面側において固定溝から離れた位置に差込み孔部が配設され、差込み孔部には、その内部に突出する突起が配設されているので、屋根からの雨水を軒樋内に確実に受水するための水切りは、差込み孔部に差し込むことによって引っ掛かり、係止される。同様に、落ち葉よけネットなどのカバー部材も、差込み孔部に差し込むことによって引っ掛かり、係止される。このため、カバー部材や水切りを、軒樋が既設のものであってもその上端開口に沿って取り付けることができ、後付けが可能となる。しかも、カバー部材や水切りの取付けは、差込み孔部に差し込んで引っ掛けるだけのワンタッチで簡単に行うことができる。
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、差込み孔部がフック部材によって簡便に実現されるので、本体は、必ずしも厚板状とする必要がなく、薄板状とすることができ、重量が軽減される。鼻隠し部材の取付作業が容易となる。また、差込み孔部は、本体に部分的に配設されるので、カバー部材の取付作業も容易となる。そして、鼻隠し部材を安価に提供することが可能となる。
本発明の鼻隠し部材の一実施形態を示した斜視図である。 図1に示した鼻隠し部材へのカバー部材または水切りの装着について示した断面図である。
図1は、本発明の鼻隠し部材の一実施形態を示した斜視図であり、図2は、図1に示した鼻隠し部材へのカバー部材または水切りの装着について示した断面図である。
鼻隠し部材1は、矩形板状の本体2を備え、本体2は、薄板状に形成されている。本体2を形成する材料としては、鋼板などの金属または十分な耐久性と強度などを有する樹脂などが例示される。本体2は、第1の面2aとしての裏面3と、裏面3に対向して配置された第2の面2bとしての表面4を有している。裏面3は、平面状に形成され、建物の屋根Rの軒先Eにおいて垂木21の木口に配設された鼻隠し22の前面に当接可能とされている。
本体2の表面4も平面状に形成されている。一方、表面4には、断面が略L字型の形状を有するレール部材5が、本体2の一端である上端寄りの部分と、中央よりもやや他端側の下端寄りの部分とに配設され、本体2の長手方向に延びている。レール部材5は、本体2の表面4に直交して手前側に延びる接続片5aと、接続片5aにおいて表面4側と反対側に位置する先端から直角に折り曲がって形成された係止片5bとを備えている。2つのレール部材5は、上下に離間し、それぞれの係止片5bが本体2の内側に向かって延びるように対向して配置されている。
これらのレール部材5によって、鼻隠し部材1には、本体2の第2の面2bである表面4側に固定溝6が形成されている。固定溝6は、本体2の表面4に対向する手前側と、本体2の左右両側方に開放されている。軒樋31の固定に用いられる吊具41は、その一端に備えた固定部42を手前側の開口または側方の開口から固定溝6の内部に挿入し、固定部42の上下両端縁部を、上下のレール部材5の係止片5bで係止するとともに、下側のレール部材5の接続片5aによって下側から支持して鼻隠し部材1に取り付けられる。
上記のとおりのレール部材5も、本体2と同様に、金属製または樹脂製とすることができる。
なお、鼻隠し部材1は、建物の屋根Rの軒先Eに配設された鼻隠し22の前面に裏面3を当接させ、固定溝6においてその前方からビスなどの固定具によって鼻隠し22に取り付けられ、固定される。
また、鼻隠し部材1では、本体2の表面4側において上側のレール部材5からやや上方に離れた位置にフック部材7が配設されている。フック部材7は、レール部材5と比較して短尺な部材に形成され、その複数が、隣り合う2つにおいて等間隔に配置され、本体2の表面4から手前側に、すなわち、吊具41側に突設されている。フック部材7は、本体2の表面4に直交して手前側に延びる接続片7aと、接続片7aにおいて表面4側と反対側に位置する先端から後方に向かって折り曲がり、斜め下方に延びる突起8とを備えている。このようなフック部材7も、レール部材5と同様に、金属製または樹脂製とすることができる。
鼻隠し部材1では、フック部材7によって、その接続片7aと、上側のレール部材5の接続片5aとの間に差込み孔部9を形成している。差込み孔部9は、本体2の表面4に対向する手前側に開口され、突起8は、差込み孔部9の内部に突出している。
水切り51および落ち葉よけネット61は、差込み孔部9に取付け可能とされている。水切り51は、断面が略くの字型に折り曲げられた、雨水を案内する部材であり、その一端側の固定端部と他端側の先端部には、それぞれ、強度保持のために、端縁を上側または下側に折り曲げて2重とした折り曲げ部52を有している。水切り51を装着する際には、その取付状態において下方に折れ曲がって配置されるように、固定端部を折り曲げ部52から差込み孔部9の内部に差し込む。差込み孔部9の内部には突起8が突出しているため、水切り51の固定端部は、差込み孔部9においてフック部材7に引っ掛かり、水切り51は、鼻隠し部材1に係止される。このとき、水切り51の先端部は、軒樋31の上端開口32の上方に配置される。このようにして水切り51は、ワンタッチで取り付けられ、軒樋31の上端開口32に沿って配設される。屋根Rを伝って流れ落ち、水切り51で受けた雨水は、軒樋31の内部に確実に導かれる。
同様に、繊維または線材を縦横に編んで形成された落ち葉よけネット61も、その一端側の固定端部を差込み孔部9の内部に差し込むことによって、差込み孔部9においてフック部材7に引っ掛かり、鼻隠し部材1に係止される。差込み孔部9に差し込む一端側と反対側に位置する他端部は、軒樋31の前壁部31aの上端に備えた、軒樋31の内側に突出する前耳部33の下端縁部などに係止させることができる。このようにして落ち葉よけネット61は、ワンタッチで取り付けられ、軒樋31の上端開口32に沿って配設され、上端開口32を覆うことができ、軒樋31の内部への落ち葉の進入を抑制することができる。落ち葉よけネット61は、その弾性を利用し、若干上方に湾曲するように装着すると、脱落などのおそれがなく、取付状態を安定化させることができる。
雪よけなどの他のカバー部材も同じように鼻隠し部材1に装着することができる。
鼻隠し部材1では、差込み孔部9が、本体2の第2の面2bである表面4側において固定溝6の上側に配設されているので、落ち葉よけネット61などのカバー部材および水切り51を、軒樋31が吊具41に取り付けられている状態において装着することができる。もちろん、鼻隠し部材1では、落ち葉よけネット61などのカバー部材および水切り51の先付けは、当然可能である。
吊具41は、上記のとおり、その一端に板状の固定部42を備えている。また、吊具41では、縦置きに配置される固定部42からアーム43が手前側に立設され、アーム43は、固定部42と反対側の先端部に、斜め上方に、固定部42から離間するように突出する前耳係止部44を備えている。また、アーム43は、固定部42側の端部において固定部42に対向する下端部に、後耳係止部45を備えている。さらに、アーム43では、前耳係止部44寄りの部分において、下端から下方に底壁当接部46が延設されている。底壁当接部46は、軒樋31の断面形状に対応して、下端部において断面が略L字状に折り曲げられている。
軒樋31は、上端に前耳部33が配設され、前耳部33との間の上端部に係合溝34を形成している前壁部31aと、前壁部31aに対向して配置され、上方にまっすぐ延びている後壁部31bと、前壁部31aと後壁部31bとを下縁において接続する底壁部31cとを備え、上端開口32において上方に開放している。後壁部31bの上端には後耳部35が配設され、後耳部35の下端部に係合溝36が形成されている。
このような軒樋31を軒先Eに取り付ける際には、上記のとおり、鼻隠し部材1を介して軒先Eに取り付けられた吊具41の下方からあてがい、後耳部35の係合溝36に吊具41の後耳係止部45を差し込み、軒樋31を前方に回動させるようにして底壁当接部46を底壁部31cの内面に当接させる。また、係合溝34に吊具41の前耳係止部44を挿入する。こうして、前耳係止部44によって前耳部33が係止されるとともに、後耳係止部45によって後耳部35が係止され、軒樋31は、吊具41に固定され、建物の屋根Rの軒先Eに取り付けられる。
鼻隠し部材1では、上記のとおり、本体2の第2の面2bである表面4側において固定溝6から離れた位置に差込み孔部9が配設され、差込み孔部9には、その内部に突出する突起8が配設されているので、屋根Rからの雨水を軒樋31内に確実に受水するための水切り51は、差込み孔部9に差し込むことによって引っ掛かり、係止される。同様に、落ち葉よけネット61などのカバー部材も、差込み孔部9に差し込むことによって引っ掛かり、係止される。このため、落ち葉よけネット61などのカバー部材や水切り51を、軒樋31が既設のものであってもその上端開口32に沿って取り付けることができ、後付けが可能となる。しかも、落ち葉よけネット61などのカバー部材や水切り51の取付けは、差込み孔部9に差し込んで引っ掛けるだけのワンタッチで簡単に行うことができる。
また、鼻隠し部材1では、差込み孔部9がフック部材7によって簡便に実現されるので、本体2は、必ずしも厚板状とする必要がなく、薄板状とすることができ、重量が軽減される。鼻隠し部材1の取付作業が容易となる。また、差込み孔部9は、本体2に部分的に配設されるので、落ち葉よけネット61などのカバー部材の取付作業も容易となる。そして、鼻隠し部材1を安価に提供することが可能となる。
なお、本発明は、上記の実施形態よって限定されるものではない。固定溝および差込み孔部の形成などの細部については、様々な態様が可能である。たとえば、本体をやや厚みのある板状とし、固定溝および差込み孔部を第2の面側に凹設することが考慮される。この場合、差込み孔部は、本体の長手方向の全長にわたって配設することも可能である。
1 鼻隠し部材
2 本体
2a 第1の面
2b 第2の面
7 フック部材
8 突起
9 差込み孔部
22 鼻隠し
31 軒樋
32 上端開口
41 吊具
42 固定部
51 水切り
61 カバー部材としての落ち葉よけネット
R 屋根
E 軒先

Claims (2)

  1. 建物の屋根の軒先に配設された鼻隠しに当接する第1の面と、第1の面に対向して配置された第2の面とを有する板状の本体を備え、軒樋を固定する吊具に備えた固定部を係止可能とした固定溝が、本体の第2の面側に配設された鼻隠し部材であって、
    軒樋の上端開口に沿って配設されるカバー部材または水切りの差込みが可能とされた差込み孔部が、本体の第2の面側において固定溝から離れた位置に配設され、差込み孔部には、その内部に突出する突起が配設されていることを特徴とする鼻隠し部材。
  2. 差込み孔部は、本体の第2の面から吊具側に突設されたフック部材によって形成され、フック部材では、本体の第2の面側に位置する一端に対向する他端から一端側に向かって前記突起が下方に延設され、このフック部材の複数が、本体の第1の面に等間隔で配設されていることを特徴とする請求項1に記載の鼻隠し部材。
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