JP2011089045A - 結露防止用湿気硬化型樹脂組成物およびそれを用いた結露防止用物品並びに結露防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用後に基材から容易に剥離することができ、装飾品としての意匠性を付与することの可能な結露防止用湿気硬化型樹脂組成物およびそれを用いた結露防止用物品並びに結露防止方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、該重合体(I)100重量部に対し、該重合体(II)を5〜200重量部を含む結露防止用湿気硬化型樹脂組成物。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、該重合体(I)100重量部に対し、該重合体(II)を5〜200重量部を含む結露防止用湿気硬化型樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、結露防止用湿気硬化型樹脂組成物およびそれを用いた結露防止用物品並びに結露防止方法に関する。
住宅には、室内壁面やガラス窓や窓サッシのように室内温度と外部温度との温度差により結露が生じる部分が多々ある。結露水を放置しておくと、窓枠が変色、腐食したり、床面に垂れて、畳やフローリング表面、カーペットやカーテンが変色、腐食したりすることがある。さらに長期放置しておくと、カビが発生する場合もある。
このような結露水を吸収するための結露防止用物品としては、吸水機能をもった結露防止テープあるいはシートが知られている。例えば、吸水性ポリマーを付着させた支持体に、ゴム系・アクリル系・エマルション系等の各種粘着剤を塗布し、壁・天井・ガラス等の結露の発生し易い箇所に貼り付けて用いる結露防止シート(特許文献1)が知られている。
従来の結露防止テープは、適当な長さにカットし、離型紙を剥がして結露を防止したい箇所に貼り付けて用いるもので、使い易いという利点を有する。しかしながら、従来の結露防止用テープの場合、長期使用後、テープを剥がす際に剥がれにくく、特にガラスからは剥がれにくいという問題があった。また、壁面やガラス窓等の人目に付きやすい場所に貼り付ける必要があるが、形状や色が制限され見栄えがよくないという問題もあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、使用後に基材から容易に剥離することができ、装飾品としての意匠性を付与することの可能な結露防止用湿気硬化型樹脂組成物およびそれを用いた結露防止用物品並びに結露防止方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物は、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含むことを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましい。
本発明の結露防止用物品は、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含む湿気硬化型樹脂組成物からなることを特徴とする。
本発明の結露防止用物品は、上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましい。
また、本発明の結露防止用物品は、上記湿気硬化型樹脂組成物が、さらに蓄光性顔料、光輝性無機顔料及び香料からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の結露防止方法は、基材に結露防止用樹脂組成物を貼り付けて結露を防止する結露防止用方法であって、該結露防止用樹脂組成物に、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含む湿気硬化型樹脂組成物を用いることを特徴とする。
本発明の結露防止方法は、上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましい。
また、本発明の結露防止方法は、上記湿気硬化型樹脂組成物が、さらに蓄光性顔料、光輝性無機顔料及び香料からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の結露防止方法は、上記湿気硬化型樹脂組成物を基材に直接塗布した後で硬化させることが好ましい。
本発明の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物は、基材から容易に剥離することができ、特に基材がガラスでもあっても容易に剥離することができる。これにより、交換を簡単に行うことができる結露防止用物品を提供することができる。また、本発明の樹脂組成物は、自由な形状に造形することが可能であり、結露を防止したい場所に所望の形状で貼り付けることで、意匠性を有する結露防止用物品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物は、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含むことを特徴とするものである。
本発明の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物は、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含むことを特徴とするものである。
本発明の対象とする基材には、結露防止を必要とする箇所を構成する固体材料であれば特に限定されず、例えば、金属、ガラス、プラスチック、セラミックス、コンクリート、木質材料、布等の各種の材料が含まれる。具体例としては、住宅やオフィスビルの窓ガラスや壁面や窓サッシ等の住宅・オフィスの内装材等を挙げることができる。
(重合体)
本発明に用いる重合体(I)と(II)の主鎖には、ポリオキシアルキレン重合体又はビニル系重合体を用いる。ポリオキシアルキレン重合体には、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C2H5)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C2H5)CH2O−、−CH2CH2CH2O−、及び−CH2CH2CH2CH2O−から選択された1種以上の繰り返し単位からなるものを用いることができる。好ましくは、−CH2CH(CH3)O−である。また、ビニル系重合体には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、及びこれら重合体のいずれか2種以上を成分として含む共重合体等を挙げることができる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートである。
本発明に用いる重合体(I)と(II)の主鎖には、ポリオキシアルキレン重合体又はビニル系重合体を用いる。ポリオキシアルキレン重合体には、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C2H5)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C2H5)CH2O−、−CH2CH2CH2O−、及び−CH2CH2CH2CH2O−から選択された1種以上の繰り返し単位からなるものを用いることができる。好ましくは、−CH2CH(CH3)O−である。また、ビニル系重合体には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、及びこれら重合体のいずれか2種以上を成分として含む共重合体等を挙げることができる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートである。
主鎖にポリオキシアルキレン重合体を用いた場合、重合体(I)の分子量は500〜30000、好ましくは1000〜20000である。また、重合体(II)の分子量は500〜30000、好ましくは5000〜20000である。ここで、重合体(I)及び(II)の分子量は、原料である水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体の水酸基価換算価分子量に基づいて算出した値である。
また、主鎖にビニル系重合体を用いた場合、重合体(I)の数平均分子量は500〜30000、好ましくは1500〜15000である。また、重合体(II)の数平均分子量は500〜30000、好ましくは2000〜15000である。
また、重合体(I)の加水分解性ケイ素基は分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満であり、25%以上50%未満が好ましい。また、重合体(II)の加水分解性ケイ素基は分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上100%以下であり、60%以上100%以下が好ましい。
ここで、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率は、末端基が水酸基である重合体の場合、加水分解性ケイ素基導入後の未反応の水酸基を水酸基価分析法を用いて算出することができる。また、末端基の種類に限定されない方法として、IR法やNMR法を用いて加水分解性ケイ素基導入後の末端基を定量することにより算出する方法を用いることもできる。
ここで、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率は、末端基が水酸基である重合体の場合、加水分解性ケイ素基導入後の未反応の水酸基を水酸基価分析法を用いて算出することができる。また、末端基の種類に限定されない方法として、IR法やNMR法を用いて加水分解性ケイ素基導入後の末端基を定量することにより算出する方法を用いることもできる。
また、重合体(I)及び(II)の加水分解性ケイ素基は、アルキルジアルコキシシリル基やトリアルコキシシリル基を用いることができる。アルキルジアルコキシシリル基は、アルキル基が炭素数1から6のアルキル基が好ましく、アルコキシ基が炭素数1から6のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はn−ヘキシルオキシ基が好ましく、より好ましくはメチルジメトキシシリル基又はメチルジエトキシシリル基、さらに好ましくはメチルジメトキシシリル基である。また、トリアルコキシシリル基は、アルコキシ基が炭素数1から6のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基が好ましく、より好ましくはトリメトキシシリル基である。重合体(I)及び(II)の加水分解性ケイ素基の組み合わせは特に限定されない。
重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜250重量部、好ましくは5〜200重量部使用する。5重量部より少ないとガラスに付着し易くなり、250重量部より多いと、ガラスに接着し易くなるからである。
ポリオキシアルキレン重合体に加水分解性ケイ素基を導入する方法としては、2官能の開始剤の存在下、環状エーテルを開環重合させてポリオキシアルキレンジオールを製造し、このジオールの水酸基に加水分解性ケイ素基を導入する方法等の公知の方法を用いることができる。また、ビニル系重合体に加水分解性ケイ素基を導入する方法としては、ビニル系モノマーと、加水分解性ケイ素基含有モノマーとを共重合する方法を用いることができる。加水分解性ケイ素基の導入率を変化させる方法としては、ポリオキシアルキレン重合体の場合、ジオールの水酸基に対する加水分解性ケイ素基のモル数を変化させることに行うことができる。また、ビニル系重合体の場合、共重合させる加水分解性ケイ素基含有モノマーの配合比を変化させることにより加水分解性ケイ素基の導入率を変化させることができる。
(硬化触媒)
本発明の樹脂組成物には、硬化反応を促進させるために硬化触媒を用いる。具体例としては、アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス−2−エチルヘキサノエート等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物を挙げることができる。また、ジオクチル酸錫、ジナフテン酸錫、ジステアリン酸錫等の2価の錫と上記アミン類の混合物を挙げることもできる。
本発明の樹脂組成物には、硬化反応を促進させるために硬化触媒を用いる。具体例としては、アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス−2−エチルヘキサノエート等の金属塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物を挙げることができる。また、ジオクチル酸錫、ジナフテン酸錫、ジステアリン酸錫等の2価の錫と上記アミン類の混合物を挙げることもできる。
また、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及び以下のカルボン酸型有機錫化合物並びにこれらのカルボン酸型有機錫化合物と上記のアミン類との混合物を挙げることもできる。
(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOO−(n−C4H9))2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO−(n−C4H9))2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO−(iso−C8H17))2
(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOO−(n−C4H9))2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO−(n−C4H9))2
(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO−(iso−C8H17))2
また、以下の含硫黄型有機錫化合物を挙げることもできる。
(n−C4H9)2Sn(SCH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)
(n−C4H9)2Sn(SCH2COO−(iso−C8H17))2
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO−(iso−C8H17))2
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO−(n−C8H17))2
(n−C4H9)2SnS
(n−C4H9)2Sn(SCH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)
(n−C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)
(n−C4H9)2Sn(SCH2COO−(iso−C8H17))2
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO−(iso−C8H17))2
(n−C8H17)2Sn(SCH2COO−(n−C8H17))2
(n−C4H9)2SnS
また、以下の有機錫オキシドを挙げることもできる。
(n−C4H9)2SnO
(n−C8H17)2SnO
(n−C4H9)2SnO
(n−C8H17)2SnO
また、上記の有機錫オキシドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物を挙げることもできる。
また、以下のキレート錫化合物およびこれらのキレート錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(但し、acacはアセチルアセトナト配位子を表す。)を挙げることもできる。
(n−C4H9)2Sn(acac)2
(n−C8H17)2Sn(acac)2
(n−C4H9)2(C8H17O)Sn(acac)
(n−C4H9)2Sn(acac)2
(n−C8H17)2Sn(acac)2
(n−C4H9)2(C8H17O)Sn(acac)
また、以下の−SnOSn−結合含有有機錫化合物を挙げることもできる。
(n−C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n−C4H9)2
(n−C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n−C4H9)2
(n−C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n−C4H9)2
(n−C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n−C4H9)2
硬化触媒は、重合体(I)及び(II)の合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部使用する。0.01重量部より少ないと効果が十分でなく、10重量部より多いとい硬化物に耐久性が低下するので好ましくない。
(吸水性樹脂)
本発明の樹脂組成物に用いる吸水性樹脂には、公知の吸水性樹脂、例えば、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、ポリビニルアルコール架橋重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、水溶性エチレン単量体の単独重合体または共重合体の架橋体等を挙げることができる。
好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリビニルアルコール架橋重合体である。吸水性樹脂の添加量は、重合体(I)および(II)の総量100重量部に対し、10〜90重量部、好ましくは10〜70重量部である。10重量部より少ないと、結露防止効果が十分でなく、90重量部を超えると、樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するからである。
本発明の樹脂組成物に用いる吸水性樹脂には、公知の吸水性樹脂、例えば、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、ポリビニルアルコール架橋重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、水溶性エチレン単量体の単独重合体または共重合体の架橋体等を挙げることができる。
好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、ポリビニルアルコール架橋重合体である。吸水性樹脂の添加量は、重合体(I)および(II)の総量100重量部に対し、10〜90重量部、好ましくは10〜70重量部である。10重量部より少ないと、結露防止効果が十分でなく、90重量部を超えると、樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するからである。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、脱水剤、可塑剤等の添加剤を添加することができる。
(充填剤)
充填剤としては、公知の充填剤を使用することができる。具体例としては、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤。ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等を挙げることができる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
充填剤としては、公知の充填剤を使用することができる。具体例としては、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤。ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等を挙げることができる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
充填剤の使用量は重合体(I)及び(II)の合計量に対して1〜1000重量%であり、好ましくは10〜300重量%である。
(可塑剤)
本発明の樹脂組成物には、硬度調整のために可塑剤を使用することもできる。可塑剤としては公知の可塑剤を使用することができる。具体例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル等;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;塩素化パラフィン;等を挙げることができる。これらの可塑剤を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物には、硬度調整のために可塑剤を使用することもできる。可塑剤としては公知の可塑剤を使用することができる。具体例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル等;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;塩素化パラフィン;等を挙げることができる。これらの可塑剤を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
(脱水剤)
また、本発明の樹脂組成物には、硬化物の物性や硬化性及び貯蔵安定性を調節する目的で加水分解性ケイ素化合物を任意に添加できる。具体例としては、テトラメチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどやこれらのメトキシ基がエトキシ基に置換された化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。添加量は重合体(I)及び重合体(II)の合計量100重量部に対し、0.5〜5重量部である。0.5重量よりも少ないと貯蔵安定性が悪くなる。また5重量部よりも多いとガラスに接着し易くなるからである。
また、本発明の樹脂組成物には、硬化物の物性や硬化性及び貯蔵安定性を調節する目的で加水分解性ケイ素化合物を任意に添加できる。具体例としては、テトラメチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどやこれらのメトキシ基がエトキシ基に置換された化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。添加量は重合体(I)及び重合体(II)の合計量100重量部に対し、0.5〜5重量部である。0.5重量よりも少ないと貯蔵安定性が悪くなる。また5重量部よりも多いとガラスに接着し易くなるからである。
本発明の樹脂組成物には、さらに、防カビ剤を添加することができる。防カビ剤の添加により長期にわたって使用した場合においても、カビの発生を抑制することができる。防カビ剤には、ベンズイミダゾール、バイナジン、メチルスルホニルピリジン、ベンズイミダゾリルカルバメート系化合物等の公知の防カビ剤を用いることができる。防カビ剤の添加量は、重合体(I)及び重合体(II)の合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部である。0.1重量部よりも少ないと防カビ性が十分でなく、10重量部を超えると樹脂組成物への着色や変色といった色の問題や樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する問題を生じるからである。
その他の添加剤として、チキソ性付与剤、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、顔料、各種の安定剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、オリゴエステルアクリレートのような表面改質を目的とした光硬化性化合物、粘度調整のための溶剤等を添加することもできる。しかし、湿気硬化型樹脂組成物に一般的に使用される各種のシランカップリング剤といった粘着付与剤は添加しない。粘着付与剤を用いると、基材に対し強力に接着するようになるからである。
本発明の樹脂組成物は、環境条件下で硬化可能であり、加熱することにより又は水分を添加することにより硬化を促進させることができる。
本発明の樹脂組成物には、さらに、視覚的あるいは嗅覚的な特殊効果を付与する成分を添加することもできる。視覚的あるいは嗅覚的な特殊効果を付与することにより、形状のみの場合に比べ、装飾の自由度をさらに大きくすることができる。視覚的な特殊効果を付与する成分としては、蓄光剤、光輝性無機顔料、蛍光顔料、色の変わるコレステリック液晶顔料等を挙げることができる。また、嗅覚的な特殊効果を付与する成分としては香料を挙げることができる。これらの特殊効果付与成分を単独で用いることもでき、あるいは複数種を用いることもできる。特に、蓄光剤、光輝性無機顔料、香料からなる群から選択された少なくとも1種を用いることが好ましい。本発明の樹脂組成物は、硬化が早く且つ貯蔵安定性がよいので、これら成分を長期に亘り保持することが可能であり、これら成分の効果を十分に発揮させることが可能である。例えば、クリスマスシーズンなど街中がイルミネーションで飾られる時期に、この組成物に蓄光剤などを含む任意の着色剤を配合したものを窓ガラスに装飾しておけば、夜間に光らせることができ、シーズンが終われば剥がすことができる。また芳香成分を徐放する装飾物として利用すれば、持続性が期待でき、これも芳香成分の効果がなくなれば容易に剥がすことができる。
蓄光性顔料は特に限定されないが、ZnS:Cu系化合物(根本特殊化学社製蓄光性顔料)やSrAl2O4系化合物(イージーブライト社製蓄光性顔料)などを挙げることができる。また、光輝性無機顔料は特に限定されないが、薄板状雲母粒子の表面に、各種金属酸化物を被覆した所謂パール顔料や、ガラスフレークの表面に、各種金属酸化物を被覆した商品名メタシャイン(日本板硝子社製)などを挙げることができる。また、香料は芳香成分であれが特に限定されない。
蓄光性顔料は特に限定されないが、ZnS:Cu系化合物(根本特殊化学社製蓄光性顔料)やSrAl2O4系化合物(イージーブライト社製蓄光性顔料)などを挙げることができる。また、光輝性無機顔料は特に限定されないが、薄板状雲母粒子の表面に、各種金属酸化物を被覆した所謂パール顔料や、ガラスフレークの表面に、各種金属酸化物を被覆した商品名メタシャイン(日本板硝子社製)などを挙げることができる。また、香料は芳香成分であれが特に限定されない。
なお、本発明の樹脂組成物は、紙や、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムを支持体とし、その片面または両面に本発明の樹脂組成物を塗布した結露防止シートあるいは結露防止テープとしても用いることができる。
(結露防止用物品)
本発明の結露防止用物品は、基材に付着させて基材を装飾するものであり、基材に結露防止機能と、美的外観および/または表示機能とを付与するものであれば特に限定されない。本発明の結露防止用物品には、予め型等を利用して基材に付着させる前に所望の形状に作製したもの、そして基材に直接塗布して所望の形状に作製したものが含まれる。また、本発明の結露防止用物品は、本発明の湿気硬化型樹脂組成物を用いて作製したものであれば、形状、色彩、模様、大きさ、厚さ、数量は特に限定されない。
本発明の結露防止用物品は、基材に付着させて基材を装飾するものであり、基材に結露防止機能と、美的外観および/または表示機能とを付与するものであれば特に限定されない。本発明の結露防止用物品には、予め型等を利用して基材に付着させる前に所望の形状に作製したもの、そして基材に直接塗布して所望の形状に作製したものが含まれる。また、本発明の結露防止用物品は、本発明の湿気硬化型樹脂組成物を用いて作製したものであれば、形状、色彩、模様、大きさ、厚さ、数量は特に限定されない。
なお、本発明においては、「装飾する」とは、文字、記号、図形、模様又はそれらの2種以上の組み合わせを形成することを意味するものである。
(結露防止方法)
本発明の結露防止方法は、本発明の樹脂組成物を、結露を防止したい箇所に貼り付ける方法であれば特に限定されない。例えば、本発明の樹脂組成物を直接、結露を防止したい箇所に所望の形状又は模様に塗布しても良く、あるいは型等を利用して所望の形状の結露防止用物品を作製し、その物品を結露を防止したい箇所に貼り付けることもできる。
また、図1は、本発明の結露防止方法の一例であり、手持ち式のガンタイプの塗布装置を用い、カートリッジに収容した本発明の樹脂組成物を塗布ノズルから吐き出して、直接、窓ガラスに塗布して結露防止用物品を作製する例を示している。しかし、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明の結露防止方法は、本発明の樹脂組成物を、結露を防止したい箇所に貼り付ける方法であれば特に限定されない。例えば、本発明の樹脂組成物を直接、結露を防止したい箇所に所望の形状又は模様に塗布しても良く、あるいは型等を利用して所望の形状の結露防止用物品を作製し、その物品を結露を防止したい箇所に貼り付けることもできる。
また、図1は、本発明の結露防止方法の一例であり、手持ち式のガンタイプの塗布装置を用い、カートリッジに収容した本発明の樹脂組成物を塗布ノズルから吐き出して、直接、窓ガラスに塗布して結露防止用物品を作製する例を示している。しかし、本発明はこの方法に限定されるものではない。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における「部」は、特に断らない限り「重量部」を表す。
(重合体の合成)
合成例1.
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ、分子鎖末端の35%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した重合体Aを合成した。
合成例1.
グリセリンを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ、分子鎖末端の35%にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した重合体Aを合成した。
合成例2.
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ、分子鎖末端の60% にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した重合体Bを合成した。
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の存在下プロピレンオキシドを反応させて得られたポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後精製した。さらに塩化白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランと反応させ、分子鎖末端の60% にメチルジメトキシシリルプロピル基を導入した重合体Bを合成した。
合成例3.
亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、ポリオキシプロピレンジオールにプロピレンオキシドを開環重合させてポリオキシプロピレンジオール(重合体P)を得た。耐圧反応器に重合体Pを入れ、内温を110℃に保持しながら減圧脱水した。つぎに、反応器内雰囲気を窒素ガスに置換し、内温を50℃に保持しながら、NCO/OHが0.97となるように、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(純度95%)を投入した。つづいて、内温を80℃に8時間保持して、重合体(P)と3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランをウレタン化反応させて、分子鎖末端の90%にトリメトキシシリル基を導入した重合体Cを得た。
亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、ポリオキシプロピレンジオールにプロピレンオキシドを開環重合させてポリオキシプロピレンジオール(重合体P)を得た。耐圧反応器に重合体Pを入れ、内温を110℃に保持しながら減圧脱水した。つぎに、反応器内雰囲気を窒素ガスに置換し、内温を50℃に保持しながら、NCO/OHが0.97となるように、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(純度95%)を投入した。つづいて、内温を80℃に8時間保持して、重合体(P)と3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランをウレタン化反応させて、分子鎖末端の90%にトリメトキシシリル基を導入した重合体Cを得た。
ここで、重合体中の加水分解性ケイ素の導入率は、1H−NMR分析から求めた。
実施例1〜4及び比較例1〜5.
重合体(I)として重合体A、重合体(II)として重合体B及びCを用いた。これら重合体に、可塑剤としてポリプロピレングリコール、充填剤として加熱乾燥により水分を除去したシリカを加え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)を使用して攪拌・混合した。得られた混合物を室温まで温度を下げてから、吸水性ポリマーとして、アクアリックCA−W4SP(日本触媒社製のポリアクリル酸ナトリウム架橋体)、脱水剤としてシラン化合物と硬化触媒としてジブチルスズビス(アセチルアセトネート)[(n−C4H9)2Sn(acac)2]を加えて攪拌・混合して樹脂組成物を得た。表1に実施例1〜4および比較例1〜5の樹脂組成物の組成を示す。
重合体(I)として重合体A、重合体(II)として重合体B及びCを用いた。これら重合体に、可塑剤としてポリプロピレングリコール、充填剤として加熱乾燥により水分を除去したシリカを加え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)を使用して攪拌・混合した。得られた混合物を室温まで温度を下げてから、吸水性ポリマーとして、アクアリックCA−W4SP(日本触媒社製のポリアクリル酸ナトリウム架橋体)、脱水剤としてシラン化合物と硬化触媒としてジブチルスズビス(アセチルアセトネート)[(n−C4H9)2Sn(acac)2]を加えて攪拌・混合して樹脂組成物を得た。表1に実施例1〜4および比較例1〜5の樹脂組成物の組成を示す。
(評価)
(1)吸水性試験
温度23℃、湿度55%雰囲気下で、JIS R 3202に規定されるガラス板に湿気硬化型樹脂組成物をおよそ10mm巾×10mm高さ×50mm長さに打設した後7日間養生した。硬化した湿気硬化型樹脂組成物の重量を秤量したのち、1Lの水中に24時間浸漬させた後、3時間風乾させた後、水浸漬後の重量を秤量した。吸水率を次式で求め、以下の評価基準で吸水性を評価した。
吸水率=(水浸漬後重量−水浸漬前重量)/水浸漬前重量
○:吸水率が0.50以上。
×:吸水率が0.50未満。
(1)吸水性試験
温度23℃、湿度55%雰囲気下で、JIS R 3202に規定されるガラス板に湿気硬化型樹脂組成物をおよそ10mm巾×10mm高さ×50mm長さに打設した後7日間養生した。硬化した湿気硬化型樹脂組成物の重量を秤量したのち、1Lの水中に24時間浸漬させた後、3時間風乾させた後、水浸漬後の重量を秤量した。吸水率を次式で求め、以下の評価基準で吸水性を評価した。
吸水率=(水浸漬後重量−水浸漬前重量)/水浸漬前重量
○:吸水率が0.50以上。
×:吸水率が0.50未満。
(2)対ガラス剥離性試験
温度23℃、湿度55%雰囲気下で、JIS R 3202に規定されるガラス板に湿気硬化型樹脂組成物を打設した後3日間養生した。簡易接着性試験(日本シーリング材工業会発刊建築用シーリング材ハンドブック記載方法に準拠)を行い、以下の評価基準を用いてガラスからの剥離性を評価した。
○:樹脂組成物をガラスから容易に剥がすことができる。
×:樹脂組成物の一部がガラスに付着して残る。
温度23℃、湿度55%雰囲気下で、JIS R 3202に規定されるガラス板に湿気硬化型樹脂組成物を打設した後3日間養生した。簡易接着性試験(日本シーリング材工業会発刊建築用シーリング材ハンドブック記載方法に準拠)を行い、以下の評価基準を用いてガラスからの剥離性を評価した。
○:樹脂組成物をガラスから容易に剥がすことができる。
×:樹脂組成物の一部がガラスに付着して残る。
(3)貯蔵安定性試験
カートリッジ容器に充填した湿気硬化型樹脂組成物を温度50℃、湿度80%のオーブンに7日間に保存した後押し出して外観の変化の有無、タックフリー時間(指蝕乾燥時間)を確認した。以下の評価基準を用いた。
○:外観の変化が無くタックフリー時間が2倍以上変化しない。
×:タックフリー時間が2倍を超える。
カートリッジ容器に充填した湿気硬化型樹脂組成物を温度50℃、湿度80%のオーブンに7日間に保存した後押し出して外観の変化の有無、タックフリー時間(指蝕乾燥時間)を確認した。以下の評価基準を用いた。
○:外観の変化が無くタックフリー時間が2倍以上変化しない。
×:タックフリー時間が2倍を超える。
(評価結果)
表2に実施例1〜4および比較例1〜5の評価結果を示す。
表2に実施例1〜4および比較例1〜5の評価結果を示す。
比較例1は、重合体(I)が配合されておらず、対ガラス剥離性が不十分であった。また、比較例2は、吸水性ポリマー量が多く、貯蔵安定性が悪くなった。また、比較例3は、吸水性ポリマーの配合量が少なく、吸水性が不十分であった。また、比較例4は重合体(I)100部に対して、重合体(II)が300部と多く、対ガラス剥離性が不十分であった。しかも吸水性ポリマーの配合量が少なく、吸水性が不十分であった。また、比較例5は、重合体(II)が配合されておらず、硬化性が不十分であり、対ガラス剥離性が不十分であった。
実施例5.
実施例1で作製した樹脂組成物にイージーブライト社製蓄光顔料Sr4Al14025を樹脂組成物100部に対し10部添加し打設用組成物を作製し、図1のように窓ガラスに打設した。夜間に室内の灯りを消すと打設した組成物が光って浮かび上がり装飾効果が確認できた。14日後、打設した組成物を窓ガラスから剥がしたところ、跡も残さずきれいに取ることができた。
実施例1で作製した樹脂組成物にイージーブライト社製蓄光顔料Sr4Al14025を樹脂組成物100部に対し10部添加し打設用組成物を作製し、図1のように窓ガラスに打設した。夜間に室内の灯りを消すと打設した組成物が光って浮かび上がり装飾効果が確認できた。14日後、打設した組成物を窓ガラスから剥がしたところ、跡も残さずきれいに取ることができた。
以上の通り、本発明の樹脂組成物は、従来剥離するのが困難であったガラスからも容易に剥離することができる。これにより、交換を簡単に行うことができる結露防止用物品を提供することができる。また、本発明の樹脂組成物は、自由な形状に造形することが可能であり、結露防止用物品に所望の形状を付与して装飾品としても用いることができる。また、視覚的あるいは嗅覚的な特殊効果を付与する成分を添加して、形状のみの場合に比べ、装飾の自由度をさらに大きくすることができる。
Claims (10)
- 少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、該重合体(I)100重量部に対し、該重合体(II)を5〜200重量部を含む、結露防止用湿気硬化型樹脂組成物。
- 上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基である請求項1記載の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物。
- さらに蓄光性顔料、光輝性無機顔料及び香料からなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項1記載の結露防止用湿気硬化型樹脂組成物。
- 少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含む湿気硬化型樹脂組成物からなる結露防止用物品。
- 上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基である請求項4記載の結露防止用物品。
- 上記湿気硬化型樹脂組成物が、さらに蓄光性顔料、光輝性無機顔料及び香料からなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項4記載の結露防止用物品。
- 基材に結露防止用樹脂組成物を貼り付けて結露を防止する結露防止方法であって、
該結露防止用樹脂組成物に、少なくとも、吸水性樹脂と、分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%未満である重合体(I)および分子鎖末端に対する加水分解性ケイ素基の導入率が50%以上である重合体(II)とを含み、重合体(I)100重量部に対し、重合体(II)を5〜200重量部を含む湿気硬化型樹脂組成物を用いる、結露防止方法。 - 上記重合体(I)と上記重合体(II)の加水分解性基が、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基である請求項7記載の結露防止方法。
- 上記湿気硬化型樹脂組成物が、さらに蓄光性顔料、光輝性無機顔料及び香料からなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項7記載の結露防止方法。
- 上記湿気硬化型樹脂組成物を基材に直接塗布した後で硬化させる、請求項7記載の結露防止方法。
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JP2014195936A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 大日本印刷株式会社 | 積層シート及び発泡積層シート |
JP2020193297A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-03 | 積水フーラー株式会社 | 湿気硬化性組成物 |
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-
2009
- 2009-10-23 JP JP2009244143A patent/JP2011089045A/ja active Pending
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