JP2011088122A - ロールコーター装置を用いた塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断面の外周が円形をなす各種の円筒状物に、均一厚さの塗膜を形成する。
【解決手段】塗料Pを収容する塗料パン3と、前記塗料パン3から直接又は中間ロール10を介して塗料Pを外周面2Aに付着させるとともにこの外周面2Aに付着した塗料Pを被塗物Hに付着させて塗装を行うアプリケーションローラー2とを含むロールコーター装置1を用いて断面の外周が円形である被塗物Hに塗料Pを塗装する塗装方法である。アプリケーションローラー2と被塗物Hとを同一方向に回転させるとともに、被塗物Hの周速度Soと、前記アプリケーションローラーの周速度Saとの比So/Saを1.0よりも大とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、断面の外周が円形をなす各種の円筒状物に、均一厚さの塗膜を形成して塗装することが可能なロールコーター装置を用いた塗装方法に関する。
例えば、複写機やプリンター等に使用されるOAローラ等の円筒状物の表面には、各種の塗装によりコーティングが施されている。この種のローラーは、例えば、5〜100μmの均一な塗膜厚さで塗装する必要があり、外観や寸法精度の要求が非常に高い。このため、従来では、塗装精度が得られやすいスプレー装置を用いた塗装方法が多用されていた。
しかしながら、スプレー装置を用いた塗装方法では、塗装時の塗料が外部に飛散しやすく、塗料コストが高くなる他、環境の悪化を招くという欠点もある。
他方、円筒状物を塗装する方法として、例えば下記特許文献に記載されるようなロールコーター装置rを用いた塗装方法も種々提案されている。図7(a)に示されるように、従来のロールコーター装置rは、塗料a1を収容する塗料パンaと、この塗料パンaから塗料a1を受け取って外周面b1に付着させるアプリケーションローラーbとを含む。このようなロールコーター装置rを用いた塗装方法は、アプリケーションローラーbと被塗物dとが所定のギャップgを隔てて平行に配置され、両者を互いに逆向きかつ同一周速度で回転させながら塗装を行うものである。そして、被塗物dの全周に塗料a1が塗装されると、被塗物dとアプリケーションローラーbとが離間させられる。
このようなロールコーター装置rを用いた塗装方法は、スプレー塗装のような塗料の飛散を防止できる利点がある。しかしながら、アプリケーションローラーbと被塗物dとが互いに逆向きに回転させられるため、塗料a1の表面張力等により、該塗料a1がアプリケーションローラーbと被塗物dとの間をスムーズに通過できないなど、被塗物dとアプリケーションローラーbとが最も近接する近接部の上流側に、余剰塗料が留まる塗料溜り部kが形成されやすい。このため、図7(b)に示されるように、被塗物dとアプリケーションローラーbとを離間させた被塗物dの塗り終え位置eでは、余剰塗料により局部的に塗膜厚さtが大になる傾向がある。つまり、ロールコーター装置rを用いた従来の塗装方法では、スプレー装置を用いた塗装方法に比べると、均一な塗膜が得られ難く塗装精度が低下するという問題があった。
特開2005−103482号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、断面の外周が円形をなす各種の円筒状物に、均一厚さの塗膜を形成して塗装することが可能なロールコーター装置を用いた塗装方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、塗料を収容する塗料パンと、前記塗料パンから直接又は中間ロールを介して前記塗料を外周面に付着させるとともにこの外周面に付着した塗料を被塗物に付着させて塗装を行うアプリケーションローラーとを含むロールコーター装置を用いて断面の外周が円形である被塗物に塗料を塗装する塗装方法であって、前記アプリケーションローラーは、前記外周面の塗料を前記被塗物に付着させる半径を有した塗布面部と、前記被塗物に塗料を付着させない半径を有する非塗布面部と、これらの間を継ぐ余剰塗料を逃すための段差部とを有するとともに、前記アプリケーションローラーと前記被塗物とを同一方向に回転させるとともに、前記被塗物の周速度Soと、前記アプリケーションローラーの周速度Saとの比So/Saを1.0より大とすることを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記周速度比So/Saを2.0〜4.0とする請求項1記載のロールコーター装置を用いた塗装方法である。
また請求項3記載の発明は、前記アプリケーションローラーは、前記塗布面部の周方向の一方の端部から被塗物への塗料の付着を開始するとともに、該塗布面部の周方向の他方の端部で前記付着を終えることにより、前記被塗物の全周に亘り1回塗りを行う請求項1又は2記載のロールコーター装置を用いた塗装方法である。
また請求項4記載の発明は、前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部の端部から半径方向内方に直線状でのびる直線部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法である。
また請求項5記載の発明は、前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部側の端部に滑らかな円弧で面取りされた面取り部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法である。
また請求項6記載の発明は、前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部側の端部に傾斜直線で面取りされた面取り部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法である。
本発明のロールコーター装置を用いた塗装方法では、アプリケーションローラーと被塗物とを同一方向に回転させるとともに、被塗物の周速度Soと、アプリケーションローラーの周速度Saとの比を1.0より大とする。このように、アプリケーションローラーと被塗物とを同一方向かつ被塗物の周速度Soをアプリケーションローラーの周速度Saより大とすることにより、被塗物とアプリケーションローラーとの間の塗料溜り量を確実に減らすことができる。これにより、塗料の塗り終え位置ないし切り離し位置において、局部的に塗膜厚さが大になるのを防止でき、ひいては均一な塗膜を形成することができる。
また、アプリケーションローラーに、塗料を被塗物に付着させる半径を有した塗布面部と、前記塗料を被塗物に付着させない半径を有する非塗布面部と、これらの間を継ぐ余剰塗料を逃すための段差部とを有するものが使用される。このようなアプリケーションローラーは、被塗物とアプリケーションローラーとの間に溜まる余剰塗料を、前記段差部を介して非塗布面部側へと瞬時に逃がすことができる。従って、塗り終え位置で局部的に塗膜厚さが大きくなるのを防止し、より確実に塗膜厚さを均一にすることができる。
本発明の一実施形態のロールコーター装置の要部斜視図である。 ハッチングを省略した図1の断面図である。 (a)乃至(e)は、本実施形態の作用を説明する断面図である。 (a)及び(b)は、段差部の他の実施形態を示す断面図である。 アプリケーションローラーの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態を示すロールコーター装置の断面図である。 (a)は、従来のロールコーター装置を模式的に示す断面図、(b)は、それにより塗装された被塗物の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び2に示されるように、本実施形態の塗装方法に用いられるロールコータ―装置1は、断面の外周が円形である被塗物Hの外周面HAに塗料Pを塗装するために用いられる。
前記被塗物Hとしては、断面の外周が円形であれば特に限定されないが、塗膜寸法の精度が高く要求される複写機やプリンターなどのOA機器に使用される給紙・搬送用ローラ、帯電ローラ、現像ローラ及び駆動ローラ等が好適である。また、前記塗料Pとしては、被塗物Hの用途等に応じたものが種々選択され、溶剤系及び水性系を問わず、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系など、全ての材料が採用できる。
前記ロールコーター装置1は、前記塗料Pを収容する塗料パン3と、外周面2Aに付着した塗料Pを被塗物Hに付着させるアプリケーションローラー2とを含んで構成される。
前記塗料パン3は、例えば、上面が解放された箱状をなし、内部に液体の塗料Pが貯留されている。また、塗料パン3は、アプリケーションローラー2の外周面2Aの一部が前記塗料Pに浸漬しうるよう、該アプリケーションローラー2よりも十分に大きい寸法で形成されている。
図2に示されるように、前記アプリケーションローラー2は、外周面2Aに付着させた塗料Pを被塗物Hに付着させる半径R1を有した塗布面部5と、被塗物Hに塗料Pを付着させない半径R2を有する非塗布面部6と、塗布面部5と非塗布面部6との間を継ぐ段差部7とを含んで構成されている。なお、前記「半径」は、アプリケーションローラー2の回転中心O1からアプリケーションローラーの外周面2Aまでの径とする。
前記塗布面部5は、本実施形態では、単一の半径R1で構成された円筒面で形成されている。そして、被塗物Hが所定の位置にセットされた塗装時では、塗布面部5は、その外周面2Aに付着した塗料Pが被塗物Hに付着するように位置決めされる。
また、前記非塗布面部6も、本実施形態では、単一の半径R2かつ前記塗布面部5と同心の円筒面をなすとともに、前記塗装時において、その外周面2Aに付着した塗料Pが被塗物Hに付着しないよう、塗布面部5の半径R1よりも十分に小さく形成されている。また、アプリケーションローラー2は、前記塗装時、回転中心O1の周りで回転させたときに、非塗布面部6が塗料パン3の塗料Pと接触しないように支持されるのが望ましい。
このように、本実施形態のアプリケーションローラー2は、図7で示したような外周面の全周(360度)を使用して被塗物に塗料を付着させるものではなく、図2に示されるように、外周面2Aの一部(360度よりも小)をなす段差部7、7間の塗布面部5を使用して塗料Pを被塗物Hに付着させる。
また、前記段差部7は、塗布面部5と非塗布面部6との間を継ぐとともに、塗装時に、塗布面部5と被塗物Hとの間に溜まりがちな余剰塗料を逃がす空間を提供する。本例では、一つのアプリケーションローラー2において、一つの塗布面部5と、一つの非塗布面部6と、これらの間を継ぐ2つの段差部7、7とが設けられている。
図2に示されるように、アプリケーションローラー2の断面視において、本実施形態の各段差部7は、非塗布面部6の端部6eから半径方向外方にのびる直線部7Aと、該直線部7Aと塗布面部5の端部5eとを接続する滑らかな円弧で面取り(R面取り)された面取り部7Bとから構成される。このような面取り部7Bが設けられることにより、被塗物Hと前記塗布面部5とが離れるときに、両者の間の余剰塗料が、スムーズに面取り部7Bを通って非塗布面部6側へと移動できる。
図3には、以上のように構成されたロールコーター装置1を使用した本実施形態の塗装方法が示される。
図3(a)には、塗装を開始するときの初期状態が示される。この状態では、アプリケーションローラー2は、回転により塗料パン3内の塗料Pに塗布面部5を浸漬し、予めその外周面2Aに塗料Pを付着させて待機している。
次に、予め定められた所定の位置に被塗物Hが位置決めされて保持される。この際、アプリケーションローラー2と被塗物Hとは、被塗物Hの外周面HAとアプリケーションローラー2の塗布面部5の外周面2Aとの間に、目標とする塗膜厚さに応じた所定のギャップG(図2に示す)が形成されるように、各々の回転中心O1、O2が正確に位置決めされる。また、図3(a)に示されるように、本実施形態では、アプリケーションローラー2の非塗布面部6と被塗物Hとが対向した状態で、前記各々の回転中心O1、O2が位置決めされる。
前記ギャップGは、使用する塗料の粘度、固形分比率、硬化による収縮率及び被塗物Hの周速度Soとアプリケーションローラー2の周速度Saとの周速度比So/Saなどを考慮して適宜定めることができる。
また、被塗物H及びアプリケーションローラー2は、例えば、各々、その両端部が回転中心O1、O2と同軸の適宜の支持具(図示せず)によって支持され、図示しない駆動装置によって予め定められた周速度で回転することができる。
次に、本発明では、アプリケーションローラー2と被塗物Hとを、同一の方向(本実施形態では、ともに反時計方向)に回転させる。これにより、図3(b)〜(c)に示されるように、アプリケーションローラー2の塗布面部5は、被塗物Hに接近するとともに、被塗物Hとアプリケーションローラー2の塗布面部5とが最も近接する近接部11付近で、アプリケーションローラー2の外周面2Aに付着した塗料Pが、被塗物Hの外周面HAへと付着される。
また、アプリケーションローラー2には段差部7が設けられているため、上述のような被塗物Hの外周面HAが、非塗布面部6から塗布面部5へと移動する際、アプリケーションローラー2の塗布面部5の外周面2Aに付着した塗料Pを、被塗物Hへスムーズに付着させることができる。とりわけ、本実施形態のように、段差部7が、塗布面部5側の端部5eに滑らかな円孤状で面取りされた面取り部7Bを含む場合は、より一層スムーズに塗料Pを被塗物Hに付着させ得る点で望ましい。
また、本発明では、アプリケーションローラー2と被塗物Hとが同一方向に回転する。このため、アプリケーションローラー2の塗布面部5に付着している塗料Pの大部分は、被塗物Hに付着した後、該被塗物Hの回転方向に引っ張られるようにして被塗物H側へと乗り移り、アプリケーションローラー2と被塗物Hとの近接部11を通過する量はごく僅かになり、残余の塗料は比較的容易に前記ギャップGを通過できる。このため、従来のように、前記近接部11の上流側に留まりがちであった余剰塗料の量を減らし、ひいては均一な塗膜厚さを得ることが可能になる。
さらに、本発明においては、被塗物Hの周速度Soと、前記アプリケーションローラー2の周速度Saとの比So/Saを1.0より大に設定する。即ち、被塗物の周速度Soが、アプリケーションローラーの周速度Saより大きくなるため、順次近接部11付近に供給される塗料Pを被塗部Hの外周面HAにより多く導いて付着させることができる。これにより、近接部11の上流側に溜まりがちな余剰塗料の量をさらに確実に減らし、より一層、均一厚さの塗膜を形成するのに役立つ。
前記周速度比So/Saは、1.0よりも大であれば良いが、好ましくは2.0〜4.0、とりわけ3.0〜4.0の範囲が望ましい。発明者らは、被塗物Hとアプリケーションローラー2とを同方向に回転させるとともに、前記比So/Saを種々変化させて塗装の実験を行った(後述の実施例、比較例)。その結果、前記周速度比So/Saを2.0〜4.0とすると、より均一な塗装及びより優れた塗装外観が得られることを見出した。即ち、前記比So/Saが1.0よりも大かつ2.0未満では、従来に比して塗膜厚さを均一化できるものの、径方向のフレ(ばらつき)がやや大きくなる場合があり、逆に前記比So/Saが4.0を超えると、被塗物Hとアプリケーションローラー2との相対速度差が大きくなって、やはり同様の現象が生じやすい。
また、アプリケーションローラー2の周速度Saの絶対値は特に限定されないが、大きすぎると、塗料粘度にもよるが、外周面2Aに付着した塗料Pが遠心力により飛散しやすく、被塗物Hへの塗装の精度が悪化するおそれがあり、逆に小さすぎると、塗装時間が長くなり、塗装効率が悪化するおそれがある。このような観点により、前記周速度Saは、好ましくは0.5mm/s以上、より好ましくは1.0mm/s以上が望ましく、また好ましくは50.0mm/s以下、より好ましくは40.0mm/s以下が望ましい。
また、本実施形態では、アプリケーションローラー2は、塗布面部5の周方向の一方の端部5e1から被塗物Hへの塗料Pの付着を開始するとともに、該塗布面部5の周方向の他方の端部5e2で前記付着を終える。これにより、被塗物Hの全周(360度)に亘り1回塗りを行うように前記周速度の比So/Saが設定されている。換言すれば、被塗物Hの周長さL1は、前記塗布面部5の周長さL2と前記周速度比So/Saとの積と等しく設定されている。これにより、被塗物Hを1回転させたときに、その外周面への1回塗りが完結できる。
なお、被塗物Hへ2回以上塗り重ねを行う場合、被塗物Hの外周面には1回転目に塗装された塗料Pがすでに付着されているため、被塗物Hに付着した塗料Tの外表面と前記塗布面部5に付着した塗料Tの外表面との隙間が小さくなる。このため、前記近接部11に塗料Pが溜まり易く、均一厚さの塗膜を形成するのに困難となる傾向があるため好ましくない。
そして、被塗物H及びアプリケーションローラー2の回転が進むと、図3(d)に示されるように、被塗物Hとアプリケーションローラー2との近接部11が、塗布面部5の他端5e2から段差部7に切り替わる。これにより、アプリケーションローラー2から被塗物Hへの塗料の供給を停止させるとともに、近接部11の余剰の塗料Pを段差部7側へと逃がすことができる。従って、被塗物Hをアプリケーションローラー2から離間させることなく塗料切りが確実に行われ、塗り終え位置で局部的に塗膜厚さが大きくなるのを防止し、より確実に塗膜厚さを均一にすることができる。
とりわけ、図2に示したように、段差部7が、前記面取り部7Bを介して塗布面部5と非塗布面部6とに接続されているときは、その切り替えがより滑らかに行われ、さらに均一な塗膜の形成に役立つ。また、前記面取り部7Bを有する段差部7は、塗料パン3内に進入する際、塗料Pに段差部7が接触するときの衝撃を緩和でき、塗料パン3内で塗料の過度の波打ちや飛散を防止しうる点で好ましいものとなる。
なお、アプリケーションローラー2の塗布面部5と非塗布面部6との半径差R1−R2は、特に限定されるものではないが、小さ過ぎると、余剰塗料を十分に逃がすことができないので、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上が望ましい。他方、前記半径差R1−R2が大きすぎると、アプリケーションローラー2の重心が回転中心O1から大きくずれ、均一な速度で回転させるのが困難な傾向がある。このような観点より、前記半径差R1−R2は、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下が望ましい。
そして、塗装を終えると、図3(e)に示されるように、非塗布面6が被塗物Hに対向している間に、アプリケーションローラー2と被塗物Hとを離間させる。なお、離脱後も、被塗物Hは、所定時間回転させた状態で保持する工程が付加されても良い。これにより、未硬化の塗膜の厚さを重力、遠心力及び塗料自身のセルフレベリング性を用いて平均化することができ、塗膜のバラツキをより一層抑えることができる。
以上のような作用により、ロールコーター装置1を用いた本実施形態の塗装方法によれば、アプリケーションローラー2と被塗物Hとの近接部11での塗料溜りを減じることができる。従って、被塗物Hの塗り終え部での塗料の切れが良くなり、ひいては局部的な塗膜厚さの増大などを効果的に防止することができる。従って、本実施形態の塗装方法によれば、簡単な構成で均一な塗膜厚さで被塗物を塗装しうる。
また、前記塗料Pの粘度も特に限定されるものではないが、種々の実験の結果、上述の比So/Saで回転させる際には、好ましくは0.5dPa・s以上、より好ましくは1.0dPa・s以上が望ましく、また好ましくは20dPa・s以下、より好ましくは10dPa・s以下とすることで最良の結果を得ることができる。
図4(a)及び(b)には、アプリケーションローラー2の段差部7の他の実施形態が示される。図4(a)の実施形態では、アプリケーションローラー2の断面視において、前記直線部7Aと塗布面部5とがなす角部が、傾斜直線からなる面取り部7Cで面取り(C面取り)されている。
また、図4(b)の実施形態では、段差部7が、塗布面部5の端部5eから半径方向に沿って直線状で延びる直線部7Aだけで構成されている。このように、段差部7は、種々の態様に変形しても、前記作用を得ることができる。ただし、好ましくは図2又は図4(a)のように、塗布面部5から段差部7への余剰塗料の逃がしを徐々に行わせる形態が塗装精度をより向上させる点で望ましい。また、図4(b)の段差部7を除くこれらの段差部形状は、段差部7に生じる応力を分散させ、アプリケーションローラー2の耐久性を高めるのにも役立つ。
図5には、アプリケーションローラー2のさらに他の実施形態が示される。この実施形態では、段差部7が一つのみであるとともに、非塗布面部6の半径R2が非一定で形成されている。この例では、非塗布面部6の外周面2Aは、段差部7から遠ざかるにつれて半径R2が大きくなり、最終的にはR1まで滑らかに漸増している。このようなアプリケーションローラー2は、被塗物Hと滑らかに当接できるため、塗り始め時の塗料の付着を良好とし、さらに塗膜厚さを均一化するのに役立つ。
なお、上記各実施形態のロールコーター装置1では、塗料パン3に収容された塗料Pは、直接アプリケーションローラー2の外周面2Aに付着させているが、図6に示されるように、中間ロール10を介在させて塗料Pをアプリケーションローラー2の外周面2Aに付着させても良いのは言うまでもない。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
図2及び図7に示されるアプリケーションローラーを有するロールコーター装置により以下の条件で被塗物に塗装を行い、その塗膜厚さなどの性能評価が行われた。また、比較例として、アプリケーションローラーとを被塗物とを互いに逆方向に回転させる方法や、互い同方向に回転させているが周速度比を1.0とした方法についても同様の評価が行われた。主な条件は、次の通りである。
塗料:水性ウレタン樹脂系塗料
塗料の粘度:5.0dPa・s
被塗物の素材:アルミニウムA6063
被塗物の半径:12mm(塗料付着前)
目標乾燥膜厚:50μm
塗布面部の半径R1:50mm
塗布面部の周長さL2:24π/(So/Sa)mmに調整
非塗布面部の半径R2:40mm
段差部の直線部7Aの半径方向の長さ:5mm
面取り部(R面取り)の曲率半径:5mm
塗布面部と被塗物とのギャップ:目標乾燥膜厚を得られるよう、数回試し塗りを行い0.05〜0.15mmの範囲で調整した。
図7に示されるアプリケーションローラーの半径R4:50mm
アプリケーションローラーの周速度:10mm/s
塗装時におけるアプリケーションローラーの回転数:1回
テストの方法は、次の通りである。
<外観検査>
塗装された被塗物(塗膜の完全硬化後)の塗り重ね部やロールコーター切り離し部(塗料切れ部)の外観を肉眼で観察した。評価は、次の通りとした。
××:塗り重ね部・切り離し部において、長手方向に幅5mm以上の塗膜盛り上がり部又は塗膜タレ部が見受けられるもの。
×:塗り重ね部・切り離し部において、長手方向に幅2〜5mm程度の塗膜盛り上がり部又は塗膜タレ部が見受けられるもの。
○:塗り重ね部・切り離し部において、上記欠陥が見受けられないもの。
<フレ精度測定>
前記被塗物を一定速度で回転させ、その断面方向にレーザー測定機を用いて被塗物を1回転以上させるとともに、均等に32回測定し、外径のフレ精度を測定した。0.05mm以下を合格とした。
Figure 2011088122
Figure 2011088122
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて外観上の見栄えがよく、塗膜厚さが均一に保たれていることが確認できる。なお、種々のテストにおいて、周速度比So/Saを5以上にすると塗装不良が生じたためテストを中止した。
また、実施例1〜3(周速度比2.0〜4.0の範囲)において、塗料の粘度を1.0〜10dPa・Sの範囲で1dPa・S毎に変えて同様の実験を行ったが、いずれも表1とほぼ同等の良好な結果が得られた。
1 ロールコーター装置
2 アプリケーションローラー
2A 外周面
3 塗料パン
5 塗布面部
R1 塗布面部の半径
6 非塗布面部
R2 非塗布面部の半径
7 段差部
7A 直線部
7B 面取り部
7C 面取り部
10 中間ロール
H 被塗物
P 塗料

Claims (6)

  1. 塗料を収容する塗料パンと、前記塗料パンから直接又は中間ロールを介して前記塗料を外周面に付着させるとともにこの外周面に付着した塗料を被塗物に付着させて塗装を行うアプリケーションローラーとを含むロールコーター装置を用いて断面の外周が円形である被塗物に塗料を塗装する塗装方法であって、
    前記アプリケーションローラーは、前記外周面の塗料を前記被塗物に付着させる半径を有した塗布面部と、前記被塗物に塗料を付着させない半径を有する非塗布面部と、これらの間を継ぐ余剰塗料を逃すための段差部とを有するとともに、
    前記アプリケーションローラーと前記被塗物とを同一方向に回転させるとともに、前記被塗物の周速度Soと、前記アプリケーションローラーの周速度Saとの比So/Saを1.0より大とすることを特徴とするロールコーター装置を用いた塗装方法。
  2. 前記周速度比So/Saを2.0〜4.0とする請求項1記載のロールコーター装置を用いた塗装方法。
  3. 前記アプリケーションローラーは、前記塗布面部の周方向の一方の端部から被塗物への塗料の付着を開始するとともに、該塗布面部の周方向の他方の端部で前記付着を終えることにより、前記被塗物の全周に亘り1回塗りを行う請求項1又は2記載のロールコーター装置を用いた塗装方法。
  4. 前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部の端部から半径方向内方に直線状でのびる直線部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法。
  5. 前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部側の端部に滑らかな円弧で面取りされた面取り部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法。
  6. 前記アプリケーションローラーの断面視において、前記段差部は、前記塗布面部側の端部に傾斜直線で面取りされた面取り部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のロールコーター装置を用いた塗装方法。
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