JP2011087413A - 車両のモータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流モータの停止中に無効電流指令を行ったときに電流センサのセンサコアが着磁することを防止できるようにする。
【解決手段】交流モータ17の停止中に無効電流指令を行ったときのV相及びW相の電流指令値Iv ,Iw と、V相及びW相の電流センサ38,39の出力iv ,iw とに基づいて、電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を算出し、このゲイン誤差の比を用いて電流センサ38,39の一方の出力を補正してゲイン誤差の不均衡を補正するシステムにおいて、無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を周期的に変化させると共にq軸指令電流Iq を0に設定することで、交流モータ17の各相の電流指令値を周期的に変化させて、各相に交流電流を流す。これにより、電流センサ38,39のセンサコアが着磁することを防止して、電流センサ38,39の出力特性の変化を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載された交流モータと、該交流モータに流れる電流を検出する電流センサとを備えた車両のモータ制御装置に関する発明である。
車両の動力源として交流モータを搭載した電気自動車やハイブリッド車においては、交流モータの各相のうちの少なくとも1つの相に流れる電流を検出する電流センサを設け、この電流センサの出力(電流検出値)を用いて交流モータを制御するようにしたものがある。
このようなモータ制御システムにおいては、交流モータの停止中にディスチャージ処理を行うようにしたものがある。このディスチャージ処理では、例えば、交流モータの停止中にd軸指令電流を所定値(≠0)に設定すると共にq軸指令電流を0に設定することで交流モータのトルク発生に寄与しない無効電流(d軸電流、或は磁束分電流)を交流モータに流すように指令する無効電流指令、すなわちゼロトルク指令を行うようにしている。
また、電流センサに関しては、特許文献1(実用新案登録第3142092号公報)に記載されているように、電流センサに対して抵抗素子を直列に接続すると共に、これらの電流センサ及び抵抗素子に対してダイオード素子を並列に接続し、被検出電流のうちの所定値分の電流が電流センサ及び抵抗素子を流れて、その所定値を越えた分の電流がダイオード素子を流れるように抵抗素子の抵抗値を設定することで、電流センサに所定値を越える被検出電流が流れることを防止して電流センサのセンサコア(磁性コア)が着磁することを防止するようにしたものがある。
実用新案登録第3142092号公報(第2頁等)
ところで、交流モータの各相の電流指令値は、d軸指令電流とq軸指令電流とロータ回転位置に応じて変化するが、無効電流指令を行う際には、トルク発生に寄与するq軸指令電流を0に設定するため、交流モータの各相の電流指令値は、d軸指令電流とロータ回転位置によって決まる。
しかし、交流モータの停止中はロータ回転位置が変化しない(つまりロータ回転位置が一定値になる)ため、交流モータの停止中にd軸指令電流を所定値に固定して無効電流指令を行うと、交流モータの各相の電流指令値が一定値となる。これにより、交流モータの各相に直流電流が流れて、電流センサに直流電流が流れるため、電流センサのセンサコアが着磁してしまう可能性あり、電流センサのセンサコアが着磁すると、その影響で電流センサの出力特性が変化して電流検出精度が低下する可能性がある。
この対策として、上記特許文献1の技術を利用して、交流モータの電流センサに対して抵抗素子を直列に接続すると共に、これらの電流センサ及び抵抗素子に対してダイオード素子を並列に接続することが考えられるが、この場合、既存の電流検出回路に抵抗素子やダイオード素子を新たに追加する必要があり、システム構成(電流検出回路の構成)に変更を加える必要が生じる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、システム構成を変更することなく、交流モータの停止中に無効電流指令を行ったときに電流センサのセンサコアが着磁することを防止できる車両のモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載された交流モータと、該交流モータに流れる電流を検出する電流センサとを備えた車両のモータ制御装置において、交流モータの停止中に該交流モータのトルク発生に寄与しない無効電流を該交流モータに流すように指令する無効電流指令を行う無効電流指令手段を備え、この無効電流指令手段は、交流モータのロータ回転座標として設定したd−q座標系におけるd軸指令電流を周期的に変化させると共にq軸指令電流を0に設定して無効電流指令を行うようにしたものである。
このように、交流モータの停止中に無効電流指令を行う際に、d軸指令電流を周期的に変化させるようにすれば、交流モータのロータ回転位置が変化しなくても、交流モータの各相の電流指令値を周期的に変化させることができる。これにより、交流モータの各相に交流電流を流すことができ、電流センサに交流電流を流すことができるため、電流センサのセンサコアが着磁することを防止できる。しかも、既存の電流検出回路に抵抗素子やダイオード素子等を新たに追加する必要がないため、システム構成(電流検出回路の構成)に変更を加える必要がない。
この場合、請求項2のように、無効電流指令手段は、d軸指令電流を正弦波形で周期的に変化させるようにすると良い。このようにすれば、比較的簡単な演算処理でd軸指令電流を周期的に変化させることができる。
また、請求項3のように、無効電流指令手段により交流モータの停止中に無効電流指令を行ったときの電流指令値と電流センサの出力とに基づいて該電流センサのゲイン誤差又はこれに関連性のある情報(以下これらを「ゲイン誤差情報」と総称する)を算出するゲイン誤差情報算出手段と、このゲイン誤差情報算出手段で算出したゲイン誤差情報を用いて電流センサの出力を補正するセンサ出力補正手段とを備えた構成としても良い。
この構成では、交流モータの停止中に無効電流指令を行ったときの電流指令値が、交流モータに流れる実電流とほぼ等しくなると見なして、該電流指令値を実電流の代用情報として用い、該電流指令値(実電流の代用情報)と電流センサの出力(電流検出値)とからゲイン誤差情報(例えばゲイン誤差やゲイン誤差の比)を算出することで、ゲイン誤差情報を精度良く算出することができる。そして、このゲイン誤差情報を用いて電流センサの出力を補正することで、電流センサのゲイン誤差の影響を補正することができ、電流センサの出力に基づく電流検出精度やモータ制御精度を向上させることができる。
更に、請求項4のように、交流モータの各相のうちの第1の相に流れる電流を検出する第1の電流センサ及び第2の相に流れる電流を検出する第2の電流センサとを備えている場合には、無効電流指令を行ったときの第1及び第2の相の電流指令値の比(第1の相の電流指令値と第2の相の電流指令値との比)と、第1及び第2の電流センサの出力の比(第1の電流センサの出力と第2の電流センサの出力との比)とに基づいて、第1及び第2の電流センサのゲイン誤差の比(第1の電流センサのゲイン誤差と第2の電流センサのゲイン誤差との比)をゲイン誤差情報として算出し、このゲイン誤差の比を用いて第1の電流センサの出力又は第2の電流センサの出力を補正するようにしても良い。
このようにすれば、第1及び第2の相の電流指令値(実電流の代用情報)の比と、第1及び第2の電流センサの出力(電流検出値)の比とに基づいて、第1及び第2の電流センサのゲイン誤差の比を算出することで、ゲイン誤差の比を精度良く算出することができる。そして、このゲイン誤差の比を用いて第1の電流センサの出力と第2の電流センサの出力のうちの一方を補正することで、第1の電流センサと第2の電流センサのゲイン誤差の不均衡を補正することができ、第1及び第2の電流センサの出力に基づくモータ制御精度を向上させることができる。
尚、請求項3に係る発明は、ゲイン誤差情報として、第1及び第2の電流センサのゲイン誤差の比を算出する構成に限定されず、無効電流指令を行ったときの電流指令値(実電流の代用情報)と電流センサの出力(電流検出値)とに基づいて電流センサのゲイン誤差を算出し、このゲイン誤差を用いて電流センサの出力を補正することで、電流センサのゲイン誤差による電流検出値のずれを補正して、電流センサの出力に基づく電流検出精度やモータ制御精度を向上させるようにしても良い。
図1は本発明の実施例1における交流モータ制御システム全体の概略構成図である。 図2は例としてオープンループ時のゲイン誤差比算出機能を説明するブロック図である。 図3の(a)はd軸指令電流を所定値に設定した場合に交流モータの各相に流れる電流の挙動を示すタイムチャートであり、図3の(b)はd軸指令電流を周期的に変化させた場合に交流モータの各相に流れる電流の挙動を示すタイムチャートである。 図4はゲイン誤差比算出ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図5はセンサ出力補正ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図6は実施例2の無効電流指令制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図7は電流フィードバック制御を説明するブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態を、交流モータを駆動源とする電気自動車又はハイブリッド車に適用して具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて交流モータ制御システム全体の概略構成を説明する。
二次電池等からなる直流電源11には、昇圧コンバータ12が接続され、この昇圧コンバータ12は、直流電源11の直流電圧を昇圧してシステム電源ライン13とアースライン14との間に直流のシステム電圧を発生させたり、このシステム電圧を降圧して直流電源11に電力を戻す機能を持つ。システム電源ライン13とアースライン14との間には、システム電圧を平滑化する平滑コンデンサ15や、電圧制御型の三相のインバータ16が接続され、このインバータ16で交流モータ17が駆動される。
交流モータ17は、三相永久磁石式同期モータで、永久磁石が内蔵されたものであり、ロータの回転位置θを検出するロータ回転位置センサ18が搭載されている。昇圧コンバータ12には、入力コンデンサ19とリアクトル20と、2つのスイッチング素子21,22が設けられ、各スイッチング素子21,22に、それぞれ還流ダイオード23,24が並列に接続されている。また、電圧制御型の三相のインバータ16には、6つのスイッチ素子25〜30(上アームの各相の3つのスイッチング素子25,27,29と下アームの各相の3つのスイッチング素子26,28,30)が設けられ、各スイッチング素子25〜30に、それぞれ還流ダイオード31〜36が並列に接続されている。
このインバータ16は、モータ制御回路37から出力される三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに基づいて、システム電源ライン13の直流電圧(昇圧コンバータ12によって昇圧されたシステム電圧)を三相の交流電圧U,V,Wに変換して交流モータ17を駆動する。交流モータ17のV相に流れるV相電流iv がV相電流センサ38によって検出され、交流モータ17のW相に流れるW相電流iw がW相電流センサ39によって検出される。
モータ制御回路37は、システム電圧が目標電圧となるように昇圧コンバータ12を制御すると共に、交流モータ17の出力トルクが目標トルク(トルク指令値)となるようにインバータ16を制御して交流モータ17に印加する交流電圧を調整するトルク制御を実行する。このトルク制御では、図示しないメイン制御回路等から出力されるトルク指令値と、交流モータ17のV相電流iv とW相電流iw (電流センサ38,39の出力信号)と、交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転位置センサ18の出力信号)とに基づいて、例えば正弦波PWM制御方式又は矩形波制御方式等で三相電圧指令信号を生成してインバータ16に出力する。
また、モータ制御回路37は、後述する図4のゲイン誤差比算出ルーチンを実行することで、交流モータ17の制御システムの起動直後のシステムチェック処理中(つまり交流モータ17の制御開始前の交流モータ17の停止中)に、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流すように指令する無効電流指令を行い、この無効電流指令を行ったときのV相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )と、V相及びW相の電流センサ38,39の出力の比(iv /iw )とに基づいて、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )をゲイン誤差情報として算出する。この場合、V相とW相が特許請求の範囲でいう第1の相と第2の相に相当し、V相の電流センサ38とW相の電流センサ39が特許請求の範囲でいう第1の電流センサと第2の電流センサに相当する。
具体的には、図2に示すように、まず、交流モータ17のロータ回転座標として設定したd−q座標系における指令電流ベクトル(d軸指令電流Id ,q軸指令電流Iq )のd軸指令電流Id を後述する方法で設定すると共に、q軸指令電流Iq を0に設定することで、d−q座標系のd軸上に電流ベクトルを制御するように設定して、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流すように指令する無効電流指令を行う。
この場合、指令電流ベクトル(d軸指令電流Id ,q軸指令電流Iq )を指令電圧ベクトル(d軸指令電圧Vd ,q軸指令電圧Vq )に変換し、この指令電圧ベクトル(d軸指令電圧Vd ,q軸指令電圧Vq )と、ロータ回転位置センサ18で検出した交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転停止位置)とに基づいて、三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を求める。この後、三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を、例えば正弦波PWM制御方式又は矩形波制御方式等で三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに変換し、これらの三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLをインバータ16に出力する。これにより、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流す。
また、V相電流指令値Iv とW相電流指令値Iw は、指令電流ベクトル(d軸指令電流Id ,q軸指令電流Iq )と交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転停止位置)とを用いて下記(1),(2)式により表すことができる。
Figure 2011087413
無効電流指令を行う際には、トルク発生に寄与するq軸指令電流Iq を0に設定するため、上記(1),(2)式から下記(3),(4)式が得られる。
Figure 2011087413
更に、上記(3),(4)式から下記(5)式が得られる。
Iv /Iw =cos(θ−2/3×π)/cos(θ+2/3×π) ……(5)
上記(5)式によって、無効電流指令を行ったときのV相電流指令値Iv とW相電流指令値Iw との比(Iv /Iw )を求めることができ、その際、V相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )は、機器定数(抵抗R等)の影響を受けずに交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転停止位置)のみによって決まる。
本実施例1では、交流モータ17の停止中に無効電流指令を行ったときの三相電流指令値Iu ,Iv ,Iw が、交流モータ17の各相に流れる実電流とほぼ等しくなると見なして、V相電流指令値Iv をV相の実電流の代用情報として用いると共に、W相電流指令値Iw をW相の実電流の代用情報として用いる。
V相及びW相の電流センサ38,39のオフセット誤差補正後であれば、V相電流検出値iv (V相電流センサ38の出力)は、V相電流センサ38のゲイン誤差kv とV相電流指令値Iv (V相の実電流の代用情報)とを用いて下記(6)式により表すことができ、W相電流検出値iw (W相電流センサ39の出力)は、W相電流センサ39のゲイン誤差kw とW相電流指令値Iw (W相の実電流の代用情報)とを用いて下記(7)式により表すことができる。
iv =kv ×Iv ……(6)
iw =kw ×Iw ……(7)
上記(6),(7)式から下記(8)式が得られる。
kv /kw =(iv /iw )/(Iv /Iw ) ……(8)
上記(8)式によって、無効電流指令を行ったときのV相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )と、V相及びW相の電流センサ38,39の出力の比(iv /iw )とを用いて、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を求めることができる。
前述したように、V相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )は、機器定数(抵抗R等)の影響を受けずに交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転停止位置)のみによって決まるため、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )は、機器定数(抵抗R等)の影響を受けずに求めることができる。
このようにして求めたV相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )は、モータ制御回路37のバックアップRAM40等の書き換え可能な不揮発性メモリ(モータ制御回路37の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶される。
更に、モータ制御回路37は、後述する図5のセンサ出力補正ルーチンを実行して、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてW相電流センサ39の出力(W相電流検出値iw )を補正することで、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正する。
具体的には、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてW相電流センサ39の出力(W相電流検出値iw )を次式により補正して最終的なW相電流検出値iw'を求め、V相電流センサ38の出力(V相電流検出値iv )をそのまま最終的なV相電流検出値iv'とする。
iv'=iv ……(9)
iw'=iw ×(kv /kw ) ……(10)
上記(9),(10)式は、それぞれ上記(6),(7)式の関係を用いて次のように表すことができる。
iv'=iv =kv ×Iv
iw'=iw ×(kv /kw )=kw ×Iw ×(kv /kw )=kv ×Iw
これにより、最終的なV相電流検出値iv'と最終的なW相電流検出値iw'のゲイン誤差をV相電流センサ38のゲイン誤差kv に揃えることができ、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正することができる。
或は、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてV相電流センサ38の出力(V相電流検出値iv )を補正することで、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正するようにしても良い。
具体的には、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてV相電流センサ38の出力(V相電流検出値iv )を次式により補正して最終的なV相電流検出値iv を求め、W相電流センサ39の出力(W相電流検出値iw )をそのまま最終的なW相電流検出値iw'とする。
iv'=iv /(kv /kw ) ……(11)
iw'=iw ……(12)
上記(11),(12)式は、それぞれ上記(6),(7)式の関係を用いて次のように表すことができる。
iv'=iv /(kv /kw )=kv ×Iv /(kv /kw )=kw ×Iv
iw'=iw =kw ×Iw
これにより、最終的なV相電流検出値iv'と最終的なW相電流検出値iw'のゲイン誤差をW相電流センサ39のゲイン誤差kw に揃えることができ、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正することができる。
尚、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてV相電流センサ38の出力又はW相電流センサ39の出力を補正する処理は、電流センサ38,39の出力を用いて交流モータ17を制御するモータ制御ルーチン等で行うようにしても良い。
ところで、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw は、それぞれd軸指令電流Id とq軸指令電流Iq とロータ回転位置θに応じて変化するが、無効電流指令を行う際には、トルク発生に寄与するq軸指令電流Iq を0に設定するため、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw は、それぞれd軸指令電流Id とロータ回転位置θによって決まる(次式参照)。
Figure 2011087413
しかし、交流モータ17の停止中はロータ回転位置θが変化しない(つまりロータ回転位置θが一定値になる)ため、交流モータ17の停止中にd軸指令電流Id を所定値αに固定して無効電流指令を行うと、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw が、それぞれ一定値となる(次式参照)。
Figure 2011087413
これにより、図3の(a)に示すように、交流モータ17の各相に直流電流が流れて、電流センサ38,39に直流電流が流れるため、電流センサ38,39のセンサコアが着磁してしまう可能性あり、電流センサ38,39のセンサコアが着磁すると、その影響で電流センサ38,39の出力特性が変化して電流検出精度が低下する可能性がある。
この対策として、モータ制御回路37は、後述する図4のゲイン誤差比算出ルーチンを実行することで、交流モータ17の停止中にd軸指令電流Id を正弦波形で周期的に変化させると共にq軸指令電流Iq を0に設定して無効電流指令を行う。この場合、例えば、d軸指令電流Id は、所定値α(≠0)を用いてを次式により設定する。
Id =α×sinX (Xは、例えば時間又は時間に応じて変化する変数)
このように、交流モータ17の停止中に無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を周期的に変化させるようにすれば、交流モータ17のロータ回転位置θが変化しなくても、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw を周期的に変化させることができる(次式参照)。
Figure 2011087413
これにより、図3(b)に示すように、交流モータ17の各相に交流電流を流すことができ、電流センサ38,39に交流電流を流すことができるため、電流センサ38,39のセンサコアが着磁することを防止できる。ここで、交流モータ17の電気回路はRL回路であるため、交流モータ17の各相に流れる電流の波形は、それぞれ電流指令値Iu ,Iv ,Iw の波形(正弦波形)の一次遅れの波形になる。
以下、モータ制御回路37が実行する図4のゲイン誤差比算出ルーチン及び図5のセンサ出力補正ルーチンの処理内容を説明する。
[ゲイン誤差比算出]
図4に示すゲイン誤差比算出ルーチンは、モータ制御回路37の電源オン後に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうゲイン誤差情報算出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、交流モータ17の制御システムの起動直後(モータ制御回路37の電源オン直後)のシステムチェック処理中であるか否かを判定し、システムチェック処理中でなければ、ステップ102以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、交流モータ17の制御システムの起動直後のシステムチェック処理中であると判定されれば、交流モータ17の制御開始前における交流モータ17の停止中であると判断して、ステップ102に進み、ロータ回転位置センサ18で検出した交流モータ17のロータ回転位置θをロータ回転停止位置として読み込む。
この後、ステップ103に進み、交流モータ17のロータ回転停止位置が、無効電流指令時にV相電流指令値Iv =0となる回転位置又は無効電流指令時にW相電流指令値Iw =0となる回転位置であるか否かを判定する。ここで、無効電流指令時にV相電流指令値Iv =0となる回転位置と無効電流指令時にW相電流指令値Iw =0となる回転位置は、予めモータ制御回路37のROM(図示せず)等に記憶されている。
このステップ103で、交流モータ17のロータ回転停止位置が無効電流指令時にV相電流指令値Iv =0となる回転位置ではなく且つ無効電流指令時にW相電流指令値Iw =0となる回転位置ではないと判定された場合には、ステップ104に進み、交流モータ17のd軸指令電流Id を正弦波形で周期的に変化させると共にq軸指令電流Iq を0に設定することで、d−q座標系のd軸上に電流ベクトルを制御するように設定して、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流すように指令する無効電流指令を行う。この際、d軸指令電流Id を周期的に変化させることで、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw を周期的に変化させて、交流モータ17の各相に交流電流を流す。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいう無効電流指令手段としての役割を果たす。
この後、ステップ105に進み、交流モータ17のロータ回転位置θ(ロータ回転停止位置)を用いて、次式[上記(5)式]により、V相電流指令値Iv (V相の実電流の代用情報)と、W相電流指令値Iw (W相の実電流の代用情報)との比(Iv /Iw )を求める。
Iv /Iw =cos(θ−2/3×π)/cos(θ+2/3×π)
この後、ステップ106に進み、V相電流センサ38で検出したV相電流検出値iv (V相電流センサ38の出力)と、W相電流センサ39で検出したW相電流検出値iw (W相電流センサ39の出力)との比(iv /iw )を算出する。この場合、例えば、V相電流検出値iv のピーク値とW相電流検出値iw のピーク値との比を算出するようにしても良い。
この後、ステップ107に進み、V相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )と、V相及びW相の電流検出値の比(iv /iw )とを用いて、次式[上記(8)式]によりV相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を求める。
kv /kw =(iv /iw )/(Iv /Iw )
この後、ステップ108に進み、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を、モータ制御回路37のバックアップRAM40等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する。
これに対して、上記ステップ103で、交流モータ17のロータ回転停止位置が、無効電流指令時にV相電流指令値Iv =0となる回転位置又は無効電流指令時にW相電流指令値Iw =0となる回転位置であると判定された場合には、このロータ回転停止位置では、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を算出することができないと判断して、ステップ109に進み、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )の算出を行わずに、ゲイン誤差の比(kv /kw )を前回値に保持する(記憶値を更新しない)。
尚、上記ステップ103で、交流モータ17のロータ回転停止位置が、無効電流指令時にV相電流指令値Iv =0となる回転位置又は無効電流指令時にW相電流指令値Iw =0となる回転位置であると判定された場合に、交流モータ17にトルクを発生させて該交流モータ17のロータ回転停止位置を変更した後、無効電流指令を行ってゲイン誤差の比(kv /kw )を算出するようにしても良い。
[センサ出力補正]
図5に示すセンサ出力補正ルーチンは、モータ制御中に所定周期(例えば電流センサ38,39の出力のサンプリング周期)で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうセンサ出力補正手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、モータ制御回路37のバックアップRAM40等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶されているV相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )の記憶値を読み込んだ後、ステップ202に進み、V相電流センサ38の出力(V相電流検出値iv )とW相電流センサ39の出力(W相電流検出値iw )を読み込む。
この後、ステップ203に進み、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてW相電流センサ39の出力(W相電流検出値iw )を補正することで、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正する。或は、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてV相電流センサ38の出力(V相電流検出値iv )を補正することで、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正するようにしても良い。
以上説明した本実施例1では、交流モータ17の停止中に無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を周期的に変化させるようにしたので、交流モータ17のロータ回転位置が変化しなくても、交流モータ17の各相の電流指令値を周期的に変化させることができる。これにより、交流モータ17の各相に交流電流を流すことができ、電流センサ38,39に交流電流を流すことができるため、電流センサ38,39のセンサコアが着磁することを防止できる。その結果、電流センサ38,39のセンサコアの着磁の影響で電流センサ38,39の出力特性が変化することを抑制して、電流センサ38,39の出力に基づいた電流検出精度やモータ制御精度やゲイン誤差情報算出精度を向上させることができる。しかも、既存の電流検出回路に抵抗素子やダイオード素子等を新たに追加する必要がないため、システム構成(電流検出回路の構成)に変更を加える必要がなく、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができる。
更に、本実施例1では、d軸指令電流Id を正弦波形で周期的に変化させるようにしたので、比較的簡単な演算処理でd軸指令電流Id を周期的に変化させることができる。
また、本実施例1では、交流モータ17の停止中に無効電流指令を行ったときのV相及びW相の電流指令値Iv ,Iw をV相及びW相の実電流の代用情報として用い、無効電流指令を行ったときのV相及びW相の電流指令値の比(Iv /Iw )と、V相及びW相の電流センサ38,39の出力の比(iv /iw )とに基づいて、V相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を算出するようにしたので、機器定数(抵抗R等)の影響を受けずにV相及びW相の電流センサ38,39のゲイン誤差の比(kv /kw )を精度良く算出することができる。そして、このゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてW相電流センサ39の出力又はV相電流センサ38の出力を補正するようにしたので、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡を補正することができ、V相及びW相の電流センサ38,39の出力に基づくモータ制御精度を向上させることができる。これにより、V相電流センサ38とW相電流センサ39のゲイン誤差の不均衡によるシステム内の電力の変動を抑制することができる。しかも、交流モータ17の停止中にゲイン誤差の比(kv /kw )を算出する際に、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流すようにしたので、交流モータ17にトルクが発生することを防止して、システムに悪影響を及ぼすことを回避できる。
更に、本実施例1では、交流モータ17の制御システムの起動直後のシステムチェック処理中(つまり交流モータ17の制御開始前の交流モータ17の停止中)に無効電流指令を行ってゲイン誤差の比(kv /kw )を算出するようにしたので、交流モータ7の制御開始前にゲイン誤差の比(kv /kw )を算出することができ、交流モータ17の制御開始当初から最新のゲイン誤差の比(kv /kw )を用いてW相電流センサ39の出力又はV相電流センサ38の出力を精度良く補正して、電流センサ38,39の出力に基づいたモータ制御精度を向上させることができる。
尚、上記実施例1では、ゲイン誤差情報として、第1及び第2の電流センサのゲイン誤差の比を算出するようにしたが、これに限定されず、例えば、無効電流指令を行ったときの電流指令値(実電流の代用情報)と電流センサの出力(電流検出値)とに基づいて電流センサのゲイン誤差を算出し、このゲイン誤差を用いて電流センサの出力を補正することで、電流センサのゲイン誤差による電流検出値のずれを補正して、電流センサの出力に基づく電流検出精度やモータ制御精度を向上させるようにしても良い。
更に、交流モータの制御開始前の交流モータの停止中に無効電流指令を行ってゲイン誤差情報(例えばゲイン誤差やゲイン誤差の比)を算出する構成に限定されず、他の交流モータの停止中(例えば、交流モータの制御開始後に交流モータを停止させたときや、交流モータを停止させた状態で交流モータの制御システムを停止させるとき等)に無効電流指令を行ってゲイン誤差情報を算出するようにしても良い。
次に、図6及び図7を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
前記実施例1では、交流モータ17の停止中に電流センサ38,39のゲイン誤差情報を算出するための無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を周期的に変化させるようにしたが、本実施例2では、モータ制御回路37により後述する図6の無効電流指令制御ルーチンを実行することで、ゲイン誤差情報の算出以外の種々の要求により交流モータ17の停止中に無効電流指令を行う際に、交流モータ17のd軸指令電流Id を周期的に変化させるようにしている。
[無効電流指令制御(ゼロトルク制御)]
図6に示す無効電流指令制御ルーチンは、モータ制御回路37の電源オン後に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう無効電流指令手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、交流モータ17の停止中に無効電流指令要求(例えば、平滑コンデンサ15のディスチャージ処理を行うための無効電流指令要求等)が発生したか否かを判定する。
このステップ301で、交流モータ17の停止中に無効電流指令要求が発生したと判定されれば、ステップ302に進み、交流モータ17のd軸指令電流Id を正弦波形で周期的に変化させると共にq軸指令電流Iq を0に設定することで、d−q座標系のd軸上に電流ベクトルを制御するように設定して、交流モータ17のトルク発生に寄与しない無効電流を交流モータ17に流すように指令する無効電流指令を行う。この際、d軸指令電流Id を周期的に変化させることで、交流モータ17の各相の電流指令値Iu ,Iv ,Iw を周期的に変化させて、交流モータ17の各相に交流電流を流す。
以上説明した本実施例2においても、交流モータ17の停止中に無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を周期的に変化させるようにしたので、電流センサ38,39のセンサコアが着磁することを防止でき、電流センサ38,39のセンサコアの着磁の影響で電流センサ38,39の出力特性が変化することを抑制して、電流センサ38,39の出力に基づいた電流検出精度やモータ制御精度やゲイン誤差情報算出精度を向上させることができる。
尚、上記実施例2のように、電流センサのゲイン誤差情報の算出以外の要求により無効電流指令を行う際には、交流モータ13の出力トルクを確実にゼロとするために、電流フィードバック制御を行うことが望ましい。これは、周期的に変化するd軸電流を指令したとしても、その電流変化の過程において確実にトルク発生に寄与しないd軸電流(或は磁束分電流)のみを指令し続け、トルク発生に寄与するq軸電流(トルク分電流)は常にゼロとなるように制御するためである。
電流フィードバック制御を行う場合には、例えば図7に示すように、指令電流ベクトル(d軸指令電流Id ,q軸指令電流Iq )のd軸指令電流Id をβ(=α×sinX)に設定すると共にq軸指令電流Iq を0に設定する。更に、交流モータ17のV相電流iv とW相電流iw (電流センサ38,39の出力信号)とロータ回転位置θ(ロータ回転位置センサ18の出力信号)とに基づいて交流モータ17に実際に流れる電流の検出値である検出電流ベクトル(d軸検出電流id ,q軸検出電流iq )を演算する。
この後、d軸指令電流Id とd軸検出電流id との偏差が小さくなるようにPI制御等によりd軸指令電圧Vd を演算すると共に、q軸指令電流Iq とq軸検出電流iq との偏差が小さくなるようにPI制御等によりq軸指令電圧Vq を演算して、指令電圧ベクトル(d軸指令電圧Vd ,q軸指令電圧Vq )を求める。
この指令電圧ベクトル(d軸指令電圧Vd ,q軸指令電圧Vq )とロータ回転位置θとに基づいて三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を求めた後、これらの三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を、例えば正弦波PWM制御方式又は矩形波制御方式等で三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに変換し、これらの三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLをインバータ16に出力する。このようにして、交流モータ17のd軸電流とq軸電流をフィードバック制御する電流フィードバック制御を行うことで、交流モータ17の出力トルクを確実にゼロにすることができる。
これに対して、上記実施例1のように、電流センサのゲイン誤差情報を算出するために無効電流指令を行う際には、純粋なゲイン誤差情報を算出するために、オープンループ制御(電流センサ値をフィードバックしない制御)を行うことが望ましい。これは、上記実施例1において電流フィードバック制御を行うと、電流の指令値と実際値との偏差に基づく補正項が指令値に加減されて、正確なゲイン誤差補正の弊害と成り得るからである。
尚、上記各実施例1,2では、無効電流指令を行う際に、d軸指令電流Id を正弦波形で周期的に変化させるようにしたが、これに限定されず、d軸指令電流Id を周期的に変化させる方法を適宜変更しても良く、例えば、d軸指令電流Id をパルス波形(矩形波形)や三角波形等で周期的に変化させるようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、交流モータの3つの相のうちの2つの相に流れる電流を検出するように2つの電流センサを備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、交流モータの3相に流れる電流を検出するように3つ以上(例えば2重系など)の電流センサを備えたシステムに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、電気自動車やハイブリッド車の駆動源として搭載される交流モータの制御システムに限定されず、車両に搭載される種々の交流モータの制御システムに適用しても良い。
11…直流電源、12…昇圧コンバータ、16…インバータ、17…交流モータ、18…ロータ回転位置センサ、37…モータ制御回路(無効電流指令手段,ゲイン誤差情報算出手段,センサ出力補正手段)、38…V相電流センサ、39…W相電流センサ、40…バックアップRAM

Claims (4)

  1. 車両に搭載された交流モータと、該交流モータに流れる電流を検出する電流センサとを備えた車両のモータ制御装置において、
    前記交流モータの停止中に該交流モータのトルク発生に寄与しない無効電流を該交流モータに流すように指令する無効電流指令を行う無効電流指令手段を備え、
    前記無効電流指令手段は、前記交流モータのロータ回転座標として設定したd−q座標系におけるd軸指令電流を周期的に変化させると共にq軸指令電流を0に設定して前記無効電流指令を行うことを特徴とする車両のモータ制御装置。
  2. 前記無効電流指令手段は、前記d軸指令電流を正弦波形で周期的に変化させる手段を有することを特徴とする請求項1に記載の車両のモータ制御装置。
  3. 前記無効電流指令手段により前記交流モータの停止中に前記無効電流指令を行ったときの電流指令値と前記電流センサの出力とに基づいて該電流センサのゲイン誤差又はこれに関連性のある情報(以下これらを「ゲイン誤差情報」と総称する)を算出するゲイン誤差情報算出手段と、
    前記ゲイン誤差情報算出手段で算出したゲイン誤差情報を用いて前記電流センサの出力を補正するセンサ出力補正手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のモータ制御装置。
  4. 前記交流モータの各相のうちの第1の相に流れる電流を検出する第1の電流センサ及び第2の相に流れる電流を検出する第2の電流センサとを備え、
    前記ゲイン誤差情報算出手段は、前記無効電流指令を行ったときの前記第1及び第2の相の電流指令値の比と、前記第1及び第2の電流センサの出力の比とに基づいて、前記第1及び第2の電流センサのゲイン誤差の比を前記ゲイン誤差情報として算出する手段を有し、
    前記センサ出力補正手段は、前記ゲイン誤差情報算出手段で算出したゲイン誤差の比を用いて前記第1の電流センサの出力又は前記第2の電流センサの出力を補正する手段を有することを特徴とする請求項3に記載の車両のモータ制御装置。
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