JP2011086442A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチユニット構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、電荷発生層材料に起因する駆動初期の輝度劣化や経時での電圧上昇を解決する。
【解決手段】複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442

【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)は、電極と電極の間を厚さわずか0.1μm程度の有機材料の膜で構成する全固体素子であり、且つ、その発光が2V〜20V程度の比較的低い電圧で達成できることから、次世代の平面ディスプレイや照明として期待されている技術である。
リン光発光を利用した有機EL素子の発見により、以前の蛍光発光を利用するそれに比べ原理的に約4倍の発光効率が実現可能であることから、その材料開発を初めとし、発光素子の層構成に関する研究開発が世界中で行われている。(例えば、M.A.Baldo et al.,Nature、395巻、151〜154頁(1998年)、M.A.Baldo et al.,Nature、403巻、17号、750〜753頁(2000年)、米国特許第6,097,147号明細書、S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年))
近年有機EL素子の面発光光源としての魅力が高まると共に、その商品用途としての機能から「高効率、高輝度、長寿命」の全てを満足させる必要が高まっている。これらの要求に対する、多くの発明がこれまでにも成されているが、一般に有機ELの素子寿命は発光輝度とトレードオフの関係にあり、高輝度と長寿命を両立させることが出来ない(例えば、有機ELのデバイス物理・材料化学・デバイス応用、シーエムシー出版257〜267頁(2007年刊))。このジレンマに対する技術的解決手段として、有機EL素子を直列接続したマルチユニット構造を有する有機EL素子が報告されている(例えば、特許文献1、2)。
特許第3884564号明細書 特許第3933591号明細書
マルチユニット構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、電荷発生層材料に起因する駆動初期の輝度劣化や経時での電圧上昇が課題となっており、本発明の目的は、それらの課題を解決することにある。
本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
1.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、X,X,X,Xは各々独立にN又はCRであり、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。MはH、金属原子またはTiO、VOを表す。Mで表される金属原子としては、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
2.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層にイミダゾールラジカル類を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。また、R,R,R,Rは各々独立に水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。MはH、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
4.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(F)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。)
5.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つ一般式(G)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。X,X,X,Xは各々独立にO,S,Se,Teであり、MはH、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
6.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(H)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、X,X,X,X,X,X,X,Xは各々独立にNまたはCRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。Rは水素原子又は置換基である。)
7.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(J)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2011086442
(式中、a,b,c,d,eは−NRn1−,−CRc1c2−であり、ここにおいて、Rn1,Rc1,Rc2は各々独立に水素原子又は置換基であり、EはN、−CRc3−であり、Rc3は水素原子又は置換基である。MはMo,Wであり、n,mは0〜5を表す。)
8.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つメタロセン誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つポリシアノ誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つポリニトロ誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つナノカーボン材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つ複素芳香族炭化水素を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.該電荷発生層の形成に蒸着プロセスが用いられることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
14.該電荷発生層の形成に塗布プロセスが用いられることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
15.前記電荷発生層の少なくとも1層が有機ドナーと有機アクセプターを含むことを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
16.前記電荷発生層に含有される化合物が、重合性基を有することを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
17.重合性基を有する前記電荷発生層に含有される化合物が、該化合物に、塗布プロセスと同時に、もしくは、塗布プロセス後に、熱、光、電磁波、電界、プラズマのうち1つ以上の処理を適用することにより、共有結合を形成し高分子量化する化合物であることを特徴とする前記16に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
18.発光ユニットを構成する少なくとも1層以上の有機エレクトロルミネッセンス層のうち、前記電荷発生層の下層にあたる有機エレクトロルミネッセンス層が、高次に共有結合、水素結合、または配位結合、を有する高分子体、有機錯体、無機酸化物であることを特徴とする前記16または17記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
19.発光ユニットを構成する少なくとも1層以上の有機エレクトロルミネッセンス層のうち、前記電荷発生層の下層にあたる有機エレクトロルミネッセンス層が、電子輸送層であることを特徴とする前記18記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
20.前記電子輸送層が、ビニル基もしくはエポキシ基、もしくはオキセタン基を有する有機化合物の低分子量体を塗布プロセスにて成膜し、塗布プロセスと同時に、もしくは、塗布プロセス後に、熱、光、電磁波、電界、プラズマのうち1つ以上の処理を適用することにより低分子量体同士に共有結合が形成し、高分子量体を形成することを特徴とする前記19記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
21.燐光発光することを特徴とする前記1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
22.前記1〜21のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする照明装置。
本発明により、マルチユニット構造を有する有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子において、重要な役割を果たす電荷発生層材料として新規材料を見出し、低電圧化。さらには、駆動初期の輝度劣化抑制と経時での電圧上昇を抑えることに成功した。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。 表示部Aの模式図である。 画素の模式図である。 パッシブマトリクス方式フルカラー表示装置の模式図である。 照明装置の概略図である。 照明装置の模式図である。 有機ELフルカラー表示装置の概略構成図を示す。
本発明の有機EL素子材料を用いると、駆動初期の輝度劣化抑制と経時での電圧上昇を抑えられた有機EL素子を提供することができた。併せて、該素子を具備した表示装置及び照明装置を提供することができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《有機EL素子の構成層、有機化合物層》
本発明の有機EL素子の層構成について説明する。本発明の有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1) 陽極/(発光ユニット/CGL)n/発光ユニット/陰極
( )内は繰返し単位を表し、nは繰返し数を表し、1〜100の整数である。
本発明の有機EL素子の発光ユニット(有機化合物層ともいう)、その層構成等について説明する。本発明の有機EL素子の発光ユニットの有機化合物層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(ii)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(iii)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層
(iv)陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
バッファー層
《有機化合物層(有機層ともいう)》
本発明に係る発光ユニットを構成する有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、構成層として複数の有機化合物層を有することが好ましく、該有機化合物層としては、例えば、上記の層構成の中で、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層等が挙げられるが、その他、正孔注入層、電子注入層等、有機EL素子の構成層に含有される有機化合物が含有されていれば、本発明に係る有機化合物層として定義される。更に、陽極バッファー層、陰極バッファー層等に有機化合物が用いられる場合には、陽極バッファー層、陰極バッファー層等も、各々有機化合物層を形成していることになる。
尚、前記有機化合物層には、「有機EL素子の構成層に使用可能な有機EL素子材料」等を含有する層も含まれる。
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430nm〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510nm〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600nm〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。
また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。
本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明の有機EL素子を構成する各層について説明する。
〈電荷発生層(CGL)〉
《電荷発生層の層構成》
本発明の電荷発生層の層構成について説明する。下記(1)〜(10)に示した層を単独、もしくは任意に複数層組み合わせることで、本発明の電荷発生層として使用できる。
本発明において電荷発生層は少なくとも1層以上から形成される。
電荷発生層は半導体以上の導電性を有することが望ましいが、それに限定するものではない。
電荷発生層とは電界が形成されるときに、正孔と電子を発生する層であるが、その発生界面は、電荷発生層内でもよく、また電荷発生層と他層の界面もしくはその近傍でも良い。
例えば、電荷発生層が1層である場合、電子とホールの電荷発生は電荷発生層内でも良く、もしくは隣接する層と電荷発生層界面でも良い。
本発明において、更に好ましくは、電荷発生層は2層以上からなり、p型半導体層、n型半導体層の一方もしくは両方を含むことが好ましい。
電荷発生層は正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層として機能しても良く、同一の層として用いることが出来るが、電荷発生層とは正孔と電子が発生する層、もしくは界面を持つ層を指す。
本発明における電荷発生層の構成は下記の通りである。
1.発光ユニット/バイポーラ層(一層)/発光ユニット
2.発光ユニット/n型層/p型層/発光ユニット
3.発光ユニット/n型層/中間層/p型層/発光ユニット
上記バイポーラ層とは外部電界により、層内部で正孔、電子を発生・輸送することが出来る層である。
n型層とは、多数キャリアが電子である電荷輸送層であり、半導体以上の導電性を有していることが好ましい。
p型層とは、多数キャリアが正孔である電荷輸送層であり、半導体以上の導電性を有していることが好ましい。
中間層とは、電荷発生能および、長期安定性を向上する上で、必要であれば設けてよく、例えば、n型層およびp型層の拡散防止層やp−n間の反応抑制層、p型層とn型層の電荷準位を調整する準位調整層などが挙げられる。
発光ユニットと電荷発生層の間に、更にバイポーラ層、p型層、n型層を有しても良い。
これは発生した電荷を速やかに発光ユニットに注入する場合、必要であれば設けてもよいが、本発明においてこれらの層は発光ユニットに含まれ、電荷発生層とは見なさない。
本発明において電荷発生層とは、少なくとも二層以上の層から形成されていることが好ましく、電圧印加時、素子の陰極方向に正孔を、陽極方向に電子を注入する機能を有する層を指す。
二層以上の層から成る電荷発生層の層界面は、界面(ヘテロ界面、ホモ界面)を有していても良く、またバルクヘテロ構造、島状、相分離等の多次元的な界面を形成していても良い。
二つの層それぞれの厚さは、1nm以上100nm以下が望ましく、さらに望ましくは10nm以上50nm以下である。
本発明の電荷発生層の光透過率は、発光層から放出される光に対して高い透過率を有することが望ましい。十分に光を取り出し、十分な輝度を得るためには、波長550nmでの透過率が50%以上であることが望ましく、さらに好ましくは80%以上である。
前記二層以上の層から成る電荷発生層の内の1層には、仕事関数が3.0eV以下の無機化合物、または有機化合物、且つ他の1層には、仕事関数が4.0eV以上の無機化合物、または有機化合物が好ましく用いることが出来る。
より好ましくは、前記二層以上の層から成る電荷発生層の一層は、仕事関数が3.0eV以下の金属、もしくは無機酸化物、無機塩、有機金属錯体、有機塩であり、且つ他の1層は、仕事関数が4.0eV以上の金属、もしくは無機酸化物、無機塩、有機金属錯体、有機塩である。
本発明の有機化合物としては、ナノカーボン材料、一般式(A)、(D)、(F)、(G)、(H)、(J)で表される化合物、イミダゾールラジカル類、メタロセン誘導体、ポリシアノ誘導体、ポリニトロ誘導体があげられる。
本発明の電荷発生層を構成する材料として、以下に具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
〈ナノカーボン材料〉
ナノカーボン材料とは粒子径が1ナノメートルから500ナノメートルのカーボン材料を指し、その代表例としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン及びその誘導体、カーボンナノコイル、カーボンオニオンフラーレン及びその誘導体、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン、グラファイトが挙げられる。
特にフラーレン及びフラーレン誘導体が好適に使用できる、本発明におけるフラーレンとは、20個以上の炭素原子から成る12面の五角面と(n/2−10)枚の六角面を持つ閉多面体かご型分子を示し、その誘導体をフラーレン誘導体という。フラーレン骨格の炭素数は20個以上であれば特に限定しないが、好ましくは炭素数60、70、84である。フラーレン及びフラーレン誘導体の例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
Rは水素原子または置換基を表し、nは1〜12の整数を表す。
Rで表される好ましい置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロアリール基(ピロール基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基、カルバゾリル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、スチリル基等)、アルキニル基(エチニル基等)、アルキルオキシ基(メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、i−プロピルキオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等)、アリールアミノ基(アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、ニトロ基、非芳香族性複素環基(ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、等)、シリル基(トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等)等が挙げられ、それぞれの置換基は更に置換基を有していてもよい。
Figure 2011086442
ここにおいて、R、R、Rは、前記Rと同様にそれぞれ独立して水素または置換基を表し、また、Xは−(CR)m−、または−CH−NR−CH−等で表される二価の基を表す。ここにおいて、R、R、R等の基は水素原子または置換基を表し、nは1〜12の整数を表し、mは1〜4の整数を表す。置換基としては前記Rで表される置換基と同義である。
Figure 2011086442
ここにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R〜R13はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R〜R13で表される置換基は前記Rと同義である。またnは1〜4の整数を表す。また、Mは遷移金属原子を表し、Lはこの金属原子に配位する配位子を表す。配位子としては、通常の金属錯体において配位子を構成する分子或いはイオンであれば限定はない。また、ここでmは1〜5の整数を表す。
以下に、これらフラーレン及びフラーレン誘導体について具体例を例示するが、これらに限定されない。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
本発明に係る本発明の電荷発生層を構成する有機化合物等の例を以下に示す。
(1)本発明の電荷発生層を構成する材料として、一般式(A)で表される化合物が挙げられる。一般式(A)において、X,X,X,Xは各々独立にN又は−CRであり、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。Mは金属原子、H、またTiO、VOを表す。またポルフィリン環上には置換基を有してもよい。Mで表される金属としては、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。X,X,X,Xは好ましくは、Nまたは−CArであり(Ar=芳香族炭化水素、芳香族複素環)、更に好ましくは、−CPhである。Mは好ましくは、Co、Li、Zn、Cu、Ni、Na、Csであり、更に好ましくは、Coである。
Figure 2011086442
ポルフィリン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
(2)本発明の電荷発生層を構成する材料であるイミダゾールラジカル類としては、光又は熱によりイミダゾールラジカルを生成する化合物であり、具体的には、前記一般式(E)で表される化合物であり、R,R,Rは水素原子又は置換を表し、RとRは環を形成してもよい。
一般式(E)で表されるイミダゾールラジカル誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(3)本発明の電荷発生層を構成する材料として、一般式(D)で表される化合物が挙げられる。一般式(D)で表される化合物において、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。また、R,R,R,Rは各々独立に水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。Mは、H、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。
,X,X,Xは好ましくはSである。R,R,R,Rは好ましくは、芳香族炭化水素、芳香族複素環であり、更に好ましくは芳香族炭化水素である。Mは好ましくは、Co、Fe、Zn、Cu、Niであり、更に好ましくは、Niである。
Figure 2011086442
一般式(D)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
(4)本発明の電荷発生層を構成する材料として、一般式(G)で表される化合物が挙げられる。一般式(G)において、式中、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。X,X,X,Xは各々独立にO,S,Se,Teであり、MはH、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。
Mは好ましくは、Co、Fe、Mg、Zn、Cu、Niであり、更に好ましくは、Niである。
Figure 2011086442
以下、一般式(G)で表される化合物の具体例を挙げる。
Figure 2011086442
(5)本発明の電荷発生層を構成する材料として、一般式(F)で表される化合物が挙げられる。一般式(F)において、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2011086442
一般式(F)で表されるDCNQI誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(6)本発明の電荷発生層を構成する材料として、一般式(H)で表される化合物が挙げられる。一般式(H)において、X,X,X,X,X,X,X,Xは各々独立にN又はCRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。Rは水素原子又は置換基である。
Figure 2011086442
一般式(H)で表されるアザカルバゾール誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
(7)本発明の電荷発生層を構成する材料として、下記一般式(J)で表される化合物が挙げられ、一般式(J)において、a,b,c,d,eは−NRn1−,−CRc1c2−であり、ここにおいて、Rn1,Rc1,Rc2は各々独立に水素原子又は置換基であり、EはN、−CRc3−であり、Rc3は水素原子又は置換基である。MはMo,Wであり、n,mは0〜5を表す。
Figure 2011086442
一般式(J)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(8)メタロセン誘導体の例としては、フェロセン、コバルトセン、ニッケロセンがあげられ、これらは置換基を有してもよい。メタロセン誘導体の例としては以下のもの亜挙げられる。好ましくはフェロセンである。
Figure 2011086442
(9)ポリシアノ誘導体の例としては、以下の例があげられる。
Figure 2011086442
(10)ポリニトロ誘導体の例としては、トリニトロベンゼン、ピクリン酸、ジニトロフェノール、ジニトロビフェニル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、9−ジシアノメチレン2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等があげられる。
(11)ナノカーボン材料の例としては、前述のナノカーボン材料を使用できる。好ましくは前述のフラーレン誘導体が上げられる。
電荷発生層としては、上記の材料を単独もしくは2種以上併用する事ができる。
二種以上併用する場合は、有機ドナー性の化合物と有機アクセプター性の化合物を併用する事が好ましい。
有機ドナーとしては、一般式(A)、一般式(D)、一般式(J)、イミダゾールラジカル類、メタロセン誘導体、ナノカーボン誘導体があげられる。
有機アクセプターとしては、一般式(F)、一般式(G)、一般式(H)、ポリシアノ誘導体、ポリニトロ誘導体があげられる。
また、二種以上併用する場合は、本発明の化合物と更に組み合わせで本発明の化合物以外の化合物を使用することができる。
本発明の化合物以外で用いられる化合物の具体例としては、以下のものがあげられる。
(1)フタロシアニン誘導体が挙げられ、フタロシアニン誘導体の例としては、下記一般式(1)で表される化合物であり、X,X,X,Xは各々独立にN又は−CRであり、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。MはH又は金属原子を表す。またフタロシアニン環上に置換基を有してもよい。Mは好ましくは、H、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。
Figure 2011086442
フタロシアニン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
(2)一般式(2)で表される化合物が挙げられる。一般式(B)において、X,X,X,Xは各々独立にS,Se、またはTeであり、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。X,X,X,Xは好ましくは、S、Seである。
Figure 2011086442
一般式(2)で表されるTTT誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(3)一般式(3)で表されるテトラチアフルバレン(TTF)誘導体が挙げられ、一般式(3)において、X,X,X,Xは各々独立にS,Se、またはTeであり、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2011086442
一般式(3)で表されるTTF誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(4)縮合多環芳香族炭化水素の例としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、テトラセン、ペンタセン、ぺリレン、オバレン、サーカムアントラセン、アンスアンスレン、ピラセンスレン、ルブレンがあげられる。
(5)アリールアミン誘導体の例としては、ジエチルアミノベンゼン、アニリン、トルイジン、アニシジン、クロロアニリン、ジフェニルアミン、インドール、スカトール、p−フェニレンジアミン、デュレンジアミン、N,N,N,Nテトラメチル−p−フェニレンジアミン、ベンジジン、N,N,N,Nテトラメチルベンジジン、テトラキスジメチルアミノピレン、テトラキスジメチルアミノエチレン、ビイミダゾール、m−MDTATA、α−NPDがあげられる。
(6)アジン誘導体の例としては、シアニン色素、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、N,N−ジヒドロジメチルフェナジン、フェノキサジン、フェノチアジンである。
(7)トリアールアミン誘導体の例を以下に示す。
Figure 2011086442
(8)キノン誘導体の例としては、一般式(4)で表される化合物であり、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。R,R,R,Rはハロゲン原子、シアノ基が好ましい。
Figure 2011086442
キノン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(9)テトラシノアキノジメタン誘導体の例としては、下記一般式(5)で表される化合物であり、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2011086442
一般式(5)で表されるテトラシノアキノジメタン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(10)フェナントロリン誘導体の例としては、下記一般式(6)で表される化合物であり、R,R,R,R,R,R,R,Rは水素原子又は置換基である。
Figure 2011086442
一般式(6)で表されるフェナントロリン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(11)キノリノール金属錯体誘導体の例としては、一般式(7)の部分構造をもつ化合物であり、MはAl、Co、Fe、Mg、Ru、Zn、Cu、Niが好ましい。
Figure 2011086442
一般式(7)で表されるキノリノール金属錯体誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
(12)複素芳香族炭化水素化合物(本発明中、複素芳香族炭化水素化合物は、芳香族炭化水素化合物において炭素原子のうち、ひとつ以上の原子が酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子で置換されたものを指す。)のうち、特に窒素原子で置換されたピリジン誘導体が使用でき、その具体例を以下に示す。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、且つ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整することが好ましく、さらに好ましくは2nm〜200nmの範囲に調整され、特に好ましくは、10nm〜20nmの範囲である。
発光層の作製には、後述する発光ドーパントやホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により成膜して形成することができる。
本発明の有機EL素子の発光層には、発光ホスト化合物と、発光ドーパント(リン光発光性ドーパント(リン光発光性ドーパントともいう)や蛍光ドーパント等)の少なくとも1種類とを含有することが好ましい。
(ホスト化合物(発光ホスト等ともいう))
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内でその層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
本発明では、上記のカルバゾール環を部分構造として有する化合物、重合性基を有し、且つ、カルバゾール環を部分構造として有する化合物、該化合物の重合体が、ホスト化合物として特に好ましく用いられる。
尚、ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を併用で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光ドーパントを複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
併用してもよい従来公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ、発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
従来公知のホスト化合物の具体例としては、以下に示した化合物もしくは以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
(発光ドーパント)
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
発光ドーパントとしては、蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)、リン光発光性ドーパント(リン光発光体、リン光性化合物、リン光発光性化合物等ともいう)を用いることができるが、より発光効率の高い有機EL素子を得る観点からは、本発明の有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光ドーパント(単に、発光材料ということもある)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、リン光発光性ドーパントを含有することが好ましい。
(リン光発光性化合物(リン光発光性ドーパント))
リン光発光性化合物(リン光発光性ドーパント)について説明する。
リン光発光性化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光発光性化合物は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
リン光発光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光発光性化合物に移動させることでリン光発光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光発光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光発光性化合物上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型が挙げられる。
上記のいずれの場合においても、リン光発光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光発光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明に係るリン光発光性化合物としては、好ましくは元素周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物(Ir錯体)、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物(Ir錯体)である。
以下に、リン光発光性化合物として用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
以下、本発明に係るリン光発光性ドーパントの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
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(蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう))
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明においては、複数の発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波にある発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましいが、このような場合、該最短波層と該層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設けることが好ましい。
更には、該位置に設けられる正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3nm〜100nmであり、更に好ましくは5nm〜30nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更に、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、所謂p型正孔輸送材料を用いることもできる。さらには後述する重合性化合物または該重合性化合物から導かれる構造単位を有する高分子化合物を含有する本発明の有機EL素子材料を用いることができる、また、上記の材料を併用してもよい。
以下、本発明に係る正孔輸送材料の代表的具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができるが、本発明においては塗布法(塗布プロセス)により作製されることが好ましい。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
更に上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。
その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
以下、本発明に係る電子輸送材料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、銀ナノインク等金属ナノ粒子の分散液を塗布成膜し、その後の加熱焼成によって形成した金属箔膜を使用しても良い。
陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1nm〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。
好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3ml/(m・24h・MPa)以下、水蒸気透過度が、10−5g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。
無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。
ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を、蛍光体を用い多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・MPa)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。
また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に、該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で、無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。
特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的にいわれている。
これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
これらの方法を有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
これらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、更に1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。
この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。
しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
〈不溶化〉
本発明のウエットプロセスよるマルチユニット構造を有する有機EL素子においては、真空蒸着法に代表されるドライプロセスでの製造では生じない固有の問題、特に、積層成膜時に上層の塗布液溶媒による下層のダメージが生じることが課題となる。ウエットプロセスによる積層方法については、これまでにも多くの発明が成されており、例えば、下層の主材料の溶解度パラメータの可溶範囲外の溶媒に上層の材料を溶解させ、下層薄膜表面を乱れさせることなく、積層する技術等が開示されている(例えば、特開2002−299061号公報)。本発明においては、このような公知技術を、マルチユニット構造を形成する際に使用することが出来るが、以下に示すような積極的な不溶化技術を使用することが好ましい。
本発明で用いる不溶化とは、塗布プロセスで成膜した後、以下に示す不溶化処理を行うことで、後述するテスト溶媒に対して、イナートな状態に変化させることをいう。
本発明での不溶化処理について説明する。
(1)溶媒和の抑制
溶解とは溶質が溶媒和され、溶媒中に拡散する現象を指すが、ここでは溶媒和の抑制、もしくは拡散の抑制することによって不溶化を図る。以下に不溶化処理方法の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
1.高分子量材料もしくは高分子重合体材料の使用:溶媒和の割合比率を小さくし、溶媒和を抑制すると共に、溶質の拡散性(運動性)を低下させることで、溶媒中への溶質の拡散の抑制を行う。本発明での高分子量材料とは、分子量800以上1500以下の芳香族縮合環誘導体もしくは複素芳香族縮合環誘導体、より好ましくは分子量800以上1200以下の芳香族縮合環誘導体もしくは複素芳香族縮合環誘導体である。また、高分子重合体材料としては、数平均分子量10,000から1,000,000のビニルポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリアリーレンである。
2.膜表面改質:電子線、紫外線、コロナ、プラズマ等による表面改質処理や、Macromolecules 1996,29,1229−1234、あるいはDIC Technical Review No.7/2001等記載の置換基の表面局在化等を利用した表面自由エネルギーのコントロールにより、溶媒の溶質中への拡散を抑制する。
(2)不溶体への化学的変化の利用
溶液からの塗布・成膜後、熱・光・電磁波等々の内部あるいは外部刺激による化学的、あるいは物理的変化を伴って、再溶解が不可能な状態にする。以下に不溶化処理方法の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
1.架橋反応:低分子量材料、高分子量材料、あるいは高分子重合体中に複数個存在する架橋基(重合成反応基)を利用して、塗布・成膜後に、熱・光・電磁波等々の刺激により多次元架橋を行い不溶化する方法。熱・光重合開始剤や、架橋剤を併用しても構わない。
以下、本発明で使用可能な架橋基としては、一般式(100)で示される部分構造があげられる。各々の架橋基は単独もしくは複数を組み合わせて用いても構わない。
一般式(100)
L−P
Lは単なる結合手または2価の連結基を表し、Pは下記で表される重合性置換基を表す。本発明で用いられる2価の連結基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−COO−、−NRCO−、−SO−またはこれらの組み合わせからなる群より選択される2価の連結基を表す。ここで、Rはアルキル基を表す。
Figure 2011086442
なお、*はLとの結合点を示す。
以上で、*−M(OR)Byにおいて、Rはアルキル基を表し、xは2以上の整数で、金属Mの価数を満足するようにy個の置換基Bが結合する。置換基は前述の通り。Bが複数個存在する場合は互いに異なっていてもよい。
なお、本発明で用いられる置換基としては、前記一般式(A)〜(J)も含め、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルキルチオ基、ヘテロアリールアルケニル基、ヘテロアリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基またはニトロ基、ハロゲニル基等があげられる。またアリール基とは、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いたものであり、芳香族炭化水素としては、芳香族単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素、独立した複数の芳香族単環式炭化水素または縮合多環式炭化水素が結合したものも含まれる。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ビナフチル基等を挙げることができる。ヘテロアリール基とは、複素芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いたものであり、複素芳香族炭化水素としては、前述の芳香族炭化水素環を構成する元素が炭素原子のうち、1つ以上の原子が酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子で置換されたものを指し、複素芳香族単環式炭化水素、複素縮合多環式炭化水素、独立した複数の複素芳香族単環式炭化水素または複素縮合多環式炭化水素が結合したものも含まれる。例えば、ピリジル基、チオフェニル基、ビピリジル基、フェニルピリジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、イソキノリル基、ジベンゾホスホニル基等を挙げることができる。
前記一般式(100)で表される架橋基は、前述の発光ユニット、または電荷発生層を構成する材料の任意な水素原子と置換して用いることが出来る。置換数については、繰り返し単位を持たない非ポリマー化合物の場合、1から10、好ましくは1から4であり、繰り返し構造を有するポリマー化合物の場合、数平均分子量10,000当たりの架橋基の数が1から100、好ましくは1から10である。数平均分子量10,000当たりの架橋基の数とは、例えば、数平均分子量50,000のポリマー中の架橋性基の数は5から500、好ましくは5から50となる。
以下、本発明で使用可能な低分子量材料、高分子量材料、あるいは高分子重合体の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011086442
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更に、本発明において併用可能な低分子量材料、高分子量材料、あるいは高分子重合体の具体例を挙げる。
Figure 2011086442
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(3)不溶性材料の塗布成膜
1.分散体の成膜:不溶性材料を微粒子化して溶媒分散型とする方法、あるいは溶媒中での可溶性プレカーサーの不溶微粒子形成に伴う分散化によって調整する方法等によって、不溶性材料分散液を製造し、次いで、この分散液の塗布・成膜によって不溶化薄膜を製造することが出来る。可溶性プレカーサーの不溶微粒子形成は、溶媒中での可溶性プレカーサー化合物の塗布・成膜後、熱・光・電磁波等々の内部あるいは外部刺激による化学的変化によって、形成することが可能である。
また本発明でいう溶媒とは、固体や液体を溶かす液体の呼称であるが、特にテスト溶媒と記述した場合は、芳香族炭化水素類(トルエン、クロロベンゼン、ピリジン)、飽和炭化水素類(シクロヘキサン、デカン、パーフルオロオクタン)、アルコール類(イソプロピルアルコール、ヘキサフルオロイソプロパノール)、ケトン類(メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル類(酢酸ブチル、酢酸フェニル)、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルを指す。また、イナートな状態とは、i)UV吸収変化による膜厚の変化、ii)PL(フォトルミネッセンス)変化による発光層の状態変化、iii)整流比の少なくとも1項目が所定の評価基準値を満たしている状態を指す。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる単一の発光ユニットをもつ有機EL素子の作製法を説明する。
まず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層の有機化合物薄膜を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、塗布プロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つ、ピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはスピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
特に、本発明に係るカルバゾール環を部分構造として有する化合物、重合性基を有する該化合物、前記化合物の重合体を含有する層は、上記の塗布法により形成されることが好ましく、更に、該層が発光層であることが好ましい。
また、陽極と陰極の間に存在する層(有機EL素子の構成層である)の全層数を100%とした時、該全層数の50%以上が塗布法で形成されることが好ましい。
例えば、上記の有機EL素子の一例として挙げられた、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極においては、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層という全層数が6の場合には、少なくとも3層が塗布法により形成されることが好ましい。
本発明の有機EL素子の構成層を塗布により形成する場合、塗布に用いる各種の有機EL材料を溶解または分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。
また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。
パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の有機EL素子が白色素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.1の領域内にあることを言う。
《表示装置》
本発明の表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明の有機EL素子を具備したものである。
本発明の表示装置は単色でも多色でもよいが、ここでは多色表示装置について説明する。多色表示装置の場合は発光層形成時のみシャドーマスクを設け、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。
発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法である。
表示装置に具備される有機EL素子の構成は、必要に応じて上記の有機EL素子の構成例の中から選択される。
また、有機EL素子の製造方法は、上記の本発明の有機EL素子の製造の一態様に示したとおりである。
得られた多色表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2V〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。更に交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
多色表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることによりフルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしては、テレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明の有機EL素子を有する表示装置の一例を図面に基づいて説明する。
図1は有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1は複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は表示部Aの模式図である。
表示部Aは基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。
図においては、画素3の発光した光が白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5及び複数のデータ線6はそれぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示していない)。
画素3は走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。
発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を適宜同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は画素の模式図である。
画素は有機EL素子10、スイッチングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コンデンサ13等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部Bからデータ線6を介してスイッチングトランジスタ11のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトランジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサ13と駆動トランジスタ12のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサ13が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トランジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、ソースが有機EL素子10の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7から有機EL素子10に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフしてもコンデンサ13は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10の発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機EL素子10が発光する。
即ち、有機EL素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ12を設けて、複数の画素3それぞれの有機EL素子10の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10の発光は複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。また、コンデンサ13の電位の保持は次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよい。
図4はパッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5と複数の画像データ線6が画素3を挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5に接続している画素3が画像データ信号に応じて発光する。
パッシブマトリクス方式では画素3にアクティブ素子が無く、製造コストの低減が計れる。
《照明装置》
本発明の照明装置について説明する。本発明の照明装置は上記有機EL素子を有する。
本発明の有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよく、このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザ発振をさせることにより上記用途に使用してもよい。
また、本発明の有機EL素子は照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。
動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。または、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
また本発明の有機EL材料は照明装置として、実質白色の発光を生じる有機EL素子に適用できる。複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得る。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでもよいし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでもよい。
また複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光または蛍光で発光する材料を複数組み合わせたもの、蛍光またはリン光で発光する発光材料と、発光材料からの光を励起光として発光する色素材料との組み合わせたもののいずれでもよいが、本発明に係る白色有機EL素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせ混合するだけでよい。
発光層、正孔輸送層あるいは電子輸送層等の形成時のみマスクを設け、マスクにより塗り分ける等単純に配置するだけでよく、他層は共通であるのでマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で例えば電極膜を形成でき、生産性も向上する。
この方法によれば、複数色の発光素子をアレー状に並列配置した白色有機EL装置と異なり、素子自体が発光白色である。
発光層に用いる発光材料としては特に制限はなく、例えば、液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、本発明に係る金属錯体、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すればよい。
《本発明の照明装置の一態様》
本発明の有機EL素子を具備した、本発明の照明装置の一態様について説明する。
本発明の有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを陰極上に重ねて透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止し、図5、図6に示すような照明装置を形成することができる。
図5は、照明装置の概略図を示し、本発明の有機EL素子201はガラスカバー202で覆われている(尚、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子201を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。)。
図6は、照明装置の断面図を示し、図6において、205は陰極、206は有機EL層、207は透明電極付きガラス基板を示す。尚、ガラスカバー202内には窒素ガス208が充填され、捕水剤209が設けられている。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〈n型層/p型層からなる二層CGL〉
〈第一ユニット〉
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液をスリットコート法により成膜した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの第一正孔輸送層を設けた。
第一正孔輸送層から以下の作製は水分・酸素濃度1ppm以下に管理されたグローブボックス内にて有機EL素子を作製した。
第1正孔輸送層上に、Poly−N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン(American Dye Source社製、ADS−254)のクロロベンゼン溶液をスリットコート法により成膜した。150℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの第二正孔輸送層を設けた。
この第2正孔輸送層上に、OC−25、D−1、D−20(各比率は83.5w質量%:16質量%:0.5質量%)の酢酸ブチル溶液をスリットコート法により成膜した。120℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの発光層を設けた。
この発光層上に、OC−107の1,1,1−3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノールの溶液をスリットコート法により成膜し、成膜後、低圧水銀灯(15mW/cm)を30秒、130℃でUV照射することで、OC−107の重合基を光硬化し、膜厚20nmの不溶化した電子輸送層を設けた。
次に、この電子輸送層上に、以下のようにいずれかの作成方法により電荷発生層を形成した。
Figure 2011086442
〈電荷発生層〉
〈電荷発生層作成方法1〉
この電子輸送層上に、CGL(n型)1、CGL(n型)2(表に記載)のクロロベンゼン溶液をスリットコート法により成膜し、成膜後、低圧水銀灯(15mW/cm)を30秒、130℃でUV照射することで、化合物がもつ重合基を光硬化し、膜厚20nmの不溶化n型層(CGL)を設けた。
さらに、このn型層(CGL)上に、CGL(p型)1、CGL(p型)2(表に記載)のクロロベンゼン溶液をスリットコート法により成膜し、成膜後、低圧水銀灯(15mW/cm)を30秒、130℃でUV照射することで、化合物がもつ重合基を光硬化し、膜厚20nmの不溶化p型層(CGL)を設けた。
上記の作成において、電荷発生層の、CGL(n型)からなる層、また、CGL(p型)からなる層において、表中( : )は、CGL(n型)1:CGL(n型)2、また、CGL(p型)1:CGL(p型)2の混合材料層であることを示し、また( / )はCGL(n型)からなる層とCGL(p型)からなる層を積層したことを示す。2成分のとき混合したときの各材料の比率は全て(50質量%:50質量%)とした。
〈第二ユニット〉
さらに、このp型層(CGL)上に、ADS−254のクロロベンゼン溶液をスリットコート法により成膜した。150℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの第二正孔輸送層を設けた。
この第二正孔輸送層上に、OC−25、D−1、D−20(各比率は83.5質量%:16質量%:0.5質量%)の酢酸ブチル溶液をスリットコート法により成膜した。120℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの発光層を設けた。
この発光層上に、OC−107の1,1,1−3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノールの溶液をスリットコート法により成膜し、成膜後、低圧水銀灯(15mW/cm)を30秒、130℃でUV照射することで、OC−107の重合基を光硬化し、膜厚20nmの不溶化した電子輸送層を設けた。
これを、真空蒸着装置に取付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧した。次いで、電子注入層としてフッ化セシウム1.0nm、陰極としてアルミニウム110nmを蒸着し、二つの発光ユニットと一つのCGLを有する有機EL素子を製造した。
CGL(n型)、CGL(p型)それぞれの材料を表に示した様に変化させ有機EL素子をそれぞれ作成した。
また、比較の素子を以下のように作成した(比較例1)。
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液をスリットコート法により成膜した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの第1正孔輸送層を設けた。
第一正孔輸送層から以下の作製は水分・酸素濃度1ppm以下に管理されたグローブボックス内にて有機EL素子を作製した。
この第1正孔輸送層上に、ADS−254のクロロベンゼン溶液をスリットコート法により成膜した。150℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの第二正孔輸送層を設けた。
この第二正孔輸送層上に、OC−25、D−1、D−20、(各比率は83.5質量%:16質量%:0.5質量%)の酢酸ブチル溶液をスリットコート法により成膜した。120℃で1時間加熱乾燥し、膜厚40nmの発光層を設けた。
この発光層上に、OC−107の1,1,1−3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノールの溶液をスリットコート法により成膜し、成膜後、低圧水銀灯(15mW/cm)を30秒、130℃でUV照射することで、OC−107の重合基を光硬化し、膜厚20nmの不溶化した電子輸送層を設けた。
〈電荷発生層作成方法(蒸着法)〉
その後、これを、真空蒸着装置に取付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧した。
次いで、BCP:Li共蒸着膜(99:1vol%)を20nm真空蒸着し、n型層とした。Li蒸着はサエスゲッター製Liソースボートを用いた。
n型層(CGL)上に、m−MTDATA:F4−TCNQ(AG−6)を共蒸着膜(90:10vol%)を10nm真空蒸着し、p型層とした。
更に、第二正孔輸送層としてα−NPD(DAm−1)を40nm蒸着した。
α−NPD(DAm−1)上にOC−25、D−1、D−20(各比率は83.5質量%:16質量%:0.5質量%)を三元蒸着し40nmの第二発光層を得た。
更に、第二発光層上にOC−105を20nm蒸着にて形成した。
Figure 2011086442
次いで、電子注入層としてフッ化セシウム1.0nm、陰極としてアルミニウム110nmを蒸着し、2つの発光ユニットと1つのCGLを有する有機EL素子(比較例)を製造した。
本発明における、蒸着した発光ユニットと、塗布で作製した発光ユニットには、有機ELとしての性能差はほとんど無く、本発明における効果は、以下の表に示すとおりであり、塗布・蒸着における性能差ではない。
比較例2としてさらに、上記蒸着法による電荷発生層材料を用いて、塗布による作成を試みたが塗布できなかった。
なお素子の評価は以下のように行った。
《評価》
得られた各有機EL素子の評価に際しては、製造後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図5、図6に示すような照明装置を形成し、外部取り出し量子効率、駆動電圧、初期の輝度変化、駆動時の電圧上昇を評価した。また、各々の評価項目における条件を以下に示す。
初期の輝度変化ΔL;
初期輝度3000cd/mでの定電流駆動において、100hr後の輝度変化を以下で表した。
ΔL=100hr時間後の輝度/初期輝度(3000cd/m)×100
比較の素子における輝度の変化(ΔL)を100として、それぞれの素子の輝度の変化(ΔL)を相対値で表した。
駆動時の電圧上昇ΔV;
初期輝度3000cd/mでの定電流駆動における電圧と、輝度半減時における電圧の比で評価した。
ΔV=輝度半減時の電圧/初期電圧×100
《外部取りだし量子効率(EQE)》
有機EL素子について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm定電流を印加した時の外部取り出し量子効率(%)を測定した。尚、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いた。
《駆動電圧(V)》
有機EL素子について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm定電流を印加した時の電圧を測定した。比較例1での値を100とした時の相対評価を行った。
得られた結果を表1〜10に示す。
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
本発明の素子が外部取り出し量子効率が大きく、また、駆動電圧も低く、駆動による電圧上昇が小さい。また、初期の輝度変化からも輝度の低下について比較ほど大きくなく本発明の素子が優れていることがわかる。
実施例2
〈蒸着によるn型層/p型層からなる二層CGL〉
〈第一ユニット〉
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液をスリットコート法により成膜した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの第一正孔輸送層を設けた。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPD(DAm−1)を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてH−1を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにBAlqを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに発光ドーパント化合物としてD−1を100mg、D−21を100mg、入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、H−1、D−1、D−21の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.012nm/秒、0.0012nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
Figure 2011086442
(CGL)
次いで、BCP:Li共蒸着膜(99:1vol%)を20nm真空蒸着し、n型層とした。Li蒸着はサエスゲッター製Liソースボートを用いた。
n型層(CGL)上に、m−MTDATA:F4−TCNQを共蒸着膜(90:10vol%)を10nm真空蒸着し、p型層とした。
〈第二ユニット〉
次いで、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
更に、H−1、D−1、D−21の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.012nm/秒、0.0012nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
更に、BAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更に、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。
次いで、電子注入層としてフッ化セシウム1.0nm、陰極としてアルミニウム110nmを蒸着し、二つの発光ユニットと一つのCGLを有する有機EL素子を製造した。
次いで、上記有機EL素子において、(CGL)のみ、n型層のBCP:Li共蒸着膜に代えてCGL(n型)1、CGL(n型)2(それぞれ表に記載)の共蒸着膜を、また、p型層についてm−MTDATA:F4−TCNQの共蒸着膜に代えてCGL(p型)1、CGL(p型)2の共蒸着膜(これもそれぞれ表に記載)に変更し、同様に各表に示す有機EL素子を作成した。
なお、電荷発生層において、( : )n型層またはp型層が、複数種の材料の混合からなることを示し、また( / )はCGL(n型)からなる層とCGL(p型)からなる層を積層したことを示す。また、混合したときの各材料の比率は(50質量%:50質量%)とした。
各有機EL素子について、それぞれ評価を行った。評価法は前記実施例1と同様の方法を用いた。
結果を表11〜24に示す。
Figure 2011086442
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Figure 2011086442
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Figure 2011086442
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Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
Figure 2011086442
本発明の化合物を用いたCGLは蒸着による作成においても好ましい結果を示した。
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部
101 ガラス基板
102 ITO透明電極
103 隔壁
104 正孔注入層
105B、105G、105R 発光層
207 透明電極付きガラス基板
206 有機EL層
205 陰極
202 ガラスカバー
208 窒素ガス
209 捕水剤

Claims (22)

  1. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、X,X,X,Xは各々独立にN又はCRであり、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。MはH、金属原子、またはTiO、VOを表す。Mで表される金属原子としては、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
  2. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層にイミダゾールラジカル類を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。また、R,R,R,Rは各々独立に水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。MはH、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
  4. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(F)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、R,R,R,Rは水素原子又は置換基であり、RとR、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。)
  5. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つ一般式(G)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、X,X,X,Xは各々独立にS,Se,TeまたはNRである。X,X,X,Xは各々独立にO,S,Se,Teであり、MはH、Co、Fe、Mg、Li、Ru、Zn、Cu、Ni、Na、CsまたはSbである。)
  6. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(H)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、X,X,X,X,X,X,X,Xは各々独立にNまたはCRである。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。Rは水素原子又は置換基である。)
  7. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に一般式(J)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2011086442
    (式中、a,b,c,d,eは−NRn1−,−CRcRc−であり、ここにおいて、Rn,Rc,Rcは各々独立に水素原子又は置換基であり、EはN、−CRc−であり、Rcは水素原子又は置換基である。MはMo,Wであり、n,mは0〜5を表す。)
  8. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つメタロセン誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つポリシアノ誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つポリニトロ誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つナノカーボン材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 複数の発光ユニット間に、電界をかけることで正孔と電子を発生する電荷発生層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該電荷発生層に少なくとも1つ複素芳香族炭化水素を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 該電荷発生層の形成に蒸着プロセスが用いられることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 該電荷発生層の形成に塗布プロセスが用いられることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記電荷発生層の少なくとも1層が有機ドナーと有機アクセプターを含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記電荷発生層に含有される化合物が、重合性基を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 重合性基を有する前記電荷発生層に含有される化合物が、該化合物に、塗布プロセスと同時に、もしくは、塗布プロセス後に、熱、光、電磁波、電界、プラズマのうち1つ以上の処理を適用することにより、共有結合を形成し高分子量化する化合物であることを特徴とする請求項16に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 発光ユニットを構成する少なくとも1層以上の有機エレクトロルミネッセンス層のうち、前記電荷発生層の下層にあたる有機エレクトロルミネッセンス層が、高次に共有結合、水素結合、または配位結合、を有する高分子体、有機錯体、無機酸化物であることを特徴とする請求項16または17記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 発光ユニットを構成する少なくとも1層以上の有機エレクトロルミネッセンス層のうち、前記電荷発生層の下層にあたる有機エレクトロルミネッセンス層が、電子輸送層であることを特徴とする請求項18記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記電子輸送層が、ビニル基もしくはエポキシ基、もしくはオキセタン基を有する有機化合物の低分子量体を塗布プロセスにて成膜し、塗布プロセスと同時に、もしくは、塗布プロセス後に、熱、光、電磁波、電界、プラズマのうち1つ以上の処理を適用することにより低分子量体同士に共有結合が形成し、高分子量体を形成することを特徴とする請求項19記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 燐光発光することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする照明装置。
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