JP2011085792A - 像ぶれ補正装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成の簡素化を図り、小型化を実現する。
【解決手段】補正レンズ17を保持する保持枠21と、保持枠21を移動する駆動力を発生する第1の駆動部51と、保持枠21が第1の駆動部51によって移動可能に取り付けられる移動枠31と、保持枠21が取り付けられた移動枠31を移動する駆動力を発生する第2の駆動部55と、保持枠21が取り付けられた移動枠31が移動可能に取り付けられる固定部材41と、第2の駆動部55が発生する駆動力の方向を変換する変換部61とを備える。第1及び第2の駆動部51,55は、共に、補正レンズ17の光軸と直交する面内において、第1の方向の駆動力を発生する。変換部61は、第2の駆動部55が発生する第1の方向の駆動力の方向を、第1の方向と直交する第2の方向に変換し、固定部材41に対して保持枠21が第2の方向に移動可能にする。
【選択図】図6

Description

本発明は、撮像時の振動等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置及び撮像装置に関する。
ビデオカメラやディジタルスチルカメラ等の携帯型の撮像装置には、撮像時の振動等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置が設けられている。この種の像ぶれ補正装置では、一般に、防振レンズの光軸回りの回転を規制しつつ、防振レンズを光軸直交面内の互いに垂直な2方向に駆動させることが必要である。
例えば特許文献1の補正光学機構では、固定枠が補正レンズを保持しており、この固定枠がピッチスライド軸に対してスライドする。そして、この固定枠には、ピッチコイルが取り付けられ、ピッチマグネットとピッチヨークとで構成される磁気回路中に、ピッチコイルが置かれる。また、特許文献1の補正光学機構は、ヨースライド軸に取り付けられる第1の保持枠を有し、この第1の保持枠に、ヨーコイルが設けられている。このヨーコイルは、ヨーマグネットとヨーヨークとで挟まれている。
すなわち、特許文献1の補正光学機構は、ピッチ方向用に、マグネットとコイルを備えており、ヨー方向用にも、マグネットとコイルを備えている。そして、ピッチ方向用とヨー方向用のリニアモータは、補正レンズに対して互いに直交する2方向にはみ出すように設けられている。したがって、レンズ鏡筒を正面方向から見たときに占める占有投影面積が大きい。また、特許文献1の補正光学機構は、ピッチ用とヨー用で二組のリニアモータを必要としていることから、更に、部品点数を削減し、更なる小型化を図ることが困難である。
また、特許文献2には、更に別の例が記載されている。特許文献2においても、ピッチ用とヨー用で二組のリニアモータを必要としている。そして、ピッチ方向用とヨー方向用のリニアモータも、補正レンズに対して互いに直交する2方向にはみ出すように設けられている。したがって、レンズ鏡筒を正面方向から見たときに占める占有投影面積が大きい。このため、特許文献2においても、特許文献1と同様、更なる小型化が困難である。更に、特許文献2では、3つのボールを設けて、防振レンズを移動可能とし、二組のリニアモータでピッチ方向とヨー方向に移動できるようにしている。特許文献2では、これらのボールを、ベース部材と防振レンズを保持するシフト鏡筒とで挟み込む必要があり、このため、ボールを挟み込むための付勢手段となる圧縮コイルバネを必要とする。したがって、特許文献2では、3つのボールと圧縮コイルバネの分、更に構造が複雑化し、更に、部品点数も増加し、更なる小型化に不向きである。
更に、特許文献3においても、ピッチ用とヨー用で二組のリニアモータを必要としている。特許文献3においても、特許文献1,2と同様、更なる小型化が困難である。特に、特許文献3では、レンズ鏡筒を正面方向から見たときに占める占有投影面積の縮小することが困難である。
特開平5−150283号公報 特開2007−271996号公報 特開2005−102172号公報
本発明は、以上のような課題に鑑み、構成の簡素化を図り、小型化を実現する像ぶれ補正装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る像ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を保持する保持枠と、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠を移動する駆動力を発生する第1の駆動部と、上記保持枠が上記第1の駆動部によって移動可能に取り付けられる移動枠と、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠が取り付けられた移動枠を移動する駆動力を発生する第2の駆動部と、上記保持枠が取り付けられた移動枠が移動可能に取り付けられる固定部材と、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を変換する変換部とを備える。
上記第1の駆動部は、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記移動枠を第1の方向に移動する駆動力を発生し、上記第2の駆動部は、上記第1の駆動部が発生する駆動力と直交しない方向の駆動力を発生する。
上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第1の方向と直交する第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする。
また、本発明に係る撮像装置は、レンズ又は撮像素子を保持する保持枠と、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠を移動する駆動力を発生する第1の駆動部と、上記保持枠が上記第1の駆動部によって移動可能に取り付けられる移動枠と、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠が取り付けられた移動枠を移動する駆動力を発生する第2の駆動部と、上記保持枠が取り付けられた移動枠が移動可能に取り付けられる固定部材と、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を変換する変換部とを備える。
上記第1の駆動部は、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記移動枠を第1の方向に移動する駆動力を発生し、上記第2の駆動部は、上記第1の駆動部が発生する駆動力と直交しない方向の駆動力を発生する。
上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第1の方向と直交する第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする。
本発明によれば、変換部が、第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、第1の方向と直交する第2の方向に変換し、固定部材に対して保持枠が該第2の方向に移動可能にする。したがって、固定部材の一方の側に寄せて第1の駆動部と第2の駆動部とを配置することができ、小型化を実現することができる。
また、本発明によれば、第1の駆動部と第2の駆動部とを構成するにあたって、一のマグネットと第1の駆動コイルと第2の駆動コイルとすることで、部品点数の削減を図ることがき、全体の小型化、軽量化を図ることができる。
本発明が適用されたディジタルスチルカメラを正面から見た斜視図であり、レンズカバーが閉めた状態を示す。 本発明が適用されたディジタルスチルカメラを正面から見た斜視図であり、レンズカバーが開けた状態を示す。 本発明が適用されたディジタルスチルカメラの背面図である。 鏡筒に内蔵されるレンズ系を示す側面図である。 像ぶれ補正機構(第1の例)の斜視図である。 像ぶれ補正機構(第1の例)の分解斜視図である。 (A)は、保持枠を一方の側から見た斜視図であり、(B)は、保持枠を他方の側から見た斜視図である。 (A)は、移動枠を一方の側から見た斜視図であり、(B)は、移動枠を他方の側から見た斜視図である。 固定部材を一方の側から見た斜視図である。 固定部材に移動枠を取り付ける状態を示す斜視図である。 移動枠が取り付けられた固定部材に第1のガイド軸を取り付ける状態を示す斜視図である。 移動枠が取り付けられた固定部材にマグネットを取り付ける状態を示す斜視図である。 移動枠とマグネットが取り付けられた固定部材に保持枠を取り付ける状態を示す斜視図である。 保持枠が組み付けられた固定部材に第2のガイド軸を取り付ける状態を示す斜視図である。 像ぶれ補正機構が完成した状態を示す斜視図である。 マグネットの着磁の状態を示す斜視図である。 第1及び第2の駆動部の要部斜視図である。 固定部材に対する移動枠の移動方向を示す図である。なお、保持枠は図中省略している。 第2の駆動部の駆動力の方向を説明する図であり、(A)は、移動枠の移動方向を示し、(B)は、移動枠の移動成分を示し、(C)は、保持枠の固定部材に対する移動方向を示す。 像ぶれ補正機構(第1の例)の変形例(第2の例)であり、ヨークを加えた像ぶれ補正機構に用いる固定部材を、(A)は一方の側から見た斜視図であり、(B)は他方の側から見た斜視図である。 (A)は、固定部材の移動枠側に第1のヨークを取り付ける状態を示す斜視図であり、(B)は、その反対側に第2のヨークを取り付ける状態を示す斜視図である。 磁気回路の斜視図である。 像ぶれ補正機構(第1の例)の変形例(第2の例)の斜視図である。 像ぶれ補正機構(第3の例)の斜視図である。 像ぶれ補正機構(第3の例)の分解斜視図である。 (A)は、保持枠を一方の側から見た斜視図であり、(B)は、保持枠を他方の側から見た斜視図である。 (A)は、移動枠を一方の側から見た斜視図であり、(B)は、移動枠を他方の側から見た斜視図である。 固定部材を一方の側から見た斜視図である。 固定部材に移動枠を取り付ける状態を示す斜視図である。 移動枠が取り付けられた固定部材に第1のガイド軸を取り付ける状態を示す斜視図である。 移動枠が取り付けられた固定部材に保持枠を取り付ける状態を示す斜視図である。 保持枠が組み付けられた固定部材に第2のガイド軸を取り付ける状態を示す斜視図である。 保持枠が組み付けられた固定部材に第2のヨークを取り付ける状態を示す斜視図である。 保持枠が組み付けられた固定部材に第1のヨークを取り付ける状態を示す斜視図である。 マグネットの着磁の状態を示す斜視図である。 第1及び第2の駆動部の要部斜視図である。 固定部材に対する移動枠の移動方向を示す図である。なお、保持枠は図中省略している。 第2の駆動部の駆動力の方向を説明する図であり、(A)は、移動枠の移動方向を示し、(B)は、移動枠の移動成分を示し、(C)は、保持枠の固定部材に対する移動方向を示す。 像ぶれ補正機構(第4の例)の斜視図である。 移動枠を一方の側から見た斜視図である。 (A)は、第2の駆動コイルとマグネットとの関係を示す図であり、(B)は、第2の駆動部が発生する駆動力の方向を示す図である。 (A)は、第1の例として説明した像ぶれ補正機構に用いたカム突起とカム溝と駆動力の方向との関係を示す図であり、(B)は、第4の例として説明した像ぶれ補正機構に用いたカム突起とカム溝と駆動力の方向との関係を示す図である。 像ぶれ補正機構(第4の例)の変形例である像ぶれ補正機構(第5の例)の第2の駆動コイルとマグネットと第2の駆動部が発生する駆動力の方向を示す図である。 像ぶれ補正機構(第5の例)の斜視図である。 移動枠を一方の側から見た斜視図である。 (A)は、第2の駆動コイルとマグネットとの関係を示す図であり、(B)は、第2の駆動部が発生する駆動力の方向を示す図である。 (A)は、第3の例として説明した像ぶれ補正機構に用いたカム突起とカム溝と駆動力の方向との関係を示す図であり、(B)は、第6の例として説明した像ぶれ補正機構に用いたカム突起とカム溝と駆動力の方向との関係を示す図である。 像ぶれ補正機構を備えたディジタルスチルカメラのブロック図である。
以下、本発明が適用されたディジタルスチルカメラ1について図面を参照して説明する。なお、以下、ディジタルスチルカメラ1を単にカメラ1という。また、発明を実施するための形態では、本発明の適用例を、以下の順に従って説明する。
(1)ディジタルスチルカメラの外観構成
(2)レンズ鏡筒の構成
(3)像ぶれ補正機構の説明(第1の例)
(3−1)保持枠の説明
(3−2)移動枠の説明
(3−3)固定部材の説明
(3−4)第1の駆動部の説明
(3−5)第2の駆動部の説明
(3−6)変換部の説明
(3−7)組立方法
(3−8)動作説明
(3−9)効果説明
(4)像ぶれ補正機構の説明(第2の例)
(5)像ぶれ補正機構の説明(第3の例)
(5−1)保持枠の説明
(5−2)移動枠の説明
(5−3)固定部材の説明
(5−4)第1の駆動部の説明
(5−5)第2の駆動部の説明
(5−6)変換部の説明
(5−7)組立方法
(5−8)動作説明
(5−9)効果説明
(6)像ぶれ補正機構の説明(第4の例)
(7)像ぶれ補正機構の説明(第5の例)
(8)像ぶれ補正機構の説明(第6の例)
(9)その他の変形例
(10)ディジタルスチルカメラの回路構成
(1)ディジタルスチルカメラの外観構成
図1乃至図3に示すように、本発明が適用されたカメラ1は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用している。そして、カメラ1は、被写体からの光学的な画像を撮像素子(CCD(Charge-Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等)で電気的な信号に変換して、半導体記録メディアに記録し、液晶ディスプレイ等に表示する。
このカメラ1は、横長とされた扁平のカメラ本体2を有している。このカメラ本体2の前面には、上側コーナ部に、レンズ部3が設けられている。このレンズ部3は、カメラ本体2の前面に、上下方向にスライド可能に取り付けられたレンズカバー4によって開閉され、撮影時、レンズカバーが下方に下がることによってレンズ部3が外部に臨まされる。また、レンズ部3の近傍には、レンズ部3とともに、レンズカバー4によって開閉されるフラッシュ5が設けられている。
カメラ本体2の背面には、LCD、有機ELディスプレイ等でなる表示部6が設けられている。この表示部6には、撮像素子が取り込んでいる被写体を表示するとともに、撮像した画像データ等を表示する。
また、カメラ本体2の背面には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード選択ツマミ7a、ズーム操作を実行するズームボタン7b、画面表示を行う画面表示ボタン7c、各種メニューを選択するメニューボタン7d、メニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー7e、画面サイズを切り換えたり画像削除を行う画面ボタン7f等が配置されている。
また、カメラ本体2の上面には、電源をオン・オフさせる電源ボタン7g、記録、すなわち撮影の開始や停止を実行する記録ボタン7h、手ぶれが生じたときに像ぶれ補正を動作させて像ぶれ補正を実行する手ぶれ設定ボタン7i等が設けられている。
なお、カメラ本体2の内部は、鏡筒、バッテリ、マイク、スピーカ等の部品が内蔵されている。
(2)レンズ鏡筒の構成
図4に示すように、カメラ1のレンズ鏡筒10には、複数のレンズが保持されている。このレンズ鏡筒10が保持するレンズ系は、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ11〜15からなる折曲レンズ系である。先端側に位置する1群レンズ11は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ11aと、第1のレンズ11aの被写体と反対側に配置されるプリズム11bと、プリズム11bに対向される第2のレンズ11cとを備える。プリズム11bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、略90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズとなる第1のレンズ11aが対向され、他方の面に第2のレンズ11cが対向されている。
この折曲レンズ系は、プリズム11bによって光軸Lが略90度に折り曲げられている。これにより、対物レンズである第1のレンズ11a側に第1の光軸L1が設定され、その第1の光軸L1と直交する方向(90度交差した方向)にある撮像素子18(結像)側に第2の光軸L2が設定される。
この1群レンズ11において、光は、第1のレンズ11aを透過しプリズム11bに入射し、第1の光軸L1に対して45度に傾斜した反射面で反射され、第2のレンズ11cを透過し、第2の光軸L2に沿って2群レンズ12に向かって進む。2群レンズ12は、ズーム調整のためのいわゆる可動レンズ群であり、第3のレンズ12aと第4のレンズ12bとの組み合わせからなり、第2の光軸L2上をテレ及びワイド方向に移動する。この2群レンズ12を透過した光は、3群レンズ13に入射される。
3群レンズ13は、レンズ鏡筒10に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ13の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ14が配置されている。この4群レンズ14と3群レンズ13の間には、レンズ系を通過する光の量を調整可能な絞り機構16が配置されている。4群レンズ14は、フォーカス調整のためのいわゆる可動レンズ群であり、第2の光軸L2上を移動可能に構成されている。
4群レンズ14の後方には、第7のレンズ15aと後述する補正レンズ17とからなる5群レンズ15が配置されている。5群レンズ15のうち第7のレンズ15aは、レンズ鏡筒10に固定されており、この第7のレンズ15aの後方に補正レンズ17が移動可能に配置され、更に、補正レンズ17の後方に撮像素子18が配置されている。
2群レンズ12と4群レンズ14は、それぞれ別個独立に第2の光軸L2に沿ってテレ方向とワイド方向に移動する。この2群レンズ12と4群レンズ14は、テレ又はワイド方向に移動することによって、ズーム調整とフォーカス調整を行う。すなわち、ズーム時には、2群レンズ12と4群レンズ14をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整を行う。また、フォーカス時には、4群レンズ14をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行する。
撮像素子18は、撮像素子用アダプタに固定されており、この撮像素子用アダプタを介してレンズ鏡筒に取り付けられている。撮像素子18の前側には、光学フィルタ19が配置されている。この光学フィルタ19と第7のレンズ15aとの間には、補正レンズ17を有する像ぶれ補正機構20が配設されている。詳細は後述する像ぶれ補正機構20は、レンズ系の振動等による撮影画像の像ぶれを補正する。補正レンズ17は、通常の状態において、その光軸を第2の光軸L2と一致させるように取り付けられている。カメラ本体2の振動等によって撮像素子18の結像面に像のぶれが生じたとき、像ぶれ補正機構20は、補正レンズ17を互いに直交する2方向(第1の方向Y(ヨー方向)及び第2の方向X(ピッチ方向))に移動させて結像面の像ぶれ補正をする。この像ぶれ補正機構20は、補正レンズ17のみを光軸上に配置し、補正レンズ17を第1の方向Yと第2の方向Xに移動するガイド機構や駆動機構は、補正レンズ17の外側に配置されている。
(3)像ぶれ補正機構の説明(第1の例)
像ぶれ補正機構20は、図5及び図6に示すように、補正レンズ17を保持する保持枠21と、保持枠21が移動可能に取り付けられる移動枠31と、保持枠21が取り付けられた移動枠31が取り付けられる固定部材41とを備える。
(3−1)保持枠の説明
保持枠21は、図6及び図7に示すように、全体が略矩形板状体をなし、枠本体22を有している。枠本体22は、略中央部に補正レンズ17の取付孔となるレンズ座面部23が形成されている。このレンズ座面部23には、取付孔の周囲に固定溝23aが形成されている。補正レンズ17は、レンズ座面部23に取り付けられた後、固定溝23aに接着剤等を注入することによって固定される。この枠本体22には、長手方向に沿ったガイド溝24,24が形成されている。ガイド溝24,24は、移動枠31のガイド突起34が係合されることによって、移動枠31に対して、保持枠21が第1の方向Y(ヨー方向)に移動し得るようにする。
また、枠本体22には、相対する短辺に、先端側が開放された略U字状の第1のガイド凹部25a,25b,25cが形成されている。第1のガイド凹部25a,25b,25cは、固定部材41に取り付けられる第1及び第2のガイド軸45,46が係合され、保持枠21が第2の方向X(ピッチ方向)に移動し得るようにする。
更に、枠本体22には、第1のガイド凹部25a,25b側に、第1の駆動コイル52が取り付けられる第1のコイル座面部26が形成されている。第1のコイル座面部26には、後述する第1の駆動コイル52である扁平コイルが接着剤等で取り付けられる。
(3−2)移動枠の説明
以上のような補正レンズ17を保持する保持枠21は移動枠31に取り付けられる。移動枠31は、図6及び図8に示すように、保持枠21と固定部材41との間に配置される部材であって、全体が略矩形板状に形成され、枠本体32を有している。枠本体32は、略中央部に補正レンズ17の取付孔となるレンズ座面部23に対応して、第1の透孔33が形成されている。第1の透孔33は、長軸を第1の方向Y(ヨー方向)とした略楕円状に形成されている。
すなわち、保持枠21は、移動枠31に対して第1の方向Y(ヨー方向)に移動する。そこで、第1の透孔33は、保持枠21に保持された補正レンズ17の移動量に応じた大きさの略楕円の孔となるように形成されている。
枠本体32には、保持枠21と対向する側の面に、ガイド突起34,34が形成されている。ガイド突起34,34は、保持枠21のガイド溝24,24に係合し、保持枠21が移動枠31に対して第1の方向Y(ヨー方向)に移動し得るようにする。
なお、像ぶれ補正機構20では、ガイド溝24,24を移動枠31側に設け、ガイド突起34,34を保持枠21側に設けるようにしても良い。
また、枠本体32には、相対する短辺に、先端側が開放された略U字状の第2のガイド凹部35a,35b,35cが形成されている。第2のガイド凹部35a,35b,35cは、固定部材41に取り付けられる第1及び第2のガイド軸45,46が係合され、保持枠21が取り付けられた移動枠31が第2の方向X(ピッチ方向)だけでなく、第1の方向Y(ヨー方向)にも移動し得るようにする。
更に、枠本体32には、第2のガイド凹部35a,35b側であって、固定部材41側の面に、第2の駆動コイル56が取り付けられる第2のコイル座面部36が形成されている。第2のコイル座面部36には、後述する第2の駆動コイル56である扁平コイルが接着剤等で取り付けられる。
更に、枠本体32には、固定部材41側の面に、第1の透孔33を挟むようにして、カム部となるカム突起37,37が形成されている。カム突起37,37は、固定部材41に形成された係合部となるカム溝43,43に係合される。
(3−3)固定部材の説明
保持枠21が取り付けられた移動枠31が取り付けられる固定部材41は、図6及び図9に示すように、像ぶれ補正機構20をディジタルスチルカメラやディジタルビデオカメラ等の撮像装置内の固定フレームに取り付けるための部材となる。固定部材41は、全体が略矩形箱状に形成されている。固定部材41は、底面部41aに、略円形の第2の透孔42が形成されている。第2の透孔42は、移動枠31の第1の透孔33に対応して形成されている。固定部材41の底面部41aの外側には、撮像素子18が配置される。第2の透孔42は、補正レンズ17と移動枠31の第1の透孔33とを通過した光束が撮像素子18に受光面に入射されるようにする。固定部材41の底面部41aには、移動枠31側となる内面に、移動枠31のカム突起37,37が係合する係合部となるカム溝43,43が第2の透孔42を挟むようにして形成されている。カム溝43,43は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の何れの方向でもない方向に沿って形成されている。ここでは、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に沿って斜めに形成されている。
更に、固定部材41の底面部41aには、磁界発生部となるマグネット50が取り付けられるマグネット取付部44が形成されている。具体的に、マグネット取付部44は、固定部材41の底面部41aに設けられたマグネット支持部44aと第1及び第2の駆動コイルを取り付ける側の側壁41bに切り欠き形成されたマグネット座面部44bとでなる。マグネット取付部44は、マグネット50を、マグネット支持部44aとマグネット座面部44bとに支持させ接着剤等で固定することによって、底面部41aより所定距離離間した状態で支持できるようにする。固定部材41の底面部41aとマグネット50との間には、移動枠31の第2のコイル座面部36に取り付けられる第2の駆動コイル56が配置されることになる。
更に、固定部材41の長辺側の側壁41c,41dには、保持枠21と移動枠31の第2の方向X(ピッチ方向)の移動をガイドする第1及び第2のガイド軸45,46を取り付けるための取付孔45a,45a,45a,45aが形成されている。取付孔45a,45a,46a,46aは、互いに平行となすように、ガイド軸45,46が接着剤や圧入等により固定される。ガイド軸45,46には、保持枠21の第1のガイド凹部25a−25cが係合されると共に、移動枠31の第2のガイド凹部35a−35cが係合される。第1のガイド凹部25a−25cや第2のガイド凹部35a−35cは、上述のように先端側が開放され略U字状に形成されている。したがって、保持枠21が取り付けられた移動枠31は、ガイド軸45,46に沿って第2の方向X(ピッチ方向)に移動可能となると共に、先端が開放されていることで、ガイドはされないが第1の方向Y(ヨー方向)にも移動できる。第1及び第2のガイド軸45,46は、保持枠21及び移動枠31が光軸方向に移動してしまわないようにもしている。
(3−4)第1の駆動部の説明
ところで、上述した保持枠21は、移動枠31に対して第1の駆動部51によって移動される。この第1の駆動部51は、固定部材41に取り付けられるマグネット50と、保持枠21の第1のコイル座面部26に取り付けられる第1の駆動コイル52とで構成されたリニアモータとなっている。第1の駆動コイル52は、図6に示すように、扁平コイルであって、略矩形をなすように巻回されている。この第1の駆動コイル52は、第1のコイル座面部26に、短辺が第1の方向Y(ヨー方向)で長辺が第2の方向X(ピッチ方向)となるように取り付けられる。第1の駆動部51は、第1の駆動コイル52に供給される駆動電流とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生する。
なお、第1の駆動コイル52は、フレキシブル配線基板と電気的に接続されることによって、第1の方向Y(ヨー方向)の移動量に応じた駆動電流が供給される。
(3−5)第2の駆動部の説明
また、移動枠31は、固定部材41に対して第2の駆動部55によって移動される。この第2の駆動部55は、固定部材41に取り付けられるマグネット50と、移動枠31の第2のコイル座面部36に取り付けられる第2の駆動コイル56とで構成されたリニアモータとなっている。第2の駆動コイル56は、図6に示すように、扁平コイルであって、略矩形をなすように巻回されている。この第2の駆動コイル56は、第2のコイル座面部36に、短辺が第1の方向Y(ヨー方向)で長辺が第2の方向X(ピッチ方向)となるように取り付けられる。第2の駆動部55は、第2の駆動コイル56に供給される駆動電流とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生する。
また、移動枠31には、固定部材41のマグネット取付部44に取り付けられるマグネット50の逃げとなるマグネット用凹部38が形成されている。マグネット50は、固定部材41のマグネット取付部44に取り付けられると、移動枠31のマグネット用凹部38内に位置する。そして、マグネット50は、保持枠21の第1のコイル座面部26に取り付けられた第1の駆動コイル52と移動枠31の第2のコイル座面部36に取り付けられた第2の駆動コイル56とに挟まれるように位置する。
ここで説明する第1の駆動部51と第2の駆動部55とは、共に、第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生する。第1の駆動部51と第2の駆動部55とは、固定部材41の長手方向の一端側に重なるように設けてあるので、幅方向の小型化を図ることができる。また、第1及び第2の駆動部51,55は、マグネット50を共通に用い一つとしており、この点で部品点数の削減を図り、磁気回路の小型化を図っている。
なお、第2の駆動コイル56は、フレキシブル配線基板と電気的に接続されることによって、第2の方向X(ピッチ方向)の移動量に応じた駆動電流が供給される。
また、第1の駆動コイル52、第2の駆動コイル56のそれぞれは、一つずつに限定されるものではなく、複数であっても良い。
(3−6)変換部の説明
以上のように、第1の駆動部51と第2の駆動部55とは、それぞれ発生する駆動力の方向が第1の方向Y(ヨー方向)で同じである。そこで、像ぶれ補正機構20では、第2の駆動部55の発生する駆動力の方向を、第1の方向Y(ヨー方向)から第2の方向X(ピッチ方向)に変換する変換部61を備えている。
変換部61は、図6−図9に示すように、移動枠31の枠本体32の固定部材41側の面に形成されたカム部となるカム突起37,37と、固定部材41の底面部41aに形成された係合部となるカム溝43,43とでなる。カム突起37,37は、上述のように、第1の透孔33を挟むようにして形成されている。一方、カム溝43,43は、固定部材41の底面部41aの移動枠31側となる内面に、第2の透孔42を挟むようにして形成されている。カム溝43,43は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の何れの方向でもない方向に沿って形成されている。ここでは、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に沿って、例えば45度程度に斜めに形成されている。したがって、移動枠31は、カム溝43,43にカム突起37,37が係合されることで、ローリングが規制されており、第2の駆動部55で第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生したとき、カム溝43,43に沿って斜めに移動する。すなわち、移動枠31は、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)の移動成分を有しており、カム溝43,43に沿った方向に移動することになる。
また、変換部61は、移動枠31のガイド突起34,34と、保持枠21のガイド溝24,24とを備えている。保持枠21は、移動枠31のガイド突起34,34が保持枠21のガイド溝24,24に係合していることから、移動枠31がカム溝43,43に沿って斜めに移動する際、第1の方向Y(ヨー方向)の成分は吸収されることになる。したがって、保持枠21が固定部材41に対して第2の方向X(ピッチ方向)に移動される際には、第2の方向X(ピッチ方向)の移動成分だけが保持枠21に伝達されることになる。
なお、変換部61は、カム突起37,37を固定部材41側に設け、カム溝43,43を移動枠31側に設けるようにしても良い。
(3−7)組立方法
次に、以上のように構成される像ぶれ補正機構20の組立方法について説明する。
先ず、図10に示すように、固定部材41には、移動枠31のカム突起37,37を、固定部材41のカム溝43,43に係合させるようにして、移動枠31が取り付けられる。なお、このとき、移動枠31の第2のコイル座面部36には、第2の駆動コイル56が接着剤等によって固定されている。
移動枠31が固定部材41に取り付けられると、次いで、図11に示すように、固定部材41には、図中上側の取付孔45a,45aに、第1のガイド軸45が取り付けられる。これによって、第1のガイド軸45には、移動枠31の第2のガイド凹部35a,35bが係合される。
固定部材41に第1のガイド軸45が取り付けられると、次いで、図12に示すように、移動枠31マグネット用凹部38から臨むマグネット取付部44には、マグネット50が接着剤等で固定して取り付けられる。具体的に、マグネット50は、マグネット座面部44bに係合され、マグネット支持部44aに支持されることによって、固定部材41の底面部41aから離間した状態で配置される。
マグネット50が取り付けられると、次いで、図13に示すように、移動枠31とマグネット50が取り付けられた固定部材41には、更に、補正レンズ17を保持した保持枠21が取り付けられる。具体的に、保持枠21は、移動枠31のガイド突起34,34がガイド溝24,24に係合し、第1のガイド凹部25aが第1のガイド軸45に係合するように取り付けられる。なお、このとき、保持枠21の第1のコイル座面部26には、第1の駆動コイル52が接着剤等によって固定されている。
移動枠31が取り付けられた固定部材41に保持枠21が取り付けられると、次いで、図14に示すように、固定部材41には、第2のガイド軸46が取り付けられる。具体的に、固定部材41には、図中下側の取付孔46a,46aに、第2のガイド軸46が取り付けられる。これによって、第2のガイド軸46には、保持枠21の第1のガイド凹部25b,25cと移動枠31の第2のガイド凹部35cとが係合される。
第2のガイド軸46が固定部材41に取り付けられると、図5及び図15に示すように、像ぶれ補正機構20は完成する。完成すると、移動枠31は、移動枠31のカム突起37,37と固定部材41のカム溝43,43とが係合することで、固定部材41に対して、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)の間の斜めの方向に移動可能に取り付けられる。また、保持枠21は、移動枠31のガイド突起34が保持枠21のガイド溝24に係合することで、第1の方向Y(ヨー方向)に移動可能に取り付けられる。補正レンズ17を第2の方向X(ピッチ方向)に移動させる場合、移動枠31が斜めの方向に移動しようとするが、保持枠21は、移動枠31に対して第1の方向Y(ヨー方向)に直線的にしか移動しない。したがって、保持枠21は、移動枠31が固定部材41に対して斜めの方向に移動し、併せて、保持枠21が移動枠31に対して第1の方向Y(ヨー方向)に移動することで、第1の方向Y(ヨー方向)の成分が吸収される。結果として、保持枠21は、固定部材41に対して、第2の方向X(ピッチ方向)に移動することになる。
(3−8)動作説明
図16は、図15の状態で取り付けられたマグネット50の斜視図である。図16に示すように、マグネット50の保持枠21側の第1の駆動コイル52と対向する面、移動枠31側の第2の駆動コイル56と対向する面のそれぞれは、長さ方向(図16中Y方向)にN極とS極が並ぶように着磁されている。また、厚さ方向にも、N極とS極が並ぶように着磁されている。そして、像ぶれ補正機構20が組み立てられると、図17に示すように、マグネット50の保持枠21側の面には、第1の駆動コイル52が、短辺が第1の方向Y(ヨー方向)で長辺が第2の方向X(ピッチ方向)となり、N極とS極とに跨るように取り付けられる。同様に、マグネット50の移動枠31側の面には、第2の駆動コイル56が、短辺が第1の方向Y(ヨー方向)で長辺が第2の方向X(ピッチ方向)となり、N極とS極とに跨るように取り付けられる。
したがって、補正レンズ17を第1の方向Y(ヨー方向)に移動する場合、保持枠21を駆動する第1の駆動部51は、第1の駆動コイル52に駆動電流を供給する。そして、第1の駆動部51は、供給される駆動電流の向き(図17中細矢印)とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生する(図17中太矢印)。したがって、補正レンズ17は、移動枠31のガイド突起34,34が保持枠21のガイド溝24,24に係合されていることで、第2の方向Y(ヨー方向)に移動する。そして、第1の駆動部51は、駆動電流の向きを切り換えることで、第1の方向Y(ヨー方向)の一方に保持枠21を移動させたり、他方に保持枠21を移動させることができる。
補正レンズ17を第2の方向X(ピッチ方向)に移動する場合、移動枠31を駆動する第2の駆動部55は、第2の駆動コイル56に駆動電流を供給する。そして、第2の駆動部55は、供給される駆動電流の向き(図17中細矢印)とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)の駆動力を発生する(図17中太矢印)。ここで、像ぶれ補正機構20には、変換部61が設けられ、移動枠31のカム突起37,37が固定部材41のカム溝43,43に係合している。そして、カム溝43,43は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に45度程度傾いて設けられている。したがって、図18に示すように、移動枠31は、固定部材41に対して第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の斜め方向に移動することになる(図19(A)参照)。すなわち、移動枠31の移動成分は、図19(B)のように、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)を有している。ここで、移動枠31に取り付けられた保持枠21は、移動枠31に対して第1の方向Y(ヨー方向)にしか移動しない。したがって、移動枠31の固定部材41に対する第1の方向Y(ヨー方向)の成分は吸収される。そして、保持枠21には、第2の方向X(ピッチ方向)の成分のみが伝えられる(図19(C)参照)。これにより、像ぶれ補正機構20は、保持枠21は、固定部材41に対して第2の方向X(ピッチ方向)に移動する。
換言すれば、補正レンズ17を第2の方向X(ピッチ方向)に移動する場合において、移動枠31がカム溝43,43に沿って斜め上方に移動したとき、移動枠31が固定部材41に対して上方に移動した分、保持枠21は、移動枠31に対して下方に移動する。これとは逆に、移動枠31がカム溝43,43に沿って斜め下方に移動したとき、移動枠31が固定部材41に対して下方に移動した分、保持枠21は、移動枠31に対して上方に移動する。これにより、第1の方向Y(ヨー方向)の光軸ずれを生じさせることなく、第2の方向X(ピッチ方向)の光軸ずれを補正することができる。
以上のように構成することで、像ぶれ補正機構20は、補正レンズ17を保持した保持枠21を第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)に独立して移動可能となる。そして、第1及び第2の駆動部51,55には、撮影者の手ブレ量に応じて、保持枠21の所望の移動量に対応する駆動信号を供給することで、像ぶれ補正を行うことができる。
なお、像ぶれ補正機構20には、保持枠21の移動制御のため、第1の駆動コイル52、第2の駆動部55のそれぞれに、センサが装備されている。このセンサは、マグネット50に対する第1の駆動コイル52と第2の駆動コイル56の第1の方向Y(ヨー方向)の位置を検出し、少なくとも、第1の方向Y(ヨー方向)の移動量制御を行えるようにする。
(3−9)効果説明
以上のように構成された像ぶれ補正機構20では、固定部材41の長手方向の一端側、すなわち側壁41b側に第1の駆動部51と第2の駆動部55とを配置することができるので、幅方向の小型化を実現することができる。また、像ぶれ補正機構20では、第1の駆動部51と第2の駆動部55とを構成するにあたって、一のマグネット50と第1の駆動コイル52と第2の駆動コイル56とを設けるだけでよい。すなわち、像ぶれ補正機構20では、従来のように、ピッチ方向用とヨー方向用とに、それぞれマグネットとコイルとを設ける必要が無くなる。この点で、像ぶれ補正機構20は、部品点数の削減を図ることがき、全体の小型化軽量化を図ることができる。また、像ぶれ補正機構20では、ガイド軸も第1及び第2のガイド軸45,46の2本でよく、この点でも部品点数の削減を図ることができる。
(4)像ぶれ補正機構の説明(第2の例)
図20−図23に示すように、第2の例として示す像ぶれ補正機構70は、像ぶれ補正機構20の固定部材41に新たにヨークを追加したものである。像ぶれ補正機構70の固定部材71には、図20に示すように、保持枠21が取り付けられる側の面に、第1のヨーク74を取り付けるためのヨーク取付部72,72が形成されている。具体的に、ヨーク取付部72,72は、固定部材71の長辺側の側壁71a,71bの第1及び第2の駆動部51,55が設けられる位置に対応して形成されている。ヨーク取付部72,72は、側壁71a,71bの先端部において、凹部で形成されている。
また、固定部材71の底面部71cには、マグネット50が取り付けられる位置に対応して、第2のヨーク74を取り付けるためのヨーク座面部73が形成されている。このヨーク座面部73は、略矩形の開口部73aと、開口部73aの周囲に張り出すようにして形成された第2のヨーク75の係止片73bとを有する。
一方、図21に示すように、ヨーク取付部72,72に取り付けられる第1のヨーク74は、略矩形板状であって、相対する短辺に、係止突起74a,74aが形成されている。第1のヨーク74は、係止突起74a,74aをヨーク取付部72,72の凹部に係止させるようにして取り付けられる。
なお、ヨーク取付部72,72は、貫通孔で形成し、係止突起74a,74aは、貫通孔に係止させて取り付けるようにしても良い。また、また、第2のヨーク75は、略矩形に形成され、固定部材71の底面部71cの裏面側から開口部73aを閉塞するようにして、係止片73bに係止されて接着剤等で取り付けられる。
なお、第2のヨーク75は、例えば、固定部材71のヨーク座面部73に予め取り付けてから、第2のヨーク75が取り付けられた固定部材71に、移動枠31を取り付けるようにすればよい。また、第1のヨークは、少なくとも、保持枠21を移動枠31が取り付けられた固定部材71に取り付けてから、第1の駆動コイル52を覆うように取り付ければよい。また、第1及び第2のヨーク74,75の固定は、接着剤を用いることなく、マグネット50の磁気吸引力だけで固定するようにしても良い。
以上のような像ぶれ補正機構70では、図22及び図23に示すように、マグネット50の保持枠21側に、第1の駆動コイル52が配置され、マグネット50の固定部材71側に、第2の駆動コイル56が配置されることになる。そして、第1の駆動コイル52の裏側に、第1のヨーク74が配置され、第2の駆動コイル56の裏側に、第2のヨーク75が位置することになる。これによって、マグネット50からの磁束の方向が像ぶれ補正機構20の場合よりも、Z方向に近づくので、より効率よく保持枠21の駆動を行うことができる。
(5)像ぶれ補正機構の説明(第3の例)
第3の例として示す像ぶれ補正機構80は、第1の駆動コイルと第2の駆動コイルを、筒型コイルで構成したもので、更に、ヨークを取り付けたものである。また、第1及び第2の駆動部が発生する駆動力の方向が共に第2の方向X(ピッチ方向)となっている点で、第1の例で説明した像ぶれ補正機構20と相違している。
具体的に、像ぶれ補正機構80は、図24及び図25に示すように、補正レンズ17を保持する保持枠81と、保持枠81が移動可能に取り付けられる移動枠91と、保持枠81が取り付けられた移動枠91が取り付けられる固定部材101とを備える。
(5−1)保持枠の説明
保持枠81は、図25及び図26に示すように、全体が略矩形板状体をなし、枠本体82を有している。枠本体82は、略中央部に補正レンズ17の取付孔となるレンズ座面部83が形成されている。このレンズ座面部83には、取付孔の周囲に固定溝83aが形成されている。補正レンズ17は、レンズ座面部83に取り付けられた後、固定溝83aに接着剤等を注入することによって固定される。この枠本体82には、短辺方向に沿ったガイド溝84,84が形成されている。ガイド溝84,84は、移動枠91のガイド突起94が係合されることによって、移動枠91に対して、保持枠81が第2の方向X(ピッチ方向)に移動し得るようにする。
また、枠本体22には、相対する短辺に、先端側が開放された略U字状の第1のガイド凹部85a,85b,85cが形成されている。第1のガイド凹部85a,85b,85cは、固定部材101に取り付けられる第1及び第2のガイド軸105,106が係合され、保持枠81が第2の方向X(ピッチ方向)に移動し得るようにする。
更に、枠本体82には、第1のガイド凹部85a側に、第1の駆動コイル112が取り付けられる第1のコイル座面部86が形成されている。第1のコイル座面部86には、枠本体82に対して突片となっており、後述する第1の駆動コイル112である筒型コイルが接着剤等で取り付けられる。
(5−2)移動枠の説明
以上のような補正レンズ17を保持する保持枠81は、移動枠91に取り付けられる。移動枠91は、図25及び図27に示すように、保持枠81と固定部材101との間に配置される部材であって、全体が略矩形板状に形成され、枠本体92を有している。枠本体92は、略中央部に補正レンズ17の取付孔となるレンズ座面部83に対応して、第1の透孔93が形成されている。第1の透孔93は、長軸を第2の方向X(ピッチ方向)とした略楕円状に形成されている。
すなわち、保持枠81は、移動枠91に対して第2の方向X(ピッチ方向)に移動する。そこで、第1の透孔93は、保持枠81に保持された補正レンズ17の移動量に応じた大きさの略楕円の孔となるように形成されている。
枠本体92には、保持枠81と対向する側の面に、ガイド突起94,94が形成されている。ガイド突起94,94は、保持枠81のガイド溝84,84に係合し、保持枠81が移動枠91に対して第2の方向X(ピッチ方向)に移動し得るようにする。
なお、像ぶれ補正機構80では、ガイド溝84,84を移動枠91側に設け、ガイド突起94,94を保持枠81側に設けるようにしても良い。
また、枠本体92には、相対する短辺に、先端側が開放された略U字状の第2のガイド凹部95a,95b,95cが形成されている。第2のガイド凹部95a,95b,95cは、固定部材101に取り付けられる第1及び第2のガイド軸105,106が係合される。これにより、保持枠81が取り付けられた移動枠91は、第2の方向X(ピッチ方向)だけでなく、第1の方向Y(ヨー方向)にも移動できるようになる。
更に、枠本体92には、第2のガイド凹部95a,95b側であって、固定部材101側の面に、第2の駆動コイル116が取り付けられる第2のコイル座面部96が形成されている。第2のコイル座面部96には、枠本体92に対して突片となっており、後述する第2の駆動コイル116である筒型コイルが接着剤等で取り付けられる。
更に、枠本体92には、固定部材101側の面に、第1の透孔93を挟むようにして、カム部となるカム突起97,97が形成されている。カム突起97,97は、固定部材101に形成された係合部となるカム溝103,103に係合される。
(5−3)固定部材の説明
保持枠81が取り付けられた移動枠91が取り付けられる固定部材101は、図25及び図28に示すように、像ぶれ補正機構80をカメラ1内の固定フレームに取り付けるための部材となる。固定部材101は、全体が略矩形箱状に形成されている。固定部材101は、底面部101aに、略円形の第2の透孔102が形成されている。第2の透孔102は、移動枠91の第1の透孔93に対応して形成されている。固定部材101の底面部101aの外側には、撮像素子18が配置される。第2の透孔102は、補正レンズ17と移動枠91の第1の透孔93とを通過した光束が撮像素子18に受光面に入射されるようにする。固定部材101の底面部101aには、移動枠91側となる内面に、移動枠91のカム突起97,97が係合する係合部となるカム溝103,103が第2の透孔102を挟むようにして形成されている。カム溝103,103は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の何れの方向でもない方向に沿って形成されている。ここでは、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に沿って斜めに形成されている。
更に、固定部材101の底面部101aには、磁界発生部となるマグネット110が第1のヨーク113と共に取り付けられるマグネット取付部104が形成されている。具体的に、マグネット取付部104は、固定部材101の底面部101aに側壁101b,101c間に亘って形成された略矩形の開口部となっている。
また、固定部材101の側壁101b、101cには、第1の駆動部111及び第2の駆動部115が配置される位置に対応して、ヨーク取付部107,107が形成されている。ヨーク取付部107,107は、第2のヨーク114が取り付けられる部分であって、貫通孔で形成されている。
更に、固定部材101の長辺側の側壁101b,101cには、保持枠81と移動枠91の第1の方向X(ピッチ方向)の移動をガイドする第1及び第2のガイド軸105,106を取り付けるための取付孔105a,105a,106a,106aが形成されている。取付孔105a,105a,106a,106aは、互いに平行となすように、ガイド軸105,106が接着剤や圧入等により固定される。ガイド軸105,106には、保持枠81の第1のガイド凹部85a−85cが係合されると共に、移動枠91の第2のガイド凹部95a−95cが係合される。第1のガイド凹部85a−85cや第2のガイド凹部95a−95cは、上述のように先端側が開放され略U字状に形成されている。したがって、保持枠81が取り付けられた移動枠91は、ガイド軸105,106に沿って第2の方向X(ピッチ方向)に移動可能となると共に、先端が開放されていることで、ガイドはされないが第1の方向Y(ヨー方向)にも移動できる。第1及び第2のガイド軸105,106は、保持枠81及び移動枠91が光軸方向に移動してしまわないようにもしている。
(5−4)第1の駆動部の説明
ところで、上述した保持枠81は、移動枠91に対して第1の駆動部111によって移動される。この第1の駆動部111は、固定部材101に取り付けられるマグネット110と、保持枠81の第1のコイル座面部86に取り付けられる第1の駆動コイル112とで構成されたリニアモータとなっている。第1の駆動コイル112は、図25に示すように、筒型コイルであって、略矩形をなすように巻回されている。この第1の駆動コイル112は、第1のコイル座面部86に、長辺が第1の方向Y(ヨー方向)で短辺が第2の方向X(ピッチ方向)となるように取り付けられる。第1の駆動部111は、第1の駆動コイル112に供給される駆動電流とマグネット110が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生する。
なお、第1の駆動コイル112は、フレキシブル配線基板と電気的に接続されることによって、第2の方向X(ピッチ方向)の移動量に応じた駆動電流が供給される。
(5−5)第2の駆動部の説明
また、移動枠91は、固定部材101に対して第2の駆動部115によって移動される。この第2の駆動部115は、固定部材101に取り付けられるマグネット110と、移動枠91の第2のコイル座面部96に取り付けられる第2の駆動コイル116とで構成されたリニアモータとなっている。第2の駆動コイル116は、図25に示すように、筒型コイルであって、略矩形をなすように巻回されている。この第2の駆動コイル116は、第2のコイル座面部96に、長辺が第1の方向Y(ヨー方向)で短辺が第2の方向X(ピッチ方向)となるように取り付けられる。第2の駆動部115は、第2の駆動コイル116に供給される駆動電流とマグネット110が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生する。
なお、第2の駆動コイル116は、フレキシブル配線基板と電気的に接続されることによって、第2の方向X(ピッチ方向)の移動量に応じた駆動電流が供給される。
ところで、第1の駆動部111及び第2の駆動部115に共通に用いられるマグネット110は、図25に示すように、第1のヨーク113に取り付けられてから、固定部材101の底面部101aに取り付けられる。第1のヨーク113は、板状の取付部113aと、取付部113aの両端に相対して形成される対向片113b,113cとを有し、全体が略U字状に形成されている。そして、取付部113aには、板状のマグネット110が接着剤、磁気吸引力等で固定される。マグネット110は、第1のヨーク113に取り付けられると、固定部材101の底面部101aのマグネット取付部104に接着剤等で固定される。
また、第2のヨーク114は、筒型の第1の駆動コイル112と筒型の第2の駆動コイル116の中に挿入され、固定部材101の側壁101b,101cのヨーク取付部107に接着剤、圧入等によって固定される。
第1及び第2の駆動部111,115が組み立てられたときには、筒型の第1の駆動コイル112と第2の駆動コイル116とがマグネット110に対して横(マグネット110の長手方向)に並ぶように配置されることになる。
ここで説明する第1の駆動部111と第2の駆動部115とは、共に、第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生する。第1の駆動部111と第2の駆動部115とは、固定部材101の長手方向の一端側に重なるように設けてあるので、幅方向の小型化を図ることができる。また、第1及び第2の駆動部111,115は、マグネット110を共通に用い一つとしており、この点で部品点数の削減を図り、磁気回路の小型化を図っている。
なお、第1の駆動コイル112、第2の駆動コイル116のそれぞれは、一つずつに限定されるものではなく、複数であっても良い。
(5−6)変換部の説明
以上のように、第1の駆動部111と第2の駆動部115とは、それぞれ発生する駆動力の方向が第2の方向X(ピッチ方向)で同じである。そこで、像ぶれ補正機構80では、第2の駆動部115の発生する駆動力の方向を、第2の方向X(ピッチ方向)から第1の方向Y(ヨー方向)に変換する変換部121を備えている。
変換部121は、図25−図28に示すように、移動枠91の枠本体92の固定部材101側の面に形成されたカム部となるカム突起97,97と、固定部材101の底面部101aに形成された係合部となるカム溝103,103とでなる。カム突起97,97は、上述のように、第1の透孔93を挟むようにして形成されている。一方、カム溝103,103は、固定部材101の底面部101aの移動枠91側となる内面に、第2の透孔102を挟むようにして形成されている。カム溝103,103は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の何れの方向でもない方向に沿って形成されている。ここでは、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に沿って、例えば45度程度に斜めに形成されている。したがって、移動枠91は、カム溝103,103にカム突起97,97が係合されることで、ローリングが規制されており、第2の駆動部55で第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生したとき、カム溝103,103に沿って斜めに移動する。すなわち、移動枠91は、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)の移動成分を有しており、カム溝103,103に沿った方向に移動することになる。
また、変換部121は、移動枠91のガイド突起94,94と、保持枠81のガイド溝84,84とを備えている。保持枠81は、移動枠91のガイド突起94,94が保持枠81のガイド溝84,84に係合していることから、移動枠91がカム溝103,103に沿って斜めに移動する際、第2の方向X(ピッチ方向)の成分は吸収されることになる。したがって、保持枠81が固定部材101に対して第1の方向Y(ヨー方向)に移動される際には、第1の方向Y(ヨー方向)の移動成分だけが保持枠21に伝達されることになる。
なお、変換部121は、カム突起97,97を固定部材101側に設け、カム溝103,103を移動枠91側に設けるようにしても良い。
(5−7)組立方法
次に、以上のように構成される像ぶれ補正機構80の組立方法について説明する。
先ず、図29に示すように、固定部材101には、移動枠91のカム突起97,97を、固定部材101のカム溝103,103に係合させるようにして、移動枠91が取り付けられる。なお、このとき、移動枠91の第2のコイル座面部96には、第2の駆動コイル116が接着剤等によって固定されている。
移動枠91が固定部材101に取り付けられると、次いで、図30に示すように、固定部材101には、図中上側の取付孔105a,105aに、第1のガイド軸105が取り付けられる。これによって、第1のガイド軸105には、移動枠91の第2のガイド凹部95a,95bが係合される。
固定部材101に第1のガイド軸105が取り付けられると、次いで、図31に示すように、固定部材101には、更に、補正レンズ17を保持した保持枠81が取り付けられる。具体的に、保持枠81は、移動枠91のガイド突起94,94がガイド溝84,84に係合し、第1のガイド凹部85aが第1のガイド軸105に係合するように取り付けられる。なお、このとき、保持枠81の第1のコイル座面部86には、第1の駆動コイル112が接着剤等によって固定されている。
移動枠91が取り付けられた固定部材101に保持枠81が取り付けられると、次いで、図32に示すように、固定部材101には、第2のガイド軸106が取り付けられる。具体的に、固定部材101には、図中下側の取付孔106a,106aに、第2のガイド軸106が取り付けられる。これによって、第2のガイド軸106には、保持枠81の第1のガイド凹部85b,85cと移動枠91の第2のガイド凹部95cとが係合される。
第2のガイド軸106が固定部材101に取り付けられると、図33に示すように、固定部材101には、ヨーク取付部107,107より第2のヨーク114が挿入される。かくして、筒型の第1及び第2の駆動コイル112,116内には、第2のヨークが挿通される。
固定部材101に第2のガイド軸106が取り付けられると、次いで、図34に示すように、マグネット110が取り付けられた第1のヨーク113が固定部材101の底面部101aのマグネット取付部104に接着剤等で固定される。これにより、像ぶれ補正機構80は完成する。
(5−8)動作説明
図35は、図34の状態で取り付けられたマグネット110の斜視図である。図35及び図36に示すように、マグネット110は、第1及び第2の駆動コイル112,116と対向する面が例えばN極となる。そして、像ぶれ補正機構80が組み立てられると、図35に示すように、マグネット110の保持枠81側の面には、第1及び第2の駆動コイル112,116が、長辺が第1の方向Y(ヨー方向)で短辺が第2の方向X(ピッチ方向)となるように取り付けられる。
したがって、補正レンズ17を第2の方向X(ピッチ方向)に移動する場合、保持枠81を駆動する第1の駆動部111は、第1の駆動コイル112に駆動電流を供給する。そして、第1の駆動部111は、供給される駆動電流の向き(図36中細矢印)とマグネット110が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生する(図36中太矢印)。したがって、補正レンズ17は、移動枠91のガイド突起94,94が保持枠81のガイド溝84,84に係合されていることで、第2の方向X(ピッチ方向)に移動する。そして、第1の駆動部111は、駆動電流の向きを切り換えることで、第2の方向X(ピッチ方向)の一方に保持枠81を移動させたり、他方に保持枠81を移動させることができる。
補正レンズ17を第1の方向Y(ヨー方向)に移動する場合、移動枠91を駆動する第2の駆動部115は、第2の駆動コイル116に駆動電流を供給する。そして、第2の駆動部115は、供給される駆動電流の向き(図36中細矢印)とマグネット110が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第2の方向X(ピッチ方向)の駆動力を発生する(図36中太矢印)。
ここで、像ぶれ補正機構80には、変換部121が設けられ、移動枠91のカム突起97,97が固定部材101のカム溝103,103に係合している。そして、カム溝103,103は、第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の方向に45度程度傾いて設けられている。したがって、図37に示すように、移動枠91は、固定部材101に対して第1の方向Y(ヨー方向)、第2の方向X(ピッチ方向)の間の斜め方向に移動することになる(図37(A)参照)。すなわち、移動枠91の移動成分は、図38(B)のように、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)を有している。
ここで、移動枠91に取り付けられた保持枠81は、移動枠91に対して第2の方向X(ピッチ方向)にしか移動しない。したがって、移動枠91の固定部材101に対する第2の方向X(ピッチ方向)の成分は吸収される。そして、保持枠81には、第1の方向Y(ヨー方向)の成分のみが伝えられる(図37(C)参照)。これにより、保持枠81は、固定部材101に対して第1の方向Y(ヨー方向)に移動する。
換言すれば、補正レンズ17を第1の方向Y(ヨー方向)に移動する場合において、移動枠91がカム溝103,103に沿って斜め上方に移動したとき、保持枠21は、移動枠91が固定部材101に対して右方に移動した分、移動枠31に対して図24中左方に移動する。これとは逆に、移動枠91がカム溝103,103に沿って斜め下方に移動したとき、移動枠91が固定部材101に対して左方に移動した分、保持枠81は、移動枠91に対して図24中右方に移動する。これにより、像ぶれ補正機構80は、第2の方向X(ピッチ方向)の光軸ずれを生じさせることなく、第1の方向Y(ヨー方向)の光軸ずれを補正することができる。
以上のように構成することで、像ぶれ補正機構80は、補正レンズ17を保持した保持枠81を第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)に独立して移動可能となる。そして、第1及び第2の駆動部111,115には、撮影者の手ブレ量に応じて、保持枠81の所望の移動量に対応する駆動信号を供給することで、像ぶれ補正を行うことができる。
なお、また、像ぶれ補正機構80には、保持枠81の移動制御のため、第1の駆動コイル112、第2の駆動部115のそれぞれに、センサが装備されている。このセンサは、マグネット110に対する第1の駆動コイル112と第2の駆動コイル116の第1の方向Y(ヨー方向)の位置を検出し、少なくとも、第2の方向X(ピッチ方向)の移動量制御を行えるようにする。
(5−9)効果説明
以上のように構成された像ぶれ補正機構80では、固定部材101の長手方向の一端側に第1の駆動部111と第2の駆動部115とを配置することができるので、幅方向の小型化を実現することができる。また、像ぶれ補正機構80では、第1の駆動部111と第2の駆動部115とを構成するにあたって、一のマグネット110と第1の駆動コイル112と第2の駆動コイル116とを設けるだけでよい。すなわち、像ぶれ補正機構80では、従来のように、ピッチ方向用とヨー方向用とに、それぞれマグネットとコイルとを設ける必要が無くなる。この点で、像ぶれ補正機構80は、部品点数の削減を図ることができ、全体の小型化軽量化を図ることができる。また、像ぶれ補正機構80では、ガイド軸も第1及び第2のガイド軸105,106の2本でよく、この点でも部品点数の削減を図ることができる。
(6)像ぶれ補正機構の説明(第4の例)
図39−図42に示すように、第4の例として説明する像ぶれ補正機構130は、第1の例で説明した像ぶれ補正機構20の変形例であって、第2の駆動部を構成する駆動コイルの形状が相違している。なお、第2の駆動部の第2の駆動コイルを除いて、他は第1の例で説明した像ぶれ補正機構20と同様なため、同一の部材については、同一の符号を付して詳細は省略する。
すなわち、図39に示すように、像ぶれ補正機構130における第2の駆動部131は、上述した移動枠31を移動するものであって、像ぶれ補正機構20と同様のマグネット50と、第2の駆動コイル132を有する。第2の駆動コイル132は、図40に示すように、移動枠31の第2のコイル座面部133に取り付けられる。第2の駆動コイル132は、扁平コイルであって、略平行四辺形をなすように巻回されている。この点で、第1の例として説明した像ぶれ補正機構20の略矩形をなす第2の駆動コイル56と相違している。
この第2の駆動コイル132は、一対の平行部132aと一対の斜行部132bとを有している。第2の駆動コイル132は、斜行部132aに隣接する一辺部となる平行部132aが第2の方向X(ピッチ方向)となり、斜行部132bが第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向となるように、第2のコイル座面部133に取り付けられる。例えば、斜行部132bは、第1の方向Y(ヨー方向)や第2の方向X(ピッチ方向)に対して45度程傾斜するように形成されている。第2の駆動コイル132は、マグネット50のN極とS極とに跨るように配置されることになる。そして、第2の駆動部131は、第2の駆動コイル132に供給される駆動電流(図41(B)中細矢印)とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向の駆動力を発生する(図41(B)中太矢印)。
すなわち、図41に示すように、平行部132aは、該平行部132aに対して垂直な方向の駆動力を発生し、斜行部132bは、該斜行部132bに対して垂直な方向の駆動力を発生する。したがって、平行部132aと斜行部132bとで発生する駆動力が合成された合力の方向は、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向となる。
一般に、上述したカム突起37,37とカム溝43,43とを有する変換部61のようなカム構造の場合、所謂圧力角が大きくなるほど動作の際の摩擦が大きくなり、所望の駆動力を得られなかったり、こじりやロックという現象が発生してしまう。逆に言うと、圧力角が小さいほど円滑な移動が可能である。第1の例として説明した像ぶれ補正機構20のカム突起37,37とカム溝43,43と、ここで説明する像ぶれ補正機構130のカム突起37,37とカム溝43,43のカム圧力角を比較したものを図42に示す。
図42(A)に示すように、第1の例として説明した像ぶれ補正機構20の第2の駆動部55では、第2の駆動コイル56の駆動電流とマグネット50との作用で発生する駆動力の方向が第1の方向Y(ヨー方向)であり、圧力角はθ1となる。また、図42(B)に示すように、ここで説明する像ぶれ補正機構130の第2の駆動部131では、第2の駆動コイル132とマグネット50との作用で発生する駆動力の方向が第2の駆動部55のカム溝43,43の形成方向に近づいている。したがって、第2の駆動部131では、圧力角θ2は圧力角θ1よりも小さくなる。したがって、第2の駆動部131では、第2の駆動部55よりも円滑に移動枠31が固定部材41に対して移動することが可能となる。
第1の例で説明した像ぶれ補正機構20の変換部61のカム溝43,43、ここで説明する像ぶれ補正機構130のカム溝43,43の何れであっても、変換部61は、第2の駆動部55,131の発生する駆動力の方向を、第2の方向X(ピッチ方向)に変換する。ここで、圧力角が大きくなるのを嫌ってカム溝43,43の形成方向を第1の方向Y(ヨー方向)に近づけると、構造上、移動枠31の移動量に対する保持枠21の第2の方向X(ピッチ方向)が小さくなってしまい、伝達効率が悪くなる。結果として、保持枠21に所望の第2の方向X(ピッチ方向)の移動量を与えるためには、移動枠31の移動量を大きくしなければならず、第2の駆動部55,131や像ぶれ補正機構20,130自体の大型化につながってしまう。
ここで説明する像ぶれ補正機構130では、図42に示すように、圧力角θ2が圧力角θ1よりも小さい。したがって、像ぶれ補正機構130では、圧力角に余裕が生まれ、カム溝43,43の形成方向を第2の方向X(ピッチ方向)により近づけることが可能となり、伝達効率を向上させることができる。したがって、像ぶれ補正機構130では、第1の例で説明した像ぶれ補正機構20よりも移動枠31の移動量を小さくすることができ、第2の駆動部131や像ぶれ補正機構130自体をより小型にすることができる。
なお、像ぶれ補正機構130では、ヨークが設けられていないが、第2の例のように、図21や図22に示すヨークを設けるようにしても良く、この場合、マグネット50からの磁束方向がよりZ方向に近づくので、より効率よく保持枠21の移動を行うことができる。
(7)像ぶれ補正機構の説明(第5の例)
図43は、第4の例として説明した像ぶれ補正機構130の変形例であり、第1の例として説明した像ぶれ補正機構20の第2の駆動部55を構成する第2の駆動コイル56を斜めに配置したものである。すなわち、図43の場合において、第2の駆動部141の第2の駆動コイル142の長辺は、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向となるように、第2のコイル座面部に取り付けられる。すると、第2の駆動コイル142の長辺は、該長辺に対して垂直な方向の駆動力を発生する。すなわち、第2の駆動部141は、第2の駆動コイル142に供給される駆動電流(図46(B)中細矢印)とマグネット50が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向の駆動力を発生する(図46(B)中太矢印)。
ここで説明する像ぶれ補正機構140の第2の駆動部141では、第2の駆動コイル142とマグネット50との作用で発生する駆動力の方向が第2の駆動部55のカム溝43,43の形成方向に近づいている。したがって、第2の駆動部141でも、像ぶれ補正機構130と同様、圧力角が小さくなり、像ぶれ補正機構20の第2の駆動部55よりも円滑に移動枠31が固定部材41に対して移動することが可能となる。
また、像ぶれ補正機構140においても、圧力角小さくしているので、圧力角に余裕が生まれ、カム溝43,43の形成方向を第2の方向X(ピッチ方向)により近づけることが可能となり、伝達効率を向上させることができる。したがって、像ぶれ補正機構140でも、第1の例で説明した像ぶれ補正機構20よりも移動枠31の移動量を小さくすることができ、第2の駆動部131や像ぶれ補正機構130自体をより小型にすることができる。
すなわち、第1の例の像ぶれ補正機構20における第2の駆動部55の第2の駆動コイル56の形状は、第4の例及び第5の例で説明した変形例からも分かるように、四角形であれば、長方形でも、平行四辺形でも、菱形での特に限定されるものではない。
(8)像ぶれ補正機構の説明(第6の例)
図44−図47に示すように、第6の例として説明する像ぶれ補正機構150は、第3の例で説明した像ぶれ補正機構80の変形例であって、第2の駆動部を構成する駆動コイルの形状が相違している。なお、第2の駆動部の第2の駆動コイルを除いて、他は第3の例で説明した像ぶれ補正機構80と同様なため、同一の部材については、同一の符号を付して詳細は省略する。
すなわち、図44に示すように、像ぶれ補正機構150における第2の駆動部151は、上述した移動枠91を移動するものであって、像ぶれ補正機構80と同様のマグネット110と、第2の駆動コイル152を有する。第2の駆動コイル152は、図45に示すように、移動枠91の第2のコイル座面部153に取り付けられる。第2の駆動コイル152は、筒型コイルであって、側面が略平行四辺形をなすように巻回されている。この点で、第3の例として説明した像ぶれ補正機構80の略矩形をなす第2の駆動コイル116と相違している。
この第2の駆動コイル152は、例えば長辺が第1の方向Y(ヨー方向)に対して斜めになるように、第2のコイル座面部153に取り付けられる。例えば、長辺が第1の方向Y(ヨー方向)や第2の方向X(ピッチ方向)に対して45度程傾斜するように形成されている。第2の駆動コイル152は、例えばマグネット110のN極と対向するように配置されることになる。そして、第2の駆動部151は、第2の駆動コイル152に供給される駆動電流とマグネット110が発生する磁界との作用によって、フレミング左手の法則に従って、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向の駆動力を発生する。
すなわち、図46に示すように、第2の駆動コイル152は、長辺に対して垂直な方向の駆動力を発生する。したがって、駆動力の方向は、第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)との間の方向となる。
一般に、上述したカム突起97,97とカム溝103,103とを有する変換部121のようなカム構造の場合、所謂圧力角が大きくなる程、動作摩擦が大きくなり、所望の駆動力が得られなかったり、こじりやロックという現象が発生してしまう。逆に言うと、圧力角が小さいほど円滑な移動が可能である。第3の例として説明した像ぶれ補正機構80のカム突起97,97とカム溝103,103と、ここで説明する像ぶれ補正機構150のカム突起97,97とカム溝103,103のカム圧力角を比較したものを図46に示す。
図47(A)に示すように、第3の例として説明した像ぶれ補正機構80の第2の駆動部115では、第2の駆動コイル116の駆動電流とマグネット110との作用で発生する駆動力の方向が第2の方向X(ピッチ方向)であり、圧力角はθ3となる。また、図47(B)に示すように、ここで説明する像ぶれ補正機構150の第2の駆動部151では、第2の駆動コイル152とマグネット110との作用で発生する駆動力の方向が第2の駆動部115のカム溝103,103の形成方向に近づいている。したがって、第2の駆動部151では、圧力角θ4は圧力角θ3よりも小さくなる。したがって、第2の駆動部151では、第2の駆動部115よりも円滑に移動枠91が固定部材101に対して移動することが可能となる。
第3の例の像ぶれ補正機構80のカム溝103,103、ここで説明する像ぶれ補正機構150のカム溝103,103の何れであっても、変換部121は、第2の駆動部115,151の発生する駆動力の方向を、第1の方向Y(ヨー方向)に変換する。ここで、圧力角が大きくなるのを嫌ってカム溝103,103の形成方向を第2の方向X(ピッチ方向)に近づけると、構造上、移動枠91の移動量に対する保持枠81の第1の方向Y(ヨー方向)が小さくなってしまい、伝達効率が悪くなる。結果として、保持枠81に所望の第1の方向Y(ヨー方向)の移動量を与えるためには、移動枠91の移動量を大きくしなければならず、第2の駆動部115,151や像ぶれ補正機構80,150自体の大型化につながってしまう。
ここで説明する像ぶれ補正機構150では、図47に示すように、圧力角θ4を圧力角θ3よりも小さくしているので、圧力角に余裕が生まれる。したがって、像ぶれ補正機構150は、カム溝103,103の形成方向を第1の方向Y(ヨー方向)により近づけることが可能となり、伝達効率を向上させることができる。したがって、像ぶれ補正機構150では、第3の例で説明した像ぶれ補正機構80よりも移動枠91の移動量を小さくすることができ、第2の駆動部151や像ぶれ補正機構150自体をより小型にすることができる。
なお、像ぶれ補正機構150では、ヨークが設けられていないが、第3の例のように、ヨークを設け、より効率よく保持枠81の移動を行うようにしても良い。
(9)その他の変形例
以上、補正レンズ17の像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150を説明したが、本発明の像ぶれ補正機構は、撮像素子18を保持枠に保持するようにして、像ぶれ補正を行うようにしても良い。また、像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150を横長にして、横方向の一端側に、第1の駆動コイル52,112や第2の駆動コイル56,116,132,142,152やマグネット50,110を寄せるようにしても良い。これにより、縦方向の小型化を図ることができる。縦長とするか横長とするかは、組み付けられるカメラ本体2の構成や大きさに従って選択することになる。
また、ディジタルスチルカメラを例に説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラにも適用することができ、更には、銀塩のスチルカメラに適用することもできる。
(10)ディジタルスチルカメラの回路構成
図48は、上述したような像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150を備えたカメラ1のブロック図である。このカメラ1は、像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150を有するレンズ鏡筒等全体の動作を制御する制御部201を有する。また、カメラ1は、制御部201を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリとして機能する記憶部202、撮影等のための各種の指令信号等を入力する操作部203、撮影された映像等を表示する表示部204、記憶容量を拡大する外部メモリ205等を備える。
制御部201は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えている。この制御部201には、記憶部202と、操作部203と、アナログ信号処理部206と、デジタル信号処理部207と、A/D変換器208と、D/A変換器211と、タイミングジェネレータ(TG)212とが接続されている。アナログ信号処理部206は、撮像素子18に接続されており、この撮像素子18から出力される撮影画像に対応したアナログ信号によって所定の信号処理を実行する。このアナログ信号処理部206は、A/D変換器208に接続されており、このA/D変換器208によって出力がデジタル信号に変換される。
D/A変換器211には、像ぶれ補正のためのサーボ演算を行う駆動制御部214が接続されている。駆動制御部214は、補正レンズ17の位置に応じて像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150をサーボ制御して像ぶれを補正する。駆動制御部214には、例えば第1の駆動コイル52,112や第2の駆動コイル56,116,132,142,152に取り付けられているマグネット50,110の磁力を検出し、保持枠21,81の第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)の位置を検出する位置検出部215が接続されている。位置検出部215は、例えばホール素子等のセンサである。また、駆動制御部214には、カメラ本体2のぶれを検出するぶれ検出部213が接続されている。ぶれ検出部213は、例えばジャイロセンサである。なお、タイミングジェネレータ(TG)212は、撮像素子18と接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ系を介して撮像素子18の結像面に結像されると、その画像信号がアナログ信号として出力され、アナログ信号処理部206で所定の処理が実行された後、A/D変換器208によってデジタル信号に変換される。A/D変換器208からの出力は、デジタル信号処理部207で所定の処理が実行された後、被写体に対応した画像として表示部204に表示され、或いは外部メモリ205に記憶情報として記憶される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150は、動作状態にあり、カメラ本体2に振れや揺れ等が生じると、ぶれ検出部213が振れや揺れ等を検出し、検出信号を駆動制御部214に出力する。駆動制御部214では、所定の駆動信号に従った駆動電流を第1の駆動コイル52,112や第2の駆動コイル56,116,132,142,152に供給する。これにより、保持枠21,81は、固定部材41,101に対して第1の方向Y(ヨー方向)と第2の方向X(ピッチ方向)に移動する。これに伴い、補正レンズ17も、保持枠21,81と共に同方向に移動し、像ぶれが解消する。
なお、像ぶれ補正機構20,70,80,130,140,150が撮像素子18を保持するときには、ぶれ検出部213が検出した振れや揺れ等に従った駆動電流を駆動制御部214が第1の駆動コイル52,112や第2の駆動コイル56,116,132,142,152に供給する。これに伴い、撮像素子18も、保持枠21,81と共に同方向に移動し、像ぶれが解消することになる。
1 ディジタルスチルカメラ、2 カメラ本体、3 レンズ部、10 レンズ鏡筒、17 補正レンズ、18 撮像素子、20,70,80,130,140,150 像ぶれ補正機構、21 保持枠、22 枠本体、23 レンズ座面部、23a 固定溝、24 ガイド溝、25a−25c 第1のガイド凹部、26 第1のコイル座面部、31 移動枠、32 枠本体、33 第1の透孔、34 ガイド突起、35a−35c 第2のガイド凹部、36 第2のコイル座面部、37 カム突起、38 マグネット用凹部、41 固定部材、41a 底面部、41b−41d 側壁、42 第2の透孔、43 カム溝、44 マグネット取付部、44a マグネット支持部、44b マグネット座面部、45 第1のガイド軸、45a 取付孔、46 第2のガイド軸、46a 取付孔、50 マグネット、51 第1の駆動部、52 第1の駆動コイル、55 第2の駆動部、56 第2の駆動コイル、61 変換部、81 保持枠、82 枠本体、83 レンズ座面部、83a 固定溝、84 ガイド溝、85a−85b 第1のガイド凹部、86 第1のコイル座面部、91 移動枠、92 枠本体、93 第1の透孔、94 ガイド突起、95a−95c 第2のガイド凹部、96 第2のコイル座面部、97 カム突起、101 固定部材、101a 底面部、101b,101c 側壁、102 第2の透孔、103 カム溝、104 マグネット取付部、105 第1のガイド軸、105a 取付孔、106 第2のガイド軸、105b 取付孔、107 ヨーク取付部、110 マグネット、111 第1の駆動部、112 第1の駆動コイル、113 第1のヨーク、114 第2のヨーク、115 第2の駆動部、116 第2の駆動コイル、121 変換部、131 第2の駆動部、132 第2の駆動コイル、132a 平行部、132b 斜行部、133 第2のコイル座面部、141 第2の駆動部、142 第2の駆動コイル、151 第2の駆動部、152 第2の駆動コイル、153 第2のコイル座面部

Claims (11)

  1. レンズ又は撮像素子を保持する保持枠と、
    上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠を移動する駆動力を発生する第1の駆動部と、
    上記保持枠が上記第1の駆動部によって移動可能に取り付けられる移動枠と、
    上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠が取り付けられた移動枠を移動する駆動力を発生する第2の駆動部と、
    上記保持枠が取り付けられた移動枠が移動可能に取り付けられる固定部材と、
    上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を変換する変換部とを備え、
    上記第1の駆動部は、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記移動枠を第1の方向に移動する駆動力を発生し、
    上記第2の駆動部は、上記第1の駆動部が発生する駆動力と直交しない方向の駆動力を発生し、
    上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第1の方向と直交する第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする像ぶれ補正装置。
  2. 上記変換部は、上記固定部材、上記移動枠の何れか一方に形成されたカム部と、
    上記固定部材、上記移動枠の何れか他方に形成され、上記カム部に係合する係合部とを有し、
    上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第1の方向と直交する上記第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  3. 上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向は、上記第1の方向であり、
    上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の上記第1の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする請求項2記載の像ぶれ補正装置。
  4. 上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向は、上記第1の方向と上記第2の方向との間の方向であり、
    上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする請求項2記載の像ぶれ補正装置。
  5. 上記第1及び第2の駆動部は、上記固定部材に取り付けられる一のマグネットと、上記保持枠に取り付けられ、上記第1の駆動部を構成する第1の駆動コイルと、上記移動枠に取り付けられ、上記第2の駆動部を構成する第2の駆動コイルとを有するリニアモータである請求項1又は請求項2記載の像ぶれ補正装置。
  6. 上記第1及び第2の駆動コイルは、扁平コイルであり、上記マグネットを挟むように配置されている請求項5記載の像ぶれ補正装置。
  7. 上記第2の駆動コイルは、略矩形をなし、上記第1の方向又は第2の方向に対して少なくとも傾斜する斜行部を有し、
    上記斜行部で発生する駆動力の方向と該斜行部と隣り合う一辺部で発生する駆動力の方向とを合成した合力の合成方向が上記第1の方向と上記第2の方向との間の方向であり、
    上記変換部は、上記合力の合成方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする請求項6記載の像ぶれ補正装置。
  8. 上記第1及び第2の駆動コイルは、筒型コイルであり、並んで上記マグネットと対向するように配置されている請求項5記載の像ぶれ補正装置。
  9. 上記第2の駆動コイルは、上記第1の方向又は第2の方向に対して少なくとも傾斜しており、
    上記第2の駆動部の発生する駆動力の方向は、上記第1の方向と上記第2の方向との間の方向であり、
    上記変換部は、上記第2の駆動部の発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする請求項8記載の像ぶれ補正装置。
  10. 更に、上記第1及び第2の駆動コイルに近接した位置には、ヨークが配置されている請求項5記載の像ぶれ補正装置。
  11. レンズ又は撮像素子を保持する保持枠と、
    上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠を移動する駆動力を発生する第1の駆動部と、
    上記保持枠が上記第1の駆動部によって移動可能に取り付けられる移動枠と、
    上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記保持枠が取り付けられた移動枠を移動する駆動力を発生する第2の駆動部と、
    上記保持枠が取り付けられた移動枠が移動可能に取り付けられる固定部材と、
    上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を変換する変換部とを備え、
    上記第1の駆動部は、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記移動枠を第1の方向に移動する駆動力を発生し、
    上記第2の駆動部は、上記第1の駆動部が発生する駆動力と直交しない方向の駆動力を発生し、
    上記変換部は、上記第2の駆動部が発生する駆動力の方向を、上記レンズ又は撮像素子の光軸と直交する面内において、上記第1の方向と直交する第2の方向に変換し、上記固定部材に対して上記保持枠が該第2の方向に移動可能にする撮像装置。
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JP2010135597A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Alps Electric Co Ltd レーザー光源装置

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