JP2011085258A - クリアランス修復装置を有するクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクパックの摩耗と部材の寸法公差を補償する。
【解決手段】軸方向に運動可能な加圧アセンブリ14,50,58,60;214,50,58,60は、ディスク押圧部材14;214を有する。ディスクパック12の駆動ディスク12a,12a’は、被動ディスク12cに交互する。遠心アセンブリは、質量体キャリア62と遠心質量体76を有し、加圧アセンブリ14,50,58,60;214,50,58,60に軸方向に協働してディスクパック12の軸方向圧縮を引起こす。一方向型の第1クリアランス修復装置24は、軸方向固定ハブ8;208からの、およびディスクパック12からのディスク押圧部材14;214の分離を制限する。一方向型の第2クリアランス修復装置90,92,94,96,98は、遠心アセンブリ62,76がディスク押圧部材14;214に向かう軸方向運動のみを許す。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリアランス修復装置を有するクラッチに関する。具体的には本発明は、クラッチの運転中に生じる摩耗、またはクラッチ自体を組立てる時の部材の機械加工誤差に関連してクリアランスを修復する装置を有する、自動係合装置を備えると同時に手動操作装置も具備するクラッチに関して開発された。
動力伝達の分野では乾式多板クラッチか、または湿式多板クラッチの使用が知られている。この型のクラッチは、一般にディスクパックを有し、その中でクラッチを取付けた自動車のエンジンに接続されているクランクシャフトから動力を受取るクラッチの部材、典型的にはベルに一体回転する駆動ディスクと、動力を典型的にギアチェンジの主要部分である被動シャフトに伝えるクラッチの部材、典型的にはハブに一体回転する被動ディスクとが交互している。被動ディスクと駆動ディスクは、金属材料で作られ、一方または他方が択一的に摩擦材料で被覆される。最後に、知られているように、一般には軸方向に運動可能な可動部材があり、ディスクパックを圧縮することによってクラッチの係合を確保する。
クラッチの使用中、具体的には係合と離脱の過渡中、およびクラッチがトルク制限部材として働く状況において、ディスクは、相対的滑りによって摩耗を被ることが知られている。
これは明らかにディスクに存在する摩擦材料の減耗を引起こし、その結果としてディスクパックの全厚の減少を引起こす。
このことが手動操作クラッチ、およびとりわけ自動操作クラッチ、一般には遠心型クラッチのいずれの場合でも、クラッチの操作に直接影響を与えることは明らかである。具体的には、ディスクパックの摩耗、およびその結果として減耗が進行するに連れて、一般に自動型クラッチの可動部材の行程に変動が生じ、それによって運転者のインプットに対するレスポンスが変化し、車の運転操作性と動力性能に否定的な影響を与える。
同様に、クラッチを組立てる時に、設計段階で指定された公差に従う公称値に関して、部材自体の寸法の狂いによって引起こされるクリアランスが存在し得ることが知られている。部材のクリアランスの変動も自動型クラッチの変動も可動部材の行程の変動を引起こす。これは以下に説明されるように、自動的に係合するクラッチの分野で特に重要であり、一般に長期にわたり経済的負担の著しい介入を必要とする。
上記の問題は、自動二輪車の分野で特に重要である。この分野では車両の運転操作性の特定、および運転者のインプットに対する車両のレスポンスが、自動車の性能にとっても、安全性と乗り心地にとっても極めて重要である。
具体的には、自動クラッチを手動制御する場合、ギアチェンジの標準操作を実行し、または停止状態からスタートするために制御レバーを操作する運転者は、クラッチの摩耗または種々異なる組立クリアランスに起因するクラッチのレスポンスの差異を感じるが、これは明らかにオートバイ自体の運転操作性を不利にする。
自動操作クラッチ、具体的には遠心型クラッチの場合、係合を実行する可動部材の行程は、エンジンの回転速度に比例する。それゆえ摩耗の増加の結果として、またはより高い値の組立クリアランスに対して、クラッチを係合させるために、より高い回転速度に達す
ることが必要なことは明白であるが、これは車両自体の運転操作性の特性に対する強い影響を伴う。加えて、摩耗値が低くてもクラッチ自体の操作の誤りが起こり得よう。
自動クラッチに対する先行技術の関連において利用可能な解決は、一般にクラッチの組立時にも使用中にも、クラッチの摩耗または寸法公差に起因するクリアランスを補償するために、ディスクパックに種々異なる厚さのディスクを挿入することを想定している。
国際公開第2005/083,284号パンフレット 米国特許出願公開第2004/262,119号明細書 米国特許第1,553,101号明細書 米国特許出願公開第2007/125,617号明細書 欧州特許第1,058,018号明細書
しかし、上述したディスクを取付けることは、不可避的にクラッチを分解しなければならないことを伴う。明らかにこれはおよそ簡便ではなく、わけてもそれはクラッチが車両の運転者によって与えられたインプットに対するレスポンスを既に一部変化させた時に行われる介入である。したがってそれは運転者にとって自動的で明瞭な行動ではない。
本発明の目的は、先行技術の問題を克服することである。具体的には本発明の目的は、ディスクパックの摩耗および部材の寸法公差に起因する操作における変動を運転者にとって自動的かつ明瞭な方法で補償して、ディスクパックの摩耗の進行または種々異なる組立クリアランスの存在に起因する変化を実質的に生じることなく、運転操作性と、車両の運転者のインプットに対するレスポンス特性とを維持することが可能な自動型クラッチを提供することにある。
本発明の目的は、本発明に関連して本明細書中に提供される技術的な教示に一体の部分をなす以下の特許請求項に記載された特徴を有するクラッチによって達成される。具体的には上記の目的は、それぞれディスクパックを軸方向に圧縮する可動部材および係合遠心アセンブリに協働する一方向型の第1クリアランス修復装置と第2クリアランス修復装置を有する、自動操作型と手動操作型のクラッチ、特に多板クラッチによって達成される。
以下に本発明を、全く制限するものではない例として与えられた添付の図面に基づいて説明する。
公称寸法で製造された部材を組立てた、ゼロ摩耗状態における本発明の第1実施態様によるクラッチの縦断面図であり、自動クラッチ係合の順序の一部を示す。 図1において矢印Aで示された部分の拡大図。 図1において矢印Bで示された部分の拡大図。 公称寸法で製造された部材を組立てた、ゼロ摩耗状態における本発明の第1実施態様によるクラッチの縦断面図であり、自動クラッチ係合の順序の一部を示す。 図2を基準にして図1Aに対応する図。 図2を基準にして図1Bに対応する図。 公称寸法で製造された部材を組立てた、同じ摩耗状態における図1に示すクラッチの縦断面図であり、手動クラッチ係合の順序を示す。 公称寸法で製造された部材を組立てた、同じ摩耗状態における図1に示すクラッチの縦断面図であり、手動クラッチ係合の順序を示す。 公称寸法で製造された部材を組立てた、同じ摩耗状態における図1に示すクラッチの縦断面図であり、手動クラッチ係合の順序を示す。 公称寸法で製造された部材を組立てた、同じ摩耗状態における図1に示すクラッチの縦断面図であり、手動クラッチ離脱の順序を示す。 図面で指定された寸法公差で製造された部材を組立てた、非ゼロ摩耗状態における図1に対応する縦断面図。 図7を基準にして図1Aに対応する図。 図7を基準にして図1Bに対応する図。 図7の摩耗と組立の状態における、図2の縦断面図に対応する縦断面図。 図8を基準にして図2Aに対応する図。 図8を基準にして図2Bに対応する図。 公称寸法で製造された部材を組立てた、ゼロ摩耗状態における本発明の第2実施態様によるクラッチの縦断面図であり、自動クラッチ係合の順序の一部を示す。 公称寸法で製造された部材を組立てた、ゼロ摩耗状態における本発明の第2実施態様によるクラッチの縦断面図であり、自動クラッチ係合の順序の一部を示す。
図1は、本発明の第1実施態様によるクラッチ1を示す。この実施態様ではクラッチ1は、駆動シャフト(不図示)に対して平行な回転軸心つまり軸心X1を有する。
クラッチ1は、クラッチ1を取付けた車両エンジンに接続された上記の駆動シャフトから動力を受取るように設計されたリングギア2を有する。リングギア2は、エラストマ材料で作られた複数のジャーク防止(anti−jerk)環状部材6によって、第1ベル4に一体回転するようにされている。リングギア2と第1ベル4は、クラッチ1の軸心X1に同軸である。
第1ハブとしての第1固定ハブ8は、第1ベル4内に位置して、軸心X1に同軸に軸方向で固定されている。第1固定ハブ8は、スプライン成形部8aによって、極細線で表された軸心X1に同軸に被動シャフト9に回転結合して車両のギアボックス(不図示)の部分をなすように意図されている。被動シャフト9は、以下に詳しく説明するように中空であり、軸方向に運動可能な制御ロッド9aを収容している。第1固定ハブ8は、第1軸方向ベアリング8bと第1カラー8cによって軸方向に支持され、ディスクパック12に接する第1当接面10を有する。ディスクパック12は、軸心X1に同軸であり、ゼロ摩耗状態か、または公称寸法で製造された部材を組立てた時(図1〜図6に示す)の全厚は、寸法Pに等しい。
ディスクパック12は、複数の駆動ディスク12aを有し、これらの駆動ディスク12aは、それぞれの外歯部12bによって第1ベル4に一体回転し、それぞれ摩擦材料で作られた複数の円形区域(見えない)を備え、複数の被動ディスク12cに交互している。これらの被動ディスク12cは、それぞれの内歯部によって、互いに平行で反対に向いた係合方向Eと離脱方向Dで軸方向に運動可能な第2ハブとしての可動ハブ14に一体回転する。ディスクパック12は、第1軸方向に固定された第1固定ハブ8と、第2軸方向に運動可能な可動ハブ14との間に配置されて、第1当接面10に接する。ディスクパック12には更に、同様に第1ベル4に一体回転し、第1皿バネ13を収容するために特大の内径を有する駆動ディスク12a’が挿入されている。
可動ハブ14は、軸心X1に同軸であり、以下に詳しく説明するようにディスクパック12に協働するように設計された圧縮面16を有する。可動ハブ14の、ひいてはクラッチ1のディスク押圧部材を提供する。
可動ハブ14は、複数の螺旋状連結成形部としての可動連結成形部17によって軸方向で第1固定ハブ8に嵌合されている。これらの可動連結成形部17は、同様に螺旋状で軸方向に固定された第1固定ハブ8上に設けられた対応する固定連結成形部17aに協働する。このようにして可動ハブ14と第1固定ハブ8は一体回転するが、可動ハブ14は、可動連結成形部17と固定連結成形部17aによって加えられる回転並進の動力で、第1固定ハブ8に対して軸方向に運動可能である。
第1固定ハブ8内に設けられた固定軸方向座部20と、可動ハブ14内に設けられた可動軸方向座部22とによって収容されている複数の第1分離弾性部材18は、軸方向に運動可能な可動ハブ14を、軸方向に固定された第1固定ハブ8から、およびディスクパック12から軸方向に分離させるように設計されている。ここに例示された実施態様では、クラッチ1は、具体的には円筒コイルバネの形をした3個の第1分離弾性部材18を、互いに等しい角度間隔で有する。
更に第1固定ハブ8と可動ハブ14の間には、少なくとも1個の第1クリアランス修復装置24が収容されている。ここに例示された実施態様では、クラッチ1は、軸心X1を中心として3個の第1クリアランス修復装置24を、互いに等しい角度間隔で、第1分離弾性部材18とは交互に有する。
図1と図1Aを参照して、それぞれ第1クリアランス修復装置24は、円筒形の第1ピン26を有する。この第1ピン26は、この実施態様では鋸歯状断面を有する第1環状突起28aを具備した第1端28を有している。この第1ピン26の第2端29には、同様に円筒形の第2ピン30が第1ピン26に同軸かつ一体的に取付けられている。第2ピン30は、第1ピン26の首部よりも直径が小さい首部32を有し、第1ピン26に直接隣接し、直径が首部32の直径よりも顕著に大きい円筒頭部34を有している。ここに例示された実施態様では、第2ピン30は、第1ピン26の内部にネジ込まれ、第1ピン26に同軸である。第1ピン26の円筒頭部34と第2端29は、以下に詳しく説明するように、可動ハブ14に対して2個の当接面を提供する。
それぞれ首部32は、可動ハブ14の厚さが減らされている部分に設けられた対応する孔36の内部に、一般に遊びを伴って挿入されている。可動ハブ14は、第1分離弾性部材18の作用によって円筒頭部34に接した状態に保たれる。
それぞれ首部32の長さつまりピン首寸法Lは、可動ハブ14の孔36が設けられている部分の厚さつまり可動ハブ厚Tによって指定される。すなわちピン首寸法Lと可動ハブ厚Tの差が、可動ハブ14の公称係合行程Sに等しくなる寸法にされている(L−T=S)。この公称係合行程Sは、クラッチ1が離脱してディスクパック12がゼロ摩耗および/または上で説明されたように公称寸法で製造された部材の組立クリアランスがゼロの状態で、ディスクパック12と可動ハブ14の間の軸方向距離に実質的に相当する。それゆえそれぞれ首部32の長さつまりピン首寸法Lは、可動ハブ厚Tと公称係合行程Sの合計に実質的に等しい。
公称係合行程Sは、したがってクラッチ1に対する基準値である。以下において、文字「S」に関連付けられていない場合は、「係合行程」という言葉で、一般的にクラッチ1が離脱した状態で可動ハブ14とディスクパック12の間の軸方向距離を意味する。
最後に、第1クリアランス修復装置24は、第1ピン26と第2ピン30に同軸でそれぞれ少なくとも1個の曲げ戻された第1リップ40を有する環状薄板38のパックを有する。環状薄板38は、それ自体公知の仕方で、スペーサリング42と第1弾性リング44
によって軸方向に固定された状態に保たれている。環状薄板38とスペーサリング42と第1弾性リング44は、第1固定ハブ8内に設けられた固定座部46に収容され、第1ピン26に同軸の通路48に結合されている。それぞれ第1リップ40は、対応する通路48に向かって曲げられている。
第1ピン26の第1端28は、環状薄板38内に挿入され、第1端28に設けられた第1環状突起28aは、曲げ戻された第1リップ40に協働する。
具体的には、第1環状突起28aの形状と向きは、第1ピン26が係合方向Eで第1リップ40に対して相対的に運動した場合に、曲げ戻された第1リップ40に対して実質的にランプ状の輪郭形状を提供して上述した相対運動を可能にするようになっている。相対運動が離脱方向Dで行われる場合は、第1環状突起28aは、実質的に第1リップ40に対して相対運動を阻止する肩状部を提供する。
第1クリアランス修復装置24は、このようにして、以下に説明されるように第1ピン26と第2ピン30が係合方向Eでのみ軸方向に運動可能である一方向の直線ラチェットポール機構を提供する。
可動ハブ14は更に、第2ピン30のそれぞれの首部32が挿入された上述の厚さが減らされている部分のそれぞれによって、第2ピン30の円筒頭部34によって提供される当接面と、第1ピン26の第2端29によって提供される当接面とによって制限された軸方向運動が強制される。
クラッチ1は更に、軸心X1に同軸で可動ハブ14に軸方向に協働する第1加圧リング50を有する。この第1加圧リング50は、可動ハブ14に一体回転し、ある操作状態では可動ハブ14に軸方向に接する。第1加圧リング50は、リング孔52によって、第1クリアランス修復装置24の第2ピン30の円筒頭部34に嵌合されている。リング孔52は、一般に遊びを伴って円筒頭部34との嵌合を可能にするように設けられている。
第1加圧リング50は、軸方向で、特に円筒コイルバネの形をした第2分離弾性部材54によって対向されている。この第2分離弾性部材54は、軸心X1に同軸で、フランジ56aによって軸方向に支持されている。フランジ56aは、被動シャフト9に嵌合され、ネジ付き第1リングナット56によってその上で軸方向に動かないようにされている。
軸心X1に同軸の第2加圧リング58は、公知の型の第2軸方向ベアリング60によって第1加圧リング50に軸方向で協働する。それゆえ第1加圧リング50と第2加圧リング58とは、互いに直接には接していない。
クラッチ1はそれゆえ、この実施態様では、軸方向に運動可能な可動ハブ14、第1加圧リング50、第2加圧リング58、および第2軸方向ベアリング60を有する軸方向に運動可能な加圧アセンブリを有する。上で説明されたように、軸方向に運動可能な可動ハブ14は、前記加圧アセンブリのディスク押圧部材を提供する。
第2加圧リング58は、質量体キャリア62に一体回転する。この質量体キャリア62は、軸心X1に同軸で、こちらはセンタリングダイアメータ(centeringdiametercent)65を介してその内部に挿入されている第2ベル64に一体回転する。具体的に言うと質量体キャリア62は、第2ベル64上の対応する相手方の輪郭形状に係合する突起65aによって第2ベル64に一体回転し、一方では第2ベル64に対して軸方向に可動である。
第2ベル64は、軸心X1に同軸であり、公知の型のネジによって第1ベル4に一体回
転する。それゆえ質量体キャリア62と第1ベル4と第2ベル64は、車両エンジンから動力を受取るリングギア2に一体回転する。
第2加圧リング58は、その中に設けられた複数の貫通軸方向座部66を有する。それぞれ貫通軸方向座部66は、ここでは円筒コイルバネの形をしたそれぞれの加圧弾性部材68を収容している。加圧弾性部材68は、軸方向ボス70に嵌合され、この軸方向ボス70は、対応する貫通軸方向座部66を横断して、質量体キャリア62に一体的にその中に挿入されている。それぞれ軸方向ボス70には、半径方向に突出した頭部74を有するそれぞれの第3ピン72がネジ込まれている。
それぞれ加圧弾性部材68は、貫通軸方向座部66の底部と、対応する第3ピン72の頭部74との間に配置されている。それぞれ加圧弾性部材68は、第2加圧リング58を、遠心質量体76によって軸方向で質量体キャリア62に接した状態に保つように構成されている。
質量体キャリア62は、軸心X1を中心に配置された複数の遠心質量体76を有する。これらの遠心質量体76は、軸心X1に対して実質的に横断方向にあるそれぞれの第4ピン78の周囲を回転可能である。
質量体キャリア62と、これに回転連結する遠心質量体76とは、クラッチ1の遠心アセンブリを形成する。それゆえ遠心アセンブリは、質量体キャリア62によって第2ベル64に一体回転し、軸心X1に同軸である。
更に軸方向ボス70、貫通軸方向座部66、および加圧弾性部材68によって、第2加圧リング58が、質量体キャリア62に一体回転し、ひいては遠心アセンブリに一体回転することが理解されるであろう。
クラッチ1の遠心アセンブリは、遠心質量体76によってクラッチ1の加圧アセンブリ、具体的には第2加圧リング58に軸方向で協働して、ディスクパック12の軸方向圧縮を引起こす。それぞれ遠心質量体76は、第2加圧リング58に軸方向推力を加えるように設計された質量基部80を有する。更に遠心質量体76の回転は、質量体キャリア62に一体的な終点ボス82によって制限されている。
質量体キャリア62は、更に軸心X1に同軸の円形座部84を有し、その中に第2ベル64の第2固定ハブ86が、第2ベル64に一体的で軸方向に固定されて収容されている。第2固定ハブ86は、第2カラー88と第3カラー89を有する。第2カラー88の上に具体的には円筒コイルバネの形をした修復弾性部材90が嵌合し、質量体キャリア62に軸方向で協働する。詳しくは、第2分離弾性部材54の予荷重よりも遥かに大きい予荷重を有する修復弾性部材90が、遠心アセンブリ、具体的には質量体キャリア62を第2固定ハブ86から係合方向Eで軸方向に離して、加圧アセンブリに向かって軸方向に押圧するように構成されている。
図1と図1Bを参照して、ネジを付けた第3カラー89の上にネジ付き第2リングナット92がネジ込まれ、ワッシャ94を第2固定ハブ86上で軸方向に動かないようにしている。ワッシャ94は、複数の曲げ戻された第2リップ96を有する。これらの第2リップ96は、対応する第2環状突起98に協働するように構成されている。ここに例示された第2環状突起98は、鋸歯状断面を有し、第4カラー100に設けられている。第4カラー100の第2環状突起98が、第2リップ96に協働する方法はそれぞれ、第1ピン26の第1環状突起28aが第1リップ40に協働する方法に同一である。
実質的に平面展開を有する第1ディスク102と第2ディスク104と、これらの間に置かれ実質的に垂直展開を有するリング106とは、質量体キャリア62の円形座部84内に収容されて、軸方向に第4カラー100および向き合って組付けられた1対の第2皿バネ108を有する環状構造を構成する。第2皿バネ108は、軸方向で第4カラー100に対向している。第2弾性リング110は、円形座部84内にある第1ディスク102および第2ディスク104とリング106とによって構成された上述の環状構造を軸方向で動かないようにしている。
第4カラー100、ワッシャ94、第2リングナット92、および修復弾性部材90は、一方向型の第2クリアランス修復装置を構成している。第1クリアランス修復装置24と同様に、第2クリアランス修復装置は、一方向の直線ラチェットポール機構である。
最後に、クラッチ1は、第3軸方向ベアリング114によって質量体キャリア62に軸方向に協働する制御部材112を有し、被動シャフト9内で、軸方向に運動可能な制御ロッド9aに連結している。制御ロッド9aは、更に制御部材112を軸方向に支持する。
以下においてクラッチ1の操作について説明する。
クラッチ1は、一般に車両エンジン(不図示)の駆動シャフトから、動力を被動シャフト9に伝達するように設計されている。
後続の図1と図2は、自動係合の順序の一部を例示する。
図1、図1A、図1Bにおいて、クラッチ1は、待機状態で例示されている。これは車両エンジンが回転していないか、またはアイドリング状態にあるか、または以下に説明されるようにクラッチ1の係合限界よりも低い速度で回転している状況に対応する。
図1、図1A、図1Bおよび後続の図2から図6は、ディスクパック12がゼロ摩耗であるか、または実用的にゼロ摩耗である状態を示している。部材の寸法公差について以上に説明されたことから、図1、図1A、図1Bは、後続の図2から図6と同様に、部材が心合わせされた公差で、それゆえ実質的に公称寸法で製造された状態も等しく示す。
クリアランス修復装置の対応する位置が図1Aと図1Bに例示されている。
エンジンが回転していると、リングギア2、第1ベル4、第2ベル64、駆動ディスク12a、遠心アセンブリ、および第2加圧リング58は、軸心X1を中心に回転駆動される。第2クリアランス修復装置もまた、軸心X1を中心に回転駆動される。
可動ハブ14と第1固定ハブ8を含む残りの部材は、回転せず、第2軸方向ベアリング60によって第2加圧リング58を第1加圧リング50に対して相対回転させ、および第3軸方向ベアリング114によって遠心アセンブリを制御部材112に対して相対回転させることが可能になる。
待機状態において可動ハブ14と第1固定ハブ8は、第1分離弾性部材18の作用によって互いに分離された状態に保たれているので、ディスクパック12を軸方向に圧縮しない。その結果として、自動車のエンジンが上に示した速度以下で回転する場合は、トルクは、被動シャフト9には伝達されない。この状態において第1加圧リング50は、修復弾性部材90によって、軸方向に運動可能な可動ハブ14に接した状態に保たれている。
以上に説明された状態から開始して、クラッチ1の係合を引起こすためには、加速器の制御に基づく作用によって、車両エンジンの回転速度を増すことが必要である。
図2を参照して、遠心質量体76は、図2に矢印Rで示された反時計方向に回転を行う。あるいはより一般的には、それぞれ遠心質量体76の質量基部80は、加圧アセンブリ
を係合方向Eに押圧し、つまりディスクパック12に向かって押圧する。
具体的には、遠心質量体76の回転は、質量基部80によって第2加圧リング58を係合方向Eで押圧する。この第2加圧リング58は、遠心質量体76から軸方向推力を受取るように構成された輪郭形状を具備し、この遠心質量体76は、第2軸方向ベアリング60によって推力を第1加圧リング50に伝達する。第1加圧リング50は、次に軸方向推力を、軸方向に運動可能な可動ハブ14に伝える。
このようにして、可動ハブ14とディスクパック12の間の距離Sは、漸次に無にされ、駆動ディスク12aと被動ディスク12cの間に存在するクリアランスも同様に除去される。よって、加圧面としての圧縮面16と、ディスクパック12自体との接触を引起こす。それゆえディスクパック12は、軸方向に運動可能な可動ハブ14によって圧縮され、こうして摩擦によってトルクを被動シャフト9に伝えることを可能にする。明らかに前記状態においては待機状態で回転しない部材も、トルクを伝達可能な摩擦の接線分力を生成する駆動ディスク12aおよび12a’と被動ディスク12cとの間で力が軸方向に伝えられるために、軸心X1を中心に回転駆動される。
具体的には、クラッチ1の係合開始状態を達成するために、加圧アセンブリへの遠心質量体76の作用は、次の部材の複合作用を克服しなければならない。すなわち、第2加圧リング58と、質量体キャリア62の遠心質量体76とを互いに接した状態に保つように、以下の弾性部材が設計されている。つまり第2加圧リング58が質量体キャリア62に向かって弾性的に復帰する作用を生み出すように設計されている加圧弾性部材68と;可動ハブ14を第1固定ハブ8から分離するように構成された第1分離弾性部材18と;および第1加圧リング50を第2軸方向ベアリング60に接した状態に保つように構成された第2分離弾性部材54である。その代わりに修復弾性部材90の作用が、遠心質量体76の作用に加わる。第2分離弾性部材54と修復弾性部材90の予荷重の値は、他の第1分離弾性部材18と加圧弾性部材68の予荷重に比較して非常に低いために、クラッチ1の係合を開始する目的には実質的に影響がない。
明らかに前記状態が達成されるのは、第1分離弾性部材18と加圧弾性部材68の復帰力を実質的に克服するほどに十分大きい遠心力が存在する場合のみ、それゆえ回転動力をクラッチ1に、具体的には遠心アセンブリに伝える車両エンジンが、上に述べた限界値よりも高い速度で回転する場合のみである。全く非制限的な例を示すと、ここで例示されたクラッチ1に典型的な限界値は、クラッチ1を取付けた車両エンジンの回転速度で表現すれば約4000rpmである。
クラッチ1の係合段階が開始した後で、エンジン速度が増すと、第4ピン78を中心に回転し続ける遠心質量体76によって生成される加圧アセンブリとディスクパック12上の軸方向力の値も増し、ひいてはクラッチ1によって伝達されるトルクの値が増す。
遠心質量体76によって生成された軸方向力の結果として、クランクシャフト(不図示)によってリングギア2と第1ベル4に伝達されたトルクは、駆動ディスク12aおよび12a’に伝えられ、これらから被動ディスク12cに、そして第1固定ハブ8と可動ハブ14に伝えられる。
それゆえトルクは、スプライン成形部8aを介して被動シャフト9に伝達される。
可動ハブ14と第1固定ハブ8の間のハス歯による連結は、それ自体公知の仕方でクラッチ1に加えられるトルクに比例して、ディスクパック12を圧縮しようとする追加の軸方向力を生み出す。多板クラッチにおいていわゆる「パワートルク」の効果を得るために螺旋形状を用いることは、それ自体公知の着想であり、同一出願人の名前で提出された特
許文献5の主題をなしている。
図2Aには、第1クリアランス修復装置24が図2に対応する状態で例示され、図2Bには、第2クリアランス修復装置が図2に対応する状態で例示されている。自動係合の操作に続いて、第4カラー100とワッシャ94の間には相対変位が生じておらず、および第1ピン26と環状薄板38のパックとの間にも相対変位が生じていないことに注意されたい。同時に図2Aに見られるように、可動ハブ14(孔36)と第1加圧リング50は、係合方向Eで公称係合行程Sに等しい長さだけ軸方向に進んでおり、可動ハブ14(孔36)は、いまや第1ピン26の第2端29に接する。
遠心アセンブリおよびこれに一体的な、またはその中に包含されているすべての部材は、上で説明されたクラッチ1の自動係合の段階の間、実質的にいかなる軸方向変位も生じない。加圧アセンブリに対する質量基部80の作用に起因する、第4ピン78に対する軸方向の反作用は、弾性部材としての第2皿バネ108によって、第4カラー100の環状成形体としての第2環状突起98を介してワッシャ94の第2リップ96に逃がされ、次に第2ベル64の第2固定ハブ86に逃がされる。更に、係合段階の間、または回転速度が係合段階の速度よりも高い間、それぞれ遠心質量体76は、対応する終点ボス82に接触するまで、それぞれの第4ピン78を中心になおも回転可能である(たとえば図5参照)。このエンジン速度に依存するあとの状態は、可動ハブ14に加えられた係合方向Eにおけるさらなる軸方向変位に対応するものであり、この変位は、公称係合行程Sの値を超えるであろう。ディスクパック12が実用的にゼロ摩耗であり、部材の寸法公差が心合わせされた状態において、可動ハブ14は、係合方向Eに最大でも公称係合行程Sに等しい距離だけ軸方向に運動できる。よって公称係合行程Sの値を超える変位差は、他の軸方向に運動可能な部材、具体的には質量体キャリア62によって補償されることは明白である。
質量体キャリア62の、具体的には離脱方向Dにおける並進は、第2皿バネ108の軸方向圧縮によって可能である。
これら第2皿バネ108は、ワッシャ94の第2リップ96と第4カラー100の第2環状突起98との連結によって離脱方向Dの軸方向並進において固定されている第4カラー100と、第2ディスク104との間に組付けられ、以下に説明される所定荷重の値で予荷重を掛けて組付けられている。
質量体キャリア62は、離脱方向Dで第4カラー100に対して軸方向に滑動可能であり、こうして第2皿バネ108の圧縮を可能にする。
リング106は、離脱方向Dの軸方向並進において固定されている第4カラー100に対して、軸方向に滑動可能である。それゆえ質量体キャリア62が離脱方向Dで押圧されると、第1ディスク102および第2ディスク104と、第2弾性リング110のために質量体キャリア62に一体的なリング106とによって構成された上述の環状構造は、質量体キャリア62と共に並進し、その結果として第2皿バネ108を圧縮する。
このようにしてディスクパック12は、第2皿バネ108の予荷重の値によって制限される最大軸方向力の作用を受けるので、第2皿バネ108は、更にクラッチ1によって伝達可能なトルクの最大値を制限する。これによって、たとえば車両のギアボックスと駆動系全体に過大な荷重が掛かって損傷を与えるというようなことは防がれる。
クラッチ1は更に、たとえばハンドルに位置する公知の型のレバー制御で手動操作され得る。図3から図5に、車両の停止状態からの開始に対応する、クラッチ1の手動係合の順序を例示する。
自動車のエンジンがアイドリングしている状態に対応する図3を参照して、運転者は、それ自体公知の上述のレバー制御に基づく作用によって、制御ロッド9aの、ひいては制御部材112の、離脱方向Dにおける軸方向並進を引起こす。制御部材112は第3軸方向ベアリング114によって、遠心アセンブリを、およびその結果として遠心アセンブリに一体的なまたは遠心アセンブリに連結したすべての部材を、離脱方向Dで軸方向に押圧する。それゆえ質量体キャリア62、遠心質量体76、および貫通軸方向座部66(スロット)、第3ピン72、および加圧弾性部材68によって質量体キャリア62に連結された第2加圧リング58の、最大でも公称係合行程S、すなわち公称係合行程Sに等しい長さだけ軸方向並進が、離脱方向Dで引起こされる。
現時点の回転速度がクラッチ1の係合限界よりも低いので、遠心質量体76は、停止状態に留まっている。第1加圧リング50は、更に第2分離弾性部材54の作用によって、可動ハブ14から分離して、第2軸方向ベアリング60に接した状態に保たれている。
上で説明されたように、質量体キャリア62と遠心アセンブリ全体の軸方向並進は、第2皿バネ108の軸方向圧縮のおかげで可能であり、これら第2皿バネ108は、クラッチ1の手動係合の間、クラッチ1の制御レバーが作動するための実質的に一定の荷重を限定する。それゆえ制御ロッド9aによって操作され得る制御部材112は、遠心アセンブリの軸方向並進を、具体的には離脱方向Dで引起こすように構成され、第2皿バネ108を軸方向に圧縮して、遠心アセンブリをディスクパック12から離し、こうしてクラッチ1の係合を妨げる。
このようにして運転者の命令に対する、クラッチ1のレスポンスの観点で顕著な利点が得られる。上で説明されたように、クラッチ1に手動命令を与えるのに必要な力は、エンジン速度に関わりなく実質的に一定であり、第2皿バネ108の予荷重の値に等しい。手動離脱行程の間の第2皿バネ108の剛性に起因する微小な影響は、無視するが、これはいずれにせよ公称係合行程Sの典型的な値を前提すると無視できるほど小さい。
図4は、後続の例示した状態であり、運転者がクラッチの制御レバーを引いたままにして加速器に命令を与え、エンジン回転速度の、ひいてはクラッチ1の上で定義された限界速度を超える増加を引起こす。このようにして遠心質量体76は、変位して完全に回転した、実質的に図2の位置に対応する位置に到達する。更に遠心質量体76の作用の結果として、第2加圧リング58と質量体キャリア62は、互いに分離される。
第1分離弾性部材18と第2分離弾性部材54の作用によって、加圧アセンブリは、ディスクパック12にいかなる軸方向作用も及ぼさない。このようなことが起きるのは明らかに、遠心アセンブリの離脱方向Dにおける軸方向並進が、加圧アセンブリによって上述した弾性部材に及ぼす遠心質量体76の作用に重なったためである。
更に、図4の軸方向に運動可能な可動ハブ14と第1加圧リング50は、第1クリアランス修復装置24の第1ピン26と第2ピン30に対して、図1Aに示された位置を取っていることに注意すべきである。第4カラー100も、第1ディスク102および第2ディスク104とリング106に対して種々異なる位置を有するにもかかわらず、図1Bに示されたワッシャ94に対する位置と同じ位置を維持している。
それぞれ遠心質量体76が完全に回転して、対応する終点ボス82に接する状態に到達した時(図4)、クラッチ1の制御レバーを解除することが可能であり(図5)、こうして制御ロッド9aと制御部材112の係合方向Eにおける運動を引起こす。このようにして遠心アセンブリの係合方向Eにおける軸方向並進は、第2皿バネ108と、加圧アセンブリの軸方向圧縮の作用の解除によって引起こされる。具体的には、運転者が与えた命令
によって可動ハブ14は、ディスクパック12に向かって接近し、このディスクパック12は、次にクラッチ1の係合を引起こす。更に、運転者が制御レバーを解除した瞬間には、遠心質量体76は完全に回転し、これらの遠心質量体76は、第2皿バネ108の予荷重に対応する推力を加圧アセンブリに及ぼし、それゆえ加圧アセンブリは、推力および伝達されるトルクの所定状態でディスクパック12に接近する。
最後に、運転者がクラッチ1の制御レバーを完全に解除した直後の状態に対応する図5において、第2皿バネ108は、軸方向最小限に圧縮されて、説明されたように、遠心質量体76によって可動ハブ14に加えられる変位と、可動ハブ14自体によって効果的に行われ得る変位との差を補償するに注意すべきである。図5は、実質的にクラッチ1の完全な係合の状態を例示する。図5に示された状態はそれゆえ、図3と図4に例示されたように手動係合の順序の完了に、または図1に例示されたように自動係合の順序の完了に区別なく対応し得る。すなわち図5は、遠心質量体76の位置を除けば、図2に例示された状態と同じ状態を示し、図5では遠心質量体76は、対応する終点ボス82に接する。
図6は、手動離脱の操作の間のクラッチ1を例示する。たとえば図5に例示されているようにクラッチ1が完全に係合した状態から開始して、運転者は、制御レバーを操作して、制御ロッド9aと制御部材112を、離脱方向Dで軸方向に並進させることができる。これは上で説明されたように、離脱方向Dで遠心アセンブリと加圧アセンブリの対応する軸方向並進を引起こし、第2皿バネ108を圧縮して遠心質量体76を、対応する終点ボス82に接した状態に保つ。その結果としてディスクパック12に対する圧縮の作用が重ねられて、たとえばギアボックスの種々の比を選択することが可能である。一般にどんな場合でも、係合限界よりも僅かに高いだけの回転速度でクラッチ1を手動で離脱させることが可能であるが、クラッチ1を手動で係合させることができるのは、速度が、完全な自動クラッチ係合に対する速度よりも高い状態に到達した時だけである。
クラッチ1の有利な側面に従い、クラッチ1の手動操作を全く要することなくギアチェンジの操作を実行することも可能である。以上に説明されたことに従い、加速器の制御に基づく作用によってエンジンによって供給されるトルクを、ギアボックスにとって構造的に有害ではない状態で、異なるギアの係合を可能にする十分低い値に減少させれば十分である。
図7と図8は、図1と図2の状態に類似の操作状態におけるクラッチ1を例示するが、ディスクパック12は一部摩耗しているか、またはクラッチ1の部材の組立時における寸法公差の影響が存在して、全厚P’(実際値)が厚さP(公称値)よりも小さい。
図7、図7A、図7Bを参照して、クラッチ1の加圧アセンブリと遠心アセンブリは、図1、図1A、図1Bに示された状態に対して係合方向Eで、第1ピン26の第2端29に設けられた連続する2個の第1環状突起28aの間のピッチに等しい距離だけ変位している。かつ、第4カラー100に設けられた2個の第2環状突起98のピッチに等しい距離だけ、クラッチ1の加圧アセンブリと遠心アセンブリはそれぞれ変位している。2個のピッチは、実質的に一致するように選択されていることが好都合である。
第1クリアランス修復装置24の操作と、第2クリアランス修復装置の操作とをより良く理解するために、後続の図8、図8A、図8Bを参照できる。
図8に例示されているのは、ディスクパック12が一部摩耗しているか、またはクラッチ1の部材の組立時における寸法公差の影響が存在する状態での係合の操作である。この状態において係合行程は、ゼロ摩耗状態におけるディスクパック12の厚さPと、摩耗したディスクパック12の厚さP’との差に等しい量だけ増した公称係合行程Sに、等しい実効値を有する。
しかしながら、上で説明されたように、軸方向に運動可能な可動ハブ14は、実質的に第2ピン30の円筒頭部34と、第1ピン26の第2端29との間の軸方向運動へと強制される。更に可動ハブ14を、具体的には第1クリアランス修復装置24が挿入されている厚さの減らされた部分を、第2端29から分離している距離は、固定され、公称係合行程Sに等しい。
ディスクパック12の摩耗したクラッチ1が係合する間、可動ハブ14は、ディスクパック12の圧縮を引起こすことなく距離Sをカバーする。なぜならば前記のように係合行程は、増加した実効値を有するからである。それにもかかわらず可動ハブ14が係合方向Eで距離Sだけ変位した時に、可動ハブ14は、第1ピン26の第2端29に接することは理解されるであろう。
クラッチ1の係合を開始できるためには、第1ピン26は、可動ハブ14によって係合方向Eで環状薄板38内に、そして通路48の一部内に押圧される。これは説明されたように、第1端28に設けられた第1環状突起28aの幾何形状によって可能である。それゆえ可動ハブ14は、係合方向Eで厚さPとP’の差に等しい追加の変位を実行するが、これは摩耗によって公称係合行程Sが増加した量に等しい。
可動ハブ14が上述した追加の変位を実行できるのは、上で説明されたように、それぞれ遠心質量体76が、可動ハブ14の並進を距離Sだけ引起こすのに必要であるよりも大きな角度で回転できるからである。それゆえこの場合では遠心質量体76の作用は、最初に第1クリアランス修復装置24を作動させるために必要である。以上の説明から、第1クリアランス修復装置24は、クラッチ1が働いている状態でのみ介入することが明らかである。
第1クリアランス修復装置24は、それゆえ図8Aに例示された位置を取る。
その結果として、遠心アセンブリ、遠心アセンブリに連結したおよび/または一体的な部材、および第1加圧リング50と第2加圧リング58は、係合方向Eで可動ハブ14の追加の変位に等しい変位を被る。
前記変位が、第2クリアランス修復装置によって、具体的には修復弾性部材90によって生み出されるのは、エンジンとクラッチ1が静止状態にある時か、そうでなければエンジン速度が低いために遠心質量体76が停止位置(図1参照)にある時である。可動ハブ14の追加の変位が、通常は遠心アセンブリ修復弾性部材としての修復弾性部材90を、修復弾性部材90の作用に抗する位置に維持する反対の軸方向作用に瞬間的に重なるという事実に注意すべきである。それぞれ第1クリアランス修復装置24の操作は、第1環状突起28aの幾何形状によって、不連続な実質的にクリック状の作用である。第2分離弾性部材54による軸方向作用のみ残っているが、これは上で説明されたように、修復弾性部材90によって生み出される作用と比較すると、剛性がより大きいため無視できる量である。
次に修復弾性部材90は、遠心アセンブリを、第2ベル64の固定ハブである第2固定ハブ86から離して、係合方向Eで可動ハブ14の追加の変位に等しい変位を引起こす。明らかに、遠心アセンブリと加圧アセンブリの変位が止まると、クラッチ1内で、具体的には第1加圧リング50と可動ハブ14の境界面で、再び軸方向の機械的平衡が生じる。
第1クリアランス修復装置24の場合と同様に、変位は、ワッシャ94の第2リップ96に協働する第2環状突起98の断面形状のおかげで可能であり、第4カラー100の運動、ひいては遠心アセンブリの運動、第2皿バネ108の運動、第1ディスク102およ
び第2ディスク104の運動、そしてリング106の運動は、係合方向Eでのみ許される。
基本的に、第2クリアランス修復装置は、遠心アセンブリの軸方向運動を、軸方向に運動可能な可動ハブ14の方向にのみ許すように構成されている。第2クリアランス修復装置も、第2環状突起98の幾何形状によって、不連続な実質的にクリック状の作用の操作を有する。第2クリアランス修復装置が働くのは、エンジンとクラッチ1の静止状態、またはエンジン速度が低いために遠心質量体76が停止位置(図1参照)にある時である。
最後に、クラッチ1が図7に例示された待機状態に戻ると、第1クリアランス修復装置24は、可動ハブ14が第1固定ハブ8とディスクパック12から分離するのを制限する。可動ハブ14の追加の変位が、第1ピン26および第2ピン30の係合方向Eにおける前進を引起こした後で、円筒頭部34は、係合方向Eで軸方向に移動した位置にある。
円筒頭部34は、可動ハブ14に対する当接面を提供するので、ディスクパック12の摩耗およびクラッチ1の部材の組立時における寸法公差に起因して、係合段階で実行される追加の変位に等しい量だけ係合方向Eで移動した位置に、可動ハブ14が、第1分離弾性部材18の作用に抗して軸方向で引き留められることは明らかである。これが可能であるのは、説明されたように、第1環状突起28aに協働する第1リップ40のために、第1ピン26、ひいてはこれに一体的な第2ピン30が、離脱方向Dで軸方向に動けないからである。
このことは、図7と図7Aを参照して、可動ハブ14は、絶対的には第1固定ハブ8に近づいているが、摩耗したディスクパック12に対する距離は、実質的に値S、すなわちゼロ摩耗状態(および/または初期組立状態)における公称係合行程に戻されていることを意味する。それゆえクラッチ1は、ディスクパック12のゼロ摩耗または公称寸法を有する部材の存在に対応する類似の状態で操作できる。
事実、第1クリアランス修復装置24は、説明されたようにクラッチ1が離脱した状態で、可動ハブ14とディスクパック12の間の距離に等しいクラッチ1の係合行程を、実質的に一定かつ公称係合行程Sに等しく維持する。第2クリアランス修復装置は、クラッチ1が静止状態にある時か、そうでなければエンジン回転速度が低いために遠心質量体76が停止位置(図1)にある時、遠心アセンブリの位置を補償する作用を、第1クリアランス修復装置24の作用とは同時でなく及ぼす。このようにして遠心アセンブリ、加圧アセンブリ、具体的には可動ハブ14、およびディスクパック12の相対的位置は、ディスクパック12自体が著しく摩耗した状態(そうでなければ部材が加工公差のために公称寸法とは異なる実際の寸法で取付けられた時)でも、実質的に一定である。
クラッチ1の操作は、第1クリアランス修復装置24の位置や第2クリアランス修復装置の位置にかかわりなく、上で説明されたものと同じままである。
ここで説明されたクラッチ1は、一連の顕著な利点を提供するが、その中で最も重要なのは間違いなく、ディスクパック12の摩耗および取付時における種々の部材の寸法公差に実質的に影響されない操作を提供するという利点である。このことは運転者のインプットに対するクラッチ1のレスポンス、および車両自体の運転操作性に直接反映する。
更に、ディスクパック12の摩耗の進行に対するクラッチ1の構成は、完全に自動的で、車両の運転者にとって明瞭であるため、ディスクパック12の寿命期間中にクラッチ1を調整する介入を不要にする。このことは明らかに、自動車のメンテナンスコストに顕著な影響を与える。加えて、クラッチ1の初期組立は、操作の最適な状態を達成するためにクリアランスを繰返し測定することを想定することなく行える。なぜならば、第1クリア
ランス修復装置24と第2クリアランス修復装置が、通常はクラッチ1の操作不良もしくは操作不能を招く虞があるクリアランスを、自動的に補償するからである。このことは明らかに、コストの著しい削減につながる。同様の利点は、メンテナンス中のクラッチ1の分解と再組立の通常の作業でも見られよう。
更にクラッチ1は、遠心質量体76の数と配置、および/または種々の弾性部材の数と予荷重を変えることによって、特殊な用途や、クラッチ1を装備した自動車に応じた種々の要求に構成させることが可能である。事実、バネは、一部の質量体キャリア62から容易に取外し、後で再び取付けることができ、その結果としてクラッチ1の挙動と性能を変えることができる。
それにもかかわらずクラッチ1の別の利点として、第2皿バネ108の予荷重の値に等しい必要な一定力で、クラッチ1の手動操作を活用する可能性を有することが理解されるであろう。
最後に、第1クリアランス修復装置24と第2クリアランス修復装置を、クラッチ1とは一部異なるクラッチに応用することが可能である。
図9と図10は、本発明による第2実施形態のクラッチ201を例示する。図示された操作状態は、実質的に図1と図2の操作状態に対応し、したがって自動係合の順序の一部を示している。
同じ参照符号を付けた部材は、クラッチ1の部材に同一であり、クラッチ1について既に説明されたのと同じ機能を実行する。
クラッチ201がクラッチ1とは異なるのは、軸方向に固定されて被動ディスク12cに一体回転する第1固定ハブ208と、この実施態様ではディスク押圧リング214であるディスク押圧部材とを有する点である。このディスク押圧リング214は、軸方向に運動可能であり、第1固定ハブ208の内歯部2080と、連結に協働する外歯部2140とによって第1固定ハブ208に一体回転し、いずれの歯部も直歯を有する。それゆえトルクを伝達する間、クラッチ1の場合のように、内歯部2080および外歯部2140の幾何形状によって、追加の軸方向力を生成することが可能なことは明らかである。それゆえクラッチ201は、上述した「パワートルク」の効果を得ることはできず、その結果としてクラッチ201の遠心質量体76は、エンジンのトルクを、ギアチェンジの主軸に伝達するのに必要な全軸方向荷重を生成しなければならない。
被動ディスク12cは、内歯部によって第1固定ハブ208に一体回転する。
第1分離弾性部材18は、クラッチ1について説明されたようにディスク押圧リング214を、軸方向に固定された第1固定ハブ208から分離させるように設計され、それぞれ第1固定ハブ208と、ディスク押圧リング214上に設けられた同軸のスロット220およびスロット222内に収容されている。
第1クリアランス修復装置24の第2ピン30のそれぞれ首部32は、ディスク押圧リング214の部分に挿入され、クラッチ1に関連して説明されたものと全く同一の態様で動作する。ディスク押圧リング214は、ディスクパック12を圧縮する軸方向作用を及ぼして、トルクを、第1固定ハブ208と被動シャフト9に伝達することを可能にする。
ディスク押圧リング214は、クラッチ1の可動ハブ14と全く同じ方法で、第1加圧リング50に軸方向で協働する。クラッチ1と同様、クラッチ201は、第1加圧リング50と第2加圧リング58とディスク押圧リング214とを備えた加圧アセンブリを有する。
クラッチ201の操作は、クラッチ1の操作に同一であり、そのため改めて説明しない。クラッチ201は、それゆえ自動係合を実行することができ、1対の第2皿バネ108の存在のおかげで、手動係合と離脱の操作を一定の作動力で実行する可能性を提供する。これらの第2皿バネ108は更に、クラッチ1について説明されたように、伝達可能なトルクの制限部材として作用する。しかしながら、図9と図10ではディスク押圧リング214と第1固定ハブ208の間に螺旋状連結成形部がないために、それゆえディスクパック12を圧縮するための追加の軸方向力を生成することが不可能である。よって車両の運転者に要求される作動力は、クラッチ1で要求される作動の約2倍大きい。これによって第2皿バネ108の寸法を、より高い予荷重で設計するよう強いられることは明らかである。
クラッチ201も、クラッチ1について説明されたものと同じ第1クリアランス修復装置24と第2クリアランス修復装置の作用のおかげで、ディスクパック12の摩耗の進行に自動的、かつ運転者にとって完全に明瞭な仕方で構成することが可能である。
最後に、ここで説明されたことは、クラッチ1および201が乾式であるか湿式であるかにかかわりなく適用されることを特記しておく。

Claims (15)

  1. 駆動シャフトから被動シャフト(9)に動力を伝達するように構成され、前記被動シャフト(9)に同軸の軸心(X1)を有するクラッチ(1;201)であって、前記クラッチ(1;201)は、
    前記駆動シャフトから動力を受取るように構成された、前記軸心(X1)に同軸のリングギア(2)と;
    前記リングギア(2)に一体回転する、前記軸心(X1)に同軸の第1ベル(4)と;
    前記第1ベル(4)の内部に位置し、前記軸心(X1)に同軸の軸方向に固定された第1固定ハブ(8;208)であって、前記第1固定ハブ(8;208)は、前記被動シャフト(9)に回転結合するように構成されることと;
    ディスク押圧部材(14;214)を有して軸方向に運動可能な加圧アセンブリ(14,50,58,60;214,50,58,60)と;
    前記第1ベル(4)に一体回転し複数の被動ディスク(12c)に交互している複数の駆動ディスク(12a,12a’)を有するディスクパック(12)であって、前記ディスクパック(12)は、前記軸心(X1)に同軸であり、前記第1固定ハブ(8;208)と前記ディスク押圧部材(14;214)の間に配置されることと;
    前記第1固定ハブ(8;208)から、および前記ディスクパック(12)から、前記ディスク押圧部材(14;214)の分離を引起こすように設計された複数の分離弾性部材(18)と;
    質量体キャリア(62)と複数の遠心質量体(76)とを有する遠心アセンブリであって、前記遠心アセンブリは、前記軸心(X1)に同軸で第2ベル(64)に一体回転し、前記第2ベル(64)は前記第1ベル(4)に一体回転し、前記遠心アセンブリは、前記加圧アセンブリ(14,50,58,60;214,50,58,60)に軸方向に協働して前記ディスクパック(12)の軸方向圧縮を引起こすことと
    を有し、
    前記クラッチ(1;201)は、
    前記第1固定ハブ(8;208)からの、および前記ディスクパック(12)からの前記ディスク押圧部材(14;214)の分離を制限するように構成された一方向型の第1クリアランス修復装置(24)と;
    前記ディスク押圧部材(14;214)に向かう前記遠心アセンブリ(62,76)の軸方向運動のみを許すように構成された一方向型の第2クリアランス修復装置(90,92,94,96,98)と
    を有することを特徴とする、クラッチ(1;201)。
  2. 前記第1クリアランス修復装置(24)は、
    第1ピン(26)と;
    前記第1ピン(26)に同軸かつ一体的な第2ピン(30)と
    を有し、
    前記第1ピン(26)の第1端(28)は、環状薄板(38)のパックに挿入された第1環状突起(28a)を有し、
    前記環状薄板(38)は、軸方向に固定されて曲げ戻された第1リップ(40)を有し、
    前記第1環状突起(28a)は、前記第1リップ(40)に協働するように構成されている、
    請求項1記載のクラッチ(1;201)。
  3. 前記第2ピン(30)は、首部(32)と円筒頭部(34)を有し、
    前記首部(32)の直径は、前記円筒頭部(34)の直径よりも小さく、かつ前記第1ピン(26)の直径よりも小さい、
    請求項2記載のクラッチ(1;201)。
  4. 前記首部(32)は、前記ディスク押圧部材(14;214)に設けられた孔(36)に挿入されている、
    請求項3記載のクラッチ(1;201)。
  5. 前記首部(32)の長さ(L)は、
    前記ディスク押圧部材(14;214)の前記孔(36)の部分の厚さ(T)と;
    離脱状態の前記クラッチ(1;201)で組立クリアランスと摩耗がゼロ状態における前記ディスクパック(12)と、前記ディスク押圧部材(14;214)との間の軸方向距離(S)と
    の合計に等しい、
    請求項4記載のクラッチ(1;201)。
  6. 前記ディスク押圧部材(14)は、前記第1固定ハブ(8)に一体回転するように軸方向に運動可能な可動ハブ(14)であり、
    前記可動ハブ(14)は、前記被動ディスク(12c)に一体回転する、
    請求項5記載のクラッチ(1)。
  7. 前記第1固定ハブ(8)には、螺旋状の固定連結成形部(17a)が設けられ、
    前記可動ハブ(14)は、対応する前記固定連結成形部(17a)に協働する複数の螺旋状の可動連結成形部(17)によって、前記第1固定ハブ(8)上で軸方向に嵌合されている、
    請求項6記載のクラッチ(1)。
  8. 前記ディスク押圧部材(214)は、前記第1固定ハブ(208)に一体回転するように軸方向に運動可能なディスク押圧リング(214)である、
    請求項5記載のクラッチ(201)。
  9. 前記ディスク押圧リング(214)は、前記第1固定ハブ(208)の対応する内歯部(2080)に連結されて協働する外歯部(2140)によって、前記第1固定ハブ(208)に一体回転し、
    前記外歯部(2140)と内歯部(2080)は、直歯を有する、
    請求項8記載のクラッチ(201)。
  10. 前記第2クリアランス修復装置は、
    前記遠心アセンブリ(62,76)を、前記第2ベル(64)のハブである第2固定ハブ(86)から軸方向に離すように構成された弾性部材(90)と;
    ネジ付きリングナット(92)と;
    複数の曲げ戻された第2リップ(96)を有して前記リングナット(92)によって前記第2固定ハブ(86)上で軸方向に動かないようにされたワッシャ(94)と;
    複数の第2環状突起(98)を有して前記第2リップ(96)に協働するように構成されたカラー(100)と
    を有し、
    前記カラー(100)は、軸方向で1対の皿バネ(108)によって対向され、
    前記カラー(100)と前記皿バネ(108)は、互いに平行で平面展開を有する第1ディスク(102)と第2ディスク(104)と、前記第1ディスク(102)と第2ディスク(104)の間に置かれた垂直展開を有するリング(106)とによって構成される環状構造(102,104,106)内に配置されている、
    請求項1記載のクラッチ(1;201)。
  11. 前記環状構造(102,104,106)は、前記軸心(X1)に同軸で前記質量体キャリア(62)内に設けられた円形座部(84)内に収容されている、
    請求項10記載のクラッチ(1;201)。
  12. 前記クラッチ(1;201)は更に、軸方向で前記質量体キャリア(62)に協働する制御部材(112)を有し、
    前記制御部材(112)は、前記皿バネ(108)を軸方向に圧縮して前記遠心アセンブリを前記ディスクパック(12)から離すことによって、前記遠心アセンブリ(62,76)の軸方向並進を引起こすように構成され、
    前記制御部材(112)は、軸方向に運動可能な制御ロッド(9a)によって操作可能である、
    請求項10または11記載のクラッチ(1;201)。
  13. 前記加圧アセンブリは更に、軸方向ベアリング(60)によって軸方向に協働し前記軸心(X1)に同軸である第1加圧リング(50)と第2加圧リング(58)を有し、
    前記第2加圧リング(58)は、前記遠心質量体(76)から軸方向推力を受取るように配置され、
    前記第1加圧リング(50)は、前記軸方向推力を前記ディスク押圧部材(14;214)に伝えるように設計されている、
    請求項1記載のクラッチ(1;201)。
  14. 前記第2加圧リング(58)は、前記第2加圧リング(58)内に設けられた複数の貫通軸方向座部(66)によって、前記遠心アセンブリ(62,76)に一体回転し、
    前記貫通軸方向座部(66)内に、前記質量体キャリア(62)の対応する軸方向突起(70)が挿入され、
    前記貫通軸方向座部(66)は、前記質量体キャリア(62)に向かう前記第2加圧リング(58)の弾性的復帰を生み出すように、それぞれ弾性部材(68)を収容するように構成されている、
    請求項13記載のクラッチ(1;201)。
  15. 前記環状突起(28a;98)は、鋸歯状断面を有する、
    請求項2または10記載のクラッチ(1;201)。
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