JP2011084285A - 熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒部6を備えた熱収縮性フィルムAを、筒部が容器Bの外周面側に対向するように当該容器に被せた後、加熱収縮させる熱収縮性フィルムの加熱方法であって、熱収縮性フィルムに対する加熱を筒部のうちの筒軸芯方向一端側から開始して、その加熱箇所を筒軸芯方向他端側に向けて移動させることにより、熱収縮性フィルムを収縮させる。
【選択図】図8
Description
収縮量が大きい部分では、収縮量が小さい部分に比べて、色が濃くなったり文字や図形部分が小さくなったりして、収縮後の熱収縮性フィルムに色ムラ或いは文字や図形の歪みが生じ、収縮後の熱収縮性フィルムの外観が損なわれ易い欠点がある。
また、熱収縮性フィルムの全体が略同時に加熱されるので、熱収縮性フィルムと容器との間の空気が抜けきらずに熱収縮性フィルムが収縮して、収縮後の熱収縮性フィルムと容器との間に空気が残留し易く、その結果、収縮後の熱収縮性フィルムが部分的に容器の外面側から浮き上がることがあるので、この点においても収縮後の熱収縮性フィルムの外観が損なわれ易い欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない難い熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置を提供することを目的とする。
したがって、収縮後の熱収縮性フィルムに収縮量が大きい部分と収縮量が小さい部分とが生じ難く、色ムラ或いは文字や図形の歪みが生じ難いので、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない難い。
また、熱収縮性フィルムと容器との間の空気を筒軸芯方向他端側から押し出すように排出しながら、熱収縮性フィルムを加熱収縮させることができるので、熱収縮性フィルムと容器との間に空気が残留し難い。
したがって、収縮後の熱収縮性フィルムが部分的に容器の外面側から浮き上がることを防止することができ、この点においても収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない難い。
収縮後の筒部の位置が所定の位置よりも容器の上面側にずれてしまうと、容器の外観から受ける印象が異なってしまうおそれがある。
上記に対して、本構成であれば、熱媒流体の筒部に対する吹き付けを、当該熱媒流体が天面部に直接当たらないように筒部の筒軸芯方向一端側から開始するので、筒部の収縮開始を天面部の収縮開始よりも早くすることができ、筒部が天面部の側に引っ張られ難い。
したがって、収縮後の筒部の位置が所定の位置からずれ難い。
すなわち、アルミ箔などの熱収縮率が異なる材料9が接合された天面部7は、その材料9との接合フィルム部分7bにおける熱収縮が規制されるので、熱収縮性フィルムAの全体を加熱するに伴って、熱収縮率が異なる材料9が接合されていない側において当該材料9の外周縁に沿う非接合フィルム部分7aが、図10に示すように接合フィルム部分7bと容器Bの上面側との間に入り込みながら収縮し易く、その結果、接合フィルム部分7bが熱収縮率が異なる材料9と共に容器Bの上面側から押し上げられて、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない易い。
また、図示しないが、熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率よりも大きい材料が接合された天面部は、熱収縮性フィルムの全体を加熱するに伴う熱収縮率が大きい材料の収縮によって、熱収縮率が異なる材料が接合されていない側における当該材料の外周縁に沿うフィルム部分が熱収縮率が大きい材料の側に引っ張られ、収縮後の筒部の位置が所定の位置からずれてしまって、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない易い。
上記に対して、本構成であれば、熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料が天面部に接合されている熱収縮性フィルムであっても、熱媒流体の筒部に対する吹き付けを、当該熱媒流体が天面部に直接当たらないように筒軸芯方向一端側から開始するので、熱収縮率が異なる材料が接合されていない側における当該材料の外周縁に沿うフィルム部分が収縮したり、熱収縮率が異なる材料の側に引っ張られたりし難くなり、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない難い。
また、熱媒流体の筒部に対する吹き付け領域の一部が収縮済みの熱収縮性フィルム部分に重なるように熱媒流体を帯状に吹き付けるので、筒軸芯方向一端側から他端側に亘って、熱媒流体の吹き付け残しの部分が生じるおそれがなく、筒部を確実に収縮させることができる。
したがって、多数の容器に被せた熱収縮性フィルムの夫々を連続的に能率良く加熱収縮させることができる。
したがって、多数の容器の夫々に被せてある熱収縮性フィルムの加熱収縮工程を連続的に行うことができる。
よって、多数の容器に被せてある熱収縮性フィルムの夫々を、収縮後の熱収縮性フィルムの外観を損ない難い状態で能率良く加熱収縮させることができる。
したがって、筒部をその周方向に沿って連続する帯状に加熱収縮させながら、その帯状の加熱収縮箇所を筒軸芯方向他端側に向けて移動させて、熱収縮性フィルムと容器との間の空気を筒軸芯方向他端側から押し出すように効率良く排出することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明による加熱方法で加熱収縮させる熱収縮性フィルムAを示し、図2はその熱収縮性フィルムAが被せられる容器Bを示す。
したがって、容器Bにはキャップ4も含まれる。
上部円筒部分6aと中間円筒部分6bとの境界箇所に沿って、切り取り用のミシン目8が形成されている。
尚、熱収縮性フィルムAもアルミ箔9も厚さが薄いものであり、天面部7の下面とアルミ箔9の下面とが実質的に略面一になるように互いに接合されている。
図4に示すように、加熱装置Cは、熱収縮性フィルムAが被せられた容器Bを筒軸芯Xが上下方向に沿う姿勢、つまり、天面部7が上側に位置する姿勢で略水平方向に載置搬送する搬送装置としてのベルトコンベア10と、当該ベルトコンベア10で搬送中の容器Bを筒軸芯X周りで回転させる回転装置11と、搬送中の容器Bに被せてある熱収縮性フィルムAを加熱収縮させるための熱媒流体としての加熱空気を吹き付ける吹付け装置である第1ノズル装置12及び第2ノズル装置13とを備えている。
したがって、加熱空気は、熱収縮性フィルムの外周面に対してその周方向に沿って連続する帯状に吹き付けられる。
その吹き出し領域Dが、容器搬送方向に直交する方向において吹き付け方向先端側ほど低く、かつ、容器搬送方向において下流側ほど低い姿勢で形成されるように、ノズル16,18が配設されている。
尚、第2左ノズル装置13aと第2右ノズル装置13bのノズル18も同様に配設されているので、その説明は省略する。
加熱装置Cにおいて、ベルトコンベア10を駆動すると共に、第1ノズル装置12及び第2ノズル装置13から加熱空気を噴出させ、かつ、回転装置11の一対のベルト11a,11bを互いに逆向きに駆動回動させる。
吹き出し終了位置S2においては、図8(b)に示すように、加熱空気の熱収縮性フィルムAに対する吹き付け高さが円筒部6の下端近くになる。
したがって、第1左ノズル装置12aによる吹き付けで加熱収縮した螺旋状の収縮領域F1の幅は、第1右ノズル装置12bによる吹き付けで加熱収縮した螺旋状の収縮領域F2に比べて幅広に形成される。
1.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法は、筒部のみを備えた熱収縮性フィルムを、筒部がペットボトルなどの容器の口部や胴部の外周面側に対向するように当該容器に被せた後、加熱収縮させるために使用してもよい。
この場合は、容器に被せた熱収縮性フィルムの加熱を筒軸芯方向の容器下端側(一端側)から開始して、その加熱箇所を筒軸芯方向の容器上端側(他端側)に向けて移動させることにより、熱収縮性フィルムを収縮させてもよい。
2.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法は、加熱収縮用のレーザー光などを筒部に照射することにより、又は、熱媒流体としての加熱水蒸気を筒部に吹き付けることにより、熱収縮性フィルムに対する加熱を筒部のうちの筒軸芯方向一端側から開始して、その加熱箇所を筒軸芯方向他端側に向けて移動させてもよい。
3.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法は、吹付け装置を容器に対して移動させることにより、熱媒流体の熱収縮性フィルムに対する吹き付けを筒部のうちの筒軸芯方向一端側から開始して、その吹き付け位置を筒軸芯方向他端側に向けて移動させてもよい。
4.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、熱媒流体を噴射する噴射口の多数を一列に並べてある吹付け装置を用いて、熱媒流体を筒部の外周面に対して容器の搬送方向下流側ほど吹き付け高さが低くなるように連続的に吹き付けてもよい。
5.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料が接合されていない天面部を備えた熱収縮性フィルムを加熱収縮させるために使用してもよい。
この場合は、天面部が筒部の上端に沿って環状の鍔状に形成されていても、天面部が筒部の上端を塞ぐように形成されていてもよい。
6.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料が天面部の一部又は全部に接合されている熱収縮性フィルムを加熱収縮させるために使用してもよく、熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料の接合箇所は天面部の表面でも裏面でもよい。
7.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、飲料用以外の各種容器に被せた熱収縮性フィルムを加熱収縮させるために使用してもよい。
8.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、熱収縮性塩化ビニル樹脂や熱収縮性ポリスチレン樹脂で形成してある熱収縮性フィルムを加熱収縮させるために使用してもよい。
9.本発明による熱収縮性フィルムの加熱方法と加熱装置は、回転体形状の容器に被せた熱収縮性フィルムだけでなく、一部又は全部の横断面形状が楕円形や多角形の容器に被せた熱収縮性フィルムを加熱収縮させるために使用してもよい。
7 天面部
9 熱収縮率が熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料
10 搬送装置
11 回転装置
12 吹付け装置
13 第2吹付け装置
19 噴出口
A 熱収縮性フィルム
B 容器
E1,E2 吹き付け領域(加熱箇所)
F1,F2 収縮済みの熱収縮性フィルム部分
X 筒軸芯
Claims (11)
- 筒部を備えた熱収縮性フィルムを、前記筒部が容器の外周面側に対向するように当該容器に被せた後、加熱収縮させる熱収縮性フィルムの加熱方法であって、
前記熱収縮性フィルムに対する加熱を前記筒部のうちの筒軸芯方向一端側から開始して、その加熱箇所を筒軸芯方向他端側に向けて移動させることにより、前記熱収縮性フィルムを収縮させる熱収縮性フィルムの加熱方法。 - 前記熱収縮性フィルムを加熱収縮させるための熱媒流体を前記筒部の外周面に対して吹き付ける吹付け装置を用い、
前記熱媒流体を前記筒部の外周面に対して吹き付けながら前記容器と前記吹付け装置とを相対移動させることにより、前記熱媒流体の前記熱収縮性フィルムに対する吹き付けを前記筒部のうちの前記筒軸芯方向一端側から開始して、その吹き付け位置を筒軸芯方向他端側に向けて移動させる請求項1記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。 - 前記熱収縮性フィルムが、前記容器の上面側に対向させる天面部を前記筒部の筒軸芯方向一端側に一体に備え、
前記熱媒流体の前記筒部に対する吹き付けを、当該熱媒流体が前記天面部に直接当たらないように前記筒軸芯方向一端側から開始する請求項2記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。 - 熱収縮率が前記熱収縮性フィルムの熱収縮率とは異なる材料が前記天面部に接合されている請求項3記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。
- 前記熱媒流体の前記筒部に対する吹き付け領域の一部が収縮済みの熱収縮性フィルム部分に重なるように、前記熱媒流体を帯状に吹き付ける請求項2〜4のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。
- 前記熱収縮性フィルムが被せられた容器を前記筒軸芯が上下方向に沿う姿勢で搬送しながら、前記熱媒流体を前記筒部の外周面に対して容器搬送方向下流側ほど吹き付け高さが低くなるように吹き付ける請求項2〜5のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。
- 前記熱収縮性フィルムが被せられた容器を前記筒軸芯が上下方向に沿う姿勢で、かつ、前記筒軸芯周りで回転させながら前記容器と前記吹付け装置とを相対移動させる請求項2〜6のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムの加熱方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の熱収縮性フィルムの加熱方法に使用する加熱装置であって、
前記熱収縮性フィルムが被せられた容器を前記筒軸芯が上下方向に沿う姿勢で搬送する搬送装置と、
前記熱収縮性フィルムを加熱収縮させるための熱媒流体を、前記搬送装置で搬送中の容器に被せてある前記筒部の外周面に対して前記容器の搬送方向下流側ほど吹き付け高さが低くなるように吹き付ける吹付け装置とを備えている加熱装置。 - 前記吹付け装置が、前記熱媒流体を噴出させる前記容器の搬送方向に沿って長いスリット状の噴出口を備えている請求項8記載の加熱装置。
- 前記搬送装置で搬送中の前記容器を前記筒軸芯周りで回転させる回転装置を備えている請求項8又は9記載の加熱装置。
- 前記吹付け装置よりも前記搬送方向下流側に、前記熱媒流体を前記熱収縮性フィルムに対して少なくとも上下方向の略全長に亘って吹き付ける第2吹付け装置を備えている請求項8〜10のいずれか1項記載の加熱装置。
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