JPH10263495A - 瓶に付着した樹脂フィルム製ラベルの除去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮により瓶の胴部に付着された樹脂フィ
ルム製のラベルを容易に且つ安全に除去できる好適な除
去方法を提供する。 【解決手段】 所定の間隔をもって一列に移動する瓶２
の側面より、先端にスリット状の熱風吹出口を有するノ
ズル５を備えた熱風機４を、その熱風吹出口が瓶２に付
着した樹脂フィルム製ラベル３の全高をカバーし、且つ
前記瓶２の胴部に近接して対向するように配置する。そ
して、前記ノズル５の前面を通過する夫々の瓶の胴部に
熱風吹出口よりライン状に集中させた熱風を吹きかけて
前記樹脂フィルム製ボディラベルを溶断すると共に、溶
断された樹脂フィルム製ラベルを熱風の風圧により吹き
飛ばして瓶から除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮により瓶の
胴部に付着された樹脂フィルム製ラベルの好適な除去方
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、資源の再利用がクローズアップさ
れる中で、使用済みの酒瓶、ビール瓶、炭酸飲料用瓶な
ど各種飲料用瓶は種類ごとに回収され、リサイクルされ
るようになってきた。

【０００３】ところで、これら飲料用瓶にはその胴部に
巻き付ける形で、例えばポリ塩化ビニール（ＰＶＣ）、
ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリ
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等を材料とする樹脂
フィルム製のラベルが付着されている物が多いため、リ
サイクルの際は、先ず、回収した飲料用瓶から付着した
樹脂フィルム製のラベルを除去した後に洗浄して新品の
飲料用瓶に再生するといった手順がとられている。

【０００４】通常、前記した樹脂フィルム製のラベルは
接着剤を使用せず、樹脂フィルムの熱収縮作用によって
瓶の胴部に密着させたものであるから、瓶に付着したラ
ベルはカッター等の鋭利な刃物で瓶の上から直接切断・
分離することにより除去されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ラベル
の除去作業は瓶の固定やラベルの切断機構が複雑にな
り、自動化が困難であることから、従来より人的作業に
よる場合が多く、また、殆どが円筒形であるため、切断
の際に手元が滑り易く危険であり、瓶に密着したラベル
を１瓶づつ手作業で除去するのは極めて手間の掛かる作
業であった。

【０００６】特に、ガラス瓶の場合は、破裂防止のため
瓶の外表面を樹脂膜で被服したものも多く、ラベル除去
作業の際に、ガラス瓶の表面やこの被膜樹脂を刃物で傷
付けてしまうことが有り、損傷したものは飲料用瓶とし
ての価値を失うため、再利用できなくなるといった無駄
が生じた。

【０００７】このように、回収した多量の使用済み瓶に
迅速に対応するには、作業性や安全性の面で多くの問題
を有していた。

【０００８】本発明は、瓶の胴部に熱収縮により付着さ
れた樹脂フィルム製ラベルを容易に且つ安全に除去でき
る好適な樹脂フィルム製ラベルの除去方法を提供するこ
とを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明では、円筒
状の瓶（２）の胴部に熱収縮により付着した樹脂フィル
ム製ラベル（３）を除去する方法であって、所定の間隔
をもって一列に移動する瓶（２）の側面より、先端にス
リット状の熱風吹出口（５a ）を有するノズル（５）を
備えた熱風機（４）を、その熱風吹出口（５a ）が瓶
（２）に付着した前記樹脂フィルム製ラベル（３）の全
高（ｈ）をカバーし、且つ前記瓶（２）の胴部に近接し
て対向するように配置し、前記ノズル（５）の前面を通
過する夫々の瓶（２）の胴部に熱風吹出口（５a ）より
ライン状に集中させた熱風を吹きかけて前記樹脂フィル
ム製ラベル（３）を溶断すると共に、溶断された樹脂フ
ィルム製ラベル（３）を熱風の風圧により吹き飛ばして
瓶（２）から除去することを特徴とする。

【００１０】又、本発明では、前記ノズル（５）の熱風
吹出口（５a ）が前記瓶（２）の移動方向に沿って複数
個階段状に配置されていることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１、図２、および図３に
基づいて本発明の一実施形態を説明する。

【００１２】図１は本発明に係る樹脂フィルム製ラベル
の除去工程を示す斜視図、図２はその側面図、図３は平
型ノズルの形状を示す図である。

【００１３】図１において、１はベルトコンベア、２は
胴部に樹脂フィルム製ラベル３（以下ボディラベル３と
呼ぶ）が熱収縮により付着されている円筒形のガラス瓶
で、これらのガラス瓶２が、前記ベルトコンベア１上に
所定の間隔を持って一列に起立した状態で並べられて、
図示した矢印方向に順次搬送されて行く。

【００１４】このベルトコンベア１の側部には、先端部
にスリット状の熱風吹出口５a を有する平型ノズル５を
備えた熱風機４が４個並べて付設されており、これら熱
風機４の夫々の熱風吹出口５が前面を通過するガラス瓶
２の胴部に対向する形で搬送方向に沿って下り階段状に
配置されている。

【００１５】さらに、夫々の熱風機４は、送風管６を介
して送風機７に接続されており、この送風機７から供給
されるエアーが熱風機４のヒータで加熱され、熱風とな
って平型ノズル５の先端の熱風吹出口５a よりライン状
に集中して吹き出す。

【００１６】図２は、ガラス瓶２と平型ノズル５の位置
関係を示す左側面図である。

【００１７】本図によれば、ガラス瓶２の移動方向（ガ
ラス瓶２の奥側から手前）に向かって下り階段状に配置
された夫々熱風機４の平型ノズル５は、互いに高さ方向
に対して殆ど隙間をあけること無く、ガラス瓶２に付着
したボディラベル３の全高ｈをカバーできるように配置
されており、また、ガラス瓶２と熱風吹出口５a の間の
距離Ｐは、平型ノズル５の先端部分が搬送されてくるガ
ラス瓶２の胴部に最も接近した時、即ち、ガラス瓶２の
胴部頂面と平型ノズル５の熱風吹出口５a とが完全に対
向した時に熱風吹出口５a からの熱風で胴部に付着され
たボディラベル３が溶融するように、例えば本実施形態
では約１ｃｍ程度に設定されている。

【００１８】本実施形態の場合、リサイクルされるガラ
ス瓶２は径６８Φの胴部に巻き付け高さ１００ｍｍのボ
ディラベル３が付着された３００ｍｌ入りの酒瓶とし、
これを搬送するベルトコンベア１の搬送速度は約５ｍ／
ｍｉｎに設定してある。また、このベルトコンベア１の
側面に付設されている熱風機４は、スリット長（Ｌ）２
８ｍｍ、幅（Ｗ）１．５ｍｍの熱風吹出口５a を有する
平型ノズル５（図３参照）を備え、温度５５０℃、風速
７０ｍ／ｓｅｃ、風量１７５ｌ／ｍｉｎの熱風が得られ
るように構成されている。したがって、この熱風機４を
階段状に４個配置することにより、熱風吹出口５a より
吹き出す熱風域のトータルはボディラベル３の全高ｈ
（１００ｍｍ）を十分カバーするものである。

【００１９】一方、ラベルサイズや瓶サイズが異なるも
のに対しては、熱風機４の積み上げ個数を適宜調整する
ことで容易に対応可能となる。

【００２０】つぎに、上記構成による本発明の作用を説
明すれば、ベルトコンベア１に搬送されてガラス瓶２が
熱風を吹き出すノズル５の前面を通過すると、搬送方向
に沿って下り階段状に配置された４個の熱風機の内、ま
ず、最上流側に位置する熱風機４の熱風によってボディ
ラベル３の上側部分（ボディラベル３の全高の１／４）
が溶断され、ついで隣接する夫々の熱風機４が順次ボデ
ィラベル３を下方に向かって１／４づつ直線状に分断し
て行く（図１中に示すＡの部分）。そして、ガラス瓶２
が最下流側に位置する熱風機４に到達し、その胴部の頂
面部分が熱風吹出口５a に対向した時、ボディラベル３
は完全に溶断・分割され、熱風の風圧によってガラス瓶
２より吹き飛ばされる。

【００２１】既述したように、平型ノズル５の熱風吹出
口５a がガラス瓶２の胴部に最も接近した時に初めてボ
ディラベル３が溶断するように熱風機４の配置と熱風条
件が設定されていることから、ボディラベル３の溶断箇
所は常に胴部の頂面部分であり、これを外れたラベル部
分は熱風による影響が低下して溶断することはない。し
たがって、ボディラベルは３は常に頂面部に沿って直線
的に溶断され、不規則且つ不確実な溶断は生じない。

【００２２】また、ボディラベル３は順次部分的に吹き
付けられる熱風により、上部から下部に向かって徐々に
溶断されながら、その際の風圧で胴部より剥離されて行
くため、切断・除去はスムーズ且つ確実である。

【００２３】また、本実施形態では、複数の熱風機４を
ベルトコンベア１の搬送方向に沿って下り階段状に配置
し、ボディラベル３を上から下に向かって溶断するよう
に設定したが、逆に上記複数の熱風機４を上がり階段状
に配置して、ボディラベル３を下から上に向かって溶断
するようにしても勿論構わない。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の間隔をもって一列に移動する瓶の側面より、先端
にスリット状の熱風吹出口を有するノズルを備えた熱風
機を、その熱風吹出口が瓶に付着した樹脂フィルム製ラ
ベルの全高をカバーし、且つ前記瓶の胴部に近接して対
向するように配置し、前記ノズルの前面を通過する夫々
の瓶の胴部に熱風吹出口よりライン状に集中させた熱風
を吹きかけて前記樹脂フィルム製ラベルを溶断すると共
に、溶断された樹脂フィルム製ラベルを熱風の風圧によ
り吹き飛ばして除去するようにしたので、ラベルの除去
作業は極めて安全、且つ容易となり、また従来のよう
に、作業中に刃物でガラス瓶を損傷するといった失敗を
無くすことができる。しかも、本方法であれば、作業の
自動化も可能であるため、ラベル除去の作業効率が大幅
にアップする。

【００２５】又、本発明によれば、前記ノズルの熱風吹
出口が前記瓶の移動方向に沿って複数個階段状に配置す
るようにしたので、樹脂フィルム製ラベルは一端から他
端に向かって徐々に溶断されて行くため、ラベルの切断
・除去は極めてスムーズ且つ確実となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る樹脂フィルム製ボディラベルの除
去工程を示す斜視図である。

【図２】図１の左側面図である。

【図３】平型ノズルの形状を示す図である。

【符号の説明】

２ 瓶 ３ 樹脂フィルム製ラベル（ボディラベル） ４ 熱風機 ５ ノズル（平型ノズル） ５a 熱風吹出口 ｈ 樹脂フィルム製ラベルの全高

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形の瓶（２）の胴部に熱収縮により
   付着した樹脂フィルム製ラベル（３）を除去する方法で
   あって、 所定の間隔をもって一列に移動する瓶（２）の側面よ
   り、先端にスリット状の熱風吹出口（５a ）を有するノ
   ズル（５）を備えた熱風機（４）を、その熱風吹出口
   （５a ）が瓶（２）に付着した前記樹脂フィルム製ラベ
   ル（３）の全高（ｈ）をカバーし、且つ前記瓶（２）の
   胴部に近接して対向するように配置し、 前記ノズル（５）の前面を通過する夫々の瓶（２）の胴
   部に熱風吹出口（５a）よりライン状に集中させた熱風
   を吹きかけて前記樹脂フィルム製ラベル（３）を溶断す
   ると共に、溶断された樹脂フィルム製ラベル（３）を熱
   風の風圧により吹き飛ばして瓶（２）から除去すること
   を特徴とする瓶に付着した樹脂フィルム製ラベルの除去
   方法。
2. 【請求項２】 前記ノズル（５）の熱風吹出口（５a ）
   が前記瓶（２）の移動方向に沿って複数個階段状に配置
   されていることを特徴とする請求項１に記載の瓶に付着
   した樹脂フィルム製ラベルの除去方法。